JP2009047060A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可変動弁装置のリンク機構における摺動部の潤滑状態を検出し、その検出結果に基づいて、可変動弁装置の作動領域を縮小し、その作動を制限する。目標リフト量演算部B102により、目標トルクTRQtgに基づいて吸気弁104の目標リフト量LFTtgを算出する一方、上限リフト量演算部B103により、潤滑油の温度Toilに基づいて上限リフト量Lmaxを算出する。目標リフト量LFTtgが上限リフト量Lmaxよりも大きいときは、吸気弁104のリフト量を上限リフト量Lmaxに制限する(目標リフト量選択部B104)。
【選択図】 図4
Description
本発明は、カム軸に連係するリンク機構を介して機関バルブを開閉させる可変動弁装置を備えるエンジンにおいて、このリンク機構における摺動部の潤滑状態を検出し、その検出結果に基づいて、可変動弁装置の作動領域を縮小し、その作動を制限するものである。
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン(以下、単に「エンジン」という。)1の構成を示している。
吸気動弁装置105は、機関バルブとしての吸気弁104のリフト量及び開閉期間(作動角)を変更するための装置(以下「作動角変更装置」という。)Aと、中心角変更装置Bとから構成される。中心角変更装置Bは、開閉期間(作動角)のクランク角に関する位相を変更するためのものである。
作動角変更装置Aは、駆動軸151に固定された偏心カム153と、この偏心カム153に相対回転可能に外嵌するリング状リンク154と、駆動軸151と平行に配置された制御軸155と、この制御軸155に固定された揺動カム156と、この揺動カム156に相対回転可能に外嵌し、一端でリング状リンク154と連結するロッカーアーム157と、このロッカーアーム157を駆動カム152と連結するロッド状リンク158とを含んで構成される。制御軸155は、ステップモータ等のアクチュエータ161(図1)がギア162を駆動することにより回転する。
図4,5は、ECU201の構成を機能ブロックにより示しており、図4は、ECU201のうち、バルブリフト可変制御部の構成を、図5は、スロットル制御部の構成を示している。
以下、ECU201の動作をフローチャートにより説明する。
S101では、エンジン1の運転条件として、アクセル操作量APO及びエンジン回転数NE等を読み込む。
S103では、算出されたTRQtg及びエンジン回転数NEに基づいて吸気弁104の目標リフト量LFTtgを算出する(目標リフト量演算部B102)。目標リフト量LFTtgの算出は、図7に示す演算マップからの検索によりなされる。
S107では、図13に示すルーチンに従い、吸気動弁装置105の作動を制限する。
本実施形態では、吸気動弁装置105(具体的には、作動角変更装置A)における摺動部の潤滑状態を検出し、良好な潤滑状態が得られない場合に、潤滑油の温度Toilに応じた上限リフト量Lmaxを目標リフト量LFTtgとすることとした。これにより、吸気動弁装置105の作動領域を実質的に縮小させ、潤滑不良が生じ得る状態での作動を回避して、良好な潤滑状態を維持しつつ吸気動弁装置105を作動させることができる。特に、本実施形態では、上限リフト量Lmaxによる制限を採用したことで、エンジン1の低回転時における大リフト領域での作動が回避され、偏心カム153に大きな駆動トルクが入力することによるメタルタッチの発生を防止し、偏心カム153の摩耗を抑制することができる。更に、目標リフト量LFTtgと上限リフト量Lmaxとの比較により、摺動部の潤滑状態を容易に検出することができる。なお、メーンギャラリでの潤滑油の温度等に基づいて摺動部の温度状態を検出し、その検出結果に基づいて目標リフト量LFTtgに制限を与えるようにすることも可能である。
