JP2009045062A - ホンシメジの菌床栽培方法 - Google Patents

ホンシメジの菌床栽培方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホンシメジの商業栽培において、栽培日数が短縮し、安定生産を可能にする菌床栽培用方法を提供すること。
【解決手段】培養条件下に光照射を行うことで子実体原基誘導を行わせしめるホンシメジの菌床栽培方法及び培養中に子実体原基形成を行わせしめた培養中のホンシメジ菌床栽培用培養物が提供される。当該培養物は清浄な状態に維持されており、子実体原基形成が清浄な環境下で行えること、子実体原基形成後の培養物をそのまま、清浄な条件下で遠隔地のキノコ栽培施設に移送できる点においても有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホンシメジ(Lyophyllum shimeji)の菌床栽培用方法及び菌床栽培用培養物に関する。
ホンシメジは10月中ごろにコナラ林又はコナラ・アカマツ混生林の地上に発生するきのこであり、「香りマツタケ味シメジ」と称されているように、マツタケと並んで日本における食用きのこの中で最高級きのことされている。近年、エノキタケ、ヒラタケ、ナメコ、ブナシメジ、マイタケ等の食用きのこは主としてオガクズと米糠・フスマなどの栄養源を混合した培養基を用いて人工的に栽培を行う菌床栽培方法が確立され、1年を通じて季節に関わり無く安定してきのこが収穫できるようになっている。ホンシメジも極めて美味なきのこであるため人工的に栽培する方法の確立が望まれているが、前述のエノキタケ等が木材腐朽菌であるのに対し、ホンシメジは菌根菌であるため人工的な菌床栽培は困難であるとされていた。
このホンシメジの人工的な菌床栽培は滋賀県森林センターの太田によって初めて成功し、特許文献1では麦類を用いたホンシメジの菌床栽培方法が、非特許文献1では麦類を用いた培地でのホンシメジ子実体の発生実験が開示されている。
また、特許文献2ではピートモスを基材とし、デンプン等を添加した培養基による菌根菌の菌糸培養方法が開示されており、同発明者らは非特許文献2でピートモスを基材とし、デンプン等を添加した培養基でのホンシメジの子実体発生実験を報告している。
しかし、特許文献1の発明者らの方法では培地に使用する麦類が高価なため培地コストが高くなる。また、特許文献2の発明者らの方法では発生した子実体の収量が低く、いまだ商業生産レベルには至っていない。
近年、ホンシメジの商業栽培を目的としたホンシメジの栽培方法が種々開示されてきている。特許文献3ではキビ亜科植物を含有することを特徴とするホンシメジの菌床栽培用培養基及び当該培養基を用いたホンシメジの栽培方法が開示されている。また、特許文献4では少なくともトウモロコシ粉と広葉樹のオガクズを含有する混合培地を調製し、該混合培地を水湿潤状態においてホンシメジの菌糸を接種し、30℃以下の温度で培養することにより、子実体を発生させることを特徴とするホンシメジの菌床栽培方法が開示されている。
特許文献5ではホンシメジの栽培方法において、水湿潤状態においてホンシメジの菌糸を接種し、培養することにより子実体を発生可能な培地に対して、粉砕した牡蠣殻を添加混合し、かつ、培地のpHが7を超えない範囲に調整することを特徴とするホンシメジの菌床栽培方法が開示されている。
特許文献6では培地としてトウモロコシ及びオガクズを含有する培地に少量の麦類及び/又は米類を添加混合し調製した混合培地を使用し、該混合培地を水湿潤状態においてホンシメジを接種培養後、子実体を発生させることを特徴とするホンシメジの菌床栽培方法が開示されている。
特許文献1では、その実施例において、ホンシメジ菌株を23℃で70日間培養後、温度を15℃に下げ、子実体原基が形成されるかどうかを調べている。またピートで培地表面を覆うことにより、子実体形成率を上昇させている。また非特許文献1では、22℃の培養工程で菌糸が蔓延したとき、ピートを培地上に厚さが1cmになるように加え、その後更に2週間培養し、培養終了後15℃の発生室に移し、子実体を発生させている。
非特許文献2では、ホンシメジ菌株を培養基に接種後、23℃で培養・熟成後、16℃の発生室で発生操作を行い、その13〜15日目に子実体原基の形成を認めている。
