JP2620676B2 - 草刈機 - Google Patents

草刈機

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JP2620676B2
JP2620676B2 JP5270053A JP27005393A JP2620676B2 JP 2620676 B2 JP2620676 B2 JP 2620676B2 JP 5270053 A JP5270053 A JP 5270053A JP 27005393 A JP27005393 A JP 27005393A JP 2620676 B2 JP2620676 B2 JP 2620676B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平地、田の畦や道路の路
肩、あるいはうねった面等の草刈りを行うことができる
草刈機に係り、更に詳しくは、伝動効率及び耐久性の向
上や草刈り高さの調整が簡単にできる草刈機に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、田の畦や道路の路肩の雑草を効
率よく刈り取るために原動機付きの手押し型あるいは乗
用型の草刈機が使用されている。従来のこの種の草刈機
はバリカン式の刈取部を備えたものが主流であり、通常
は固定式のバリカンを一台に一基備えていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記したよう
な従来の草刈機では、次のような課題があった。すなわ
ち、バリカンが一基であるため、一度に一面しか刈り取
り作業ができなかった。このため、上面の両側に角度の
違う法面を有する田の畦のような場所の草を刈り取る場
合、上面が終わったら法面というように何度も往復して
作業する必要があるため効率が悪かった。
【0004】また、バリカンは構造的に複雑で草が詰ま
りやすく、刈取りの速度が遅い。また刃の消耗が早く短
時間のうちに切れなくなる。更には、草は細かくは切断
されずに長いままで刈取られ、これが刈取った面に残る
ので見苦しく、且つ刈り草が腐るのが遅く、草が残って
邪魔になっていた。
【0005】実願平3−18217号(実開平4−11
0429号)のマイクロフィルムには、水平面の刈取り
をする水平回転刈取体と該水平回転刈取体の側方に位置
して傾斜面の刈り取りをする傾斜回転刈取体とを備えた
草刈り機が開示されている。
【0006】また、実願昭59−181947号(実開
昭61−95229号)のマイクロフィルムには、水平
面の刈取りをする水平バリカン方式の刈取体と該水平バ
リカン方式の刈取体の側方に位置して傾斜面の刈り取り
をする傾斜回転刈取体とを備えた草刈り機が開示されて
いる。なお、いずれの草刈機も傾斜刈取体への動力伝達
に可撓性を有する伝動軸が使用されている。
【0007】これらの草刈り機は、いずれも畦上面およ
び法面の草を同時に刈取ることができるために、バリカ
ンが一基の草刈機場合と比較して作業効率がよく、前記
課題は一応解決できる。しかし、動力の伝達に可撓性を
有する伝動軸を使用しているので次のような課題があ
る。
【0008】即ち、伝動軸は傾斜刈取体が傾斜面に使用
する場合に伝動効率が良いようにその長さや撓み具合は
設定されている。従って傾斜刈取体を水平刈取体と同じ
ように水平状態として並行して使用する場合は、伝動軸
は撓みの大きい逆「U」状になり、両端部分の軸線方向
のなす角度は90度以下となる。このような場合は、伝
動軸の耐久性及び伝動効率が著しく低下し、実質的には
使用できず、商品化されていないのが実情である。
【0009】ところで、水田に水を張っているときの畦
の上面は水を含んで柔らかくなっている。前記草刈機の
場合は、畦の上面を走行する水平刈取体側には、エンジ
ン、ミッションなどが付属しており、相当の重量になっ
ているために、水平刈取体側は自重によって畦上面にめ
り込んでしまう。従って、あらかじめ草の刈り高を調整
していてもすぐに変わってしまい、地面の性状に合わせ
て比較的頻繁に刈高を調整する必要が生じる。
【0010】また、畦上面は幅が狭く、従来の草刈機に
は前部に調整装置があったため、草刈高さを調整するに
は水田の中に入って草刈機の前に行かなければならず、
