JP2009072075A - 植物栽培システムおよび植物栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともその一部が無孔性親水性フィルム2で構成されることを特徴とするコンパクトな完全閉鎖系植物栽培システム1を用い、その無孔性親水性フィルム部分2を外部養液3と接触させて、植物栽培システム1内部の閉鎖空間で植物体5を栽培する。
【選択図】図1
Description
図1および図2は、本発明の植物栽培システムの基本的な態様の例を示す摸式断面図である。図1および図2を参照して、本発明の植物栽培システム1は、無孔性親水性フィルム2とカバー8から構成され、その内部に植物体を栽培するための密閉空間を形成する。
本発明において特に好ましく用いられる無孔性親水性フィルムは、「植物体の根と実質的に一体化し得る」フィルムであることが特徴である。本発明において「植物体の根と実質的に一体化」できるか否かは、例えば、後述する「一体化試験」によって判断できる。
耐水圧はJIS
L1092(B法)に準じた方法によって測定することができる。本発明のフィルムの耐水圧としては10cm以上、好ましくは20cm以上、より好ましくは30cm以上である。
本発明においては、上記無孔性親水性フィルムは、該フィルムを介して水と塩水(0.5質量%)とを対向して接触させた際に、測定開始4日後の水/塩水の栽培温度において測定した電気伝導度(EC)の差が4.5dS/m以下であることが好ましい。この電気伝導度の差は、更には3.5dS/m以下であることが好ましい。特に、2.0dS/m以下であることが好ましい。この電気伝導度の差は、以下のようにして測定することが好ましい。
肥料は、通常イオンの形で吸収されるため、液中に溶けている塩類(あるいはイオン)量を把握することが望ましい。このイオン濃度を測定する手段として電気伝導度(EC、イーシー)を用いる。ECは比導電率ともいい、断面積1cm2の電極2枚を1cmの距離に離したときの電気伝導度の値を使用する。単位はシーメンス(S)が使われ、S/cmとなるが肥料養液のECは小さいので、1/1000のmS/cmを使う(国際単位系ではdS/m(dはデシ)と表示する)。
実際の測定においては、上記した電気伝導度の測定部位(センサー部)にスポイトを用いて試料(例えば溶液)を少量乗せ、導電率を測定する。
市販の食塩(例えば、後述する「伯方の塩」)10gを水2000mlに溶解して、0.5%塩水を作製する(EC:約9dS/m)。
「ざるボウルセット」を使い、ざる上に試験すべきフィルム(サイズ:200〜260×200〜260mm)を乗せ、該フィルム上に水150gを加える。他方、ボウル側に上記の塩水150gを加え、得られた系全体を食品用ラップ(ポリ塩化ビニリデンフィルム、商品名:サランラップ、旭化成社製)で包んで、水分の蒸発を防ぐ。この状態で、常温で放置して、24hrs毎に水側、塩水側のECを測定する。
市販のグルコース(ブドウ糖)を用いて5%グルコース溶液を作製する。上記塩水試験と同様の「ざるボウルセット」を使い、ざる上に試験すべきフィルム(サイズ:200〜260×200〜260mm)を乗せ、該フィルム上に水150gを加える。他方、ボウル側に上記のグルコース溶液150gを加え、得られた系全体を食品用ラップ(ポリ塩化ビニリデンフィルム、商品名:サランラップ、旭化成社製)で包んで、水分の蒸発を防ぐ。この状態で、常温で放置して、24hrs毎に水側、グルコース溶液側の糖度(Brix%)を糖度計で測定する。
後述する実施例1の条件(バーミキュライト使用)で、試験を行う。すなわち、サニーレタス(本葉1枚強)を2本用いて、35日間、植物の生育試験を行う。
得られた植物−フィルムの系において、植物苗の根元で茎葉を切断する。根の密着したフィルムの茎がほぼ中心になるように、該フィルムを巾5cm(長さ:約20cm)に切断して試験片とする。
上述した「根と実質的に一体化し得る」性質を満足する限り、本発明において、使用可能な無孔性親水性フィルム材料は、特に制限されず、公知の材料から適宜選択して使用することが可能である。このような材料は、通常フィルムないし膜の形態で用いることができる。
図1および図2を参照して、カバー8の素材としては、0.2μm以上の微粒子が通過できない素材であれば特に制限なく用いることができ、プラスチック、硝子、金属など各種の有機材料、無機材料を用いることができる。
カバー8の一部に、内部空間と外部空間の間で通気性を持たせるためのフィルター4を設けても良い。内部空間の無菌性を維持するため、フィルター4には菌体等の微粒子が流通しないフィルターを用いる。内部空間と外部空間の間で通気性を持たせることにより、外部空間の酸素濃度、二酸化炭素濃度などを制御することにより、植物体の栽培環境である内部空間の酸素濃度、二酸化炭素濃度などの最適化が容易に行える。
本発明の植物栽培システムには、植物体を内部空間に取り入れた後、完全閉鎖系を構築しうるよう容易に密封できる植物体入口を設けることが望ましい。植物体入口は無孔性親水性フィルム2の一部、カバー8の一部、あるいはその両方に設けられていても良い。
