以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明に係る通信装置及び外部の通信装置の内部構成を示すブロック図である。図1には、通信装置の一例である複合機1と、外部の通信装置の一例である携帯電話機2とが示されている。
複合機1は、通常の電話機能の他、例えばインクジェット方式の印刷機能、画像読取機能(スキャナ機能)、及び画像データの通信機能(ファクシミリ送受信機能)等の各機能を複合的に備えたものである。複合機1は、例えば画像データを送信するときには、画像読取機能を用いて原稿を読み取り、読み取った原稿の画像データを通信機能によって相手先に送信する。また、通信機能によって画像データを受信したときには、印刷機能を用いて画像データの内容を所定の記録用紙に印字する。なお、この複合機1は、例えばパーソナルコンピュータに接続された状態で、印刷装置やスキャナ装置として利用することもできる。また、画像読取機能と印刷機能とを連動させることで、コピー機として利用することもできる。
複合機1の内部には、制御部31が備えられている。制御部31は、CPU32、ROM33、RAM34、及びEEPROM35を有している。CPU32、ROM33、RAM34、及びEEPROM35は、図示しないバスによって相互に接続されている。
また、制御部31には、表示部41、操作部42、読取部43、印刷部44、スピーカ45、電源検出部46、LAN I/F部47、ハンドセット49が接続されたNCU48、並びに転送I/F部50が接続されている。なお、電源検出部46には、電源ケーブル14を介して電源コネクタ15が接続されている。LAN I/F部47には、LANケーブル16を介してLAN17が接続され、さらに図示しないルータ装置を介してインターネット18が接続されている。しかしながら、LAN制御部47は、LANケーブル16を介さずに無線LANによってインターネット18に接続されるものであってもよい。また、NCU48には、通信ケーブル19を介して公衆電話回線(PSTN)20が接続されている。
CPU32は、複合機1全体の動作を制御するものである。また、詳しくは後述するが、CPU32は、転送I/F部50を介して取得した電話帳データ(通信先データ)をEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶させる制御を行う。
ROM33は、CPU32が実行すべき各種動作プログラム、各種処理に用いられる定数、表示部41に表示すべき表示データ、及び電話機能におけるデータ等を記憶するものである。また、動作プログラムの1つとして、携帯電話機2等の外部の通信装置から取得した電話帳データを記憶する電話帳データ取得プログラム(通信プログラム)が含まれている。RAM34は、CPU32の作業領域等を提供するものである。EEPROM35は、各種のデータを記憶するものであり、記憶されたデータはCPU32の指令により必要に応じてEEPROM35から読み出される。
また、EEPROM35は、電話帳記憶エリアを有し、相手先名に対応させて電話番号やメールアドレスを複数記憶可能である。ユーザは、操作部42上のキー操作によって、自由に相手先名(宛先名データ)とその相手先の電話番号(宛先データ)とを対応させて、電話帳データ(通信先データ)として電話帳記憶エリアに記憶させておくことができる(即ち、電話帳登録機能を備えている)。また、携帯電話機2等の外部の通信装置から取得した電話帳データも、電話帳記憶エリアに記憶させておくことができる。電話帳データは、電話帳データNo.、宛先名、フリガナ、電話番号1、電話番号2、メールアドレス1、及び、メールアドレス2で構成されている。なお、電話帳データとして、これら全ての項目含む必要はなく、少なくとも電話番号又はメールアドレスが含まれていればよい。
同様に、ワンタッチキー機能や短縮ダイヤル機能で用いる簡易キーの番号等も、ユーザが操作部42を通じて入力操作した場合に、順次EEPROM35に記憶される。
また、EEPROM35は、履歴情報記憶エリアを有し、ユーザが電話機能により相手先と通話したとき、複合機1から発信して通話したことを示す通話発信履歴、及び相手先からの呼出に着信したことを示す通話着信履歴といった電話機能に関する履歴情報(通信履歴)を記憶可能である。
さらに、EEPROM35の履歴情報記憶エリアには、画像データを送信したことを示すFAX送信履歴、及び画像データを受信したことを示すFAX受信履歴といったファクシミリ機能に関する履歴情報(通信履歴)を記憶可能である。図2は、EEPROM35の履歴情報記憶エリアに記憶された通話発信履歴351及び通話受信履歴352の例を示す図である。また、図3は、FAX送信履歴353及びFAX受信履歴354の例を示す図である。
図2に示すように、通話発信履歴351及び通話着信履歴352は、相手先と通話が行われたときに、発信日付又は着信日付、発信時刻又は着信時刻、相手先の電話番号(宛先データ)、並びに通話時間等が順次EEPROM35の履歴情報記憶エリアに記憶される。また、図3に示すように、FAX送信履歴353及びFAX受信履歴354は、ファクシミリを送信したり受信した場合に、送信日付又は受信日付、送信時刻又は受信時刻、相手先のファクシミリ番号又は相手先のメールアドレス(宛先データ)、並びに送受信したファクシミリの枚数等が順次EEPROM35の履歴情報記憶エリアに記憶される。
表示部41は、設定メニューや操作ガイダンス等を表示するものであり、上述の動作プログラムの1つに基づいたCPU32の実行する処理によって、表示データがROM33から読み出されることにより表示される。
操作部42は、各種操作キーを有し、ユーザが各種操作キーを押下すると、その押下情報がCPU32に伝達され、CPU32によって押下情報に応じた処理が行われる。
読取部43は、例えばイメージセンサ、LED光源、及び原稿送りモータ(いずれも図示せず)等を備え、CPU32の制御に応じてファクシミリ原稿等からイメージ画像を読み取るものである。
印刷部44は、感熱方式又はインクジェット方式等により文字や図形等の画像をモノクロ又はカラーで印刷するものである。
スピーカ45は、例えば留守番電話録音機能の設定時に案内メッセージとしての音声データ、及び留守番電話録音機能で録音した受信音声データを外部に出力するためのものであり、CPU32の指令に応じてこれらの音声データを再生出力する。
電源検出部46は、商用電源が投入されたことを検出するものである。具体的には、電源検出部46は、電源ケーブル14及び電源コネクタ15が電源コンセントに差し込まれたことにより、商用電源が本体11に投入されたことを検出する。
LAN I/F部47は、インターネットファクシミリ装置としての通信機能を実現する処理部である。すなわち、LAN I/F部47は、CPU32等をLAN92に接続するためのインタフェース回路であり、プロトコル変換などの処理を行う。
LAN I/F部47には、複合機1の他、クライアントコンピュータ、メールサーバ及びルータ装置等が接続される。そして、LAN I/F部47は、図示しないルータ装置を介してインターネット18に接続される。このようなネットワーク構成により、複合機1は、LAN17やインターネット18に接続された外部の通信装置との間で、データの送受信を行うことが可能となっている。
