JP2009045076A - 自走式草刈機及び草刈方法 - Google Patents
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Abstract
草刈りに要する労力と手間を軽減するために、前進と後進のどちらでも、同じように効率良く草刈りができるようにした自走式草刈機を提供する。
【解決手段】
草刈機Bはフレーム1を有している。フレーム1の前後部には、前進と後進が可能な走行手段を構成する前輪31と駆動輪である後輪41が設けてある。フレーム1の下部には、カッター2が進行方向に対して両側に並設されている。カッター2は、走行手段の進行方向の切り替えに伴って回転方向が切り替わるようにしてある。ハンドル6は、草刈機Bの進行方向に対し、所要の方向に設定することができる。フレーム1の前後部には、草をカッター2に誘導するカバー71が設けてある。草刈機Bは、前輪31あるいは後輪41の高さを変えることにより、カッター2の刈り高を調整する刈高調整装置8を有している。
【選択図】図1
Description
(1) 草刈機Aの進行方向に対して正面を向き、まず傾斜面の例えば左端から右端までの草を刈る。
(2) 傾斜面の端部まで草を刈り終えたら、一旦草刈機Aを傾斜面の上(または下)の足場の良い平坦面まで移動させる。次に、ハンドル9を持ち上げて(あるいは押し下げて)草刈機A本体を180度ターンさせ、草刈機Aの進行方向を変える。そして、再び草刈機Aを傾斜面に戻す。
(3) (1)と同様に草刈機Aの進行方向に対して正面を向いた状態で、傾斜面の左端までの草を刈る。
(4) 上記(1)から(3)までの作業を繰り返して、傾斜面を下っていき傾斜面全体の草を刈る。
即ち、従来の草刈機で河川の堤防の法面などの傾斜面の草を刈る場合、草刈機を一旦足場の良い平坦面まで移動させる必要があったので、面積の広い傾斜面では平坦面まで何度も登ったり降りたりして草刈り機を移動しなければならず、作業効率が悪かった。
また、上記した自走式草刈機の開発にあたり、草刈機の走行速度、変速手段の変速等の操作以外にも、進行方向(前進と後進)の切り替えの操作が加わっため、それらの操作を同じ操作レバーで容易に行える操作レバー装置の開発に取り組み、鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
更に、上記した草刈機の開発にあたり、進行方向(前進と後進)の切り替えに伴い、ハンドルの向きを頻繁に調整する必要性が生じたため、ハンドルを容易且つ迅速に調整することができるハンドルの方向の調整装置の開発にも取り組み、鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
そこで本発明の第1の目的は、草刈りに要する労力と手間を軽減するために、前進と後進のどちらでも、同じように効率良く草刈りができるようにした自走式草刈機及び草刈方法を提供することにある。
その他の本発明の目的は、以下の説明によって明らかになるであろう。
第1の発明にあっては、
前進と後進が可能な走行手段と、
カッターを有する草刈手段と、
を含んでおり、
上記カッターは、上記走行手段の進行方向の切り替えに伴って、
回転方向が切り替わることを特徴とする、
自走式草刈機である。
走行手段の進行方向に対し、所要の方向に設定することができるハンドルを含むことを特徴とする、
第1の発明に係る自走式草刈機である。
走行時のカッターの前方となる側にカバーが設けてあり、当該カバーは草をカッターに誘導することを特徴とする、
第1または第2の発明に係る自走式草刈機である。
カバーは、草をカッターに誘導するために、下部側がカッター側に近づくように内方へ傾斜可能であり、
走行時のカッターの前後方向に開口部が形成されないように、所定の傾斜位置から外方へ開かないようにしてあることを特徴とする、
第3の発明に係る自走式草刈機である。
刈り高を調整することができる刈高調整手段を含むことを特徴とする、
第1,2,3または第4の発明に係る自走式草刈機である。
走行手段は、走行車輪を有しており、
刈高調整手段は、上記走行車輪の高さを変えて刈り高を調整するようになっていることを特徴とする、
第5の発明に係る自走式草刈機である。
刈高調整手段の操作をハンドルの手元側で行うことができるようにしてあることを特徴とする、
第5または第6の発明に係る自走式草刈機である。
カッターは水平方向に回転する回転刃であり、自走式草刈機の進行方向の前部側が下方に傾斜することに伴って、同様に傾斜することを特徴とする、
第1,2,3,4,5,6または第7の発明に係る自走式草刈機である。
刈り高を調整することができる刈高調整手段を含み、当該刈高調整手段の操作をハンドルの手元側で行うことができるようにしてあることを特徴とする、
自走式草刈機である。
ハンドルは伸縮自在に形成されていることを特徴とする、
自走式草刈機。
前進と後進が可能な走行手段と、上記走行手段の速度を変速する変速手段とを含む作業機の操作レバー装置であって、
上記走行手段の進行方向の切り替えを行う進行方向切替手段と、
上記変速手段の変速を行う変速切替手段と、
エンジンの出力を制御する出力制御手段と、
を含んでおり、
上記進行方向切替手段、変速切替手段、及び出力制御手段の制御を同じ操作レバーで操作できるようにしてあることを特徴とする、
操作レバー装置である。
ハンドルの方向を調整する調整装置であって、
上記ハンドルの向きを上下方向に調整することができる上下方向調整手段と、
上記ハンドルの向きを水平方向に調整することができる水平方向調整手段と、
を含んでおり、
上記上下方向調整手段及び水平方向調整手段を同じ操作手段によって操作できるようにしてあることを特徴とする、
ハンドルの方向調整装置である。
ハンドルの方向を調整する調整装置であって、
