JP2009042591A - 露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光量の損失を必要最小限に抑えつつ、単純な構造で、露光ビームの光軸自動調節を行う。
【解決手段】 光源で発生させた露光ビームL1を、可動鏡10,ジンバル機構を用いた可動鏡20,固定鏡30の順に導き、光軸調節した後の露光ビームL4を露光面へと導く。可動鏡20の反射面M2上の基準点Pは、ジンバル機構の固定点である。検出器22により、反射光L2の実際の入射位置が検出され、制御手段24により、当該入射位置が基準点Pに一致するように、可動鏡10の調節機構11に対する制御が行われる。検出器32により、反射光L3の実際の入射位置が検出され、制御手段34により、当該入射位置が基準点Qに一致するように、可動鏡20の調節機構21に対する制御が行われる。入射した光ビームL1は、必ず2つの固定点P,Qを通るように制御され、固定鏡30から射出される露光ビームL4は、予め設定された基準光路LLを通る。
【選択図】図6

Description

本発明は、露光装置に関し、特に、感光性材料層上にホログラム像を露光するような場合に用いられる高精度な光軸調節が必要な露光装置に関する。
微細なパターンを形成する手法として、所定の露光面に光を照射し、この露光面上に置かれた感光性材料層を部分的に感光させる方法は、半導体装置の製造プロセスや、ホログラム像の形成プロセスなどで広く利用されている。このような露光作業に利用される露光装置は、通常、ビーム源で発生した露光ビームを露光面へと誘導し、ビーム径を必要な大きさに拡張した上で、露光面へと照射する構造を有している。露光ビームを正しい位置へ導くためには、露光ビームを誘導する光学系において、光軸の正しい位置調節が重要である。一般に、光ビームの光軸調節は、反射鏡やプリズムなどの光学素子を組み合わせた装置によって行われ、作業者が目視手作業によって調節を行う場合もあれば、光ビームの位置センサからの出力信号に基く自動制御によって調節が行われる場合もある。たとえば、下記の特許文献1や2には、露光装置における露光ビームの光軸を自動的に調節する用途に適した光軸調節装置が開示されている。
このような光軸調節装置を利用して、光ビームが所定の基準光路を通るように調節を行ったとしても、光源の物理的変動要因等により、光ビームが基準光路から外れてしまうことも少なくない。もちろん、このような光軸ずれが生じた場合には、再度、光軸調節を行えばよいが、従来の光軸調節装置を用いた光軸の再調整作業は、複雑な作業手順を必要とするため効率的ではない。そこで、下記の特許文献3などには、入射光ビームが、予め設定した基準光路を外れた場合にも、射出光ビームが基準光路に沿った状態を維持するように、光軸をフィードバック制御によって自動調節するシステムが提案されている。
特開2002−229216号公報 特開2004−078131号公報 特開2005−331541号公報
従来の露光装置で用いられている光軸調節装置は、反射鏡やプリズムを組み合わせた複雑な光学系を用いているため、構造が複雑になるという問題があった。また、光軸調節を行うための反射回数が多くなるため、露光ビームの光量に損失が生じるという問題があった。一方、前掲の特許文献3に開示されたシステムでは、より単純な光学系を用いた光軸調節機構が提案されているが、フィードバック制御を行うために、光ビームの一部を検出用ビームとして分岐させるビームスプリッターを用いており、このビームスプリッターの部分での光量損失が避けられない。
そこで本発明は、光量の損失を必要最小限に抑えつつ、単純な構造で、効率的に光軸調節を行うことが可能な露光装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、所定の露光面に対して光を照射することにより、この露光面上に配置された感光材料を露光させるための露光装置において、
露光用の光ビームを発生させるビーム源と、
このビーム源で発生した光ビームを所定の基準光路に沿って露光面へと誘導するビーム誘導手段と、
ビーム誘導手段によって誘導される光ビームの径を、露光面の大きさに応じて拡張するビーム径拡張装置と、
を設け、
ビーム誘導手段が、ビーム状入射光の光軸を調節して、所定の基準光路に沿った射出光として射出させる光軸調節装置を含むようにし、この光軸調節装置を、
入射光を受ける位置に配置された第1の鏡と、
第1の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置された第2の鏡と、
第2の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置され、反射した光を射出光として射出する第3の鏡と、
第2の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する前段入射位置検出器と、
第3の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する後段入射位置検出器と、
前段入射位置検出器が検出した入射位置と、第2の鏡の反射面上の固定点として設定された前段基準点Pと、の間のずれを提示する前段ずれ提示手段と、
後段入射位置検出器が検出した入射位置と、第3の鏡の反射面上の固定点として設定された後段基準点Qと、の間のずれを提示する後段ずれ提示手段と、
第1の鏡の向きを調節する第1の向き調節機構と、
前段基準点Pの位置を固定させたまま、第2の鏡の向きを調節する第2の向き調節機構と、
によって構成したものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る露光装置において、
第1の向き調節機構が、互いに直交する位置もしくは互いにねじれの位置にある第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第1の鏡を第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第1の鏡を第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有するようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第1の態様に係る露光装置において、
第2の向き調節機構が、前段基準点Pの位置において互いに直交する第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第2の鏡を第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第2の鏡を第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係る露光装置において、
第2の向き調節機構が、
第2の鏡を、その反射面上の第1の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第1のフレームと、
第1のフレームを、反射面上の第2の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第2のフレームと、
を有するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第1〜第4の態様に係る露光装置において、
前段入射位置検出器を、
第2の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、第2の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
凸レンズを通った透過光を受ける受光面を有し、第2の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
によって構成し、
凸レンズの光軸が、前段基準点Pの位置において第2の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて受光面に交差するようにし、
凸レンズの中心点Cと前段基準点Pとの距離をaとし、凸レンズの中心点Cと参照点Rとの距離をbとし、凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、凸レンズおよび受光素子を配置し、
受光素子が、受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、第2の鏡に対する光の入射位置として出力するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第1〜第4の態様に係る露光装置において、
後段入射位置検出器を、
第3の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、第3の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
凸レンズを通った透過光を受ける受光面を有し、第3の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
によって構成し、
凸レンズの光軸が、後段基準点Qの位置において第3の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて受光面に交差し、
凸レンズの中心点Cと後段基準点Qとの距離をaとし、凸レンズの中心点Cと参照点Rとの距離をbとし、凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、凸レンズおよび受光素子を配置し、
受光素子が、受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、第3の鏡に対する光の入射位置として出力するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第5および第6の態様に係る露光装置において、
受光素子の受光面上には、それぞれ受光量に応じた電気信号を出力する画素が行列状に配置されており、
受光素子が、各画素が出力する信号値の分布についてのピーク位置を認識し、当該ピーク位置を示す信号を、鏡に対する光ビームの入射位置を示す信号として出力するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、所定の露光面に対して光を照射することにより、この露光面上に配置された感光材料を露光させるための露光装置において、