図2に例示されるように、本発明の植物栽培システムの内部に植物栽培用支持体10を設置しても良い。植物栽培用支持体10を設置することにより、光が直接植物の根6に当たることを防止して根を保護する効果を得られる。また植物栽培用支持体10を設置することにより、根が無孔性親水性フィルム2に活着するまでの水分や養分を保持させることもできる。
図2に例示されるように、発明の植物栽培システムの内部に、いわゆる「マルチング」11を、好適に使用することができる。ここに、「マルチング」とは、植物の生長を助けるため、防寒・乾燥防止などを根元や幹などに施すために使用されるフィルム状あるいは板状などの材料を言う。このようなマルチング11を用いた場合には、水分の有効利用性が高まるというメリットを得ることができる。また、光が直接植物の根に当たることを防止して、根を保護する効果も得られる。
図2に例示されるように、植物栽培用支持体10と蒸発抑制材(マルチング部材)11の間に空隙12を設けるために、蒸発抑制材(マルチング部材)の支え13をマルチング11の下に配置する。支えの材料は限定されず、プラスチック材料、金属材料、無機材料などから選ぶことが出来る。配置の場所も栽培システム内部の端に限らず、植物栽培用支持体10と蒸発抑制材11の間に空隙を持たせることが出来れば中央に有っても良い。
植物体を内部空間に入れる前に、本発明の植物栽培システムは滅菌されていることが望ましい。滅菌方法としては公知の滅菌法、例えば、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌法、ガンマー線や電子線による放射線滅菌法、オートクレーブ滅菌法などを特に制限なく採用することができる。
本発明の植物栽培システムに植物体を定植する環境は、クリーンルーム(クラス100,000〜クラス1,000)内あるいは、そのクリーンルーム内に設置されたクリーンブース(クラス1,000〜クラス100)内の無菌操作が可能な環境が望ましい。
好適な本発明の植物栽培方法においては、滅菌済みの植物栽培システムをクラス100程度の環境下に置き、該植物栽培システムの植物体入口から植物体の幼苗を挿入する。幼苗の根が該植物栽培システムの無孔性親水性フィルムに接するように設置する。その後、植物体入口を密封し、植物栽培システムを無菌環境(定植環境)から外部環境へ運び出す。
植物を栽培するための光源は、システム内部に設置することも可能であるが、無菌環境を維持し易い点からは栽培システム外部に設置することが望ましい。光源としては、天然の太陽光、蛍光灯、白熱灯、ナトリウムランプ、発光ダイオードなど各種光源を適宜選択して、あるいは組み合わせて用いても良い。
本発明において使用可能な養液(ないし肥料溶液)は特に制限されない。例えば、従来の土耕栽培ないし養液土耕栽培において使用されてきた養液は、本発明においていずれも使用可能である。
本発明で用いられる植物体は、完全な植物体のみならず、種子、球根、葉、茎、根、花、花粉、果実およびその一部、さらに植物全能性を有する限り、植物細胞、プロトプラスト、カルスなどをも含む。
岡田吉美、未来の生物科学シリーズ38、DNA農業、共立出版株式会社、1997年
カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター(例えば、Odelら,
Nature,313:810, 1985;Dekeyserら, Plant Cell, 2:591, 1990;Terada and Shimamoto, Mol. GeN. Genet.,
220:389, 1990;及びBenfey and
Chua, Science, 250:959-966, 1990を参照)、ノパリン合成酵素プロモーター(Anら, Plant
Physiol., 88:547, 1988)、オクトピン合成酵素プロモーター(Frommら, Plant Cell,
1:977,1989)、及び、翻訳エンハンサー配列をもつ2x CaMV/35Sプロモーター(Kayら, Science, 236:1299-1302, 1987)。
(a)熱により誘導されるプロモーター(Callisら, Plant Physiol., 88:965,1988;Ainleyら, Plant Mol. Biol., 22:13-23, 1993;及びGilmartinら,The Plant
Cell, 4:839-949, 1992)、(b)光により誘導されるプロモーター(例えば、エンドウのrbcS−3Aプロモーター;Kuhlemeierら、Plant Cell、1:471, 1989、及びトウモロコシのrbcSプロモーター;Schaffher & SheeN, Plant Cell、3:997、1991)、(c)ホルモンにより誘導されるプロモーター(例えば、アブシジン酸により誘導されるプロモーター;Marcotteら, Plant Cell.