水平方向に回動可能な台部材と、
上記台部材に設けてあり、上下方向に回動可能なハンドルと、
上記台部材に設けてあり、当該台部材の水平方向の回動を係止する手段と上記ハンドルの上下方向の回動を係止する手段を備えた係止部材と、
を含んでいることを特徴とする、
ハンドルの方向調整装置である。
揺動体と、
当該揺動体に設けられ、プーリ間に巻回された伝動ベルトのうち並行する部分の外側に対向して設けてある一対のテンションプーリと、
当該テンションプーリの間隔を調整する手段と、
を備えており、
上記伝動ベルトの並行する部分側のうち、テンションの強い側のテンションプーリが外側へ押されることに伴い、上記揺動体は同方向へ揺動するようにしてあることを特徴とする、
テンションクラッチ構造である。
自走式草刈機の向きを変えることなく、進行方向を前後に切り替えながら草刈りを行うことを特徴とする、
草刈方法である。
自走式草刈機の進行方向の切り替えに伴い、カッターの回転方向を切り替えて草刈りを行うことを特徴とする、
第15の発明に係る草刈方法である。
本発明に係る自走式草刈機は、前進と後進が可能な走行手段と、カッターを有する草刈手段と、を含んでおり、上記カッターは、上記走行手段の進行方向の切り替えに伴って、回転方向が切り替わるようになっている。したがって、前進と後進のどちらでも、同じように効率良く草刈りができ、草刈りに要する労力と手間を軽減することができる。
即ち、例えば、カッターが水平方向に回転する回転刃であって、進行方向に対して両側に並設されたものである場合、進行方向の切り替えに伴って、カッターの回転方向を内側方向に適宜切り替えることにより、並設されたカッターの間に常に草を抱き込むようにして効率良く刈ることができる。また、カッターを進行方向に対して内側方向に回転させることにより、刈り取った草を外側に飛び散らせることなく、刈幅の中央付近にすじ状にきれいに残すことができ、石などの異物の飛散も少なくすることができる。
更に、例えば、カッターが垂直方向に回転するフレール式(ハンマーナイフ式)の刃である場合、進行方向の切り替えに伴って、カッターの回転方向を正方向に適宜切り替えることにより、刈り取った草を外側に飛び散らせることなく、草を効率良く刈ることができる。
(1)まず、ハンドルの向きを、草刈機の進行方向(傾斜方向とほぼ直角)に対してほぼ直角に上方側へ設定し、草刈機の進行方向に対して横に立った状態で、草刈りが行えるようにする。
(2)作業者は横方向に歩きながら草刈機を前進させ、まず傾斜面の例えば左端から右端まで草を刈るようにする。
(3)傾斜面の右端まで草を刈り終えたら、ハンドルの向きを変えないで、走行手段の進行方向を切り替える。そうして、一段下の草を刈るために、草刈機を下方斜め方向にやや進行させた後、傾斜面の右端から左端までの草を同様に刈るようにする。
(4)傾斜面の左端まで草を刈り終えたら、(3)の操作と同様に、ハンドルの向きを変えないで、走行手段の進行方向を切り替える。そして、一段下の草を刈るたびに、草刈機を下方斜め方向にやや進行させた後、傾斜面の左端から右端まで同様に草を刈るようにする。
(5)上記(3)と(4)の作業を繰り返して、傾斜面を下っていき傾斜面全体の草を刈るようにする。
上記のようにして草を刈るようにすれば、従来のような折り返し箇所ごとに平坦地まで移動して草刈機の向きを変える動作が不要となる。したがって、草刈りに要する労力を軽減でき、作業効率を向上させることができる。
また、走行時のカッターの前後方向に開口部が形成されないように、所定の傾斜位置からカバーが外方へ開かないようにしてあるので、カッターが石などの異物を弾き飛ばした場合でもカバー外部に飛散することを防止でき、安全性に優れている。
したがって、例えば、駆動側のプーリの回転方向が適宜切り替わって、伝動ベルトの張り側と弛み側が替わるようなテンションクラッチ構造であっても、伝動ベルトの並行する部分には上記したようにテンションがバランス良くかかるので、駆動側のプーリの動力は確実に従動側に伝わる。
(a)本発明に係る自走式草刈機は、前進と後進が可能な走行手段と、カッターを有する草刈手段と、を含んでおり、上記カッターは、上記走行手段の進行方向の切り替えに伴って、回転方向が切り替わるようになっている。したがって、前進と後進のどちらでも、同じように効率良く草刈りができ、草刈りに要する労力と手間を軽減することができる。
よって、例えば河川の堤防の法面などの傾斜した場所等で使用した場合、横に立った状態で、草刈機の進行方向を切り替えながら草刈りを行うようにすれば、従来のような折り返し箇所ごとに平坦地まで移動して草刈機の向きを変える動作が不要となる。したがって、草刈りに要する労力を軽減でき、作業効率を向上させることができる。
また、走行時のカッターの前後方向に開口部が形成されないように、所定の傾斜位置からカバーが外方へ開かないようにしてあるので、カッターが石などの異物を弾き飛ばした場合でもカバー外部に飛散することを防止でき、安全性に優れている。
したがって、例えば、駆動側のプーリの回転方向が適宜切り替わって、伝動ベルトの張り側と弛み側が替わるようなテンションクラッチ構造であっても、伝動ベルトの並行する部分には上記したようにテンションがバランス良くかかるので、駆動側のプーリの動力は確実に従動側に伝わる。
[実施の形態1]
図1は本発明に係る自走式草刈機の第1の実施の形態を示す概略側面図、
図2は図1に示す自走式草刈機の概略正面図、
図3は図1に示す自走式草刈機を上方から見た概略説明図、
図4は、図1において原動機の後部に設けてあるクラッチボックスとミッションケースの内部構造を示した断面を表す説明図、
図5は自走式草刈機の前後部に取り付けられるカバーの取付構造を示した概略説明図、
図6は自走式草刈機の前部側を示す概略斜視図、
