以下、本発明に係わる情報通信装置の一実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係わる情報通信装置100の接続状態の一例を示した概略図である。
図1に示すように、情報通信装置100は、インターネット180や公衆網電話回線(PSTN)200と接続されており、インターネット180にはWWWや電子メール通信が可能なコンピュータ30、40及びインターネットFAX装置(=iFAX)50等の各端末装置が接続され、公衆網電話回線(PSTN)200には、電話機10や図示せぬFAX装置等の各種端末装置が接続されている。
また、インターネット180には、本発明を実現可能とするENUM技術を適用したENUMシステム60が接続され、ENUMシステム60を構成するENUM用のDNS190(以下、「ENUM用DNS190」という。)と接続されている。
また、インターネット180や公衆網電話回線(PSTN)200には、本発明に係わる情報通信装置100と同様な構成と機能を有する情報通信装置100とは他の情報通信装置110が接続されている。
ここで言うENUMとは、ITU−TのE.164勧告に基づく電話番号をキーとしてENUM用DNS190に登録されたNAPTR(Naming Authority Pointer)−RR(=Resource Record)を検索し、E.164勧告に基づく電話番号に対応するひとつまたは複数のアプリケーションをURI(=Uniform Resource Identifiers)形式で得る機構である。
NAPTR−RRは、電話番号に基づくドメイン名に対応付けられた通信種別、例えば通信プロトコル等の種別や通信相手のアドレス等の情報を記録したものであり、詳細は後述する。
また、ENUMは、現在、ENUM仕様の検討及び標準化がIETF(=Internet Engineering Task Force)のENUMワーキンググループを中心に進められており、本発明に係わる情報通信装置100で適用されるENUMは、IETFのENUMの仕様に準拠するものである。
ENUMにより、ひとつのE.164に基づく電話番号をインターネット180上の利用可能なひとつまたは複数のアプリケーションに対応付けることができることから、E.164に基づく電話番号に対する電話以外の通信手段を統合的に提供することが可能となる。
図1に示すように、情報通信装置100は、通信相手のE.164に基づく電話番号に基づきENUM用DNS190に登録された通信相手の端末装置が利用可能な通信手段及びアドレス等の情報が記録されたNAPTR−RR情報を参照し、通信相手の端末装置に相応しいアプリケーションを起動して通信相手の端末装置と通信を行うことを可能にする。
具体的には、例えば情報通信を行いたい通信相手の電話番号に対応付けられたドメイン名に基づきENUM用DNS190に問い合わせを行うと、ENUM用DNS190からドメイン名に対応付けられたNAPTR−RR情報が返信される。
NAPTR−RR情報に基づき、例えば「sip:info@nic.ad.jp」というURIを得たとすると、これによりアプリケーションプログラムは、「sip:info@nic.ad.jp」に対してSIPを用いて通信相手の端末装置とのセッションを確立することが可能であることを認識することができる。
また、通信相手の端末装置がインターネットFAX通信が可能ならば情報通信装置100は、例えばインターネットFAX通信が可能なアプリケーションやプロトコル等を起動してインターネットFAX通信を行う。
なお、アプリケーションには、電話、SIP、H.323、ファクシミリ、電子メール、インスタントメッセンジャー、インターネット電話、電子メール、WWW等が想定される。
このような情報通信が可能な情報通信装置100の構成について図2を参照して詳細に説明する。
図2は,本発明に係わる情報通信装置100の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報通信装置100は、ENUMと連動して公衆網電話回線200及びインターネット180を介して情報の送受信が可能なように構成されており、インターネット180にはENUMと連動可能なようにE.164の電話番号に基づくドメイン名に対応したNAPTR−RR情報を提供するENUM用DNS190が接続されている。
情報通信装置100は、情報通信装置100の全体を統括制御するシステム制御部101と、所定の解像度で原稿画像を読み取るスキャナ部102と、所定の解像度で画像を記録出力するプリンタ部103と、情報通信装置100の操作で使用される各種操作キーおよび各種表示部をもつ操作/表示部104と、スキャナ部102から読み込まれた画像または、受信した画像を蓄積する画像蓄積部105と、システムデータや通信相手のアドレス等の宛先情報を記憶するRAM(=Random Access Memory)106と、画像データに対する符号化、復号化、拡大、縮小等の処理を行う画像処理部110と、ファイルフォーマットの変換処理を行うファイル変換部111と、公衆網電話回線200を介して画情報の送受信の処理を行うFAX部120と、ENUM更新情報の通信等に使用するHTTP、SIP等のトランスポートプロトコル制御部130、電子メールプロトコルを用いて画情報等の送受信の処理を行う電子メール部140と、インターネット180を介してENUM用DNS190との間で送受信される情報の処理及び送受信の制御を行うENUM用DNS処理部150とを備え、これら各部の制御信号及びデータ信号等がバス107を介して送受される。
なお、電子メール部140はスキャンした画情報を指定された宛先に指定されたファイルフォーマットで電子メール送信するサービス(=Scan to Email)に加え、ITU−T勧告T.37のiFAX通信サービスの画情報送受信もサポートする。
また、情報通信装置100は、インターネット180のトランスポート層とネットワーク層のプロトコル制御を行うTCP(=Transmission Control Protocol)/UDP(=User Datagram Protocol)/IP(=Internet Protocol)制御部108と、データリンク層以下の通信制御を行うネットワークインタフェース109を備えており、情報通信装置100とインターネット180とは、ネットワーク170を介して接続されている。