露光用の光ビームを発生させるビーム源と、
このビーム源で発生した光ビームを所定の基準光路に沿って露光面へと誘導するビーム誘導手段と、
ビーム誘導手段によって誘導される光ビームの径を、露光面の大きさに応じて拡張するビーム径拡張装置と、
を設け、
ビーム誘導手段が、ビーム状入射光の位置や向きが変動した場合にも、射出光が所定の基準光路に沿った状態を維持するように、光軸を自動的に調節する機能をもった光軸自動調節システムを含むようにし、この光軸自動調節システムを、
入射光を受ける位置に配置された第1の鏡と、
第1の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置された第2の鏡と、
第2の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置され、反射した光を射出光として射出する第3の鏡と、
与えられた制御信号に基づいて、第1の鏡の向きを調節する第1の向き調節機構と、
与えられた制御信号に基づいて、第2の鏡の反射面上の固定点として設定された前段基準点Pの位置を固定させたまま、第2の鏡の向きを調節する第2の向き調節機構と、
第2の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する前段入射位置検出器と、
第3の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する後段入射位置検出器と、
前段入射位置検出器が検出した入射位置と、前段基準点Pと、の間のずれを解消する方向に第1の鏡の向きが調節されるように、第1の向き調節機構に対して制御信号を与える前段制御手段と、
後段入射位置検出器が検出した入射位置と、第3の鏡の反射面上の固定点として設定された後段基準点Qと、の間のずれを解消する方向に第2の鏡の向きが調節されるように、第2の向き調節機構に対して制御信号を与える後段制御手段と、
によって構成したものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第8の態様に係る露光装置において、
第1の向き調節機構が、互いに直交する位置もしくは互いにねじれの位置にある第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第1の鏡を第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第1の鏡を第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第8の態様に係る露光装置において、
第2の向き調節機構が、前段基準点Pの位置において互いに直交する第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第2の鏡を第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第2の鏡を第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第10の態様に係る露光装置において、
第2の向き調節機構が、
第2の鏡を、その反射面上の第1の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第1のフレームと、
第1のフレームを、反射面上の第2の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第2のフレームと、
を有するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第8〜第11の態様に係る露光装置において、
前段入射位置検出器を、
第2の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、第2の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
凸レンズを通った透過光を受ける受光面を有し、第2の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
によって構成し、
凸レンズの光軸が、前段基準点Pの位置において第2の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて受光面に交差するようにし、
凸レンズの中心点Cと前段基準点Pとの距離をaとし、凸レンズの中心点Cと参照点Rとの距離をbとし、凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、凸レンズおよび受光素子を配置し、
受光素子が、受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、第2の鏡に対する光の入射位置として出力するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第8〜第11の態様に係る露光装置において、
後段入射位置検出器を、
第3の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、第3の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
凸レンズを通った透過光を受ける受光面を有し、第3の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
によって構成し、
凸レンズの光軸が、後段基準点Qの位置において第3の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて受光面に交差するようにし、
凸レンズの中心点Cと後段基準点Qとの距離をaとし、凸レンズの中心点Cと参照点Rとの距離をbとし、凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、凸レンズおよび受光素子が配置されており、
受光素子が、受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、第3の鏡に対する光の入射位置として出力するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第12または第13の態様に係る露光装置において、
受光素子の受光面上には、それぞれ受光量に応じた電気信号を出力する画素が行列状に配置されており、
受光素子が、各画素が出力する信号値の分布についてのピーク位置を認識し、当該ピーク位置を示す信号を、鏡に対する光ビームの入射位置を示す信号として出力するようにしたものである。
本発明に係る露光装置では、3組の反射鏡を用い、第1の鏡を可動鏡、第2の鏡をジンバル機構を用いた可動鏡、第3の鏡を固定鏡とすることにより、第2の鏡の反射面上の基準点Pと第3の鏡の反射面上の基準点Qの2点を必ず通るように光軸調節を行うことができる。このため、光量の損失を必要最小限に抑えつつ、単純な構造で、上記基準点P,Qを通る基準光路に沿うように光ビームの光軸調節が可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。本発明に係る露光装置の特徴は、ビーム源から露光面へと向かう露光ビームの光路上に、ユニークな光軸調節の仕組を組み込むことにより、露光ビームの光軸調節を効率的に行うようにした点にある。そこで、本発明は露光装置に係る発明であるが、説明の便宜上、§1において、本発明に利用される光軸調節装置の構成および動作について述べ、§2において、その具体的な構成例を述べ、§3において、更に自動制御機能を付加した光軸自動調節システムの構成および動作について述べることにし、最後の§4において、これらを組み込んだ露光装置の構成および動作について述べることにする。
<<< §1.光軸調節装置の基本構成 >>>
図1は、本発明に係る露光装置に用いられる光軸調節装置の基本構成を示すブロック図である。図示のとおり、この光軸調節装置は、3つの反射鏡10,20,30を有しており、たとえば、レーザなどの光源5から照射されるビーム状入射光についての光軸を調節する機能を有している。すなわち、光源5から、この光軸調節装置内に導かれた入射光ビームL1は、まず、第1の鏡10の反射面M1で反射して反射光ビームL2となり、続いて、第2の鏡20の反射面M2で反射して反射光ビームL3となり、最後に、第3の鏡30の反射面M3で反射して、射出光ビームL4となり、この光軸調節装置から外部へと射出することになる。図に一点鎖線で示されている経路は、この光軸調節装置の内部における光ビームの光路を示している。なお、ここに示す実施例では、各鏡の反射面M1,M2,M3は、いずれも平面であるものとする。
この光軸調節装置の目的は、ビーム状入射光L1の光軸を調節して、所定の基準光路LLに沿った射出光L4として射出させることにある。図1は、このような光軸調節が完了した状態を示しており、射出光ビームL4は、基準光路LLに沿った状態で出力されている。
既に述べたとおり、微細パターンの露光プロセスや材料の加工プロセスなど、レーザビームを利用して精密な処理を行うプロセスでは、正確な光軸調節作業が必要になる。ところが、レーザなどの光源5は、常に安定した動作を行っているわけではなく、様々な要因により、生成される光ビームの光軸にずれが生じることになる。図1に示す光軸調節装置は、光源5に生じた何らかの変動要因に基づいて、入射光ビームL1の光軸がずれた場合にも、射出光ビームL4を基準光路LLに沿った状態で出力させるような光軸調節を容易に行うことができる。
図1に一点鎖線で示すように、この光軸調節装置内に入射した光ビームの光路は、点O、点P、点Qをこの順に通過している。ここで、点Oは、第1の鏡10の反射面M1上の点であり、点Pは、第2の鏡20の反射面M2上の点であり、点Qは、第3の鏡30の反射面M3上の点である。光ビームの光路が図示のようになるように、第1の鏡10は、入射光ビームL1を受ける位置に配置され、第2の鏡20は、第1の鏡10で反射した反射光ビームL2を受ける位置に配置され、第3の鏡30は、第2の鏡20で反射した反射光ビームL3を受ける位置に配置されており、第3の鏡30が反射した光が射出光ビームL4として、基準光路LLに沿って射出されることになる。
