JP2009078511A - 液体吐出装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ターゲットに余白なしのドット形成指定がされたときにより適正なドット形成領域を設定できるようにする。
【解決手段】用紙が搬送された状態で光学センサにより左右の端部位置を検出する(S110)。検出した右端位置と予め記憶されている用紙の右端基準位置とから選択できる用紙サイズが指定用紙サイズと一致するときには、検出した右端位置と用紙の基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定し(S170〜S190)、検出した左端位置と予め記憶されている用紙の左端基準位置とから選択できる用紙サイズが指定用紙サイズと一致するときには、検出した左端位置と用紙の基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定する(S200〜S220)。このため、搬送された用紙Pの位置をより正確に把握して、適正なドット形成領域を設定することができる。
【選択図】図3
【解決手段】用紙が搬送された状態で光学センサにより左右の端部位置を検出する(S110)。検出した右端位置と予め記憶されている用紙の右端基準位置とから選択できる用紙サイズが指定用紙サイズと一致するときには、検出した右端位置と用紙の基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定し(S170〜S190)、検出した左端位置と予め記憶されている用紙の左端基準位置とから選択できる用紙サイズが指定用紙サイズと一致するときには、検出した左端位置と用紙の基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定する(S200〜S220)。このため、搬送された用紙Pの位置をより正確に把握して、適正なドット形成領域を設定することができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、液体吐出装置及びその制御方法に関する。
従来、この種の液体吐出装置としては、プラテン上にある紙くずなどの異物を光センサで検出可能なインクジェットプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このプリンタでは、電源投入時などのプラテン上に用紙が搬送されていない状態で、用紙幅検出用の光センサを用いてプラテン上を走査する。そして、プラテン上の異物を検出するとユーザにその旨を知らせ、ユーザによる異物の除去後にプラテン上の異物の有無を確認してから印刷を行うようにしている。
特開2006−88612号公報
ところで、プラテン上に異物があるときに(印刷中に異物がプラテン上に入る場合など)プラテン上に搬送された用紙の幅を光センサを用いて検出した場合、異物の存在により用紙幅を実際の幅より大きく誤検出することがある。このとき、誤検出した用紙幅を基準として液体吐出領域を設定するので、用紙からはみ出たプラテン上の領域にまで液体を吐出する場合があり、この場合プラテン上に吐出された液体が次に搬送される用紙に付着する用紙汚れなどの問題が発生する。特に、用紙に余白なしの液体吐出領域を設定するいわゆる縁なし印刷をするときには、当初から液体吐出領域が用紙よりもわずかに大きく設定されるため、用紙幅の誤検出によって液体吐出領域が用紙から大きくはみ出てしまう場合がある。
本発明の液体吐出装置及びその制御方法は、ターゲットに余白なしのドット形成指定がされたときにより適正なドット形成領域を設定できるようにすることを主目的とする。
本発明の液体吐出装置及びその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の液体吐出装置は、
サイズの異なる複数種のターゲットに液体を吐出してドットを形成可能な液体吐出装置であって、
前記ターゲットをドット形成用の載置面に搬送する搬送手段と、
前記複数種のターゲットのサイズに応じて複数段に変更可能なガイド幅をもって前記搬送手段により搬送されるターゲットをガイドするガイド手段と、
前記載置面上のターゲットに液体を吐出する液体吐出手段と、
前記載置面上に前記複数種のターゲットの幅以上の所定幅の検出領域をもつ光学センサと、
前記複数種のターゲット毎のサイズ情報と、前記複数種のターゲットが対応するガイド幅をもって前記ガイド手段でガイドされて前記載置面上に搬送されたときの該ターゲットの端部基準位置との関係を記憶する記憶手段と、
サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴って前記ターゲットへのドット形成指示を受け付けるドット形成指示受付手段と、
前記余白なしの指定を伴って前記ターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、前記ガイド手段によるガイドを伴って前記ターゲットが搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に該ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサを用いて該ターゲットの端部位置を判定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致するときには前記判定したターゲットの端部位置および前記指定されたサイズ情報のうち少なくとも前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定するドット形成領域設定手段と、
前記設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御するドット形成実行手段と
を備えるものである。
サイズの異なる複数種のターゲットに液体を吐出してドットを形成可能な液体吐出装置であって、
前記ターゲットをドット形成用の載置面に搬送する搬送手段と、
前記複数種のターゲットのサイズに応じて複数段に変更可能なガイド幅をもって前記搬送手段により搬送されるターゲットをガイドするガイド手段と、
前記載置面上のターゲットに液体を吐出する液体吐出手段と、
前記載置面上に前記複数種のターゲットの幅以上の所定幅の検出領域をもつ光学センサと、
前記複数種のターゲット毎のサイズ情報と、前記複数種のターゲットが対応するガイド幅をもって前記ガイド手段でガイドされて前記載置面上に搬送されたときの該ターゲットの端部基準位置との関係を記憶する記憶手段と、
サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴って前記ターゲットへのドット形成指示を受け付けるドット形成指示受付手段と、
