JP5306626B2 - 粉末製剤並びにそれを用いた食品素材及び化粧品素材 - Google Patents

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Description

本発明は、イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物を含有する粉末製剤に関するものである。本発明は、飲食品、医薬品、化粧品等に広く利用される。
食品には、賦香を目的とした香味成分やビタミン類等の油溶性成分が食品に添加されており、その大半は油溶性であり、使用目的により乳化したり、あるいは水溶性のものが適宜選択されて使用されている。そして、保存性、安定性や即溶性を、油溶性成分を含有する製剤に付与し、油溶性成分含有製品の利便性向上のため様々な方法により粉末・造粒化が行われている。
例えば油溶性の香料成分を粉末化して得られた粉末香料製剤は、保存性や安定性に優れており、取り扱いも容易であるため、粉末系食品類への利用が容易であるとの特徴を有している。例えば、粉末ジュース、粉末スープやインスタント食品、スナック菓子、農畜水産食品等への賦香に用いられている。或いは、油溶性のビタミン類、ドコサヘキサエン酸等の油溶性成分を粉末化し、食品のみならず医薬品、医薬部外品へ利用されている。
また、イソプレノイド構造を有する化合物及び/又はキノン構造を有する化合物として、ファルネゾール(farnesol)、ゲファルナート(gefarnate)、スクアレン(squalene)、メナキノン(menaquinone)、トコトリエノール(tocotrienol)、トコフェロール(tocopherol)及びコエンザイムQ10(coenzyme Q10:以下、CoQ10とする)等が知られている。これらは化粧品、健康食品や抗潰瘍剤等の医薬品の有効成分として利用されている。そこで、これらの化合物を粉末化する方法としてシクロデキストリンにて包接する方法が知られている(特許文献1及び特許文献2等)。
特開2005−2005号公報 特開2006−249050号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2によれば、高濃度イソプレノイド構造を有する化合物及び/又はキノン構造を有する化合物の粉末製剤を調製するときに、粉末の流動性が失われ固着したり、油が酸化・劣化したりして粉末製剤としての品質の優れたものができず、また、品質の優れた粉末製剤を調製した場合、これらの化合物を高濃度に含有させることができないという問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、上記化合物を高濃度に含有し、更に、流動性が高い粉末製剤を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明は以下のとおりとなる。
(1)イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物と、シクロデキストリン(CD)と、アラビアガムと、を含有することを特徴とする粉末製剤。
(2)イソプレノイド構造が、(A)以下の構造式:
Figure 0005306626
[式中nは1以上20以下の整数を意味する]を有する化合物である上記(1)に記載の粉末製剤。
(3)キノン構造が、(B)以下の構造式:
Figure 0005306626
[式中Rは水素、ヒドロキシル又はヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルからなる群より選ばれる]を有する化合物である、上記(1)又は(2)に記載の粉末製剤。
(4)前記化合物が、ファルネゾール、ゲファルナート、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、コエンザイムQ10(CoQ10)からなる群より選ばれるいずれか1つ以上である、上記(1)〜(3)の何れか一方に記載の粉末製剤。
(5)アラビアガム及びシクロデキストリンの水溶液とイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物とを混合して混合溶液を調製し、その後、該混合溶液を乾燥してなる粉末製剤。
(6)上記(1)〜上記(5)の何れか1項に記載された粉末製剤からなる飲食品用素材。
(7)上記(6)に記載された飲食品用素材を含有してなる飲食品。
(8)上記(1)〜上記(5)の何れか1項に記載された粉末製剤からなる化粧品用素材。
(9)上記(8)に記載された化粧品用素材を含有してなる化粧品。
本発明の粉末製剤は、イソプレノイド構造及び/
又はキノン構造を有する化合物の効果を維持することができ、更に高濃度の化合物を含有し、流動性の高い粉末製剤を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粉末製剤は、イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物と、シクロデキストリン(CD)と、アラビアガムと、を含有することを特徴とする。
上記「イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物」(以下、単に「化合物」ともいう。)には、イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物であればいずれも含まれるが、特に構造式[化1]に示したイソプレノイド構造のうち、nは1以上20以下の整数である化合物が好ましい。また、構造式[化2]に示したキノン構造のうち、Rは水素、ヒドロキシル又はヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルからなる群より選ばれる化合物であることが好ましい。さらに、飲食品、化粧品、医薬品等の有効成分として利用できる、ファルネゾール、ゲファルナート、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、CoQ10のいずれか1つ以上であることが好ましい。尚、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。
上記化合物の含有量は特に限定されないが上記化合物とシクロデキストリンと、アラビアガムとの合計を100質量%とした場合、15〜50質量%、好ましくは25〜40質量%、より好ましくは28〜35質量%とすることができる。15質量%未満の場合、高濃度の上記化合物を含有する粉末製剤を得ることが困難であり、また、50質量%を超えると優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難だからである。