手元で素早く刈高さの調整できる草刈機が望まれてい
た。同様に、灌木の下で刈高を調整する場合もあり、こ
の場合も枝があっても邪魔にならないような刈高さの調
整できる草刈機が望まれていた。
【0011】そこで本発明の目的は、水平刈取体に対し
て傾斜刈取体がなす角度が水平方向を基準として上下方
向に変化した場合でも、水平刈取体と傾斜刈取体の間の
伝動効率がよく、また耐久性の高い伝動手段を有する草
刈機を提供することにある。また、本発明の他の目的は
手元で草刈高さを調整できるようにした草刈機を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決する為の手段】前記課題を解決するために
講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の手段に
あっては、走行装置と該走行装置の前方に配置されてい
る主草刈装置を有する草刈機本体と、前記主草刈装置に
揺動可能に並設されており該主草刈装置と協働して草を
刈る副草刈装置と、草刈高さを調整する刈高調整装置を
有する草刈機であって、前記主草刈装置は、水平または
略水平回転する主回転刃を備えた主カッター基台を備
え、前記副草刈装置は、前記主回転刃の回転方向の面に
対して交差する面で回転できる副回転刃を備え前記主カ
ッター基台に対して上下揺動できるように装設されてい
る副カッター基台を備え、前記主カッター基台と副カッ
ター基台は正面視において左右に並設されており、前記
主草刈装置と副草刈装置の間には、前記主回転刃と副回
転刃を連動する伝動軸を備えており、該伝動軸は、前記
副カッター基台の上下揺動に追従して伝動軸の長さを伸
縮させる伸縮手段と、軸交角度が変わっても前記伝動軸
の伸縮部分の直線状態を維持しながら前記副回転刃に伝
動しうるように構成されている軸継手と、を含んでお
り、前記刈高調整装置は、前記草刈機本体に回動可能に
枢支してある支脚部材の先端部に設けられ前記主回転刃
の前方に配置されているガイド車輪と、先部が前記支脚
部材に取着してあり、操作部は草刈機のハンドル側に設
けてある刈高調整レバーと、該刈高調整レバーの位置を
刈高に応じて固定する刈高調整手段と、を備え、前記刈
高調整レバーの動きによって枢支部を中心として支脚部
材が回動して刈高を調整することを特徴とする、草刈機
である。
【0013】第2の手段にあっては、走行装置と該走行
装置の前方に配置されている主草刈装置を有する草刈機
本体と、前記主草刈装置に揺動可能に並設されており該
主草刈装置と協働して草を刈る副草刈装置と、草刈高さ
を調整する刈高調整装置を有する草刈機であって、前記
主草刈装置は、水平または略水平回転する主回転刃を備
えた主カッター基台を備え、前記副草刈装置は、前記主
回転刃の回転方向の面に対して交差する面で回転できる
副回転刃を備え前記主カッター基台に対して上下揺動で
きるように装設されている副カッター基台を備え、前記
主カッター基台と副カッター基台は正面視において左右
に並設されており、前記刈高調整装置は、前記草刈機本
体に回動可能に枢支してある支脚部材の先端部に設けら
れ前記主回転刃の前方に配置されているガイド車輪と、
先部が前記支脚部材に取着してあり、操作部は草刈機の
ハンドル側に設けてある刈高調整レバーと、該刈高調整
レバーの位置を刈高に応じて固定する刈高調整手段と、
を備え、前記刈高調整レバーの動きによって枢支部を中
心として支脚部材が回動して刈高を調整することを特徴
とする、草刈機である。
【0014】第3の手段にあっては、副カッター基台は
主カッター基台に着脱可能に装設されていることを特徴
とする、第1または第2の手段に係る草刈機である。
【0015】
【作用】主カッター基台と副カッター基台の角度を草刈
作業面に合わせて調整する。例えば作業面が畦であっ
て、ほぼ水平な上面と下方へ傾斜した法面からなる場合
は、副カッター基台を下方へ傾斜させて法面とほぼ平行
に設定する。
【0016】そして、草刈機を畦の上面で走行させれ
ば、主カッター基台に設けてある主回転刃は畦の上面の
草を刈り、同時に副カッター基台に設けてある副回転刃
は畦の法面の草を刈る。主回転刃と副回転刃の回転方向
は、草を内側に抱き込む方向に互いに逆方向に回転させ