前記余白なしの指定を伴って前記ターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、前記ガイド手段によるガイドを伴って前記ターゲットが搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に該ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサを用いて該ターゲットの端部位置を判定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致するときには前記判定したターゲットの端部位置および前記指定されたサイズ情報のうち少なくとも前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定するドット形成領域設定手段と、
前記設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御するドット形成実行手段と
を備えるものである。
この本発明の液体吐出装置では、サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴ってターゲットへのドット形成指示を受け付け、余白なしの指定を伴ってターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、ガイド手段によるガイドを伴ってターゲットが搬送されるよう搬送手段を制御すると共にターゲットが載置面上に搬送されたときに光学センサを用いてターゲットの端部位置を判定し、指定されたサイズ情報と記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と判定したターゲットの端部位置とが一致するときには判定したターゲットの端部位置および指定されたサイズ情報のうち少なくとも判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、指定されたサイズ情報と記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定し、設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御する。これにより、載置面上に搬送されるターゲットの位置をより正確に把握することができるから、余白なしのドット形成領域を設定しても吐出される液体ができる限りターゲットからはみ出さないようにすることができる。この結果、ターゲットに余白なしのドット形成指定がされたときにより適正なドット形成領域を設定することができる。
また、本発明の液体吐出装置において、前記ガイド手段は、前記ターゲットの幅に応じて幅方向にスライド可能な左右のエッジガイドを備え、前記記憶手段は、前記ターゲットの端部基準位置として左右の端部基準位置を記憶し、前記ドット形成領域設定手段は、前記光学センサを用いて前記ターゲットの左右の端部位置を判定し、前記判定したターゲットの左右の端部位置の両方が前記左右の端部基準位置に一致するときには前記判定したターゲットの左右の端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記判定したターゲットの左右の端部位置の片方が前記左右の端部基準位置に一致するときには該一致する端部位置と前記指定されたサイズ情報とに基づいて余白なしのドット形成領域を設定する手段であるものとしてもよい。ここで、判定したターゲットの左右の端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定するので、より正確に載置面上のターゲットの位置を把握することができ、より適正に余白なしのドット形成領域を設定することができる。また、端部基準位置に一致する片方の端部位置と指定されたサイズ情報とに基づいて余白なしのドット形成領域を設定するので、これによっても比較的正確に載置面上のターゲットの位置を把握することができ、より適正に余白なしのドット形成領域を設定することができる。この場合、前記ドット形成領域設定手段は、前記判定したターゲットの左右の端部位置に基づいて前記ターゲットの幅を算出し、前記算出した前記ターゲットの幅が前記指定されたサイズ情報から得られる前記ターゲットの幅に一致するときには前記判定したターゲットの左右の端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定する手段であるものとしてもよい。
さらに、本発明の液体吐出装置において、前記ガイド手段は、左右の一方が固定された固定エッジガイドと他方が前記ターゲットの幅に応じて幅方向にスライド可能な可動エッジガイドとを備え、前記記憶手段は、前記ターゲットの端部基準位置として少なくとも前記可動エッジガイド側の端部基準位置を記憶し、前記ドット形成領域設定手段は、前記光学センサを用いて少なくとも前記可動エッジガイド側の前記ターゲットの端部位置を判定し、前記判定したターゲットの端部位置が前記端部基準位置に一致するときには前記判定した前記可動エッジガイド側のターゲットの端部位置と前記指定されたサイズ情報とに基づいて余白なしのドット形成領域を設定する手段であるものとしてもよい。ここで、ガイド手段にガイドされているターゲットの固定エッジガイド側の端部位置は略一定であり、その位置を判定する必然性は低いものといえる。こうすれば、光学センサを用いて左右両側のターゲットの端部位置を判定する場合に比べて余白なしのドット形成領域を素早く設定することができる。
また、本発明の液体吐出装置において、前記光学センサを前記ターゲットの搬送方向に直交する直交方向に移動させる移動手段と、前記移動手段の位置を検出する位置センサと、を備え、前記ドット形成領域設定手段は、前記ガイド手段にガイドされた前記ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサが移動するよう前記移動手段を制御し、前記位置センサにより検出された前記光学センサが検出したときの前記移動手段の位置に基づいて前記ターゲットの端部位置を判定する手段であるものとしてもよい。こうすれば、比較的容易にターゲットの端部位置を検出することができる。
また、本発明の液体吐出装置において、前記載置面には、前記ターゲットを支持する支持面が幅方向に所定間隔を隔てて複数形成され、隣接する支持面の間をなす部位に前記液体吐出手段から吐出された液体を吸収する液体吸収体を備えるものとすることもできる。上述したように、本発明の液体吐出装置では、ターゲットから大きくはみ出た領域に液体を吐出しないようにすることができるから、支持面に液体が吐出されるのを抑制することができる。
本発明の液体吐出装置の制御方法は、
サイズの異なる複数種のターゲットをドット形成用の載置面に搬送する搬送手段と、前記複数種のターゲットのサイズに応じて複数段に変更可能なガイド幅をもって前記搬送手段により搬送されるターゲットをガイドするガイド手段と、前記載置面上のターゲットに液体を吐出する液体吐出手段と、前記載置面上に前記複数種のターゲットの幅以上の所定幅の検出領域をもつ光学センサと、前記複数種のターゲット毎のサイズ情報と、前記複数種のターゲットが対応するガイド幅をもって前記ガイド手段でガイドされて前記載置面上に搬送されたときの該ターゲットの端部基準位置との関係を記憶する記憶手段と、を備える液体吐出装置のコンピュータ・ソフトウェアによる制御方法であって、