図7は自走式草刈機の後部側を示す概略斜視図、
図8は刈高調整装置の作用を示す概略説明図であり、そのうちの図8(イ)は最大刈高状態を示し、図8(ロ)は前進方向に対する最低刈高状態を示し、図8(ハ)は後進方向に対する最低刈高状態を示している。
なお、図2及び図3に示す自走式草刈機Bはカバーを二点鎖線で表しており、図7においてはミッションケースを省略して示している。
草刈機Bは、金属板で形成されたフレーム1を有している。フレーム1は、図3に示すように、進行方向に対して左右両側の中央部がややせり出して形成されており、後述するカッター2が石などの異物を弾き飛ばした場合でも、石が側面方向へ飛散しにくい構造となっている。
また、フレーム1の後方上部には同じく走行手段を構成するミッションケース42が設けてあり、このミッションケース42の中には後輪41を駆動する後部駆動軸43(図3参照)と、後述する変速選択軸44と変速ギア(図示せず)が設けてある。後輪41の後部車軸411と後部駆動軸43の各軸には、図1に示すようにスプロケット45,46が設けてあり、このスプロケット45,46間にはチェーン47が巻き掛けてある。なお、スプロケット45,46とチェーン47は、チェーンケース48に収容されている。
つまり、並設されたカッター2の回転方向は、進行方向に対して内側方向であり、カッター2の間に常に草を抱き込むようにして効率良く刈ることができる。
つめクラッチ534が正転用のベベルギア535と結合した場合では、垂直軸532の回転は正転方向となり、つめクラッチ534が逆転用のベベルギア536と結合した場合では、垂直軸532の回転は逆転方向となる。
したがって、草を確実に刈ることができ、草の刈り残しが防止される。このカバー構造は、特に倒れやすい長い草を刈る場合に好適である。
よって、走行時のカッター2の前後方向に開口部が形成されないので、カッター2が石などの異物を弾き飛ばした場合でもカバー71外部に飛散することを防止でき、安全性に優れている。
図1及び図6,7を参照して、刈高調整装置8について説明する。
刈高調整装置8の主な構成部材は、草刈機Bの前進方向に対して右側面側に設けてある。刈高調整装置8は、前輪31の高さを調整する前輪高調整部材81aと、後輪41の高さを調整する後輪高調整部材81bと、前輪高調整部材81aと後輪高調整部材81bを連結して各車輪31,41の高さを操作する操作レバー83を有している。操作レバー83の基端部は、フレーム1上に設けられたレバー取付部831に回動可能に取り付けられている。
即ち、中央部分が円弧状になるよう形成され、先端側と基部側が外方向に突出して形成されている。後輪高調整部材81bの基端部は、図7に示すようにチェーンケース48の内側に固定されている。ただし、後部駆動軸43に固定されているのではなく、後部駆動軸43は後輪高調整部材81bに対して空転可能な状態となっている。
そして、フレーム1を挟んで設けられたチェーンケース48,48は、フレーム1を左右に跨いで設けられた連結軸87bによって互いに連結されている。これにより、後輪41,41は、操作レバー83の操作によって刈高を調整する際に、フレーム1に対して同じ動きをする。
即ち、図8(イ)において、操作レバー83を後方(矢印a方向)に倒すと、前輪高調整部材81a及び前脚部材85が軸受部86の軸部861を中心として後方へ回動し、図8(ロ)に示すように、前脚部材85の基部側がフレーム1の先端側に移動する。これにより、カッター2に対する前輪31の高さが高くなり、草刈機Bは前部側(図8で右側)が下がるように全体が傾斜する。つまり、カッター2も進行方向の前部側が下がるように傾斜するため、カッター2の刈高が低く調整される。
なお、前輪高調整部材81a(または後輪高調整部材81b)の所要の位置で操作レバー83を固定できるような手段を設けることにより、カッター2の刈高を最適な高さに(例えば無段階で)適宜設定することが可能である。
図9は自走式草刈機の使用状態説明図である。図面を参照して、草刈機Bの作用を説明する。
草刈機Bは、前進と後進の両方の走行が可能であり、どちらの方向に対してでも草を刈れるようになっている。したがって、草刈機Bを使用した場合では、河川の堤防の法面等、傾斜した面での草刈りを次のようにして行うことができる。なお、草の刈り方として、傾斜面の横方向の一端側から他端側までの草を上から順に刈っていく場合を例にとって説明する。
(2)作業者は横方向に歩きながら草刈機Bを前進させ、まず傾斜面の例えば左端から右端まで草を刈るようにする。
(3)傾斜面の右端まで草を刈り終えたら、ハンドル6の向きを変えないで、切替レバー62により駆動輪である後輪41の回転とカッター2の回転を切り替え、草刈機Bの進行方向を逆転させる。そして、一段下の草を刈るために、草刈機Bを下方斜め方向にやや進行させた後、傾斜面の右端から左端まで同様に草を刈るようにする。
(4)傾斜面の左端まで草を刈り終えたら、(3)の操作と同様に、ハンドル6の向きを変えないで、切替レバー62により草刈機Bの進行方向を逆転させる。そして、同じく一段下の草を刈るために草刈機Bを下方斜め方向にやや進行させた後、傾斜面の左端から右端までの草を同様に刈るようにする。
(5)上記(3)と(4)の作業を繰り返して、傾斜面を下っていき傾斜面全体の草を刈るようにする。
なお、上記した刈り方とは逆に、傾斜面の横方向の一端側から他端側までの草を下から順に刈っていくこともできる。
図10は本発明に係る自走式草刈機の第2の実施の形態を示す概略側面図、
図11は図10に示す自走式草刈機を上方から見た概略説明図、
図12は、図10において原動機の後部に設けてあるクラッチボックスとミッションケースの内部構造を示した断面を表す説明図、
図13は自走式草刈機に設けてある刈高調整装置の要部拡大説明図である。
