JP2009045038A - 引き起こし作業用器具及びそれを用いた引き起こし方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】背の高い柱状部材であっても登ることなく、引き起こしている最中に柱状部材から外れることがなく、安定して引き起こし作業を行うことができる引き起こし作業用器具と、その引き起こし作業用器具を用いた傾斜した柱状部材の引き起こし方法を提供する。
【解決手段】傾斜した状態の柱状部材を、地面に配された牽引手段によって牽引して引き起こす際に使用される引き起こし作業用器具100であって、前記柱状部材に巻き掛けられた固定ワイヤ20の一端側が係止される係止部10bと、前記固定ワイヤ20の他端側が遊挿状態で挿通されるワイヤ挿通溝11とを有する器具本体10と、牽引ワイヤ40を介して前記牽引手段が接続され、前記牽引ワイヤ40を介して前記牽引手段によって牽引されることで、前記固定ワイヤ20を前記ワイヤ挿通溝11の壁面に押圧して前記器具本体10に固定する固定手段とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、傾斜した樹木、偏心木、電柱の引き起こし作業用器具及びそれを用いた引き起こし方法に関する。
一般に、傾斜した樹木を伐採するときは、まず樹木を引き起こして、ある程度傾斜を直してから伐採を行っている。この際、台付けワイヤと呼ばれる両端部に輪を有する固定・牽引用のワイヤを、引き起こしたい樹木に取り付け、その後、台付けワイヤを牽引機械で牽引することで、傾斜した樹木を引き起こしている。牽引機械には例えば、チルホールなどの機械が使用されている。
ここで、引き起こしたい樹木が背の低い樹木である場合には、地上から台付けワイヤを取り付けることができるので、特に問題は無かった。しかし、引き起こしたい樹木が背の高い樹木である場合は、梯子や昇柱機を用いて樹木に登って台付けワイヤを取り付けなければならず、作業者が転落してしまう危険性があった。
なお、樹木に登ることなく、かぎ状のフック材とそれに続く倒木用ロープとを樹木に取り付ける倒木用ロープ取り付け具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−20528号公報
特許文献1に記載の倒木用ロープ取り付け具は、背の高い樹木に登らなくても倒木用ロープを取り付けることができるものの、傾斜した樹木の引き起こし作業に使用すると、フック材が樹木からはずれてしまい、安定して引き起こし作業を行うことができない虞がある。
なお、こうした引き起こし作業は、傾斜した樹木に対してだけではなく、豪雪で倒れた樹木が倒れかかることで傾斜した電柱、車両等が衝突することで折れた電柱及び土砂崩れ等によって傾斜した電柱等に対しても行われる場合がある。
本発明はこのような事情に鑑みて発明されたものであり、背の高い柱状部材であっても登ることなく、引き起こしている最中に柱状部材から外れることがなく、安定して引き起こし作業を行うことができる引き起こし作業用器具と、その引き起こし作業用器具を用いた傾斜した柱状部材の引き起こし方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、傾斜した状態の柱状部材を、地面に配された牽引手段によって牽引して引き起こす際に使用される引き起こし作業用器具であって、前記柱状部材に巻き掛けられた固定ワイヤの一端側が係止される係止部と、前記固定ワイヤの他端側が遊挿状態で挿通されるワイヤ挿通溝とを有する器具本体と、牽引ワイヤを介して前記牽引手段が接続され、前記牽引ワイヤを介して前記牽引手段によって牽引されることで、前記固定ワイヤを前記ワイヤ挿通溝の壁面に押圧して前記器具本体に固定する固定手段とを具備することを特徴とする引き起こし作業用器具にある。
かかる第1の態様では、背の高い柱状部材であっても、登らずに引き起こし作業を行うことができる。それだけでなく、固定手段が牽引手段で牽引されている間は、固定ワイヤと引き起こし作業用器具とで柱状部材が挟持され続ける。したがって、柱状部材が多少揺動したとしても外れてしまうことが無く、安定して引き起こすことができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様の引き起こし作業用器具において、前記固定手段は、前記牽引手段による牽引が解除されることで、前記固定ワイヤの、前記器具本体の前記ワイヤ挿通溝の壁面への押圧状態を解放することを特徴とする引き起こし作業用器具にある。
かかる第2の態様では、牽引手段の牽引力を解放すれば、柱状部材から容易に外すことができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様の引き起こし作業用器具において、前記器具本体は、前記柱状部材に当接する当接部を有し、この当接部の表面が、前記柱状部材の表面形状に沿って形成されていることを特徴とする引き起こし作業用器具にある。