(a)サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴って前記ターゲットへのドット形成指示を受け付けるステップと、
(b)前記余白なしの指定を伴って前記ターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、前記ガイド手段によるガイドを伴って前記ターゲットが搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に該ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサを用いて該ターゲットの端部位置を判定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致するときには前記判定したターゲットの端部位置および前記指定されたサイズ情報のうち少なくとも前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定するステップと、
(c)前記設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御するステップと
を含むものである。
サイズの異なる複数種のターゲットをドット形成用の載置面に搬送する搬送手段と、前記複数種のターゲットのサイズに応じて複数段に変更可能なガイド幅をもって前記搬送手段により搬送されるターゲットをガイドするガイド手段と、前記載置面上のターゲットに液体を吐出する液体吐出手段と、前記載置面上に前記複数種のターゲットの幅以上の所定幅の検出領域をもつ光学センサと、前記複数種のターゲット毎のサイズ情報と、前記複数種のターゲットが対応するガイド幅をもって前記ガイド手段でガイドされて前記載置面上に搬送されたときの該ターゲットの端部基準位置との関係を記憶する記憶手段と、を備える液体吐出装置のコンピュータ・ソフトウェアによる制御方法であって、
(a)サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴って前記ターゲットへのドット形成指示を受け付けるステップと、
(b)前記余白なしの指定を伴って前記ターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、前記ガイド手段によるガイドを伴って前記ターゲットが搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に該ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサを用いて該ターゲットの端部位置を判定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致するときには前記判定したターゲットの端部位置および前記指定されたサイズ情報のうち少なくとも前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定するステップと、
(c)前記設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御するステップと
を含むものである。
この液体吐出装置の制御方法では、サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴ってターゲットへのドット形成指示を受け付け、余白なしの指定を伴ってターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、ガイド手段によるガイドを伴ってターゲットが搬送されるよう搬送手段を制御すると共にターゲットが載置面上に搬送されたときに光学センサを用いてターゲットの端部位置を判定し、指定されたサイズ情報と記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と判定したターゲットの端部位置とが一致するときには判定したターゲットの端部位置および指定されたサイズ情報のうち少なくとも判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、指定されたサイズ情報と記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定し、設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御する。これにより、載置面上に搬送されるターゲットの位置をより正確に把握することができるから、余白なしのドット形成領域を設定しても吐出される液体ができる限りターゲットからはみ出さないようにすることができる。この結果、ターゲットに余白なしのドット形成指定がされたときにより適正なドット形成領域を設定することができる。なお、本発明の液体吐出装置の制御方法に、上述した液体吐出装置のいずれかの機能を実現するステップを追加してもよい。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態であるプリンタ10の構成の概略を示す構成図であり、図2はプリンタ10が備える光学センサ38の構成の概略を示す構成図である。
本実施形態のプリンタ10は、図1に示すように、写真や葉書サイズの用紙Pの印刷が可能なフォトプリンタとも呼ばれるカラーインクジェットプリンタとして構成されており、用紙Pを供給する用紙供給部14と、用紙Pをプラテン18の上に搬送する紙送りローラ22やその他の図示しない搬送ローラを駆動可能な紙送りモータ24と、キャリッジモータ26aと従動ローラ26bとに架け渡されたベルト27により紙送りローラ22に平行に配置されたガイドレール28に沿って主走査方向に往復動するキャリッジ30と、キャリッジ30に搭載され溶媒としての水に着色剤としての染料または顔料を含有したブラック(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色のインクを個別に収容するインクカートリッジ32と、キャリッジ30に搭載されインクカートリッジ32からインクの供給を受けてインク滴を吐出する印刷ヘッド34と、キャリッジ30に取り付けられ用紙Pの端部や異物Iの端部を検出するための光学センサ38と、キャリッジ30の背面側に設けられキャリッジ30の位置を検出するリニア式エンコーダ36と、各種情報をディスプレイ44に表示すると共に印刷を指示するボタンなどの各種のボタン群42の操作を受け付ける操作パネル40と、プリンタ全体をコントロールすると共にホストコンピュータ90と信号をやり取りするコントローラ50とを備える。