複合機1がインターネットファクシミリ装置として機能する場合には、LAN I/F47により、画像メールが添付された電子メールがLAN17上のメールサーバとの間で送受信される。この電子メールはさらに、LAN17やインターネット18上の多数のメールサーバを経由して相手先装置との間で送受信される。
NCU48は、PSTN20に接続されることにより、G3ファクシミリ装置としての通信機能と、電話装置としての通信機能を実現する処理部である。つまり、NCU48は、アナログのPSTN20の直流ループの閉結及び開放などの動作を行うハードウェア回路であり、必要に応じてPSTN20に接続する。
転送I/F部50は、RS232C等のインタフェースを備え、ケーブル(有線)で形成された伝送路を介して電話帳データを携帯電話機2に送信したり、伝送路(有線)を介して携帯電話機2から伝送されてくる電話帳データを取得したりするものである。
しかしながら、伝送路はケーブルによって形成されるものに限られない。例えば、転送I/F部50が、無線送受信部、送受信アンテナを備え、無線空間で形成された伝送路を介して電話帳データを電波で携帯電話機2に送信したり、伝送路(無線空間)を介して携帯電話機2から電波で伝送されてくる電話帳データを取得したりしてもよい。また、転送I/F部50が、光送受信部、投光器/受光器を備え、無線空間で形成された伝送路を介して電話帳データを光信号で携帯電話機2に送信したり、伝送路(無線空間)を介して携帯電話機2から光信号で伝送されてくる電話帳データを取得したりしてもよい。
次に携帯電話機2の構成について、図1を参照して説明する。携帯電話機2は、情報処理が行える通信機能を有する携帯情報端末であれば、それ以外のものも含まれる。携帯電話機2の内部には、図1に示すように、制御部51が備えられている。制御部51は、CPU52、ROM53、RAM54、及びEEPROM55を有している。CPU52、ROM53、RAM54、及びEEPROM55は、図示しないバスによって相互に接続されている。制御部51には、無線通信部56、表示部22、操作部23、スピーカ24、マイクロフォン25、バッテリ58、及び充電回路57が接続されている。
CPU52は、携帯電話機2の全体動作を制御するものである。また、CPU52は、複合機1から電話帳データの要求がある場合、要求に応じた電話帳データをEEPROM55から読み出して転送I/F部26を介して複合機1に送信させる制御を行う。この処理については後述する。
ROM53は、CPU52が実行すべき各種動作プログラム、各種処理に用いられる定数、表示部22に表示すべき表示データ、及び電話機能におけるデータ等を記憶するものである。RAM54は、CPU52の作業領域等を提供するものである。EEPROM55は、各種のデータを記憶するものであり、記憶されたデータはCPU52の指令により必要に応じてEEPROM55から読み出される。
EEPROM55は、複合機1のEEPROM35と同様に電話帳記憶エリアを備え、相手先の電話番号等の電話帳データ(外部通信先データ)が記憶されている。電話帳データである相手先の電話番号等は、複合機1の場合と同様に、ユーザが操作部23を通じて入力操作を行うことにより、順次EEPROM35に記憶される。また、外部の通信装置から取得された電話帳データをEEPROM55の電話帳記憶エリアに記憶することも可能である。
図4は、EEPROM55に記憶されている電話帳データ551〜553を示す図である。図4に示すように、電話帳データ551〜553は、電話帳データNo.、宛先名、フリガナ、電話番号1、電話番号2、メールアドレス1、及び、メールアドレス2で構成されている。なお、電話帳データとして、これら全ての項目含む必要はなく、少なくとも電話番号又はメールアドレスが含まれていればよい。
表示部22は、設定メニューや操作ガイダンス等を表示するものであり、上述の動作プログラムの1つに基づいたCPU52の実行する処理によって、表示データがROM53から読み出されることにより表示される。
操作部23は、各種操作キーを有し、ユーザが各種操作キーを押下すると、その押下情報をCPU52に伝達するものである。伝達された押下情報は、CPU52によって押下情報に応じた処理が行われる。
無線通信部56は、アンテナ56aを備え、制御チャネルや通話チャネルを用いて複合機1あるいは他の携帯電話機2との間で音声信号や各種のデータのやり取りを行うものである。
スピーカ24及びマイクロフォン25は、これらによって、外部の通信装置との間で通話が可能に構成されるものである。
転送I/F部26は、RS232C等のインタフェースを備え、ケーブル(有線)で形成された伝送路を介して電話帳データを複合機1に送信したり、伝送路を介して複合機1から伝送されてくる電話帳データを取得したりするものである。しかしながら、伝送路はケーブルによって形成されるものに限られず、上述したように、電波や光信号によって形成されるものであってもよい。
続いて、複合機1が携帯電話機2に記憶されている電話帳データを取得して、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶する時の動作を、図5及び図11を参照して説明する。図5は、複合機1における電話帳データ取得プログラムの一連の動作を示すフローチャートである。
まず、図5において、ユーザの操作部42上のキー操作により、メニューから電話帳データ取得モードが選択されると、CPU32は、電話帳データ取得プログラムを起動し、電話帳データ取得モードへの移行処理を開始する(S1)。ここで、電話帳データ取得モードへの移行処理について、図11を参照して説明する。図11は、電話帳データ取得モードへの移行処理(S1)を示すフローチャートである。
上記のように、電話帳データ取得モードへの移行処理を開始すると、図11に示すように、転送I/F部50が起動する(S101)。この際、複合機1の転送I/F部50と携帯電話機2の転送I/F部26との間に伝送路が形成され、複合機1は、携帯電話機2と接続している状態となる。
次に、CPU32は、この時複合機1におけるEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されている電話帳データの件数が、記憶可能件数に達しているか否かを判断する(S102)。CPU32は、電話帳記憶エリアに記憶されている電話帳データの件数が、記憶可能件数に達していると判断した場合(S102:YES)、これ以上電話帳データを記憶することができないメッセージや、記憶されている電話帳データを消去するように促すメッセージを表示し(S103)、電話帳データ取得モードへの移行処理、及び電話帳データ取得プログラムを終了する。従って、ユーザは電話帳記憶エリアに電話帳データを記憶できない状態を速やかに確認することができ、その状態に対して、次の作業(例えば、電話帳データの取得を中止したり、記憶されている電話帳データを削除したりする作業)に移行することができる。