るのが望ましいが、限定するものではない。
【0017】主回転刃と副回転刃を連動する伝動軸は、
副カッター基台の上下揺動に追従して伝動軸の長さを軸
線方向に伸縮させる伸縮手段と、軸交角度が変わっても
伝動軸の伸縮部分の直線状態を維持しながら副回転刃に
伝動しうるように構成されている軸継手を含んでいる。
【0018】このため副カッター基台を水平状態つまり
主カッター基台と並行して使用する場合でも、副カッタ
ー基台を主カッター基台と所要角度をもって傾斜させて
使用する場合でも、伝動軸に無理がかからず、耐久性の
向上が図れ、また伝動効率の低下も防止できる。
【0019】また、刈高調整装置は、草刈機本体に回動
可能に枢支してある支脚部材の先端部に設けられ前記主
回転刃の前方に配置されているガイド車輪を有し、刈高
調整レバーは支脚部材に先部が取着してあり、操作部は
草刈機のハンドル側に設けてあり、刈高調整レバーを動
かすことによって枢支部を中心として支脚部材が回動し
て刈高を調整することができる構成である。
【0020】従って、草刈機の刈高を調整する必要が生
じたばあいでもハンドル側で素早く刈高さの調整がで
き、調整の度毎に作業機の前方に移動する必要はない。
このことは、特に畦上面のように幅が狭く高さを調整す
る場合は水田の中に入って行かなければならない場合に
好適である。
【0021】また、ガイド車輪を先端部に備え枢支部を
中心として回動する支脚部によって刈高の調整ができる
ので構造が簡単であり、しかも刈高調整レバーの動きも
僅かで済むので、灌木の下等で刈高を調整する場合でも
刈高調整レバーが樹木の枝に当たることもなく簡単であ
る。なお、副カッター基台が主カッター基台に着脱可能
に装設されているものは副カッター基台を取り外すこと
によって草刈機の幅が狭くできるので、狭い場所の草刈
り作業が効率よくできる。
【0022】
【実施例】本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳
細に説明する。図1は本発明にかかる草刈機の実施例を
示す斜視図である。草刈機は、走行装置101と走行装
置101の前方に配置されている主草刈装置102を備
えている草刈機本体1と、主草刈装置102に揺動可能
に並設されており主草刈装置102と協働して草を刈る
副草刈装置103を備えている。更に説明すると、草刈
機本体1の走行装置101はフレームF(図2,図3に
図示)を備え、フレームFには原動機Eが搭載してあ
る。フレームF下部には走行車輪10が設けてある。
【0023】走行車輪10は、プーリやベルトからなる
駆動伝達部11を介して原動機Eにより駆動される。走
行車輪10は一輪であるが、並行な二輪とし、別に用意
された異なった直径の走行車輪との取り替えが容易にで
きる構造とすることもできる。符号12はブレーキ、ク
ラッチ操作部等を備えたハンドルである。
【0024】主草刈装置102の主カッター基台2は四
角形の板体で水平に設けられており、その一方の側縁部
にはカバー20が取付けてある。また、主カッター基台
2の前方には、刈高調整装置4を構成しているガイド車
輪21が、支脚部材210を介して設けられている。
【0025】支脚部材210の基端部は、軸ピン211
により草刈機本体1の主草刈装置102に回動可能に軸
支してある。また、支脚部材210の基部には支持部材
212を介して刈高調整レバー6の先端が取着してあ
る。
【0026】刈高調整レバー6の基部は、作業者が手元
で操作できるようにハンドル12下方まで伸ばして設け
てあり、刈高調整盤60に複数段設けてある掛止部61
に掛止してある。また、ハンドル12の軸121は軸受
管120に挿入してある。軸受管120には締付固定具
122を有し、ハンドル12の高さおよび向きを調整で
きる。なお、ハンドルは固定式とすることもできる。
【0027】この構造によれば、刈高調整レバー6の上
下操作により支脚部材210が回動し、ガイド車輪21
の高さが調整でき、草刈高が調整できる。なお、後で説
明する副カッター基台3はヒンジ29部分から取り外す
ことができるようにしてあり、伝動軸5もギヤボックス
41から取り外すことができる構造となっている。
【0028】主カッター基台2の他方の側縁部にはヒン
ジ29を介して副草刈装置103の副カッター基台3が