用紙供給部14は、図1に示すように、用紙幅に拘わらず用紙Pの中心を合わせて搬送されるよう用紙Pを誘導する用紙ガイド16を備えている。用紙ガイド16は、右エッジガイド16aと左エッジガイド16bとからなり、用紙Pの幅に合わせてガイド幅を変更できるよう右エッジガイド16aと左エッジガイド16bとが互いに同調して左右にスライド可能となっている。なお、用紙Pを用紙供給部14に挿入し、ユーザが右エッジガイド16aと左エッジガイド16bとをそれぞれ用紙Pの端部に接触するまでスライドさせることで用紙Pがセットされる。
プラテン18は、図1に示すように搬送された用紙Pを載置するリブ19とリブ19の周囲に設けられたスポンジ20とにより構成されている。このリブ19は、プリンタ10で使用可能なサイズの異なる複数種の用紙Pを載置できるようにプラテン18の長手方向に複数設けられている。また、用紙Pに余白なしの印刷領域を設定するいわゆる縁なし印刷をする際に用紙Pからはみ出て吐出されるインクが付着しないように、リブ19は用紙Pの端部と重ならないように所定の間隔もって設けられている。そして、スポンジ20は、縁なし印刷の時に用紙Pからはみ出て吐出されるインクを吸収するため、リブ19同士の間隔を埋めるように敷き詰められている。
光学センサ38は、図2に示すように、発光部38a(例えば、発光ダイオードなど)と受光部38b(例えば、フォトトランジスタなど)とにより構成されている。この光学センサ38は、発光部38aから発光されると、光がプラテン18上にある用紙Pや異物Iで反射され、その反射光が受光部38bで受光されると、反射光の強さに応じた大きさの電気信号に変換される。このとき、用紙Pや異物Iはプラテン18と比べて反射光の反射率が大きくなるから、受光部38bで変換される電気信号は大きくなる。したがって、受光部38bで変換された電気信号に基づいて用紙Pや異物Iの端部を読み取ることができる。
コントローラ50は、図1に示すように、CPU51と中心としたマイクロプロセッサとして構成されており、CPU51の他に、各種処理プログラムや各種データ,各種テーブルなどを記憶するROM52と、データを一時的に記憶するRAM53と、入出力(I/O)ポート55と、印刷ヘッド34に印刷信号を出力する転送用バッファ56とを備えており、これらはバス57を介して電気的に接続されている。このコントローラ50には、リニア式エンコーダ36からの位置信号や光学センサ38の受光部38bからの電圧信号V,操作パネル40のボタン群42からの操作信号などが入力ポート54を介して入力されており、コントローラ50からは、印刷ヘッド34への制御信号やキャリッジモータ26aへの駆動信号,紙送りモータ24への駆動信号,光学センサ38の発光部38aへの制御信号,ディスプレイ44への表示信号などが出力ポート54を介して出力されている。
こうした本実施形態のプリンタ10では、印刷設定の指定を伴ってホストコンピュータ90側で展開されたドットデータをカラー画像データとして受け取ると、これを一時的にRAM53に蓄え、所定のタイミングで転送用バッファ56に出力し、紙送りモータ24により紙送りローラ22やその他の搬送ローラを回転させて用紙Pを搬送しながらキャリッジ30をキャリッジモータ26aにより往復動させ、同時に印刷ヘッド34の各色のピエゾ素子(図示せず)を駆動して各色インクを吐出することにより、用紙P上にカラー画像を形成する。ここで、印刷設定としては、用紙Pに設定される余白の有無、すなわち縁なし印刷の実行の有無や用紙Pのサイズ、紙種などの設定が含まれている。
次に、こうして構成された本実施形態のプリンタ10の動作、特に、縁なし印刷の実行が指示された際の動作について説明する。図3は、本実施形態のコントローラ50により実行される印刷処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この処理は、ROM52に記憶され、ユーザPC90から縁なし指定の印刷ジョブの指令を受信したときにコントローラ50のCPU51により実行される。この印刷ジョブには、印刷すべき画像データのほか、指定された用紙Pのサイズ情報や紙種などの設定情報が含まれる。
印刷処理ルーチンが実行されると、コントローラ50のCPU51は、まず、用紙Pの給紙処理を行うよう紙送りモータ24を制御し(ステップS100)、プラテン18上の印刷開始位置まで用紙Pが搬送されると、端部検出処理を実行する(ステップS110)。端部検出処理は、図4に例示する端部検出処理を実行することにより行われる。この端部検出処理が実行されると、コントローラ50のCPU51は、まず、光学センサ38が発光部38aから発光しながらプラテン18上を右から左へ移動するようにキャリッジ30を移動させるためキャリッジモータ26aを制御し(ステップS300)、用紙Pの右端を検出したか否かを判定し(ステップS310)、検出していないときには、検出するのを待つ。図5は、光学センサ38の発光部38aからの光の反射点がプラテン18上の用紙Pを横切る際の光学センサ38のセンサ位置Xと光学センサ38の受光部38bからの電圧信号Vとの関係を示す説明図である。図示するように、光学センサ38からの光の反射点が用紙Pの領域外であるプラテン18上に位置していると、用紙Pに比して受光部38bで受ける反射光が弱まるから、受光部38bで得られる電圧信号Vは比較的小さくなる。一方、光学センサ38からの光の反射点が用紙Pの領域内に位置すると、受光部38bは比較的大きな反射光を受けるから、受光部38bで得られる電圧信号Vは比較的大きくなる。したがって、これらを区別する閾値Vrefを定めて受光部38bで得られる電圧信号Vと閾値Vrefとを比較することにより、光学センサ38が用紙Pの端部を検出したか否かを判定することができる。ステップS310で光学センサ38が用紙Pの右端を検出したと判定したときには、そのときの光学センサ38のセンサ位置Xをリニア式エンコーダ36の検出値から入力して右端位置XrとしてRAM53に格納する(ステップS320)。次に、用紙Pの左端を検出したか否かを判定し(ステップS330)、検出していないときには、検出するのを待つ。一方、左端を検出したと判定したときには、そのときの光学センサ38のセンサ位置Xをリニア式エンコーダ36の検出値から入力して左端位置XlとしてRAM53に格納し(ステップS340)、本ルーチンを終了する。ここで、通常は図5に示すように、用紙Pの右端を右端位置Xrとして格納し、用紙Pの左端を左端位置Xlとして格納する処理となるが、紙くずなどの異物Iが用紙Pの端部と重なるようにプラテン18上に存在しているときには、必ずしも用紙Pの端部を検出しない場合もある。