ここで、3つの鏡は、それぞれ固有の特徴をもっている。まず、第1の鏡10は、可動鏡であり、反射面M1の向きを調節することが可能である。図1にブロックで示した第1の向き調節機構11は、第1の鏡10の向きを調節するための構成要素であり、その具体的な構成例は後述する。もっとも、第1の向き調節機構11は、反射光ビームL2の向きを任意の方向に向けることができるように、第1の鏡10を可動自在に支持する構造であれば、どのような構造のものであってもかまわない。
一方、第2の鏡20も可動鏡であり、反射面M2の向きを調節することが可能である。図1にブロックで示した第2の向き調節機構21は、第2の鏡20の向きを調節するための構成要素であり、その具体的な構成例は後述する。ただ、この第2の鏡20の向きを調節するにあたっては、ある条件が課される。すなわち、反射面M2上には、所定の基準点Pが定義されており、第2の鏡20の向きを調節するにあたっては、この基準点Pの位置を固定させた状態にする必要がある。基準点Pは、たとえば、反射面M2の中心点に設定すればよい。
第2の向き調節機構21は、基準点Pの位置を固定させたまま、第2の鏡20の向きを調節する機能を有しており、その具体的な構成例は後述する。この第2の向き調節機構21によって、第2の鏡20の向きを任意の方向に向けることが可能であるが、どのような方向を向けたとしても、反射面M2上の1点として定義された基準点Pは常に不動点となり、三次元空間上の定点となる。このように、第2の鏡20は、可動鏡ではあるが、鏡をどのように動かしたとしても、基準点Pが不動点となる点は重要な特徴である。なお、第1の鏡10に関しては、このような制限はないので、第1の鏡10を動かすことによって、反射面M1上の1点Oが、三次元空間上で移動することになっても問題はない。
これに対して、第3の鏡30は固定鏡であり、その位置も向きも固定された状態を維持する。図示のとおり、この第3の鏡30の反射面M3上にも、基準点Qが定義されている。反射面M3は三次元空間上に固定されているので、当然、基準点Qは不動点となる。
本発明の原理上、上述した2つの基準点P,Qが不動点になることが非常に重要である。以下、説明の便宜上、第2の鏡20側の基準点Pを前段基準点と呼び、第3の鏡30側の基準点Qを後段基準点と呼ぶことにする。上述したとおり、後段基準点Qは、第3の鏡30自身が不動の固定鏡であることから不動点になる。これに対して、第2の鏡20自身は可動鏡であるものの、第2の向き調節機構が、前段基準点Pの位置を固定させたまま、第2の鏡20の向きを調節する機構を採用しているため、前段基準点Pも不動点となるのである。
さて、第2の鏡20の反射面M2上に前段基準点Pが定義され、第3の鏡30の反射面M3上に後段基準点Qが定義されており、これら両基準点P,Qが不動点であることを考えると、前段基準点Pから後段基準点Qに向かう光路も不動の光路ということになる。したがって、図1において、入射光ビームL1の位置や向きがずれたとしても、結果的に、前段基準点Pから後段基準点Qに向かう反射光ビームL3を作り出すことができれば、射出光ビームL4は、常に、基準光路LLに沿って射出されることになる。要するに、この光軸調節装置内を通る光ビームの経路が、両基準点P,Qを通るように調節してやれば、入射光ビームL1がどのように変動したとしても、最終的な射出光ビームL4は、基準光路LL上を通ることになるのである。
そのような調節を行うためには、まず、第1の鏡10で反射した反射光ビームL2が前段基準点Pに照射されるように、第1の向き調節機構11による向き調節作業を行えばよい。上述したように、第1の向き調節機構11は、反射光ビームL2の向きを任意の方向に向けることができるように、第1の鏡10を可動自在に支持する機構である。図1では、既に反射光ビームL2が前段基準点Pに照射される状態となっているが、もし、入射光ビームL1の向きや位置に変動が生じると、反射光ビームL2の向きや位置も変動することになり、結果的に、反射光ビームL2の反射面M2上の入射点は、前段基準点Pから外れることになる。その場合には、第1の向き調節機構11を操作して、反射光ビームL2の向きを変え、反射光ビームL2の反射面M2上の入射点が、前段基準点Pに一致するような調節を行えばよい。
このような調節操作を容易にするために、第2の鏡20の裏面側(反射面M2とは反対側)に、前段入射位置検出器22が設けられている。この前段入射位置検出器22は、第2の鏡20に対する光ビームL2の入射位置を検出する機能をもった構成要素であり、その具体的な構成例は後述する。前段入射位置検出器22によって検出された入射位置を示す電気信号は、前段ずれ提示手段23に与えられる。この前段ずれ提示手段23は、前段入射位置検出器22が検出した入射位置と、第2の鏡20の反射面M2上の固定点として設定された前段基準点Pと、の間のずれを、オペレータに提示する機能をもった構成要素であり、オペレータは、この前段ずれ提示手段23によって提示された「ずれ」を認識した上で、第1の向き調節機構11を操作することにより、当該「ずれ」を解消する方向に、第1の鏡10の向きを調節することができる。
このような調節作業により、前段ずれ提示手段23によって提示される「ずれ」が0になれば、「反射光ビームL2が前段基準点Pに照射された状態」になっている。そこで今度は、第2の鏡20で反射した反射光ビームL3が後段基準点Qに照射されるように、第2の向き調節機構21による向き調節作業を行えばよい。上述したように、第2の向き調節機構21は、反射光ビームL3の向きを任意の方向に向けることができるように、第2の鏡20を可動自在に支持する機構である。しかも、前段基準点Pの位置を固定させたまま、第2の鏡20を動かすことができるので、このような調節作業を行ったとしても、「反射光ビームL2が前段基準点Pに照射された状態」はそのまま維持される。
このような調節操作を容易にするために、第3の鏡30の裏面側(反射面M3とは反対側)に、後段入射位置検出器32が設けられている。この後段入射位置検出器32は、第3の鏡30に対する光ビームL3の入射位置を検出する機能をもった構成要素であり、その具体的な構成例は後述する。後段入射位置検出器32によって検出された入射位置を示す電気信号は、後段ずれ提示手段33に与えられる。この後段ずれ提示手段33は、後段入射位置検出器32が検出した入射位置と、第3の鏡30の反射面M3上の固定点として設定された後段基準点Qと、の間のずれを、オペレータに提示する機能をもった構成要素であり、オペレータは、この後段ずれ提示手段33によって提示された「ずれ」を認識した上で、第2の向き調節機構21を操作することにより、当該「ずれ」を解消する方向に、第2の鏡20の向きを調節することができる。
このような調節作業により、後段ずれ提示手段33によって提示される「ずれ」が0になれば、反射光ビームL3は後段基準点Qに照射された状態になっている。このとき、反射光ビームL2も、前段基準点Pに照射された状態になっているので、前段基準点Pから後段基準点Qに向かう反射光ビームL3が作り出されたことになり、射出光ビームL4は、基準光路LLに沿って射出されることになる。かくして、入射光ビームL1が変動したとしても、最終的な射出光ビームL4が、基準光路LL上を通るように光軸調節作業を行うことが可能になる。
結局、図1に示す光軸調節装置を利用して、図示のように、一旦、点O,点P,点Qを通る光路を形成し、このときの射出光L4の光路を基準光路LLとして設定しておけば、その後、入射光ビームL1の向きや位置に変動が生じたとしても、オペレータは、容易に光軸調節作業(射出光L4が基準光路LLを通るように調節する作業)を行うことが可能である。すなわち、入射光ビームL1の向きや位置に変動が生じると、変動後の光ビームは、図1に一点鎖線で示す光路から外れてしまうことになる。しかしながら、オペレータは、次のような調節作業を行うことによって、基準光路LL上を通るように光軸調節された射出光ビームL4を得ることが可能になる。
オペレータは、まず、前段ずれ提示手段23によって提示された「ずれ」を認識した上で、第1の向き調節機構11を操作することにより、当該「ずれ」を解消する方向に、第1の鏡10の向きを調節する。そうすれば、「反射光ビームL2が前段基準点Pに照射された状態」にもってゆくことができる。もちろん、このとき、反射光ビームL2の反射面M2に対する入射角は、以前の状態とは異なっているであろうから、反射光ビームL2が前段基準点Pへ入射しているからと言って、反射光ビームL3は後段基準点Qに照射された状態にはなっていないであろう。
そこで、オペレータは、後段ずれ提示手段33によって提示された「ずれ」を認識した上で、第2の向き調節機構21を操作することにより、当該「ずれ」を解消する方向に、第2の鏡20の向きを調節する。そうすれば、「反射光ビームL2が前段基準点Pに照射された状態」を維持しつつ、「反射光ビームL3が後段基準点Qに照射された状態」にもってゆくことができる。そうなれば、その時点での射出光ビームL4は、以前と同様に、基準光路LL上を通るものになる。
なお、上述の説明において、第3の鏡30は固定鏡であり、その位置も向きも固定された状態を維持する、と述べたが、これは、図示のように、一旦、点O,点P,点Qを通る光路を形成し、このときの射出光L4の光路を基準光路LLとして設定した後は、第3の鏡30を固定した状態で、第1の鏡10および第2の鏡20のみを移動させて光軸調節を行うことを意味するものであり、「基準光路LLを設定した後は、第3の鏡30は固定される」という意味である。別言すれば、「基準光路LLを設定するまで」は、第3の鏡30を動かしてもかまわないので、第3の鏡30として可動鏡を用いても問題はない。むしろ実用上は、第3の鏡30として可動鏡を用い、第3の鏡30の向きを適宜調節することにより、基準光路LLを所望の位置や向きに設定できるようにしておくのが好ましい。
<<< §2.各部の具体的な構成例 >>>
前述の§1では、図1のブロック図を参照しながら、本発明に係る光軸調節装置の基本構成とその動作原理を説明した。ここでは、このブロック図に示されている各部の具体的な構成例を述べることにする。
(1) 第1の向き調節機構11の構成例