1: 471, 1989)、(d)傷により誘導されるプロモーター(例えば、ジャガイモのPinIIプロモーター;Keilら, Nucl. Acids.
Res. 14: 5641-5650, 1986、アグロバクテリウム(Agrobacterium)のmasプロモーター;Langridgeら,Bio/Technology 10:305-308, 1989、及びブドウのvst1プロモーター;Weiseら, Plant Mol. Biol., 26:667-677,1994)、及び(e)ジャスモン酸メチル又はサリチル酸など化学物質により誘導されるプロモーター(Gatzら, Plant Mol. Biol., 48:89-108, 1997)。
al. Plant Mol. Biol., Sep; 35(1-2): 205-218)、オオムギ(Higuchi K et al. Plant J Jan;25(2):159-167)、ナタネ(Damgaard O & Rasmussen O et al.
Plant Mol. Boil., 1991 Jul;17(1) 1-8)、ジャガイモ(Yu J & Langridge W Transgenic Res., 2003 Apr, 12 (2): 163-169)、アスパラガス(Ignacimuthu S Indian J Exp Biol.,
2000 May;38(5):493-498)、ナス(Rotino GL
et al. Nat Biotechnol., 1997 Dec;15(13): 1398-1401)、トウガラシ(Shin R. et al. Transgenic Res., 2002
Apr;11 (2): 215-219)、トマト、サツマイモ、メロン(3種ともMihalka V. et al. Plant Cell Rep., 2003
Apr;21(8):778-784)、ダイズ、(Zeng P et
al Plant Cell Rep., 2004 Feb;22(7) 478-482)、サトウキビ(Manickavasagam M et al. Plant Cell Rep., 2004 May 5)、ソルガム(Zhao ZY et al. Plant Mol. Biol., 2000
Dec;44(6): 789-798)、ソバ(Kojima M et
al. Biosci Biotechnol Biochem. 2000 Apr;64(4):845-847)、ニンジン(Koyama H et al. Plant Cell Physiol 1999
May;40(5):482-484)、リンゴ(Szankowski
I et al. Plant Cell Rep. 2003 Sep;22(2):141-149)などへの遺伝子導入にも利用できる。
40-48)などへの遺伝子導入に利用でき、パーティクルガン法は、バナナ(Sagi L et al. Biotechnology (NY). 1995 May;13(5):481-485)、ライ麦(Popelka JC et al. Transgenic Res., 2003
Oct;12(5):587-596)などへの遺伝子導入に利用できる。
ヒト心臓由来のpolyA+
mRNA (STRATAGENE)を鋳型に用いて、オリゴdTプライマーを使い1st-strand cDNAを逆転写合成した。このcDNAを鋳型に用いてPCR法によりα1,4GT(アクセスナンバー AB037883
(NCBI))に該当する遺伝子のORF全長(1,062bp)を増幅した。このPCRにはプライマーとしてa14GT/27F(5‘-ATGTCCAAGCCCCCCGACCTCCTGCTG-3’)とa14GT/27R(5’-TCACAAGTACATTTTCATGGCCTCGTG-3’)を用いた。PCR反応にはKOD Plus DNA polymerase (TOYOBO)を用い、PCRサイクルは94℃で2分間処理した後、94℃
15秒間、68℃ 2分間を35回繰り返した。得られた単一バンドをプラスミドpBluescript II KS+のEcoRVサイトに挿入してpBS/α14GTクローンを得た。このcDNAクローンの配列は、制限酵素サイトの確認とABI PRISM Big Dye Terminator Ver3(Applied Biosystems, California, USA)を用いたシークエンシングにより確認した。