検出したセンサ位置XをRAM53に格納すると、コントローラ50のCPU51は、格納した右端位置Xrと左端位置Xlとに基づいて用紙Pの検出幅を算出する(ステップS120)。検出幅は、左端として格納された左端位置Xlと右端として格納された右端位置Xrとの距離(Xl−Xr)として算出される。次に、印刷ジョブに含まれている用紙Pのサイズ情報から指定された用紙サイズを入力し(ステップS130)、入力した指定用紙サイズから基準幅を設定する(ステップS140)。本実施形態では、図6に示すようなプリンタ10で対応可能な用紙サイズと基準幅や左右の端部基準位置との一覧を基準値選択用マップとして予めROM52に記憶しておき、ステップS130でサイズ情報から指定された用紙サイズを入力すると、ステップS140で基準値選択用マップから用紙サイズに基づいて選択した基準幅を設定するものとした。基準幅を設定すると、検出幅と基準幅とが略一致するか否かを判定し(ステップS150)、一致するときには、右端位置Xr,左端位置Xlに基づいて縁なし印字領域を設定し(ステップS160)、印刷を実行する(ステップS240)。なお、検出幅と基準幅との差が所定の許容範囲内(例えば、±1mmなど)にあれば略一致すると判定するものとした。このときの縁なし印字領域は、右端位置Xrと左端位置Xlとから用紙Pのセンタ位置を決定し、決定したセンタ位置を基準として用紙Pのサイズ情報から求めた基準幅を振り分けて印字領域を仮設定し、さらに仮設定した印字領域を若干量(数%)の拡大率をもって拡大することによって設定する。こうして印刷を実行すると、印刷すべき次の印刷データが存在するか否かを判定し(ステップS250)、印刷データが存在すると判定されたときにはステップS100に戻ってステップS100〜S250の処理を繰り返し、印刷データが存在しないと判定されたときにはこれで本ルーチンを終了する。
一方、ステップS150で検出幅と基準幅とが略一致しないときには、コントローラ50のCPU51は、紙くずなどの異物Iが用紙Pの端部と重なるようにプラテン18上に存在していると判断し、右端位置Xrに略一致する右端基準位置をもつ用紙サイズを1つだけ選択可能であるか否かを判定する(ステップS170)。本実施形態では、前述の基準値選択用マップ(図6参照)を用いて選択するものとした。ここで、用紙Pの右端に異物Iが重なっていなければ、右端位置Xrは用紙Pの右端位置となり、また、図5に示すように用紙Pが用紙ガイド16にガイドされた状態で搬送されていれば、右端位置Xrに略一致する右端基準位置をもつ用紙サイズが選択可能に存在することになる。なお、右端位置Xrと右端基準位置との差が所定の許容範囲内(例えば、±1mmなど)にあれば略一致すると判定するものとした。ステップS170で用紙サイズを1つだけ選択可能であると判定したときには、選択可能な用紙サイズと指定された用紙サイズとが一致するか否かを判定する(ステップS180)。両者が一致するときには、用紙Pの左端に異物Iが重なっており用紙Pの左端位置を誤検出したため検出幅と基準幅とが略一致しなかったが指定された通りの用紙Pが搬送されその右端位置を正確に検出できていると判断して、右端位置Xrと用紙Pの基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定する(ステップS190)。このときの縁なし印字領域は、右端位置Xrと用紙Pの基準幅とから用紙Pのセンタ位置を決定し、決定したセンタ位置を基準として用紙Pのサイズ情報から求めた基準幅を振り分けて印字領域を仮設定し、さらに仮設定した印字領域を若干量(数%)の拡大率をもって拡大することによって設定する。
この場合の様子を図7に基づいて説明する。図7は、異物Iと用紙Pの位置関係の一例を示す説明図である。図7では、用紙Pの左端に異物Iが重なっている場合を示している。このとき、用紙サイズはL判が指定されているものとする。この場合、ステップS110で用紙Pの右端を右端位置Xr(例えば、22.5mm)に格納し、異物Iの左端を左端位置Xl(例えば、121mm)に格納し、ステップS120で左端位置Xlと右端位置Xrとの距離(Xl−Xr=98.5mm)を検出幅として算出する。次に、ステップS130で指定用紙サイズにL判を入力し、ステップS140で基準値選択用マップ(図6参照)からL判の基準幅(89mm)を入力し、ステップS150で検出幅(98.5mm)と基準幅(89mm)とが略一致しないと判定する。続くステップS170で基準値選択用マップ(図6参照)から右端位置Xr(22.5mm)に略一致する右端基準位置をもつ用紙サイズとしてL判だけを選択可能であると判定し、ステップS180で選択可能な用紙サイズ(L判)と指定された用紙サイズ(L判)とが一致すると判定し、ステップS190で右端位置Xrと指定された用紙サイズ(L判)の基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定する。こうして印字領域を設定すると、ステップS240〜S250の処理を実行して、本ルーチンを終了する。これに対して、異物Iがある場合に格納したセンサ位置Xをそのまま用いて用紙幅を検出し印字領域を設定する場合を比較例として図8に基づいて説明する。図8は、比較例における印字領域の設定を示す説明図である。コントローラ50のCPU51は、まず、上述の端部検出処理を実行し右端位置Xr(22.5mm),左端位置Xl(121mm)を格納する。次に、左端位置Xlと右端位置Xrとの距離(Xl−Xr=98.5mm)を検出幅として算出する。このとき、誤検出した検出幅をそのまま用いてそのセんタ位置(図8中のCの位置)を基準として縁なし印字領域を設定したとすると、印字領域のうちの一部が用紙Pからはみ出してプラテン18にインクが吐出される(図8中の斜線部分)。ここで、縁なし印刷に対応するため用紙Pの端部はスポンジ20上に搬送されるようになっているので用紙Pからはみ出てインクを吐出しても本来はスポンジ20に吸収される。しかし、図8に示すように用紙Pから印字領域が大きくはみ出ると、リブ19上にインクが吐出されてしまう(図8の拡大図中の網掛け部分)。そこで、従来は、リブ19へのインクの付着を防ぐため、検出幅が基準幅と異なる場合には、縁なし印刷を中止して縁あり印刷を行うようにしていた。このように、プラテン18上に存在する異物Iが用紙Pの左端に重なっているために用紙Pの幅を誤検出した結果、検出幅が基準幅と異なる場合には、縁なし印刷をすることができなかったが、上述した本実施形態では異物Iが重なっていない用紙Pの右端位置Xrに基づいて縁なし印字領域を設定することができる。このとき、用紙Pの右端基準位置に一致している右端位置Xrと指定された用紙サイズの基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定するので、用紙Pから大きくはみ出た領域にインクを吐出することがない。
