JP2010066256A - 面位置検出装置、露光装置、面位置検出方法およびデバイス製造方法 - Google Patents

面位置検出装置、露光装置、面位置検出方法およびデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学部材の変動の影響を抑制して所定の面の面位置を高精度に検出する。
【解決手段】 本発明の態様にかかる面位置検出装置は、第1および第2パターンからの第1測定光および第2測定光を異なる入射角で被検面(Wa)に入射させ、被検面に第1パターンの中間像および第2パターンの中間像を投射する送光光学系(4〜11)と、被検面によって反射された第1および第2測定光を第1観測面(23Aa)および第2観測面(23Ba)へ導いて、第1および第2観測面に第1パターンの観測像および第2パターンの観測像を形成する受光光学系(31〜24)と、第1パターンの観測像および第2パターンの観測像の各位置情報を検出し、各位置情報に基づいて被検面の面位置を算出する検出部(23〜21,PR)とを備えている。送光光学系は、送光側共通光学部材(5〜8)を経た第2測定光を偶数回反射して第1測定光よりも小さい入射角で被検面に入射させる送光側反射部(11)を有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検面の面位置を検出する面位置検出装置、露光装置、面位置検出方法およびデバイス製造方法に関する。
マスク上に形成されたパターンを、投影光学系を介して感光性基板上に転写する露光装置においては、投影光学系の焦点深度が浅く、感光性基板の感光面(転写面)が平坦でない場合もある。このため、露光装置では、投影光学系の結像面に対する感光性基板の感光面の位置決め調整を正確に行う必要がある。
投影光学系の光軸方向に沿った感光性基板の面位置(感光面の面位置)を検出する面位置検出装置として、例えば斜入射型オートフォーカスセンサが知られている(特許文献1を参照)。この斜入射型オートフォーカスセンサでは、被検面としての感光性基板に対して斜め方向からスリットの像を投射し、被検面で反射された光により形成されるスリットの像の位置情報を検出し、この位置情報に基づいて感光性基板の面位置を検出する。
特開平4−215015号公報
上述の斜入射型オートフォーカスセンサにおいては、斜入射型オートフォーカスセンサを構成する光学系内の光学部材の変動(位置変動、屈折率変動等)が発生した場合、感光性基板の面位置を正確に検出することができないという問題があった。
本発明の態様は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、光学部材の変動の影響を抑制して所定の面の面位置を高精度に検出することのできる面位置検出装置、露光装置、面位置検出方法およびデバイス製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1の態様にかかる面位置検出装置は、被検面の面位置を検出する面位置検出装置であって、
第1パターンからの第1測定光および第2パターンからの第2測定光を異なる入射角で前記被検面に入射させ、該被検面に前記第1パターンの中間像および前記第2パターンの中間像を投射する送光光学系と、
前記被検面によって反射された前記第1測定光および前記第2測定光をそれぞれ第1観測面および第2観測面へ導いて、該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成するとともに該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成する受光光学系と、
前記第1観測面における前記第1パターンの観測像および前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の各位置情報を検出し、該各位置情報に基づいて前記被検面の面位置を算出する検出部とを備え、
前記送光光学系は、前記第1測定光および前記第2測定光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材と、該送光側共通光学部材を経た前記第2測定光を偶数回反射して前記第1測定光よりも小さい入射角で前記被検面に入射させる送光側反射部とを有することを特徴とする。
本発明の第2の態様にかかる面位置検出装置は、所定の面の面位置を検出する面位置検出装置であって、
第1パターンからの第1の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第1パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第1の光を第1観測面に導いて該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成し、前記第1観測面における前記第1パターンの観測像の位置情報を検出する第1検出系と、
第2パターンからの第2の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第2パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第2の光を第2観測面に導いて該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成し、前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の位置情報を検出する第2検出系と、
前記第1パターンの観測像の位置情報および前記第2パターンの観測像の位置情報に基づいて、前記所定の面の面位置を算出する処理部と、を備え、
前記第1検出系および第2検出系は、前記第1の光および前記第2の光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材を有し、前記第2検出系は、前記送光側共通光学部材を経た前記第2の光を偶数回反射して前記第1の光よりも小さい入射角で前記所定の面に入射させる送光側反射部を有する面位置検出装置。
本発明の第3の態様にかかる露光装置は、基板ステージに載置された感光性基板にパターンを転写する露光装置において、
前記感光性基板の感光面の面位置を検出する本発明の第1又は第2の態様にかかる面位置検出装置と、
前記面位置検出装置の検出結果に基づいて、前記基板ステージの位置合わせをする位置合わせ機構と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の第4の態様にかかる露光装置は、マスクステージに載置されたマスクのパターンを基板ステージに載置された感光性基板に転写する露光装置において、
前記感光性基板の感光面および前記マスクのパターン面の少なくとも一方の面位置を検出する本発明の第1又は第2の態様にかかる面位置検出装置と、
前記面位置検出装置の検出結果に基づいて、前記基板ステージおよび前記マスクステージの相対的な位置合わせをする位置合わせ機構と、
を備えたことを特徴とする。
本発明の第5の態様にかかる面位置検出方法は、所定の面の面位置を検出する面位置検出方法であって、
第1パターンからの第1の光および第2パターンからの第2の光を異なる入射角で前記所定の面に入射させ、該所定の面に前記第1パターンの中間像および前記第2パターンの中間像を投射することと、
前記所定の面によって反射された前記第1の光および前記第2の光をそれぞれ第1観測面および第2観測面へ導いて、該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成するとともに該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成することと、
前記第1観測面における前記第1パターンの観測像および前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の各位置情報を検出し、該各位置情報に基づいて前記所定の面の面位置を算出することと、を含み、
前記第1パターンの中間像および前記第2パターンの中間像を投射することは、前記第1の光および前記第2の光を、前記第1の光および前記第2の光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材を経由させ、該送光側共通光学部材を経た前記第2の光を偶数回反射して前記第1の光よりも小さい入射角で前記所定の面に入射させることを含む。
本発明の第6の態様にかかる面位置検出方法は、所定の面の面位置を検出する面位置検出方法であって、
第1パターンからの第1の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第1パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第1の光を第1観測面に導いて該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成し、前記第1観測面における前記第1パターンの観測像の位置情報を検出することと、
第2パターンからの第2の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第2パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第2の光を第2観測面に導いて該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成し、前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の位置情報を検出することと、
前記第1パターンの観測像の位置情報および前記第2パターンの観測像の位置情報に基づいて、前記所定の面の面位置を算出することと、を含み、
前記第1パターンの観測像の位置情報を検出することおよび前記第2パターンの観測像の位置情報を検出することは、それぞれ前記第1の光および前記第2の光を、前記第1の光および前記第2の光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材を経由させ、前記第2パターンの観測像の位置情報を検出することは、前記送光側共通光学部材を経た前記第2の光を偶数回反射して前記第1の光よりも小さい入射角で前記所定の面に入射させることを含む。
本発明の第7の態様にかかるデバイス製造方法は、本発明の第3又は第4の態様にかかる露光装置を用いて、前記パターンを前記感光性基板に転写することと、
前記パターンが転写された前記感光性基板を前記パターンに基づいて加工することとを含むことを特徴とする。
本発明の態様にかかる面位置検出装置では、第1パターンからの第1測定光および第2パターンからの第2測定光が、送光光学系を経て、互いに異なる入射角で被検面に入射する。被検面によって反射された第1測定光および第2測定光は、受光光学系を経て、第1パターンの観測像および第2パターンの観測像を、第1観測面および第2観測面にそれぞれ形成する。したがって、第2パターンの観測像は、第1パターンの観測像と同様に、送光光学系および受光光学系における第1測定光と第2測定光とに共通な光学部材(以下、共通光学部材と呼ぶ。)の変動の影響に関する情報を含んでいる。
換言すれば、第1パターンの観測像の位置情報に基づいて算出される被検面の面位置および第2パターンの観測像の位置情報に基づいて算出される被検面の面位置は、共通光学部材の変動に起因する面位置の検出誤差を共通に含んでいる。したがって、第1測定光に基づいて算出される面位置と第2測定光に基づいて算出される面位置とを用いて、共通光学部材の変動の影響を実質的に受けない補正された面位置を算出することができる。すなわち、本発明の態様によれば、共通光学部材の変動の影響を抑制して所定の面の面位置を高精度に検出することができる。
また、本発明の態様にかかる面位置検出装置は、送光側の共通光学部材を経た第2測定光を、例えば一体に形成された第1反射面および第2反射面によって偶数回反射して被検面に入射させる送光側反射部を備えている。この構成では、送光側反射部の姿勢が変動することがあっても、第1反射面と第2反射面とのなす角度が変動しないので、送光側反射部へ入射する第2測定光と送光側反射部から射出される第2測定光とのなす角度も変動しない。その結果、送光側の共通光学部材と被検面との間の第2測定光の光路中に配置される送光側反射部の変動の影響を抑制し、被検面への第2測定光の入射角を所望の角度に安定的に維持することができ、ひいては被検面の面位置を高精度に検出することができる。
