JP2009062366A - ジカルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高分子量で着色の少ない実用可能なポリエステルの原料となるジカルボン酸の提供。
【解決手段】発酵法により得られるジカルボン酸の不純物の一つであるアンモニアの含有量がポリエステルの重合速度やその樹脂の着色に大きく起因する。したがって、発酵法の工程を含む製造方法により得られたジカルボン酸を、水でのリンス及び/又は晶析工程を含む精製をすることにより、該ジカルボン酸中のアンモニア含有量を4000ppm以下にする。
【選択図】なし
【解決手段】発酵法により得られるジカルボン酸の不純物の一つであるアンモニアの含有量がポリエステルの重合速度やその樹脂の着色に大きく起因する。したがって、発酵法の工程を含む製造方法により得られたジカルボン酸を、水でのリンス及び/又は晶析工程を含む精製をすることにより、該ジカルボン酸中のアンモニア含有量を4000ppm以下にする。
【選択図】なし
Description
本発明は、ジカルボン酸の製造方法に関する。
従来ポリエステルは、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、全芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル、ポリ炭酸エステルのいずれのポリエステルも石油由来の原料を重縮合することにより製造されている。しかし、近年環境問題が重視されてきており、化石燃料枯渇問題、大気中の二酸化炭素増加という地球規模での環境負荷の問題に対する対策が必要となっている。これに対しポリエステルの原料として植物から誘導された原料を用いることにより、毎年再生可能な原料であるため原料供給が化石燃料枯渇とは無関係になり、植物の育成により二酸化炭素が吸収されるため二酸化炭素削減に大きく貢献することができる。
コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸は、グルコースから発酵法を用いて製造する方法が各種知られている。しかしながら、これらの製法によれば、発酵法により得られたジカルボン酸は有機酸塩として得られるため、不純物としてアンモニアや金属カチオンが不純物として混入する。
ジオールの1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコールなどは直接植物由来の原料から発酵法により得る方法と、相当するジカルボン酸を発酵法により製造した後、これを還元触媒により水添して得る方法がある(非特許文献1)。
Biotechnology and Bioengineering Symp. No.17(1986)355−363頁
Biotechnology and Bioengineering Symp. No.17(1986)355−363頁
精製法により精製した従来の技術で得られる通常の純度の原料を用いてジカルボン酸とジオールの重合を行おうとするとアンモニア塩や金属カチオンが重合反応を阻害し、十分な分子量のポリエステルが得られなかったり、得られたポリエステルが着色したりするという問題が生じており未だ実用化には至っていない。
本発明の目的は、発酵法による原料を用いて高分子量で着色の少ない実用可能なポリエステルを製造する方法を提供するためのジカルボン酸を提供することにある。
従来から知られている発酵法のジカルボン酸原料の不純物に関して検討を行った結果、原料中に不純物として含まれるアンモニアの含有量が重合速度や樹脂の着色に大きく起因する知見が得られ本発明に到達した。
本発明は、ジカルボン酸中のアンモニア含有量が4000ppm以下であって、発酵法の工程を含む製造方法により得られたジカルボン酸である。
本発明のジカルボン酸は、ポリエステル用原料であることが好ましく、また本発明のジカルボン酸は、コハク酸であることが好ましい。
また本発明は、発酵法の工程を含む製造方法により得られたジカルボン酸を、水でのリンス及び/又は晶析工程を含む精製をすることにより、該ジカルボン酸中のアンモニア含
有量を4000ppm以下にすることを特徴とするジカルボン酸の製造方法である。
有量を4000ppm以下にすることを特徴とするジカルボン酸の製造方法である。
本発明のジカルボン酸の製造方法は、精製する際に、目的とするジカルボン酸よりもpHの高い弱酸性の有機酸を使用した反応晶析により、目的とするフリーのジカルボン酸をアンモニア塩から固体として分離する工程を有することが好ましく、また、発酵法の工程を含む製造方法により得られた精製前のジカルボン酸中のアンモニア含有量が5000ppm以上であることが好ましく、また、ジカルボン酸がポリエステル用原料であることが好ましく、また、ジカルボン酸がコハク酸であることが好ましい。
本発明のジカルボン酸は、該ジカルボン酸原料及び/又はジオール原料を含む反応液中でジカルボン酸とジオールとを重合することを含むポリエステルの製造方法において、反応液中のアンモニアの量を制御することにより実用的な物性を有するポリエステル、すなわち、窒素含有量が1000ppm以下で、30℃テトラクロロエタン/フェノール(50/50質量比)混合溶媒中で測定した還元粘度が0.5以上であるポリエステルを製造できる。本発明は環境問題、化石資源の問題等の解決に貢献し、実用的な物性を有する樹脂を提供することが出来、産業上の利用価値は極めて大である。
本発明において、「ジカルボン酸原料」及び「ジオール原料」とは、それぞれ、ポリエステルの製造における原料としてのジカルボン酸およびジオールを意味する。
本発明の製造方法は、発酵法の工程を含む製造方法により得られたジカルボン酸原料及び/又はジオール原料を含む反応液中でジカルボン酸とジオールとを重合することを含むポリエステルの製造方法において、製造されるポリエステルの窒素含有量が1000ppm以下で、30℃のテトラクロロエタン/フェノール(50/50質量比)混合溶媒中で測定した還元粘度が0.5以上となるように反応液中のアンモニアの量を制御することを特徴とするものである。
本発明で発酵法の工程を含む製造方法により得られる原料のジカルボン酸としては芳香族ジカルボン酸でも脂肪族ジカルボン酸でも良い。芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられるが、重合性の点でテレフタル酸が好ましい。脂肪族ジカルボン酸としてはシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等のジカルボン酸ならびにそれらの低級アルコールエステル及び無水物(例えば、無水コハク酸、無水アジピン酸)等が挙げられる。得られる共重合体の物性の面から、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸またはこれらの無水物もしくは低級アルコールエステルが好ましく、特にはコハク酸、無水コハク酸、またはこれらの混合物が好ましい。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。なお、低級アルコールとは、通常、炭素数1〜4のアルコールを意味する。
これらのジカルボン酸は、例えば、炭素源を出発原料とした微生物変換により生成される。炭素源としては、通常、ガラクトース、ラクトース、グルコース、フルクトース、グリセロール、シュークロース、サッカロース、デンプン、セルロース等の炭水化物;グリセリン、マンニトール、キシリトール、リビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が用いられ、このうちグルコース、フルクトース、グリセロールが好ましく、特にグルコースが好ましい。より広義の植物由来炭素源としては、紙の主成分であるセルロースが好ましい。また、上記発酵性糖質を含有する澱粉糖化液、糖蜜なども使用される。これらの発酵性糖質は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
微生物変換に用いる微生物としては、ジカルボン酸の生産能を有すれば特に限定されな
いが、例えば、Anaerobiospirillum属 (米国特許第5143833号明細書)等の嫌気性細菌、Actinobacillus属(米国特許第5504004号明細書)、Escherichia属(米国特許第5770435号明細書)等の通性嫌気性細菌、Corynebacterium属(特開平11−113588)などの好気性細菌、Bacillus属、Rizobium属、Brevibacterium属、Arthrobacter属に属する好気性細菌(特開2003−235593)、Bacteroides ruminicola、Bacteroides amylophilus等の嫌気性ルーメン細菌、E.coli(J.Bacteriol.,57:147-158)又はE.coliの株の変異体(特表2000−500333、米国特許第6159738号明細書)を用いることができる。
いが、例えば、Anaerobiospirillum属 (米国特許第5143833号明細書)等の嫌気性細菌、Actinobacillus属(米国特許第5504004号明細書)、Escherichia属(米国特許第5770435号明細書)等の通性嫌気性細菌、Corynebacterium属(特開平11−113588)などの好気性細菌、Bacillus属、Rizobium属、Brevibacterium属、Arthrobacter属に属する好気性細菌(特開2003−235593)、Bacteroides ruminicola、Bacteroides amylophilus等の嫌気性ルーメン細菌、E.coli(J.Bacteriol.,57:147-158)又はE.coliの株の変異体(特表2000−500333、米国特許第6159738号明細書)を用いることができる。
