JP2009079175A - 熱硬化性樹脂およびその製造法。 - Google Patents

熱硬化性樹脂およびその製造法。 Download PDF

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Abstract


【課題】
本発明は硬化性に優れたエチレン尿素とグリオキサールの付加縮合物に関するものである。従来知られている熱硬化性樹脂には、発がん性が危惧されるホルムアルデヒドを含んだメラミン系樹脂や尿素系樹脂がある。ホルムアルデヒドの代替としてグリオキサールを用いる検討はなされているが、満足のいく樹脂は未だ開発されていない。
【解決手段】
本発明者らは上記の課題に対して検討を重ねた結果、特定の反応条件により生成される樹脂を用いることで上記問題を解決することを見出した。すなわち、エチレン尿素とグリオキサールの付加物で、エチレン尿素とグリオキサールのモル比を1:1.2〜0.9にすることによって達成される。さらに、合成時に反応触媒のカルボン酸塩を加えることで低温でも速やかに反応し、反応時間の短縮や樹脂着色の改善が出来る。
【選択図】 なし

Description

本発明は熱により硬化し耐水性に優れた、エチレン尿素とグリオキサールの付加物およびその製造方法に関する。
従来から熱硬化性樹脂には、尿素系樹脂、メラミン系樹脂などが知られている。熱硬化性樹脂は、熱をかけると硬化し、耐熱性や耐水性などの物性がでる硬い皮膜を形成する樹脂であり多くの分野で使用されている。このような樹脂は改質剤や架橋剤として高分子化合物に加え、目的にあった機能を付与し、塗料やコーティング剤、接着剤などに使用されている。その中でも硬化性に優れた樹脂として多く使用されているのは、尿素ホルムアルデヒド樹脂とメラミンホルムアルデヒド樹脂で、繊維加工、接着加工や成型加工、紙加工、塗料、化粧板等の広汎な用途に使用されている。しかし、ホルムアルデヒドを原料とされるこれら樹脂は、ホルムアルデヒドを発生するという失点を有する。ホルムアルデヒドは人体に対し有害物質で、空気中10ppm以上存在するとその刺激臭に耐えられなくなるものである。その成分が含まれる樹脂を製造する際や加工する際に、刺激臭や皮膚障害などの健康障害を引き起こす危険性がある。そのためホルムアルデヒドを含まず、尿素ホルムアルデヒド樹脂とメラミンホルムアルデヒド樹脂と同等の物性が出るような樹脂が強く求められてきた。
非ホルムアルデヒド樹脂として、エポキシ系樹脂や不飽和ポリエステル樹脂があり、硬化性、耐熱性、耐水性などに優れている。しかし、これら樹脂は高価であり、使用方法により代替とならず現時点で満足のいくものはない。
また、非ホルムアルデヒド樹脂として、ホルムアルデヒドの代わりにグリオキサールを使用した樹脂が開発されてきた。繊維加工関係では尿素ホルムアルデヒド樹脂の代わりに、非ホルムアルデヒド樹脂として、N,N’-ジメチル尿素とグリオキサールを反応させた樹脂がある。この樹脂は酸触媒存在下、セルロース系繊維と架橋し、加工布に防皺・防縮性の機能を付加するが、樹脂自身では酸性触媒存在下で加熱しても硬化、固化は起こらないので繊維以外の用途では使用できない。
他にホルムアルデヒドを含んでいない樹脂に、環状尿素とグリオキサールが反応した樹脂(特許文献1)が提案されている。しかし、この樹脂は製造上過剰のグリオキサールを用いるため、樹脂液中にグリオキサールが多く残っており、繊維加工した際に変色や臭気を生じるなどの問題がある。グリオキサールはホルムアルデヒドのような揮発性は考えにくいが、皮膚や粘膜に対し刺激性がある化合物である。このため残存グリオキサールの多い場合には危険性が危惧され、残存グリオキサールが少ない樹脂が望まれる。既存化学物質変異原性試験データ集(日本化学物質情報・安全センター発行、1996年)に記載のグリオキサール単体の変異原性データから判断すると、樹脂中における残存グリオキサール量は、樹脂溶液40%濃度中に0.3重量%(以下記載%)以下が望ましく、それ以上では残存グリオキサールによる変異原性は陰性になると判断できる。特許文献1記載の樹脂はグリオキサールを多く使用するため残存グリオキサールが多く、安全性に問題がある。さらに樹脂中にアルデヒド基が多いため、硬化が遅く樹脂液の変色が大きい。