S201において、目標リフト量LFTtgが上限リフト量Lmaxよりも大きいと判定した場合に、S202では、上限リフト量Lmaxを目標リフト量LFTtgに設定し、S203では、自動変速機に対する変速制限として、自動変速機のキックダウン動作を禁止する。S301では、潤滑油の温度Toilが所定の温度Toil1以下であるか否かを判定し、所定の温度Toil1を超える場合にのみ、S302へ進む。S302では、作動制限の対象以外の他の可変動弁装置としての中心角変更装置B(「第2の可変動弁装置」に相当する。)を停止させ、作動角変更装置Aに供給される潤滑油の圧力を増大させる。オイルポンプの吐出し量を増大させてもよい。このS301及び302の処理により「圧力増大手段」としての機能が実現される。なお、ここでは、潤滑油の圧力を増大させる判断の基準とする所定の温度Toil1を、吸気弁104の最大リフト量の制限による機能保障が可能な温度の上限としている(図10)。潤滑油の圧力の増大は、潤滑油の温度Toil及びエンジン1の運転条件等から、摺動部における潤滑油の温度が更に上昇する可能性があると判断し得る場合に行うようにしてもよい。S301の処理を省略し、吸気動弁装置105の作動を制限する場合に、潤滑油の温度Toil等によらず、常に他の可変動弁装置を停止させてもよい。
Claims (20)
- カム軸に連係するリンク機構を介して機関バルブを開閉させる可変動弁装置を備えるエンジンの制御装置であって、
前記リンク機構における摺動部の潤滑状態を検出する潤滑状態検出手段と、
前記潤滑状態検出手段により検出された前記摺動部の潤滑状態に基づいて、前記可変動弁装置の作動領域を縮小して、その作動を制限する作動領域制限手段と、を含んで構成されるエンジンの制御装置。 - 前記作動領域制限手段は、エンジン回転数が高回転側の回転数として設定された第1の回転数以上である場合に、前記可変動弁装置による機関バルブの最小リフト量を制限する請求項1に記載のエンジンの制御装置。
- 前記潤滑状態検出手段は、前記可変動弁装置による機関バルブのリフト量が前記摺動部に供給される潤滑油の温度に応じた所定の下限リフト量よりも小さいか否かを判定し、
前記作動領域制限手段は、前記機関バルブのリフト量が前記下限リフト量よりも小さい場合に、前記機関バルブのリフト量を前記下限リフト量以上に制限する請求項1に記載のエンジンの制御装置。 - 前記作動領域制限手段は、前記機関バルブの最小リフト量を、前記潤滑油の温度が高いときほど大きな値のリフト量に制限する請求項2又は3に記載のエンジンの制御装置。
- 前記作動領域制限手段は、前記機関バルブの最小リフト量を、エンジン回転数が高いときほど大きな値のリフト量に制限する請求項2〜4のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
- 前記作動領域制限手段は、エンジン回転数が低回転側の回転数として設定された第2の回転数以下である場合に、前記可変動弁装置による機関バルブの最大リフト量を制限する請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
- 前記潤滑状態検出手段は、前記可変動弁装置による機関バルブのリフト量が前記摺動部に供給される潤滑油の温度に応じた所定の上限リフト量よりも大きいか否かを判定し、
前記作動領域制限手段は、前記機関バルブのリフト量が前記上限リフト量よりも大きい場合に、前記機関バルブのリフト量を前記上限リフト量以下に制限する請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの制御装置。 - 前記作動領域制限手段は、前記機関バルブの最大リフト量を、前記潤滑油の温度が高いときほど小さな値のリフト量に制限する請求項6又は7に記載のエンジンの制御装置。
- 前記作動領域制限手段は、前記機関バルブの最大リフト量を、エンジン回転数が低いときほど小さな値のリフト量に制限する請求項6〜8のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
- アクセル操作量に応じたエンジンの目標トルクを算出する目標トルク算出手段と、
前記目標トルク算出手段により算出された目標トルクに基づいて、前記機関バルブの目標リフト量を設定する目標リフト量設定手段と、
前記算出された目標トルクに基づいて、スロットル弁の目標開度を設定する目標開度設定手段と、