一方、ステップS170で右端位置Xrに略一致する右端基準位置をもつ用紙サイズを選択できないあるいは右端位置Xrに略一致する右端基準位置をもつ用紙サイズを複数選択可能なとき、またはステップS180で選択可能な用紙サイズと指定された用紙サイズとが一致しないときには、コントローラ50のCPU51は、左端位置Xlに一致する左端基準位置をもつ用紙サイズを1つだけ選択可能であるか否かを判定する(ステップS200)。本実施形態では、前述の基準値選択用マップ(図6参照)を用いて選択するものとした。ここで、用紙Pの左端に異物Iが重なっていなければ、左端位置Xlは用紙Pの左端位置となり、また、図5に示すように用紙Pが用紙ガイド16にガイドされた状態で搬送されていれば、左端位置Xlに略一致する左端基準位置をもつ用紙サイズが選択可能に存在することになる。なお、左端位置Xlと左端基準位置との差が所定の許容範囲内(例えば、±1mmなど)にあれば略一致すると判定するものとした。ステップS200で用紙サイズを1つだけ選択可能であると判定したときには、選択可能な用紙サイズと指定された用紙サイズとが一致するか否かを判定する(ステップS210)。両者が一致するときには、用紙Pの右端に異物Iが重なっており用紙Pの右端位置を誤検出したため検出幅と基準幅とが一致しなかったが指定された通りの用紙Pが搬送されその左端を正確に検出できていると判断して、左端位置Xlと用紙Pの基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定する(ステップS220)。このときの縁なし印字領域は、左端位置Xlと用紙Pの基準幅とから用紙Pのセンタ位置を決定したあと、前述したステップS190と同様な処理を行って設定する。こうして印字領域を設定すると、ステップS240〜S250の処理を実行して、本ルーチンを終了する。このように、用紙Pの検出幅が基準幅と異なる場合でも異物Iが重なっていない用紙Pの左端位置Xlに基づいて縁なし印字領域を設定することができる。このとき、用紙Pの左端基準位置に一致している左端位置Xlと指定された用紙サイズの基準幅とに基づいて縁なし印字領域を設定するので、用紙Pから大きくはみ出た領域にインクを吐出することがない。
一方、ステップS200で左端位置Xlに略一致する左端基準位置をもつ用紙サイズを選択できないあるいは左端位置Xlに略一致する左端基準位置をもつ用紙サイズを複数選択可能なとき、またはステップS210で選択可能な用紙サイズと指定された用紙サイズとが一致しないときには、コントローラ50のCPU51は、用紙Pの両端部に異物Iが重なっているため用紙Pの両端部を正確に検出できない場合等であると判断し、右端位置Xr,左端位置Xlに基づいて縁あり印字領域を設定する(ステップS230)。このときの縁あり印字領域は、右端位置Xrと左端位置Xlとから用紙Pのセンタ位置を決定し、決定したセンタ位置を基準として用紙Pのサイズ情報から求めた基準幅を振り分けて印字領域を仮設定し、さらに仮設定した印字領域が用紙Pの縁に所定の余白量(例えば、片側3mm)をもつように縮小することによって設定する。こうして印字領域を設定すると、ステップS240〜S250の処理を実行して、本ルーチンを終了する。このように、用紙Pの端部基準位置と判定した用紙Pの右端位置Xr,左端位置Xlとが一致しないときには縁なしの指定に拘わらず縁あり印字領域を設定する。このとき、用紙Pの右端位置Xr,左端位置Xlに基づいて縁あり印字領域を設定するので、用紙Pから大きくはみ出た領域にインクを吐出することがほとんどない。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の紙送りローラ22やその他の搬送ローラ,紙送りモータ24などが「搬送手段」に相当し、右エッジガイド16aと左エッジガイド16bとを備える用紙ガイド16が「ガイド手段」に相当し、印刷ヘッド34が「液体吐出手段」に相当し、発光部38aと受光部38bとを備える光学センサ38が「光学センサ」に相当し、ROM52が「記憶手段」に相当し、キャリッジ30やキャリッジモータ26a,従動ローラ26b,ベルト27,ガイドレール28などが「移動手段」に相当し、リニア式エンコーダ36が「位置センサ」に相当し、印刷ジョブの指令を受信するコントローラ50が「ドット形成指示受付手段」に相当し、図3に例示する印刷処理のステップS100〜S230を実行するコントローラ50が「ドット形成領域設定手段」に相当し、図3の印刷処理のステップS240〜S250を実行するコントローラ50が「ドット形成実行手段」に相当する。
以上説明した本実施形態のプリンタ10によれば、プラテン18上に搬送される用紙Pの位置をより正確に把握することができるから、縁なし印字領域を設定しても吐出されるインクができる限り用紙Pからはみ出さないようにすることができ、用紙Pに縁なし印刷指示がされたときにより適正な縁なし印字領域を設定することができる。
また、判定した用紙Pの左右の端部位置に基づいて縁なし印字領域を設定するので、より正確にプラテン18上の用紙Pの位置を把握することができ、より適正に縁なし印字領域を設定することができる。更に、用紙Pの端部基準位置に一致する片方の端部位置と指定されたサイズ情報とに基づいて縁なし印字領域を設定するので、これによっても比較的正確にプラテン18上の用紙Pの位置を把握することができ、より適正に縁なし印字領域を設定することができる。更にまた、キャリッジ30に搭載された光学センサ38を用いて端部位置を検出するので比較的容易に用紙Pの幅を検出することができる。そしてまた、用紙Pから大きくはみ出た領域にインクを吐出しないようにすることができるから、リブ19にインクが吐出されるのを抑制することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲内に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本実施形態では、右端位置Xrに略一致する右端基準位置をもつ用紙サイズを1つだけ選択可能であるか否かを判定し、選択可能であるときには選択可能な用紙サイズと指定された用紙サイズとが一致するか否かを判定するものとしたが、入力した指定用紙サイズから右端基準位置を設定し、設定した右端基準位置と右端位置Xrとが略一致するか否かを判定するものとしてもよい。また、左端位置Xlに略一致する左端基準位置をもつ用紙サイズを1つだけ選択可能であるか否かを判定し、選択可能であるときには選択可能な用紙サイズと指定された用紙サイズとが一致するか否かを判定するものとしたが、同様に、入力した指定用紙サイズから左端基準位置を設定し、設定した左端基準位置と左端位置Xlとが略一致するか否かを判定するものとしてもよい。この処理は、図3の印刷処理ルーチンのステップS170〜S180,S200〜S210を図9の処理に置き換えるものとすればよく、以下、図9に基づいて説明する。コントローラ50のCPU51は、ステップS130で入力した指定用紙サイズから基準値選択用マップ(図6参照)を用いて右端基準位置を設定する(ステップS172)。次に、設定した右端基準位置と右端位置Xrとが略一致するか否かを判定し(ステップS174)、略一致するときにはステップS190以降の処理を実行する。一方、ステップS174で設定した右端基準位置と右端位置Xrとが略一致しないときには、指定用紙サイズから基準値選択用マップ(図6参照)を用いて左端基準位置を設定する(ステップS202)。次に、設定した左端基準位置と左端位置Xlとが略一致するか否かを判定し(ステップS204)、略一致するときにはステップS220以降の処理を実行し、略一致しないときにはステップS230以降の処理を実行する。