かかる第3の態様では、当接部の多くの部分が柱状部材に当接するので、柱状部材を安定して把持することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか一つの態様の引き起こし作業用器具を用いた引き起こし方法であって、傾斜した柱状部材に固定ワイヤを巻き掛けた状態で前記固定ワイヤの一端側を前記器具本体の前記係止部に係止すると共に前記固定ワイヤの他端側を前記器具本体の前記ワイヤ挿通溝に挿通させ、挿通させた前記固定ワイヤを牽引して前記器具本体を前記柱状部材に密着させ、前記器具本体を前記柱状部材に密着させた状態で前記牽引ワイヤを介して前記固定手段に接続された前記牽引手段で前記柱状部材を牽引することで前記柱状部材を引き起こすことを特徴とする引き起こし作業用器具を用いた引き起こし方法にある。
かかる第4の態様では、背の高い柱状部材であっても登ることなく引き起こすことができる。それだけでなく、固定手段が牽引手段で牽引されている間は、固定ワイヤと本態様の引き起こし作業用器具とで柱状部材が挟持され続ける。したがって、柱状部材が多少揺動したとしてもはずれてしまうことが無く、安定して引き起こすことができる。
以上説明したように、本発明の引き起こし作業用器具及びそれを用いた引き起こし方法によれば、背の高い柱状部材であっても、登らずに引き起こし作業を行うことができる。それだけでなく、本発明の引き起こし作業用器具及びそれを用いた引き起こし方法によれば、固定手段が牽引手段で牽引されている間は、固定ワイヤと本発明の引き起こし作業用器具とで柱状部材が挟持され続ける。したがって、柱状部材が多少揺動したとしても外れてしまうことが無く、安定して引き起こすことができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具の概略図である。また、図2は、第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具のワイヤ挿通溝及びワイヤ固定装置の外観斜視図である。また、図3は、第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具の、レバーを牽引された時のワイヤ固定装置の様子を示した平面図である。
これらの図に示すように、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100は、半月状の器具本体10と、固定ワイヤ20を器具本体10に押圧固定するワイヤ固定装置30とで構成されている。なお、固定ワイヤ20とは、樹木200に巻き掛けて、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100の器具本体10と共に、樹木200を固定するワイヤのことを言う。
また、器具本体10の一方の端面は、樹木200の外周部分に当接する当接部10aとなっている。この当接部10aは、引き起こす樹木200の表面形状に沿った円弧状になっている。なお、この当接部10aの円弧の半径は、引き起こしたい樹木の半径以上になっているのが好ましく、引き起こしたい樹木の半径と同一であるとさらに好ましい。これにより、樹木表面に当接する部分が多くなり、樹木を安定して把持することができる。しかし実際には、樹木はそれぞれ径が違うため、1つ1つの樹木に合わせて作成するのは困難である。したがって、当接部10aの円弧の半径は、汎用性を考えて、引き起こしたい樹木の半径より大きな半径で、適宜決定されればよい。
また、器具本体10の当接部10aの端部には、樹木200に巻き掛けられた固定ワイヤ20の一端側が係止される半輪状の係止部10bが設けられている。
また、器具本体10は、所定の厚さの本体部10cと、器具本体10の係止部10bとは反対側の端部に設けられ、器具本体10の本体部10cよりも肉厚な肉厚部10dとを有している。そして、図2に示すように、肉厚部10dの端面には、固定ワイヤ20が挿通されるワイヤ挿通溝11が形成されている。また器具本体10のワイヤ挿通溝11に隣接した部分には、固定ワイヤ20をワイヤ挿通溝11の底面部分に押圧して固定するワイヤ固定装置30が配されている。
ここで、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100のワイヤ固定装置30は、電線を一時的に把持する工具である、いわゆるカムラーと同様の構造を有している。
すなわち、ワイヤ固定装置30は、回動するカム31と、固定ワイヤ20を器具本体10の肉厚部10dの端面に押圧する押圧部材32と、外部から牽引力を受けるレバー33とを有している。なおワイヤ固定装置30は、押圧部材32が、ワイヤ挿通溝11の底面部分、つまり肉厚部10dの端面に対向するように配されている。