本発明の実施形態にかかる面位置検出装置を備えた露光装置の構成を示す図である。 本実施形態の第1実施例にかかる面位置検出装置の構成を示す図である。 測定光用の送光プリズムの射出面に設けられた複数の送光スリットを示す図である。 参照光用の送光プリズムの射出面に設けられた複数の送光スリットを示す図である。 送光側の菱形プリズムから受光側の菱形プリズムまでの構成を示す図である。 図5における測定光の光路および参照光の光路をZ方向に沿って見た図である。 測定パターンの中間像と参照パターンの中間像とが被検面上で同列に且つ同じ箇所に配列される様子を模式的に示す図である。 測定光用の受光プリズムの入射面に設けられた複数の受光スリットを示す図である。 参照光用の受光プリズムの入射面に設けられた複数の受光スリットを示す図である。 測定光用の光検出器の検出面に設けられた複数の受光部を示す図である。 参照光用の光検出器の検出面に設けられた複数の受光部を示す図である。 第2実施例にかかる面位置検出装置の構成を示す図である。 図12の送光側の菱形プリズムから受光側の菱形プリズムまでの構成を示す図である。 図13における測定光の光路および参照光の光路をZ方向に沿って見た図である。 第2実施例において測定パターンの中間像と参照パターンの中間像とが被検面上で平行に配列される様子を模式的に示す図である。 第2実施例において光検出器の検出面に設けられた複数の受光部を示す図である。 第3実施例にかかる面位置検出装置の構成を示す図である。 図17の送光側の菱形プリズムから受光側の菱形プリズムまでの構成を示す図である。 図18における測定光の光路および参照光の光路をZ方向に沿って見た図である。 第3実施例で用いられる反射プリズムの作用を説明する図である。 第3実施例で用いられる反射プリズムの形態を説明する図である。 送光側反射部と受光側反射部とを一体化した構成例を示す図である。 送光側偏向部および受光側偏向部の変形例を示す図である。 測定パターンの中間像の要素パターンと参照パターンの中間像の要素パターンとを一方向に沿って交互に配列させた例を模式的に示す図である。 複数の測定パターンの中間像の要素パターンと複数の参照パターンの中間像の要素パターンとをマトリックス状に重ねて配列させた例を模式的に示す図である。 複数の測定パターンの中間像の要素パターンと複数の参照パターンの中間像の要素パターンとをマトリックス状に交互に配列させた例を模式的に示す図である。 送光部材の共通パターン面に設けられる測定光用の送光スリットおよび参照光用の送光スリットの構成例を示す図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる面位置検出装置を備えた露光装置の構成を示す図である。図2は、本実施形態の第1実施例にかかる面位置検出装置の構成を示す図である。図1では、投影光学系PLの光軸AXの方向にZ軸を、光軸AXに垂直な面内において図1の紙面に平行にX軸を、光軸AXに垂直な面内において図1の紙面に垂直にY軸を設定している。本実施形態の各実施例では、露光装置においてパターンが転写される感光性基板の面位置の検出に対して本発明の面位置検出装置を適用している。
図1に示す露光装置は、露光用光源(不図示)から射出された照明光(露光光)で、所定のパターンが形成されたマスクとしてのレチクルRを照明する照明系ILを備えている。レチクルRは、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、XY平面に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル干渉計(不図示)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
レチクルRを透過した露光光は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハWの表面(感光面)Wa上にレチクルRのパターンの像を形成する。ウェハWは、ZステージVS上においてXY平面と平行に保持されている。ZステージVSは、投影光学系PLの像面と平行なXY平面に沿って移動するXYステージHS上に取り付けられている。ZステージVSは、制御部CRからの指示に従って駆動系VDの作用により動作し、ウェハWのフォーカス位置(Z方向の位置)および傾斜角(XY平面に対するウェハWの表面の傾き)を調整する。
ZステージVSには移動鏡(不図示)が設けられ、この移動鏡を用いるウェハ干渉計(不図示)が、ZステージVSのX方向の位置、Y方向の位置、およびZ軸廻りの回転方向の位置をリアルタイムに計測し、計測結果を制御部CRに出力する。XYステージHSは、ベース(不図示)上に載置されている。XYステージHSは、制御部CRからの指示に従って駆動系HDの作用により動作し、ウェハWのX方向の位置、Y方向の位置、およびZ軸廻りの回転方向の位置を調整する。
レチクルRのパターン面上に設けられた回路パターンをウェハWの感光面Wa上の各露光領域に良好に転写するには、各露光領域への露光毎に、投影光学系PLによる結像面を中心とした焦点深度の幅の範囲内に、現在の露光領域を位置合わせする必要がある。そのためには、現在の露光領域における各点の光軸AXに沿った位置、つまり現在の露光領域の面位置を正確に検出した後に、その検出結果に基づいて、ZステージVSのレベリング(ウェハWの傾斜角の調整;水平出し)およびZ方向の移動を、ひいてはウェハWのレベリングおよびZ方向の移動を行えば良い。そこで、本実施形態の露光装置は、露光領域の面位置を検出するための面位置検出装置を備えている。
図1に示されるように、第1実施例の面位置検出装置は、送光ユニット101と、受光ユニット102とを備える。図2に示されるように、送光ユニット101は、測定光用の光源1A、参照光用の光源1B、コンデンサーレンズ2A,2B、送光プリズム3A,3B、ダイクロイックミラー4、第2対物レンズ5、振動ミラー6、第1対物レンズ7、菱形プリズム8、及び偏角プリズム10を備える。受光ユニット102は、リレーレンズ22A,22B、受光プリズム23A,23B、ダイクロイックミラー24、第2対物レンズ25、ミラー26、第1対物レンズ27、菱形プリズム28、及び偏角プリズム30を備える。
一般に、被検面であるウェハWの表面は、レジスト等の薄膜で覆われている。したがって、この薄膜による干渉の影響を低減するために、光源1Aおよび1Bは波長幅の広い白色光源(たとえば、波長幅が600〜900nmの照明光を供給するハロゲンランプや、これと同様の帯域の広い照明光を供給するキセノン光源など)であることが望ましい。なお、光源1Aおよび1Bとして、レジストに対する感光性の弱い波長帯の光を供給する発光ダイオードを用いることもできる。
光源1Aからの光は、コンデンサーレンズ2Aを介して、送光プリズム3Aに入射する。送光プリズム3Aは、コンデンサーレンズ2Aからの光を、屈折作用により後続のダイクロイックミラー4に向かって偏向させる。送光プリズム3Aの射出面3Aaには、例えば図3に示すように配列された5個の測定光用の送光スリットSm1,Sm2,Sm3,Sm4,Sm5が設けられている。
図3では、射出面3Aaにおいて全体座標のY軸に平行な方向にy1軸を、射出面3Aaにおいてy1軸と直交する方向にx1軸を設定している。送光スリットSm1〜Sm5は、例えばx1方向およびy1方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる矩形状(スリット状)の光透過部であり、送光スリットSm1〜Sm5以外の領域は遮光部である。測定パターンとしての送光スリットSm1〜Sm5は、x1方向に沿って所定のピッチで一列に配列されている。
同様に、光源1Bからの光は、コンデンサーレンズ2Bを介して、送光プリズム3Bに入射する。送光プリズム3Bは、コンデンサーレンズ2Bからの光を、屈折作用によりダイクロイックミラー4に向かって偏向させる。送光プリズム3Bの射出面3Baには、例えば図4に示すように配列された5個の参照光用の送光スリットSr1,Sr2,Sr3,Sr4,Sr5が設けられている。
図4では、射出面3Baにおいて全体座標のY軸に平行な方向にy2軸を、射出面3Baにおいてy2軸と直交する方向にx2軸を設定している。送光スリットSr1〜Sr5は、例えばx2方向およびy2方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる矩形状(スリット状)の光透過部であり、送光スリットSr1〜Sr5以外の領域は遮光部である。参照パターンとしての送光スリットSr1〜Sr5は、x2方向に沿って所定のピッチで一列に配列されている。
このように、光源1Aおよびコンデンサーレンズ2Aは送光スリットSm1〜Sm5を照明する測定光用の照明系を構成し、光源1Bおよびコンデンサーレンズ2Bは送光スリットSr1〜Sr5を照明する参照光用の照明系を構成している。測定パターンとしての送光スリットSm1〜Sm5は、5個の要素パターンがx1方向に沿って所定のピッチで一列に配列された配列パターンである。
参照パターンとしての送光スリットSr1〜Sr5は、5個の要素パターンがx2方向に沿って所定のピッチで一列に配列された配列パターンである。なお、後述するように、測定パターンおよび参照パターンを構成する要素パターンの形状、数、配列などについて様々な変形例が可能である。
送光スリットSm1〜Sm5を通過した測定光は、ダイクロイックミラー4を透過した後、第2対物レンズ5、走査手段としての振動ミラー6、および第1対物レンズ7を介して、菱形プリズム8に入射する。送光スリットSr1〜Sr5を通過した参照光は、ダイクロイックミラー4によって反射された後、第2対物レンズ5、振動ミラー6、および第1対物レンズ7を介して、菱形プリズム8に入射する。
第2対物レンズ5と第1対物レンズ7とは、協働して送光スリットSm1〜Sm5の中間像および送光スリットSr1〜Sr5の中間像を形成する。振動ミラー6は、第1対物レンズ7の前側焦点位置に配置され、図1中矢印で示すようにY軸廻りに回動可能に構成されている。菱形プリズム8は、XZ平面に沿って平行四辺形状の断面を有し、Y方向に延びる柱状のプリズム部材である。図2に示すように、菱形プリズム8の図中下側の側面にはダイクロイック膜9が形成され、このダイクロイック膜9に隣接して偏角プリズム10が取り付けられている。なお、菱形プリズムの断面形状は、平行四辺形に限定されず、一般には長斜方形(偏菱形)とすることができる。
図5において実線で示す測定光路に沿って菱形プリズム8の入射面8aに入射した測定光Lmは、反射面8bによって反射された後、側面8cに形成されたダイクロイック膜9に入射する。ダイクロイック膜9によって反射された測定光Lmは、菱形プリズム8の射出面8dから射出され、被検面としての感光面Wa上の検出領域DAに、XZ平面に沿って斜め方向から入射する。測定光Lmの入射角θmは、例えば80度以上90度未満の大きな角度に設定されている。
一方、図5において破線で示すように参照光路に沿って菱形プリズム8の入射面8aに入射した参照光Lrは、反射面8bによって反射され、ダイクロイック膜9を透過して、偏角プリズム10に入射する。図6に示すように、菱形プリズム8に入射する測定光Lmの光路と菱形プリズム8に入射する参照光Lrの光路とは互いに一致している。偏角プリズム10に入射した参照光Lrは、反射面10aによって反射され、ダイクロイック膜9を透過し、菱形プリズム8の射出面8dから図5中斜め上方へ向かって射出される。
つまり、ダイクロイック膜9は、波長に応じた光の分離作用についてダイクロイックミラー4と逆の特性を有する。射出面8dから射出された参照光Lrは、例えばY方向に延びる角柱状の反射プリズム11に入射する。反射プリズム11に入射した参照光Lrは、反射面11aおよび反射面11bによって順次反射された後、感光面Waに対する測定光Lmの入射面(XZ平面)に沿って、検出領域DAに斜め方向から入射する。参照光Lrの入射角θrは、測定光Lmの入射角θmよりも小さな角度に設定されている。なお、参照光Lrの入射角θrは、45度以下が好ましく、30度以下がさらに好ましい。
こうして、感光面Wa上の検出領域DAには、図7に模式的に示すように、測定パターンとしての送光スリットSm1〜Sm5の中間像Im1,Im2,Im3,Im4,Im5が投射される。すなわち、検出領域DAには、送光スリットSm1〜Sm5に対応して、X方向およびY方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる5個の中間像Im1〜Im5がX方向に沿って所定のピッチで形成される。各中間像Im1〜Im5の中心は、検出領域DAにおける所定の検出点に対応している。
同様に、検出領域DAには、参照パターンとしての送光スリットSr1〜Sr5の中間像Ir1,Ir2,Ir3,Ir4,Ir5が投射される。すなわち、検出領域DAには、送光スリットSr1〜Sr5に対応して、X方向およびY方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる5個の中間像Ir1〜Ir5がX方向に沿って所定のピッチで形成される。ここで、参照パターンの中間像Ir1〜Ir5は、その中心が測定パターンの中間像Im1〜Im5の中心とそれぞれ一致するように形成される。換言すれば、送光スリットSm1〜Sm5および送光スリットSr1〜Sr5は、検出領域DAに形成される中間像の対応する要素パターンの中心が互いに一致するように形成されている。