上下揺動可能に取付けてある。副カッター基台3の側縁
部にはカバー30が取付けてある。また、副カッター基
台3の前部には取付部材310を介しガイド車輪31が
設けられている。
【0029】図2を参照する。図2は主草刈装置と副草
刈装置の間に設けられた角度調整装置の斜視図である。
主草刈装置102の主カッター基台2と副草刈装置10
3の副カッター基台3との境界部には、副カッター基台
3の揺動角を制御できる角度調整装置が設けられてい
る。角度調整装置は制御板34を有している。制御板3
4は下辺部のほぼ半分を副カッター基台3の上面に固着
して立設されている。また、制御板34の中央部の縁部
寄りには、係合穴341が設けてある。
【0030】制御板34の固定されていない側には段部
342、343が設けてある。段部342、343は、
後述の係合ピン36を後退させて係合穴341から外
し、副カッター基台3を回動させたとき、副カッター基
台3の角度が水平から22.5度のときに係合ピン36
が段部342に当たり、45度のときに段部343に当
たるように設定してある。
【0031】フレームFには係合穴341に対応してピ
ン軸受35が設けてある。ピン軸受35先部にはワイヤ
チューブTを介して出入り操作される係合部材である係
合ピン36が設けてある。なお、ピン軸受35は、主カ
ッター基台2と副カッター基台3とが平行状態のときに
係合穴341に係合ピン36が係合する位置に取付けて
ある。
【0032】これによれば、副カッター基台3は主カッ
ター基台2と平行状態から下側へ揺動できる。すなわ
ち、前記係合ピン36と制御板34の段部342、34
3の作用で、副カッター基台3は水平状態から60度の
範囲で草刈り斜面の角度または凹凸に追従して揺動す
る。
【0033】図3を参照する。図3は角度調整装置の他
の例を示す斜視図である。主カッター基台2と副カッタ
ー基台3との境界部には双方の成す角度を段階的に設定
できる角度調整装置が設けてある。角度調整装置は半円
形の板体である調整板32を有している。調整板32は
下辺部のほぼ半分を副カッター基台3の上面後端縁部に
固着して立設されている。調整板32の円弧部の縁部寄
りには、ヒンジ29を中心とする同一半径の円弧状に配
置されている所要数の係合穴33が等間隔で設けてあ
る。
【0034】また主カッター基台2の後端縁部には調整
板32がすり抜けることができるようにした逃げ部22
が形成してある。なお、この構造の他、例えば主カッタ
ー基台2に逃げ部22を設けずに、調整板32の中心角
をやや小さく形成し、副カッター基台3が上方へ回動し
たときに、調整板32の端辺と主カッター基台2とが当
接して副カッター基台3を停止させる構造とすることも
できる。
【0035】フレームFには係合穴33に対応してピン
軸受23が設けてある。ピン軸受23先部にはワイヤチ
ューブTを介して出入り操作される係合部材である係合
ピン24が設けてある。なおピン軸受23は、主カッタ
ー基台2と副カッター基台3とが平行状態のときに真中
の係合穴33に係合ピン24が係合する位置に取付けて
ある。これにより、副カッター基台3は主カッター基台
2と平行状態を中心として上下に所要角度(段階的調整
による)で傾斜させて固定できる。この構造の角度調整
装置の場合は副カッター基台3を上方へ回動して固定で
きる。
【0036】図4、図5を参照する。図4は主回転刃を
駆動する手段の要部説明図、図5は主回転刃と副回転刃
を連動する伝動軸の関係を示しており、一部を切欠した
説明図である。主カッター基台2と副カッター基台3の
それぞれの中央部には主回転刃43及び副回転刃43a
が設けられている。主回転刃43、副回転刃43aの上
部には軸受40、40aを備えており、軸受40、40
aの上部にはギヤボックス41、41aを備えている。
【0037】軸受40、40aには、主カッター基台2
と副カッター基台3を貫通して回転軸42、42aが軸
支してある。回転軸42、42aの下部には、主回転刃
43、副回転刃43aが取付けてある。主回転刃43、
副回転刃43aは、中心部寄りを下方に傾斜させ、先部
は水平に形成してある。なお、主回転刃43、副回転刃
43aの高さは、作業面(地面)と草刈りに好適な間隔
で位置するように設定してある。また、各回転刃の高さ
