JP2009062347A - 粉末製剤並びにそれを用いた食品素材及び化粧品素材 - Google Patents
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Abstract
イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物を高濃度に含有し、更に、流動性が高い粉末製剤を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明の粉末製剤は、イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物と、シクロデキストリン(CD)と、アラビアガムと、を含有することを特徴とする。また、前記化合物が、ファルネゾール、ゲファルナート、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、コエンザイムQ10(CoQ10)からなる群より選ばれるいずれか1つ以上であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、上記化合物を高濃度に含有し、更に、流動性が高い粉末製剤を提供することを目的とする。
(1)イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物と、シクロデキストリン(CD)と、アラビアガムと、を含有することを特徴とする粉末製剤。
(2)イソプレノイド構造が、(A)以下の構造式:
(3)キノン構造が、(B)以下の構造式:
[式中Rは水素、ヒドロキシル又はヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルからなる群より選ばれる]を有する化合物である、上記(1)又は(2)に記載の粉末製剤。
(4)前記化合物が、ファルネゾール、ゲファルナート、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、コエンザイムQ10(CoQ10)からなる群より選ばれるいずれか1つ以上である、上記(1)〜(3)の何れか一方に記載の粉末製剤。
(5)アラビアガム及びシクロデキストリンの水溶液とイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物とを混合して混合溶液を調製し、その後、該混合溶液を乾燥してなる粉末製剤。
(6)上記(1)〜上記(5)の何れか1項に記載された粉末製剤からなる飲食品用素材。
(7)上記(6)に記載された飲食品用素材を含有してなる飲食品。
(8)上記(1)〜上記(5)の何れか1項に記載された粉末製剤からなる化粧品用素材。
(9)上記(8)に記載された化粧品用素材を含有してなる化粧品。
又はキノン構造を有する化合物の効果を維持することができ、更に高濃度の化合物を含有し、流動性の高い粉末製剤を得ることができる。
本発明の粉末製剤は、イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物と、シクロデキストリン(CD)と、アラビアガムと、を含有することを特徴とする。
グルコシド結合によって結合し環状構造をとった環状オリゴ糖の一種である。
このシクロデキストリンは特に限定されず、例えば、α−シクロデキストリン(αCD)、β−シクロデキストリン(βCD)、γ−シクロデキストリン(γCD)等が挙げられるが、これらのうち特にγCDが好ましい。上記化合物をより高濃度に含有することができ、且つ流動性が高い粉末製剤を得ることができるからである。尚、これらは1種のみ含有していても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、上記「シクロデキストリン」として、マルトースなどの分岐側鎖を有さないシクロデキストリンのみを用いても良いし、マルトースなどの分岐側鎖を有さないシクロデキストリンと分岐シクロデキストリンとの混合物を用いても良いが、マルトースなどの分岐側鎖を有さないシクロデキストリンのみを用いることが好ましい。
上記アラビアガムの含有量は特に限定されないが、10〜45質量%、好ましくは、15〜35質量%、より好ましくは15〜25質量%とすることができる。アラビアガムが10質量%未満又は45質量%を超えると優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難だからである。
混練法とは、CD及びアラビアガム粉末の混合物に水を少量加えてペースト状にして、一定量のゲスト化合物を添加してミキサー等でよく攪拌し、続いて水を蒸発させることで粉末を調製する方法であり、混合時間は飽和水溶液法より長めとなる。そして混合粉砕法とは、CD及びアラビアガムの混合粉末とゲスト化合物を振動ミルにより粉砕して得る方法である。
このとき、上記「水溶液」に配合するシクロデキストリンの濃度は特に限定されないが、シクロデキストリンとアラビアガムと水との全質量を100質量%とした場合、5〜30質量%、好ましくは6〜15質量%、より好ましくは8〜13質量%とすることができる。5質量%未満の場合優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難であり、25質量%を超えると、水にシクロデキストリンを溶解させることが困難だからである。
また、上記「水溶液」に配合するアラビアガムの濃度は特に限定されないが、シクロデキストリンとアラビアガムと水との全質量を100質量%とした場合、1〜10質量%、好ましくは2〜7質量%、より好ましくは2.5〜6質量%とすることができる。1質量%未満の場合優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難であり、5質量%を超えると、水溶液の粘度が高くなるので取り扱いが困難となるからである。
本発明の粉末製剤を用い、サプリメントを製造する場合には、本発明の粉末製剤をそのまま打錠成型することもできるが、さらに必要に応じて、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の製剤に通常用いられている添加物を加えることができる。
さらに、本発明の粉末製剤に加え、皮膚繊維芽細胞の増殖等の効果を有するレチノール等の美容成分や、ホホバ油、植物エキス等の保湿成分を必要に応じて配合することもできる。
本発明の粉末製剤を用い、医薬品を製造する場合には、本発明の粉末製剤に加え、必要な成分を配合することもできる。
実施例及び比較例の粉末製剤の調整
実施例1
γ−CD(パールエース社製「g−100(g−CD)」)7.50質量部及びアラビアガム(コロイド ナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)3.00質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、実施例1の粉末製剤を得た。