このように、ダイクロイックミラー4、第2対物レンズ5、振動ミラー6、第1対物レンズ7、菱形プリズム8、ダイクロイック膜9、偏角プリズム10、および反射プリズム11は、送光スリットSm1〜Sm5からの測定光(第1測定光)および送光スリットSr1〜Sr5からの参照光(第2測定光)を互いに異なる入射角θmおよびθrで感光面Waにそれぞれ入射させ、感光面Waの検出領域DAに測定パターンの中間像Im1〜Im5および参照パターンの中間像Ir1〜Ir5を投射する送光光学系を構成している。
送光光学系は、測定パターンの中間像Im1〜Im5および参照パターンの中間像Ir1〜Ir5を感光面Waに対する測定光の入射面に沿って同列に配列させている。また、測定パターンの中間像Im1〜Im5の要素パターンと、参照パターンの中間像Ir1〜Ir5の対応する要素パターンとは、感光面Wa上の同一箇所に配列されている。
第2対物レンズ5、振動ミラー6、第1対物レンズ7、および菱形プリズム8は、測定光および参照光に対して共通に設けられた送光側共通光学部材を構成している。反射プリズム11は、送光側共通光学部材(5〜8)を経た参照光を2回反射して測定光よりも小さい入射角で感光面Waに入射させる送光側反射部を構成している。ダイクロイック膜9および偏角プリズム10は、送光側共通光学部材(5〜8)を経た測定光および参照光を相対的に偏向させて、測定光を感光面Waへ導くとともに参照光を反射プリズム11へ導く送光側偏向部を構成している。
ダイクロイックミラー4は、互いに異なる方向から入射する測定光および参照光を送光側共通光学部材(5〜8)へ導く送光側合成部を構成している。反射プリズム11は、感光面Waの直上、具体的には、感光面Waにおける参照パターンの中間像Ir1〜Ir5の直上に配置されている。ダイクロイック膜9は、測定光および参照光の波長に応じて、測定光を反射させて参照光を透過させる送光側分離面を構成している。なお、送光側分離面は、測定光および参照光の偏光に応じて測定光を反射させて参照光を透過させるようにすることもできる。
図5を参照すると、感光面Waによって反射された測定光Lmは、菱形プリズム28に入射する。菱形プリズム28は、所定のYZ平面(例えば、光軸AXを含むYZ平面)に関して菱形プリズム8と対称な位置に配置され且つ対称的な構成を有する。具体的には、菱形プリズム28は、菱形プリズム8を入射面8aについて反転した構成を有する。また、菱形プリズム28の図中下側の側面28bにはダイクロイック膜29が形成され、このダイクロイック膜29に隣接して偏角プリズム30が取り付けられている。
ダイクロイック膜29および偏角プリズム30は、所定のYZ平面(例えば、光軸AXを含むYZ平面)に関してダイクロイック膜9および偏角プリズム10とそれぞれ対称な位置に配置され且つそれぞれ対称的な構成を有する。また、ダイクロイック膜29は、波長に応じた光の分離作用についてダイクロイック膜9と同じ特性を有する。したがって、菱形プリズム28の入射面28aに入射した測定光Lmは、ダイクロイック膜29および反射面28cで順次反射された後、射出面28dから射出される。
一方、感光面Waによって反射された参照光Lrは、Y方向に延びる角柱状の反射プリズム31に入射する。反射プリズム31は、所定のYZ平面(例えば、光軸AXを含むYZ平面)に関して反射プリズム11と対称な位置に配置され且つ対称的な構成を有する。したがって、反射プリズム31に入射した参照光Lrは、反射面31aおよび反射面31bによって順次反射され、反射プリズム31から図中斜め下方へ向かって射出された後、菱形プリズム28に入射する。
菱形プリズム28に入射した参照光Lrは、その入射面28aおよびダイクロイック膜29を順次透過して、偏角プリズム30に入射する。偏角プリズム30に入射した参照光Lrは、反射面30aによって反射され、ダイクロイック膜29を透過し、反射面28cで反射された後、射出面28dから射出される。射出面28dから射出された参照光Lrは、測定光Lmと同じ光路に沿って後続の第1対物レンズ27(図5では不図示)へ導かれる。
図1および図2を参照すると、菱形プリズム28から射出された測定光は、第1対物レンズ27、ミラー(図2では不図示)26、および第2対物レンズ25を介した後、ダイクロイックミラー(図1では不図示)24を透過して、受光プリズム23Aに入射する。菱形プリズム28から射出された参照光は、第1対物レンズ27、ミラー26、および第2対物レンズ25を介した後、ダイクロイックミラー24によって反射されて、受光プリズム23Bに入射する。
第1対物レンズ27、ミラー26、第2対物レンズ25、およびダイクロイックミラー24は、所定のYZ平面(例えば、光軸AXを含むYZ平面)に関して、第1対物レンズ7、振動ミラー6、第2対物レンズ5、およびダイクロイックミラー4とそれぞれ対称な位置に配置され且つそれぞれ対称的な構成を有する。ただし、ミラー26は、振動ミラー6とは異なり、固定的に設置されている。ダイクロイックミラー24は、波長に応じた光の分離作用についてダイクロイックミラー4と同じ特性を有する。
受光プリズム23Aおよび23Bは、所定のYZ平面(例えば、光軸AXを含むYZ平面)に関して送光プリズム3Aおよび3Bとそれぞれ対称な位置に配置され且つそれぞれ対称的な構成を有する。測定光用の受光プリズム23Aの入射面23Aa(送光プリズム3Aの射出面3Aaに対応する面)には、図8に示すように、送光スリットSm1〜Sm5に対応した5個の受光スリットSma1,Sma2,Sma3,Sma4,Sma5が設けられている。図8では、入射面23Aaにおいて全体座標のY軸に平行な方向にy3軸を、入射面23Aaにおいてy3軸と直交する方向にx3軸を設定している。
参照光用の受光プリズム23Bの入射面23Ba(送光プリズム3Bの射出面3Baに対応する面)には、図9に示すように、送光スリットSr1〜Sr5に対応した5個の受光スリットSra1,Sra2,Sra3,Sra4,Sra5が設けられている。図9では、入射面23Baにおいて全体座標のY軸に平行な方向にy4軸を、入射面23Baにおいてy4軸と直交する方向にx4軸を設定している。
受光スリットSma1〜Sma5はx3方向およびy3方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる矩形状(スリット状)の光透過部であり、受光スリットSma1〜Sma5以外の領域は遮光部である。受光スリットSra1〜Sra5はx4方向およびy4方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる矩形状(スリット状)の光透過部であり、受光スリットSra1〜Sra5以外の領域は遮光部である。受光スリットSma1〜Sma5はx3方向に沿って所定のピッチ(例えば、送光スリットSm1〜Sm5と等しいピッチ)で配列され、受光スリットSra1〜Sra5はx4方向に沿って所定のピッチ(例えば、送光スリットSr1〜Sr5と等しいピッチ)で配列されている。
受光プリズム23Aの入射面23Aaには測定光用の送光スリットSm1〜Sm5の観測像が形成され、受光プリズム23Bの入射面23Baには参照光用の送光スリットSr1〜Sr5の観測像が形成される。すなわち、入射面23Aaには、送光スリットSm1〜Sm5に対応して、x3方向およびy3方向と45度をなす斜め方向に細長く延びるスリット状の観測像の5個の要素パターンがx3方向に沿って所定のピッチで形成される。また、入射面23Baには、送光スリットSr1〜Sr5に対応して、x4方向およびy4方向と45度をなす斜め方向に細長く延びるスリット状の観測像の5個の要素パターンがx4方向に沿って所定のピッチで形成される。
このように、反射プリズム31、偏角プリズム30、ダイクロイック膜29、菱形プリズム28、第1対物レンズ27、ミラー26、第2対物レンズ25、およびダイクロイックミラー24は、感光面Waによって反射された測定光および参照光をそれぞれ入射面23Aa(第1観測面)および入射面23Ba(第2観測面)へ導いて、入射面23Aaに測定パターンの観測像を形成するとともに入射面23Baに参照パターンの観測像を形成する受光光学系を構成している。
菱形プリズム28、第1対物レンズ27、ミラー26、および第2対物レンズ25は、感光面Waによって反射された測定光および参照光に対して共通に設けられた受光側共通光学部材を構成している。反射プリズム31は、感光面Waによって反射された参照光を2回反射して受光側共通光学部材(28〜25)へ導く受光側反射部を構成している。偏角プリズム30およびダイクロイック膜29は、感光面Waによって反射された測定光および反射プリズム31を経た参照光を相対的に偏向させて受光側共通光学部材(28〜25)へ導く受光側偏向部を構成している。
ダイクロイックミラー24は、受光側共通光学部材(28〜25)を経た測定光および参照光を相対的に偏向させて、測定光を入射面23Aaへ導くとともに参照光を入射面23Baへ導く受光側分離部を構成している。ダイクロイック膜29は、測定光および参照光の波長に応じて、測定光を反射させて参照光を透過させる受光側合成面を構成している。なお、受光側合成面は、測定光および参照光の偏光に応じて測定光を反射させて参照光を透過させるようにすることもできる。
受光プリズム23Aに入射した測定光は、受光スリットSma1〜Sma5を通過し、所定の角度だけ偏向された後、受光プリズム23Aから射出される。受光プリズム23Aから射出された測定光は、リレーレンズ22Aを介して、受光スリットSma1〜Sma5内にそれぞれ形成された測定パターンの観測像の共役像を、光検出器21Aの検出面21Aa上に形成する。
光検出器21Aの検出面21Aaには、図10に示すように、5個の受光部RSm1〜RSm5が、5個の測定光用の受光スリットSma1〜Sma5に対応するように設けられている。5個の受光部RSm1〜RSm5は、送光スリットSm1〜Sm5に対応する5個の受光スリットSma1〜Sma5を通過した測定光を受光する。送光スリットSm1〜Sm5の観測像の各要素パターンは、感光面WaのZ方向に沿った移動に伴って、入射面23Aa上でx3方向に移動する。したがって、受光スリットSma1〜Sma5を通過する測定光の光量は感光面WaのZ方向移動に応じて変化する。
同様に、受光プリズム23Bに入射した参照光は、受光スリットSra1〜Sra5を通過し、所定の角度だけ偏向された後、受光プリズム23Bから射出される。受光プリズム23Bから射出された参照光は、リレーレンズ22Bを介して、受光スリットSra1〜Sra5内にそれぞれ形成された参照パターンの観測像の共役像を、光検出器21Bの検出面21Ba上に形成する。
光検出器21Bの検出面21Baには、図11に示すように、5個の受光部RSr1〜RSr5が、5個の測定光用の受光スリットSra1〜Sra5に対応するように設けられている。5個の受光部RSr1〜RSr5は、送光スリットSr1〜Sr5に対応する5個の受光スリットSra1〜Sra5を通過した参照光を受光する。送光スリットSr1〜Sr5の観測像の各要素パターンは、感光面WaのZ方向に沿った移動に伴って、入射面23Ba上でx4方向に移動する。したがって、受光スリットSra1〜Sra5を通過する参照光の光量も、測定光の場合と同様に、感光面WaのZ方向移動に応じて変化する。
第1実施例の面位置検出装置では、感光面Waが投影光学系PLの結像面と合致している状態において、送光スリットSm1〜Sm5の観測像(測定パターンの観測像)の各要素パターンが受光スリットSma1〜Sma5の位置に形成され、送光スリットSr1〜Sr5の観測像(参照パターンの観測像)の各要素パターンが受光スリットSra1〜Sra5の位置に形成されるように構成されている。受光部RSm1〜RSm5の検出信号および受光部RSr1〜RSr5の検出信号は、振動ミラー6の振動に同期して変化し、信号処理部PRに供給される。
上述したように、感光面Waが投影光学系PLの光軸AXに沿ってZ方向に上下移動すると、受光プリズム23Aの入射面23Aaに形成される測定パターンの観測像の各要素パターンは、感光面Waの上下移動に対応してピッチ方向(x3方向)に位置ずれを起こす。同様に、受光プリズム23Bの入射面23Baに形成される参照パターンの観測像の各要素パターンは、感光面Waの上下移動に対応してピッチ方向(x4方向)に位置ずれを起こす。