特許文献2記載のパーティクルボード用樹脂系接着剤は環状尿素とグリオキサールの反応物である。この樹脂はグリオキサールの使用量が少なく樹脂液中の残存グリオキサールは少ないが、樹脂末端がアミド基であり反応性に乏しい。
特開昭53−44567 特開昭59−64683
本発明では、ホルムアルデヒドを発生しない、安全性、安定性、反応性、耐水性に優れた熱硬化性樹脂を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題に対して検討を重ねた結果、特定の反応条件により上記問題を解決することを見出した。すなわち、樹脂液中のグリオキサールや化合物の末端アルデヒド含有量を減少させるため、エチレン尿素:グリオキサールのモル比を1:1.2〜0.9で反応させる事により、樹脂溶液40%濃度中に残存グリオキサール量は0.3%以下のエチレン尿素とグリオキサールの付加物が得られる。さらに、カルボン酸塩を反応触媒に用いると、樹脂着色を抑え反応時間短縮や低温でも反応が行える。
本発明の樹脂は、無触媒でも低温で硬化し、耐水性に優れた硬い皮膜を形成する。硬化させる際に酸触媒を加えることにより、さらに硬化速度を速めることができ、尿素ホルムアルデヒド樹脂やメラミン樹脂の代替として利用できる。また高分子化合物に添加し、耐水性や熱硬化性を上げるなどの改質剤として期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。エチレン尿素:グリオキサールを1:1.2〜0.9のモル比で加え、PH調整剤でPH3〜7に調整し、40℃〜70℃で反応させ、化1に示される構造の樹脂が得られる。この樹脂の特徴は当該アミド基とアルデヒド基の反応モル数が等量に近いため樹脂中に存在するアミド基とアルデヒド基が速やかに反応でき高分子化することが上げられる。上述した方法により合成されたエチレン尿素とグリオキサール付加物は末端アルデヒド基の含有量1.5〜2.2mmol/gで樹脂溶液40%濃度中に残存グリオキサールの量は0.3%以下になる。
Figure 2009079175
エチレン尿素:グリオキサールのモル比は、エチレン尿素1モルに対しグリオキサールが1.3モル以上にすると化合物の両末端がアルデヒド基の構造になり安定性が悪く、また樹脂中のグリオキサールが増えるので、刺激臭や皮膚障害などの危険性が生じる。逆にエチレン尿素1モルに対しグリオキサールが0.9モル未満にすると、化合物の両末端がアミド基の構造になるので、硬化速度が遅くなり作業性を悪くする。よってエチレン尿素:グリオキサールモル比を1:1.2〜0.9で化1に示される構造になり、硬化速度が速い化合物が得られる。
この反応は常温でも進行するが、反応速度が遅くなり樹脂液中にグリオキサールが多く残る。また、80℃以上にすると樹脂着色が激しくなり急激に反応が進むためゲル化が早く、樹脂の安定性が悪くなる。特に好ましい反応温度範囲は40℃〜70℃である。
付加反応の良いPH域はPH3〜7で、PH3以下にすると副生成物の生成も多くなり、急激に反応が進みゲル化しやすく樹脂液安定性が悪い。またPH7以上で反応させると樹脂着色が激しく、反応速度が遅いので架橋性が劣る。