特許文献3では、ビン栽培方法として、培地調製、ビン詰め、殺菌、接種、培養、芽出し、生育、収穫の各工程が開示されており、培養後の芽出し工程において子実体原基を形成させている。またその実施例では芽出し工程を赤玉土被覆下で行っている。
特許文献4では、その実施例において、ホンシメジ菌株を23℃で60日間培養後、鹿沼土で培地上面を被覆して、更に7日間培養した後、15℃の発生室に移し子実体の発生を促している。
特許文献5では、その実施例において、ホンシメジ菌株を23℃で70日間栽培後、15℃の発生室に移し、小さな子実体が現れたときにキャップを取り除き、子実体の傘が開くまで成長した段階で収穫している。
特許文献6では、その実施例において、ホンシメジ菌株を23℃で55日間培養後、鹿沼土で培地上面を被覆し、更に10日間培養した後、15℃の発生室に移して子実体の発生を促している。
特開平07−115844号公報 特開平06−153695号公報 特開2000−106752号公報 特開2002−247917号公報 特開2005−27585号公報 特開2007−54044号公報 日本菌学会報、第39巻、第13〜20頁,1998年 日本菌学会報、第35巻、第192〜195頁,1994年
本発明者らは、前記特許文献3に開示の技術をもとにホンシメジの商業栽培、特に大型ホンシメジの商業栽培を開始しているが、商業栽培の成功のためには更なる技術の開発が望まれている。
すなわち、本発明の目的は、上記の現状にかんがみ、商業栽培においてホンシメジの安定生産を可能にする菌床栽培用方法を提供することにある。
ホンシメジの栽培においては菌糸培養後に覆土を行い、子実体を発生させるのが主流として行われている。しかしながら覆土による子実体の誘起は、覆土作業に加えて覆土を除去する作業が必要になり煩雑である。覆土を行う場合も、行わない場合も培養温度より低温に制御された環境下で子実体原基発生を誘起させているのが現状である。本発明者らは覆土を行わないホンシメジの菌床栽培の開発に注力してきたが、生産規模が培地調製量として1ロットで4トンを超えると子実体収量の不安定性が明らかになってきた。当該不安定性を解消すべく、本発明者らは、ホンシメジ菌床栽培に影響を与える諸因子ごとに栽培研究を行い、大規模栽培への影響を鋭意検討してきた。その結果、培養条件下に一定の光照射を行うことにより子実体原基誘導が可能になることを見出し、培養条件下に当該子実体原基誘導を終了せしめることにより、ホンシメジ栽培が安定するのみならず、総栽培期間の短縮、ホンシメジ子実体収量の増収効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明を概説すれば、本発明の第一の発明はホンシメジの菌床栽培方法において、培養中に子実体原基形成を行わせしめることを特徴とするホンシメジの菌床栽培方法に関する。
本発明の第一の発明の態様としては、培養中の菌床栽培用培養基に光照射を行い、子実体原基形成を行わせしめることを特徴とするホンシメジの菌床栽培方法が挙げられる。またその好ましい態様は、培養工程中に子実体原基形成を終了せしめることを特徴とするホンシメジの菌床栽培方法が挙げられ、これらの態様としては、光照射時期が培養工程中の培養後期であるホンシメジの菌床栽培方法が挙げられる。ホンシメジの培養工程中の光照射条件としては、培養中に子実体原基発生を誘起できる条件であれば良く特に限定はないが、積算照度として20ルクス時間以上、好ましくは200ルクス時間以上である。子実体の柄の部分に空洞を発生させないためにはホンシメジの培養は十分に行う必要があるが、本発明においては培養を十分に行わせしめ、その培養後期の20〜30日の間に光照射を行うのが好適である。
本発明の第二の発明は、培養中に子実体原基形成を行わせしめた培養中のホンシメジ菌床栽培用培養物に関する。当該培養物は清浄な状態に維持されており、そのまま遠隔地のキノコ栽培施設に移送できる点においても有用である。
本発明により、大規模商業栽培においてホンシメジの安定生産を可能にし、経済性に優れたホンシメジの菌床栽培方法が提供される。
以下、本発明を具体的に説明する。