また、図面において第1の実施の形態と同一または同等箇所には同一の符号を付して示し、上記第1の実施の形態で示してある箇所については、説明を省略し、主に相異点を説明する。なお、これについては、後述する第3,4の実施の形態についても同様である。
自走式草刈機Cと第1の実施の形態で示した自走式草刈機Bとは、クラッチボックス53内の駆動伝達部、ハンドル6c、及び刈高調整装置8cの構造の点で異なっている。
原動機51の動力は、原動機51後部に設けてあるクラッチボックス53内の駆動軸531cから垂直軸532cへ伝達されるようになっている。また、垂直軸532cは、中程に設けられたベベルギア533を介して変速選択軸44と連動されており、変速選択軸44は変速ギア(図示せず)を介して後部駆動軸43と連動されている。これにより、垂直軸532cからの動力が後部駆動軸43に伝達され、後輪41を駆動するようになっている。
つめクラッチ534cが正転用のベベルギア536cと結合した場合では、垂直軸532cの回転は正転方向となり、つめクラッチ534cが逆転用のベベルギア535cと結合した場合では、垂直軸532cの回転は逆転方向となる。
なお、カッター2の回転速度は、カッター2を駆動させる駆動プーリ54及び従動プーリ23の直径を変えることにより、必要な回転速度に調整されている。
ハンドル6cは、ハンドル本体64と、握り部側が立ち上がり、上方から見て略長方形に形成された環状の把手部65を有している。
把手部65の枠内部には、進行方向を表示する表示機能を備えたレバーケース63cが設けてある。レバーケース63cには、草刈機Cの進行方向を変える切替レバー62cが設けてある。切替レバー62cは、草刈機Cの走行速度及びカッターの回転速度を調整する機能も兼ね備えている。
刈高調整装置8cは、第1の実施の形態で示した刈高調整装置8と相違して、前輪31及び後輪41に対して車体を上下に平行移動させて、刈高を調整するようにしたものである。
なお、操作レバー83cは先端部に把手832を備えており、高さ設定部材88に固定される先端寄りの部分は可撓性を有している。
図14は刈高調整装置の作用を示す概略説明図である。図面を参照して、草刈機Cの刈高調整装置8cの作用を説明する。なお、第1の実施の形態で示した作用のうち同様のものは説明を省略する。これについては、後述する第3,4の実施の形態についても同様である。
図10に示す状態では、高さ設定部材88に形成された最上部の係止溝882に操作レバー83cが固定されている。そして、各調整部材81c,81dを連結する軸部811は長孔881の最も高い位置にあり、前各調整部材81c,81dは同じ角度で傾斜している。この状態では、前輪31及び後輪41に対するカッター2の位置は高く、草刈機Cの刈高は最高となっている。
図16は本発明に係る自走式草刈機の第3の実施の形態を示す概略側面図、
図17は自走式草刈機の刈高調整装置を示す斜視図である。
図18は自走式草刈機の操作装置を上方から見た概略説明図、
図19は自走式草刈機の操作装置を右側から見た概略説明図、
図20は自走式草刈機の操作装置を裏側から見た斜視図である。
なお、図16ないし図20の説明で、前後・左右の方向の表現は図16を基準とし、図16で右方向を前方、左方向を後方、手前側を右側、奥側を左側としている。また、各種操作レバーから延びる操作ワイヤは一部省略して表している。
刈高操作レバー91は、図18で示すように、ハンドル本体64の右側に配置されており、操作カバー90の前方右側に形成された段付きのガイド溝901に沿って前後に操作される。刈高操作レバー91は、図19に示すように、操作カバー90の裏側でハンドル本体64に垂直に設けてある取付バー641の軸部911によって基部が回動自在に取り付けられている。刈高操作レバー91の中間部よりやや下側には、操作ワイヤW1のインナーワイヤW11の一端部が取り付けられている。インナーワイヤW11の他端部は、後述する刈高調整装置8dの後輪高調整部材81fに取り付けられ、後輪高調整部材81fを操作することができる。
刈高調整装置8dは、第2の実施の形態で示した刈高調整装置8c(図14参照)と同様に、前輪31及び後輪41に対して車体を上下に平行移動させて、刈高を調整するようにしたものである。刈高調整装置8dの操作は、後述する操作レバー装置9の刈高操作レー91で行う。
即ち、刈高操作レバー91を手前側(図16中、矢印I方向)に引くと、操作ワイヤW1内のインナーワイヤW11が引っ張られる。インナーワイヤW11が引っ張られると、前輪高調整部材81e及び後輪高調整部材81fの先部側がワイヤ固定部材88aの頂部側へ引っ張られ、チェーンケース48と前脚部材85は軸部861と後部駆動軸43を中心として内側に回動する。これにより、前輪31と後輪41が内側に引き寄せられ、草刈機Dの刈高が高く調整される。
これによって、特に傾斜面での横滑り防止と草やゴミ等の巻き付き防止、及び後輪41の地面へのくいつきによる駆動力の向上を図っている。
図22はハンドルの方向調整装置の分解斜視図、
図23はハンドルの方向調整装置を右側から見た一部切欠断面図で、ハンドルの方向調整機構を表している。
図18ないし図23を参照して、ハンドル本体64の取付位置、ハンドル操作レバー92、及びハンドル6dの方向調整装置60について説明する。
ハンドル本体64の先端部は、図18,19に示すように、操作カバー90の裏側にある略長方形の固定板95a,95bによって上下方向から挟持されている。
ハンドル6dは、ハンドル方向調整装置60によって、草刈機Dの進行方向に対し、ハンドル6dの向きを水平方向に回転させて調整することができ、且つ、上下方向にも傾斜させて調整することができる。ハンドル方向調整装置60の固定と固定解除の操作は、上記したハンドル操作レバー92で行う。