一方、CPU32は、電話帳記憶エリアに記憶されている電話帳データの件数が、記憶可能件数に達していないと判断した場合(S102:NO)、端末種別の選択画面を表示する(S104)。続いて、CPU32は、操作部42を通じて、ユーザによる端末種別の選択操作を検出したか否かを判断する(S105)。なお、端末種別の選択操作とは、電話帳データ取得対象が、例えば携帯電話機であるという、選択操作に相当するものである。
CPU32は、端末種別の選択操作を検出していないと判断すると(S105:NO)、端末種別の選択操作を検出したと判断するまでS105の判断を繰り返す。一方、CPU32は、端末種別の選択操作を検出したと判断すると(S105:YES)、電話帳データ取得対象の携帯電話機2に対して電話帳データの読出転送を要求する読出要求コマンドを発行し、この読出要求コマンドを、転送I/F部50を通じて携帯電話機2に送信する(S106)。
続いて、CPU32は、転送I/F部50を通じて、携帯電話機2から読出応答コマンドを受信する(S106)。尚、読出応答コマンドとは、読出要求コマンドに応答したことを示す携帯電話機2からの応答を示すコマンドに相当するものである。
次に、CPU32は、操作部42を通じて、ユーザによる携帯電話機2から取得する電話帳データの電話帳データNo.の入力操作がされたか否かを検出する(S107)。CPU32は、電話帳データの電話帳データNo.の入力操作がされていないと判断すると(S107:NO)、電話帳データの電話帳データNo.の入力操作がされるまでS107の判断を繰り返す。一方、CPU32は、電話帳データの電話帳データNo.の入力操作がされたと判断すると(S107:YES)、携帯電話機2のEEPROM55に記憶されている電話帳データの全てを取得するように、全ての電話帳データNo.を入力されたかを判断する(S108)。この際、ユーザによる操作部42のキー操作で全ての電話帳データNo.を入力をする必要はなく、「電話帳データの全件取得」という選択肢を表示部41に表示させ、ユーザに選択可能に構成すればよい。
CPU32は、ユーザによって「電話帳データの全件取得」が選択されたと判断した場合(S108:YES)、携帯電話機2のEEPROM55の電話帳記憶エリアに記憶されている全ての電話帳データを取得することを示す全件取得の指定読出要求コマンドを作成し、転送I/F部50を介して携帯電話機2に送信する(S109)。ここでは、「電話帳データの全件取得」が選択されたとする。一方、CPU32は、ユーザによって「電話帳データの全件取得」が選択されていないと判断した場合(S108:YES)、ユーザによる操作部42のキー操作によって電話帳データNo.が個別に入力されたと判断し、電話帳データNo.に対応する個別の電話帳データを取得することを示す個別取得の指定読出要求コマンドを作成し、転送I/F部50を介して携帯電話機2に送信する(S110)。この場合については、後に詳述する。
以上のように、S109又はS110の処理を終了すると、CPU32は、電話帳データ取得モードへの移行処理を終了し、図5に示す電話帳データ取得プログラムの処理に戻る。
このようにして、携帯電話機2のCPU52は、複合機1から全件取得の指定読出要求コマンドを転送I/F部26を介して受信すると、EEPROM55の電話帳記憶エリアに記憶された全ての電話帳データを転送I/F部26を介して複合機1に送出する。
次に、CPU32は、転送I/F部50を介して、取得した電話帳データをRAM34に順次記憶していき、携帯電話機2から要求した全ての電話帳データを取得完了したか否かを判定する(S2)。CPU32は、携帯電話機2から要求した全ての電話帳データを取得していないと判断すると(S2:NO)、要求した全ての電話帳データを取得するまでS2の判断を繰り返す。
一方、CPU32は、要求した全ての電話帳データを取得したと判断すると(S2:YES)、取得した電話帳データが指定情報を含むか否かを判断する(S3)。指定情報とは、ユーザによる操作部42のキー操作によって電話帳データNo.が個別に入力された場合にのみ付加される情報である。すなわち、指定情報が付加されていることは、ユーザの意思によって選択された電話帳データであることを示す。全ての電話帳データを取得が指示された場合、指定情報が付加されていないので、CPU32は指定情報を含まないと判断し(S3:NO)、操作部42を通じて、ユーザによるモード選択操作を検出したか否かを判断する(S4)。ここでいうモードとは、後述する通信履歴を用いた電話帳登録処理(S5)における限定記憶モード又は優先記憶モードのいずれかのモードを示す。
限定記憶モードとは、携帯電話機2等の外部の通信装置から取得した電話帳データのうち、複合機1の通話発信履歴351、通話着信履歴352、FAX送信履歴353、及びFAX受信履歴354(以下、通信履歴と称す)として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含む電話帳データのみを記憶するモードである。つまり、複合機1のEEPROM35の電話帳記憶エリアには記憶されていないが、通話やFAX通信を行ったことがある相手先の電話帳データのみを記憶する。
一方、優先記憶モードとは、携帯電話機2等の外部の通信装置から取得した電話帳データのうち、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含む電話帳データを優先して記憶するモードである。つまり、複合機1のEEPROM35の電話帳記憶エリアには記憶されていないが、通話やFAX通信を行ったことがある相手先の電話帳データを優先的に記憶した後、複合機1で通話やFAX通信を行ったことがない電話帳データを複合機1の電話帳記憶エリアに記憶可能な件数になるまで記憶する。
CPU32は、操作部42を通じて、ユーザによる上記のモード選択操作を検出していないと判断すると(S4:NO)、ユーザによるモード選択操作を検出するまでS4の判断を繰り返す。一方、CPU32は、ユーザによる上記のモード選択操作を検出したと判断すると(S4:YES)、通信履歴を用いた電話帳登録処理に移行する(S5)。
ここで、通信履歴を用いた電話帳登録処理(S5)について、図6及び図7を参照して説明する。通信履歴を用いた電話帳登録処理(S5)は、S4にてユーザにより限定記憶モード又は優先記憶モードのいずれかのモードが選択されているため、その選択内容に従って行われる。本実施形態では、限定記憶モード及び優先記憶モードの例をそれぞれ3つ挙げて説明するが、まず初めに、限定記憶モードが選択されている場合の第一の例として、図6を参照して説明する。図6は、通信履歴を用いた電話帳登録処理(限定記憶モード1)の動作を示すフローチャートである。
図6において、CPU32は、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、1件を取り出す(S21)。取り出す順序としては、電話帳データの電話帳データNo.順が考えられるが、これに限られず、例えばユーザにかな文字やアルファベットを入力させ、電話帳データの宛先名がその文字から始まる電話帳データから順にデータを取得するように構成してもよい。この場合は、まず携帯電話機2に記憶された電話帳データ551(図4参照)が取り出されたものとする。