カム31は、への字型をした部材であって、一方側の突出した部分が係止ピン34aで器具本体10に回動可能に係止されている。また、押圧部材32は、肉厚な扇型をした部材であって、いわゆる扇の要に相当する部分が、カム31のへの字型の頂点部分にボルト35によって固定されている。また、レバー33は、両端部が丸くなった矩形の部材であって、一方側の端部が、カム31の他方側の突出した部分に係止ピン34bで係止されている。また、レバー33の他方側の端部には、レバー33を厚さ方向に貫通する孔33aが設けられており、図1に示すように、牽引ワイヤ40が係止される。なお、牽引ワイヤ40とは、樹木を牽引して引き起こすためのワイヤのことを言う。また、牽引ワイヤ40は、図示しないが、地面に配された牽引装置に接続されており、牽引装置によって牽引される。
このように構成されたワイヤ固定装置30のレバー33が、牽引ワイヤ40を介して牽引装置で牽引されると、係止ピン34bでレバー33に接続されたカム31が、係止ピン34aを支点に回動する。このカム31の回動に伴って押圧部材32も回動する。この一連のワイヤ固定装置30の各部材の動作により、図3に示すように、ワイヤ挿通溝11内にある固定ワイヤ20は、ワイヤ挿通溝11の底面部分、つまり器具本体10の肉厚部10dの端面に押圧されて固定される。
ここで、器具本体10は、ワイヤ固定装置30の肉厚部10dとは反対側の領域に、肉厚部10dと同一の厚さであり、レバー33の軌道を制限する制動部10eが配されている。これにより、ワイヤ固定装置30のレバー33は、固定ワイヤ20から離れる方向に牽引されても制動部10eに当たり、当たった部分を中心に回転する。したがって、ワイヤ固定装置30は、レバー33が固定ワイヤ20から離れる方向に牽引される場合でも、上記で説明したように、カム31及び押圧部材32が回動し、固定ワイヤ20は、ワイヤ挿通溝11の底面部分、つまり肉厚部10dの端面に、押圧されて固定される。
また、器具本体10は、肉厚部10dの表面部分、すなわちワイヤ挿通溝11の側面から、器具本体10の本体部10cの表面に沿って制動部10eまで延設された平板状の逃げ防止部10fが配されている。つまり、固定ワイヤ20とワイヤ固定装置30は、図3に示すように、器具本体10の本体部10cと、逃げ防止部10fとの間に配される。これにより、ワイヤ固定装置30で固定ワイヤ20が押圧される方向に対して交差する方向には、器具本体10の本体部10cと、逃げ防止部10fとがあり、押圧される際に固定ワイヤ20が逃げてしまうことが、確実に防止される。したがって、ワイヤ固定装置30のレバー33が牽引されると、ワイヤ挿通溝11内の固定ワイヤ20は、ワイヤ挿通溝11の底面部分、つまり肉厚部10dの端面に、確実に押圧されて固定される。
以下より、上で説明した本実施形態に係る引き起こし作業用器具を使用して、傾斜した樹木200を引き起こす方法を、図を参照しながら詳細に説明する。
図4〜6は、本実施形態に係る引き起こし作業用器具を用いた、傾斜した樹木の引き起こし作業の方法を示した模式図である。また、図示しないが地面には樹木200を引き起こす牽引力を発生させる牽引装置が配されている。なお、牽引装置としては、例えばチルホール等を用いればよい。
まず、図4に示すように、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100の器具本体10の係止部10bに、固定ワイヤ20の一端側を係止する。次に、本実施形態に係る引き起こし作業用器具のワイヤ固定装置30のレバー33の孔33aに、牽引装置に繋がった牽引ワイヤ40を接続する。次に、固定ワイヤ20の他端側を、樹木200に回し掛ける。ここで、固定ワイヤ20は、枝のない幹の部分に回し掛けるとずり落ちてしまうので、枝の付け根部分に引っかかるように回し掛ける。
なお、引き起こす樹木200が背の高い樹木である場合には、先端に把持装置が付いた棒を使用して、固定ワイヤ20を把持しながら、所望する場所に固定ワイヤ20を持っていき、回し掛ければよい。なお、このとき、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100は、地面に置いておけばよい。
次に、図5に示すように、回し掛けた固定ワイヤ20を、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100の器具本体10のワイヤ挿通溝11に挿通させ、挿通させた固定ワイヤ20を牽引する。これにより、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100が、樹木200の、固定ワイヤ20を回し掛けた部分に近づいていく。固定ワイヤ20の牽引は、器具本体10の当接部10aが樹木200に密着し、樹木200が十分に締め付けられるまで行う。