図2は、図1に示す光軸調節装置における第1の向き調節機構11の構成例を示す斜視図である。この第1の向き調節機構11は、第1の鏡10の向きを調節するための機構であるが、反射光ビームL2の光路を前段基準点Pに向かわせるように調節するためには、2つの自由度をもった方向に調節を行う必要がある。別言すれば、互いに直交した2つの面のそれぞれに沿った方向に関して、別個独立して鏡を回動させる仕組が必要である。図1において、第1の向き調節機構11から第1の鏡10に向けて描かれた実線矢印は、このような仕組により、第1の鏡10の向きの調節が可能であることを示している。
図2に示す機構は、上記条件を満足する第1の向き調節機構11を、支持フレーム11−1を用いて構成した例を示す斜視図である。支持フレーム11−1は、第1の鏡10(この例では、矩形状の鏡となっている)の底部を回動軸A1に関して回動自在に支持する構造を有しており、更に、この支持フレーム11−1自体は、回動軸A2に関して回動自在となるように、図示しない台座上に取り付けられている。回動軸A1と回動軸A2は直交する軸となっているので、回動軸A1に関する回動角θおよび回動軸A2に関する回動角φを所望の値に設定することにより、反射面M1を任意の向きに調節することが可能であり、反射光ビームL2の光路を前段基準点Pに向かわせることができる。
もちろん、第1の鏡を互いに独立した2つの回動軸に関して回動可能に支持することができれば、各回動軸の設定は、図2に示す実施例に限定されるものではない。たとえば、支持フレーム11−1自体を回動させる回動軸として、回動軸A2の代わりに回動軸A3を用いてもかまわない。この場合、第1の鏡M1は、回動軸A1と回動軸A3の2つの回動軸に関して回動自在に支持された状態になる。回動軸A3は、回動軸A1に直交する軸A2を平行移動した軸に相当するので、両回動軸A1,A3は、互いにねじれの位置にある。このように互いにねじれの位置にある2軸を回動軸として、第1の鏡10を回動自在に支持する機構によって、第1の向き調節機構11を構成することもできる。
要するに、第1の向き調節機構11は、互いに直交する位置もしくは互いにねじれの位置にある第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第1の鏡10を第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第1の鏡10を第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有していればよい。
(2) 第2の向き調節機構21の構成例
図3は、図1に示す光軸調節装置における第2の向き調節機構21の構成例を示す正面図である。この第2の向き調節機構21は、第2の鏡20の向きを調節するための機構であるが、反射光ビームL3の光路を後段基準点Qに向かわせるように調節するためには、2つの自由度をもった方向に調節を行う必要があり、互いに直交した2つの面のそれぞれに沿った方向に関して、別個独立して鏡を回動させる仕組が必要である。しかも、この第2の鏡20については、更に、「前段基準点Pの位置を固定させたまま、向きの調節を行う」という加重条件が課されることになる。これは、第1の鏡10の向きを調節して、反射光ビームL2が前段基準点Pに到達するようになった状態をそのまま維持しつつ、反射光ビームL3の光路を後段基準点Qに向かわせる必要があるためである。図1において、第2の向き調節機構21から第2の鏡20に向けて描かれた実線矢印は、このような条件を満たしつつ、第2の鏡20の向きの調節が可能であることを示している。
図3に示す機構は、上記条件を満足する第2の向き調節機構21を、いわゆる「ジンバル機構」を用いて構成した例を示す斜視図である。図示のとおり、この実施例では、円盤状の鏡が第2の鏡20として用いられている。この第2の鏡20の反射面M2の中心に前段基準点Pが定義され、この反射面M2に含まれる軸であって、前段基準点Pの位置で直交する2つの回動軸A1,A2が定義されている。
第2の鏡20の左右側面には、回動シャフト21−1が取り付けられており、この回動シャフト21−1は、第2の鏡20の周囲を取り囲むような円環状をした第1のフレーム21−2によって回動自在に支持されている。回動シャフト21−1は、回動軸A1を中心軸としているため、第2の鏡20は、第1のフレーム21−1に対して、回動軸A1に関して回動自在になる。
一方、第1のフレーム21−2の上下側面には、回動シャフト21−3が取り付けられており、この回動シャフト21−3は、第1のフレーム21−2の周囲を取り囲むような方環状をした第2のフレーム21−4によって回動自在に支持されている。回動シャフト21−3は、回動軸A2を中心軸としているため、第1のフレーム21−2は、第2のフレーム21−4に対して、回動軸A2に関して回動自在になる。
回動軸A1と回動軸A2とは、前段基準点Pの位置で直交しているので、回動軸A1に関する回動角αおよび回動軸A2に関する回動角βを所望の値に設定することにより、反射面M2を任意の向きに調節することが可能であり、反射光ビームL3の光路を後段基準点Qに向かわせることができる。しかも、両回動軸A1,A2は、いずれも前段基準点Pを通るように設定されているため、両回動軸A1,A2まわりの回動操作を行ったとしても、反射面M2上の中心位置に定義された前段基準点Pの位置は不変である。
要するに、第2の向き調節機構21は、前段基準点Pの位置において互いに直交する第1の回動軸A1および第2の回動軸A2を設定したときに、第2の鏡20を第1の回動軸A1まわりに回動させる機構と、第2の鏡20を第2の回動軸A2まわりに回動させる機構と、によって構成すればよい。図3に示す実施例は、このような機構を、第1のフレーム21−2と第2のフレーム21−4とを用いて構成したものである。ここで、第1のフレーム21−2は、第2の鏡20を、その反射面M2上の第1の回動軸A1に関して回動自在となるように、その周囲から支持するフレーム21−2であり、第2のフレーム21−4は、第1のフレーム21−2を、反射面M2上の第2の回動軸A2に関して回動自在となるように、その周囲から支持するフレームである。
なお、この図3に示す「ジンバル機構」は、前述した第1の向き調節機構11に要求される条件も満足しているので、第1の向き調節機構11としても利用可能である。
(3) 入射位置検出器の構成例
図4は、図1に示す光軸調節装置における前段入射位置検出器22の構成例を示す側面図である。この検出器は、第2の鏡20に対する光ビームL2の入射位置(反射面M2との交点位置)を検出するためのものであり、より具体的には、前段基準点Pに対する光ビームL2の入射位置のずれを検出するためのものである。
図示のとおり、この前段入射位置検出器22は、凸レンズ22−1と受光素子22−2によって構成されており、第2の鏡20の反射面M2を透過して図の右方向へ進む光の位置を検出する機能を有している。第2の鏡20に入射した光ビームL2は、反射面M2で反射して、図の下方へ光ビームL3として射出することになるが、実際には、反射率100%の鏡を用意することは困難であり(一般的な鏡は、反射率99.5%程度である)、わずかな漏れ光が反射面M2を透過して、図の右方向へと進行することになる。前段入射位置検出器22は、この漏れた透過光を検出する機能を有している。
凸レンズ22−1は、第2の鏡20の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、第2の鏡20の裏面側に固定されている(配置が裏面側にあり、第2の鏡20からの透過光を受けることができればよいので、必ずしも第2の鏡20の裏面に直接固定されている必要はない)。一方、受光素子22−2は、凸レンズ22−1を通った透過光を受ける受光面Sを有し、第2の鏡20の裏面側に固定されている(やはり配置が裏面側にあり、第2の鏡20からの透過光を受けることができればよいので、必ずしも第2の鏡20の裏面に直接固定されている必要はない)。
また、凸レンズ22−1は、その光軸A(図では、破線で示す)が、前段基準点Pの位置において第2の鏡20の反射面M2に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて受光素子22−2の受光面Sに交差する位置に配置されている。なお、図示の例では、受光面Sの中心に参照点Rが設定されており、凸レンズ22−1の光軸Aが、この参照点Rの位置において受光面Sに直交するような配置がなされているが、参照点Rは必ずしも受光面Sの中心に設定する必要はなく、光軸Aは必ずしも受光面Sに直交する必要はない。ただ、実用上は、良好な検出を行うために、参照点Rを受光面Sの中心に設定し、光軸Aが受光面Sに直交するように設定するのが好ましい。
第2の鏡20,凸レンズ22−1,受光素子22−2の相互配置に関する、もうひとつの重要な条件は、凸レンズ22−1の中心点Cと前段基準点Pとの距離をaとし、凸レンズ22−1の中心点Cと参照点Rとの距離をbとし、凸レンズ22−1の焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、凸レンズ22−1および受光素子22−2が、第2の鏡20の裏面側に配置されている点である。
これは、凸レンズ22−1に関して、前段基準点Pと参照点Rとが光学的共役関係にある配置になることを意味し、前段基準点Pと参照点Rとは、互いに共役点の関係になる。このような光学的共役関係が維持されていると、前段基準点Pから発した光ビームは、凸レンズ22−1を通った後、必ず参照点Rの位置に到達することになる。別言すれば、光ビームL2が、前段基準点Pに到達していれば、前段基準点Pに対してどのような入射角度で入射したとしても、受光面Sへの透過光の到達位置は、必ず参照点Rになる。したがって、第2の鏡20の裏面側に漏れ出た透過光の受光面S上の到達位置を観測すれば、光ビームL2の反射面M2上の入射位置を認識することができる。
もっとも、実際には、光ビームL2は、幾何学的な1本の線ではなく、その光路に垂直な断面は、ほぼ円形のスポットになる。この円形スポットの光強度は、中心が最も大きく、周囲にゆくほど強度が徐々に減衰する形態をとる(通常はガウシアン分布をとる)。したがって、「光ビームL2が前段基準点Pに照射されている状態」とは、実際には、「光ビームL2の中心軸が前段基準点Pを通る状態」を意味する。結局、受光素子22−2の受光面Sには、光ビームL2の断面に対応した輝度分布を示すほぼ円形のスポットが形成されることになる。そこで、受光素子22−2は、受光面S上に形成された輝度分布(円形のスポット)の中心位置を、第2の鏡20の反射面M2に対する光ビームL2の入射位置として出力すればよい。