ネットワーク170は、例えばLAN(=Local Area Network)等のネットワークであり、ネットワーク170は、インターネット180と情報通信装置100とが情報の送受信可能なように必要な図示せぬサーバ等が設置されネットワーク170に接続された情報通信装置100や各端末装置の管理等が行われている。
FAX部120は、画情報の送受信時に画像の解像度、サイズ、符号則等を変換処理する通信画像処理部121と、ITU−T勧告T.30が規定するプロトコル制御を行うT30制御部122と、アナログ信号とデジタル信号の変復調を行うモデム123と、公衆網電話回線200との接続制御を行うNCU(=Network Control Unit)124を備えている。
電子メール部140は、画情報の送受信時に画像の解像度、サイズ、符号則等を変換処理する通信画像処理部141と、既存の電子メール及びiFAXの送受信制御を行うためのメールプロトコル(SMTP、ESMTP、POP等)制御を行うメールプロトコル制御部143を備えている。
前記通信画像処理部141を備えることにより、メールサーバーを介さずに通信相手の端末装置と直接通信を行うリアルタイム型のiFAX通信方式(IETFで制定されつつあるDirect SMTP方式)もサポート可能である。
ENUM用DNS処理部150は、ENUMと連動してENUM用DNS190に対して問い合わせを行い、問い合わせに対してENUM用DNS190から返信されてくるNAPTR−RR情報を受信し、受信した情報に基づき後述する各種処理を行う。
このように構成された情報通信装置100で情報通信を行う場合の処理動作について、画情報を送信する場合を例に簡単に説明すると次のような動作となる。
例えば、図示せぬユーザは、まず、送信する画情報の原稿を情報通信装置100の図示せぬ原稿台へ置き、画情報を送信する通信相手の電話番号または通信手段及び通信手段に対応したアドレス情報を操作/表示部104に配置された図示せぬテンキーや各種機能キーを押下して入力するか、または後述するアドレス帳に登録された通信相手の登録番号を選択して通信相手の電話番号または各通信手段を指定する。
ENUMと連動することなく画情報をファックス送信する場合は、入力された電話番号または選択された登録番号に対応した電話番号や通信手段に基づき、通信相手が利用可能な通信手段が公衆網電話回線200を介したFAX通信の場合は、システム制御部101の命令指示によってスキャナ部102で取り込まれた画像データに対し画像処理部110で画像処理を施した後、画像蓄積部105を経由してFAX部120に送られ、FAX部120内のNCU124を介して公衆網電話回線200へ送られてファックス通信が行われる。
また、通信相手が利用可能な通信手段がインターネット180を介したiFAX通信の場合は、システム制御部101の命令指示によってスキャナ部102で取り込まれた画像データに対し画像処理部110で画像処理を施した後、画像蓄積部105を経由し、ファイル変換部111でファイルフォーマット変換、MIMEエンコードして、電子メール部140に送られ、通信手段に対応したプロトコル制御が行われた後、TCP/UDP/IP制御部108、ネットワークインタフェース109、ネットワーク170を介してインターネット180へ送られてiFAX通信が行われる。
ENUMと連動して画情報をファックス送信する場合は、操作/表示部104で通信相手の電話番号の入力前後において、図示せぬENUMボタンが押下されることにより、ENUMの連動して通信相手の端末装置が利用可能な通信手段及び通信手段に対応したアドレス情報を取得し、取得した通信手段及びアドレス情報の基づき画情報の送信が行われる。
具体的には、通信相手の電話番号の入力前後において、図示せぬENUMボタンが押下されると、入力された電話番号またはアドレス帳に登録された電話番号が、システム制御部101によってENUM用DNS処理部150に送られ、ENUM用DNS処理部150によって電話番号がENUM形式のドメイン名に変換され、変換されたドメイン名がTCP/UDP/IP制御部108とネットワークインタフェース109及びネットワーク170を介してインターネット180に接続されたENUM用DNS190に送信されてドメイン名に対応したNAPTR−RR情報が参照される。
ENUM用DNS処理部150が電話番号をENUM形式のドメイン名に変換する方法は、具体的には、例えば、電話番号が「03−5297−2311」とすると、日本の市外局番から始まる電話番号を基に、先頭の「0」を削除し、E.164番号規定に基づき日本国の国コード「81」を付加して数字以外の記号を除いて数字間にドット「.」を付加した「8.1.3.5.2.9.7.2.3.1.1」に変換し、更に数字を逆順にして末尾に文字列「.e164.arpa」を付加した「1.1.3.2.7.9.2.5.3.1.8.e164.arpa」の文字列のドメイン名に変換する。
情報通信装置100からのドメイン名に対応するNAPTR−RR情報の問い合わせに対してENUM用DNS190は、ENUM用DNS190に登録されているドメイン名を参照し、情報通信装置100から送信されたドメイン名に対応するNAPTR−RR情報を情報通信装置100に返信する。
ENUM用DNS190から返信されたドメイン名に対応するNAPTR−RR情報は、インターネット180及びネットワーク170を介して情報通信装置100のネットワークインタフェース109へ入力され、更にTCP/UDP/IP制御部107を介してENUM用DNS処理部150へ入力される。
情報通信装置100から送信されたドメイン名に対応するNAPTR−RR情報は、具体的には、例えば、電話番号に対応する通信相手の端末装置が利用可能な通信手段(例えば通信プロトコルの種別等の情報)や通信手段に対応したアドレス情報及び各通信手段の優先順位等の情報である。
