JP2009057888A - ディーゼルエンジン - Google Patents

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秀昭 松本
Shinji Yano
真二 矢野
Yoshinao Okubo
善直 大久保
Masaaki Suga
公明 菅
Hiroshige Eguchi
裕滋 江口
Akiro Tamura
彰朗 田村
Shinji Okubo
真司 大久保
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Abstract

【課題】コモンレールの冷却の改善及びレイアウトのシンプル化。
【解決手段】クランク軸1の架設方向を前後方向とするシリンダブロック2の前部側に冷却ファン3を配置したディーゼルエンジンにおいて、シリンダブロック2又はシリンダヘッド4の前後方向周辺に配置されているコモンレール10の取付姿勢を、冷却ファン3から遠い後部側は、前部側に対し冷却風を受け易いよう外方に変位させて配設したことを特徴とするディーゼルエンジンの構成とする。また、シリンダブロック2の前後方向一側壁2aを適宜量突設させ、この突設させた張出部2bにコモンレール10を一体的に内装して設けたことを特徴とするディーゼルエンジンの構成とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、ディーゼルエンジンに関する。詳しくは縦型多気筒エンジンにおけるコモンレールの冷却及び組付け等に属する。
従来、多気筒ディーゼルエンジンにおいて、クランク軸の架設方向を前後方向とし、この前後方向と直交するシリンダヘッドの幅方向を横方向として、シリンダヘッドの横一側面に吸気マニホールドを取り付け、シリンダヘッドの横他側面に排気マニホールドを取り付け、シリンダヘッドの周囲にコモンレールを配置しているものがあるが、これらのコモンレールの配置では該レールがシリンダヘッドから十分に隔離されていないため、エンジンの燃焼熱がシリンダヘッドに伝わり過熱によりコモンレールに損傷を生じ易くなる。このため、コモンレールを吸気マニホールドの真横に配置することにより、コモンレールが吸気マニホールドでシリンダヘッドから隔離されるからエンジンの燃焼熱がコモンレールに伝わりにくく、コモンレールの過熱が抑制され損傷を防止できるもの等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来では、独立したコモンレールをエンジン周りに配置させているため、この配置によりエンジン周りのスペースが狭くなりコモンレール以外のエンジン部品を配置するレイアウトに制限を生じると共に、コモンレールからシリンダヘッドに装着されたインジェクタまでの距離が長くなるという難点があった。このため、シリンダヘッドの一側に開口した筒状空洞部にコモンレールを内嵌することにより、エンジン周りのスペースを十分に確保できると共に、コモンレールとインジェクタ間の燃料チューブを短縮できるもの等が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−92598号公報 特開平9−264227号公報
上記の如く、コモンレールを吸気マニホールドの真横に配置することにより、シリンダヘッドから隔離されエンジンの燃焼熱がコモンレールに伝わりにくく、一応、コモンレールの過熱が抑制され損傷を防止できるが、その際、コモンレールは吸気マニホールドの真横に略並行に配置されているのが一般的であるため、エンジンの冷却ファンによるコモンレールの冷却の際に、コモンレールが冷却ファンから遠いフライホイール側では冷却が悪く、シリンダ内に噴射されなかったリターン燃料の温度が上昇傾向となり、燃料タンク内の温度が上がることによって燃料が気化したり、燃料噴射量が低下するといった不具合を生じるものであった。
また、上記の如く、シリンダヘッドの一側に開口した筒状空洞部にコモンレールを内嵌することにより、エンジン周りのスペースを十分に確保できると共に、コモンレールとインジェクタ間の燃料チューブを短縮できるが、その際、コモンレールは従来通り必要となる上に、シリンダヘッドに筒状空洞部の加工が加わり複雑で無駄なレイアウトとなる難点があった。
そこで本発明は、コモンレールにおいて冷却ファンから遠いフライホイール側の冷却の改善、及びシリンダヘッドの筒状空洞部にコモンレールを内嵌するという複雑で無駄なレイアウトの改善を行うものである。