図4の側面図は、「光ビームL2が前段基準点Pに照射されている状態」、すなわち、「光ビームL2の中心軸(図では、一点鎖線で示されている)が前段基準点Pを通る状態」を示している。しかも、図示の例では、光ビームL2の透過光の中心軸は、凸レンズ22−1の光軸A(図では、破線で示されている)に一致し、参照点Rを通ることになる。この場合、受光面S上に形成される円形スポットの中心位置は、参照点Rということになり、受光面S上には、参照点Rを輝度のピーク位置とする円形の輝度分布が得られる。
ところが、光ビームL2の反射面M2への入射位置が、前段基準点Pから外れると、光ビームL2の透過光の中心軸と受光面Sとの交点も、参照点Rから外れた位置になる(すなわち、受光面S上に形成される円形スポットの中心位置は、参照点Rから外れることになる)。
図5は、図4に示す受光素子22−2の受光面Sを示す平面図である。この例では、参照点Rは、受光面Sの中心位置に設定されている。円形スポットDは、光ビームL2の透過光によって受光面S上に形成された照射領域を示しており、この円形スポットDの中心点Iは、輝度がピークを示す位置になる。そして、この中心点Iの位置は、現時点での光ビームL2の反射面M2への入射位置を示しているので、光ビームL2を、前段基準点Pへ向かう状態にするためには、中心点Iが参照点Rに一致する方向に、第1の鏡10の向きを調節すればよい。
受光素子22−2に、光ビームL2の反射面M2への入射位置を示す信号を出力させるためには、たとえば、受光面S上に、それぞれ受光量に応じた電気信号を出力する多数の画素を行列状に配置した構成をとり、各画素が出力する信号値の分布についてのピーク位置を認識し、当該ピーク位置を示す信号を、鏡に対する光ビームの入射位置を示す信号として出力するようにすればよい。たとえば、図5に示す例において、参照点Rの位置を原点とした二次元座標系を定義すれば、円形スポットD内の輝度分布のピーク位置である中心点Iの二次元座標値を、光ビームL2の反射面M2への入射位置を示す信号として出力することができる。
もっとも、第1の鏡10の向きを調節する上では、「光ビームL2の反射面M2への入射位置が、前段基準点Pからどの方向にずれているか」という情報さえ把握できれば、「どの程度ずれているか」という正確な情報がなくても、調節作業は可能である。たとえば、「下にずれている」という情報が把握できれば、光ビームL2を上方へ向ける方向に鏡の調節を行えばよいし、「左にずれている」という情報が把握できれば、反射光ビームL2を右方へ向ける方向に鏡の調節を行えばよい。もっとも、オペレータに「調整作業完了」を判断させる上では、「ずれ」の量が所定の許容範囲内になったことを示す信号も必要である。したがって、受光素子22−2は、必ずしも、円形スポットDの中心点Iの正確な座標値を出力する必要はなく、参照点Rに対する「ずれの方向」と「ずれ量が許容範囲内になったか否か」を示す信号を出力する機能を有していれば足りる。
たとえば、図5に示す例において、参照点Rの位置を原点とし、図に破線で示す座標軸を定義すれば、受光面Sを第1象限I、第2象限II、第3象限III、第4象限IVの4つの領域に分割することができる。そこで、各画素からの信号値の和を、それぞれの領域ごとに求めれば、和が最も大きくなる領域に、円形スポットDの中心点Iが存在すると推定することができる。あるいは、4つの領域を、それぞれ1枚の太陽電池パネルなどで構成しておき、最も出力電力量の大きなパネルの位置に、円形スポットDの中心点Iが存在すると推定するようにしてもよい。このような機能をもった受光素子22−2は、四分割センサあるいはPSD(Position Sensitive Device)なる装置として一般に市販されている。
なお、図4では、説明の便宜上、凸レンズ22−1の光軸Aを幾何学的な直線(図では破線)として示し、この幾何学的な直線上に前段基準点Pが位置する例を示したが、実際には、第2の鏡20は、厚みをもった支持体の表面に反射面M2を形成したものであるから、前段基準点Pから図の右方へと向かう透過光は、第2の鏡20の裏面を透過する際に屈折を生じることになる。したがって、厳密に図示すれば、図4に光軸Aとして示す破線の左端付近は、第2の鏡20の裏面を境界として若干折れ曲がったものになり、前段基準点Pは、この折れ曲がった破線の左端に位置していなければならない。
したがって、「凸レンズ22−1の光軸Aが、前段基準点Pの位置において第2の鏡20の反射面M2に交差する」という条件は、厳密に言えば、幾何学的な直線としての光軸Aではなく、第2の鏡20の裏面における屈折を考慮した光路としての光軸について言及されるべき条件ということになる。また、凸レンズ22−1の中心点Cと前段基準点Pとの距離aも、厳密に言えば、幾何学的な2点間距離ではなく、屈折を考慮した光路上の距離として定義する必要がある。もっとも、「屈折を考慮した光路」の代わりに、幾何学的な直線を用いて近似しても、実用上、大きな誤差は生じない。
また、図4に示す例では、凸レンズ22−1や受光素子22−2が、光ビームL2自身の透過光を受ける位置に配置されており(すなわち、図4において、光ビームL2の右方への延長線上に凸レンズ22−1や受光素子22−2が配置されている)、受光素子22−2には、光ビームL2自身の透過光が入るような構成になっているが、受光素子22−2は、必ずしも光ビームL2自身の透過光を受ける必要はない。すなわち、受光素子22−2は、光ビームL2の反射面M2に対する入射点からの散乱透過光を受けて、入射位置の検出を行うこともできる。
たとえば、反射面M2は、通常、アルミニウムなどの金属薄膜を基板上に形成することによって形成される。このような金属薄膜の表面に、光ビームを入射させた場合、多くの光成分は、入射点において反射して反射光として射出されるが、一部は、透過光として金属薄膜を通り抜け、また別な一部は、入射点において散乱し、四方八方へと拡散してゆく。いま、光ビームの入射点が前段基準点Pであったとすると、この前段基準点Pからの散乱光も、凸レンズ22−1を通ることによって、受光面S上の参照点Rに集められる。結局、前段基準点Pが散乱光を発する点光源であると考えると、凸レンズ22−1に関して、前段基準点Pと参照点Rとが光学的共役関係にあるため、当該点光源の像が参照点Rの位置に結像することになる。
したがって、光ビームL2の右方への延長線上に凸レンズ22−1や受光素子22−2を配置する図4のような構成を採らなかったために(たとえば、反射面M2に対して直交する直線上に凸レンズ22−1や受光素子22−2を配置したために)、受光素子22−2に、光ビームL2自身の透過光が入らなくなったとしても、光ビームの入射点からの散乱光によって、受光面S上に入射点の像が結像することになるので、当該像の位置に基づいて、入射点の位置を把握することができる。
もっとも、このような散乱光は、光ビームL2自身の透過光に比べて、強度が非常に低くなるので、実用上は、図4に示す配置のように、光ビームL2自身の透過光が受光素子22−2に入るような構成を採るのが好ましい。
以上、図4および図5を参照しながら、図1に示す光軸調節装置における前段入射位置検出器22の構成例を説明したが、後段入射位置検出器32も全く同様の構成により実現することができる。後段入射位置検出器32は、第3の鏡30に対する反射光ビームL3の入射位置(反射面M3との交点位置)を検出するためのものであり、後段基準点Qに対する反射光ビームL3の入射位置のずれを検出するためのものである。
このような後段入射位置検出器32は、第3の鏡30の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、第3の鏡30の裏面側に固定された凸レンズ(配置が裏面側にあればよいので、必ずしも第3の鏡30の裏面に直接固定されている必要はない)と、この凸レンズを通った透過光を受ける受光面を有し、第3の鏡30の裏面側に固定された受光素子(やはり配置が裏面側にあればよいので、必ずしも第3の鏡30の裏面に直接固定されている必要はない)と、によって構成できる。ここで、凸レンズの光軸は、後段基準点Qの位置において第3の鏡の反射面M3に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて受光面に交差するようにし、更に、凸レンズの中心点Cと後段基準点Qとの距離をaとし、凸レンズの中心点Cと参照点Rとの距離をbとし、凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、凸レンズおよび受光素子が配置されるようにし、受光素子は、受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、第3の鏡30に対する光の入射位置として出力することができればよい。
なお、図1において、第2の鏡20から前段入射位置検出器22に向けて描かれた破線矢印は、上述のような手法により、第2の鏡20に対する反射光ビームL2の入射位置の検出が、前段入射位置検出器22によって行われることを示しており、第3の鏡30から後段入射位置検出器32に向けて描かれた破線矢印は、上述のような手法により、第3の鏡30に対する反射光ビームL3の入射位置の検出が、後段入射位置検出器32によって行われることを示している。
(4) ずれ提示手段の構成例
図1に示す前段ずれ提示手段23は、前段入射位置検出器22が検出した入射位置と、第2の鏡20の反射面M2上の固定点として設定された前段基準点Pと、の間の「ずれ」を、オペレータに対して提示する機能をもった構成要素である。オペレータは、提示された「ずれ」を解消する方向に、第1の向き調節機構11を操作して、光ビームL2の向きを調節することになる。同様に、後段ずれ提示手段33は、後段入射位置検出器32が検出した入射位置と、第3の鏡30の反射面M3上の固定点として設定された後段基準点Qと、の間の「ずれ」を、オペレータに対して提示する機能をもった構成要素である。オペレータは、提示された「ずれ」を解消する方向に、第2の向き調節機構21を操作して、光ビームL3の向きを調節することになる。
図1において、前段入射位置検出器22から前段ずれ提示手段23に向けて描かれた実線矢印は、前段入射位置検出器22によって検出された入射位置が電気信号として前段ずれ提示手段23へ引き渡されることを示しており、同様に、後段入射位置検出器32から後段ずれ提示手段33に向けて描かれた実線矢印は、後段入射位置検出器32によって検出された入射位置が電気信号として後段ずれ提示手段33へ引き渡されることを示している。