ENUM用DNS処理部150は、ENUM用DNS190から返信されたNAPTR−RR情報に基づき、通信相手が通信可能な通信手段と該通信手段を使用した場合の通信先のアドレス情報等をURI形式で取り出し、さらに、通信手段の優先順位が設定されている場合には、その優先順位を取り出してシステム制御部101の命令指示に基づき通信相手の通信手段とアドレス及び優先順位を操作/表示部104へ送信したり、後述する通信相手の電話番号及び通信手段に対応したアドレス情報を記憶するアドレス帳等を記憶するRAM106へ送信する。
これらの情報が表示された操作/表示部104において、ユーザが所望の通信手段を選択すると、ユーザが選択した通信手段で通信が可能なように当該通信手段のプロトコル等を起動し、アドレス情報に示した宛先へ画情報の送信が行われる。
なお、情報通信装置100の通信相手は、一般の公衆網電話回線200に接続された電話10やファクシミリ装置、インターネット180に接続されたインターネットファクシミリ装置50、コンピュータ30、40等及び種々のネットワークに接続された端末装置等である。
ところで、本発明に係わる情報通信装置100は、ENUMと連動して通信相手の電話番号や通信相手の端末装置が利用可能な通信手段や各通信手段の優先順位及びアドレス情報等の宛先情報を記憶するアドレス帳機能を有しており、このアドレス帳機能は、「アドレス登録機能」と、「更新情報通知機能」と、「アドレス自動更新機能」と、「アドレス確認更新機能」を有している。
「アドレス登録機能」は、ENUMと連動して通信相手の電話番号や通信相手の端末装置が利用可能な通信手段、各通信手段の優先順位及びアドレス情報等の宛先情報をアドレス帳へ登録する機能であり、登録した通信相手がENUMに対応した端末装置である場合は、ENUM対応の通信相手であることを識別する識別情報が付加されて登録される。
また、「更新情報通知機能」は、ENUMに登録した自機(例えば、情報識別装置100)の電話番号や利用可能な通信手段及びアドレス等の情報を変更した場合の更新情報をアドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手に対して通知する。
また、「アドレス自動更新機能」は、「アドレス登録機能」によりアドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手の宛先情報を定期的に最新情報へ更新する、またはENUM対応の通信相手から通知された宛先情報の削除や変更等の更新情報に対応してアドレス帳に登録された当該通信相手の宛先情報を自動更新する。
また、「アドレス確認更新機能」は、アドレス帳によりアドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手に対して通信接続を行い、接続エラーが発生した場合は、当該通信相手の最新のNAPTRリソースレコードをENUM用DNS190から取得してアドレス帳に登録されている宛先情報を最新の宛先情報に自動更新する。
このように情報通信装置100は、ENUMと連動してアドレス帳に通信相手の宛先情報を登録するとともに、アドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手の宛先情報が更新された場合は、更新ざれた宛先情報に対応してアドレス帳に登録された当該通信相手の宛先情報を自動更新するような機能を備えている。
これらの機能の処理動作について以下に説明する。
まず、「アドレス登録機能」の処理動作について図3乃至図8を参照して詳細に説明する。
図3は、「アドレス登録機能」の概略の処理動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、ユーザが情報通信装置100の操作/表示部104に配置された図示せぬアドレス帳登録機能キーを押下すると、アドレス登録機能が開始され(ステップS300)、図示せぬ登録番号選択画面が表示される。
登録番号選択画面で通信相手の宛先情報を登録するアドレス帳の登録番号を選択すると(ステップS301)、後述する登録メニュー画面が表示される(ステップS302)。
登録メニュー画面は、ENUMと連動して通信相手の宛先情報を自動登録または通信相手の宛先情報をユーザが選択して登録するか、ENUMと連動しないで通信相手の宛先情報をユーザが入力登録する等の複数の登録方法が選択可能なように構成されている。
登録メニュー画面で通信相手の名称及び電話番号を入力し、ENUMと連動して通信相手の宛先情報を自動登録する機能に対応した図示せぬボタンを選択すると(ステップS303)、ユーザが入力した通信相手の電話番号に基づきENUM用DMS190に対して問い合わせ処理を行い(ステップS304)、電話番号に対応付けられた通信手段や通信手段の優先順位及びアドレス等の情報を記録したNAPTR−RR情報を取得する。
ENUM用DMS190に対する問い合わせの結果、NAPTR−RR情報が得られなかった場合(ステップS305でNO)、すなわち、ENUM用DMS190に通信相手の電話番号に対応付けられたNAPTR−RR情報が登録されてない場合は、「宛先は、ENUMに登録されていません。」等のエラーメッセージを表示(ステップS308)後、登録メニュー画面の表示へ戻る(ステップS302)。
ENUM用DMS190に対する問い合わせにより通信相手の電話番号に対応付けられたNAPTR−RR情報が得られた場合は(ステップS305でYES)、取得したNAPTR−RR情報に基づき情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信相手の通信手段、通信手段の優先順位及びアドレス等の情報をRAM106の図示せぬアドレス帳に登録するENUM自動登録処理を行い(ステップS306、ステップS307でYES、ステップS309)、登録後、アドレス登録機能の処理動作は終了する(ステップS310)。
ステップS307において、取得したNAPTR−RR情報に情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信手段等の情報が記録されていない場合は(ステップS307でNO)、「宛先は、適合するサービスがありません。」等のエラーメッセージ表示(ステップS308)後、登録メニュー画面の表示へ戻り(ステップS302)、ステップS302以降の処理をユーザがアドレス登録機能の処理動作の終了を指示するまで繰り返す。