信号処理部PRでは、たとえば本出願人による特開平6−97045号公報に開示された光電顕微鏡の原理により、光検出器21Aの出力に基づいて測定パターンの観測像の各要素パターンの位置ずれ量(位置情報)を検出し、検出した位置ずれ量に基づいて検出領域DA内の各検出点の面位置(Z方向位置)Zm1〜Zm5を算出する。同様に、信号処理部PRは、光検出器21Bの出力に基づいて参照パターンの観測像の各要素パターンの位置ずれ量を検出し、検出した位置ずれ量に基づいて検出領域DA内の各検出点の面位置Zr1〜Zr5を算出する。この場合、測定光および参照光について同時に光電顕微鏡の原理に基づく位置情報の検出が可能なように、送光スリットSm1〜Sm5,Sr1〜Sr5、受光スリットSma1〜Sma5,Sra1〜Sra5の各スリット幅および振動ミラー6の振動振幅(Y軸廻りに回動する角度範囲)等が設定される。
前述したように、面位置検出装置を構成する光学部材の位置変動や屈折率変動等により、例えば、感光面Waが投影光学系PLの結像面に合致している(ベストフォーカス状態にある)にもかかわらず、受光プリズム23Aの入射面23Aaに形成される測定パターンの観測像の各要素パターンの位置がそれぞれ受光スリットSma1〜Sma5の位置から位置ずれすることがある。この場合、測定パターンの観測像の各要素パターンの受光スリットSma1〜Sma5からの位置ずれ量に応じて、各検出点の面位置Zm1〜Zm5は検出誤差を含むことになる。
同様の理由により、感光面Waが投影光学系PLの結像面に合致しているにもかかわらず、受光プリズム23Bの入射面23Baに形成される参照パターンの観測像の各要素パターンの位置がそれぞれ受光スリットSra1〜Sra5の位置から位置ずれすることがある。この場合、参照パターンの観測像の各要素パターンの受光スリットSra1〜Sra5からの位置ずれ量に応じて、各検出点の面位置Zr1〜Zr5は検出誤差を含むことになる。
第1実施例の面位置検出装置では、送光スリットSm1〜Sm5からの測定光および送光スリットSr1〜Sr5からの参照光が、測定光と参照光とに共通な複数の光学部材、すなわち送光側共通光学部材(5〜8)および受光側共通光学部材(28〜25)を経て、測定パターンの観測像および参照パターンの観測像をそれぞれ形成する。したがって、参照パターンの観測像は、測定パターンの観測像と同様に、送光側共通光学部材(5〜8)および受光側共通光学部材(28〜25)の変動の影響に関する情報を含んでいる。
換言すれば、測定パターンの観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zm1〜Zm5、および参照パターンの観測像の位置情報に基づいて測定光と同じ様に算出される面位置Zr1〜Zr5は、送光光学系の主要部分を占める送光側共通光学部材(5〜8)および受光光学系の主要部分を占める受光側共通光学部材(28〜25)に起因する面位置の検出誤差を共通に含んでいる。以下、光学部材の変動の影響が全く無い状態において測定光により検出されるべき面位置を、「真の面位置」と呼ぶ。
真の面位置Zvと、測定パターンの観測像の位置情報に基づいて算出される第1の面位置Zmと、参照パターンの観測像の位置情報に基づいて算出される第2の面位置Zrとの間には、次の式(1)および(2)に示す関係が成立する。
Zm=Zv+Eo (1)
Zr=(sinθr/sinθm)×Zv+Eo (2)
式(1)および(2)において、Eoは、光学部材の変動に起因する面位置の検出誤差であって、測定パターンの観測像の位置情報に基づく面位置Zmと参照パターンの観測像の位置情報に基づく面位置Zrとが共通に含む誤差である。θmは感光面Waへの測定光の入射角であり、θrは感光面Waへの参照光の入射角である。第1実施例では、測定光の入射角θmの方が参照光の入射角θrよりも大きく設定されているので、α=sinθr/sinθmは1よりも小さい。式(1)および(2)を真の面位置Zvについて解くと、次の式(3)に示す関係が得られる。
Zv=(Zm−Zr)/(1−sinθr/sinθm) (3)
第1実施例では、信号処理部PRにおいて、測定パターンの観測像の各要素パターンの位置情報に基づいて面位置Zm1〜Zm5を算出し、参照パターンの観測像の各要素パターンの位置情報に基づいて面位置Zr1〜Zr5を算出する。そして、例えばi(i=1〜5)番目の要素パターンについて算出された面位置ZmiおよびZriを面位置ZmおよびZrとして式(3)に代入することにより得られた面位置Zvを、光学部材の変動の影響を受けない補正された面位置Zviとして算出する。
すなわち、信号処理部PRは、測定光に関する面位置Zm1〜Zm5と参照光に関する面位置Zr1〜Zr5とに基づいて、検出領域DAの各検出点における補正された面位置Zv1〜Zv5を算出する。この算出結果は、例えば露光装置の制御部CRの内部に設けられた記憶部MRに供給される。制御部CRは、必要に応じて、駆動系HDに指令を供給し、XYステージHSを、ひいてはウェハWをXY平面に沿って移動させる。そして、面位置検出装置は、ウェハWの感光面Wa上の新たな検出領域DAの各検出点における補正された面位置Zv1〜Zv5を算出し、この算出結果を記憶部MRに供給する。
換言すれば、面位置検出装置は、平面駆動機構としての駆動系HDによるXYステージHSの感光面Waに沿った方向への移動、ひいてはZステージVSの感光面Waに沿った方向への移動に応じて、感光面Waの複数箇所における面位置を検出する。ウェハWのXY平面に沿った移動、および補正された面位置Zv1〜Zv5の算出からなる一連の処理は、必要に応じて、所要の範囲に亘って所要の回数だけ行われる。面位置検出装置の複数の検出結果(すなわち複数の検出点における補正された面位置に関する情報)は、記憶部MRにマップデータとして記憶される。
その後、制御部CRは、信号処理部PRで得られた検出結果、ひいては記憶部MRに記憶された面位置のマップデータに基づいて、XYステージHSおよびZステージVSの感光面Waに沿った位置に応じ、ZステージVSのZ方向位置を所要量だけ調整し、感光面Wa上の検出領域を、ひいてはウェハWの現在の露光領域を投影光学系PLの結像面位置(ベストフォーカス位置)に位置合わせする。すなわち、制御部CRは、現在の露光領域に応じて、垂直駆動機構としての駆動系VDに指令を供給し、ZステージVSを、ひいてはウェハWを感光面Waに垂直なZ方向に沿って所要量だけ移動させる。
このように、受光プリズム23A,23B、リレーレンズ22A,22B、光検出器21A,21B、および信号処理部PRは、受光プリズム23Aの入射面23Aaにおける送光スリットSm1〜Sm5の観測像の位置情報および受光プリズム23Bの入射面23Baにおける送光スリットSr1〜Sr5の観測像の位置情報を検出し、検出した各位置情報に基づいて感光面Waの面位置(すなわち補正された面位置Zvi)を算出する検出部を構成している。
以上のように、第1実施例の面位置検出装置では、測定パターンの観測像は、参照パターンの観測像と同様に、測定光と参照光とに共通な光学部材の変動の影響に関する情報を含んでいる。すなわち、測定パターンの観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zmおよび参照パターンの観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zrは、光学部材の変動に起因する面位置の検出誤差Eoを共通に含んでいる。
したがって、第1実施例の面位置検出装置では、測定光に基づいて算出される面位置Zmと参照光に基づいて算出される面位置Zrとを用いて、光学部材の変動の影響を実質的に受けない補正された面位置Zvを算出すること、すなわち光学部材の変動に影響されずに感光面Waの面位置を高精度に検出することができる。
また、第1実施例の面位置検出装置は、送光側共通光学部材(5〜8)を経た参照光を反射面11aおよび反射面11bによって2回反射して感光面Waに入射させる反射プリズム11と、感光面Waによって反射された参照光を反射面31aおよび反射面31bによって2回反射して受光側共通光学部材(28〜25)へ導く反射プリズム31とを備えている。すなわち、反射面11aおよび反射面11bは単一の光学部材である反射プリズム11に一体に形成され、反射面31aおよび反射面31bは単一の光学部材である反射プリズム31に一体に形成されている。
したがって、例えば装置の振動などの影響により、送光側反射部としての反射プリズム11の姿勢が変動したり受光側反射部としての反射プリズム31の姿勢が変動したりすることがあっても、反射面11aと反射面11bとのなす角度および反射面31aと反射面31bとのなす角度が変動しない。このことは、反射プリズム11へ入射する参照光と反射プリズム11から射出される参照光とのなす角度、および反射プリズム31へ入射する参照光と反射プリズム31から射出される参照光とのなす角度も変動しないことを意味している。
その結果、第1実施例の面位置検出装置では、送光側共通光学部材(5〜8)と感光面Waとの間の参照光路中に配置される反射プリズム11の変動に影響されることなく、感光面Waへの参照光の入射角を所望の角度に安定的に維持することができ、ひいては感光面Waの面位置を高精度に検出することができる。また、感光面Waと受光側共通光学部材(28〜25)との間の参照光路中に配置される反射プリズム31の変動に影響されることなく、受光プリズム23Bの入射面23Ba(第2観測面)への参照光の入射角を所望の角度に安定的に維持することができ、ひいては感光面Waの面位置を高精度に検出することができる。
こうして、本実施形態の露光装置では、ウェハWの感光面Waの面位置を高精度に検出することができ、ひいてはレチクルRのパターン面に対応する投影光学系PLの結像面に対して感光面Waを高精度に位置合わせすることができる。
なお、上述の説明では、測定光がダイクロイックミラー4,24を透過し、参照光がダイクロイックミラー4,24によって反射される構成を採用している。また、測定光がダイクロイック膜9,29によって反射され、参照光がダイクロイック膜9,29を透過する構成を採用している。しかしながら、ウェハWに対する送光光学系および受光光学系の各光学部材の配置に応じて、ダイクロイックミラー4,24が測定光を反射し且つ参照光を透過させる構成や、ダイクロイック膜9,29が測定光を透過させ且つ参照光を反射する構成も可能である。
また、上述の説明では、ダイクロイックミラー4,24により、測定光および参照光の波長に応じて、測定光を透過させて参照光を反射している。また、ダイクロイック膜9,29により、測定光および参照光の波長に応じて、測定光を反射して参照光を透過させている。しかしながら、ダイクロイックミラー4,24に代えて、偏光ビームスプリッターを用いることにより、測定光および参照光の偏光状態に応じて、測定光および参照光の一方を反射させて他方を透過させてもよい。また、ダイクロイック膜9,29に代えて、偏光分離膜を用いることにより、測定光および参照光の偏光状態に応じて、測定光および参照光の一方を反射させて他方を透過させてもよい。
図12は、第2実施例にかかる面位置検出装置の構成を示す図である。第2実施例は、第1実施例と類似の構成を有する。しかしながら、第2実施例では、測定パターンの中間像の各要素パターンの列と参照パターンの中間像の各要素パターンの列とが間隔を隔てて平行に配列させる点が第1実施例と相違している。以下、第1実施例との相違点に着目して、第2実施例の構成および作用を説明する。
第2実施例の面位置検出装置は、測定光用の送光プリズム3Aと参照光用の送光プリズム3Bとに共通な照明系として、光源1およびコンデンサーレンズ2を備えている。送光プリズム3Aと送光プリズム3Bとは、別々の光学部材として互いに近接して配置されている。あるいは、送光プリズム3Aと送光プリズム3Bとは、1つの光学部材として一体に形成されている。なお、送光プリズム3Aおよび送光プリズム3Bを別々の照明系で照明してもよい。
送光プリズム3Aの射出面3Aaに設けられた送光スリットSm1〜Sm5(図3を参照)を通過した測定光は、第2対物レンズ5、振動ミラー6、および第1対物レンズ7を介して、菱形プリズム8に入射する。送光プリズム3Bの射出面(射出面3Aaとは同一平面上にない面)3Baに設けられた送光スリットSr1〜Sr5(図4を参照)を通過した参照光は、測定光の光路からY方向に間隔を隔てた光路に沿って、第2対物レンズ5、振動ミラー6、および第1対物レンズ7を介して、菱形プリズム8に入射する。
このように、第2実施例では、第1実施例とは異なり、送光プリズム3Aおよび3Bと第2対物レンズ5との間の光路中にダイクロイックミラーが配置されていない。また、第2実施例では、第1実施例とは異なり、菱形プリズム8の図中下側の側面に、ダイクロイック膜が形成されていない。また、第2実施例では、図13および図14に示すように、菱形プリズム8の図中下側の側面に隣接して、参照光Lrの光路に対応する領域に偏角プリズム10が取り付けられている。
図13および図14を参照すると、実線で示す測定光路に沿って菱形プリズム8の入射面8aに入射した測定光Lmは、反射面8bおよび側面8cによって順次反射された後、射出面8dから射出される。射出面8dから射出された測定光Lmは、感光面Wa上の検出領域DAに、XZ平面に沿って入射角θmで斜め入射する。一方、測定光路からY方向に間隔を隔てた参照光路(図中破線で示す)に沿って菱形プリズム8の入射面8aに入射した参照光Lrは、反射面8bによって反射され、偏角プリズム10に入射する。