本明細書において、ホンシメジとは分類学上、Lyophyllum shimejiに分類されるものをいう。
本発明に使用されるホンシメジの菌株については、人工的に栽培可能なものを選択することができ、特に限定はなく、公知のホンシメジ菌株、例えば、Lyophyllum shimeji La 01−27(FERM BP−10960)、Lyophyllum shimeji La01−20(FERM BP−10959)、Lyophyllum shimeji La 01−37(FERM P−17456)、Lyophyllum shimeji La 01−45(FERM P−17457)、Lyophyllum shimeji La 01−46(FERM P−17458)が例示される。
本発明のホンシメジの栽培方法としては、ビン栽培、袋栽培、箱栽培などの人工的な菌床栽培方法を適用することができ、その培養中に子実体原基を形成及び/又は形成を終了せしめることを特徴とする。すなわち本発明者らによって初めてホンシメジの生育温度と子実体原基形成温度を変化させない栽培方法が確立された。以下、一例としてビン栽培による本発明のきのこの菌床栽培方法について述べると、その方法とは培地調製、ビン詰め、殺菌、接種、培養(原基形成を含む)、芽出し(培養中の芽出しを含む)、必要に応じ芽の選別、生育、収穫等の各工程からなる。次にこれらを具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
培地調製とは、菌床栽培に用いる各種基材を計量、かくはんし、加水してホンシメジの菌床栽培に適した水湿潤状態になるよう水分調整するまでの工程をいう。本発明に用いるホンシメジの菌床栽培用培養基に限定はなく、栽培に使用できるものであれば良いが、トウモロコシ類と針葉樹由来のオガクズ、例えばスギ由来のオガクズ(スギオガ)の組合せが好適である。
トウモロコシ類と針葉樹由来のオガクズの混合比率を、例として加熱圧ペントウモロコシとスギ由来のオガクズ(スギオガ)の場合で説明する。トウモロコシ類と針葉樹由来のオガクズの混合比率は、ホンシメジの栽培できる比率であれば良いが、高収量を実現させる観点からは、加熱圧ペントウモロコシ含量の下限はその乾燥重量比で菌床栽培用培養基中の40%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは60%以上である。40%未満になると得られるホンシメジの収量が著しく下がり、好ましいことではない。また、加熱圧ペントウモロコシは吸水性が低いことから、菌床栽培用培養基中の含量が高くなりすぎると菌床栽培用培養基の水分保持力が下がり、培養ビン下部に水が滞留し、その結果菌廻り不良につながることがある。すなわち、加熱圧ペントウモロコシ含量の上限はその乾燥重量比で菌床栽培用培養基中の80%以下、好ましくは75%以下、さらに好ましくは70%以下である。
また、菌床栽培用培養基の水分含量についても加熱圧ペントウモロコシとスギオガの場合で説明する。菌床栽培用培養基の水分含量は、当業者の常識に従って、培養ビン下部に水が滞留しない程度に調整することが好適であり、特に限定はないが、例えば68重量%以下、好適には66重量%以下である。ただし水分含量が64重量%を超える場合は、培地中の空隙が減少して菌廻り不良が起こる場合があり、その結果得られる子実体の収量及び品質が低下することがあるため、64重量%以下に調整することがさらに好ましい。なお、水分含量が低すぎても、培地の乾燥等の影響により、菌廻り不良や子実体の奇形、発生不良が起こるため、好ましくは50重量%以上、より好ましくは55重量%以上に水分含量が調整される。これらの水分含量については、水分調整した培地性状を見て、適宜設定することができる。
ビン詰めとは、菌床栽培用培養基をビンに詰める工程である。具体的には、通常400〜2300mL容の耐熱性広口培養ビンに調製した菌床栽培用培養基を、例えば1100mLビンの場合は700〜1000g、好ましくは750〜850g圧詰し、口径1〜3cm程度の穴を1ないし複数個開け打栓する工程をいうが、菌座中心部に口径1.5〜2.0cm、そのまわりに口径1cmの4つの穴を開けることでより好適にホンシメジの培養が可能である。