次に、CPU32は、取り出した電話帳データ551が、複合機1のEEPROM35内の履歴情報記憶エリアを参照して、通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含むか否かを判断する(S22)。CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含まないと判断した場合(S22:NO)、取り出した電話帳データを記憶せずに、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S52の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S24)。
一方、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含むと判断した場合(S22:YES)、その取り出した電話帳データを電話帳記憶エリアに記憶する(S23)。この場合、電話帳データ551は、複合機1のEEPROM35内の履歴情報記憶エリアに記憶されている通話発信履歴351(図2参照)及びFAX送信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0123456789」、「09012345678」、「t.suzuki@def.co.jp」を含んでいるので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されることになる。
次に、S22の判断においてNOと判断された場合、又はS23の処理を行うと、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S22の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S24)。CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがあると判断した場合(S24:YES)、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、別の1件を取り出す(S21)。
ここでは、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較されていない電話帳データ552が存在するので、この電話帳データ552について、S22〜24の処理が繰り返される。電話帳データ552は、複合機1の通話発信履歴351、通話着信履歴352(図2参照)、FAX送信履歴353及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレスを含んでいないので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されずに、次の電話帳データ553が取り出されることになる。電話帳データ553は、複合機1の通話着信履歴352(図2参照)及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0456789123」、「ichiro.y@nop.co.jp」を含んでいるので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されることになる。
以上のように、携帯電話機2から取得され、RAM34に記憶されている電話帳データを順に比較していき、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがないと判断した場合(S24:NO)、通信履歴を用いた電話帳登録処理(限定記憶モード1)を終了し、図5に示す電話帳データ取得プログラムの処理に戻る。
このように、本実施形態では、複合機1において、過去の通信において既に利用したことのある電話番号やメールアドレスを含む電話帳データのみを携帯電話機2から取得して記憶するので、複合機1で使用する可能性の高い電話帳データを確実に記憶することができ、ユーザの使い勝手が向上する。また、本実施形態の複合機1は、通信履歴から直接EEPROM35の電話帳エリアに記憶させることも可能である。しかしながら、この場合相手先名をユーザが入力する必要がある。本実施形態の通信履歴を用いた電話帳登録処理を用いれば、相手先名も自動的に付加された電話帳データを記憶するため、ユーザが煩雑な入力操作を行う必要がなく、効率的に必要な電話帳データを記憶させることができる。さらに、複合機1で使用する電話帳データのみを確実に記憶するため、携帯電話機2から取得する電話帳データが個人の電話帳データの場合、不用意に個人の電話帳データを取得することがなく、個人情報が流出するおそれがなくなる。
次に、優先記憶モードが選択されている場合の第一の例について図7を参照して説明する。図7は、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード1)の動作を示すフローチャートである。
図7において、S21〜24は図5における限定記憶モード1の処理と同様なので、説明は省略する。続いて、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがないと判断した場合(S24:NO)、S23の処理において記憶されなかった電話帳データを、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶可能な件数である限り順次記憶していく(S250)。その後、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード1)の処理を終了し、図4に示す電話帳データ取得モードの処理に戻る。
以上のような優先記憶モード1に従う電話帳登録処理で、例えば、初めに電話帳データ551(図4参照)が取り出されたとする(S21)。電話帳データ551は、複合機1の通話発信履歴351(図2参照)及びFAX送信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0123456789」、「09012345678」、「t.suzuki@def.co.jp」を含んでいるので(S22:YES)、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されることになる(S23)。
次に、電話帳データ552(図4参照)が取り出されたとする(S21)。電話帳データ552は、複合機1の通話発信履歴351、通話着信履歴352、FAX送信履歴353、FAX受信履歴354(図2及び3参照)の電話番号やメールアドレスを含んでいないため(S23:NO)、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されずに、次の電話帳データ553が取り出される(S24:YES,S21)。次に、電話帳データ553が取り出されたとすると、電話帳データ553は、複合機1の通話着信履歴352(図2参照)及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0456789123」、「ichiro.y@nop.co.jp」を含んでいるので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されることになる。