請求項1の発明は、クランク軸(1)の架設方向を前後方向とするシリンダブロック(2)の前部側に冷却ファン(3)を配置したディーゼルエンジンにおいて、シリンダブロック(2)又はシリンダヘッド(4)の前後方向周辺に配置されているコモンレール(10)の取付姿勢を、冷却ファン(3)から遠い後部側は、前部側に対し冷却風を受け易いよう外方に変位させて配設したことを特徴とするディーゼルエンジンの構成とする。
このような構成により、エンジン前部の冷却ファン(3)からの冷却風によってコモンレール(10)は冷却が行われるが、この冷却時に冷却風を直接受けるコモンレール(10)の前部側に対し後部側にも冷却風が大きく当たるよう外方変位して配設することにより、後部側における冷却風の受風が良好となってコモンレール(10)全体を略均等に冷却することが可能となり、コモンレール(10)中の燃料の温度を適温に下げることができる。
請求項2の発明は、前記ディーゼルエンジンにおいて、シリンダブロック(2)の前後方向一側壁(2a)を適宜量突設させ、この突設させた張出部(2b)にコモンレール(10)を一体的に内装して設けたことを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの構成とする。
このような構成により、シリンダブロック(2)の前後方向の一側壁(2a)を適宜長さに亘り適宜量突出させて設けた張出部(2b)に、コモンレール(10)を一体的に内装して設けることにより、レイアウトのシンプル化が可能となる。
請求項1の発明では、上記作用の如く、冷却ファン(3)からの冷却風によりコモンレール(10)の冷却を行うとき、コモンレール(10)の冷却ファン(3)から遠い後部側を前部側に対し冷却風を受けやすいように外方変位して配設することにより、コモンレール(10)全体が略均等に冷却効果が得られ該コモンレール(10)中の燃料温度を適温に下げることができるから、シリンダ内に噴射されなかったリターン燃料の温度上昇及びリターン燃料による燃料タンク内の温度上昇を抑えて、燃料の気化や燃料噴射量の低下を防止することができる。
請求項2の発明では、上記作用の如く、シリンダブロック(2)の張出部(2b)に、コモンレール(10)を一体的に内装して設けることにより、従来、外部装着としていたコモンレール(10)と、該コモンレール(10)を装着するに必要な取付具等も不要となるためコストが低減できる。また、外部装着時に発生していた干渉破損等についても煩わされることなく、レイアウトのシンプル化によるエンジン周りのスペース確保を十分に行うことができる。
クランク軸1の架設方向を前後方向とするシリンダブロック2の前部側に冷却ファン3を配置したコモンレール式多気筒ディーゼルエンジンにおいて、シリンダブロック2又はシリンダヘッド4の前後方向周辺に配置されているコモンレール10の姿勢を、冷却ファン3から遠い後部側を前部側に対し冷却風を受け易いよう変位させて配設する。また、前記コモンレール式多気筒ディーゼルエンジンにおいて、シリンダブロック2の前後方向一側壁2aを適宜量突設させ、この突設させた張出部2bにコモンレール10を一体的に内装して設ける。
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図3に示す如く、コモンレール式(蓄圧式燃料噴射)を採用している多気筒のディーゼルエンジンEについてシステム図によりその概要を説明する。コモンレール式とは、各気筒へ燃料を噴射する燃料噴射装置への燃料供給を、要求された圧力とするコモンレール10(蓄圧室)を介して行うものである。
燃料タンク11内の燃料は、吸入通路により燃料フィルタ12を介して該エンジンEで駆動される燃料噴射ポンプ13に吸入され、この噴射ポンプ13によって加圧された高圧燃料は、吐出通路14によりコモンレール10に導かれて蓄えられる。
該コモンレール10内の高圧燃料は、各高圧燃料供給パイプ15により気筒数分のインジェクタ17に供給され、エンジンコントロールユニット18(以下ECUという)からの指令に基づき、各気筒毎にインジェクタ17が開弁作動して、高圧燃料が該エンジンEの各燃焼室内に噴射供給され、各インジェクタ17での余剰燃料(リターン燃料)は、各リターン通路19により共通のリターン通路20へ導かれ、リターン通路20によって燃料タンク11へ戻される。