偏角プリズム10に入射した参照光Lrは、反射面10aによって反射され、菱形プリズム8の射出面8dから図13中斜め上方へ向かって射出される。射出面8dから射出された参照光Lrは、反射プリズム11の反射面11aおよび反射面11bによって順次反射された後、感光面Waに対する測定光Lmの入射面と平行な面に沿って、検出領域DAに近接した領域DBに入射角θrで斜め入射する。
こうして、感光面Wa上の検出領域DAには、図15に模式的に示すように、測定パターンとしての送光スリットSm1〜Sm5に対応して、X方向およびY方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる5個の中間像Im1〜Im5がX方向に沿って所定のピッチで形成される。各中間像Im1〜Im5の中心は、検出領域DAにおける所定の検出点に対応している。同様に、感光面Wa上において検出領域DAに近接した領域DBには、参照パターンとしての送光スリットSr1〜Sr5に対応して、X方向およびY方向と45度をなす斜め方向に細長く延びる5個の中間像Ir1〜Ir5がX方向に沿って所定のピッチで形成される。
すなわち、測定パターンの中間像Im1〜Im5と参照パターンの中間像Ir1〜Ir5とは、Y方向に間隔を隔てて互いに平行に形成される。また、測定パターンの中間像Im1〜Im5のX方向ピッチと、参照パターンの中間像Ir1〜Ir5のX方向ピッチとは等しい。換言すれば、送光スリットSm1〜Sm5および送光スリットSr1〜Sr5は、感光面Wa上に形成される中間像の要素パターンのX方向ピッチが互いに等しくなるように形成されている。また、測定パターンの中間像Im1と参照パターンの中間像Ir1とはY方向に沿って隣接して配置され、同様に他の測定パターンの中間像Im2〜Im5は、それぞれ参照パターンの中間像Ir2〜Ir5とY方向に沿って隣接して配置されている。
感光面Waによって反射された測定光Lmは、菱形プリズム28に入射する。菱形プリズム28の図13中下側の側面には、ダイクロイック膜が形成されていない。また、菱形プリズム28の図13中下側の側面に隣接して、参照光Lrの光路に対応する領域に偏角プリズム30が取り付けられている。したがって、菱形プリズム28の入射面28aに入射した測定光Lmは、反射面28bおよび側面28cで順次反射された後、射出面28dから射出される。
一方、感光面Waによって反射された参照光Lrは、反射プリズム31の反射面31aおよび反射面31bによって順次反射され、菱形プリズム28の入射面28aを介して、偏角プリズム30に入射する。偏角プリズム30に入射した参照光Lrは、反射面30aによって反射され、反射面28cで反射された後、射出面28dから射出される。射出面28dから射出された参照光Lrは、測定光Lmの光路からY方向に間隔を隔てた光路に沿って第1対物レンズ27へ導かれる。
菱形プリズム28から射出された測定光および参照光は、第1対物レンズ27、ミラー26、および第2対物レンズ25を介した後、受光プリズム23Aおよび受光プリズム23Bにそれぞれ入射する。すなわち、第2対物レンズ25と受光プリズム23Aおよび23Bとの間の光路中には、ダイクロイックミラーが配置されていない。受光プリズム23Aと受光プリズム23Bとは、別々の光学部材として互いに近接して配置されている。あるいは、受光プリズム23Aと受光プリズム23Bとは、1つの光学部材として一体に形成されている。
受光プリズム23Aの入射面23Aaには、測定光用の送光スリットSm1〜Sm5の観測像が形成される。受光プリズム23Bの入射面(入射面23Aaとは同一平面上にない面)23Baには、参照光用の送光スリットSr1〜Sr5の観測像が形成される。受光プリズム23Aの入射面23Aaに設けられた受光スリットSma1〜Sma5(図8を参照)を通過した測定光は、リレーレンズ22を介して、測定パターンの観測像の共役像を光検出器21の検出面21a上に形成する。
受光プリズム23Bの入射面23Baに設けられた受光スリットSra1〜Sra5(図9を参照)を通過した参照光は、測定光と共通なリレーレンズ22を介して、測定光と共通な光検出器21の検出面21a上に参照パターンの観測像の共役像を形成する。なお、受光プリズム23Aからの測定光と受光プリズム23Bからの参照光とを、別々のリレーレンズ22Aおよび22Bを介して、別々の光検出器21Aおよび21Bへ導くこともできる。
光検出器21の検出面21aには、図16に示すように、測定光用の受光スリットSma1〜Sma5に対応するように受光部RSm1〜RSm5が設けられ、参照光用の受光スリットSra1〜Sra5に対応するように受光部RSr1〜RSr5が設けられている。受光部RSm1〜RSm5は、送光スリットSm1〜Sm5に対応する受光スリットSma1〜Sma5を通過した測定光を受光する。受光部RSr1〜RSr5は、送光スリットSr1〜Sr5に対応する受光スリットSra1〜Sra5を通過した参照光を受光する。
第2実施例においても、第1実施例の場合と同様に、受光スリットSma1〜Sma5を通過する測定光の光量および受光スリットSra1〜Sra5を通過する参照光の光量は、感光面WaのZ方向移動に応じて変化する。また、受光部RSm1〜RSm5の検出信号および受光部RSr1〜RSr5の検出信号は、振動ミラー6の振動に同期して変化し、信号処理部PRに供給される。
第2実施例では、信号処理部PRにおいて、測定パターンの観測像の各要素パターンの位置情報に基づいて面位置Zm1〜Zm5を算出する。次いで、制御部CRは、例えば面位置Zm1〜Zm5の各検出点(測定パターンの中間像の各要素パターンの中心)またはその各近傍を中心として参照パターンの中間像の各要素パターンが形成されるように、駆動系HDに指令を供給してXYステージHS(ひいてはウェハW)をY方向に所要量だけ移動させる。
信号処理部PRは、参照パターンの中間像の各要素パターンの中心が各検出点とほぼ一致しているときの参照パターンの観測像の各要素パターンの位置情報に基づいて、面位置Zr1〜Zr5を算出する。そして、この参照光に関する面位置Zr1〜Zr5と、既に算出済みの測定光に関する面位置Zm1〜Zm5とに基づいて、検出領域DAの各検出点における補正された面位置Zv1〜Zv5を算出する。この算出結果は、制御部CRの内部に設けられた記憶部MRに供給される。
測定光に関する面位置Zm1〜Zm5の算出、ウェハWのY方向への移動、参照光に関する面位置Zr1〜Zr5の算出、および補正された面位置Zv1〜Zv5の算出からなる一連の処理は、必要に応じて、所要の回数だけ行われる。面位置検出装置の複数の検出結果(すなわち複数の検出点における補正された面位置に関する情報)は、記憶部MRにマップデータとして記憶される。なお、信号処理部PRは、領域DBで反射された参照光による参照パターンの観測像の各要素パターンの位置情報に基づいて、参照光に関する面位置Zr1〜Zr5を算出し、面位置Zv1〜Zv5を求めるようにしても良い。
制御部CRは、記憶部MRに記憶された面位置のマップデータに基づいて、ZステージVSのZ方向位置を所要量だけ調整し、感光面Wa上の検出領域を、ひいてはウェハWの現在の露光領域を投影光学系PLの結像面位置に位置合わせする。こうして、第2実施例の面位置検出装置においても、測定光に基づいて算出される面位置Zmと参照光に基づいて算出される面位置Zrとを用いて、光学部材の変動の影響を実質的に受けない補正された面位置Zvを算出すること、すなわち光学部材の変動に影響されずに感光面Waの面位置を高精度に検出することができる。
また、第2実施例の面位置検出装置においても、第1実施例の場合と同様に、送光側共通光学部材(5〜8)と感光面Waとの間の参照光路中に配置される反射プリズム11の変動、および感光面Waと受光側共通光学部材(28〜25)との間の参照光路中に配置される反射プリズム31の変動に影響されることなく、感光面Waの面位置を高精度に検出することができる。
図17は、第3実施例にかかる面位置検出装置の構成を示す図である。第3実施例は、第2実施例と類似の構成を有する。しかしながら、第3実施例では、感光面Waに対する参照光の入射面と感光面Waに対する測定光の入射面とが交差している点が第2実施例と相違している。以下、第2実施例との相違点に着目して、第3実施例の構成および作用を説明する。
第3実施例においても第2実施例と同様に、送光プリズム3Aの射出面3Aaに設けられた送光スリットSm1〜Sm5を通過した測定光は、第2対物レンズ5、振動ミラー6、および第1対物レンズ7を介して、菱形プリズム8に入射する。送光プリズム3Bの射出面3Baに設けられた送光スリットSr1〜Sr5を通過した参照光は、測定光の光路からY方向に間隔を隔てた光路に沿って、第2対物レンズ5、振動ミラー6、および第1対物レンズ7を介して、菱形プリズム8に入射する。
図18および図19に示すように、実線で示す測定光路に沿って菱形プリズム8の入射面8aに入射した測定光Lmは、反射面8bおよび側面8cによって順次反射され、射出面8dから射出された後、感光面Wa上の検出領域DAにXZ平面に沿って入射角θmで斜め入射する。一方、測定光路からY方向に間隔を隔てた参照光路(図中破線で示す)に沿って菱形プリズム8の入射面8aに入射した参照光Lrは、反射面8bによって反射され、偏角プリズム10の反射面10aによって反射された後、菱形プリズム8の射出面8dから図18中斜め上方へ向かって射出される。
射出面8dから射出された参照光Lrは、図20および図21に示すような作用および形態を有する反射プリズム12に入射する。なお、図20は、反射プリズム12へ入射した参照光Lrが2回反射されて感光面Waへ導かれる様子、および感光面Waから後述の反射プリズム32へ入射した参照光Lrが2回反射されて菱形プリズム8へ導かれる様子を参照光Lrの光路によって示している。また、図21は、反射プリズム12(32)へ入射する参照光Lriと反射プリズム12(32)から射出される参照光Lroとを含む平面に沿った反射プリズム12(32)の断面を示している。
反射プリズム12および32は、図示の困難な外形形状を有し且つ図示の困難な姿勢で配置されているため、図17〜図19では単なる正方形により表示されている。図17〜図21を参照すると、菱形プリズム8の射出面8dから射出された参照光Lrは、反射プリズム12に入射し、その反射面12aおよび12bによって順次反射され、反射プリズム12から射出された後、感光面Waに対する測定光Lmの入射面と直交する面(YZ平面)に沿って、検出領域DAに入射角θrで斜め入射する。
このように、第3実施例では、第1実施例とは異なり、感光面Waに対する測定光の入射面と感光面Waに対する参照光の入射面とは直交しており、測定光の入射面に沿った参照光の入射角成分は0度である。
感光面Waによって反射された測定光Lmは、菱形プリズム28の入射面28aを介して、側面28bおよび反射面28cで順次反射された後、射出面28dから射出される。一方、感光面Waによって反射された参照光Lrは、反射プリズム32に入射し、その反射面32aおよび32bによって順次反射され、反射プリズム32から射出される。反射プリズム32から射出された参照光Lrは、菱形プリズム28の入射面28aを介して、偏角プリズム30に入射する。偏角プリズム30に入射した参照光Lrは、反射面30aによって反射され、菱形プリズム28の反射面28cで反射された後、射出面28dから射出される。射出面28dから射出された参照光Lrは、測定光Lmの光路からY方向に間隔を隔てた光路に沿って第1対物レンズ27へ導かれる。
菱形プリズム28から射出された測定光および参照光は、第1対物レンズ27、ミラー26、および第2対物レンズ25を介した後、受光プリズム23Aおよび受光プリズム23Bにそれぞれ入射する。受光プリズム23Aの入射面23Aaには測定光用の送光スリットSm1〜Sm5の観測像が形成され、受光プリズム23Bの入射面23Baには参照光用の送光スリットSr1〜Sr5の観測像が形成される。
入射面23Aaに設けられた受光スリットSma1〜Sma5を通過した測定光、および入射面23Baに設けられた受光スリットSra1〜Sra5を通過した参照光は、リレーレンズ22を介して、光検出器21の検出面21a上に測定パターンの観測像の共役像、および参照パターンの観測像の共役像をそれぞれ形成する。光検出器21の検出面21aには、測定光用の受光スリットSma1〜Sma5に対応するように受光部RSm1〜RSm5が設けられ、参照光用の受光スリットSra1〜Sra5に対応するように受光部RSr1〜RSr5が設けられている。