前述したように、各鏡の向きを調節する上では、「入射位置が基準点に対して、どの方向にずれているか」という情報さえ把握できればよいので、ずれ提示手段による「ずれ」の提示方法は、実用上、「前後左右」といった「ずれ」の方向と、「ずれ」の量が所定の許容範囲内になったことを提示するだけで十分である。
たとえば、図5に示す例では、前段入射位置検出器22によって、受光面S上に形成された円形スポットDの中心点Iが、座標系のどの象限に位置するかを検出する例を示した。このような検出信号を受けたずれ提示手段は、「第1象限I」との検出信号を受けた場合には「右上にずれている」ことを示し、「第2象限II」との検出信号を受けた場合には「左上にずれている」ことを示し、「第3象限III」との検出信号を受けた場合には「左下にずれている」ことを示し、「第4象限IV」との検出信号を受けた場合には「右下にずれている」ことを示す提示を行えばよい(たとえば、「ずれ」の方向を示すランプを点灯させればよい)。また、中心点Iと参照点Rとの距離が所定値以下になったときには、「ずれ」の量が所定の許容範囲内になったことをオペレータに提示して、オペレータが調節作業の完了を認識できるようにすればよい。
<<< §3.光軸自動調節システムの基本構成 >>>
さて、§1では、図1のブロック図を参照して、光軸調節装置の基本構成を示したが、この光軸調節装置は、基本的に、調節作業をオペレータの手に委ねるものであり、光軸調節に用いる光学系の構造は単純になるものの、調節作業を行うためのオペレータの労力は必要とされる。ここで述べる光軸自動調節システムは、§1で述べた光軸調節装置を更に発展させ、光軸調節の作業を自動化するものである。
図6は、この光軸自動調節システムの基本構成を示すブロック図である。図1に示す光軸調節装置と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付して示した。すなわち、反射面M1をもった第1の鏡10、反射面M2をもった第2の鏡20、反射面M3をもった第3の鏡30、第1の向き調節機構11、第2の向き調節機構21、前段入射位置検出器22、後段入射位置検出器32は、§1で述べた各構成要素と同一のものを用いてかまわない。すなわち、図6にブロックとして示す第1の向き調節機構11、第2の向き調節機構21、前段入射位置検出器22、後段入射位置検出器32の具体的な構成例は、§2で述べたとおりである。この図6に示す光軸自動調節システムでは、図1に示す光軸調節装置における前段ずれ提示手段23の代わりに前段制御手段24が設けられ、後段ずれ提示手段33の代わりに後段制御手段34が設けられている。
前段制御手段24は、前段入射位置検出器22が検出した入射位置と、前段基準点Pと、の間のずれを解消する方向に第1の鏡10の向きが調節されるように、第1の向き調節機構11に対して制御信号を与える処理を行う。第1の向き調節機構11は、前段制御手段24から与えられた制御信号に基づいて、第1の鏡10の向きを調節する。
図6における前段入射位置検出器22から前段制御手段24へ向かう実線矢印は、前段入射位置検出器22で検出された入射位置を示す電気信号が前段制御手段24へ引き渡されることを示しており、前段制御手段24から第1の向き調節機構11へ向かう実線矢印は、前段制御手段24からの電気的な制御信号が第1の向き調節機構11へ引き渡されることを示している。
たとえば、第1の向き調節機構11として、図2に示すような具体的な調節機構を用いた場合、回動角度θおよび回動角度φの値をステッピングモータなどで制御できるようにしておき、前段制御手段24からは、このステッピングモータを制御するための制御信号を与えるようにすればよい。具体的には、図5に示す例のように、円形スポットDの中心点Iの位置がどの象限に位置するかという位置検出信号が前段入射位置検出器22から前段制御手段24に与えられた場合、中心点Iの位置を上下に調節するには、回動角度θの調節を行い、中心点Iの位置を左右に調節するには、回動角度φの調節を行えばよいので、前段制御手段24は、そのような調節を行うためのステッピングモータに対する制御信号を出力すればよい。
同様に、後段制御手段34は、後段入射位置検出器32が検出した入射位置と、後段基準点Qと、の間のずれを解消する方向に第2の鏡20の向きが調節されるように、第2の向き調節機構21に対して制御信号を与える処理を行う。第2の向き調節機構21は、後段制御手段34から与えられた制御信号に基づいて、第2の鏡20の反射面M2上の固定点として設定された前段基準点Pの位置を固定させたまま、第2の鏡20の向きを調節する。
図6における後段入射位置検出器32から後段制御手段34へ向かう実線矢印は、後段入射位置検出器32で検出された入射位置を示す電気信号が後段制御手段34へ引き渡されることを示しており、後段制御手段34から第2の向き調節機構21へ向かう実線矢印は、後段制御手段34からの電気的な制御信号が第2の向き調節機構21へ引き渡されることを示している。
結局、図6に示す光軸自動調節システムは、レーザなどの光源5から与えられるビーム状入射光L1の位置や向きが変動した場合にも、射出光L4が所定の基準光路LLに沿った状態を維持するように、光軸を自動的に調節する機能を有している。
すなわち、図6に示す光軸自動調節システムを利用して、図示のように、一旦、点O,点P,点Qを通る光路を形成し、このときの射出光L4の光路を基準光路LLとして設定しておけば、その後、入射光ビームL1の向きや位置に変動が生じたとしても、この光軸自動調節システムにおける自動制御機能により、射出光L4が基準光路LLを通るように、第1の鏡10および第2の鏡20の向きが自動的に調節されることになる。
たとえば、入射光ビームL1の向きや位置に変動が生じると、変動後の光ビームは、図6に一点鎖線で示す光路から外れてしまうことになる。すなわち、反射光ビームL3の両端点のいずれか一方もしくは双方が、前段基準点Pおよび後段基準点Qから外れてしまう。
しかしながら、反射光ビームL2の反射面M2に対する入射位置が、前段基準点Pから外れると、その「ずれ」は、前段入射位置検出器22によって検出され、当該「ずれ」を解消するような制御動作が前段制御手段24によって行われ、第1の向き調節機構11が、第1の鏡10の向きを調節する。その結果、反射光ビームL2の反射面M2に対する入射位置は、前段基準点Pへと戻されることになる。
同様に、反射光ビームL3の反射面M3に対する入射位置が、後段基準点Qから外れると、その「ずれ」は、後段入射位置検出器32によって検出され、当該「ずれ」を解消するような制御動作が後段制御手段34によって行われ、第2の向き調節機構21が、第2の鏡20の向きを調節する。その結果、反射光ビームL3の反射面M3に対する入射位置は、後段基準点Qへと戻されることになる。
このような自動制御により、結局、反射光ビームL3の両端点は、常に前段基準点Pおよび後段基準点Qに維持されることになり、第3の鏡30から射出される光ビームL4は、入射光ビームL1の変動にかかわらず、常に基準光路LL上を通るものになる。
<<< §4.本発明に係る露光装置 >>>
これまで、§1〜§3において、ユニークな光軸調節装置および光軸自動調節システムを説明した。本発明の特徴は、既存の露光装置に、この光軸調節装置もしくは光軸自動調節システムを取り入れた点にある。以下、本発明の露光装置の全体構成を説明する。
はじめに、従来から利用されている一般的な露光装置の構成例を、簡単に説明しておく。図7は、カラーホログラム像についての露光を行う一般的な露光装置の構成図である。この露光装置は、所定の露光面に対して光を照射することにより、この露光面上に配置された感光材料を露光させる作業に利用される。ビーム源R,G,Bは、それぞれ赤色、緑色、青色のレーザビームを発生させるレーザ光源であり、それぞれ図に一点鎖線で示す光路に沿って、赤色ビームLr、緑色ビームLg、青色ビームLbを発生させる。こうして発生されたレーザビームを露光面へと誘導するために、ビーム誘導手段401〜404が設けられている。ここで、ビーム誘導手段401,402は反射鏡、ビーム誘導手段403,404はビーム合成器となっている。緑色ビームLgは、反射鏡402で図の下方へと曲げられてビーム合成器403へ入射し、ここで青色ビームLbと合成させられる。この合成ビームLgbは更にビーム合成器404へ入射する。一方、赤色ビームLrは、反射鏡401で図の下方へと曲げられてビーム合成器404へ入射し、ここで合成ビームLgbと更に合成させられ、三原色の合成ビームLrgb となり、ビーム径拡張装置405へと入射する。ビーム径拡張装置405は、誘導されてきた合成ビームLrgb の径を、露光面Eの大きさに応じて拡張する光学素子であり、ビーム径が拡張された合成ビームLLrgb は、そのまま露光面Eへと照射される。
露光面Eは、概念的に定義された平面であり、実際には、この露光面E上に配置された感光材料に対して露光が行われる。図示の例では、所定の搬送路に沿って、感光材料501〜504が図の左方向へ向かって搬送されており(搬送機構についての図示は省略)、露光面E上に搬送されてきた感光材料501に対して露光が行われている状態が示されている。ここでは、1枚ずつ独立した感光材料501〜504を搬送する例を示したが、もちろん、巻取状の感光フィルムを感光材料として用い、この巻取状の感光フィルムを図の水平方向に搬送するような形態の露光装置も利用されている。図示の例は、感光材料501〜504上に、いわゆるリップマン型ホログラムの像を形成させるための露光装置であり、露光面Eの下方に、ホログラム原版600(たとえば、所定のモチーフを表現したレリーフ像)が配置されている。また、感光材料501〜504として、透明な感光性フィルムを使用している。このような構成によって、感光材料501上には、図の上方から照射された合成ビームLLrgb と、ホログラム原版600からの反射光と、の干渉縞が記録されることになり、カラーホログラム像の記録が行われる。
このような露光装置では、合成ビームLLrgb の光軸調節が非常に重要である。各ビーム源R,G,Bから発せられたレーザビームの断面強度は、一般に、ガウシアン分布をとるため、露光面E上に照射される合成ビームLLrgb の断面強度もガウシアン分布をとる。したがって、各色ごとのレーザビームの光軸が正確に調節されていないと、露光面上での各色ごとの強度分布にずれが生じることになり、ホログラム像の再生時に色むらが生じる原因になる。このため、ビーム源R,G,Bおよびビーム誘導手段401〜404を設置し、テスト動作を行う際には、精密な光軸調節作業が行われる。たとえば、露光面Eに、複数の光センサが配置された測定板を配置し、各光センサの検出出力をモニタしながら、ビーム源R,G,Bに内蔵された光軸調節機構を調節したり、ビーム誘導手段401〜404の位置や向きを調節したりする作業が行われることになる。