また、コモンレール10内の燃料圧力(コモンレール圧)を制御するため燃料噴射ポンプ13に圧力制御弁21が設けられており、この圧力制御弁21はECU18からのデューティ信号によって、燃料噴射ポンプ13から燃料タンク11への余剰燃料のリターン通路20の流路面積を調整するものであり、これによりコモンレール10側への燃料吐出量を調整してコモンレール圧を制御することができる。
具体的には、エンジン運転条件に応じて目標コモンレール圧を設定し、レール圧センサ22により検出されるコモンレール圧が目標コモンレール圧と一致するよう、圧力制御弁21を介してコモンレール圧をフィードバック制御する。
従来、ディーゼルエンジンでは、メイン噴射に先立って少量の燃料をパルス的に噴射するパイロット噴射を行うことにより、着火遅れを短縮してディーゼルエンジン特有の、所謂ノック音を低減させることが知られている。
このパイロット噴射は、メイン噴射の前に1回乃至2回に固定して行われるものであったが、該コモンレール10のシステムを用いることで、エンジンの状況に応じてパイロット噴射の状態を変化させ、騒音の低減や不完全燃焼による白煙又は黒煙の発生を抑制できる。
図4に示す如く、農作業機等におけるコモンレール式ディーゼルエンジンEのECU18は、回転数と出力トルクの関係において走行モードM1と通常作業モードM2及び重作業モードM3の三種類の制御モードを設けている。
走行モードM1は、回転数の変動で出力も変動するドループ制御として、農作業を行わず移動走行する場合に使用するものであり、例えば、ブレーキを掛けて走行速度を減速したり停止したりすると、この走行負荷の増大に伴ってエンジン回転数が低下するため走行速度の減速や停止を安全に行うことができる。
通常作業モードM2は、負荷が変動しても回転数が一定で出力を負荷に応じて変更するアイソクロナス制御として、通常の農作業を行う場合に使用するものであり、例えば、トラクターであれば耕耘作業時に耕地が固く耕耘刃に抵抗が掛かるとき、コンバインであれば収穫作業時に収穫物が多く負荷が増大したときでも、出力が変動して回転数を維持するのでオペレータが楽に操縦できる。
重作業モードM3は、通常作業モードM2と同様に負荷が変動しても回転数一定で出力を負荷に応じて変更するアイソクロナス制御に、負荷限界近くになると回転数を上昇させて出力を上げる重負荷制御を加えた制御で、特に、負荷限界近くで農作業を行う場合に使用するものであり、例えば、トラクターで耕耘作業を行っている際に、特に、固い耕地に遭遇してもエンジン出力が通常の限界を越えて増大するので作業を中断することがない。
これらの作業モードM1,M2,M3は、作業モード切替スイッチの操作、又は走行変速レバーの変速操作、作業クラッチの入り切り操作等によって切り替わるように構成させる。
図5及び図6に示す如く、コモンレール式多気筒ディーゼルエンジンEは、クランク軸1を前後方向に軸支したシリンダブロック2の上部にシリンダヘッド4を、下部にオイルパン5を配設すると共に、前部にギヤトレーンを内装したギヤケース6と冷却ファン3を、後部にフライホイル7を配設させる。
該シリンダブロック2の前後方向一側部に前記コモンレール10を装着配置し、このコモンレール10の下方にギヤケース6により駆動される前記燃料噴射ポンプ13を配置して設け、シリンダヘッド4に前記インジェクタ17を嵌着すると共に、排気側にターボ過給器8を接続して配設させる。
前記ディーゼルエンジンEにおいて、シリンダブロック2の一側部に装着配置したコモンレール10は、従来、シリンダブロック2の一側壁2aに対する装着間隔dが略並行(図6参照)であったものを、図1に示す如く、シリンダブロック2の一側壁2aに対する装着間隔dを、冷却ファン3に近い前部側10aに対し冷却ファン3から遠い後部側10bを冷却風を受け易いよう大きくした斜め姿勢とすることにより、コモンレール10全体が冷却ファン3からの冷却風により略均等な冷却効果が得られ、コモンレール10中の燃料の温度を適温に下げることができるから、シリンダ内に噴射されなかったリターン燃料の温度上昇及びリターン燃料による燃料タンク内の温度上昇を抑えて、燃料の気化や燃料噴射量の低下を防止することができる。