このように処理動作する「アドレス登録機能」の特徴について操作画面及び情報の流れを示しながら詳細に説明する。
図4は、アドレス帳の登録番号に対応した登録メニュー画面400を示す図である。
登録メニュー画面400は、前述したように、ユーザが操作/表示部104で図示せぬアドレス帳登録機能キーを押下し、通信相手の宛先情報を登録するアドレス帳の登録番号を登録番号選択画面で指定することで操作/表示部104に表示される。
登録メニュー画面400には、図4に示すように、通信相手の名称及び電話番号を入力する「宛先名」欄402と「宛先番号」欄403の入力欄と、ENUMアドレス自動登録機能を動作させる「ENUM自動登録」ボタン404等と、入力データ及び各機能ボタン404等の選択を無効とする「CANCEL」ボタン407が表示されており、ENUMと連動して通信相手の宛先情報をアドレス帳へ自動登録したい場合は、アドレス帳に登録したい通信相手の「宛先名」402及び「宛先番号」403を図示せぬテンキー等で入力後、「ENUM自動登録」ボタン404を選択する。
なお、操作/表示部104に表示される登録メニュー画面400等の各種画面はタッチパネル式となっており、画面上に表示されているボタン404等を指等でタッチすることで該ボタンに登録されている機能が実行できる。
登録メニュー画面400において、ユーザがアドレス帳に登録する通信相手の宛先名を例えば「富士 太郎」402及び宛先番号を例えば「03−1234−5678」403と入力し、「ENUM自動登録」ボタン404をタッチすると、情報通信装置100がENUM用DNS190に対して宛先番号「03−1234−5678」403に対応するNAPTR−RR情報の問い合わせを行う。
NAPTR−RR情報には、前述に説明したように、電話番号に対応付けられた少なくともひとつ以上の通信手段(例えば、電子メール通信、インターネットファックス通信等の情報)と、各通信手段の優先順位及び各通信手段のURI情報(例えば、アドレス情報等)が記録されている。
このENUM用DNS190に対する問い合わせ処理は、情報通信装置100のENUM用DNS処理部150が主に行う処理であり、入力された宛先番号「03−1234−5678」403のデータがシステム制御部101の命令指示により操作/表示部104からバス107を介してENUM用DNS処理部150に送られ、ENUM用DNS処理部150が入力された宛先番号「03−1234−5678」403をENUM形式のドメイン名に変換する。
宛先番号「03−1234−5678」403をENUM形式のドメイン名へ変換する方法は、前述した変換方法と同様に、日本の市外局番から始まる電話番号を基に、宛先番号「03−1234−5678」403の先頭の「0」を削除し、E.164番号規定に基づき日本国の国コード「81」を付加して数字以外の記号を除いて数字間にドット「.」を付加した「8.1.3.1.2.3.4.5.6.7.8」に変換後、更に数字を逆順にして末尾に文字列「.e164.arpa」を付加した「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」の文字列のドメイン名に変換する。
ENUM用DNS処理部150によって宛先番号「03−1234−5678」403がENUM形式のドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」に変換されると、変換されたドメイン名がTCP/UDP/IP制御部108とネットワークインタフェース109及びネットワーク170を介してインターネット180に接続されたENUM用DNS190に送信されてドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」に対応したNAPTR−RR情報の問い合わせを行う。
ENUM用DNS190には、図5に示すようなITU−TのE.164勧告に基づく電話番号に対応したドメイン名と、ドメイン名に対応付けられた通信手段や通信手段の優先順位及びアドレス等の情報を記録したNAPTR−RR情報600が図示せぬデータベースに登録されている。
図5は、ENUM用DNS190に登録されたNAPTR−RR情報600の一例を示す図である。
図5に示すように、ENUM用DNS190に登録されたNAPTR−RR情報600は、一つのドメイン名に対して複数のリソースレコードが定義できるように構成されている。
具体的には、NAPTR−RR情報600の書式は、「$ORIGIN」行と、「IN NAPTR」行とで構成され、「$ORIGIN」行にはドメイン名、「IN NAPTR」行には、「$ORIGIN」行のドメイン名に対応付けられた通信手段のプロトコル・サービスと、アドレス及び通信手段の優先順位等の情報を記録して登録可能なように構成されている。
例えば、ドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」に対応したNAPTR−RR情報650は、ドメイン名を示す「$ORIGIN」行601の「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」というひとつのドメイン名に対してリソースレコードを示す複数の「IN NAPTR」行61、62、63が記録されて登録されている。
「IN NAPTR」行の書式は、「IN NAPTR order preference flags service regexp replacement」等の書式で定義され、「order」及び「preference」は、優先順位情報を示し、「order」の値が小さい順に優先順位を高く、「order」の値が同一の値が複数存在する場合は、「preference」の値が小さい順に優先順位が高いことを示している。
また、「service」に定義される文字列は、プロトコル・サービスを示し、「regexp」及び「replacement」は、アドレス情報を示している。