前記作動領域制限手段により制限された前記機関バルブのリフト量を制限リフト量として、この制限リフト量が前記目標リフト量設定手段により設定された目標リフト量よりも小さい場合の作動制限時において、前記制限リフト量に応じたエンジンの目標制限トルクを算出する目標制限トルク算出手段と、
前記目標制限トルク算出手段により算出された目標制限トルクに応じた前記スロットル弁の目標制限開度を設定する目標制限開度設定手段と、を含んで構成され、
通常時においては、前記目標開度設定手段により設定された目標開度に基づいて前記スロットル弁を制御する一方、
前記作動制限時においては、前記目標制限開度設定手段により設定された目標制限開度に基づいて前記スロットル弁を制御する請求項6〜9のいずれかに記載のエンジンの制御装置。 - エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数が前記摺動部に供給される潤滑油の温度に応じた所定の限界回転数よりも高い場合に、エンジン回転数を低下させるエンジン回転数低減手段と、を更に含んで構成される請求項1〜10のいずれかに記載のエンジンの制御装置。 - 前記限界回転数は、前記潤滑油の温度が高いときほど小さな値の回転数として設定される請求項11に記載のエンジンの制御装置。
- 前記エンジン回転数低減手段は、エンジンへの燃料の供給を制限するか、又はスロットル弁の開度を減少させることにより、エンジン回転数を低下させる請求項11又は12に記載のエンジンの制御装置。
- 前記検出された潤滑状態に基づいて、前記可変動弁装置に供給される潤滑油の圧力を増大させる圧力増大手段を更に含んで構成される請求項1〜13のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
- 前記可変動弁装置を第1の可変動弁装置として、エンジンがこの第1の可変動弁装置以外に第2の可変動弁装置を備える場合に、
前記圧力増大手段は、前記第2の可変動弁装置を停止させて、前記摺動部に供給される潤滑油の圧力を増大させる請求項14に記載のエンジンの制御装置。 - 前記検出された潤滑状態に基づいて、自動変速機による低速段への変速を制限する変速制限手段を更に含んで構成される請求項1〜15のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
- 自動変速機の変速動作中に、前記作動領域制限手段による作動の制限を禁止する制限禁止手段を更に含んで構成される請求項1〜16のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
- 前記リンク機構が偏心カムを有するものにおいて、
前記潤滑状態検出手段は、前記摺動部の潤滑状態として、前記偏心カムにおける摺動部の潤滑状態を検出する請求項1〜17のいずれかに記載のエンジンの制御装置。 - 前記リンク機構が揺動カムを有するものにおいて、
前記潤滑状態検出手段は、前記摺動部の潤滑状態として、前記揺動カムにおける摺動部の潤滑状態を検出する請求項1〜18のいずれかに記載のエンジンの制御装置。 - 前記可変動弁装置は、
前記カム軸としての駆動軸の外周に相対回転可能に取り付けられた、前記機関バルブを開閉させる駆動カムと、
前記駆動軸の外周に偏心して固定された、前記偏心カムとしての偏心カムと、
前記偏心カムの外周に相対回転可能に取り付けられたリング状リンクと、
前記駆動軸と略平行に配置された制御軸と、
前記制御軸の外周に偏心して固定された、前記揺動カムとしての揺動カムと、
前記揺動カムの外周に相対回転可能に取り付けられ、その一端で前記リング状リンクと連係されたロッカーアームと、
前記ロッカーアームをその他端で前記駆動カムと連係させるロッド状リンクと、
前記機関バルブのバルブリフト特性を変化させるためのアクチュエータであって、前記制御軸と接続し、前記制御軸を回転させることにより前記ロッカーアームの揺動中心を変位させるアクチュエータと、を含んで構成され、
前記潤滑状態検出手段は、前記摺動部の潤滑状態として、前記偏心カム及び揺動カムの少なくとも一方における摺動部の潤滑状態を検出する請求項1〜19のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
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