また、前記ディーゼルエンジンEにおいて、コモンレール10は、従来、シリンダブロック2の一側壁2aの周辺に外部装着(図5参照)されていたものを、図2に示す如く、シリンダブロック2の一側壁2aを適宜量突出させて設けた張出部2bに一体的に内装して設けることにより、従来、外部装着としていたコモンレール10と、該レール10を装着するに必要な取付け具等が不要となるためコストを低減できると共に、外部装着時に発生していた干渉破損等についても煩わされることなく、レイアウトのシンプル化によるエンジン周りのスペース確保を十分に行うことができる。
また、前記ディーゼルエンジンEにおいて、低温時には失火等を防止するため噴射タイミングを進角させる場合が多いが、このとき、急負荷運転を行うと出力が過大となり危険性を伴うことが多いことから、低温時の噴射タイミングの過補正を防止できるよう、図7(a),(b)の線図に示す如く、無負荷時と負荷時のメイン噴射タイミングの補正を吸気温bと水温wの両者によるトータル補正量tとして分散し、図8のフローチャートに示す如く、作業の負荷状態を判別し、負荷時には補正係数を低下させ補正値の低減により過補正とならないよう制御を行わせることにより、低温時の過補正を防止することができる。
また、前記ディーゼルエンジンEにおいて、低温時にはクランキング時からローアイドルまで噴射タイミングを変化させると吹き上がり時間が異常に悪化するし、パイロット噴射とメイン噴射の時間間隔を短くすると着火性が極めて悪くなることから、吹上げ性と着火性について改善できるよう、図9(a)の線図に示す如く、低温始動におけるクランキング時にパイロット噴射及びプレ噴射を行うことにより、それぞれの噴射を火種として着火性を良くすることができると共に、図9(b)の線図に示す如く、クランキング時からローアイドルまでの噴射タイミングを一定とすることで吹上げ性を改善できることにより、良好な始動性と始動時の白煙を低減させることができる。
また、前記ディーゼルエンジンEにおいて、雰囲気温度が低い場合にはエンジンの温度上昇が遅くエンジン性能を十分に発揮できず、特に、始動直後では暫くの間白煙が続くことがあるから、低温始動直後の白煙の吐出を低減できるよう、図10の線図に示す如く、通常のマップに対し暖気促進マップとして、エンジン始動後一定期間、通常の燃料制御に加えメイン噴射後にポスト噴射を行わせると共に、既に、ポスト噴射を行っている場合にはポスト噴射の燃料噴射量を増量させることにより、燃焼期間が長くなり排気温が上昇し、エンジンの暖気性を向上させて、低温始動直後の白煙の吐出を低減することができる。
また、従来の燃料噴射量制御はアクセル開度に従って燃料が供給されるため、前記の如きターボ過給器8を装着するエンジンにおいて、このターボ過給器8による空気の供給が多少遅れるターボラグを生じる傾向があり、このターボラグを生じるときはシリンダ内への空気の供給が追いつかず、無駄な燃料は黒煙として放出されるという難点があることから、無駄な黒煙発生を抑制できるよう、図11の線図に示す如く、急激なアクセル開度操作直後の燃料噴射量を、エンジン内に供給される空気量に相当する適宜レベルhまでに抑えて保持し、出力の上昇(空気量の増大)を待って設定された燃料噴射量となるよう制御を行わせることにより、無駄な黒煙発生を抑制することができる。
また、前記の如きターボ過給器8を装着するエンジンにおいて、ターボラグを生じるときはシリンダ内への空気の供給が追いつかず、無駄な燃料は黒煙として放出されるという難点があることから、無駄な黒煙発生を抑制できるよう、図12の線図に示す如く、急激なアクセル開度操作直後の燃料噴射量を、エンジン内に供給される空気量に相当する適宜レベルhまでに抑え、出力の上昇(空気量の増大)に伴って徐々に設定された燃料噴射量となるよう制御を行わせることにより、無駄な黒煙発生を抑制することができる。
また、前記の如きターボ過給器8を装着するエンジンにおいて、ターボラグを生じるときはシリンダ内への空気の供給が追いつかず、無駄な燃料は黒煙として放出されるという難点があることから、無駄な黒煙発生を抑制できるよう、図13の線図に示す如く、急激なアクセル開度操作直後の燃料噴射量をアクセル開度に相当する燃料まで噴射し、エンジン回転数の上昇速度により負荷レベルを想定し、負荷が大きいと判断したときはエンジン内に供給される空気量に相当する適宜レベルhまでに抑え、出力の上昇(空気量の増大)を待って設定された燃料噴射量となるよう制御を行わせることにより、無駄な黒煙発生を抑制することができる。