以上のように、RAM34に記憶されている電話帳データを順に比較していき、比較していない電話帳データがなくなった場合(S24:NO)、S23の処理において記憶されなかった電話帳データ552を、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶可能な件数であれば記憶する(S250)。
このように、本実施形態では、複合機1において、過去の通信において既に利用した電話番号やメールアドレスを含む電話帳データを優先して携帯電話機2から取得して記憶するので、複合機1で使用する可能性の高い電話帳データを優先して記憶することができ、ユーザの使い勝手が向上する。また、使用する可能性の高い電話帳データを記憶する前に、複合機1の電話帳記憶エリアの記憶可能件数を超えてしまう可能性が少なく、ユーザは、既に複合機1に記憶されている電話帳データの中から消去してもよい電話帳データを選択し、消去するという作業を行う必要がなく、操作が簡便である。
以上のように、通信履歴を用いた電話帳登録処理(S5)が終了すると、CPU32は、図5の電話帳データ取得プログラムの処理に移行し、通信履歴を用いた電話帳登録処理によってEEPROM35に記憶された電話帳データを表示部41に表示させる(S6)。このとき、電話帳データの内容全てを表示するのではなく、電話帳データの一部(例えば、相手先名のみ)を表示してもよいし、記憶した電話帳データの件数を表示させてもよい。このように、携帯電話機2から電話帳データを取得し、記憶した旨を表示すると、携帯電話機2から電話帳データを取得して記憶した旨を速やかに確認することができる。
また、この時RAM34に記憶されている携帯電話機2から取得した電話帳データを消去するように構成してもよい。このように、電話帳データを消去することで、複合機1のEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されていない不必要な電話帳データが、RAM34の領域を占めてしまうことがなく、RAM34の領域を有効に活用できる。また、個人情報である電話帳データを流出してしまうおそれをなくすことができる。
一方、図11において、ユーザによる操作部42のキー操作によって電話帳データNo.が個別に入力されたと判断された場合(S108:NO)について、説明する。電話帳データNo.は複数入力することも可能である。ここでは、電話帳データNo.「001」が指定読出要求コマンドとして入力されたとする。
図11において、CPU32は、ユーザによって「電話帳データの全件取得」が選択されていないと判断した場合(S108:YES)、ユーザによる操作部42のキー操作によって電話帳データNo.が個別に入力されたと判断し、電話帳データNo.に対応する個別の電話帳データを取得することを示す個別取得の指定読出要求コマンドを作成し、転送I/F部50を介して携帯電話機2に送信する(S110)。
このようにして、携帯電話機2のCPU52は、複合機1から全件取得の指定読出要求コマンドを転送I/F部26を介して受信すると、この指定読出要求コマンドに含まれる電話帳データNo.に対応した電話帳データをEEPROM55に記憶された電話帳エリアから検索する。ここでは、電話帳データNo.「001」に対応する電話帳データ551が検索される。次に、この検索した電話帳データ551を転送I/F部26を介して複合機1に転送する。
次に、CPU32は、転送I/F部50を介して、指定読出要求コマンドに対応する電話帳データ551を携帯電話機2から取得したか否かを判定する(S2)。CPU32は、携帯電話機2から電話帳データ551を取得していないと判断すると(S2:NO)、電話帳データ551を取得するまでS2の判断を繰り返す。
一方、CPU32は、電話帳データ551を取得したと判断すると(S2:YES)、電話帳データ551に指定情報を付加する。指定情報とは、ユーザによる操作部42のキー操作によって電話帳データNo.が入力される場合にのみ付加される情報である。すなわち、指定情報が付加されていることは、ユーザの意思によって選択された電話帳データであることを示す。
次に、CPU32は、取得した電話帳データ551は、指定情報を含むか否かを判断する(S3)。この場合、電話帳データ551に対して指定情報が付加されているので、CPU32は指定情報を含むと判断し(S3:YES)、EEPROM35に記憶されている電話帳記憶エリアの記憶可能件数を超えるか否かを判断する(S7)。
ここで、CPU32は、電話帳記憶エリアの記憶可能件数を超えると判断すると(S7:YES)、表示部41に電話帳データ551を記憶しない旨を表示させ(S11)、電話帳データ取得プログラムを終了する。一方、CPU32は、電話帳記憶エリアの記憶可能件数を超えないと判断すると(S7:NO)、電話帳データ551と同一の電話帳データが、既に複合機1のEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されているか否かを判断する(S8)。
ここで、CPU32は、電話帳データ551と同一の電話帳データが、既に複合機1のEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されていると判断すると(S8:YES)、表示部41に電話帳データ551を記憶しない旨を表示させ(S11)、電話帳データ取得プログラムを終了する。一方、CPU32は、電話帳データ551と同一の電話帳データが、未だ複合機1のEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されていないと判断すると(S8:NO)、電話帳データ551をEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶する(S9)。
続いて、CPU32は、S8で記憶した電話帳データ551を表示部41に表示させ(S10)、電話帳データ取得プログラムを終了する。このように、記憶された電話帳データを表示するので、ユーザは、電話帳データ551が複合機1の電話帳記憶エリアに記憶されたことを確認することができる。
このように、本実施形態では、ユーザによる操作部42のキー操作により電話帳データNo.が入力された場合、取得した電話帳データに指示情報を付加し、指示情報が付加された電話帳データには、通信履歴を用いた電話帳登録処理を行わずに電話帳データを記憶する。従って、ユーザの所望する電話帳データに対して速やかに記憶を行うことができる。
以上、限定記憶モード1及び優先記憶モード1に従って通信履歴を用いた電話帳登録処理の説明を行ったが、続いて、各モードの第二の例として図9を参照して説明する。図8は、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード2)の動作を示すフローチャートである。図9において、まずCPU32は、CPU32はRAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、1件を取り出す(S31)。この場合は、電話帳データ551(図4参照)が取り出されたとする。