殺菌とは、培地中のすべての微生物を死滅させる工程であれば良く、通常蒸気による常圧殺菌では98〜100℃、4〜12時間、高圧殺菌では101〜125℃、好ましくは118℃、30〜90分間行われる。
接種とは、殺菌後放冷された培地に種菌を植え付ける工程であり、通常種菌としてはホンシメジ菌糸をPGY液体培地、1/2PGY液体培地などのグルコース、ペプトン及び酵母エキスを主成分とする培地で25℃、10〜15日間培養したものを液体種菌として用いることができる。この液体種菌は、例えば1100mLの広口培養ビンの1ビン当りに約10〜50mLを無菌的に植え付ける。また、公知の固体種菌を使用することもでき、例えば、ここまで説明した工程で得られる液体種菌接種済みの菌床栽培用培養基を25℃で60〜150日間培養し、菌廻りしたものも固体種菌として用いることができる。この固体種菌は、例えば1100mLの広口培養ビンの1ビン当りに15gほどを無菌的に植え付ける。
培養とは、菌糸を生育、熟成させる工程である。通常、接種済みの菌床栽培用培養基を温度20〜25℃、湿度50〜80%において菌糸をまん延させ、更に熟成させる。なお、熟成は省くこともできる。培養工程は、培養基の容量により適宜設定でき、1100mLビン栽培の場合は通常80〜120日間、好ましくは100日間前後行われる。
本発明においてはこの培養後期の20〜30日間に積算照度20ルクス時間以上、好ましくは200ルクス時間以上の光照射を行い、培養条件下で子実体原基を形成せしめる。すなわち、本発明のホンシメジの栽培方法において、子実体原基の形成は覆土や栽培温度の低下によらずに誘導される。また、本工程においては形成された子実体原基を幼子実体に成長させてもよい。
本発明において、芽出しとは、子実体原基から芽(幼子実体)を形成させる及び/又は幼子実体の成長を促す工程である。培養中に原基及び/又は幼子実体を形成させたビンの栓を外し、通常10〜20℃、好ましくは15℃前後、湿度80%以上、照度1000ルクス以下で5〜15日間行う。また、前記の培養工程の前や芽出し工程の前に菌床面に複数の孔を形成することもできる。当該孔の形成により、培地の通気性が良好となり、また孔からの子実体の栽培を実施することで、良好な形質のホンシメジ子実体を栽培することができる。芽出し工程中は加湿で結露水が発生しやすいため、濡れを防ぐ目的で菌床面を有孔ポリシートや波板等で覆っても良く、培養ビンを反転して培養しても良い。
生育とは、幼子実体から成熟子実体を形成させる工程で、通常、照度を2000ルクス以下にする以外は芽出し工程とほぼ同じ条件で5〜15日間行う。生育工程では結露水による濡れの影響を受けにくいので、有孔ポリシートや波板等の被覆は施さないほうが好ましい。また一本立ちした商品価値の高い子実体を得る目的で、同工程の初期(5日目まで)に、菌座上に生えた芽のうち子実体に成長させたい数本の芽を残してその他の芽を取り去る、芽の選別工程を加えても良い。
以上の工程により成熟子実体を得ることができ、収穫を行って栽培の全工程を終了する。以上、本発明をビン栽培方法により説明したが、本発明はキノコの菌床栽培に適用できるものであり、上記ビン栽培に限定されるものではない。
本発明により、従来10〜20日を要した、ビンの栓をはずしてからの芽出し期間が5〜15日に短縮され、ホンシメジの菌床栽培総日数の短縮が行われる。またビンの栓をはずすことなく清浄な環境下で子実体原基形成が誘起される。本発明において、総栽培日数が短縮され、かつ収量の有意な向上が見られることが極めて顕著な効果である。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲のみに限定されるものではない。
実施例1