第3実施例においても、第1実施例および第2実施例と同様に、受光スリットSma1〜Sma5を通過する測定光の光量および受光スリットSra1〜Sra5を通過する参照光の光量は、感光面WaのZ方向移動に応じて変化する。また、受光部RSm1〜RSm5の検出信号および受光部RSr1〜RSr5の検出信号は、振動ミラー6の振動に同期して変化し、信号処理部PRに供給される。
第3実施例では、信号処理部PRにおいて、測定パターンの観測像の各要素パターンの位置情報に基づいて面位置Zm1〜Zm5を算出し、参照パターンの観測像の各要素パターンの位置情報に基づいて面位置Zr1〜Zr5を算出する。そして、測定光に関する面位置Zm1〜Zm5と参照光に関する面位置Zr1〜Zr5とに基づいて、検出領域DAの各検出点における補正された面位置Zv1〜Zv5を算出する。測定光に関する面位置Zm1〜Zm5の算出、参照光に関する面位置Zr1〜Zr5の算出、および補正された面位置Zv1〜Zv5の算出からなる一連の処理は、必要に応じて、ウェハWをXY平面に沿って移動させつつ所要の回数だけ行われる。
面位置検出装置の複数の検出結果(すなわち複数の検出点における補正された面位置に関する情報)は、記憶部MRにマップデータとして記憶される。こうして、第3実施例の面位置検出装置においても、測定光に基づいて算出される面位置Zmと参照光に基づいて算出される面位置Zrとを用いて、光学部材の変動の影響を実質的に受けない補正された面位置Zvを算出すること、すなわち光学部材の変動に影響されずに感光面Waの面位置を高精度に検出することができる。
また、第3実施例の面位置検出装置では、送光側共通光学部材(5〜8)を経た参照光を2回反射する反射面12aおよび反射面12bが反射プリズム12に一体に形成され、感光面Waによって反射された参照光を2回反射する反射面32aおよび反射面32bは反射プリズム32に一体に形成されている。したがって、第3実施例の面位置検出装置においても、第1実施例および第2実施例の場合と同様に、送光側共通光学部材(5〜8)と感光面Waとの間の参照光路中に配置される反射プリズム12の変動、および感光面Waと受光側共通光学部材(28〜25)との間の参照光路中に配置される反射プリズム32の変動に影響されることなく、感光面Waの面位置を高精度に検出することができる。
なお、上述の説明では、送光側共通光学部材(5〜8)を経た参照光を2回反射して感光面Waへ導く送光側反射部として、反射面11a,11bまたは12a,12bが形成された反射プリズム11または12を用いている。また、感光面Waによって反射された参照光を2回反射して受光側共通光学部材(28〜25)へ導く受光側反射部として、反射面31a,31bまたは32a,32bが形成された反射プリズム31または32を用いている。
すなわち、上述の構成例では、送光側反射部と受光側反射部とが別々の光学部材として構成されている。しかしながら、これに限定されることなく、送光側反射部と受光側反射部とを1つの光学部材として一体に形成することもできる。具体的に、第1実施例および第2実施例の構成において、図22に示すように、送光側反射部としての反射プリズム11と受光側反射部として反射プリズム31とを一体化してもよい。
また、上述の構成例では、第1反射面としての反射面(11a,12a)および第2反射面としての反射面(11b,12b)が単一の光学部材である反射プリズム(11,12)に形成され、第3反射面としての反射面(31a,32a)および第4反射面としての反射面(31b,32b)が単一の光学部材である反射プリズム(31,32)に形成されている。しかしながら、単一の光学部材に限定されることなく、例えば第1反射面が形成された第1ミラー部材と第2反射面が形成された第2ミラー部材とを第1反射面と第2反射面とのなす角度が変動しないように保持する構成や、第3反射面が形成された第3ミラー部材と第4反射面が形成された第4ミラー部材とを第3反射面と第4反射面とのなす角度が変動しないように保持する構成も可能である。
すなわち、送光側反射部では参照光を順次反射する第1反射面と第2反射面とのなす角度が変動しないこと、受光側反射部では参照光を順次反射する第3反射面と第4反射面とのなす角度が変動しないことが重要である。この目的のために、送光側反射部では参照光を順次反射する第1反射面および第2反射面を所要の形態にしたがって一体に形成し、受光側反射部では参照光を順次反射する第3反射面および第4反射面を所要の形態にしたがって一体に形成することが好ましい。
また、上述の構成例では、送光側共通光学部材(5〜8)を経た参照光を2回反射して感光面Waへ導くとともに、感光面Waによって反射された参照光を2回反射して受光側共通光学部材(28〜25)へ導いている。しかしながら、2回反射に限定されることなく、送光側共通光学部材(5〜8)を経た参照光を偶数回反射して感光面Waへ導くとともに、感光面Waによって反射された参照光を偶数回反射して受光側共通光学部材(28〜25)へ導くこともできる。このように、送光側反射部および受光側反射部の具体的な構成については様々な形態が可能である。
また、上述の説明では、菱形プリズム8の下側の側面8cに形成されたダイクロイック膜9およびこれに隣接して取り付けられた偏角プリズム10が、送光側共通光学部材(5〜8)を経た測定光および参照光を相対的に偏向させて測定光を感光面Waへ導くとともに参照光を反射プリズム11または12へ導く送光側偏向部を構成している。また、菱形プリズム28の下側の側面28bに形成されたダイクロイック膜29およびこれに隣接して取り付けられた偏角プリズム30が、感光面Waによって反射された測定光および反射プリズム31または32を経た参照光を相対的に偏向させて受光側共通光学部材(28〜25)へ導く受光側偏向部を構成している。
しかしながら、送光側偏向部および受光側偏向部の具体的な構成については様々な形態が可能である。一例として、図23に示すように、菱形プリズム8の上側の側面8bに形成されたダイクロイック膜9’と、ダイクロイック膜9’に隣接して取り付けられた三角プリズム10’とにより送光側偏向部を構成し、菱形プリズム28の上側の側面28cに形成されたダイクロイック膜29’と、ダイクロイック膜29’に隣接して取り付けられた三角プリズム30’とにより受光側偏向部を構成することもできる。
この場合、菱形プリズム8の入射面8aに入射した測定光Lmは、反射面8bおよび反射面8cによって順次反射され、射出面8dから射出された後、感光面Waに入射する。菱形プリズム8の入射面8aに入射した参照光Lrは、ダイクロイック膜9’および三角プリズム10’を透過して、反射プリズム13に入射する。反射プリズム13に入射した参照光Lrは、反射面13aおよび反射面13bによって順次反射された後、感光面Waに入射する。
感光面Waによって反射されて菱形プリズム28の入射面28aに入射した測定光Lmは、反射面28bおよび反射面28cで順次反射された後、射出面28dから射出される。感光面Waによって反射された参照光Lrは、反射プリズム33に入射し、その反射面33aおよび反射面33bによって順次反射された後、三角プリズム30’に入射する。三角プリズム30’に入射した参照光Lrは、ダイクロイック膜29’を透過し、菱形プリズム28の射出面28dから射出される。
なお、第1実施例では、図7に模式的に示すように、測定パターンの中間像Im1〜Im5および参照パターンの中間像Ir1〜Ir5を同列に配列させ、且つ測定パターンの中間像Im1〜Im5の要素パターンと、参照パターンの中間像Ir1〜Ir5の対応する要素パターンとを感光面Wa上の同一箇所に配列させている。しかしながら、これに限定されることなく、例えば図24に模式的に示すように、測定パターンの中間像Im1〜Im5の要素パターンと参照パターンの中間像Ir1〜Ir5の要素パターンとを、一方向(X方向)に沿って1つの要素パターン毎に(一般には一以上の要素パターン毎に)交互に配列させることもできる。
この場合、例えば測定パターンの中間像Im3の中心に対応する検出点における補正された面位置Zv3の検出に際して、中間像Im3に対応する観測像の位置情報に基づいて面位置Zm3を算出する。また、中間像Im3をX方向に沿って挟み込む2つの参照パターンの中間像Ir2およびIr3に着目し、中間像Ir2に対応する観測像の位置情報と中間像Ir3に対応する観測像の位置情報とに基づいて面位置Zr3’を算出する。具体的には、例えば、中間像Ir2に対応する観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zr2と、中間像Ir3に対応する観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zr3との平均値を、面位置Zr3’として算出する。
そして、測定光に関する面位置Zm3と、参照光に関する面位置Zr3’とに基づいて、中間像Im3の中心に対応する検出点における補正された面位置Zv3を算出する。他の検出点における補正された面位置Zviの算出についても同様に、測定パターンの中間像Imiの要素パターンを挟み込む2つ(一般には複数)の参照パターンの中間像の要素パターンに対応する第2観測面(入射面23Ba)上の位置情報に基づいて面位置Zri’を算出すればよい。
また、第1実施例では、測定パターンおよび参照パターンとして、複数の要素パターンを一方向に沿って配列した一次元配列パターンを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、2つの方向に沿って複数の要素パターンを配列した二次元配列パターンを、測定パターンおよび参照パターンとして用いることもできる。
測定パターンおよび参照パターンとして、例えば互いに直交する2つの方向に沿って複数の要素パターンを配列した二次元配列パターンを用いる場合、図25に模式的に示すように、複数の測定パターンの中間像Imの要素パターンおよび複数の参照パターンの中間像Irの要素パターンがX方向およびY方向に沿ってマトリックス状に配列される。図25では、測定パターンの中間像Imの要素パターンと、参照パターンの中間像Irの対応する要素パターンとが、同一箇所に配列されている。この場合、補正された面位置Zvの検出は、第1実施例において説明した通りである。
また、例えば図26に模式的に示すように、測定パターンの中間像Imの要素パターンと参照パターンの中間像Irの要素パターンとを、二方向(X方向およびY方向)に沿って1つの要素パターン毎に(一般には一以上の要素パターン毎に)交互に配列させることもできる。この場合、例えば測定パターンの中間像Imcの中心に対応する検出点における補正された面位置Zvcの検出に際して、中間像Imcに対応する観測像の位置情報に基づいて面位置Zmcを算出する。
また、中間像ImcをX方向に沿って挟み込む2つの参照パターンの中間像IrnおよびIrs、並びに中間像ImcをY方向に沿って挟み込む2つの参照パターンの中間像IreおよびIrwに着目し、中間像Irn、中間像Irs、中間像Ireおよび中間像Irwに対応する各観測像の位置情報に基づいて面位置Zrcを算出する。具体的には、例えば、中間像Irnに対応する観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zrnと、中間像Irsに対応する観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zrsと、中間像Ireに対応する観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zreと、中間像Irwに対応する観測像の位置情報に基づいて算出される面位置Zrwとの平均値を、面位置Zrcとして算出する。
あるいは、面位置Zrnと面位置Zrsとの平均値、または面位置Zreと面位置Zrwとの平均値を、面位置Zrcとして算出する。そして、測定光に関する面位置Zmcと、参照光に関する面位置Zrcとに基づいて、中間像Imcの中心に対応する検出点における補正された面位置Zvcを算出する。
一般的には、測定パターンおよび参照パターンとして、それぞれ複数の要素パターンが配列された配列パターンを用いて、参照パターンの中間像の要素パターンを測定パターンの中間像の要素パターンの近傍に配列させる場合、測定パターンの中間像の要素パターンに対応する第1観測面上の位置情報に基づいて面位置Zmを算出し、当該測定パターンの中間像の要素パターンの近傍に配列された一以上の参照パターンの中間像の要素パターンに対応する第2観測面上の位置情報に基づいて面位置Zrを算出することができる。
また、第2実施例および第3実施例では、送光プリズム3Aと3Bとを一体化したり、受光プリズム23Aと23Bとを一体化したりすることにより、送光スリットSm1〜Sm5と送光スリットSr1〜Sr5との間の位置変動および測定パターンの観測像と参照パターンの観測像との間の不用な位置変動を回避することができ、ひいては高精度な検出を行うことができる。