を調整できるような構造とすることもできる。
【0038】回転軸42、42aの上端部にはベベルギ
ヤ44、44aが取付けてあり、ベベルギヤ44、44
aはギヤボックス41、41a内に位置している。ギヤ
ボックス41、41a間には軸受45、45aを介して
主回転刃43、副回転刃43aを駆動する手段である伝
動軸5が軸支してある。
【0039】伝動軸5は、ギヤボックス41に軸支して
ある駆動軸51と、ギヤボックス41aに軸支してある
従動軸52と、それらを連結する伸縮軸53を備えてい
る。駆動軸51には回転軸42のベベルギヤ44とかみ
合うベベルギヤ54が取付けてある。駆動軸51の外端
部にはプーリー55が取付けてあり、内端部は軸継手で
あるユニバーサルジョイント56を介して伸縮軸53の
一端部と連結してある。プーリー55は、ベルト59を
介し、原動機Eにより駆動される。
【0040】従動軸52には回転軸42aのベベルギヤ
44aとかみ合うベベルギヤ57が取付けてある。な
お、ベベルギヤ57は前記ベベルギヤ54と歯側を相対
向させて取付けてあり、これにより主回転刃43、副回
転刃43aは、互いに逆方向に回転する。また、従動軸
52の内端部はユニバーサルジョイント58を介して伸
縮軸53の他端部と連結してある。
【0041】伸縮軸53は三段式のスプライン構造とな
っており、ユニバーサルジョイント56、58の作用と
相まって、主回転刃43と副回転刃43を、主カッター
基台2と副カッター基台3の角度のあらかじめ設定され
た範囲内において、その角度にかかわらず連動させるこ
とができる。
【0042】なお、主回転刃43、副回転刃43aは、
平面視における刃角をずらして取付けてあり、また主回
転刃43、副回転刃43aが草を抱き込むように互いに
逆方向にしかも同期回転するため、主回転刃43、副回
転刃43aの軌道が重なった時にも接触することはな
い。本実施例においては、伸縮軸53は三段式のスプラ
イン構造であるが、二段式でもよい。
【0043】図6は副草刈装置を下方に傾斜させて使用
する場合の説明図、図7は副草刈装置を上方に傾斜させ
て使用する場合の説明図、図8は異径の走行車輪を使用
する場合の説明図である。図を参照して本実施例の使用
方法および作用を説明する。
【0044】1.図6に示すように法面G2が上面G1
に対して下り傾斜面である場合、まず草刈機を上面G1
に乗せ、ガイド車輪21の高さを調整する。これによ
り、主回転刃43の刈高が設定される。次に、角度調整
装置を調整して副草刈装置102の副カッター基台3の
角度を調整する。なおこのとき、伝動軸5の伸縮軸53
は伸びた状態である。そして主回転刃43、副回転刃4
3aを駆動し、草刈機を走行させれば、上面G1と片側
の法面G2の草を同時に刈り取ることができる。
【0045】2.図7に示すように法面G2’が水平面
G3に対して上り傾斜面である場合は、図3に示す角度
調整装置が使用される。まず草刈機を水平面G3に乗せ
る。次に角度調整装置を調整して副草刈装置102の副
カッター基台3の角度を調整し、副回転刃43aの刃面
が法面G2’とほぼ平行になるように固定する。このと
き、伝動軸5の伸縮軸53は縮んだ状態である。そして
主回転刃43、副回転刃43aを駆動し、草刈機C1を
走行させれば、水平面G3と法面G2’の草を同時に刈
り取ることができる。
【0046】3.走行車輪が二輪の場合であって、草刈
機の走行面である上面G1が一方へ傾斜している場合
は、左右の走行車輪10が同径であれば草刈機自体が傾
くために直進性が安定せず、走行するにつれて次第に傾
斜下側に曲がり、法面G2の草刈り作業ができなくな
る。このため、作業中頻繁に方向の修正を行う必要があ
る。これには相当な力を必要とするため作業が困難とな
る。
【0047】そこで、図8に示すように、上面G1の傾
斜下側に対応する側の走行車輪を直径がやや大きい走行
車輪10aと取り替えて草刈機の傾きを修正すれば、大
径の走行車輪10aが傾斜上側へ曲がろうとする力と、
草刈機の刈取部の抵抗や上面G1の傾斜による傾斜下側
へ落ちようとする力とが打ち消し合い、草刈機の直進性
が安定し、効率よく作業ができる。
【0048】前記したように、本実施例にかかる草刈機
によれば、畦の法面等の草刈り作業が水平面と同時にで