本実施形態では、用紙幅に拘わらず用紙Pの中心がプリンタ10の中心を通って搬送されるものとしたが、用紙幅に拘わらず用紙Pの一方の端部が所定位置に沿って搬送されるものとしてもよい。この場合、右エッジガイド16aと左エッジガイド16bのうち一方を固定エッジガイドとし、他方を用紙幅に応じて幅方向にスライド可能な可動エッジガイドとすればよい。右エッジガイド16aが固定エッジガイドとなるときの基準値選択用マップを図10に示す。図10に示すように、右端基準位置は用紙サイズに拘わらず一定(15mm)となる。このため、図3の印刷処理ルーチンのステップS170において、右端位置Xrに一致する右端基準位置をもつ用紙サイズを複数選択可能となり否定判定される。また、右エッジガイド16aが固定エッジガイドとなるときには、用紙Pの右端位置を判定するステップS170〜S190の処理を省略するものとしてもよい。こうすれば、左右両側のターゲットの端部位置を判定する場合に比べて余白なしのドット形成領域を素早く設定することができる。一方、左エッジガイド16bが固定エッジガイドとなるときの基準値選択用マップを図11に示す。図11に示すように、左端基準位置は用紙サイズに拘わらず一定(120mm)となる。このため、図3の印刷処理ルーチンのステップS200において、同様に否定判定される。また、このとき、用紙Pの左端位置を判定するステップS200〜S220の処理を省略するものとしてもよい。なお、用紙ガイド16はユーザがスライドさせて合わせるものとしたが、バネなどを利用して自動でスライドする機構を備えるものとしてもよい。
本実施形態では、図3の印刷処理において、用紙Pの検出幅を算出し、検出幅と基準幅とが略一致するか否かを判定するものとしたが、検出幅を算出することなく端部位置と端部基準位置に基づいて処理を行うものとしてもよい。この場合、ステップS140〜S160の処理を省略するものとすればよい。
本実施形態では、印字領域を設定する際に用紙Pのセンタ位置を決定して設定するものとしたが、センタ位置を決めずに印字領域を設定するものとしてもよい。この場合、端部位置と端部位置から定まる幅とをもって印字領域を仮設定し、縁なし印刷の場合には仮設定した印字領域を若干量(数%)の拡大率をもって拡大することによって縁なし印字領域を設定し、縁あり印刷の場合は仮設定した印字領域が用紙Pの縁に所定の余白量(例えば、片側3mm)をもつように縮小することによって縁あり印字領域を設定する。
本実施形態では、キャリッジ30が左方向に移動しているときに光学センサ38の受光部38bからの電圧信号Vが小から大に切り替わり閾値Vrefを上回った時点を右端とし、電圧信号Vが大から小に切り替わり閾値Vrefを下回った時点を左端として検出するものとしたが、電圧信号Vが小から大に切り替わる立ち上がり時に高感度に設定されている光学センサを用いる場合には電圧信号Vの立ち上がりのみを端部として検出するものとしてもよいし、電圧信号Vが大から小に切り替わる立ち下がり時に高感度に設定されている光学センサを用いる場合には電圧信号Vの立ち下がりのみを端部として検出するものとしてもよい。すなわち、キャリッジ30が左方向に移動しているときに光学センサ38の受光部38bからの電圧信号Vが小から大に切り替わり閾値Vrefを上回った時点を右端とし、キャリッジ30がプラテン18の左端の位置まで達した後、右方向に移動しているときに電圧信号Vが小から大に切り替わり閾値Vrefを上回った時点を左端として検出するものとしてもよい。あるいは、キャリッジ30が左方向に移動しているときに光学センサ38の受光部38bからの電圧信号Vが大から小に切り替わり閾値Vrefを下回った時点を左端とし、キャリッジ30がプラテン18の左端の位置まで達した後、右方向に移動しているときに電圧信号Vが大から小に切り替わり閾値Vrefを下回った時点を右端として検出するものとしてもよい。
本実施形態では、光学センサ38はキャリッジ30に取り付けられているものとしたが、キャリッジ30に取り付けることなくプリンタ本体に固定するものとしてもよい。この場合、用紙Pの幅以上の幅を検出できるよう光学式センサがプラテン18に沿って一列に配置されているものとしてもよい。
本実施形態では、プリンタとしてフォトプリンタを例示したが、汎用のインクジェットプリンタに本発明を適用してもよいし、レーザプリンタや熱転写方式のプリンタなどの他の方式のプリンタに本発明を適用してもよいし、プリンタ以外にファクシミリ装置などのように印刷機能を有する装置に本発明を適用してもよい。
本実施形態では、本発明の液体吐出装置をプリンタ10に具体化した例を示したが、インク以外の他の液体や機能材料の粒子が分散されている液状体(分散液)、ジェルのような流状体などを吐出する液体吐出装置に具体化してもよいし、液体として吐出可能な固体を吐出する液体吐出装置に具体化してもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ及びカラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を溶解した液体を吐出する液体吐出装置、同材料を分散した液状体を吐出する液状体吐出装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する液体吐出装置としてもよい。また、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する液体吐出装置、ジェルを吐出する流状体吐出装置としてもよい。
本実施形態では、本発明の液体吐出装置をプリンタ10に具体化した例を用いて説明したが、液体吐出装置の制御方法の形態とするものとしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることは勿論である。
10 プリンタ、14 用紙供給部、16 用紙ガイド、16a 右エッジガイド、16b 左エッジガイド、18 プラテン、19 リブ、20 スポンジ、22 紙送りローラ、24 紙送りモータ、26a キャリッジモータ、26b 従動ローラ、27 ベルト、28 ガイドレール、30 キャリッジ、32 インクカードリッジ、34 印刷ヘッド、36 リニア式エンコーダ、38 光学センサ、38a 発光部、38b 受光部、40 操作パネル、42 ボタン群、44 ディスプレイ、50 コントローラ、51 CPU、52 ROM、53 RAM、55 入出力(I/O)ポート、56 転送用バッファ、57 バス、90 ホストコンピュータ、I 異物、P 用紙。
Claims (7)
- サイズの異なる複数種のターゲットに液体を吐出してドットを形成可能な液体吐出装置であって、
前記ターゲットをドット形成用の載置面に搬送する搬送手段と、