こうして、この露光装置を設置する際のテスト段階で、精密な光軸調節を行っておけば、一応、各レーザビームの光軸は所定の基準光路に合わせられることになり、正しい露光作業を行うことが可能になる。しかしながら、このような光軸調節によって、各ビームの光軸が必ずしも正確な位置に固定されるわけではない。光軸に変動が生じる要因のひとつは、ビーム源R,G,Bの不安定要因である。一般に、レーザ光源は、起動してから動作が安定な状態に達するまでに、ある程度の時間を要する。したがって、レーザ光源が完全に安定した状態になるまでは、各レーザビームの光軸に変動が生じるおそれがある。また、レーザ光源の起動後、十分な時間が経過しているにもかかわらず、電源電圧の変動などの外乱によって、光軸に変動を来す場合もある。更に、長期間の使用による経年変化という要因により、徐々に光軸にずれが生じることもある。このような光軸ずれが生じた場合、その都度、既存の光軸調節機構を利用して、再度の光軸調節作業を行う必要がある。
図8は、本発明の一実施形態に係る露光装置の構成図である。この実施形態の特徴は、§1で述べたユニークな光軸調節装置(図1参照)を露光ビームの光路上に組み込むことにより、簡単な作業で光軸調節を行うことができるようにした点にある。すなわち、この露光装置は、図7に示す従来の露光装置に、3つの光軸調節装置700R,700G,700Bを追加したものであり、これら光軸調節装置700R,700G,700Bは、この露光装置のビーム誘導手段の一部として機能することになる。
§1で述べた光軸調節装置は、光ビームL4が所定の基準光路LLを通って射出するように予め光軸調節を行ってしまえば、以後、入射光として与えられる光ビームL1の位置や角度に変動が生じても、射出光としての光ビームL4の位置および角度を、簡単な調整作業、すなわち、ずれ提示手段23,33によって示される「ずれ」を解消する方向に、向き調節機構11,21を操作することによって元の状態に戻すことができる。したがって、図8に示すブロック700R,700G,700Bの位置に、このような光軸調節装置を挿入しておけば、ビーム源R,G,Bの要因によって各原色ビームLr,Lg,Lbに光軸変動が生じた場合にも、簡単な作業で光軸調節を行うことができる。
すなわち、オペレータは、ビーム源R,G,Bが安定し、原色ビームLr,Lg,Lbの位置および角度が一定を維持している状態において、ビーム誘導手段401〜404の位置や角度を調節し、露光面E上に正しい合成ビームLLrgbが照射されるようにする。そうすれば、後に、何らかの要因で各原色ビームLr,Lg,Lbに光軸変動が生じた場合にも、光軸調節装置700R,700G,700Bを用いて、各原色ビームLr,Lg,Lbに生じた光軸変動を打ち消すような光軸調節作業を容易に行うことができるので、露光面E上に正しい合成ビームLLrgbを照射することができる。
なお、図8に示す例のように、各色別レーザビームの基準光路上にだけ光軸調節装置を設けたのでは、ビーム誘導手段401〜404の位置や向きがずれた場合に生じる光軸ずれに対しては対処することができない。このような場合にも対処できるようにするためには、更に、合成ビームLrgb の基準光路上にも、光軸調節装置を挿入するようにすればよい。
以上、図8に示すブロック700R,700G,700Bの位置に、§1で述べた光軸調節装置(図1参照)を挿入し、オペレータの調節作業により、露光ビームの光軸調節を行う例を示したが、図8に示すブロック700R,700G,700Bの位置に、§3で述べた光軸自動調節システム(図6参照)を挿入すれば、露光ビームの光軸調節を自動的に行うことが可能になる。
§3で述べた光軸自動調節システム(図6参照)は、光ビームL4が所定の基準光路LLを通るように調節してしまえば、以後、入射光として与えられる光ビームL1の位置や角度に変動が生じても、射出光としての光ビームL4の位置および角度を元の状態に自動的に維持する機能を有している。したがって、図8に示すブロック700R,700G,700Bの位置に、このような光軸自動調節システムを挿入しておけば、ビーム源R,G,Bの要因によって各原色ビームLr,Lg,Lbに光軸変動が生じた場合にも、自動的に光軸調節を行うことができる。もちろん、必要なら、合成ビームLrgb の基準光路上にも、光軸自動調節システムを挿入するようにすればよい。
本発明に係る露光装置に組み込まれる光軸調節装置の基本構成を示すブロック図である。 図1に示す光軸調節装置における第1の向き調節機構11の構成例を示す斜視図である。 図1に示す光軸調節装置における第2の向き調節機構21の構成例を示す正面図である。 図1に示す光軸調節装置における前段入射位置検出器22の構成例を示す側面図である。 図4に示す受光素子22−2の受光面Sを示す平面図である。 本発明に係る露光装置に組み込まれる光軸自動調節システムの基本構成を示すブロック図である。 カラーホログラム像についての露光を行う一般的な露光装置の構成図である。 本発明の一実施形態に係るカラーホログラム像形成用の露光装置の構成図である。
符号の説明
5:光源(レーザ)
10:第1の鏡(可動鏡)
11:第1の向き調節機構
11−1:支持フレーム
20:第2の鏡(ジンバル機構を用いた可動鏡)
21:第2の向き調節機構
21−1:回動シャフト
21−2:第1のフレーム
21−3:回動シャフト
21−4:第2のフレーム
22:前段入射位置検出器
22−1:凸レンズ
22−2:受光素子
23:前段ずれ提示手段
24:前段制御手段
30:第3の鏡(固定鏡)
32:後段入射位置検出器
33:後段ずれ提示手段
34:後段制御手段
401〜404:ビーム誘導手段(反射鏡およびビーム合成器)
405:ビーム径拡張装置
501〜504:感光材料
600:ホログラム原版
700R,700G,700B:光軸調節装置もしくは光軸自動調節システム
A:凸レンズの光軸
A1〜A3:回動軸
B:ビーム源
a:凸レンズの中心点Cと基準点Pとの距離
b:凸レンズの中心点Cと参照点Rとの距離
C:凸レンズの中心点
D:円形スポット
E:露光面
G:ビーム源
I:円形スポットDの中心点
L1:入射光ビーム
L2:反射光ビーム
L3:反射光ビーム
L4:射出光ビーム
LL:基準光路
Lr,Lg,Lb:各原色ビーム
Lgb,Lrgb :合成ビーム
LLrgb :径が拡大された合成ビーム
M1:第1の鏡の反射面
M2:第2の鏡の反射面
M3:第3の鏡の反射面
O:反射点
P:反射面M2上の基準点(ジンバル機構の固定点)
Q:反射面M3上の基準点(固定鏡の所定点)
R:参照点(光軸ずれがない場合の受光面S上の像の位置)/ビーム源
S:受光面
α:回動軸A1まわりの回動角
β:回動軸A2まわりの回動角
θ:回動軸A1まわりの回動角
φ:回動軸A2まわりの回動角

Claims (14)

  1. 所定の露光面に対して光を照射することにより、この露光面上に配置された感光材料を露光させるための装置であって、
    露光用の光ビームを発生させるビーム源と、
    このビーム源で発生した光ビームを所定の基準光路に沿って露光面へと誘導するビーム誘導手段と、
    前記ビーム誘導手段によって誘導される光ビームの径を、前記露光面の大きさに応じて拡張するビーム径拡張装置と、
    を備え、
    前記ビーム誘導手段が、ビーム状入射光の光軸を調節して、所定の基準光路に沿った射出光として射出させる光軸調節装置を含んでおり、この光軸調節装置が、
    前記入射光を受ける位置に配置された第1の鏡と、
    前記第1の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置された第2の鏡と、
    前記第2の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置され、反射した光を前記射出光として射出する第3の鏡と、
    前記第2の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する前段入射位置検出器と、
    前記第3の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する後段入射位置検出器と、
    前記前段入射位置検出器が検出した入射位置と、前記第2の鏡の反射面上の固定点として設定された前段基準点Pと、の間のずれを提示する前段ずれ提示手段と、
    前記後段入射位置検出器が検出した入射位置と、前記第3の鏡の反射面上の固定点として設定された後段基準点Qと、の間のずれを提示する後段ずれ提示手段と、
    前記第1の鏡の向きを調節する第1の向き調節機構と、
    前記前段基準点Pの位置を固定させたまま、前記第2の鏡の向きを調節する第2の向き調節機構と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  2. 請求項1に記載の露光装置において、
    第1の向き調節機構が、互いに直交する位置もしくは互いにねじれの位置にある第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第1の鏡を前記第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第1の鏡を前記第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有することを特徴とする露光装置。
  3. 請求項1に記載の露光装置において、
    第2の向き調節機構が、前段基準点Pの位置において互いに直交する第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第2の鏡を前記第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第2の鏡を前記第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有することを特徴とする露光装置。
  4. 請求項3に記載の露光装置において、