微生物変換における反応温度、圧力等の反応条件は、選択される菌体、カビなど微生物の活性に依存することになるが、ジカルボン酸を得るための好適な条件を各々の場合に応じて選択すればよい。
上記微生物変換においては、pHが低くなると微生物の代謝活性が低くなったり、或いは微生物が活動を停止するようになり、製造歩留まりが悪化したり、微生物が死滅するため、通常には中和剤を使用する。通常はpHセンサーによって反応系内のpHを計測し、所定のpH範囲となるように中和剤の添加によりpHを調節する。中和剤の添加方法については特に制限はなく、連続添加であっても間欠添加であってもよい。
中和剤としてはアンモニア、炭酸アンモニウム、尿素、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩が挙げられる。好ましくはアンモニア、炭酸アンモニウム、尿素である。なお上記アルカリ(土類)金属の水酸化物としてはNaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2等、或いはこれらの混合物などが挙げられ、アルカリ(土類)金属の炭酸塩としては、Na2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、NaKCO3等、或いはこれらの混合物などが挙げられる。
pH値は、用いる菌体、カビ等の微生物の種類に応じて、その活性が最も有効に発揮される範囲に調整されるが、一般的には、pH4〜10、好ましくは6〜9程度の範囲である。
発酵法を含む製造方法により得られるジカルボン酸の精製方法は電気透析を用いる方法、イオン交換樹脂を用いる方法、塩交換法等が知られている。例えばジカルボン酸塩を分離し純粋な酸を生成する電気透析および水分解工程を組み合わせて用いることによって製造し、更なる精製を、一連のイオン交換カラムに生成物ストリームを通すことによって達成しても良いし、ジカルボン酸の過飽和溶液に変換するための水分解電気透析を用いても良い(米国特許第5,034,105号明細書)。また、塩交換法は例えばジカルボン酸のアンモニア塩を硫酸水素アンモニウム及び/または硫酸と十分に低いpHで混合して反応させジカルボン酸及び硫酸アンモニウムを生成させても良い(特表2001−514900)。イオン交換樹脂を用いる具体的方法としては、ジカルボン酸の溶液から遠心分離、濾過等により菌体等の固形分を除去した後、イオン交換樹脂で脱塩し、その溶液から結晶化或いはカラムクロマトグラフィーによりジカルボン酸を分離精製する方法が挙げられる。精製方法はどのような方法を用いても良い。特に、コスト、効率の点でイオン交換法又は塩交換法が好ましく、工業的生産性の点で塩交換法が特に好ましい。
精製によりジカルボン酸原料中に含まれる不純物のアンモニアの量を減らすことが、通常、実用的な重合体を得るために必要である。ジカルボン酸原料中に含まれるアンモニア含有量は4000ppm以下であることが好ましい。より好ましくは2000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。原料中のアンモニア含有量が2000ppm以下であると重合反応が速やかに進行して十分に高
分子量のポリエステルを得ることが出来る。アンモニア含有量は、アミノ酸分析計を用い、生体アミノ酸分離条件にて試料中のアミノ酸やアンモニアを分離し、これらをニンヒドリン発色させて検出する方法により測定される値である。
分子量のポリエステルを得ることが出来る。アンモニア含有量は、アミノ酸分析計を用い、生体アミノ酸分離条件にて試料中のアミノ酸やアンモニアを分離し、これらをニンヒドリン発色させて検出する方法により測定される値である。
アンモニア含有量が上記の範囲にあるジカルボン酸原料を用いることで、通常には、重合反応液中のアンモニアの量を、ポリエステルの重合速度を低下させず、かつ、得られるポリエステルの窒素含有量を低下させる範囲に制御するのに有利になる。
ジカルボン酸原料中に含まれる不純物のアンモニアの量を効率的に減らす具体的な方法として、目的とするジカルボン酸よりもpHの高い弱酸性の有機酸を使用した反応晶析により目的とするフリーのジカルボン酸をアンモニア塩から固体として分離する方法が挙げられる。
ジオールの具体例としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好適に挙げられる。得られる共重合体の物性の面から、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールであることが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが耐熱性の点で好ましい。これらは単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。ジオール化合物はグルコース等の植物由来物質から発酵法により直接製造してもよいし、発酵法により得られたジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、環状エーテルを化学反応によりジオール化合物に変換しても良い。例えば1,4−ブタンジオールをコハク酸、コハク酸無水物、コハク酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸エステル、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン等から化学合成により1,4−ブタンジオールを製造しても良いし、発酵法により得られた1,3−ブタジエンから1,4−ブタンジオールを製造してもよい。この中でもコハク酸を還元触媒により水添して1,4−ブタンジオールを得る方法が効率的で好ましい。
コハク酸を水添する触媒の例として、Pd、Ru、Re、Rh、Ni、Cu、Co及びその化合物が挙げられ、より具体的には、Pd/Ag/Re、Ru/Ni/Co/ZnO、Cu/Zn酸化物、Cu/Zn/Cr酸化物、Ru/Re、Re/C、Ru/Sn、Ru/Pt/Sn、Pt/Re/アルカリ、Pt/Re、Pd/Co/Re、Cu/Si、Cu/Cr/Mn、ReO/CuO/ZnO、CuO/CrO、Pd/Re、Ni/Co、Pd/CuO/CrO3、リン酸Ru、Ni/Co、Co/Ru/Mn、Cu/Pd/KOH、Cu/Cr/Znが挙げられる。この中でもRu/Sn又はRu/Pt/Snが触媒活性の点で好ましい。
本発明のポリエステルの構成単位の組成比は、ジオール単位とジカルボン酸単位のモル比が、実質的に等しいが、ポリエステルは共重合成分としてオキシカルボン酸単位を含んでもよい。オキシカルボン酸単位の量は、ジカルボン酸単位100モルに対し、通常には、0.1〜30モルである。
オキシカルボン酸の具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシ3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、あるいはこれらの混合物が挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、または水溶液であってもよい。これらの中で好ましいのは、乳酸またはグリコール酸であり、特に好ましいのは、使用時の重合速度の増大が特に顕著で、かつ入手の容易な乳酸またはグリコール酸である。形態は、30〜95%の水溶液のものが容易に入手することがで
きるので好ましい。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
きるので好ましい。これら脂肪族オキシカルボン酸は単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
本発明のジオール単位及びジカルボン酸単位を主体とするポリエステルの製造は、重合反応液中のアンモニアの量を制御する他は、ポリエステルを製造する公知技術で行うことができる。このポリエステルを製造する際の重合反応は、従来から採用されている適切な条件を設定することができ、特に制限されない。
ポリエステルを製造する際に用いるジオールの使用量は、ジカルボン酸またはその誘導体100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化中の留出があることから、1〜20モル%過剰に用いられる。添加される脂肪族オキシカルボン酸の量は、脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体100モルに対し好ましくは0〜60モル、より好ましくは1.0〜40モル、特に好ましくは2〜20モルである。
オキシカルボン酸の添加時期・方法は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、例えば、(1) あらかじめ触媒を脂肪族オキシカルボン酸溶液に溶解させた状態で添加する方法、(2) 原料仕込み時触媒を添加すると同時に添加する方法、などが挙げられる。本発明のポリエステルは、好ましくは上記原料を重合触媒の存在下で重合することにより製造される。触媒としては、チタン化合物、ゲルマニウム化合物が好適である。特にゲルマニウム化合物が好ましい。ゲルマニウム化合物としては、特に制限されるものではなく、酸化ゲルマニウム、テトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物、塩化ゲルマニウムなどの無機ゲルマニウム化合物が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特には、酸化ゲルマニウムが好適である。また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。