これは、一般に水平方向よりも上下方向の調整の頻度が高いため、上記のような機構にして、上下方向の調整を単独で行えるようにしているものである。なお、上下方向の調整時には、ハンドルが水平方向にふらつくことはないので、角度調整が行いやすい。
ハンドル方向調整装置60は、水平方向調整手段を構成する略半円形の板状のガイド体601、上下方向調整手段及び水平方向調整手段を構成する平面視で長方形の台部材602、及び係止部材であるストッパー部材603を有している。
そして、筒状体602bから突出した軸部538の頂部には、ナット604が固定されており、台部材602はガイド体601上を軸部538を中心として回動可能となっている。台部材602の先部側には溝602cが形成されており、この溝602cには後述するストッパー部材603の下部ストッパー603bが嵌入れられる。
軸管642の一端側には、上下方向調整手段を構成する略扇形の係合体643が設けてある。係合体643の周縁側には複数のガイド溝643aが所要間隔で設けてある。このガイド溝643aには、後述するストッパー部材603の上部ストッパー603dが嵌入れられる。
図23(a)で示す常態では、ストッパー部材603の下部ストッパー603bがクラッチボックス53上のガイド体601の係合溝601cを係止している。また、ストッパー部材603の上部ストッパー603dがハンドル本体64に設けてある係合体643のガイド溝643aを係止している。
以上のようにして、ストッパー部材603は、ハンドル本体64とガイド体601を固定しており、この状態ではハンドル本体64の向きを調整することはできない。
上部ストッパー603dは下部ストッパー603bよりも長尺なため、この状態では、上部ストッパー603dはガイド溝643aから外れているが、下部ストッパー603bはガイド体601の係合溝601cを係止した状態のままである。したがって、この状態(図23(b))では、ハンドル本体64の向きを上下方向に傾斜させて調整することはできるが、水平方向に回転させて調整することはできない。
スロットルレバー93は、図18に示すように、操作カバー90の後部側(円弧状に形成された部分の後部側)に配置されている。スロットルレバー93を左右・上下方向に移動させることで、(1)草刈機Dの進行方向(前進と後進)の切替え、(2)変速ギア(1速と2速)の切替え、(3)原動機51の回転速度の制御を行うことができる。
スロットルレバー93の基端部は横軸931を有し、図20に示すように、T字状に形成されている。スロットルレバー93の横軸931は、ほぼ円形状のカム板96の後部に設けてある軸受部960に回動自在に取り付けてある。
スロットルレバー93は横軸931によって上下方向に操作することができる。
上方から見て(図18参照)、カム板96の中心孔961の右側には、進行方向切替アーム97の係合ピン971が摺動可能に嵌入れられる係合溝970が設けてある。進行方向切替用の係合溝970は、その先部分が中心孔961に沿って開口し、続いて中程部分がカム板96の周縁部に向かって傾斜して開口し、更に、端部分がカム板96の周縁部に沿って開口している。
また、進行方向切替アーム97の先端部にはコイルバネ974が取り付けてあり、このコイルバネ974の先端部には操作ワイヤW3のインナーワイヤW31一端部が取り付けてある。インナーワイヤW31の他端部は、クラッチボックス53内のつめクラッチ534c(図12参照)に連動・連結している。進行方向切替アーム97が軸部972を中心として回動することにより、操作ワイヤW3のインナーワイヤW31が引っ張られまたは緩み、草刈機Dの進行方向(前進と後進)が切り替わる。
なお、進行方向切替アーム97はコイルバネ973とクラッチボックス53の外部側に設けてある戻しバネ(図示せず)によって前後方向から引っ張られ、所要の位置で止まっている。
変速切替アーム98の先端部には、図20に示すように、コイルバネ983が取り付けてあり、コイルバネ983の先端部には操作ワイヤW4のインナーワイヤW41一端部が取り付けてある。このインナーワイヤW41の他端部はミッションケース42内の変速選択軸44(図12参照)に連動・連結している。変速切替アーム98が回動することにより、インナーワイヤW41が引っ張られまたは緩み、変速ギア(1速と2速)が切り替わる。
上記したように、スロットルレバー93を左右方向に移動させることで、(1)草刈機Dの進行方向(前進と後進)の切替え、(2)変速ギア(1速と2速)の切替えを行うことができる。
草刈機Dの進行方向(前進と後進)の切替えは、図18に示すように、スロットルレバー93をニュートラルの位置から左側(矢印F方向)か右側(矢印R方向)に移動させることによって行う。また、変速ギア(1速と2速)の切替えは、スロットルレバー93のニュートラルの位置からの傾斜角度によって制御される。
(ニュートラルN;図24(a)参照)
ニュートラルNの状態では、スロットルレバー93は、操作カバー90後部側のほぼ中央に位置している。
進行方向切替アーム97の係合ピン971は、カム板96にある進行方向切替用の係合溝970のほぼ中央に位置している。変速切替アーム98の係合ピン981は、変速切替用の係合溝980の外側ほぼ中央に位置している。
なお、ニュートラルNの状態では、進行方向切替アーム97の操作ワイヤW3に連動するつめクラッチ534c(図12参照)は、正転用のベベルギア536c及び逆転用のベベルギア535cに結合していない。また、変速切替アーム98の操作ワイヤW4に連動する変速ギアは1速の状態となっている。