TiプラスミドベクターpIG121Hmを制限酵素XbaIとSacIで消化し、電気泳動により分画してGUSカートリッジを抜き去った断片pIG121HmΔGUSを得た。ここに、制限酵素サイトSpeI、XhoI、NotI、SacIを有するアダプターを挿入した。アダプターを構成する2本鎖DNAは、それぞれ(5’-CATGTACTAGTCTCGAGGCGGCCGCGAGCT-3’)と(5’-CGCGGCCGCCTCGAGACTAGTA-3’)である。こうして得られたTiプラスミドpIG121Hm/Adaptorを得た。
α1,4GTのORFをpIG121Hm/Adaptorに挿入するために、制限酵素サイトSpeIとSacIを付加するためのPCRを行った。プライマーにはSp1/a14(5’-TTGACTAGTATGTCCAAGCCCCCCGACCTC-3’)とa14/Sc1(5’-AAGGAGCTCTCACAAGTACATTTTCATGGC-3’)を用い、反応は上記と同条件で行った。得られたPCR産物をSpeIとSacIで消化し、pIG121Hm/AdaptorのSpeI、SacI消化断片と共にライゲーションして植物発現ベクターpIG121Hm/α14GTを構築した。このクローンの配列は、上記と同じ方法でシークエンシングを行いミスが無いことを確認した。挿入されたα1,4GTのcDNAの発現はカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(35S)とノパリンシンターゼのターミネーター(NosT)により制御される構造である。また、形質転換体の選択マーカーとしてハイグロマイシン耐性遺伝子を含んでいる。
タバコ(Nicotiana tabacum
cv. Blight Yellow)の形質転換は、Agrobacteriumを使い、リーフディスク法を用いて行った。無菌的に育成したタバコの葉から一辺約1cmのリーフディスクを切り出し、pIG121Hm/α14GTを持ったAgrobacterium
tumefacience LBA4404株の菌液に浸して2日間MS寒天培地上で共存培養して感染させた。3日目に5mg/lハイグロマイシンと500mg/lカルベニシリンを含むMS液体培地でリーフディスクを洗い、Agrobacterium菌体を除去したうえ、これら抗生物質を加えた再分化用MS寒天培地上で培養し、形質転換タバコのシュートを得た。メスでシュートを切り取り、発根寒天培地の入ったプラントボックスに移して、2週間馴化培養した。
ヒトα1,4GTがタバコの染色体ゲノムに挿入されていることを確認するために、PCRを行った。ハイグロマイシン抵抗性が確認された組み換えタバコの葉約0.1gからDNAを抽出し(DNeasy Plant Mini Kit, QIAGEN)、その一部を鋳型に用いてPCRを行った。プライマーはα1,4GTのORF全長を含むようにa14GT/27Fとa14GT/27Rを用いた。PCR反応にはTAKARA EX Taq Polymeraseを使い、94℃ 30秒間、65℃ 30秒間、72℃ 1.5分間を40回繰り返した。6クローンについて調べたところ、4クローンに型α1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ遺伝子固有のバンドが現れ、確かに核ゲノムに遺伝子が挿入されていることを確認した。
ヒトα1,4GTがタバコの染色体ゲノムに挿入されていることを確認するためにRT−PCRを行った。ハイグロマイシン抵抗性が確認された組み換えタバコの葉約0.1gからTotal
RNAを抽出(RNeasy Plant Mini Kit, QIAGEN)し、その一部を鋳型に用いてPCRを行った。プライマーはa14GTsqp1(5’-GCTGCTTCCCGAATGTCCAG)とa14GT/27Rを用いた。RT−PCR反応にはReady-To-Go RT-PCR
Beads(アマシャム)を使い、42℃、30分間逆転写反応させて95℃で5分間処理し、酵素を失活させた後、95℃、30秒、55℃、30秒、72℃、2分のPCR反応を40サイクル繰り返した。6クローンについて調べたところ、1クローンにα1,4GT固有のバンドが現れ、確かにRNAが転写されていることを確認した。
タバコの葉約10gを約1cm四方の大きさに切った後、100mlのクロロホルム/メタノール(1:2)を加えポリトロンで1分間破砕した。これをブフナロートに敷いた4重ミラクロスで吸引濾過し、Bligh−Dyer法に従ってクロロホルムと水を加えて2層分配しクロロホルム層を回収した。これを減圧下で乾固させた後、1mlのクロロホルム/メタノール(2:1)に溶解し、総脂質画分とした。