きるので、一度に一面しか作業できない従来の草刈機と
比較して、作業にあたっての草刈機の走行距離が少なく
てすみ、効率的な作業ができる。
【0049】また、刈取部がバリカン等ではなく回転刃
であるので、刈取部に草の詰まりを生じにくく、迅速な
作業ができる。更に、草は細かく切断されて作業面に撒
かれるので、作業面がきれいで、刈り草が腐りやすく消
滅が早い。
【0050】また、作業面が広い平面である場合は、図
1のように主草刈装置のカッター基台2と副草刈装置の
副カッター基台3を平行に固定して使用すれば、走行が
安定すると共に、一度に幅広く草刈りができる。
【0051】更には作業面が平坦でなくうねっている場
合は、係合ピン24、36の係合を解除すれば、副カッ
ター基台3を自由揺動状態にすることができるので、副
回転刃43aはうねった作業面に追随し、草をきれいに
刈り取ることができる。
【0052】図9は本発明にかかる草刈機の他の使用方
法を示す斜視図である。図に示すように、副カッター基
台3と伝動軸5を取り外し、ヒンジ29にカバー20a
を取付けることにより、前後一輪ずつの二輪構造の草刈
機として使用することができる。
【0053】この場合の草刈機は幅が狭いので狭い場所
の草刈り作業をするのに適しており、また前後一輪ずつ
の二輪構造であるので、直進性が良好で運転がしやす
い。なお、本発明は図示の実施例に限定されるものでは
なく、副カッター基台を二基とし、それぞれ主カッター
基台の両側に設けることもできる等、特許請求の範囲の
記載内において種々の変形が可能である。
【0054】
【発明の効果】本発明は前記構成を備え、次の効果を有
する。 (1)主回転刃と副回転刃を連動する伝動軸は、副カッ
ター基台の上下揺動に追従して伝動軸の長さを伸縮させ
る伸縮手段と、軸交角度が変わっても前記伝動軸の伸縮
部分の直線状態を維持しながら副回転刃に伝動しうるよ
うに構成されている軸継手とを含んでいる。このため副
カッター基台を水平状態つまり主カッター基台と並行し
て使用する場合でも、副カッター基台を主カッター基台
と所要角度をもって傾斜させて使用する場合でも伝動軸
に無理がかからず、耐久性の向上が図れ、また伝動効率
の低下も防止できる。
【0055】(2)草刈機は、草刈機本体に回動可能に
枢支してある支脚部材の先端部に設けられ主回転刃の前
方に配置されているガイド車輪を有し、刈高調整レバー
は支脚部材に先部が取着してあり、操作部は草刈機のハ
ンドル側に設けてある刈高調整装置を有している。この
ため刈高調整レバーを動かすことによって枢支部を中心
として支脚部材が回動して刈高を調整することができ
る。従って、草刈機の刈高を調整する必要が生じたばあ
いでもハンドル側で素早く刈高さの調整ができ、調整の
度毎に作業機の前方に移動する必要はない。このこと
は、特に畦上面のように幅が狭く高さを調整する場合は
水田の中に入って行かなければならない場合に好適であ
る。また、ガイド車輪を先端部に備え枢支部を中心とし
て回動する支脚部によって刈高の調整ができるので構造
が簡単であり、しかも刈高調整レバーの動きも僅かで済
むので、灌木の下等で刈高を調整する場合でも刈高調整
レバーが樹木の枝に当たることもなく簡単である。
【0056】(3)副カッター基台が取り外せる構造と
したものは、草刈機の幅が狭くできるので、狭い場所の
草刈り作業が効率よくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる草刈機の実施例を示す斜視図で
ある。
【図2】主草刈装置と副草刈装置の間に設けられた角度
調整装置の斜視図である。
【図3】角度調整装置の他の例を示す斜視図である。
【図4】主回転刃を駆動する手段の要部説明図である。
【図5】主回転刃と副回転刃を連動する伝動軸の関係を
示しており、一部を切欠した説明図である。
【図6】副草刈装置を下方に傾斜させて使用する場合の
説明図である。
【図7】副草刈装置を上方に傾斜させて使用する場合の
説明図である。
【図8】異径の走行車輪を使用する場合の説明図であ
る。