スロットルレバー93をニュートラルNの位置から矢印I方向に回動し、「前進側、1速」(F1、切欠部904a)の位置に移動させる。スロットルレバー93を矢印I方向に移動させると、カム板96が垂直軸952を中心として回動し、進行方向切替アーム97の係合ピン971は係合溝970の基端側(外側)へ移動する。係合ピン971は垂直軸952から離れる(垂直軸952からの距離が長くなる)ので、進行方向切替アーム97は軸部972を中心として前方(矢印II方向)に回動する。これにより、進行方向切替アーム97の操作ワイヤ3のインナーワイヤW31が矢印III方向に緩み、草刈機Dの進行方向が前進側へ切り替わる。
なお、この状態では、操作ワイヤW3に連動するつめクラッチ534c(図12参照)は、正転用のベベルギア536c側に結合している。
スロットルレバー93を「前進側、1速」(F1、切欠部904a)の位置から更に矢印IV方向に回動し、「前進側、2速」(F2、切欠部904b)の位置に移動させる。スロットルレバー93を矢印IV方向に移動させると、カム板96が回動し、進行方向切替アーム97の係合ピン971は係合溝970の基端部へ移動する。しかし、「前進側、1速」(F1、切欠部904a)の状態と比べ、垂直軸952から係合ピン971までの距離は変わらないため、進行方向切替アーム97は回動しない。よって、草刈機Dの進行方向は変わらず、前進側の状態のままである。
これにより、変速切替アーム98の操作ワイヤW4のインナーワイヤW41が矢印VI方向に引っ張られ、変速ギアは2速に切り替わる。
(ニュートラル N;図25(a)参照)
ニュートラルNの状態は、既に説明した前進方向の場合と同様であるため、省略する。
スロットルレバー93をニュートラルNの位置から矢印I方向に回動し、「後進側、1速」(R1、切欠部903a)の位置に移動させる。スロットルレバー93を矢印I方向に移動させると、カム板96が垂直軸952を中心として回動し、進行方向切替アーム97の係合ピン971は係合溝970の先端側(内側)へ移動する。係合ピン971は垂直軸952に近づく(垂直軸952までの距離が短くなる)ので、進行方向切替アーム97は軸部972を中心として後方(矢印II方向)に回動する。これにより、進行方向切替アーム97の操作ワイヤW3のインナーワイヤW31が矢印III方向に引っ張られ、草刈機Dの進行方向が後進側へ切り替わる。
なお、この状態では、操作ワイヤW3に連動するつめクラッチ534c(図12参照)は、逆転用のベベルギア535c側に結合している。
スロットルレバー93を「後進側、1速」(R1、切欠部903a)の位置から更に矢印IV方向に回動し、「後進側、2速」(R2、切欠部903b)の位置に移動させる。スロットルレバー93を矢印IV方向に移動させると、カム板96が回動し、進行方向切替アーム97の係合ピン971は係合溝970の先端部へ移動する。しかし、「後進側、1速」(R1、切欠部903b)の状態と比べ、垂直軸952から係合ピン971までの距離は変わらないため、進行方向切替アーム97は回動しない。よって、草刈機Dの進行方向は変わらず、後進側の状態のままである。
例えば、スロットルレバー93を左側(矢印F方向)に移動させると草刈機Dの進行方向が後進側に切り替わり、右側(矢印R方向)に移動させると前進側に切り替わるように構成することもできる。このような場合では、カム板96の各係合溝970,980の位置や進行方向切替アーム97と変速切替アーム98の位置等が左右対称となる。なお、その他の組み合わせも可能である。
カム板96から突出した垂直軸952には、後述するリンク部933、クランク部935等と出力制御手段を構成する円柱形の昇降カム932が挿設してある。昇降カム932とスロットルレバー93の横軸931は、リンク部933で連結されており、スロットルレバー93はリンク部933を介して昇降カム932を昇降させるようになっている。
即ち、スロットルレバー93を上げると(図19参照)、昇降カム932が垂直軸952に沿って下方に移動し、それに伴ってクランク部935の軸部936も下方に移動する。クランク部935の軸部936が下方に移動すると、クランク部935の固定ピン937が垂直軸952側へ引き寄せられ、操作ワイヤW5のインナーワイヤW51を引っ張る。インナーワイヤW51が引っ張れると、原動機51が高回転し、草刈機Dの走行速度とカッター2の回転速度が増す。
ナイフクラッチレバー94は、図18に示すように、ハンドル本体64の左側に配置されている。このナイフクラッチレバー94で、原動機51からカッター2へ伝達される動力を連結したり、遮断したりする。
ナイフクラッチレバー94は、操作カバー90の左側前方に形成されたガイド溝902に沿って前後に操作される。ナイフクラッチレバー94は、操作カバー90の裏側でハンドル本体64に設けてある軸部941(図18では見えず、図20参照)によって回動自在に取り付けられている。
ナイフクラッチレバー94の基端部には操作ワイヤW6のインナーワイヤW61が取り付けられている。このインナーワイヤW61は後述するテンションクラッチ機構に連動・連結しており、カッター2の回転を制御する。
図11及び図26を参照して、テンションプーリ機構について説明する。
図11で示すように、原動機51側の駆動プーリ54と、カッター2側の従動プーリ23にはベルト55が巻き付けてあり、原動機51からの動力がカッター2に伝達できるようにしてある。また、草刈機の進行方向が切り替わると共に駆動プーリ54の回転方向が変わって、カッター2が逆方向に回転し始める。
テンションプーリ56aは、略中央でやや屈曲させて形成したアーム560aの先部に取り付けてある。アーム560aは、後述するアーム560bと共に揺動体を構成している。アーム560aの屈曲部は軸ピン57によって回動可能に軸支してある。
また、軸ピン57には、アーム560bも回動自在に軸支してある。そして、そのアーム560bの先部には、上記したテンションプーリ56bが取り付けてある。