また、ディーゼルエンジンにおいて、低温始動直後では着火性が悪いためエンジン回転数の変動が大きく、暖機性が向上するに従ってエンジン回転数の変動が小さくなるという傾向が見られることから、冷機状態においてエンジン回転数の変動を小さくできるよう、図14のフローチャートに示す如く、エンジン回転数の変動を読み取り、回転変動が大きい場合は、図15の線図に示す如く、着火性が良くなるようパイロット噴射とメイン噴射の時間間隔を大きくし、回転変動が小さくなってくると騒音や排ガスを優先させてパイロット噴射とメイン噴射の時間間隔が小さくなるよう制御を行わせることにより、冷機状態においてエンジン回転数の変動を小さくすることができる。
また、前記燃料噴射ポンプ13は始動時にはフルラック状態であり、燃料を噴射するタイミングによっては温度が十分上昇していない燃焼室内においては圧力の上昇が遅く、噴霧状態の良くない多量の燃料を噴射することによって初爆が得られず、第一に、その未燃燃料の気化熱によって逆に燃焼室内の温度を低下させ、更に始動性を悪化させること、第二に、その未燃燃料が燃焼室内に残っているため、始動直後には燃料噴射とは別に気化した未燃燃料か爆発することによりノッキングを起こし異音を発すること、第三に、その未燃燃料が燃焼室内に残っているため、始動直後に不完全燃焼を起こし多量の黒煙を吐出すること等の難点がある。
このため、エンジンの始動・停止を行わせる場合に、燃料噴射ポンプ13への燃料供給を開閉制御する常時通電型のソレノイドを使用するディーゼルエンジンにおいて、従来では、図16(a)の線図に示す如く、スターターONによって直ちに燃料を噴射していたものを、図16(b)の線図に示す如く、スターターONでタイマーを作動させ始動直後の数回転は燃料をOFFし、エンジン回転数がある程度安定してから燃料を噴射することにより、十分な圧縮により燃焼室内の温度が上昇し燃料噴射が安定することから、制御系のリンクを変更することなく電気的なタイマー機能を追加することで、第一の始動性の改善、第二の始動直後の異音の改善、第三の始動時黒煙の改善を図ることができる。
また、前記の如き、燃料噴射ポンプ13への燃料供給を開閉制御する常時通電型のソレノイドを使用するディーゼルエンジンにおいて、水温センサによりエンジンが温まっていないことを確認した場合、前記図16(b)の線図に示す如き作用と対応とに相俟って、第一の始動性の改善、第二の始動直後の異音の改善、第三の始動時黒煙の改善を図ることができる。なお、水温センサを追加することにより暖機後はタイムラグがなく始動することが可能となる。
また、従来、電子制御式エンジンにおいては、エンジンにおける出力特性(全負荷性能)は固定されており、オペレータがその適用に応じ特性を変更することができなかったため、作業形態によっては使い勝手が悪い場合があることから、図17の線図に示す如く、オペレータが、制限された通常の全負荷特性の範囲内でボリューム等の操作を行うことにより、その出力特性としての定格出力pを個々の作業に応じて自由に適切な変更調整を可能とすることができる。
また、前記の電子制御式エンジンにおいては、エンジンにおける出力特性(全負荷トルク)は固定されており、オペレータがその適用に応じ特性を変更することができなかったため、作業形態によっては使い勝手が悪い場合があることから、図18の線図に示す如く、オペレータが、制限された通常の最大トルクの範囲内でボリューム等の操作を行うことにより、そのトルク特性としての最大トルク点qを個々の作業に応じて自由に適切な変更調整を可能とすることができる。
また、従来のメカ式の燃料噴射系では複数の燃料噴射制御を持つことができなかったが、前記コモンレール式多気筒ディーゼルエンジンEを搭載したトラクタ又はコンバインにおいては、図19のフローチャートに示す如く、高負荷作業時に通常使用されるマップ選定による通常作業モードと、低負荷作業(トラクタでは代掻き,散布,走行時等、コンバインでは籾排出,手扱ぎ,走行時等)の際に使用される低騒音マップ(レール圧の下降,パイロット噴射の追加,タイミングの遅角等)選定による低騒音モードとを有し、通常作業モードと低騒音モードとを前記ECU18にてエンジンの負荷率をモニタし必要に応じて自動的に切り替えさせることにより、低負荷作業時には自動的に低騒音モードに切り替えることができるからオペレータへの騒音による不快感を低減することができる。