PH調整剤としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,炭酸アンモニウム,炭酸カリウム,リン酸ナトリウム,リン酸水素ナトリウム,リン酸アンモニウム,リン酸水素アンモニウムなど使用できるが、かならずしもこれらに限定されるものではない。
さらに、反応触媒としてカルボン酸塩を反応液中に加えると、低温でも速やかに反応が進み樹脂着色も少なくなる。カルボン酸塩には、ギ酸ナトリウム,酢酸ナトリウム,グリコール酸ナトリウム,プロピオン酸ナトリウム,蓚酸ナトリウム,コハク酸ナトリウム,クエン酸ナトリウム,マレイン酸ナトリウムなど使用できるが、これに限定されるものではない。特に良いのは、酢酸ナトリウム,ギ酸ナトリウム,クエン酸ナトリウム,グリオキシル酸ナトリウム,グリコール酸ナトリウムで、溶液中に0.01%〜1%使用するのがよい。
樹脂液固形分は10%〜60%にするのが好ましい。60%以上にすると粘性が高くなり混合性が悪く、安定性も悪くなる。また10%未満にすると硬化に時間がかかる。より好ましくは、20%〜50%の範囲である。
エチレン尿素とグリオキサール付加物の硬化酸触媒には、例えばp−トルエンスルホン酸,塩酸,リン酸,蓚酸,クエン酸,酢酸,酒石酸,リンゴ酸,乳酸,硝酸,硫酸,硝酸アルミニウム,硫酸アルミニウム,硝酸亜鉛,塩化亜鉛,塩化アルミニウム,塩化マグネシウム,二水素化リン酸マグネシウム,塩化アンモニウム,トリクロロ酢酸,ホウフッ化亜鉛,ホウフッ化塩類等など、酸性となるものであれば使用できる。
合成した樹脂を以下の方法で分析し、化合物の構造を推測した。
末端アルデヒド基分析方法
樹脂液中の全アルデヒド基の分析を、分析化学便覧(日本分析化学会編、改訂三版)を参考に、酸性亜硫酸ナトリウム方法から全アルデヒド基含有率を算出した。また下記に示す分析法によって得られた液中のグリオキサール含有率を引き、40%樹脂液中の末端アルデヒド基含有率として分析した。
末端アルデヒド基含有率(%)=全アルデヒド基(%)−液中グリオキサール(%)
また、樹脂固形中末端アルデヒド基含有量(mmol/g)は以下の式で計算を行った。
末端アルデヒド基含有量(mmol/g)=末端アルデヒド基含有率(%)÷0.4÷29÷100×1000
酸性亜硫酸ナトリウム法(直接法)
試料1gをとり、0.3M NaHSO5ml,水5ml加え密栓をして1時間放置する。デンプン指示薬0.5ml加え速やかに0.1N Iで滴定する。同様の方法で空試験も行い次の式に当てはめ40%樹脂液中の全アルデヒド基含有率を算出した。
全アルデヒドCHO(%)=〔消費されたI液量(ml)×I規定度×29〕÷〔2×10×試料量(g)〕
液中のグリオキサール分析
高速液体クロマトグラフィー
分析装置:LC−6A(島津製作所社製)
カラム:Shim-pack CLC−ODS(島津製作所社製)
カラムサイズ:6.0×150mm,カラム温度:40℃
検出器:RID−6A(島津製作所社製),分離液:蒸留水
流量:0.3ml/min,注入試料濃度4.0mg/ml:注入量:5μl
液中の樹脂重量平均分子量
GPC分析法
以下の条件でポリエチレングリコールを標準物質とし、試料の重量平均分子量を算出した。
分析装置:LC−6A(島津製作所社製 )
カラム:HSPgel AQ2.5(Waters社製)
カラムサイズ:6.0×150mm,カラム温度:20℃
検出器:RID−6A,分離液:蒸留水
流量:0.3ml/min,注入試料濃度0.4mg/ml:注入量:5μl
なお、例中「%」、「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