上記「シクロデキストリン」とは、数分子のD−グルコースがα(1→4)
グルコシド結合によって結合し環状構造をとった環状オリゴ糖の一種である。
このシクロデキストリンは特に限定されず、例えば、α−シクロデキストリン(αCD)、β−シクロデキストリン(βCD)、γ−シクロデキストリン(γCD)等が挙げられるが、これらのうち特にγCDが好ましい。上記化合物をより高濃度に含有することができ、且つ流動性が高い粉末製剤を得ることができるからである。尚、これらは1種のみ含有していても良いし、2種以上を併用しても良い。
また、上記シクロデキストリンとしてグルコース、マルトースなどの分岐側鎖を有するもの(以下、単に「分岐シクロデキストリン」という。)を用いても良い。これらを含むことにより、水溶性がある粉末製剤が得られるからである。
また、上記「シクロデキストリン」として、マルトースなどの分岐側鎖を有さないシクロデキストリンのみを用いても良いし、マルトースなどの分岐側鎖を有さないシクロデキストリンと分岐シクロデキストリンとの混合物を用いても良いが、マルトースなどの分岐側鎖を有さないシクロデキストリンのみを用いることが好ましい。
上記シクロデキストリンの含有量は特に限定されないが、上記化合物と、シクロデキストリンと、アラビアガムとの全質量を100質量%とした場合、45〜65質量%、好ましくは、50〜60質量%、より好ましくは50〜55質量%とすることができる。シクロデキストリンが45質量%未満又は65質量%を超えると優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難だからである。
上記「アラビアガム」は、アカシア属の幹及び枝から滲出するガム状物質である。ガム状物質として、カラヤゴム、トラガカントゴム、キャロブゴムなどを用いることも可能であるが、アラビアガムが最も適したものである。
上記アラビアガムの含有量は特に限定されないが、10〜45質量%、好ましくは、15〜35質量%、より好ましくは15〜25質量%とすることができる。アラビアガムが10質量%未満又は45質量%を超えると優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難だからである。
また、上記シクロデキストリンとアラビアガム質量比は特に限定されないが、質量比[シクロデキストリン/アラビアガム]にて1.0〜6.0、好ましくは2.0〜3.0とすることができる。1.0未満又は6.0を超えると優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難だからである。
上記「粉末製剤」とは、上記化合物、CD、及びアラビアガムを噴霧乾燥、凍結乾燥法、飽和水溶液法、混錬法、混合粉砕法等により調製してなる粉末状の製剤のことをいう。この粉末製剤は、上記化合物の一部又は全部が、CDに包接されているものと考えられる。
噴霧乾燥、凍結乾燥法とは、CD及びアラビアガムの水溶液を調製し、一定量のゲスト化合物を添加して攪拌し混合溶液を次いで噴霧乾燥、凍結乾燥し、包接体を得る方法である。また、飽和水溶液法とは、CD及びアラビアガムの飽和水溶液を作り、一定量のゲスト化合物を混合し、CDの種類やゲスト化合物の種類に応じ30分〜数時間攪拌混合することで、沈殿を得て、続いて、水を蒸発させるが、温度を下げて沈殿物を取り出した後、乾燥することで、包接体を単離する方法である。
混練法とは、CD及びアラビアガム粉末の混合物に水を少量加えてペースト状にして、一定量のゲスト化合物を添加してミキサー等でよく攪拌し、続いて水を蒸発させることで粉末を調製する方法であり、混合時間は飽和水溶液法より長めとなる。そして混合粉砕法とは、CD及びアラビアガムの混合粉末とゲスト化合物を振動ミルにより粉砕して得る方法である。
混練法又は加熱方法については、例えば、イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物が例えば、CoQ10の場合では、Journal Acta Poloniae,Pharmaceutica(1995)、Vol.52,No5,S.379−386及び(1996),Vol.53,No3,S.193−196においてCcoQ10と種々のCD及びCD誘導体との複合化が記載されている。また、特表2003−520827号公報には、γCDとCoQ10との水性混合物を用いることで、さらに迅速かつ簡便に粉末製剤を得る方法が記載されている。
本発明の粉末製剤は、噴霧乾燥、凍結乾燥法を用いて調製したものが好ましい。より高濃度で流動性の優れた粉末製剤を得ることができるからである。
上記粉末製剤を噴霧乾燥又は凍結乾燥法にて製造する場合、上記粉末製剤は、アラビアガム及びシクロデキストリンの水溶液とイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物とを混合して攪拌し混合溶液を調製し、その後、該混合溶液を乾燥することによって得ることができる。
このとき、上記「水溶液」に配合するシクロデキストリンの濃度は特に限定されないが、シクロデキストリンとアラビアガムと水との全質量を100質量%とした場合、5〜30質量%、好ましくは6〜15質量%、より好ましくは8〜13質量%とすることができる。5質量%未満の場合優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難であり、25質量%を超えると、水にシクロデキストリンを溶解させることが困難だからである。
また、上記「水溶液」に配合するアラビアガムの濃度は特に限定されないが、シクロデキストリンとアラビアガムと水との全質量を100質量%とした場合、1〜10質量%、好ましくは2〜7質量%、より好ましくは2.5〜6質量%とすることができる。1質量%未満の場合優れた流動性を有する粉末製剤を得ることが困難であり、5質量%を超えると、水溶液の粘度が高くなるので取り扱いが困難となるからである。