触媒の使用量は、使用するモノマー量に対して通常には0.001〜3重量%、より好ましくは0.005〜1.5重量%である。触媒の添加時期は、重縮合以前であれば特に限定されないが、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。原料仕込み時に乳酸、グリコール酸等のオキシカルボン酸と同時に添加するか、またはオキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して添加する方法が好ましく、特には、触媒の保存性が良好となる点でオキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して添加する方法が好ましい。
本発明のポリエステルを製造する際の温度、時間、圧力などの条件は、温度が150〜260℃、好ましくは180〜230℃の範囲で選ぶのがよく、重合時間は2時間以上、好ましくは4〜15時間の範囲で選ぶのがよい。減圧度は10mmHg以下、より好ましくは2mmHg以下で選ぶのがよい。
また、本発明のポリエステルの数平均分子量は通常には1万〜20万、好ましくは3万〜20万である。また本発明のポリエステル重合体を濃度0.5g/dLとなるようにフェノール/テトラクロロエタン(1/1(質量比)混合液)に溶解し、溶液が30℃の恒温槽中で測定したときの還元粘度(実施例参照)は0.5以上、好ましくは1以上5以下、さらに好ましくは1.5以上4以下である。還元粘度が0.5未満であると機械的強度が不十分で実用的使用に耐えない。
また、本発明の効果を損なわない限り、本発明のポリエステルに、他の共重合成分を導入することができる。他の共重合成分としては、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの多価アルコール、多価カルボン酸またはその無水物、リンゴ酸などの多価オキシカルボン酸、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。またポリエーテル成分、ポリアミド成分等を共重合しても良い。またジイソシアネート等で鎖延長剤を用いても良い。また末端
基をカルボジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸で封止しても良い。
基をカルボジイミド、エポキシ化合物、単官能性のアルコール又はカルボン酸で封止しても良い。
本発明のポリエステル中に含まれる窒素含有量は1000ppm以下である。窒素含有量は好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは100ppm以下、最も好ましくは50ppm以下である。重合体中の窒素含有量は主に原料中のアンモニアに由来するものであるが、窒素含有量が1000ppm以下であると成型時の着色が少なく、成型後製品の熱または光等の劣化や加水分解が起こりにくく好ましい。また、ポリエステルの窒素含有量が100ppm以下であるとポリエステルの着色が少なくて用途によってはより好ましい。窒素含有量は、化学発光法により測定される値である。
本発明のポリエステル中に含まれる窒素含有量と原料中に含まれるアンモニア含有量の比は0より大きく0.9より小さいことが好ましく、より好ましくは0より大きく0.6より小さい。
反応液中のアンモニアの量を制御する方法は、製造されるポリエステルが必要な性質を有する限り制限されないが、例としては、原料の精製により原料に含まれるアンモニアを除く方法、重合中にアンモニアを除去する方法などが挙げられる。ポリエステルの重合工程でアンモニアが除かれることが、原料中のアンモニアを除くための精製にかかる負荷を減らすために好ましい。反応液中のアンモニアの量が制御されるべき範囲は、目的とするポリエステルの性質や重合の条件などによって異なるが、通常には、1000ppm以下である。
ポリエステルの黄色度(YI)はJIS K7103で測定したときの値が30以下であることが好ましく、より好ましくは20以下、さらに好ましくは10以下未満である。YIが30より大きいと着色しないフィルム、シート等の用途での使用が制限される。
本発明に係るポリエステルは、射出成形法、中空成形法および押出成形法などの汎用プラスチック成形法などにより、フィルム、ラミネートフィルム、シート、板、延伸シート、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル、発泡体などの成形品に利用可能である。その際、結晶核剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、離型剤、フィラー、他のポリマーなど、必要に応じ添加することができる。
さらに、本発明に係るポリエステルは、従来の石油由来のポリマーに比較し環境に対する負荷が少ないため今後、ショッピングバッグ、ゴミ袋、農業用フィルム、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、釣り糸、漁網、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱、クッション材、医療材料、電気機器材料、家電筐体、自動車材料などの用途への使用が期待される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下の例における特性値は、次の方法により測定した。
希薄溶液粘度(還元粘度):ポリエステルを濃度0.5g/dLとなるようにフェノール/テトラクロロエタン(1/1(質量比)混合液)に溶解し、溶液が30℃の恒温槽中で粘度管を落下する時間t(sec)を測定した。また溶媒のみの落下する時間t0(sec)を測定し30℃での還元粘度ηsp/C(=(t−t0)/t0・C)を算出した(Cは溶液の濃度)。
YI値:JIS K7103の方法に基づいて測定した。
アンモニア含有量:日立L-8500型高速アミノ酸分析計を用い、生体アミノ酸分離条件にて試料中のアミノ酸やアンモニアを分離し、これらをニンヒドリン発色させて検出した。
窒素含有量:化学発光法により定量分析をおこなった。
YI値:JIS K7103の方法に基づいて測定した。
アンモニア含有量:日立L-8500型高速アミノ酸分析計を用い、生体アミノ酸分離条件にて試料中のアミノ酸やアンモニアを分離し、これらをニンヒドリン発色させて検出した。
窒素含有量:化学発光法により定量分析をおこなった。
[参考例1]
<遺伝子破壊用ベクターの構築>
(A)枯草菌ゲノムDNAの抽出
LB培地[組成:トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5gを蒸留水1Lに溶解]10mLに、枯草菌(Bacillus subtilis ISW1214)を対数増殖期後期まで培養し、菌体を集めた。得られた菌体を10mg/mLの濃度にリゾチームを含む10mM NaCl/20mMトリス緩衝液(pH8.0)/1mM EDTA・2Na溶液0.15mLに懸濁した。
<遺伝子破壊用ベクターの構築>
(A)枯草菌ゲノムDNAの抽出
LB培地[組成:トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5gを蒸留水1Lに溶解]10mLに、枯草菌(Bacillus subtilis ISW1214)を対数増殖期後期まで培養し、菌体を集めた。得られた菌体を10mg/mLの濃度にリゾチームを含む10mM NaCl/20mMトリス緩衝液(pH8.0)/1mM EDTA・2Na溶液0.15mLに懸濁した。
次に、上記懸濁液にプロテナーゼKを、最終濃度が100μg/mLになるように添加し、37℃で1時間保温した。さらにドデシル硫酸ナトリウムを最終濃度が0.5%になるように添加し、50℃で6時間保温して溶菌した。この溶菌液に、等量のフェノール/クロロフォルム溶液を添加し、室温で10分間ゆるやかに振盪した後、全量を遠心分離(5,000×g、20分間、10〜12℃)し、上清画分を分取し、酢酸ナトリウムを0.3Mとなるように添加した後、2倍量のエタノールを加え混合した。遠心分離(15,000×g、2分)により回収した沈殿物を70%エタノールで洗浄した後、風乾した。得られたDNAに10mMトリス緩衝液(pH7.5)−1mM EDTA・2Na溶液5mLを加え、4℃で一晩静置し、以後のPCRの鋳型DNAに使用した。
(B)PCRによるSacB遺伝子の増幅およびクローニング
枯草菌SacB遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、既に報告されている該遺伝子の塩基配列(GenBank Database Accession
No.X02730)を基に設計した合成DNA(配列番号1および配列番号2)を用いたPCRによって行った。
枯草菌SacB遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、既に報告されている該遺伝子の塩基配列(GenBank Database Accession
No.X02730)を基に設計した合成DNA(配列番号1および配列番号2)を用いたPCRによって行った。
反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製)
0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO4、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO4、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、68℃で2分からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの68℃での保温は5分とした。