また、前記の如く、メカ式の燃料噴射系では複数の燃料噴射制御を持つことができなかったが、前記コモンレール式多気筒ディーゼルエンジンEを搭載したトラクタ又はコンバインにおいては、図20のフローチャートに示す如く、高負荷作業時に通常使用されるマップ選定による通常作業モードと、低負荷作業(前記の如き作業内容)の際に使用される低燃費マップ(燃料噴射量を制御し燃料消費量を抑える)選定による低燃費モードと、通常作業モードと低燃費モードとを前記ECU18にてエンジンの負荷率をモニタし必要に応じ自動的に切り替える自動切替えモードとを、オペレータの意志によって切り替えを可能とすることにより、オペレータの意志による各モードの切り替えが可能となり自由度が増すと共に、低負荷作業時には低燃費モードに切り替えて作業を行うことができるから燃費の低減を図ることができる。
また、前記コモンレール式多気筒ディーゼルエンジンEを搭載したトラクタにおいて、全負荷出力(全負荷燃料噴射量)とエンジン回転数(アクセル開度)を同時に係数倍k変化させることが可能な切替スイッチを設けることにより、図21の線図に示す如く、燃料消費量を抑える作業を行いたい場合、切替スイッチで全負荷出力とエンジン回転数とを両方同時に係数倍k変化させて全負荷カーブを変え、エンジン回転数を下げることにより同じ変速の場合は車速が落ち燃費が良好となる。なお、エンジン自体も低回転の方が燃費が良い上に、更に全負荷燃料噴射量を抑えていることにより一段と良好な燃費とすることができる。
トラクターやコンバイン等の農作業機を始め一般車両にも利用可能である。
コモンレールとシリンダブロック一側壁との装着間隔の状態を示す平面図。 コモンレールをシリンダブロックに一体的に内装化した状態を示す平面図。 コモンレールによる蓄圧式燃料噴射ディーゼルエンジンを示すシステム図。 三種類の制御モードによるエンジン回転数と出力トルクの関係を示す線図。 コモンレール式多気筒ディーゼルエンジンにおける全体構成を示す側面図。 コモンレール式多気筒ディーゼルエンジンにおける全体構成を示す平面図。 (a)無負荷時の噴射タイミングの吸気温と水温のトータル補正状態を示す線図。 (b)負荷時の噴射タイミングの吸気温と水温とのトータル補正状態を示す線図。 負荷状態の判別により低温時過補正を防止する手順を示すフローチャート。 (a)低温クランキング時にパイロット噴射とプレ噴射とを行う状態を示す線図。 (b)クランキングからローアイドルまで噴射タイミングの一定状態を示す線図。 メイン噴射後のポスト噴射又はポスト噴射の増量を行う状態を示す線図。 アクセル操作直後の燃料噴射量を適宜レベルで保持する状態を示す線図。 アクセル操作直後の燃料噴射量を適宜レベルにて抑える状態を示す線図。 アクセルによる噴射量を負荷により適宜レベルで抑える状態を示す線図。 エンジン回転数の変動により噴射間隔の変更手順を示すフローチャート。 エンジン回転数の変動によるパイロットとメインの噴射間隔を示す線図。 (a)従来のクランキングONによって直ちに燃料を噴射させる状態を示す線図。 (b)本案のクランキングONによる数回転は燃料OFFの噴射状態を示す線図。 通常の全負荷特性の範囲内での定格出力の自由な調整の状態を示す線図。 通常の最大トルクの範囲内で最大トルク点の自由な調整状態を示す線図。 低負荷作業時に自動で低騒音モードへの切替手順を示すフローチャート。 低負荷作業時に自動で低燃費モードへの切替手順を示すフローチャート。 エンジン回転数と出力を係数倍変化させた全負荷カーブ状態を示す線図。
符号の説明
1 クランク軸
2 シリンダブロック
2a 前後方向一側壁
2b 張出部
3 冷却ファン
4 シリンダヘッド
10 コモンレール

Claims (2)

  1. クランク軸(1)の架設方向を前後方向とするシリンダブロック(2)の前部側に冷却ファン(3)を配置したディーゼルエンジンにおいて、シリンダブロック(2)又はシリンダヘッド(4)の前後方向周辺に配置されているコモンレール(10)の取付姿勢を、冷却ファン(3)から遠い後部側は、前部側に対し冷却風を受け易いよう外方に変位させて配設したことを特徴とするディーゼルエンジン。
  2. 前記ディーゼルエンジンにおいて、シリンダブロック(2)の前後方向一側壁(2a)を適宜量突設させ、この突設させた張出部(2b)にコモンレール(10)を一体的に内装して設けたことを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジン。
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