「IN NAPTR」行61の「IN NAPTR 100 10 ”U” ” E2U+ifax:mailto ” ”!^.*$!mailto:info−fax@ifax.com! ”.」は、「order」が「100」、「preference」が「10」、「flags」が「”U”」、「service」が「 ” E2U+ifax:mailto ”」611、「regexp」が「”!^.*$!mailto:info−fax@ifax.com! ”」をそれそれ示しており、インターネットファックスプロトコルが利用可能でインターネットファックス通信を行う場合のアドレスが「info−fax@ifax.com」612であることを示している。
また、「IN NAPTR」行62は、「”E2U+mailto”」の電子メール通信のプロトコルが利用可能で電子メール通信を行う場合のアドレスが「info−mail@mail.com!」622であることを示し、「IN NAPTR」行63は、「”E2U+tel”」のプロトコルが利用可能で公衆網電話回線200を介したファックス通信を行う場合のアドレスが「81312345678」632であることをそれぞれ示している。
このように、ひとつのドメイン名601に対して複数の「IN NAPTR」行61、62、63、・・・等に設定された通信手段が対応付けられて登録されている。
情報通信装置100からのドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」に対応するNAPTR−RR情報の問い合わせに対してENUM用DNS190は、ENUM用DNS190に登録されているNAPTR−RR情報600を参照し、ドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」に対応するNAPTR−RR情報650の「$ORIGIN」行60のドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」601を検索し、ドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」601に対応付けられた複数の「IN NAPTR」行61、62、63の情報をNAPTR−RR情報として情報通信装置100に返信する。
また、情報通信装置100から送信されたドメイン名がENUM用DNS190に登録されていない場合は、宛先番号がENUM用DNS190に登録されていない旨の情報を情報通信装置100に返信する。
このようなENUM用DNS190に対する問い合わせ処理の情報通信装置100とENUM用DNS190との間の問い合わせ情報及び応答情報の流れの手順を図で示すと図6のようになる。
図6は、情報通信装置100とENUM用DNS190との間の問い合わせ情報及び応答情報の流れの手順を示す図であり、図6(a)は、問い合わせドメイン名がENUM用DNS190に登録されている場合の例、図6(b)は、問い合わせドメイン名がENUM用DNS190に登録されていない場合の例をそれそれ示している。
図6(a)に示すように、情報通信装置100がENUM用DNS190に対してユーザが入力した宛先番号403に対応したENUM形式のドメイン名601の問い合わせを行うことで、ENUM用DNS190から情報通信装置100へNAPTR−RR情報650が返信される。
また、図6(b)に示すように、情報通信装置100のドメイン名601の問い合わせに対してドメイン名601の情報がENUM用DNS190に登録されていない場合は、「宛先は、ENUMに登録されていない」旨の情報651がENUM用DNS190から情報通信装置100へ返信される。
ENUM用DNS190から返信されたドメイン名「8.7.6.5.4.3.2.1.3.1.8.e164.arpa」に対応するNAPTR−RR情報650は、インターネット180及びネットワーク170を介して情報通信装置100のネットワークインタフェース109へ入力され、更にTCP/UDP/IP制御部107を介してENUM用DNS処理部150へ入力される。
ENUM用DNS190から返信されたNAPTR−RR情報650に記録された「IN−NAPTR」行61、62、63のそれぞれの「E2U+ifax:mailto」611、「E2U+mailto」621、「E2U+tel」631のプロトコル情報と、「info−fax@ifax.com」612、「info−mail@mail.com」622、「81312345678;svc=fax」632のURI情報に基づき通信相手は、インターネットファックス通信、電子メール通信、公衆網電話回線200を介したファックス通信の複数の通信手段による通信が可能であることが認識できる。
なお、「IN−NAPTR」行61はインターネットファックス通信、「IN−NAPTR」行62は電子メール通信、「IN−NAPTR」行63は公衆網電話回線200を介したファックス通信をそれぞれ示している。
なお、NAPTR−RR情報650において、通信相手のアドレス情報は、URI情報に示されているように、例えばインターネットファックス通信を行う場合のアドレスは、「info−fax@ifax.com」612、電子メール通信を行う場合のアドレスは、「info−mail@mail.com」622、公衆網電話回線200を介したファックス通信を行う場合のアドレスは、「81312345678」632である。
ENUM用DNS処理部150は、システム制御部101の命令指示に基づきENUM用DNS190から返信されたNAPTR−RR情報650に基づき通信相手が通信可能な通信手段と該通信手段を使用した場合の通信相手のアドレスをURI形式で取り出し、さらに、通信手段の優先順位が登録されている場合にはその優先順位を取り出す。
システム制御部101は、ENUM用DNS処理部150によって取り出された宛先番号「03−1234−5678」403に対応した通信相手の通信手段、通信手段に対応したアドレス及び優先順位の情報をバス107を介してRAM106のアドレス帳に自動登録する。
宛先番号「03−1234−5678」403に対応した通信相手の通信手段、通信手段に対応したアドレス及び優先順位の情報が宛先情報としてRAM106のアドレス帳に自動登録されると、操作/表示部104には、ENUM自動登録が行われた旨をユーザに知らせる図7に示すようなENUM自動登録通知画面800が表示される。