M KOHのメタノール溶液を加え37℃で2時間反応させた。これにクロロホルムと水を加え2層分配を行ってアルカリに耐性な脂質を回収し、減圧乾固後に少量のクロロホルム/メタノール(2:1)に溶解して総スフィンゴ脂質に富んだアルカリ耐性脂質とした。
脂質を脂質クラスに分離するためにシリカゲルTLCにかけた。総スフィンゴ脂質画分をシリカゲルTLCに載せ展開溶媒としてクロロホルム/メタノール/水(65 : 16 : 1)を用いて展開した。脂質の検出はプリムリン法とオルシノール硫酸法を用いた。その結果、タバコの葉の脂質には、グルコシルセラミドとラクトシルセラミド共に新規合成されセラミドトリヘキソシドのスポットが確認された。
B型肝炎ウイルスに対し中和活性を示すヒトモノクローナル抗体(CL4MAb)植物発現ベクター(p30)の構築は、下記文献(非特許文献2)を参考に、文献に記載された方法で行った。
Akira Yano ら、Journal of Medical Virology, 73: 208-215 (2004)
plumbaginfolia のcalrecticulin 分泌配列を合成したDNAに置換した。免疫グロブリン蛋白鎖(H鎖およびL鎖それぞれ)のクローン塩基配列は、オメガ翻訳エンハンサー配列を結合したカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターと、ノパリンシンターゼのターミネーター(NosT)の間に挿入され、制御される構造とした。翻訳開始配列(IS)は、抗体発現を強化するためGTCGACATGからAACAATGに変更した。H鎖およびL鎖それぞれの蛋白フラグメント発現カセットを縦列に配置して抗体蛋白発現カセット(Abカセット)を構築した。バイナリーベクターであるpBI101のβ-グルクロニダーゼ-NosTをAbカセットで置換した。Abカセットは、バイナリーベクターであるpBI101から分離されたT-DNA領域に、right border (RB)配列および left
border(LB)配列 によって挿入された。リコンビナントのバイナリーベクターp30は、エレクトロポレーション法によって、Agrobacterium tumefaciens LBA4404 細胞(ElectroMAX、Invitrogen
Corp., )に導入(transform)された。また、形質転換体の選択マーカーとしてカナマイシン耐性遺伝子を含んでいる。
タバコ(Nicotiana tabacum
cv. Blight Yellow)の形質転換は、上記Agrobacteriumを使い、リーフディスク法を用いて行った。無菌的に育成したタバコの葉から一辺約1cmのリーフディスクを切り出し、p30を持ったAgrobacterium
tumefacience LBA4404株の菌液に浸して2日間MS寒天培地上で共存培養して感染させた。3日目に100μg/mlカナマイシンを含むMS液体培地でリーフディスクを洗い、Agrobacterium菌体を除去したうえ、この抗生物質を加えた再分化用MS寒天培地上で培養し、形質転換タバコのシュートを得た。メスでシュートを切り取り、発根寒天培地の入ったプラントボックスに移して、2週間馴化培養した。
Claims (6)
- 植物体を内部空間に取り入れた後、前記内部空間と外部空間との間で菌体等の微粒子が流通しない完全閉鎖系を構築しうる植物栽培システムであって、少なくともその一部が無孔性親水性フィルムで構成されることを特徴とする植物栽培システム。
- 菌体等の微粒子が流通しないフィルターを介して内部空間と外部空間との間で気体が流通することを特徴とする請求項1に記載の植物栽培システム。
- 前記無孔性親水性フィルムが植物の根と実質的に一体化するものであることを特徴とする請求項1に記載の植物栽培システム。
- 請求項1に記載の植物栽培システムを用い、無菌的環境下で植物体を前記植物栽培システムの内部空間に取り入れた後、外部空間との間で菌体等の微粒子が流通しない完全閉鎖系を構築し、前記植物栽培システムの少なくとも一部を構成する無孔性親水性フィルムの外部空間側の少なくとも一部を外部空間に配置した水または養液と接触させ、内部空間に配置された植物体を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
- 前記植物体として、遺伝子組換え植物を栽培することを特徴とする請求項4に記載の植物栽培方法。
- 前記遺伝子組換え植物が、抗体、融合蛋白等の生物学的製剤を産生する遺伝子を導入したものであることを特徴とする請求項5に記載の植物栽培方法。
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