増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約2kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。
回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5'末端をリン酸化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて大腸菌ベクター(pBluescriptII:STRATEGENE製)のEcoRV部位に結合し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX-Galを含むLB寒天培地[トリプトン10g、イース
トエキストラクト5g、NaCl 5g及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
トエキストラクト5g、NaCl 5g及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、次に50μg/mLアンピシリンおよび10%ショ糖を含むLB寒天培地に移し37℃で24時間培養した。これらのクローンのうち、ショ糖を含む培地で生育できなかったものについて、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。SacB遺伝子が大腸菌内で機能的に発現する株は、ショ糖含有培地にて生育不能となるはずである。得られたプラスミドDNAを制限酵素SalIおよびPstIで切断することにより、約2kbの挿入断片が認められ、該プラスミドをpBS/SacBと命名した。
(C)クロラムフェニコール耐性SacBベクターの構築
大腸菌プラスミドベクターpHSG396(宝酒造:クロラムフェニコール耐性マーカー)500ngに制限酵素PshBI10ユニットを37℃で一時間反応させた後、フェノール/クロロフォルム抽出およびエタノール沈殿により回収した。クレノウフラグメント(Klenow Fragment:宝酒造製)により両末端を平滑化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いてMluIリンカー(宝酒造)を連結、環状化させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を34μg/mLクロラムフェニコールを含むLB寒天培地に塗抹した。得られたクローンから常法によりプラスミドDNAを調製し、制限酵素MluIの切断部位を有するクローンを選抜し、pHSG396Mluと命名した。
大腸菌プラスミドベクターpHSG396(宝酒造:クロラムフェニコール耐性マーカー)500ngに制限酵素PshBI10ユニットを37℃で一時間反応させた後、フェノール/クロロフォルム抽出およびエタノール沈殿により回収した。クレノウフラグメント(Klenow Fragment:宝酒造製)により両末端を平滑化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いてMluIリンカー(宝酒造)を連結、環状化させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を34μg/mLクロラムフェニコールを含むLB寒天培地に塗抹した。得られたクローンから常法によりプラスミドDNAを調製し、制限酵素MluIの切断部位を有するクローンを選抜し、pHSG396Mluと命名した。
一方、上記(B)にて構築したpBS/SacBを制限酵素SalIおよびPstIで切断した後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化した。これにライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いてMluIリンカーを連結したのち、0.75%アガロースゲル電気泳動によりSacB遺伝子を含む約2.0kbのDNA断片を分離、回収した。このSacB遺伝子断片を、制限酵素MluI切断後、アルカリフォスファターゼ(Alkaline Phosphatase Calf intestine:宝酒造)にて末端を脱リン酸化したpHSG396Mlu断片とライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を34μg/mLクロラムフェニコールを含むLB寒天培地に塗抹した。こうして得られたコロニーを、次に34μg/mLクロラムフェニコールおよび10%ショ糖を含むLB寒天培地に移し37℃で24時間培養した。これらのクローンのうち、ショ糖を含む培地で生育できなかったものについて、常法によりプラスミドDNAを精製した。こうして得られたプラスミドDNAをMluI切断により解析した結果、約2.0kbの挿入断片を持つことが確認され、これをpCMB1と命名した。
(D)カナマイシン耐性遺伝子の取得
カナマイシン耐性遺伝子の取得は、大腸菌プラスミドベクターpHSG299(宝酒造:カナマイシン耐性マーカー)のDNAを鋳型とし、配列番号3および配列番号4で示した合成DNAをプライマーとしたPCR法によって行った。
カナマイシン耐性遺伝子の取得は、大腸菌プラスミドベクターpHSG299(宝酒造:カナマイシン耐性マーカー)のDNAを鋳型とし、配列番号3および配列番号4で示した合成DNAをプライマーとしたPCR法によって行った。
反応液組成:鋳型DNA1ng、PyrobestDNAポリメラーゼ(宝酒造) 0.1μL、1倍濃度添付バッファー、0.5μM各々プライマー、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、62℃で15秒、72℃で1分20秒からなるサイクルを20回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。
増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約1.1kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5'末端をリン酸化した。
(E)カナマイシン耐性SacBベクターの構築
上記(C)で構築したpCMB1を制限酵素Van91IおよびScaIで切断して得られた約3.5kbのDNA断片を0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。これを上記(D)で調製したカナマイシン耐性遺伝子と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
上記(C)で構築したpCMB1を制限酵素Van91IおよびScaIで切断して得られた約3.5kbのDNA断片を0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。これを上記(D)で調製したカナマイシン耐性遺伝子と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
このカナマイシン含有培地上で生育した株は、ショ糖含有培地にて生育不能であることが確認された。また、同株から調製したプラスミドDNAは、制限酵素HindIII消化により354、473、1807、1997bpの断片を生じたことから、図1に示した構造に間違いがないと判断し、該プラスミドをpKMB1と命名した。
[参考例2]
<LDH遺伝子破壊株の作製>
(A)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株ゲノムDNAの抽出
A培地[尿素 2g、(NH4)2SO4 7g、KH2PO4 0.5g、K2HPO4 0.5g、MgSO4・7H2O 0.5g、FeSO4・7H2O 6mg、MnSO4・4−5H2O6mg、ビオチン 200μg、チアミン 100μg、イーストエキストラクト 1g、カザミノ酸 1g、グルコース 20g、蒸留水1Lに溶解]10mLに、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株を対数増殖期後期まで培養し、得られた菌体から上記参考例1の(A)に示す方法にてゲノムDNAを調製した。
<LDH遺伝子破壊株の作製>
(A)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株ゲノムDNAの抽出
A培地[尿素 2g、(NH4)2SO4 7g、KH2PO4 0.5g、K2HPO4 0.5g、MgSO4・7H2O 0.5g、FeSO4・7H2O 6mg、MnSO4・4−5H2O6mg、ビオチン 200μg、チアミン 100μg、イーストエキストラクト 1g、カザミノ酸 1g、グルコース 20g、蒸留水1Lに溶解]10mLに、ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株を対数増殖期後期まで培養し、得られた菌体から上記参考例1の(A)に示す方法にてゲノムDNAを調製した。
(B)ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子のクローニング
MJ233株ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、特開平11−206385に記載の該遺伝子の塩基配列を基に設計した合成DNA(配列番号5および配列番号6)を用いたPCRによって行った。