図7に示すように、ENUM自動登録通知画面800は、タイトル表示欄810と、アドレス帳に自動登録された通信相手の宛先名及び宛先番号を表示する宛先情報表示欄801(破線で囲まれた部分)と宛先情報表示欄801に表示された「宛先番号」がENUM用DNS190に登録されているか否か及び自動登録が処理されたか否か等の情報メッセージを表示するメッセージ表示欄802(破線で囲まれた部分)と、宛先情報表示欄801に表示された「宛先番号」に対応付けられた通信手段及び通信手段の優先順位情報等を表示する優先順通信手段表示欄803(破線で囲まれた部分)と、優先順通信手段表示欄803に表示された各優先順位に対応した通信手段のアドレスの編集処理等を行う編集ボタン8031、8032、8033が表示されており、タイトル表示部810には、アドレス帳の登録番号811(破線で囲まれた部分)と、登録された通信相手がENUMと連動して動作可能であることを示す「ENUM対応」812(破線で囲まれた部分)の情報が表示される。
このタイトル表示欄810に表示された「ENUM対応」812の情報は、ENUMと連動してENUMから取得した情報に基づき通信相手の宛先情報がアドレス帳に登録された場合に表示される情報である。
なお、優先順通信手段表示欄803に表示された各優先順位に対応した通信手段は、ユーザが予めシステムデータに設定登録した通信手段の優先順位、または通信相手がENUM登録時に設定した通信手段の優先順位付けを反映した通信手段の優先順位に対応して表示される。
この通信相手がENUM登録時に設定した通信手段の優先順位付けを反映させて登録するか否かの判別は、情報通信装置100のシステムデータに設定された図示せぬフラグ情報「0」:反映させない、「1」:反映させる等の情報に基づいて処理させる。
なお、フラグ情報の設定は、予めユーザが図示せぬシステムデータ設定画面を用いて設定するように構成されている。
図7は、前記フラグ情報が「0」:反映させない場合であり、優先順通信手段表示欄803には、予めシステムデータに設定されたユーザ指定の通信手段の優先順位に従って、例えば、最も優先順位の高い「優先1:Scan to Email」、2番目に優先順位の高い「優先2:iFAX」、3番目に優先順位の高い「優先3:FAX」等が表示されている。
この優先順通信手段表示欄803に表示された各通信手段や通信手段の順位及びアドレス等の情報を編集及び確認する場合は、優先順通信手段表示欄803に表示された各通信手段に対応した「編集」ボタン8031、8032、8033をタッチすることにより図8に示すような各編集画面820、830、840が表示され、優先順通信手段表示欄803に表示された各通信手段のアドレス等のURI情報や優先順位等の編集及び確認ができる。
図8に示すように、例えば図7で示したENUM自動登録通知画面800の優先順通信手段表示欄803で「優先1:Scan to Email」の「編集」ボタン8031をタッチすると、図8(a)に示すような電子メール通信の通信手段に対応付けられたURI情報が表示されて編集及び確認を行うことができる。
また、優先順通信手段表示欄803の「優先2:iFAX」の「編集」ボタン8032をタッチすると、図8(b)に示されるようなインターネットファックス通信の通信手段に対応付けられたURI情報が表示され、優先3:FAX」の「編集」ボタン8033をタッチすると、図8(c)に示されるような公衆網電話回線を介したファックス通信の通信手段に対応付けられたURI情報が表示されて、各URI情報の編集及び確認を行うことができる。
次に、「更新情報通知機能」の処理動作について図9乃至図10を参照して詳細に説明する。
「更新情報通知機能」は、ENUM用DNS190に登録した情報通信装置100の電話番号に対応付けられたURI情報等の削除、変更等の更新を行った場合の更新情報を情報通信装置100のアドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手に対して通知する機能である。
図9は、「更新情報通知機能」の処理動作を示すフローチャートであり、図10は、「更新情報通知機能」の操作画面を示す図である。
図9に示すように、ユーザが情報通信装置100の操作/表示部104に配置された図示せぬ更新情報通知機能キーを押下すると、「更新情報通知機能」の動作が開始され(ステップS900)、図10に示すようなENUM更新通知画面850が表示される(ステップS901)。
ENUM更新通知画面850は、宛先情報の更新または削除等の更新内容を示す更新種別と、更新情報を通知する相手の電話番号を入力する通知相手入力欄851と、更新内容、例えば電話番号と電話番号に対応付けられた通信手段のサービス種別や通信手段の優先順位等の情報を表示する優先順通信手段表示欄852(破線で囲まれた部分)及び通知相手入力欄851で入力された電話番号の通信相手に更新情報を通知する「通知」ボタン853とで構成されている。
図10に示すように、ENUM更新通知画面850でユーザが、更新種別を「変更」、更新情報通知先の電話番号を「03−1234−5678」と入力し、「通知」ボタン853をタッチすると(ステップS902)、更新情報通知先の電話番号「03−1234−5678」または電話番号「03−1234−5678」に対応付けられたURI情報に対応したアドレス先へ更新情報が通知され(ステップS903)、「更新情報通知機能」の処理動作は終了する(ステップS904)。
なお、ここでは、更新情報の通知をユーザが所望するENUM対応の通信相手に対して通知するような例を示したが、アドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手に対して一斉通知するような構成としてもよい。
この場合は、例えば図示せぬ「一斉通知」ボタンを選択することでシステム制御部101の命令指示に基づきアドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手に対して更新情報の通知が行われる。
次に、「アドレス自動更新機能」の処理動作について図11乃至図14を参照して詳細に説明する。