次に、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含むか否かを判断する(S32)。CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含まない(S32:NO)と判断した場合、取り出した電話帳データを記憶せずに、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S32の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S34)。
一方、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含む(S32:YES)と判断すると、通信履歴の履歴番号とRAM34に記憶された電話帳データの格納先とを対応させてRAM34に記憶する(S33)。ここで、電話帳データ551は、複合機1の通話発信履歴351(図2参照)及びFAX送信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0123456789」、「09012345678」、「t.suzuki@def.co.jp」を3つ含んでいるが、そのなかで一番小さい履歴番号「002」が、RAM34に記憶された電話帳データ551の格納先とを対応付けられてRAM34に記憶される。履歴番号は、最新の履歴から順に番号が付けられているので、小さい履歴番号をもつ通信履歴であるほど、新しい通信履歴であるといえる。
次に、S32の処理でNOと判断するか、S33の処理を終えると、CPU32は、比較していない(S32の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S34)。CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがあると判断した場合(S34:YES)、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、別の1件を取り出す(S31)。ここでは、RAM34に記憶されている比較されていない電話帳データ552が存在するので、この電話帳データ552について、S32〜34の処理が繰り返される。
電話帳データ552は、複合機1の通話発信履歴351、通話着信履歴352(図2参照)、FAX送信履歴353及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレスを含んでいないので(S32:NO)、S34へ移行し、次の電話帳データ553が取り出される。電話帳データ553は、複合機1の通話着信履歴352(図2参照)及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0456789123」、「ichiro.y@nop.co.jp」を2つ含んでいるが(S32:YES)、そのなかで一番小さい履歴番号「001」が、RAM34に記憶された電話帳データ553の格納先とを対応付けられてRAM34に記憶される。
以上のように、RAM34に記憶されている電話帳データを順に比較していき、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがないと判断した場合(S34:NO)、S33で記憶した通信履歴の履歴番号が小さい順に、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶する(S35)。例えば、電話帳データ551〜553においては、電話帳データ553,551の順に記憶されることとなる。
続いて、CPU32は、S35の処理において記憶されなかった電話帳データを、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶可能な件数である限り順次記憶していく(S36)。従って、電話帳データ552は、電話帳記憶エリアに記憶可能な件数内であれば記憶されることになる。次に、CPU32は、S36の処理を終えると、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード2)を終了し、図5に示す電話帳データ取得モードの処理に戻る。
以上、優先記憶モードの第二の例を図8を用いて行ったが、本実施形態の様に、携帯電話機2から取得した電話帳データを1件ずつ取り出して通信履歴と比較するのに対して、通信履歴が含む電話番号やメールアドレスを取り出して、その電話番号やメールアドレスが携帯電話機2から取得した電話帳データに含まれているか否かを比較してもよい。また、限定記憶モードの第二の例については、図8のS36の処理を行わないだけであるので説明を省略する。
このように、本実施形態では、複合機1に記憶されている通信履歴の新しいものから順に電話帳データを携帯電話機2から取得して記憶する。つまり、最近使用された電話番号やメールアドレスについては、近いうちに再度使用する可能性が高いと考えられる。そのような電話帳データを、通信履歴の古い電話番号やメールアドレスを含むものよりも先にEEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶することは、通信装置を使用するユーザにとって使い勝手がよいものとなる。
続いて、各モードの第三の例として図9を参照して説明する。図9は、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード3)の動作を示すフローチャートである。図9において、まずCPU32は、CPU32はRAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、1件を取り出す(S41)。この場合は、電話帳データ551(図4参照)が取り出されたとする。
次に、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含むか否かを判断する(S42)。CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含まない(S42:NO)と判断した場合、取り出した電話帳データを記憶せずに、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S43及びS44の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S45)。
一方、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通信履歴として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含む(S42:YES)と判断すると、その相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含む通信履歴の回数をカウントする。(S43)。電話帳データ551は、複合機1の通話発信履歴351(図2参照)及びFAX送信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0123456789」、「09012345678」、「t.suzuki@def.co.jp」を3つ含んでいるので(S42:YES)、通信履歴の回数は3とカウントされる。