MJ233株ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子の取得は、上記(A)で調製したDNAを鋳型とし、特開平11−206385に記載の該遺伝子の塩基配列を基に設計した合成DNA(配列番号5および配列番号6)を用いたPCRによって行った。
反応液組成:鋳型DNA 1μL、TaqDNAポリメラーゼ(宝酒造) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.2μM各々プライマー、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、55℃で20秒、72℃で1分からなるサイクルを30回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は5分とした。
増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.95kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。
回収したDNA断片を、PCR産物クローニングベクターpGEM−TEasy(Promega製)と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX-Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素SacIおよびSphIで切断することにより、約1.0kbの挿入断片が認められ、これをpGEMT/CgLDHと命名した。
(C)ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子破壊用プラスミドの構築
上記(B)で作製したpGEMT/CgLDHを制限酵素EcoRVおよびXbaIで切断することにより約0.25kbからなるラクテートデヒドロゲナーゼのコーディング領域を切り出した。残った約3.7kbのDNA断片の末端をクレノウフラグメントにて平滑化し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて環状化させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンを含むLB寒天培地に塗抹した。
上記(B)で作製したpGEMT/CgLDHを制限酵素EcoRVおよびXbaIで切断することにより約0.25kbからなるラクテートデヒドロゲナーゼのコーディング領域を切り出した。残った約3.7kbのDNA断片の末端をクレノウフラグメントにて平滑化し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて環状化させ、大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素SacIおよびSphIで切断することにより、約0.75kbの挿入断片が認められたクローンを選抜し、これをpGEMT/ΔLDHと命名した。
次に、上記pGEMT/ΔLDHを制限酵素SacIおよびSphIにて切断して生じる約0.75kbのDNA断片を、0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収し、欠損領域を含むラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子断片を調製した。このDNA断片を、制限酵素SacIおよびSphIにて切断した参考例1にて構築したpKMB1と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンおよび50μg/mLX-Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素SacIおよびSphIで切断することにより、約0.75kbの挿入断片が認められたものを選抜し、これをpKMB1/ΔLDHと命名した(図2)。
(D)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株由来ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子破壊株の作製
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株の形質転換に用いるプラスミドDNAは、pKMB1/ΔLDHを用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,53,159,1970)により形質転換した大腸菌JM110株から調製した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株の形質転換に用いるプラスミドDNAは、pKMB1/ΔLDHを用いて塩化カルシウム法(Journal of Molecular Biology,53,159,1970)により形質転換した大腸菌JM110株から調製した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株の形質転換は、電気パルス法(Res.
Microbiol., Vol.144, p.181-185, 1993)によって行い、得られた形質転換体をカナマイシン 50μg/mLを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラ
Microbiol., Vol.144, p.181-185, 1993)によって行い、得られた形質転換体をカナマイシン 50μg/mLを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラ
クト5g、NaCl 5g、グルコース 20g、及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
この培地上に生育した株は、pKMB1/ΔLDHがブレビバクテリウム・フラバムMJ233−ES株菌体内で複製不可能なプラスミドであるため、該プラスミドのラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子とブレビバクテリウム・フラバムMJ−233株ゲノム上の同遺伝子との間で相同組み換えを起こした結果、同ゲノム上に該プラスミドに由来するカナマイシン耐性遺伝子およびSacB遺伝子が挿入されているはずである。
次に、上記相同組み換え株をカナマイシン50μg/mLを含むLBG培地にて液体培養した。この培養液の菌体数約100万相当分を10%ショ糖含有LBG培地に塗抹にした。結果、2回目の相同組み換えによりSacB遺伝子が脱落しショ糖非感受性となったと考えられる株約10個得た。
この様にして得られた株の中には、そのラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子がpKMB1/ΔLDHに由来する変異型に置き換わったものと野生型に戻ったものが含まれる。ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子が変異型であるか野生型であるかの確認は、LBG培地にて液体培養して得られた菌体を直接PCR反応に供し、ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子の検出を行うことによって容易に確認できる。ラクテートデヒドロゲナーゼ遺伝子をPCR増幅するためのプライマー(配列番号7および配列番号8)を用いて分析すると、野生型では720bp、欠失領域を持つ変異型では471bpのDNA断片を認めるはずである。
上記方法にてショ糖非感受性となった菌株を分析した結果、変異型遺伝子のみを有する株を選抜し、該株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDHと命名した。
(E)ラクテートデヒドロゲナーゼ活性の確認
上記(D)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株をA培地に植菌し、30℃で15時間好気的に振とう培養した。得られた培養物を遠心分離(3,000×g、4℃、20分間)して菌体を回収後、ナトリウム−リン酸緩衝液[組成:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)]で洗浄した。
上記(D)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株をA培地に植菌し、30℃で15時間好気的に振とう培養した。得られた培養物を遠心分離(3,000×g、4℃、20分間)して菌体を回収後、ナトリウム−リン酸緩衝液[組成:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)]で洗浄した。
次いで、洗浄菌体0.5g(湿重量)を上記ナトリウム−リン酸緩衝液2mLに懸濁し、氷冷下で超音波破砕器(ブランソン社製)にかけ菌体破砕物を得た。該破砕物を遠心分離(10,000×g,4℃,30分間)し、上清を粗酵素液として得た。対照として、ブレビバクテリウム・フラバム MJ233−ES株の粗酵素液を同様に調製し、以下の活性測定に供した。
ラクテートデヒドロゲナーゼ酵素活性の確認は、両粗酵素液について、ピルビン酸を基質とした乳酸の生成に伴い、補酵素NADHがNAD+に酸化されるのを、340nmの吸光度変化として測定した[L. Kanarek and R. L. Hill, J. Biol. Chem. 239, 4202 (1964)]。反応は、50mM カリウム−リン酸緩衝液(pH7.2)、10mM ピルビン酸、0.4mMNADH存在下、37℃にて行った。その結果、ブレビバクテリウム・フラバム