本発明に係わる「アドレス自動更新機能」は、情報通信装置100が定期的にアドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手の宛先情報をENUM用DNS190に対して問い合わせを行い、最新の宛先情報に自動更新する「定期アドレス自動更新機能」と、通信相手から通知された当該通信相手の宛先情報が変更または削除された旨の更新情報に基づき情報通信装置100のアドレス帳に登録された当該通信相手の宛先情報を自動更新する「任意アドレス自動更新機能」とがある。
これらの機能の処理動作について「定期アドレス自動更新機能」、「任意アドレス自動更新機能」の順で詳細に説明する。
図11は、「定期アドレス自動更新機能」の処理動作を示すフローチャートである。
図11に示すように、RAM106に記憶された図示せぬシステムデータに設定された定期アドレス自動更新の設定時間に達すると、システム制御部101が定期アドレス自動更新機能を起動し開始させ(ステップS1100)、アドレス帳に登録された通信相手の宛先情報を登録番号の小さい順から順次読み出し(ステップS1101)、読み出した通信相手がENUMに対応した通信相手であるか否かを判別する(ステップS1102)。
登録された通信相手がENUM対応の通信相手の場合は、読み出した通信相手の電話番号に基づきENUM用DNS190に対して問い合わせ処理を行う(ステップS1103)。
このENUM用DNS190に対する問い合わせ処理は、前述の「アドレス登録機能」で説明した処理動作と同様に、電話番号をENUM形式のドメイン名に変換後、ドメイン名に対応付けられたNAPTR−RR情報をENUM用DNS190から取得する。
NAPTR−RR情報には、通信手段や通信手段に対応したURI情報及び通信手段の優先順位等の情報が記録されている。
取得したNAPTR−RR情報に基づき、NAPTR−RR情報に記録された電話番号に対応付けられたURI情報等と、アドレス帳に登録された電話番号に対応付けられたURI情報等とを比較し、情報が一致しない場合は、通信相手の宛先情報が変更されたものと判断し(ステップS1105でYES)、取得したNAPTR−RR情報に基づき情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信手段、通信手段の優先順位及びアドレス等の情報を自動更新する(ステップS1106、ステップS1107でYES、ステップS1108)。
アドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手の宛先情報が自動更新されると、自動更新された旨を示す更新識別情報が付加される。
この自動更新された旨を示す更新識別情報は、例えば図12に示すような宛先情報表示画面860のタイトル部861に「ENUM*」862として表示され、当該登録番号に登録された通信相手の宛先情報が自動更新された旨をユーザが認識できるように構成されている。
この更新識別情報は、アドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手の宛先情報が自動更新されると図示せぬ更新識別情報フラグに「1」の値を設定することで、自動更新された旨の情報を示し、ユーザが所定の操作を行って自動更新された通信相手のアドレス帳を使用した際に更新識別情報フラグの値が「0」に設定される。
更新識別情報フラグの値が「0」に設定された状態で宛先情報表示画面860を表示させると図12(b)に示すような宛先情報表示画面860のタイトル部861に「ENUM」863と表示され、「*」が表示されない。
ステップS1107において、取得したNAPTR−RR情報に情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信手段等の情報が記録されていない場合は(ステップS1107でNO)、「宛先は、適合するサービスがありません。」等のエラーメッセージ表示(ステップS1110)するとともに、図示せぬエラー履歴にエラー情報を記録後、アドレス帳に登録された最後の通信相手の宛先情報に対してステップS1101からの同様な処理を繰り返す。
ステップS1104において、読み出した通信相手の電話番号に基づくENUM用DNS190に対する問い合わせの結果、NAPTR−RR情報が得られなかった場合は(ステップS1104でNO)、読み出した通信相手の宛先情報がENUM用DNS190から削除されたものと判断し、当該通信相手の宛先情報をアドレス帳から削除する(ステップS1109)。
アドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手の全てに対して自動更新処理が終了すると(ステップS1111でYES)、「定期アドレス自動更新機能」の処理動作は終了する(ステップS1112)。
なお、ここでは、アドレス帳に登録された通信相手の宛先情報を登録番号の小さい順から順次読み出し、読み出した通信相手がENUMに対応した通信相手であるか否かを判別し、ENUM対応の通信相手の宛先情報を最新の宛先情報に自動更新する例を示して説明したが、読み出す順番は特に限定されるものではない。
また、アドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手が識別可能なように、例えばENUM対応の通信相手をテーブル等の管理手段で管理し、管理手段を参照しながらENUM対応の通信相手の宛先情報をENUM用DNS190に問い合わせるような構成としてもよい。
また、アドレス帳に登録されたENUM対応の通信相手が自動更新された場合は、自動更新された旨を管理者の連絡先へ自動通知する手段を更に備え、管理者が指定した連絡先へ通知するような構成としてもよい。
次に「任意アドレス自動更新機能」の処理動作について詳細に説明する。
図13は、「任意アドレス自動更新機能」の処理動作を示すフローチャートである。
図13に示すように、例えば情報通信装置100と同様な機能を有する情報通信装置110が前述に説明した情報通信装置100の「更新情報通知機能」と同様な機能を用いて情報通信装置100に対して更新情報を通知すると、情報通信装置100は、通知された更新情報を受信し、システム制御部101が任意アドレス自動更新機能を起動して開始させ(ステップS1300)、更新情報を通知した通信相手が、情報通信装置100のアドレス帳に登録された通信相手であるか否かを判別する(ステップS1301)。