上記「イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物」(以下、単に「化合物」ともいう。)には、上述したようにイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物であればいずれも含まれるが、特に構造式[化1]に示したイソプレノイド構造のうち、nは1以上20以下の整数である化合物が好ましい。また、構造式[化2]に示したキノン構造のうち、Rは水素、ヒドロキシル又はヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等のヒドロキシアルキルからなる群より選ばれる化合物であることが好ましい。さらに、飲食品、化粧品、医薬品等の有効成分として利用できる、ファルネゾール、ゲファルナート、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、CoQ10のいずれか1つ以上であることが好ましい。尚、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上の混合物を用いても良い。
また、上記化合物を水溶液に混合させるとき、上記化合物及び水の両方に可溶な溶媒に溶解させ化合物溶液を得て、その後その化合物溶液を上記水溶液に混合させることが好ましい。より均一な混合溶液を調製することができるからである。このときに使用する溶媒は、上記化合物及び水の両方に可溶であり、且つ沸点が100℃以下のものであれば特に限定されず、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられるが、エタノールが最も好ましい。容易に入手することができ、更に、安全性が高いことが広く知られているため、食品への使用が容易だからである。
上記化合物溶液中の化合物の濃度は特に限定されないが、上記化合物と溶媒との全質量を100質量%とした場合、20〜40質量%、好ましくは25〜35質量%とすることができる。20質量%未満又は40質量%を超えるとより均一な混合溶液を調製調整することが困難だからである。
本発明の粉末製剤を含有せしめた飲食品として、サプリメント、機能性食品、栄養ドリンク等を製造することができる。本発明の粉末製剤を用い、飲食品を製造する場合には、粉末製剤に含まれるイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物として、例えば、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、CoQ10等を含む粉末製剤を用い、これらの成分を有効に利用することが好ましい。また、本発明の粉末製剤に、その他のイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物等を組み合わせ、多様な効果を有する組成物として利用することもできる。
本発明の粉末製剤を用い、サプリメントを製造する場合には、本発明の粉末製剤をそのまま打錠成型することもできるが、さらに必要に応じて、例えば、デンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の製剤に通常用いられている添加物を加えることができる。
また、本発明の粉末製剤は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。
また、本発明の粉末製剤を含有せしめた化粧品として、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。本発明の粉末製剤を用い、化粧品を製造する場合には、粉末製剤に含まれるイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物として、例えば、スクアレン、メナキノン、トコトリエノール、トコフェロール、CoQ10等を含む粉末製剤を用い、これらの成分を有効に利用することが好ましい。また、本発明の粉末製剤に、その他のイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物等を組み合わせ、多様な効果を有する組成物として利用することもできる。
さらに、本発明の粉末製剤に加え、皮膚繊維芽細胞の増殖等の効果を有するレチノール等の美容成分や、ホホバ油、植物エキス等の保湿成分を必要に応じて配合することもできる。
さらに、本発明の粉末製剤を含有せしめた医薬品を製造することができる。医薬品を製造するにあたり、本発明の粉末製剤を用い、医薬品を製造する場合には、粉末製剤に含まれるイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物として、例えば、ファルネゾール、ゲファルナート等を含む粉末製剤を用い、これらの成分を有効に利用することが好ましい。また、本発明の粉末製剤に、その他のイソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物等を組み合わせ、多様な効果を有する組成物として利用することもできる。
本発明の粉末製剤を用い、医薬品を製造する場合には、本発明の粉末製剤に加え、必要な成分を配合することもできる。
以下に本発明を具体化した実施例について説明する。
実施例及び比較例の粉末製剤の調整
実施例1
γ−CD(パールエース社製「g−100(g−CD)」)7.50質量部及びアラビアガム(コロイド ナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)3.00質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、実施例1の粉末製剤を得た。
比較例1
アラビアガム(コロイドナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)10.50質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て、次いでこの混合溶液を噴霧乾燥して、比較例1の粉末製剤を得た。
比較例2
デキストリン(松谷化学工業株式会社製「Max1000」)0.15質量部及びアラビアガム(コロイドナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)10.35質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、比較例2の粉末製剤を得た。
比較例3
デキストリン(松谷化学工業株式会社製「Max1000」)7.50質量部及びアラビアガム(コロイド ナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)3.00質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、比較例3の粉末製剤を得た。
比較例4