送光プリズムの一体化をさらに進めて、送光スリットSm1〜Sm5が設けられる測定パターン面と送光スリットSr1〜Sr5が設けられる参照パターン面とを含む共通パターン面を有する送光部材を備えることもできる。同様に、受光プリズムの一体化をさらに進めて、測定パターンの観測像が形成される第1観測面と参照パターンの観測像が形成される第2観測面とを含む共通観測面を有する観測部材を備えることもできる。
ただし、例えば第2実施例において共通パターン面を用いる場合、感光面Waにおける測定パターンの中間像Im1〜Im5の要素パターンのX方向ピッチと参照パターンの中間像Ir1〜Ir5の要素パターンのX方向ピッチとを等しくするには、図27に示すように、送光部材の共通パターン面3aに設けられる送光スリットSm1〜Sm5の要素パターンのx5方向のピッチを、送光スリットSr1〜Sr5の要素パターンのx5方向のピッチよりも小さくするとよい。また、中間像Im1〜Im5の要素パターンの外形と中間像Ir1〜Ir5の対応する要素パターンの外形とを感光面Wa上で重ね合わせるには、送光スリットSm1〜Sm5の要素パターンのx5方向の寸法を、送光スリットSr1〜Sr5の要素パターンのx5方向の寸法よりも小さくするとよい。
これは、感光面Waに対する測定光の入射角θmの方が、参照光の入射角θrよりも大きいからである。なお、図27では、共通パターン面3aにおいて全体座標のY軸に平行な方向にy5軸を、共通パターン面3aにおいてy5軸と直交する方向にx5軸を設定している。このように、第1実施例および第3実施例においても、感光面Waにおける測定パターンの中間像Im1〜Im5の要素パターンのX方向ピッチと参照パターンの中間像Ir1〜Ir5の要素パターンのX方向ピッチとを等しくするには、送光部材の共通パターン面3aに設けられる送光スリットSm1〜Sm5の要素パターンのピッチを、送光スリットSr1〜Sr5の要素パターンのピッチよりも小さくするとよい。
上述の各実施例では、感光面Wa上に形成される中間像のスリット状要素パターンの長手方向が入射面に対して45度の向きに設定されている。しかしながら、スリット状要素パターンの長手方向は入射面に対して45度方向に限定されることなく、スリット状要素パターンの長手方向と入射面とがなす角度については様々な形態が可能である。例えば第3実施例では、参照パターンの中間像のスリット状要素パターンの長手方向の向きを、参照光の入射面(YZ平面)と平行に設定することもできる。すなわち、参照パターンとして複数のスリット状要素パターンが配列された配列パターンを用いる場合、参照パターンの中間像における各スリット状要素パターンの長手方向を感光面Waに対する参照光の入射面に平行にすることもできる。この場合、感光面Waの面位置の変化(Z方向移動)に対応する参照パターンの観測像の移動方向をその長手方向と一致させることができ、参照パターンの観測像の位置情報に基づく面位置Zrの検出感度を実質的に無くする(0とする)ことができる。これは、感光面Waへの参照光の入射角θrを0とした場合に相当する。
なお、上述の実施形態では、光電顕微鏡の原理(振動ミラーを用いる計測原理)に基づいて被検面の面位置を検出している。しかしながら、これに限定されることなく、例えば画像処理によって測定パターンの観測像および参照パターンの観測像の各位置情報を検出し、検出した各位置情報に基づいて被検面の位置を算出することもできる。
また、上述の実施形態では、露光装置が単一の面位置検出装置を備えている例を説明しているが、これに限定されることなく、必要に応じて複数組の面位置検出装置で検出視野を分割することもできる。この場合、第1の面位置検出装置の検出視野と第2の面位置検出装置の検出視野との共通の視野における検出結果に基づいて、各装置のキャリブレーションを行うこともできる。
また、上述の実施形態では、感光性基板としてのウェハWの面位置の検出に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、レチクルR(一般にはマスク)のパターン面の面位置の検出に対して本発明を適用することもできる。また、上述の実施形態では、露光装置における感光性基板の面位置の検出に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、露光装置以外の各種装置における一般の被検面の面位置の検出に対して本発明を適用することもできる。
また、上述の実施形態では、面位置検出装置が、投影光学系PLの光軸AXの近傍における感光面Waを検出領域DAとして感光面Waの面位置を検出するものとしたが、光軸AXから離れた位置で感光面Waの面位置を検出するようにしてもよい。例えば、図示しない搬送装置によってZステージVS上に載置されたウェハWをXYステージHSによって投影光学系PL下に搬入する搬入経路に対応して面位置検出装置を配置し、その搬入経路の途中で感光面Waの面位置を検出するようにしてもよい。この場合、XYステージHSによるウェハWの移動に応じて、感光面Waの複数箇所における面位置を検出し、その複数の検出結果を記憶部MRにマップデータとして記憶させる。そして、レチクルRのパターンを感光面Waに転写する(露光する)際に、記憶部MRに記憶させたマップデータに基づいて、感光面Waの面位置をZステージVSによって位置合わせするとよい。
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。このような可変パターン形成装置を用いれば、パターン面が縦置き(鉛直面に沿った配置)でも同期精度に及ぼす影響を最低限にできる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含むDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いることができる。DMDを用いた露光装置は、例えば特開2004−304135号公報、国際特許公開第2006/080285号パンフレットに開示されている。また、DMDのような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。なお、パターン面が横置き(水平面に沿った配置)の場合であっても可変パターン形成装置を用いても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図28は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図28に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の露光装置を用い、レチクルRに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域(露光領域)に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをウェハ加工用のマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。
ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層(転写パターン層)であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを感光性基板としてパターンの転写を行う。
図29は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図29に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。
ステップS50のパターン形成工程では、感光性基板としてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写された感光性基板の現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層(転写パターン層)を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。
ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイスまたは液晶デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、本発明は、ガラス基板と半導体ウェハとに限定されず、例えば可撓性を有するシート状の基板(面積に対する厚さの比がガラス基板および半導体ウェハに比して小さい基板)を露光対象としての感光性基板とすることができる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。また、上記実施形態の各構成要素等は、いずれの組み合わせ等も可能とすることができる。
1 光源
3 送光プリズム
4,24 ダイクロイックミラー
5,7,25,27 対物レンズ
6 振動ミラー
8,28 菱形プリズム
9,29 ダイクロイック膜
10,30 偏角プリズム
11,31 反射プリズム
21 光検出器
23 受光プリズム
PR 信号処理部
CR 制御部
R レチクル
RS レチクルステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
VS Zステージ
HS XYステージ

Claims (37)

  1. 被検面の面位置を検出する面位置検出装置であって、
    第1パターンからの第1測定光および第2パターンからの第2測定光を異なる入射角で前記被検面に入射させ、該被検面に前記第1パターンの中間像および前記第2パターンの中間像を投射する送光光学系と、
    前記被検面によって反射された前記第1測定光および前記第2測定光をそれぞれ第1観測面および第2観測面へ導いて、該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成するとともに該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成する受光光学系と、
    前記第1観測面における前記第1パターンの観測像および前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の各位置情報を検出し、該各位置情報に基づいて前記被検面の面位置を算出する検出部とを備え、
    前記送光光学系は、前記第1測定光および前記第2測定光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材と、該送光側共通光学部材を経た前記第2測定光を偶数回反射して前記第1測定光よりも小さい入射角で前記被検面に入射させる送光側反射部とを有することを特徴とする面位置検出装置。
  2. 前記送光側反射部は、前記第2測定光を順次反射する第1反射面および第2反射面を一体に有することを特徴とする請求項1に記載の面位置検出装置。
  3. 前記第1反射面および前記第2反射面は、単一の光学部材に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の面位置検出装置。
  4. 前記送光側反射部は、前記被検面の直上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  5. 前記送光側反射部は、前記被検面における前記第2パターンの中間像の直上に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の面位置検出装置。
  6. 前記送光側反射部は、前記被検面に対する前記第1測定光の入射面と交差する方向から前記第2測定光を前記被検面に入射させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  7. 前記送光側反射部は、前記被検面に対する前記第2測定光の入射角のうち前記被検面に対する前記第1測定光の入射面に沿った入射角成分を略0度として前記第2測定光を前記被検面に入射させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  8. 前記送光光学系は、前記送光側共通光学部材を経た前記第1測定光および前記第2測定光を相対的に偏向させて前記第1測定光を前記被検面へ導くとともに前記第2測定光を前記送光側反射部へ導く送光側偏向部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  9. 前記送光側偏向部は、前記第1測定光および前記第2測定光の一方を反射させて他方を透過させる送光側分離面を有することを特徴とする請求項8に記載の面位置検出装置。
  10. 前記送光側分離面は、前記第1測定光および前記第2測定光の波長もしくは偏光に応じて該第1測定光および該第2測定光の一方を反射させて他方を透過させることを特徴とする請求項9に記載の面位置検出装置。