なお、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100は、樹木200に当接する当接部10aが円弧状になっているので、固定ワイヤ20を牽引すると、固定ワイヤ20と器具本体10の当接部10aとで、樹木200はしっかりと挟持される。
最後に、図6に示すように、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100のワイヤ固定装置30のレバー33を、牽引ワイヤ40を介して地上に配された図示しない牽引装置で牽引する。これにより、上述したように、ワイヤ固定装置30によって、ワイヤ挿通溝11内の固定ワイヤ20が、器具本体10の肉厚部10dの端面に押圧固定され、固定ワイヤ20が樹木200に密着したままの状態で固定される。この固定ワイヤ20の押圧固定は、ワイヤ固定装置30が牽引装置に牽引されている間は、解放されることはない。したがって、固定ワイヤ20の牽引を中止しても構わない。あとは、このまま牽引ワイヤ40を介して牽引装置で樹木200を牽引することで、固定ワイヤ20と本実施形態に係る引き起こし作業用器具100の当接部10aとで挟持された状態が保たれたまま、樹木200を引き起こすことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100によれば、地上にいながら傾斜した樹木の引き起こし作業を行うことができる。これにより、作業者の転落の心配がなく、作業の安全性を大幅に向上させることができる。さらに、傾斜した樹木の引き起こしにかかる作業時間を大幅に減少させることができるとともに、作業者の疲労も軽減することができる。
また、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100によれば、背の高い樹木であっても、先端に把持装置が付いた棒を使用して固定ワイヤ20を把持しながら所望する場所に固定ワイヤ20を持って行って回し掛けることで、樹木に登ることなく、同様に引き起こし作業を行うことができる。
また、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100によれば、牽引装置で樹木を牽引している間は、ワイヤ固定装置30によって固定ワイヤ20が器具本体10の肉厚部10dに押圧されて固定され続ける。これにより、引き起こし作業中に樹木が多少揺動したとしても固定ワイヤ20が緩んでしまうことがなく、安定して樹木を引き起こすことができる。
本実施形態に係る引き起こし作業用器具100は、上述したように構成されているが、これに限定されるものではない。
上述した実施形態では、器具本体10が半月状の形状をしているが、特に限定されるものではなく、例えば長方形状でも構わない。
また上述した実施形態では、引き起こし作業用器具100の当接部10aは、滑らかな円弧状になっているが、例えば当接部10aをノコギリ状にして樹木の表面に噛ませられるようにしてもよい。また当接部10aに硬質ゴムなどを用いてもよい。これにより、より確実に樹木を把持することができる。
また、上述した実施形態ではワイヤ固定装置30は1つであるが、2つ以上設けても構わない。
また、図4〜6を用いて本実施形態に係る引き起こし作業用器具100を使用した引き起こし方法を示したが、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100を使用した引き起こし方法はこれに限定されるものではない。
(実施形態2)
図7は、本発明の第2の実施形態に係る引き起こし作業用器具の概略図である。なお、第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具と同一の部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
この図に示すように、本実施形態に係る引き起こし作業用器具100Aには、係止部10bにベルト状のスリング50が係止されており、スリング50に固定ワイヤ20が係止されている。なお、このスリング50は、固定ワイヤ20の径に比べて幅方向が広くなっているベルト状の部材であって、例えば、ナイロンや金属製のメッシュ等からなる。これにより図7に示すように樹木200は、スリング50と当接部10aとで挟持されるようになり、固定ワイヤ20で樹木を挟持する場合よりも安定して樹木を挟持することができる。
また、器具本体10の肉厚部10d側には、取り外しワイヤ60が係止される半輪状の係止部10gが設けられており、当該係止部10gに取り外しワイヤ60が係止されている。なお、取り外しワイヤ60とは、引き起こし作業用器具100Aの取り外しに用いるワイヤのことを言う。
ここで、樹木200から引き起こし作業用器具100Aを取り外す際に、ワイヤ挿通溝11に固定ワイヤ20が引っかかってしまうなどして、樹木200から引き起こし作業用器具100Aが取り外しにくくなってしまう可能性がある。