例えば、駆動プーリ54が矢印I方向に回転する場合では、テンションプーリ56a側のベルト55よりもテンションプーリ56b側の方が、より張った状態となる。そして、インナーワイヤW61が引っ張られると、張った状態のベルト55側にあるテンションプーリ56bは外側に押し出され、それに伴って弛み側のテンションプーリ56aは内側に入り込み、結果的にアーム560a,560bは押し出されたテンションプーリ56bと同方向へ揺動する。これにより、駆動力を伝達するためのテンションがベルト55の並行する部分にバランス良くかかる。
走行クラッチレバー66aは、ハンドル6dの把手部65の基部側に設けてある。なお、把手部65は上記した略長方形の固定板95a,95bによって上下方向から挟持されている。走行クラッチレバー66aを操作することで、原動機51から駆動輪である後輪41への動力を制御する。走行クラッチレバー66aを正面側から見ると(図示せず)、略M形となっている。走行クラッチレバー66aは、軸部661によって矢印II方向に回動可能である。
図18,19を参照して、草刈作業における各種レバーの操作方法を説明する。
(草刈作業前)
常態では、走行クラッチは切れている。この状態では、ハンドル6dを押したり引いたりすれば、草刈機Dを移動させることができる。また、スロットルレバー93は「ニュートラル」の位置にあり、ナイフクラッチレバー94は「切」の状態になっている。
まず、草刈機Dが急発進しないように、走行クラッチは切ったまま、原動機51を始動させる。
次に、スロットルレバー93を「前進側、1速」(切欠部904a)または「前進側、2速」(切欠部904a)の位置に移動し、スロットルレバー93を所要の高さまで上げる。そして、走行クラッチレバー66aを徐々に握り、草刈機Dを前進させる。また、必要に応じて、スロットルレバー93を上下させ、草刈機Dの速度を上げたり、下げたりする。なお、走行クラッチレバー66aの「入・切」の操作とスロットルレバー93の「上・下」の操作は、その順番は問わない。
(1)前進方向への草刈作業
草刈作業を行う場合には、第1の実施の形態(図9参照)で説明した通り、ハンドル6dの向きを草刈機の進行方向(傾斜方向とほぼ直角)に対してほぼ直角に上方側へ設定する。なお、ハンドル6dの向きを変える際は、走行クラッチレバー66aを離して走行クラッチを切り、草刈機Dの走行を停止させた状態で行う。
ハンドル6dの向きを変えたら、スロットルレバー93を「前進側、1速」(F1)または「前進側、2速」(F2)の位置まで移動し、所要の高さ位置(切欠部904aまたは切欠部904b側へ)引き上げる。また、ナイフクラッチレバー94は「入」の状態にし、原動機51からの動力がカッター2に伝わるようにしておく。
また必要に応じて、スロットルレバー93を上下させて、草刈機Dの走行速度及びカッター2の回転速度を調整する。なお、スロットルレバー93を最も低い位置まで下げると、上記した遠心クラッチにより、原動機51からの動力は遮断されるので、草刈機Dの走行とカッターの回転は停止する。
また、草刈機Dの刈高を変えるときは刈高操作レバー91を操作する。刈高操作レバー91の操作は、安全のため、草刈機Dの走行を停止させた状態で行うことが好ましい。
草刈機Dの進行方向を後進方向に切替える場合は、走行クラッチレバー66aを離し、草刈機Dの走行を停止させた状態で行う。
そして、スロットルレバー93を「後進側、1速」(切欠部903a)または「後進側、2速」(切欠部903b)側に移動させて、草刈作業を行う。
草刈作業が終了したら、ナイフクラッチレバー94を切り、カッター2の回転を停止させる。そして、スロットルレバー93を「前進側、1速」(切欠部904a)または「前進側、2速」(切欠部904a)側に移動して、草刈機Dを平坦地まで移動させる。
そして、原動機51を切る際には、走行クラッチレバー66aを離して草刈機Dの走行を停止させ、スロットルレバー93を「ニュートラル」の位置に戻した状態で行う。
図27は本発明に係る自走式草刈機の第4の実施の形態を示し、草刈機を左側(刈高調整装置が設けられていない側)から見た説明図である。
自走式草刈機Eは、第1ないし第3の実施の形態で示した自走式草刈機とは相違して、原動機51の動力を後輪41だけでなく前輪31にも伝えることができる4輪駆動となっている。
草刈機Eの左側において、後部駆動軸43はチェーンケース48内から延長して突出している。突出した後部駆動軸43の先部側には、前輪31へ動力を伝えるスプロケット491が設けてある。また、後輪41と同様に各前輪31,31の車軸311には、スプロケットとチェーン(共に図示を省略)を有するチェーンケース32が設けてある。
なお、本実施の形態では、前輪31,31の駆動力を最大限に生かすために、前輪31のトレッド部にも突起状のスパイク部410aが設けてある。
図27を参照して、草刈機Eの作用を説明する。
原動機51(図27では表れない)から後部駆動軸43への動力は、チェーンケース494内のチェーン493、各前輪31側のチェーンケース32を経て、前輪31,31へ伝達される。
以上説明したような4輪駆動の草刈機Eを使用すれば、凹凸面や急な傾斜面などの作業条件が悪い場所でも、良好に草刈作業を行うことができる。
1 フレーム
11 壁面部
2 カッター
21 刃板
22 垂直軸
23 従動プーリ
24 駆動ギア
24a 従動ギア
25 伝動ギア
31 前輪
311 前部車軸
41 後輪
410 スパイク部
411 後部車軸
42 ミッションケース
43 後部駆動軸
44 変速選択軸
45,46 スプロケット
47 チェーン
48 チェーンケース
51原動機
52燃料タンク
53 クラッチボックス
531,531c 駆動軸
532,532c 垂直軸
533 ベベルギア
534,534c つめクラッチ
535,535c ベベルギア
536,536c ベベルギア