アラビアガム(コロイド ナチュレル ジャパン社製「INSTANT GUM IRX」)10.43質量部及びグルパール(片山化学工業研究所株式会社製「グルパール19S」)0.07質量部を75.00質量部の蒸留水に溶解させて水溶液を調製し、トコトリエノール(オリザ油化株式会社製「トコトリエノール−90」)4.50質量部とエタノール10.0質量部とを混合してトコトリエノールエタノール溶液を調製し、上記水溶液とエタノール溶液を混合して攪拌して混合溶液を得て次いで噴霧乾燥して、比較例4の粉末製剤を得た。
尚、上記実施例及び各比較例の固形分(すなわち蒸留水を除いた成分)の配合処方を下記表1に示す。
実施例及び比較例の流動性の評価
実施例1及び比較例1〜4の粉末製剤を手で握り、その後、手からすべり落としてそのすべり安さを官能的に比較することによって。流動性を評価した。その結果を表1に示す。尚、表1においてサラサラ感が高く、手から容易に滑り落ちたものを「優」、サラサラ感が低く、滑り落ちにくいものを「やや劣」、サラサラ感が全くないものを「劣」とした。
Figure 0005306626
結果及び実施例の効果
表1によれば、トコトリエノールにアラビアガムのみを混合させた場合(比較例1)、トコトリエノールにアラビアガム及びデキストリンを混合させた場合(比較例2及び比較例3)、トコトリエノールにアラビアガム及びグルパールを混合させた場合(比較例4)、流動性は劣っていることが判る。これにより、トコトリエノールにアラビアガム及びシクロデキストリンの何れかが配合されていない場合は、流動性が劣っていることが判る。これに対し、トコトリエノールにアラビアガム及びシクロデキストリンの両方が配合されている場合は、流動性が優れていることが判る。これにより、アラビアガムと、シクロデキストリンの両方を含有することにより流動性が向上することが判る。
更に、実施例1によれば、30質量%と高濃度の粉末剤を調整することができる。
以上により、アラビアガム及びシクロデキストリンの両方が配合された場合は、高濃度で且つ流動性の優れた粉末製剤を得ることができることが判る。
[配合例]
以下に本発明の粉末製剤の配合例を挙げるが、下記配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
粉末製剤 0.5
100.0wt%
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブドウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ブドウ果汁 4.0
ブドウフレーバー 0.6
色素 0.02
粉末製剤 1.0
100.0wt%
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
粉末製剤 0.4
100.0wt%
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
粉末製剤 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
配合例5:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
粉末製剤 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
配合例7:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
粉末製剤 1.0
100.0wt%
配合例9:顆粒内服剤(医薬品)
粉末製剤 1.0wt%
乳糖 30.0
コーンスターチ 60.0
結晶セルロース 8.0
ポリビニールピロリドン 1.0
100.0wt%
配合例10:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン−
モノステアレート 2.0
粉末製剤 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例11:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
粉末製剤 0.1
精製水 残余
100.0wt%
配合例12:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット 2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
粉末製剤 1.0
1、3−ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
配合例13:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L−アルギニン 1.0
粉末製剤 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
配合例14:キャットフード
とうもろこし 34.0wt%
小麦粉 35.0
ミートミール 15.0
牛脂 8.9
食塩 1.0
かつおエキス 4.0
粉末製剤 1.0
タウリン 0.1
ビタミン類 0.5
ミネラル類 0.5
100.0wt%
配合例16:ドッグフード
とうもろこし 30.0wt%
肉類(チキン) 15.0
脱脂大豆 10.0
小麦粉 25.0
糟糠類 5.0
粉末製剤 5.0
動物性油脂 8.9
オリゴ糖 0.1
ビタミン 0.5
ミネラル 0.5
100.0wt%
以上、説明したように、本発明は、イソプレノイド構造及び/又はキノン構造を有する化合物の効果を維持することができ、更に高濃度の化合物を含有し、流動性の高い粉末製剤を得ることができ、飲食品、化粧品、および医薬品等に広く利用することができるものが提供されている。

Claims (1)

  1. アラビアガム及びγ−シクロデキストリンの水溶液とトコトリエノール及び/またはトコフェロールとを混合して混合溶液を調製し、その後、該混合溶液を乾燥してなる粉末製剤であって、
    前記トコトリエノール及び/またはトコフェロールの配合量はアラビアガムとγ−シクロデキストリントコトリエノール及び/またはトコフェロールの合計を100質量%とした場合に25〜40質量%であり、
    アラビアガム及びγ−シクロデキストリンの配合比は質量比[γ−シクロデキストリン/アラビアガム]で2.0〜3.0であることを特徴とする粉末製剤。
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