本実施形態に係る引き起こし作業用器具100Aでは、樹木200の引き起こし作業が終了した段階で、固定ワイヤ20及び牽引ワイヤ40の牽引を中止し、地上から取り外しワイヤ60を牽引することで、地上にいながらにして容易且つ確実に引き起こし作業用器具100Aを樹木200から取り外すことができる。
ここで、引き起こし作業用器具100Aを樹木200に取り付ける過程で小枝や他の木等が邪魔になった場合、固定ワイヤ20の牽引する角度を変えるなどしてこの小枝や他の木等をかわす必要がある。
本実施形態に係る引き起こし作業用器具100Aでは、取り外しワイヤ60を牽引することにより固定ワイヤ20を緩ませることができる。したがって、容易に小枝や他の木等の障害物をかわすことができる。
以上のように本発明に係る引き起こし作業用器具について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、傾斜した樹木を引き起こす例を示したが、傾斜した電柱に対しても、登るための足場が形成された電柱の胴部に固定ワイヤ20を巻き掛けることによって、樹木の場合と同様に、地上にいながら安定して引き起こすことができる。
本発明の第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具の概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具の外観斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具の平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具を用いた引き起こし作業の方法を示した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具を用いた引き起こし作業の方法を示した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る引き起こし作業用器具を用いた引き起こし作業の方法を示した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る引き起こし作業用器具の概略図である。
符号の説明
10 器具本体
10a 当接部
10b 係止部
10c 本体部
10d 肉厚部
10e 制動部
10f 逃げ防止部
10g 係止部
11 ワイヤ挿通溝
20 固定ワイヤ
30 ワイヤ固定装置
31 カム
32 押圧部材
33 レバー
33a 孔
34a 係止ピン
34b 係止ピン
35 ボルト
40 牽引ワイヤ
50 スリング
60 取り外しワイヤ
100 引き起こし作業用器具
100A 引き起こし作業用器具
200 樹木

Claims (4)

  1. 傾斜した状態の柱状部材を、地面に配された牽引手段によって牽引して引き起こす際に使用される引き起こし作業用器具であって、
    前記柱状部材に巻き掛けられた固定ワイヤの一端側が係止される係止部と、前記固定ワイヤの他端側が遊挿状態で挿通されるワイヤ挿通溝とを有する器具本体と、
    牽引ワイヤを介して前記牽引手段が接続され、前記牽引ワイヤを介して前記牽引手段によって牽引されることで、前記固定ワイヤを前記ワイヤ挿通溝の壁面に押圧して前記器具本体に固定する固定手段とを具備することを特徴とする引き起こし作業用器具。
  2. 請求項1に記載の引き起こし作業用器具において、
    前記固定手段は、前記牽引手段による牽引が解除されることで、前記固定ワイヤの、前記器具本体の前記ワイヤ挿通溝の壁面への押圧状態を解放することを特徴とする引き起こし作業用器具。
  3. 請求項1又は2に記載の引き起こし作業用器具において、
    前記器具本体は、前記柱状部材に当接する当接部を有し、この当接部の表面が、前記柱状部材の表面形状に沿って形成されていることを特徴とする引き起こし作業用器具。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の引き起こし作業用器具を用いた引き起こし方法であって、
    傾斜した柱状部材に固定ワイヤを巻き掛けた状態で前記固定ワイヤの一端側を前記器具本体の前記係止部に係止するとともに前記固定ワイヤの他端側を前記器具本体の前記ワイヤ挿通溝に挿通させ、挿通させた前記固定ワイヤを牽引して前記器具本体を前記柱状部材に密着させ、前記器具本体を前記柱状部材に密着させた状態で前記牽引ワイヤを介して前記固定手段に接続された前記牽引手段で前記柱状部材を牽引することで前記柱状部材を引き起こすことを特徴とする引き起こし作業用器具を用いた引き起こし方法。
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