ステップS1301において、アドレス帳に登録された通信相手でない場合は(ステップS1301でNO)、任意アドレス自動更新機能の処理動作を終了させる(ステップS1309)。
ステップS1301において、アドレス帳に登録された通信相手である場合は(ステップS1301でYES)、通知された更新情報の内容が宛先情報の変更または削除のいずれであるかを識別する(ステップS1302)。
更新情報の内容が宛先情報の削除の場合は(ステップS1302でNO)、当該通信相手の電話番号及び電話番号に対応付けられた宛先情報等をアドレス帳から削除する(ステップS1308)。
更新情報の内容が宛先情報の変更の場合は(ステップS1302でYES)、当該通信相手から通知された更新情報の内容にアドレス帳を変更するための十分なデータが揃っているか否かを判別する(ステップS1303)。
アドレス帳を変更するために十分なデータが揃ってない場合は(ステップS1303でNO)、更新情報を通知した通信相手の電話番号に基づきENUM用DNS190に対して問い合わせを行い、NAPTR−RR情報をENUM用DNS190から取得する(ステップS1304)。
NAPTR−RR情報をENUM用DNS190から取得すると、アドレス帳に登録された当該通信相手の宛先情報を取得したNAPTR−RR情報に基づく情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信手段、通信手段の優先順位及びアドレス等の宛先情報に自動更新し(ステップS1305でYES、ステップS1306)、自動更新後、任意アドレス自動更新機能の処理動作を終了させる(ステップS1309)。
ステップS1305において、取得したNAPTR−RR情報に基づく情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信手段がない場合は(ステップS1305でNO)、「通知された更新情報へ変更された宛先は、適合するサービスがありません。」等のエラーメッセージ表示(ステップS1307)するとともに、図示せぬエラー履歴にエラー情報を記録後、任意アドレス自動更新機能の処理動作を終了させる(ステップS1309)。
このような任意アドレス自動更新機能の処理動作における情報通信装置100、110及びENUM用DNS190との問での更新情報、問い合わせ情報及び応答情報の流れの手順を図で示すと図14のようになる。
図14に示すように、情報通信装置110が情報通信装置100に対して更新情報を通知すると、情報通信装置100は、情報通信装置110から通知された更新情報の内容に基づき、更新情報の内容が宛先情報の削除であれば当該通信相手の宛先情報を情報通信装置100のアドレス帳から削除する。
また、更新情報の内容が宛先情報の変更であれば、通知された更新情報の内容にアドレス帳を変更するための十分なデータが揃っていればアドレス帳に登録された当該通信相手の宛先情報を更新情報の内容に基づき自動更新する。
通知された更新情報の内容にアドレス帳を変更するための十分なデータが揃っていなければ、更新情報を通知した通信相手の電話番号に基づきENUM用DNS190に対して問い合わせを行い、ENUM用DNS190から取得したNAPTR−RR情報に基づきアドレス帳に登録された当該通信相手の宛先情報を自動更新する。
次に「アドレス確認更新機能」の処理動作について詳細に説明する。
図15は、「アドレス確認更新機能」の処理動作を示すフローチャートである。
図15に示すように、例えば情報通信装置100がアドレス帳より宛先を指定して情報通信を行った場合において(ステップS1501)、宛先の通信相手から否定応答が返信された場合は(ステップS1502でYES)、宛先がENUM対応の通信相手であるか否かを判別する(ステップS1503)。
宛先がENUM対応の通信相手である場合は(ステップS1503でYES)、宛先の電話番号に基づきENUM用DNS190に対して問い合わせを行い、NAPTR−RR情報をENUM用DNS190から取得する(ステップS1504)。
NAPTR−RR情報をENUM用DNS190から取得できなかった場合は(ステップS1505でNO)、当該宛先の通信相手の宛先情報がENUM用DNS190から削除されたものと判断し、「宛先は、ENUMに登録されておりません。」等のエラーメッセージ表示(ステップS1509)するとともに、図示せぬエラー履歴にエラー情報を記録後、「アドレス確認更新機能」の処理動作を終了させる。
ステップS1505において、NAPTR−RR情報をENUM用DNS190から取得すると(ステップS1505でYES)、アドレス帳に登録された当該宛先の通信相手の宛先情報を取得したNAPTR−RR情報に基づく情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信手段、通信手段の優先順位及びアドレス等の宛先情報に自動更新し(ステップS1506、ステップS1507でYES、ステップS1508)、更新後、「アドレス確認更新機能」の処理動作を終了させる。
ステップS1507において、取得したNAPTR−RR情報に基づく情報通信装置100が利用可能な通信手段に適合する通信手段がない場合は(ステップS1507でNO)、「宛先は、適合するサービスがありません。」等のエラーメッセージ表示(ステップS1509)するとともに、図示せぬエラー履歴にエラー情報を記録後、「アドレス確認更新機能」の処理動作は終了する。
このような「アドレス確認更新機能」の処理動作における情報通信装置100と、宛先の通信相手及びENUM用DNS190との問での問い合わせ情報及び応答情報等の流れの手順を図で示すと図16のようになる。
図16に示すように、情報通信装置100がアドレス帳により宛先を指定して、例えば情報をSMTPにより送信し、宛先の通信相手111から否定応答が返信されると、情報通信装置100は、宛先の通信相手111がENUM対応の通信相手であるか否かを判別する。
宛先の通信相手111がENUM対応の通信相手である場合は、宛先の電話番号に基づきENUM用DNS190に対して問い合わせを行い、ENUM用DNS190から取得したNAPTR−RR情報に基づきアドレス帳に登録された当該宛先の通信相手の宛先情報を自動更新する。