PGY液体培地(組成:グルコース2.0%(w/v)、ペプトン0.2%(w/v)、酵母エキス0.2%(w/v)、KHPO0.05%(w/v)、MgSO・7HO0.05%(w/v))100mLにLyophyllum shimeji La 01−27株(FERM BP−10960)の菌糸を接種し、25℃で7日間振とう培養(100rpm)後、2mLを200mLの同培地に植え継ぎ7日間振とう培養(100rpm)後、さらに培養物の全量を160Lの同培地が入った200L容ジャーファーメンター(小松川製作所製)に接種して6日間かく拌培養(かく拌速度:100rpm、通気量25L/分)を行い、液体種菌を調製した。一方、圧ペントウモロコシ(飯坂精麦社製)と針葉樹鋸屑のスギオガ〔(有)トモエ物産〕を乾物重量比で2:1(圧ペントウモロコシ:針葉樹鋸屑)に混合し、培地の水分が最終的に62重量%になるように水を加えて十分にかくはん・混合したものを、1ロットあたり約5000本のポリプロピレン製の広口培養ビン(1100mL)にそれぞれ入れ(ビン及びフタを含めた重量合計800g)圧詰した。圧詰物表面の中央に口径2.0cmの、圧詰物表面の中央を中心とした直径4cmの円周上に均等に4つの口径1cmのそれぞれ深さが10cm程度の孔を開けたのち、培養ビンにキャップをし、118℃で30分間高圧蒸気殺菌を行い、20℃まで放冷したものを菌床栽培用培養基(固形培地)として調製した。この固形培地に上記の液体種菌を約25mL接種し、暗所にて温度20℃、湿度70〜75%の条件下で約75〜85日間菌糸を培養し、培地全体に菌糸をまん延させた後、1日あたり8時間部屋の照明を点灯する以外は同条件でさらに培養を25〜35日間続け、計約110日間培養を行い、子実体原基を形成させた。培養物に照射される照度を照度計(コニカミノルタ製 T−10M)により測定したところ0.1〜600ルクスの範囲で、積算照度では20〜12,0000ルクス時間の光が各培養物に照射されたことになるが、どの照度においても良好な子実体原基誘導がしめされた。次いで、キャップを外し、ビンを反転した後、温度15℃、加湿をヒューミアイ100〔(株)鷺宮製作所製〕の表示値で115〜120%となるように制御した芽出室に移動し、100ルクス以下の照明下、7日間芽出しを行った。その後ビンを正転させ、培地表面に生じた複数の芽より子実体に成長させる4〜5本の形の良い芽以外の不要な芽をスパーテルを用いて取り除いた後、さらに10〜11日間、温度15℃、加湿をヒューミアイ100〔(株)鷺宮製作所製〕の表示値で105〜120%となるように制御した生育室に移動し、50〜100ルクス以下の照明下、9〜11日間生育させることにより、成熟子実体を得、収穫を行った。総栽培日数は126〜128日であった。上記方法にて製造した10ロットの結果を以下に示す。
Figure 2009045062
表1に示すように、培養ビン1本あたりの平均収量が下記の比較例1と比較して危険率5%の検定において有意に増加した(P=0.006)。
比較例1
培養工程の全期間を通じて照明を点けずに培養を行った以外は実施例1と同様に栽培を行った。培養工程中に子実体原基は形成されず、次工程で子実体原基を形成させるため、芽出し工程は10日間となり、その結果総栽培日数は129〜131日間となった。上記方法にて製造した10ロットの結果を以下に示す。
Figure 2009045062
表2に示すように、実施例1と比較して、培養ビン1本あたりの平均収量は少ない値となった。
本発明により、ホンシメジの安定生産を可能にする菌床栽培方法及び培養中に子実体原基形成を行わせしめた培養中のホンシメジ菌床栽培用培養物が提供される。当該培養物は清浄な状態に維持されており、子実体原基形成が清浄な環境下で行えること、子実体原基形成後の培養物をそのまま、清浄な条件下で遠隔地のキノコ栽培施設に移送できる点においても有用である。本発明により、総栽培日数が短縮し、かつホンシメジ生産が安定した、効率のよい大規模商業栽培が可能になる。

Claims (5)

  1. ホンシメジの菌床栽培方法において、培養中に子実体原基形成を行わせしめることを特徴とするホンシメジの菌床栽培方法。
  2. 培養中の菌床栽培用培養基に光照射を行い、子実体原基形成を行わせしめることを特徴とする請求項1記載のホンシメジの菌床栽培方法。
  3. 光照射時期が培養後期である請求項2に記載のホンシメジの菌床栽培方法。
  4. 光照射が積算照度で20ルクス時間以上である請求項2又は3いずれか記載のホンシメジの菌床栽培方法。
  5. 培養中に子実体原基形成を行わせしめた培養中のホンシメジ菌床栽培用培養物。
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