アラビアガム(コロイドナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)10.50質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て、次いでこの混合溶液を噴霧乾燥して、比較例1の粉末製剤を得た。
デキストリン(松谷化学工業株式会社製「Max1000」)0.15質量部及びアラビアガム(コロイドナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)10.35質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、比較例2の粉末製剤を得た。
デキストリン(松谷化学工業株式会社製「Max1000」)7.50質量部及びアラビアガム(コロイド ナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)3.00質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、比較例3の粉末製剤を得た。
アラビアガム(コロイド ナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)10.43質量部及びグルパール(片山化学工業研究所株式会社製「グルパール19S」)0.07質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、比較例4の粉末製剤を得た。
尚、上記実施例及び各比較例の固形分(すなわち蒸留水を除いた成分)の配合処方を下記表1に示す。
実施例1及び比較例1〜4の粉末製剤を手で握り、その後、手からすべり落としてそのすべり安さを官能的に比較することによって。流動性を評価した。その結果を表1に示す。尚、表1においてサラサラ感が高く、手から容易に滑り落ちたものを「優」、サラサラ感が低く、滑り落ちにくいものを「やや劣」、サラサラ感が全くないものを「劣」とした。
表1によれば、トコトリエノールにアラビアガムのみを混合させた場合(比較例1)、トコトリエノールにアラビアガム及びデキストリンを混合させた場合(比較例2及び比較例3)、トコトリエノールにアラビアガム及びグルパールを混合させた場合(比較例4)、流動性は劣っていることが判る。これにより、トコトリエノールにアラビアガム及びシクロデキストリンの何れかが配合されていない場合は、流動性が劣っていることが判る。これに対し、トコトリエノールにアラビアガム及びシクロデキストリンの両方が配合されている場合は、流動性が優れていることが判る。これにより、アラビアガムと、シクロデキストリンの両方を含有することにより流動性が向上することが判る。
更に、実施例1によれば、30質量%と高濃度の粉末剤を調整することができる。
以上により、アラビアガム及びシクロデキストリンの両方が配合された場合は、高濃度で且つ流動性の優れた粉末製剤を得ることができることが判る。
以下に本発明の粉末製剤の配合例を挙げるが、下記配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
粉末製剤 0.5
100.0wt%
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブドウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ブドウ果汁 4.0
ブドウフレーバー 0.6
色素 0.02
粉末製剤 1.0
100.0wt%
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
粉末製剤 0.4
100.0wt%
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
粉末製剤 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
粉末製剤 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
粉末製剤 1.0
100.0wt%
粉末製剤 1.0wt%
乳糖 30.0
コーンスターチ 60.0
結晶セルロース 8.0
ポリビニールピロリドン 1.0
100.0wt%
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン−
モノステアレート 2.0
粉末製剤 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
粉末製剤 0.1
精製水 残余
100.0wt%
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
粉末製剤 1.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L−アルギニン 1.0
粉末製剤 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
とうもろこし 34.0wt%
小麦粉 35.0
ミートミール 15.0
牛脂 8.9
食塩 1.0
かつおエキス 4.0
粉末製剤 1.0
タウリン 0.1
ビタミン類 0.5
ミネラル類 0.5
100.0wt%
とうもろこし 30.0wt%
肉類(チキン) 15.0
脱脂大豆 10.0
小麦粉 25.0
糟糠類 5.0
粉末製剤 5.0
動物性油脂 8.9
オリゴ糖 0.1
ビタミン 0.5
ミネラル 0.5
100.0wt%
Claims (9)
- イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物と、シクロデキストリン(CD)と、アラビアガムと、を含有することを特徴とする粉末製剤。
- 前記化合物が、ファルネゾール、ゲファルナート、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、コエンザイムQ10(CoQ10)からなる群より選ばれるいずれか1つ以上である、請求項1〜請求項3の何れか一方に記載の粉末製剤。
- アラビアガム及びシクロデキストリンの水溶液とイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物とを混合して混合溶液を調製し、その後、該混合溶液を乾燥してなる粉末製剤。
- 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載された粉末製剤からなる飲食品用素材。
- 請求項6に記載された飲食品用素材を含有してなる飲食品。
- 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載された粉末製剤からなる化粧品用素材。
- 請求項8に記載された化粧品用素材を含有してなる化粧品。
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