  11. 前記受光光学系は、前記第1測定光および前記第2測定光に対して共通に設けられた少なくとも1つの受光側共通光学部材と、前記被検面によって反射された前記第2測定光を偶数回反射して前記受光側共通光学部材へ導く受光側反射部とを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  12. 前記受光側反射部は、前記第2測定光を順次反射する第3反射面および第4反射面を一体に有することを特徴とする請求項11に記載の面位置検出装置。
  13. 前記第3反射面および前記第4反射面は、単一の光学部材に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の面位置検出装置。
  14. 前記受光光学系は、前記被検面によって反射された前記第1測定光および前記受光側反射部を経た前記第2測定光を相対的に偏向させて前記受光側共通光学部材へ導く受光側偏向部を有することを特徴とする請求項12または13に記載の面位置検出装置。
  15. 前記受光側偏向部は、前記第1測定光および前記第2測定光の一方を反射させて他方を透過させる受光側合成面を有することを特徴とする請求項14に記載の面位置検出装置。
  16. 前記受光側合成面は、前記第1測定光および前記第2測定光の波長もしくは偏光に応じて該第1測定光および該第2測定光の一方を反射させて他方を透過させることを特徴とする請求項15に記載の面位置検出装置。
  17. 前記送光光学系は、互いに異なる方向から入射する前記第1測定光および前記第2測定光を前記送光側共通光学部材へ導く送光側合成部を有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  18. 前記受光光学系は、前記受光側共通光学部材を経た前記第1測定光および前記第2測定光を相対的に偏向させて該第1測定光を前記第1観測面へ導くとともに該第2測定光を前記第2観測面へ導く受光側分離部を有することを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  19. 前記第1パターンおよび前記第2パターンは、それぞれ複数の要素パターンが配列された配列パターンであって、
    前記送光光学系は、前記第1パターンの中間像と前記第2パターンの中間像とを前記被検面上で平行に配列させることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  20. 前記送光光学系は、前記第1パターンの中間像の要素パターンと前記第2パターンの中間像の要素パターンとを前記被検面上で同列に配列させることを特徴とする請求項19に記載の面位置検出装置。
  21. 前記送光光学系は、前記第1パターンの中間像のうちの少なくとも1つの要素パターンと前記第2パターンの中間像のうちの少なくとも1つの要素パターンとを前記被検面上の同一箇所に配列させることを特徴とする請求項20に記載の面位置検出装置。
  22. 前記送光光学系は、前記第1パターンの中間像の要素パターンと前記第2パターンの中間像の要素パターンとを一以上の要素パターンごとに交互に配列させることを特徴とする請求項20に記載の面位置検出装置。
  23. 前記送光光学系は、前記第1パターンの中間像および前記第2パターンの中間像を前記被検面に対する前記第1測定光の入射面に沿って配列させることを特徴とする請求項19乃至22のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  24. 前記第2パターンは、複数のスリット状要素パターンが配列された配列パターンであって、
    前記送光光学系は、前記第2パターンの中間像における前記スリット状要素パターンの長手方向を前記被検面に対する前記第2測定光の入射面に平行にすることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  25. 前記検出部は、前記第1観測面における前記第1パターンの観測像の位置情報に基づいて前記被検面の第1の面位置Zmを算出し、前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の位置情報に基づいて前記被検面の第2の面位置Zrを算出し、前記被検面への前記第1測定光の入射角をθmとし、前記被検面への前記第2測定光の入射角をθrとして、前記被検面の第3の面位置Zvを、
    Zv=(Zm−Zr)/(1−sinθr/sinθm)
    の式に基づいて算出することを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の面位置検出装置。
  26. 前記第2パターンは、複数の要素パターンが配列された配列パターンであって、
    前記検出部は、前記第2パターンの観測像の複数の要素パターンに対応する位置情報に基づいて前記第2の面位置Zrを算出することを特徴とする請求項25に記載の面位置検出装置。
  27. 前記第1パターンおよび前記第2パターンは、それぞれ複数の要素パターンが配列された配列パターンであって、
    前記送光光学系は、前記被検面上で前記第2パターンの中間像の要素パターンを前記第1パターンの中間像の要素パターンの近傍に配列させ、
    前記検出部は、前記第1パターンの中間像の要素パターンに対応する前記第1パターンの観測像の位置情報に基づいて前記第1の面位置Zmを算出し、該第1パターンの中間像の要素パターンの近傍に配列された一以上の前記第2パターンの中間像の要素パターンに対応する前記第2パターンの観測像の位置情報に基づいて前記第2の面位置Zrを算出することを特徴とする請求項25に記載の面位置検出装置。
  28. 前記検出部は、前記第1パターンの中間像の要素パターンを挟み込む複数の前記第2パターンの中間像の要素パターンに対応する前記第2パターンの観測像の位置情報に基づいて前記第2の面位置Zrを算出することを特徴とする請求項27に記載の面位置検出装置。
  29. 所定の面の面位置を検出する面位置検出装置であって、
    第1パターンからの第1の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第1パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第1の光を第1観測面に導いて該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成し、前記第1観測面における前記第1パターンの観測像の位置情報を検出する第1検出系と、
    第2パターンからの第2の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第2パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第2の光を第2観測面に導いて該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成し、前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の位置情報を検出する第2検出系と、
    前記第1パターンの観測像の位置情報および前記第2パターンの観測像の位置情報に基づいて、前記所定の面の面位置を算出する処理部と、を備え、
    前記第1検出系および第2検出系は、前記第1の光および前記第2の光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材を有し、前記第2検出系は、前記送光側共通光学部材を経た前記第2の光を偶数回反射して前記第1の光よりも小さい入射角で前記所定の面に入射させる送光側反射部を有する面位置検出装置。
  30. 基板ステージに載置された感光性基板にパターンを転写する露光装置において、
    前記感光性基板の感光面の面位置を検出する請求項1乃至29のいずれか1項に記載の面位置検出装置と、
    前記面位置検出装置の検出結果に基づいて、前記基板ステージの位置合わせをする位置合わせ機構と、
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  31. マスクステージに載置されたマスクのパターンを基板ステージに載置された感光性基板に転写する露光装置において、
    前記感光性基板の感光面および前記マスクのパターン面の少なくとも一方の面位置を検出する請求項1乃至29のいずれか1項に記載の面位置検出装置と、
    前記面位置検出装置の検出結果に基づいて、前記基板ステージおよび前記マスクステージの相対的な位置合わせをする位置合わせ機構と、
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  32. 前記基板ステージを前記感光面に沿った方向へ移動させる平面駆動機構を備え、
    前記面位置検出装置は、前記平面駆動機構による前記基板ステージの移動に応じて前記感光面の複数箇所における面位置を検出することを特徴とする請求項30に記載の露光装置。
  33. 前記マスクステージを前記パターン面に沿った方向へ移動させる平面駆動機構を備え、
    前記面位置検出装置は、前記平面駆動機構による前記マスクステージの移動に応じて前記パターン面の複数箇所における面位置を検出することを特徴とする請求項31に記載の露光装置。
  34. 前記面位置検出装置の複数の検出結果をマップデータとして記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項32または33に記載の露光装置。
  35. 所定の面の面位置を検出する面位置検出方法であって、
    第1パターンからの第1の光および第2パターンからの第2の光を異なる入射角で前記所定の面に入射させ、該所定の面に前記第1パターンの中間像および前記第2パターンの中間像を投射することと、
    前記所定の面によって反射された前記第1の光および前記第2の光をそれぞれ第1観測面および第2観測面へ導いて、該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成するとともに該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成することと、
    前記第1観測面における前記第1パターンの観測像および前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の各位置情報を検出し、該各位置情報に基づいて前記所定の面の面位置を算出することと、を含み、
    前記第1パターンの中間像および前記第2パターンの中間像を投射することは、前記第1の光および前記第2の光を、前記第1の光および前記第2の光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材を経由させ、該送光側共通光学部材を経た前記第2の光を偶数回反射して前記第1の光よりも小さい入射角で前記所定の面に入射させることを含む面位置検出方法。
  36. 所定の面の面位置を検出する面位置検出方法であって、
    第1パターンからの第1の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第1パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第1の光を第1観測面に導いて該第1観測面に前記第1パターンの観測像を形成し、前記第1観測面における前記第1パターンの観測像の位置情報を検出することと、
    第2パターンからの第2の光を前記所定の面に入射させて該所定の面に前記第2パターンの中間像を投射し、前記所定の面において反射された前記第2の光を第2観測面に導いて該第2観測面に前記第2パターンの観測像を形成し、前記第2観測面における前記第2パターンの観測像の位置情報を検出することと、
    前記第1パターンの観測像の位置情報および前記第2パターンの観測像の位置情報に基づいて、前記所定の面の面位置を算出することと、を備え、
    前記第1パターンの観測像の位置情報を検出することおよび前記第2パターンの観測像の位置情報を検出することは、それぞれ前記第1の光および前記第2の光を、前記第1の光および前記第2の光に対して共通に設けられた少なくとも1つの送光側共通光学部材を経由させ、前記第2パターンの観測像の位置情報を検出することは、前記送光側共通光学部材を経た前記第2の光を偶数回反射して前記第1の光よりも小さい入射角で前記所定の面に入射させることを含む面位置検出方法。
  37. 請求項30乃至34のいずれか1項に記載の露光装置を用いて、前記パターンを前記感光性基板に転写する露光工程と、
    前記パターンが転写された前記感光性基板を前記パターンに基づいて加工する加工工程とを含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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