【図9】本発明にかかる草刈機の他の使用方法を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 草刈機本体 10 走行車輪 2 主カッター基台 3 副カッター基台 4 刈高調整装置 5 伝動軸 E 原動機 6 刈高調整レバー 60 刈高調整盤 32 調整板 24 係合ピン 34 制御板 36 係合ピン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行装置(101)と該走行装置(10
    1)の前方に配置されている主草刈装置(102)を有
    する草刈機本体(1)と、前記主草刈装置(102)に
    揺動可能に並設されており該主草刈装置(102)と協
    働して草を刈る副草刈装置(103)と、草刈高さを調
    整する刈高調整装置(4)を有する草刈機であって、 前記主草刈装置(102)は、 水平または略水平回転す
    る主回転刃(43)を備えた主カッター基台(2)を備
    え、 前記副草刈装置(103)は、 前記主回転刃(43)の
    回転方向の面に対して交差する面で回転できる副回転刃
    (43a)を備え前記主カッター基台(2)に対して上
    下揺動できるように装設されているカッター基台
    (3)を備え、前記主カッター基台(2)とカッター
    基台(3)は正面視において左右に並設されており前記主草刈装置(102)と副草刈装置(103)の間
    には、 前記主回転刃(43)と副回転刃(43a)を連
    動する伝動軸(5)を備えており、該伝動軸(5)は、 前記副カッター基台(3)の上下揺動に追従して伝動軸
    (5)の長さを伸縮させる伸縮手段と、 軸交角度が変わっても前記伝動軸(5)の伸縮部分の直
    線状態を維持しながら前記副回転刃(43a)に伝動し
    うるように構成されている軸継手と、 を含んでおり、前記刈高調整装置(4)は、 前記草刈機本体(1)に 回動可能に枢支してある支脚部
    材(210)の先端部に設けられ前記主回転刃(43)
    の前方に配置されているガイド車輪(21)と、 先部が前記支脚部材(210)に着してあり、操作部
    は草刈機のハンドル(12)側に設けてある刈高調整レ
    バー(6)と、 該刈高調整レバー(6)の位置を刈高に応じて固定する
    刈高調整手段と、 を備え、 前記刈高調整レバー(6)の動きによって枢支部を中心
    として支脚部材(210)が回動して刈高を調整するこ
    とを特徴とする、 草刈機。
  2. 【請求項2】 走行装置(101)と該走行装置(10
    1)の前方に配置されている主草刈装置(102)を有
    する草刈機本体(1)と、前記主草刈装置(102)に
    揺動可能に並設されており該主草刈装置(102)と協
    働して草を刈る副草刈装置(103)と、草刈高さを調
    整する刈高調整装置(4)を有する草刈機であって、 前記主草刈装置(102)は、 水平または略水平回転す
    る主回転刃(43)を備えた主カッター基台(2)を備
    え、 前記副草刈装置(103)は、 前記主回転刃(43)の
    回転方向の面に対して交差する面で回転できる副回転刃
    (43a)を備え前記主カッター基台(2)に対して上
    下揺動できるように装設されているカッター基台
    (3)を備え、前記主カッター基台(2)とカッター
    基台(3)は正面視において左右に並設されており前記刈高調整装置(4)は、 前記草刈機本体(1)に 回動可能に枢支してある支脚部
    材(210)の先端部に設けられ前記主回転刃(43)
    の前方に配置されているガイド車輪(21)と、 先部が前記支脚部材(210)に着してあり、操作部
    は草刈機のハンドル(12)側に設けてある刈高調整レ
    バー(6)と、 該刈高調整レバー(6)の位置を刈高に応じて固定する
    刈高調整手段と、 を備え、 前記刈高調整レバー(6)の動きによって枢支部を中心
    として支脚部材(210)が回動して刈高を調整するこ
    とを特徴とする、 草刈機。
  3. 【請求項3】 カッター基台(3)は主カッター基台
    (2)に着脱可能に装設されていることを特徴とする、
    請求項1または2記載の草刈機。
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