MJ233−ES株から調製された粗酵素液におけるラクテートデヒドロゲナーゼ活性に対し、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株から調製された粗酵素液におけるラクテートデヒドロゲナーゼ活性は、10分の1以下であった。
MJ233−ES株から調製された粗酵素液におけるラクテートデヒドロゲナーゼ活性に対し、ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株から調製された粗酵素液におけるラクテートデヒドロゲナーゼ活性は、10分の1以下であった。
[参考例3]
<コリネ型細菌発現ベクターの構築>
(A)コリネ型細菌用プロモーター断片の調製
コリネ型細菌で強力なプロモーター活性を有することが報告された特開平7−95891の配列番号4に記載のDNA断片(以降TZ4プロモーターと称する)を利用することとした。本プロモーター断片の取得は、参考例2の(A)で調製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233ゲノムDNAを鋳型とし、特開平7−95891の配列番号4に記載の配列を基に設計した合成DNA(配列番号9および配列番号10)を用いたPCRによって行った。
<コリネ型細菌発現ベクターの構築>
(A)コリネ型細菌用プロモーター断片の調製
コリネ型細菌で強力なプロモーター活性を有することが報告された特開平7−95891の配列番号4に記載のDNA断片(以降TZ4プロモーターと称する)を利用することとした。本プロモーター断片の取得は、参考例2の(A)で調製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233ゲノムDNAを鋳型とし、特開平7−95891の配列番号4に記載の配列を基に設計した合成DNA(配列番号9および配列番号10)を用いたPCRによって行った。
反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO4、0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、60℃で20秒、72℃で30秒からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの72℃での保温は2分とした。
増幅産物の確認は、2.0%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約0.25kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。
回収したDNA断片は、T4 ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 Polynucleotide Kinase:宝酒造製)により5'末端をリン酸化した後、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて大腸菌ベクターpUC19(宝酒造)のSmaI部位に結合し、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX-Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成した6クローンについて、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製し、塩基配列を決定した。これ中でTZ4プロモーターがpUC19のlacプロモーターと逆方向に転写活性を有するように挿入されたクローンを選抜し、これをpUC/TZ4と命名した。
次に、pUC/TZ4を制限酵素BamHIおよびPstIで切断して調製したDNA断片に、5’末端がリン酸化された合成DNA(配列番号11および配列番号12)から成り、両末端にそれぞれBamHIとPstIに対する粘着末端を有するDNAリンカーを混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。本DNAリンカーには、リボソーム結合配列(AGGAGG)およびその下流に配したクローニングサイト(上流から順に、PacI、NotI、ApaI)が含まれている。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAの中から制限酵素NotIによって切断されるものを選抜し、これをpUC/TZ4−SDと命名した。
この様にして構築したpUC/TZ4−SDを制限酵素PstIで切断後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化し、次いで制限酵素KpnIで切断することにより生じた約0.3kbのプロモーター断片を、2.0%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。
(B)コリネ型細菌発現ベクターの構築
コリネ型細菌にて安定的に自立複製可能なプラスミドとして、特開平12−93183記載のpHSG298par−repを利用する。本プラスミドは、ブレビバクテリウム・スタチオニスIFO12144株が保有する天然型プラスミドpBY503の複製領域および安定化機能を有する領域と大腸菌ベクターpHSG298(宝酒造)に由来するカナマイシン耐性遺伝子および大腸菌の複製領域を備える。pHSG298par−repを制限酵素SseIで切断後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化し、次いで制限酵素KpnIで切断することによって調製したDNAを、上記(A)で調製したTZ4プロモーター断片と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
コリネ型細菌にて安定的に自立複製可能なプラスミドとして、特開平12−93183記載のpHSG298par−repを利用する。本プラスミドは、ブレビバクテリウム・スタチオニスIFO12144株が保有する天然型プラスミドpBY503の複製領域および安定化機能を有する領域と大腸菌ベクターpHSG298(宝酒造)に由来するカナマイシン耐性遺伝子および大腸菌の複製領域を備える。pHSG298par−repを制限酵素SseIで切断後、クレノウフラグメントにて末端を平滑化し、次いで制限酵素KpnIで切断することによって調製したDNAを、上記(A)で調製したTZ4プロモーター断片と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAの中から制限酵素NotIによって切断されるものを選抜し、該プラスミドをpTZ4と命名した(図3に構築手順を示した)。
[参考例4]
<ピルベートカルボキシラーゼ活性増強株の作製>
(A)ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子の取得
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子の取得は、参考例2の(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.AP005276)を基に設計した合成DNA(配列番号13および配列番号14)を用いたPCRによって行った。
<ピルベートカルボキシラーゼ活性増強株の作製>
(A)ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子の取得
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来ピルベートカルボキシラーゼ遺伝子の取得は、参考例2の(A)で調製したDNAを鋳型とし、全ゲノム配列が報告されているコリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032株の該遺伝子の配列(GenBank Database Accession No.AP005276)を基に設計した合成DNA(配列番号13および配列番号14)を用いたPCRによって行った。
反応液組成:鋳型DNA1μL、PfxDNAポリメラーゼ(インビトロジェン社製) 0.2μL、1倍濃度添付バッファー、0.3μM各々プライマー、1mM MgSO4、
0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
0.25μMdNTPsを混合し、全量を20μLとした。
反応温度条件:DNAサーマルサイクラー PTC−200(MJResearch社製)を用い、94℃で20秒、68℃で4分からなるサイクルを35回繰り返した。但し、1サイクル目の94℃での保温は1分20秒、最終サイクルの68℃での保温は10分とした。PCR反応終了後、Takara Ex Taq(宝酒造)を0.1μL加え、さらに72℃で30分保温した。
増幅産物の確認は、0.75%アガロース(SeaKem GTG agarose:FMCBioProducts製)ゲル電気泳動により分離後、臭化エチジウム染色により可視化することにより行い、約3.7kbの断片を検出した。ゲルからの目的DNA断片の回収は、QIAQuick Gel Extraction Kit(QIAGEN製)を用いて行った。
回収したDNA断片を、PCR産物クローニングベクターpGEM−TEasy(Promega製)と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLアンピシリンおよび50μg/mLX-Galを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で白色のコロニーを形成したクローンを、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素PacIおよびApaI