537,537c ベベルギア
54 駆動プーリ
55 ベルト
6,6c ハンドル
61,61c 調整ピン
62,62c 切替レバー
63,63c レバーケース
631c 電源スイッチ
64 ハンドル本体
65 把手部
66 走行クラッチ
67 ナイフクラッチ
68 調整レバー
69 調整レバー
71 カバー
710 カバー本体
711 取付板
712 外面部
72 取付金具
73 取付軸
74 ナット
8,8c 刈高調整装置
81a 前輪高調整部材
810a 溝部
81b 後輪高調整部材
81c 前輪高調整部材
81d 後輪高調整部材
810b 溝部
811 軸部
83 操作レバー
830 軸ピン
831 レバー取付部
83c 操作レバー
832 把手
85 前脚部材
86 軸受部
861 軸部
87a,87b 連結軸
88 高さ設定部材
881 長孔
882 係止溝
D,E 自走式草刈機
W1〜W6 操作ワイヤ
W11,W21,W31,W41,W51,W61 インナーワイヤ
6d ハンドル
8d 刈高調整装置
9 操作レバー装置
12 取付ピン
13 コイルバネ
32 チェーンケース
33 前部駆動軸
56a,56b テンションプーリ
57 軸ピン
58 固定部
59 バネ
60d カバー
60 ハンドル方向調整装置
66a 走行クラッチレバー
81e 前輪高調整部材
81f 後輪高調整部材
84 長孔
88a ワイヤ固定部材
90 操作カバー
91 刈高操作レバー
92 ハンドル操作レバー
93 スロットルレバー
94 ナイフクラッチレバー
95a,95b 固定板
96 カム板
97 進行方向切替アーム
98 変速切替アーム
410a スパイク部
481 取付片
491 スプロケット
492 スプロケット
493 チェーン
494 チェーンケース
560a アーム
560b アーム
561a ワイヤ固定部
601 ガイド体
601b ガイド溝
601c 係合溝
601b 筒状体
601a 嵌合孔
601d ストッパー
602d 軸部
602e 係止部
602c 溝
602a 側面部
602 台部材
602b 筒状体
603 ストッパー部材
603a 軸管
603b 下部ストッパー
603c 固定ピン
603f 軸部
603d 上部ストッパー
604 ナット
605 コイルバネ
641 取付バー
642 軸管
643a ガイド溝
643 係合体
661 軸部
812 固定ピン
841 軸部
883 取付片
901 ガイド溝
902 ガイド溝
903a 切欠部
903b 切欠部
904a 切欠部
904b 切欠部
911 軸部
931 横軸
932 昇降カム
933 リンク部
934 軸部
935 クランク部
936 軸部
937 固定ピン
941 軸部
951 軸部
952 垂直軸
953 支持ピン
954 軸受部
960 軸受部
961 中心孔
970 係合溝
971 係合ピン
972 軸部
973 コイルバネ
974 コイルバネ
980 係合溝
981 係合ピン
982 軸部
983 コイルバネ
Claims (7)
- 原動機の動力で前進と後進が可能であり、作業者が草刈機の進行方向に対し横側に位置して傾斜面の草刈作業ができるようにした自走式草刈機であって、
走行車輪と、
水平方向に回転する回転刃であるカッターと、
草刈機の進行方向に対し、横側に位置して傾斜面の草刈作業をする作業者側へ向きをほぼ直角に設定できるハンドルと、
を備え、
上記ハンドルは水平方向に回動可能な台部材に上下方向に回動可能に設けられ、水平方向に調整することができる水平方向調整手段と上下方向に調整することができる上下方向調整手段とを含む調整装置によって方向の調整ができるよう構成されている、
自走式草刈機。 - 原動機の動力で前進と後進が可能であり、作業者が草刈機の進行方向に対し横側に位置して傾斜面の草刈作業ができるようにした自走式草刈機であって、
走行車輪と、
水平方向に回転する回転刃であるカッターと、
草刈機の進行方向に対し、横側に位置して傾斜面の草刈作業をする作業者側へ向きをほぼ直角に設定できるハンドルと、
を備え、
上記ハンドルは水平方向に回動可能な台部材に上下方向に回動可能に設けられ、水平方向に調整することができる水平方向調整手段と上下方向に調整することができる上下方向調整手段とを含む調整装置によって方向の調整ができるよう構成されており、
水平方向調整手段は上記台部材の水平方向の回動を係止する手段を含み、上下方向調整手段は上記ハンドルの上下方向の回動を係止する手段を備えた係止部材を含んでいる、
自走式草刈機。 - 水平方向に回転する回転刃カッターは、自走式草刈機の進行方向の前部側が下方
に傾斜することに伴って、同様に傾斜することを特徴とする、
請求項1または2記載の自走式草刈機。 - ハンドルは伸縮自在に形成されていることを特徴とする、
請求項1ないし3のいずれかに記載の自走式草刈機。 - カッターは進行方向に対して両側に並設されており、並設されたカッターの間に草を抱き込むように自走式草刈機の進行方向に対して内側方向に回転するように構成されている、
請求項1ないし4のいずれかに記載の自走式草刈機。 - 刈り高調整手段を備え、当該刈高調整手段の操作はハンドルの手元側で行うことができるよう構成してある、
請求項1ないし5のいずれかに記載の自走式草刈機。 - 原動機の動力で前進と後進が可能であり、作業者が草刈機の進行方向に対し横側に位置して傾斜面の草刈作業ができる自走式の草刈機を使用し、
該草刈機は水平方向に回転する回転刃であるカッターを有し、草刈機の前進または後進の何れの進行の場合でも、上記カッターを進行方向の前部側が下がるように傾斜させて刈り高を調整することを含む、
草刈方法。
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