    第2の向き調節機構が、
    第2の鏡を、その反射面上の第1の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第1のフレームと、
    前記第1のフレームを、前記反射面上の第2の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第2のフレームと、
    を有することを特徴とする露光装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置において、
    前段入射位置検出器が、
    第2の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、前記第2の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
    前記凸レンズを通った前記透過光を受ける受光面を有し、前記第2の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
    を備え、
    前記凸レンズの光軸は、前段基準点Pの位置において前記第2の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて前記受光面に交差し、
    前記凸レンズの中心点Cと前記前段基準点Pとの距離をaとし、前記凸レンズの中心点Cと前記参照点Rとの距離をbとし、前記凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、前記凸レンズおよび前記受光素子が配置されており、
    前記受光素子は、前記受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、前記第2の鏡に対する光の入射位置として出力することを特徴とする露光装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置において、
    後段入射位置検出器が、
    第3の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、前記第3の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
    前記凸レンズを通った前記透過光を受ける受光面を有し、前記第3の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
    を備え、
    前記凸レンズの光軸は、後段基準点Qの位置において前記第3の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて前記受光面に交差し、
    前記凸レンズの中心点Cと前記後段基準点Qとの距離をaとし、前記凸レンズの中心点Cと前記参照点Rとの距離をbとし、前記凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、前記凸レンズおよび前記受光素子が配置されており、
    前記受光素子は、前記受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、前記第3の鏡に対する光の入射位置として出力することを特徴とする露光装置。
  7. 請求項5または6に記載の露光装置において、
    受光素子の受光面上には、それぞれ受光量に応じた電気信号を出力する画素が行列状に配置されており、
    前記受光素子は、各画素が出力する信号値の分布についてのピーク位置を認識し、当該ピーク位置を示す信号を、鏡に対する光ビームの入射位置を示す信号として出力することを特徴とする露光装置。
  8. 所定の露光面に対して光を照射することにより、この露光面上に配置された感光材料を露光させるための装置であって、
    露光用の光ビームを発生させるビーム源と、
    このビーム源で発生した光ビームを所定の基準光路に沿って露光面へと誘導するビーム誘導手段と、
    前記ビーム誘導手段によって誘導される光ビームの径を、前記露光面の大きさに応じて拡張するビーム径拡張装置と、
    を備え、
    前記ビーム誘導手段が、ビーム状入射光の位置や向きが変動した場合にも、射出光が所定の基準光路に沿った状態を維持するように、光軸を自動的に調節する機能をもった光軸自動調節システムを含んでおり、この光軸自動調節システムが、
    前記入射光を受ける位置に配置された第1の鏡と、
    前記第1の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置された第2の鏡と、
    前記第2の鏡で反射した反射光を受ける位置に配置され、反射した光を前記射出光として射出する第3の鏡と、
    与えられた制御信号に基づいて、前記第1の鏡の向きを調節する第1の向き調節機構と、
    与えられた制御信号に基づいて、前記第2の鏡の反射面上の固定点として設定された前段基準点Pの位置を固定させたまま、前記第2の鏡の向きを調節する第2の向き調節機構と、
    前記第2の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する前段入射位置検出器と、
    前記第3の鏡に対する光ビームの入射位置を検出する後段入射位置検出器と、
    前記前段入射位置検出器が検出した入射位置と、前記前段基準点Pと、の間のずれを解消する方向に前記第1の鏡の向きが調節されるように、前記第1の向き調節機構に対して制御信号を与える前段制御手段と、
    前記後段入射位置検出器が検出した入射位置と、前記第3の鏡の反射面上の固定点として設定された後段基準点Qと、の間のずれを解消する方向に前記第2の鏡の向きが調節されるように、前記第2の向き調節機構に対して制御信号を与える後段制御手段と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  9. 請求項8に記載の露光装置において、
    第1の向き調節機構が、互いに直交する位置もしくは互いにねじれの位置にある第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第1の鏡を前記第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第1の鏡を前記第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有することを特徴とする露光装置。
  10. 請求項8に記載の露光装置において、
    第2の向き調節機構が、前段基準点Pの位置において互いに直交する第1の回動軸および第2の回動軸を設定したときに、第2の鏡を前記第1の回動軸まわりに回動させる機構と、第2の鏡を前記第2の回動軸まわりに回動させる機構と、を有することを特徴とする露光装置。
  11. 請求項10に記載の露光装置において、
    第2の向き調節機構が、
    第2の鏡を、その反射面上の第1の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第1のフレームと、
    前記第1のフレームを、前記反射面上の第2の回動軸に関して回動自在となるように、その周囲から支持する第2のフレームと、
    を有することを特徴とする露光装置。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載の露光装置において、
    前段入射位置検出器が、
    第2の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、前記第2の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
    前記凸レンズを通った前記透過光を受ける受光面を有し、前記第2の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
    を備え、
    前記凸レンズの光軸は、前段基準点Pの位置において前記第2の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて前記受光面に交差し、
    前記凸レンズの中心点Cと前記前段基準点Pとの距離をaとし、前記凸レンズの中心点Cと前記参照点Rとの距離をbとし、前記凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、前記凸レンズおよび前記受光素子が配置されており、
    前記受光素子は、前記受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、前記第2の鏡に対する光の入射位置として出力することを特徴とする露光装置。
  13. 請求項8〜11のいずれかに記載の露光装置において、
    後段入射位置検出器が、
    第3の鏡の裏面側に透過してくる透過光を受けることができるように、前記第3の鏡の裏面側に固定された凸レンズと、
    前記凸レンズを通った前記透過光を受ける受光面を有し、前記第3の鏡の裏面側に固定された受光素子と、
    を備え、
    前記凸レンズの光軸は、後段基準点Qの位置において前記第3の鏡の反射面に交差するとともに、所定の参照点Rにおいて前記受光面に交差し、
    前記凸レンズの中心点Cと前記後段基準点Qとの距離をaとし、前記凸レンズの中心点Cと前記参照点Rとの距離をbとし、前記凸レンズの焦点距離をfとしたときに、(1/a)+(1/b)=(1/f)が成り立つように、前記凸レンズおよび前記受光素子が配置されており、
    前記受光素子は、前記受光面上に形成された輝度分布の中心位置を、前記第3の鏡に対する光の入射位置として出力することを特徴とする露光装置。
  14. 請求項12または13に記載の露光装置において、
    受光素子の受光面上には、それぞれ受光量に応じた電気信号を出力する画素が行列状に配置されており、
    前記受光素子は、各画素が出力する信号値の分布についてのピーク位置を認識し、当該ピーク位置を示す信号を、鏡に対する光ビームの入射位置を示す信号として出力することを特徴とする露光装置。
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