還流冷却器、温度計、攪拌装置を設置した4口フラスコに、エチレン尿素86部を仕込み、水129部と40%グリオキサール130.5部(エチレン尿素:グリオキサールモル比1:0.9)を加え、水酸化ナトリウムにてPH6に調整し、60℃で10時間反応させた。反応終了後35℃で16時間熟成させ、その後30℃以下まで冷却し、溶液のPHを6に調整して、淡黄色透明溶液が得られた。この樹脂の固形分は40%で、重量平均分子量は約720、液中のグリオキサールは、0.1%、末端アルデヒド基含有率は2.1%で末端アルデヒド基含有量は1.81mmol/gであった。
実施例2
40%グリオキサールを145部(エチレン尿素:グリオキサールモル比1:1)にかえ、実施例1と同様の方法で行った。得られた樹脂は淡黄色透明溶液で、固形分は40%、重量平均分子量は約760、液中のグリオキサールは、0.1%、末端アルデヒド基含有率は2.1%で末端アルデヒド基含有量は1.81mmol/gであった。
実施例3
40%グリオキサールを159.5部(エチレン尿素:グリオキサールモル比1:1.1)にかえ、実施例1と同様の方法で行った。得られた樹脂は淡黄色透明溶液で、固形分は40%、重量平均分子量は約790、液中のグリオキサールは、0.2%、末端アルデヒド基含有率は2.3%で末端アルデヒド基含有量は1.98mmol/gであった。
実施例4
40%グリオキサールを174部(エチレン尿素:グリオキサールモル比1:1.2)にかえ、実施例1と同様の方法で行った。得られた樹脂は淡黄色透明溶液で、固形分は40%、重量平均分子量は約820、液中のグリオキサールは、0.3%、末端アルデヒド基含有率は2.5%で末端アルデヒド基含有量は2.16mmol/gであった。
実施例5
実施例2と同様のモル比にて、反応触媒に酢酸ナトリウム0.4部加え水酸化ナトリウム入れPH6に調整し、40℃で8時間反応させた。反応終了後30℃以下まで冷却し、溶液のPHを6に調整して、淡黄色透明溶液が得られた。この樹脂の固形分は40%、重量平均分子量は約760、液中のグリオキサールは、0.1%、末端アルデヒド基含有率は1.7%で末端アルデヒド基含有量は1.47mmol/gであった。
実施例6
実施例2と同様のモル比にて、反応触媒にクエン酸ナトリウム0.4部加え水酸化ナトリウム入れPH6に調整し、40℃で8時間反応させた。反応終了後30℃以下まで冷却し、溶液のPHを6に調整して、淡黄色透明溶液が得られた。この樹脂の固形分は40%、重量平均分子量は約760、液中のグリオキサールは、0.1%、末端アルデヒド基含有率は1.9%で末端アルデヒド基含有量は1.64mmol/gであった。
比較例1
40%グリオキサールを188.5部(エチレン尿素:グリオキサールモル比1:1.3)にかえ、実施例1と同様の方法で行い、淡黄色透明溶液が得られた。固形分は40%で、重量平均分子量は約880、液中のグリオキサールは、0.5%、末端アルデヒド基含有率は2.8%で末端アルデヒド基含有量は2.41mmol/gであった。
比較例2
特許文献1の実施例1を合成した。エチレン尿素86部仕込み水129部にて溶解させた。ついで、40%グリオキサール287.4部(エチレン尿素:グリオキサールモル比1:2)と濃硫酸0.57部を加え40℃にて3時間反応させた。終了後冷却し、水酸化ナトリウムにてPH5にし、固形分を40%まで加水した。淡黄色溶液が得られ、重量平均分子量1150で液中のグリオキサールは7.6%、末端アルデヒド基含有率は4.3%で末端アルデヒド基含有量は3.71mmol/gであった。
比較例3
特許文献2の実施例1を合成した。エチレン尿素86部に40%グリオキサール111.7部(エチレン尿素:グリオキサールモル比1:0.77)を入れ、水酸化ナトリウム溶液にてPH7.5に調整し、55℃1時間攪拌した。次に20%硫酸にてPH6.5にし、55℃で1時間半反応させた。反応終了冷却後、25%水酸化ナトリウムでPH7にし、固形分を40%まで加水した。得られた樹脂は淡黄色溶液で、重量平均分子量650、液中のグリオキサールは未検出であった。また、末端アルデヒド基含有率は0.9%で末端アルデヒド基含有量は0.78mmol/gだった。