で切断することにより、約3.7kbの挿入断片が認められ、これをpGEM/MJPCと命名した。
で切断することにより、約3.7kbの挿入断片が認められ、これをpGEM/MJPCと命名した。
pGEM/MJPCの挿入断片の塩基配列は、アプライドバイオシステム社製塩基配列解読装置(モデル377XL)およびビックダイターミネーターサイクルシークエンスキットver3を用いて決定した。その結果得られたDNA塩基配列および推測されるアミノ酸配列を配列番号15に記載する。また、アミノ酸配列のみを配列番号16に記載する。本アミノ酸配列はコリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032株由来のそれと極めて高い相同性(99.4%)を示すことから、pGEM/MJPCの挿入断片がブレビバクテリウム・フラバムMJ233株由来のピルベートカルボキシラーゼ遺伝子であると断定した。
(B)ピルベートカルボキシラーゼ活性増強用プラスミドの構築
上記(A)で作製したpGEM/MJPCを制限酵素PacIおよびApaIで切断することにより生じる約3.7kbからなるピルベートカルボキシラーゼ遺伝子断片を、0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。
上記(A)で作製したpGEM/MJPCを制限酵素PacIおよびApaIで切断することにより生じる約3.7kbからなるピルベートカルボキシラーゼ遺伝子断片を、0.75%アガロースゲル電気泳動により分離、回収した。
このDNA断片を、制限酵素PacIおよびApaIにて切断した、参考例3にて構築したpTZ4と混合し、ライゲーションキットver.2(宝酒造製)を用いて連結後、得られたプラスミドDNAで大腸菌(DH5α株)を形質転換した。この様にして得られた組換え大腸菌を50μg/mLカナマイシンを含むLB寒天培地に塗抹した。
この培地上で生育した株を、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを精製した。得られたプラスミドDNAを制限酵素PacIおよびApaIで切断することにより、約3.7kbの挿入断片が認められたものを選抜し、これをpMJPC1と命名した(図4)。
(C)ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株への形質転換
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株内で複製可能なpMJPC1による形質転換用のプラスミドDNAは、上記(B)で形質転換した大腸菌(DH5α株)から調製した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233株内で複製可能なpMJPC1による形質転換用のプラスミドDNAは、上記(B)で形質転換した大腸菌(DH5α株)から調製した。
ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/ΔLDH株への形質転換は、電気パルス法(Res. Microbiol., Vol.144, p.181-185, 1993)によって行い、得られた形質転換体をカナマイシン 50μg/mLを含むLBG寒天培地[トリプトン10g、イーストエキストラクト5g、NaCl 5g、グルコース 20g、及び寒天15gを蒸留水1Lに溶解]に塗抹した。
この培地上に生育した株から、常法により液体培養した後、プラスミドDNAを抽出、制限酵素切断による解析を行った結果、同株がpMJPC1を保持していることを確認し、該株をブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株と命名した。
(D)ピルベートカルボキシラーゼ酵素活性
上記(C)で得られた形質転換株ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株をグルコース2%、カナマイシン25mg/Lを含むA培地100mlで終夜培養を行った。得られた菌体を集菌後、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)50mlで洗浄し、同組成の緩衝液20mlに再度懸濁させた。懸濁液にをSONIFIER 350(BRANSON製)で破砕し、遠心分離した上清を無細胞抽出液とした。得られた無細胞抽出液を用いピルベートカルボキシラーゼ活性を測定した。酵素活性の測定は100mM Tris/HCl緩衝液(pH7.5)、 0.1mg/10mlビオチン、5mM 塩化マグネシウム、50mM 炭酸水素ナトリ
ウム、5mM ピルビン酸ナトリウム 、5mM アデノシン三リン酸ナトリウム、0.32 mM NADH、20units/1.5mlリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(WAKO製、酵母由来)及び酵素を含む反応液中で25℃で反応させることにより行った。1Uは1分間に1μmolのNADHの減少を触媒する酵素量とした。ピルベートカルボキシラーゼを発現させた無細胞抽出液における比活性は 0.2U/mg蛋白質であった。なお親株であるMJ233/△LDH株をA培地を用いて同様に培養した菌体では、本活性測定方法によりピルベートカルボキシラーゼ活性は検出されなかった。
上記(C)で得られた形質転換株ブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株をグルコース2%、カナマイシン25mg/Lを含むA培地100mlで終夜培養を行った。得られた菌体を集菌後、50mM リン酸カリウム緩衝液(pH7.5)50mlで洗浄し、同組成の緩衝液20mlに再度懸濁させた。懸濁液にをSONIFIER 350(BRANSON製)で破砕し、遠心分離した上清を無細胞抽出液とした。得られた無細胞抽出液を用いピルベートカルボキシラーゼ活性を測定した。酵素活性の測定は100mM Tris/HCl緩衝液(pH7.5)、 0.1mg/10mlビオチン、5mM 塩化マグネシウム、50mM 炭酸水素ナトリ
ウム、5mM ピルビン酸ナトリウム 、5mM アデノシン三リン酸ナトリウム、0.32 mM NADH、20units/1.5mlリンゴ酸デヒドロゲナーゼ(WAKO製、酵母由来)及び酵素を含む反応液中で25℃で反応させることにより行った。1Uは1分間に1μmolのNADHの減少を触媒する酵素量とした。ピルベートカルボキシラーゼを発現させた無細胞抽出液における比活性は 0.2U/mg蛋白質であった。なお親株であるMJ233/△LDH株をA培地を用いて同様に培養した菌体では、本活性測定方法によりピルベートカルボキシラーゼ活性は検出されなかった。
[参考例5]
<発酵液の調製>
尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1g、及び蒸留水:1000mLの培地100mLを500mLの三角フラスコにいれ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やし、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mL、無菌濾過した5%カナマイシン水溶液を50μL添加し、参考例4(C)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株を接種して24時間30℃にて種培養した。
<発酵液の調製>
尿素:4g、硫酸アンモニウム:14g、リン酸1カリウム:0.5g、リン酸2カリウム0.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:0.5g、硫酸第一鉄・7水和物:20mg、硫酸マンガン・水和物:20mg、D−ビオチン:200μg、塩酸チアミン:200μg、酵母エキス:1g、カザミノ酸:1g、及び蒸留水:1000mLの培地100mLを500mLの三角フラスコにいれ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やし、あらかじめ滅菌した50%グルコース水溶液を4mL、無菌濾過した5%カナマイシン水溶液を50μL添加し、参考例4(C)で作製したブレビバクテリウム・フラバムMJ233/PC/ΔLDH株を接種して24時間30℃にて種培養した。
尿素:12g、硫酸アンモニウム:42g、リン酸1カリウム:1.5g、リン酸2カリウム1.5g、硫酸マグネシウム・7水和物:1.5g、硫酸第一鉄・7水和物:60mg、硫酸マンガン・水和物:60mg、D−ビオチン:600μg、塩酸チアミン:600μg、酵母エキス3g、カザミノ酸3g、消泡剤(アデカノールLG294:旭電化製):1mL及び蒸留水:2500mLの培地を5Lの発酵糟に入れ、120℃、20分加熱滅菌した。これを室温まで冷やした後、あらかじめ滅菌した12%グルコース水溶液を500mL添加し、これに前述の種培養液を全量加えて、30℃に保温した。通気は毎分500mL、攪拌は毎分500回転で本培養を行った。12時間後にグルコースがほぼ消費されていた。