続いて、CPU32は、カウントした通信履歴の回数とRAM34に記憶された電話帳データの格納先とを対応させてRAM34に記憶する(S44)。すなわち、RAM34に記憶されている電話帳データ551の格納先とともに、通信履歴の回数3が対応付けられて記憶される。
次に、CPU32は、比較していない(S42の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S45)。CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがあると判断した場合(S45:YES)、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、別の1件を取り出す(S41)。ここでは、RAM34に記憶されている比較されていない電話帳データ552が存在するので、この電話帳データ552について、S42〜45の処理が繰り返される。
電話帳データ552は、複合機1の通話発信履歴351、通話着信履歴352(図2参照)、FAX送信履歴353及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレスを含んでいないので(S42:NO)、S45へ移行し、次の電話帳データ553が取り出される。電話帳データ553は、複合機1の通話着信履歴352(図2参照)及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0456789123」、「ichiro.y@nop.co.jp」を2つ含んでいるので(S42:YES)、通信履歴の回数は2とカウントされる。そして、RAM34に記憶されている電話帳データ553の格納先ともに、通信履歴の回数2が対応付けられて記憶される。
以上のように、RAM34に記憶されている電話帳データを順に比較していき、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがないと判断した場合(S45:NO)、S44で記憶した通信履歴の回数が多い順に、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶する(S46)。例えば、電話帳データ551〜553においては、電話帳データ551,553の順に記憶されることとなる。
続いて、CPU32は、S46の処理において記憶されなかった電話帳データを、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶可能な件数である限り順次記憶していく(S47)。従って、電話帳データ552は、電話帳記憶エリアに記憶可能な件数内であれば記憶されることになる。次に、CPU32は、S46の処理を終えると、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード3)を終了し、図5に示す電話帳データ取得モードの処理に戻る。
以上、優先記憶モードの第二の例を図8を用いて行ったが、本実施形態の様に、携帯電話機2から取得した電話帳データを1件ずつ取り出して通信履歴と比較するのに対して、通信履歴の回数をカウントした後に、その通信履歴の回数が多い順に、通信履歴の含む電話番号やメールアドレスを取り出して、その電話番号やメールアドレスが携帯電話機2から取得した電話帳データに含まれているか否かを比較してもよい。また、限定記憶モードの第三の例については、図9のS47の処理を行わないだけであるので説明を省略する。
このように、本実施形態では、複合機1に記憶された通信履歴の回数が多い電話帳データを携帯電話機2から取得して記憶する。従って、複合機1において通信頻度の高い電話帳データを、通信頻度の低い電話帳データを優先して記憶することができる。そのような電話帳データを優先的に記憶することは、複合機1を使用するユーザにとって更に使い勝手がよいものとなる。
続いて、優先記憶モードの第四の例として図10を参照して説明する。図10は、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード4)の動作を示すフローチャートである。図10において、まずCPU32は、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、1件を取り出す(S51)。この場合は、まず携帯電話機2に記憶された電話帳データ551(図4参照)が取り出されたものとする。
次に、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通話発信履歴351又はFAX送信履歴353として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含むか否かを判断する(S52)。CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通話発信履歴351又はFAX送信履歴353として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含まない(S52:NO)と判断した場合、取り出した電話帳データを記憶せずに、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S52の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S54)。
一方、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通話発信履歴351又はFAX送信履歴353として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含む(S52:YES)と判断すると、その取り出した電話帳データを電話帳記憶エリアに記憶する(S53)。この場合、電話帳データ551は、複合機1の通話発信履歴351(図2参照)及びFAX送信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0123456789」、「09012345678」、「t.suzuki@def.co.jp」を含んでいるので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されることになる。
次に、S52:NO又はS53の処理を行うと、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S52の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S54)。CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがあると判断した場合(S54:YES)、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、別の1件を取り出す(S51)。