前記複数種のターゲットのサイズに応じて複数段に変更可能なガイド幅をもって前記搬送手段により搬送されるターゲットをガイドするガイド手段と、
前記載置面上のターゲットに液体を吐出する液体吐出手段と、
前記載置面上に前記複数種のターゲットの幅以上の所定幅の検出領域をもつ光学センサと、
前記複数種のターゲット毎のサイズ情報と、前記複数種のターゲットが対応するガイド幅をもって前記ガイド手段でガイドされて前記載置面上に搬送されたときの該ターゲットの端部基準位置との関係を記憶する記憶手段と、
サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴って前記ターゲットへのドット形成指示を受け付けるドット形成指示受付手段と、
前記余白なしの指定を伴って前記ターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、前記ガイド手段によるガイドを伴って前記ターゲットが搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に該ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサを用いて該ターゲットの端部位置を判定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致するときには前記判定したターゲットの端部位置および前記指定されたサイズ情報のうち少なくとも前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定するドット形成領域設定手段と、
前記設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御するドット形成実行手段と
を備える液体吐出装置。 - 請求項1記載の液体吐出装置であって、
前記ガイド手段は、前記ターゲットの幅に応じて幅方向にスライド可能な左右のエッジガイドを備え、
前記記憶手段は、前記ターゲットの端部基準位置として左右の端部基準位置を記憶し、
前記ドット形成領域設定手段は、前記光学センサを用いて前記ターゲットの左右の端部位置を判定し、前記判定したターゲットの左右の端部位置の両方が前記左右の端部基準位置に一致するときには前記判定したターゲットの左右の端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記判定したターゲットの左右の端部位置の片方が前記左右の端部基準位置に一致するときには該一致する端部位置と前記指定されたサイズ情報とに基づいて余白なしのドット形成領域を設定する手段である
液体吐出装置。 - 前記ドット形成領域設定手段は、前記判定したターゲットの左右の端部位置に基づいて前記ターゲットの幅を算出し、前記算出した前記ターゲットの幅が前記指定されたサイズ情報から得られる前記ターゲットの幅に一致するときには前記判定したターゲットの左右の端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定する手段である
請求項2に記載の液体吐出装置。 - 請求項1記載の液体吐出装置であって、
前記ガイド手段は、左右の一方が固定された固定エッジガイドと他方が前記ターゲットの幅に応じて幅方向にスライド可能な可動エッジガイドとを備え、
前記記憶手段は、前記ターゲットの端部基準位置として少なくとも前記可動エッジガイド側の端部基準位置を記憶し、
前記ドット形成領域設定手段は、前記光学センサを用いて少なくとも前記可動エッジガイド側の前記ターゲットの端部位置を判定し、前記判定したターゲットの端部位置が前記端部基準位置に一致するときには前記判定した前記可動エッジガイド側のターゲットの端部位置と前記指定されたサイズ情報とに基づいて余白なしのドット形成領域を設定する手段である
液体吐出装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出装置であって、
前記光学センサを前記ターゲットの搬送方向に直交する直交方向に移動させる移動手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置センサと、
を備え、
前記ドット形成領域設定手段は、前記ガイド手段にガイドされた前記ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサが移動するよう前記移動手段を制御し、前記位置センサにより検出された前記光学センサが検出したときの前記移動手段の位置に基づいて前記ターゲットの端部位置を判定する手段である
液体吐出装置。 - 前記載置面には、前記ターゲットを支持する支持面が幅方向に所定間隔を隔てて複数形成され、隣接する支持面の間をなす部位に前記液体吐出手段から吐出された液体を吸収する液体吸収体を備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
- サイズの異なる複数種のターゲットをドット形成用の載置面に搬送する搬送手段と、前記複数種のターゲットのサイズに応じて複数段に変更可能なガイド幅をもって前記搬送手段により搬送されるターゲットをガイドするガイド手段と、前記載置面上のターゲットに液体を吐出する液体吐出手段と、前記載置面上に前記複数種のターゲットの幅以上の所定幅の検出領域をもつ光学センサと、前記複数種のターゲット毎のサイズ情報と、前記複数種のターゲットが対応するガイド幅をもって前記ガイド手段でガイドされて前記載置面上に搬送されたときの該ターゲットの端部基準位置との関係を記憶する記憶手段と、を備える液体吐出装置のコンピュータ・ソフトウェアによる制御方法であって、
(a)サイズ情報の指定と余白の有無の指定とを伴って前記ターゲットへのドット形成指示を受け付けるステップと、
(b)前記余白なしの指定を伴って前記ターゲットへのドット形成指示が受け付けられたとき、前記ガイド手段によるガイドを伴って前記ターゲットが搬送されるよう前記搬送手段を制御すると共に該ターゲットが前記載置面上に搬送されたときに前記光学センサを用いて該ターゲットの端部位置を判定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致するときには前記判定したターゲットの端部位置および前記指定されたサイズ情報のうち少なくとも前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白なしのドット形成領域を設定し、前記指定されたサイズ情報と前記記憶手段に記憶した関係とから得られるターゲットの端部基準位置と前記判定したターゲットの端部位置とが一致しないときには前記判定したターゲットの端部位置に基づいて余白ありのドット形成領域を設定するステップと、
(c)前記設定されたドット形成領域に液体が吐出されるよう前記液体吐出手段を制御するステップと
を含む液体吐出装置の制御方法。
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