硫酸マグネシウム・7水和物:1.5g、硫酸第一鉄・7水和物:60mg、硫酸マンガン・水和物:60mg、D−ビオチン:600μg、塩酸チアミン:600μg、消泡剤(アデカノールLG294:旭電化製):5ml及び蒸留水:1.5Lの培地を3Lの三角フラスコに入れ、120℃、20分加熱滅菌した。室温まで冷やした後、上記の本培養により得られた培養液を10000g、5分の遠心分離により集菌した菌体を添加して、O.D.(660nm)が60になるように再懸濁した。この懸濁液1.5Lとあらかじめ滅菌した20%グルコース溶液1.5Lを5Lのジャーファーメンターに入れて混合し、35℃に保温した。pHは2M炭酸アンモニウムを用いて7.6に保ち、毎分500mLで通気、毎分300回転で攪拌しながら反応を行った。反応開始後約50時間でグルコースがほぼ消費されていた。コハク酸が48g蓄積されていた。この発酵液を10000g、5分間の遠心分離、限外濾過(日東電工(株)製 NTU-3000-C1R)により菌体と上清に分離した。以上の操作を6回行うことにより、コハク酸発酵液上清を21L得ることが出来た。
[比較例1]
<発酵液からコハク酸の調製>
参考例5で得られた発酵液を80℃のウォーターバスを用いて濃縮した。圧力は成り行きで、留出が少なくなったら減圧を繰り返し、約2.5Lに濃縮した液を得た。
<発酵液からコハク酸の調製>
参考例5で得られた発酵液を80℃のウォーターバスを用いて濃縮した。圧力は成り行きで、留出が少なくなったら減圧を繰り返し、約2.5Lに濃縮した液を得た。
この発酵液1200gを晶析装置に入れ、酢酸400gを加え、20℃にて晶析した。種晶としてコハク酸アンモニウムの結晶を2g入れた。種晶を入れてから3時間攪拌し、濾過した。これを2回繰り返した
析出した固体は1269gであり、分析すると、コハク酸53wt%、アンモニア11.5wt%、酢酸14wt%であった。
この結晶を2日間、デシケータ中にて乾燥した。
この結晶1000g、酢酸1200gを晶析装置に入れ、85℃にて溶解した後、25℃に冷却した。25℃になってから10分後、コハク酸試薬を種晶として1g追加した。種晶を入れてから3時間攪拌し、濾過を行った。
コハク酸結晶が320g得られた。分析すると、コハク酸85wt%、アンモニア2.6wt%、酢酸11wt%であった。これを更に5℃に調整した蒸留水300gを用いてリンスし、得られた結晶をデシケータ中にて2日乾燥後分析すると、結晶は280g得られ、アンモニアは5000ppmになった。
[実施例1]
<高純度コハク酸の調製>
参考例6で得られたコハク酸100gを更に5℃に調整した蒸留水100gを2回、合計200g用いてリンスし、得られた結晶をデシケータ中にて2日乾燥後分析すると、結晶は75g得られ、アンモニアは300ppmになった。
<高純度コハク酸の調製>
参考例6で得られたコハク酸100gを更に5℃に調整した蒸留水100gを2回、合計200g用いてリンスし、得られた結晶をデシケータ中にて2日乾燥後分析すると、結晶は75g得られ、アンモニアは300ppmになった。
[実施例2]
<高純度コハク酸の調製>
参考例6で得られたコハク酸100g、蒸留水150gを晶析装置に入れ、85℃にて溶解した後、25℃に冷却した。25℃になってから10分後、コハク酸試薬を種晶として1g追加した。種晶を入れてから3時間攪拌し、濾過を行った。得られた結晶73gを5℃に調整した蒸留水50gを2回、合計100g用いてリンスし、得られた結晶をデシケータ中にて2日乾燥後分析すると、結晶は62g得られ、アンモニアは87ppmになった。
<高純度コハク酸の調製>
参考例6で得られたコハク酸100g、蒸留水150gを晶析装置に入れ、85℃にて溶解した後、25℃に冷却した。25℃になってから10分後、コハク酸試薬を種晶として1g追加した。種晶を入れてから3時間攪拌し、濾過を行った。得られた結晶73gを5℃に調整した蒸留水50gを2回、合計100g用いてリンスし、得られた結晶をデシケータ中にて2日乾燥後分析すると、結晶は62g得られ、アンモニアは87ppmになった。
[参考例6]
<アンモニア含有量 300ppmの発酵法コハク酸を用いたポリエステルの製造>
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、温度計、助剤添加口を備えた容量100mlの反応容器に、参考例7で得られた発酵法コハク酸(アンモニア含有量300ppm)を35.4g、1,4−ブタンジオールを28.4g、酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液2.9gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下160℃に昇温し、さらにこの温度から1時間で220℃まで昇温し、220℃で1時間保持した。その後30分で230℃まで昇温すると同時に、1時間30分間かけて反応系内の圧力を真空ポンプで0,5mmHgまで減圧し、0.5mmHgの減圧下において4時間10分重合を行った。このポリマーの還元粘度は1.6であった。またこのポリマーは淡黄色であり、黄色度YIは40であった。またポリマーの窒素含有量は55ppmであった。
<アンモニア含有量 300ppmの発酵法コハク酸を用いたポリエステルの製造>
攪拌装置、窒素導入管、加熱装置、温度計、助剤添加口を備えた容量100mlの反応容器に、参考例7で得られた発酵法コハク酸(アンモニア含有量300ppm)を35.4g、1,4−ブタンジオールを28.4g、酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液2.9gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、窒素ガス雰囲気下160℃に昇温し、さらにこの温度から1時間で220℃まで昇温し、220℃で1時間保持した。その後30分で230℃まで昇温すると同時に、1時間30分間かけて反応系内の圧力を真空ポンプで0,5mmHgまで減圧し、0.5mmHgの減圧下において4時間10分重合を行った。このポリマーの還元粘度は1.6であった。またこのポリマーは淡黄色であり、黄色度YIは40であった。またポリマーの窒素含有量は55ppmであった。
[参考例7]
(アンモニア含有量 〜5000ppmの発酵法コハク酸を用いたポリエステルの製造)
実施例1においてアンモニア含有量300ppmの発酵法コハク酸に替えて、参考例6で得られた発酵法コハク酸(アンモニア含有量5000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にポリエステルの重合反応を行った。その結果、重合度が上がらず低粘度のオリゴマーしか得られなかった。このオリゴマーの還元粘度は0.3であった。
(アンモニア含有量 〜5000ppmの発酵法コハク酸を用いたポリエステルの製造)
実施例1においてアンモニア含有量300ppmの発酵法コハク酸に替えて、参考例6で得られた発酵法コハク酸(アンモニア含有量5000ppm)を用いた以外は実施例1と同様にポリエステルの重合反応を行った。その結果、重合度が上がらず低粘度のオリゴマーしか得られなかった。このオリゴマーの還元粘度は0.3であった。
[参考例8]
(アンモニア含有量 87ppmの発酵法コハク酸を用いたポリエステルの製造)
実施例1においてアンモニア含有量300ppmの発酵法コハク酸に替えて、参考例8で得られた発酵法コハク酸(アンモニア含有量87ppm)を用いたこと、及び、0.5mmHgの減圧下において2.8時間重合を行ったこと以外は実施例1と同様にポリエステルの重合反応を行った。その結果、このポリマーの還元粘度は2.6であった。またこのポリマーは白色であり、黄色度YIは12であった。またポリマーの窒素含有量は44ppmであった。
(アンモニア含有量 87ppmの発酵法コハク酸を用いたポリエステルの製造)
実施例1においてアンモニア含有量300ppmの発酵法コハク酸に替えて、参考例8で得られた発酵法コハク酸(アンモニア含有量87ppm)を用いたこと、及び、0.5mmHgの減圧下において2.8時間重合を行ったこと以外は実施例1と同様にポリエステルの重合反応を行った。その結果、このポリマーの還元粘度は2.6であった。またこのポリマーは白色であり、黄色度YIは12であった。またポリマーの窒素含有量は44ppmであった。
Claims (10)
- アンモニア含有量が4000ppm以下であって、発酵法の工程を含む製造方法により得られるものであるジカルボン酸。
- アンモニア含有量が100ppm以下であって、発酵法の工程を含む製造方法により得られるものであるジカルボン酸。
- ジカルボン酸がポリエステル用原料である、請求項1又は2に記載のジカルボン酸。
- ジカルボン酸がコハク酸であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のジカルボン酸。
- 発酵法の工程を含む製造方法により得られたジカルボン酸を、水でのリンス及び/又は晶析工程を含む精製方法により精製をすることにより、該ジカルボン酸中のアンモニア含有量を4000ppm以下にすることを特徴とするジカルボン酸の製造方法。
- ジカルボン酸中のアンモニア含有量を500ppm以下にすることを特徴とする請求項5に記載のジカルボン酸の製造方法。
- 精製する際に、目的とするジカルボン酸よりもpHの高い弱酸性の有機酸を使用した反応晶析により、目的とするフリーのジカルボン酸をアンモニア塩から固体として分離する工程を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のジカルボン酸の製造方法。
- 発酵法の工程を含む製造方法により得られた精製前のジカルボン酸中のアンモニア含有量が5000ppm以上であることを特徴とする、請求項5乃至7のいずれか1項に記載のジカルボン酸の製造方法。
- ジカルボン酸がポリエステル用原料である、請求項5乃至8のいずれか1項に記載のジカルボン酸の製造方法。
- ジカルボン酸がコハク酸であることを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載のジカルボン酸の製造方法。
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