比較例4
尿素ホルムアルデヒド高縮合物であるリケンレヂンHM−272(三木理研工業社製)を比較品として使用した。
比較例5
トリメチロールメラミン樹脂であるリケンレヂンMM−35(三木理研工業社製)を比較品として使用した。
硬化試験
本発明の実施例及び比較例の樹脂をそれぞれ10gはかりとり、30%p−トルエンスルホン酸0.03g加え、60℃乾燥機に入れ硬化時間と形状を比較した。
実施例1〜6と比較例4,比較例5は非常に硬化が早く、60℃×3時間乾燥で硬い皮膜を形成したのに対し、比較例1及び比較例2は、皮膜形成に時間がかかり皮膜にはベタ付きがみられた。比較例3にいたっては、8時間乾燥後も表面のみ乾燥し、下方は柔らかくベタ付きが激しかった。エチレン尿素とグリオキサール樹脂の皮膜は透明淡黄色であった。比較例4,比較例5は透明な皮膜を形成した。
耐水性試験
樹脂10gとり、30%p−トルエンスルホン酸0.03g加え、液PH3.5に調整後、60℃×8時間乾燥させ得られた皮膜をそれぞれ40℃の水に浸し、3時間後に溶解せずに残った樹脂重量を測定した。以下に示す計算法にて不溶化率を算出し、硬化させた樹脂の溶解性を比較した。
表1に乾燥条件及び試験結果を下記に示す。
評価方法
不溶化率(%)=(B/A)×100
ここで、A=試験前の皮膜重量(g) B=不溶分を乾燥させた皮膜重量(g)
皮膜表面評価:○: 皮膜を形成し硬く、表面がガラス表面状である。
△: 皮膜を形成しているが、表面はベタつきがみられる。
×: 皮膜表面が柔らかい、または皮膜が出来ない。
Figure 2009079175
実施例1,実施例2,実施例3,実施例4,実施例5,実施例6,比較例4,比較例5の樹脂乾燥皮膜は40℃の水に溶解せず残ったが、比較例3は、1時間ですぐに溶解してしまった。比較例3の化合物は、エチレン尿素が多い条件での反応の為、分子量が小さい。つまり1分子内に反応基である水酸基の量が少ないため、自己架橋が起こりにくかったと考えられる。また、比較例1,比較例2の樹脂乾燥皮膜は溶解せず残った皮膜が少なく、ほとんど形状を留めていなかった。これは化合物の両末端がアルデヒド基のため、自己架橋が実施例1〜6に対して遅かったと考えられる。
比較例1,比較例2は、樹脂液中のグリオキサールが多く、不溶化率も低かった。比較例3はグリオキサールが少ないが、不溶化率は0%であった。また比較例4,比較例5は耐水性に優れていたが、硬化試験の乾燥時にホルムアルデヒドが揮発し、安全性に問題があった。
実施例2と同モル比で、反応触媒カルボン酸塩を入れた実施例5,実施例6は共に40℃で8時間と低温で時間短縮でき、かつ硬化時間、耐水性の物性の結果は実施例2とほとんど変わらなかった。よって、樹脂液合成中に反応触媒としてカルボン酸塩を加えることにより、低温でも反応が促進され反応時間が短縮できる。以上の結果より、実施例1〜6は、硬化速度と耐水性に優れた特徴を有するものであり、メラミン樹脂や尿素樹脂の代替として使用できる。
自己架橋性を有し、耐水性のある皮膜を形成することより、塗料、形成加工、化粧板、接着剤または、改質剤として期待できる。

Claims (4)

  1. 化1の構造を有するエチレン尿素とグリオキサール付加物。
    Figure 2009079175
  2. エチレン尿素とグリオキサールのモル比が1:1.2〜0.9で反応させた付加物。
  3. エチレン尿素とグリオキサールのモル比が1:1.2〜0.9で反応させた付加物の製造方法。
  4. 反応触媒にカルボン酸塩を使用した請求項2に示されるエチレン尿素とグリオキサール付加物の製造方法。
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