ここでは、RAM34に記憶されている比較されていない電話帳データ552が存在するので、この電話帳データ552について、S52〜54までの処理が繰り返される。電話帳データ552は、複合機1の通話発信履歴351(図2参照)又はFAX送信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレスを含んでいないので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されずに、次の電話帳データ553が取り出されることになる。また、電話帳データ553についても、複合機1の通話発信履歴351(図2参照)又はFAX送信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレスを含んでいないので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されずに、次の電話帳データが取り出されることになる。
以上のように、RAM34に記憶されている電話帳データを順に比較していき、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがないと判断した場合(S54:NO)、CPU32は、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データであり、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されていない電話帳データのうち、1件分を取り出す(S55)。ここでは、電話帳データ552が取り出されたものとする。
次に、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通話着信履歴352又はFAX受信履歴354として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含むか否かを判断する(S56)。CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通話発信履歴351又はFAX送信履歴353として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含まない(S56:NO)と判断した場合、取り出した電話帳データを記憶せずに、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S56の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S58)。
一方、CPU32は、取り出した電話帳データが、複合機1の通話着信履歴352又はFAX受信信履歴354として記憶されている相手先の電話番号や相手先のメールアドレスを含む(S56:YES)と判断すると、その取り出した電話帳データを電話帳記憶エリアに記憶する(S57)。この場合、電話帳データ552は、複合機1の通話着信履歴352(図2参照)及びFAX受信履歴354(図3参照)の電話番号やメールアドレスを含んでいないので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されずに、S58の処理へ移行する。
次に、S56:NO又はS57の処理を行うと、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない(S56の判断を行っていない)電話帳データがあるか否かの判断する(S58)。CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがあると判断した場合(S58:YES)、RAM34に記憶された携帯電話機2から取得した電話帳データのうち、別の1件を取り出す(S55)。
ここでは、RAM34に記憶されている比較されていない電話帳データ553が存在するので、この電話帳データ553について、S56〜58までの処理が繰り返される。電話帳データ553は、複合機1の通話着信履歴352(図2参照)及びFAX受信履歴353(図3参照)の電話番号やメールアドレス「0456789123」、「ichiro.y@nop.co.jp」を含んでいるので、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されることになる。
以上のように、RAM34に記憶されている電話帳データを順に比較していき、CPU32は、RAM34に記憶されている電話帳データのうち、比較していない電話帳データがないと判断した場合(S58:NO)、S53及びS57で記憶した電話帳データ以外の、RAM34に記憶されている電話帳データを、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶可能な件数に達するまで、電話帳に記憶する(S59)。例えば、電話帳データ552において、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶可能な件数に達していなければ、EEPROM35の電話帳記憶エリアに記憶されることとなる。次に、CPU32は、S59の後、通信履歴を用いた電話帳登録処理(優先記憶モード4)を終了し、図5に示す電話帳データ取得プログラムの処理に戻る。
以上、優先記憶モードの第四の例を図10を用いて行ったが、限定記憶モードの第四の例については、図10のS59の処理を行わないだけであるので説明を省略する。
このように、本実施形態では、複合機1に記憶された通話着信履歴352又はFAX受信履歴354として記憶された電話番号やメールアドレスを含む電話帳データよりも、通話発信履歴351又はFAX送信履歴353として記憶された電話番号やメールアドレスを含む電話帳データを、優先して携帯電話機2から取得して記憶する。従って、発信又は送信のために使用される電話帳データを優先して記憶することができる。つまり、複合機1から発信又は送信する場合に、電話帳データを利用するのであるから、過去に着信又は受信を受けた電話帳データよりも、過去に発信又は送信したことのある電話帳データの方が、ユーザにとって優先的に記憶したい電話帳データであるといえる。従って、そのような電話帳データを優先的に記憶することは、ユーザにとってより使い勝手が向上する。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は実施形態に何ら限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施形態では、複合機1に記憶された通信履歴に含まれる電話番号又はメールアドレスを含む電話帳データを携帯電話機2から取得して記憶したが、これに限られず、電話番号あるいはメールアドレスいずれか一方のみを含むものであってもよい。
また、本実施形態では、複合機1が携帯電話機2に記憶された電話帳データを取得して記憶したが、これに限られず、少なくとも通信機能を有する装置が、別の通信機能を有する装置の通信先データを取得して記憶するような構成であればよい。通信機能を有する装置としては、複合機や携帯電話機の他に、固定電話機、ファクシミリ、携帯情報端末(PDA等)、電話機能を有するPC等が考えられる。
さらに、限定記憶モード及び優先記憶モードにおいて4つの例を別々に説明したが、これらを組み合わせて各モードを構成してもよい。