JP2009040969A - 撥水性導電性高分子塗料及び撥水性導電性塗膜 - Google Patents

撥水性導電性高分子塗料及び撥水性導電性塗膜 Download PDF

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Abstract

【課題】濡れ性が低く、かつ、導電性が高い撥水性導電性塗膜を提供する。また、そのような導電性塗膜を簡便に形成できる撥水性導電性高分子塗料を提供する。
【解決手段】本発明の撥水性導電性高分子塗料は、π共役系導電性高分子とポリアニオンと撥水性付与化合物と溶媒とを含有し、撥水性付与化合物は、側鎖に、ポリシロキサン基及び/又はポリフルオロアルキル基と、不飽和二重結合と、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群より選ばれる1種以上の官能基とを有するアクリル重合体である。本発明の撥水性導電性塗膜は、上記撥水性導電性高分子塗料が塗布されて形成されたものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、撥水性及び導電性を有する塗膜を形成するための撥水性導電性高分子塗料に関する。また、撥水性及び導電性を有する撥水性導電性塗膜に関する。
偏光板、位相差板等の光学素子には、液晶ディスプレイ等への実装作業中での傷の付着防止や汚染防止を目的として、表面を保護する透明な表面保護フィルムを貼り合わせておくことがある。ところが、実装作業後に、表面保護フィルムを光学素子から剥離した際には、静電気が発生して、周囲の埃等を付着させてしまうことがある。また、表面保護フィルムには、汚れ防止性を有することが求められることがある。
そこで、特許文献1では、プラスチックフィルムの片面に帯電防止層が設けられ、帯電防止層の上に、濡れ性の低い汚れ防止層がさらに設けられた表面保護フィルムが提案されている。
また、特許文献2では、界面活性剤であるテトラアルキルアンモニウムエチルサルフェートの共存下で、末端にヒドロキシ基とヒドリド基とを有したポリシロキサンを錫系触媒で縮合硬化させて、離型性が高く(すなわち濡れ性が低く)、かつ、帯電防止性を有する塗膜を形成させる方法が提案されている。
特開平11−256116号公報 特開平6−145385号公報
しかしながら、特許文献1に記載の表面保護フィルムは、帯電防止層と濡れ性の低い層とを各々設けるため、製造工程が煩雑であった。
特許文献2に記載の塗膜では、濡れ性が不充分であり、しかも、導電性が湿度に依存してしまい、導電性も不充分になることがあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、濡れ性が低く、かつ、導電性が高い撥水性導電性塗膜を簡便に形成できる撥水性導電性高分子塗料を提供することを目的とする。また、濡れ性が低く、かつ、導電性が高く、しかも簡便に形成される撥水性導電性塗膜を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] π共役系導電性高分子とポリアニオンと撥水性付与化合物と溶媒とを含有し、
撥水性付与化合物は、側鎖に、ポリシロキサン基及び/又はポリフルオロアルキル基と、不飽和二重結合と、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群より選ばれる1種以上の官能基とを有するアクリル重合体であることを特徴とする撥水性導電性高分子塗料。
[2] 撥水性付与化合物の数平均分子量が3,000〜100,000であることを特徴とする[1]に記載の撥水性導電性高分子塗料。
[3] 多官能アクリル化合物をさらに含有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の撥水性導電性高分子塗料。
[4] 撥水性付与化合物は、撥水性を付与する第1のアクリルモノマー単位と、側鎖に不飽和二重結合を有する第2のアクリルモノマー単位と、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群より選ばれる1種以上の官能基を有する第3のアクリルモノマー単位とを有する共重合体であり、
第1のアクリルモノマー単位が、ポリシロキサン基を有するアクリルモノマー単位、ポリフルオロアルキル基を有するアクリルモノマー単位の一方又は両方であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の撥水性導電性高分子塗料。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の撥水性導電性高分子塗料が塗布されて形成されたことを特徴とする撥水性導電性塗膜。
本発明の撥水性導電性高分子塗料によれば、濡れ性が低く、かつ、導電性が高い撥水性導電性塗膜を簡便に形成できる。
本発明の撥水性導電性塗膜は、濡れ性が低く、かつ、導電性が高く、しかも簡便に形成される。
<撥水性導電性高分子塗料>
本発明の撥水性導電性高分子塗料は、π共役系導電性高分子とポリアニオンと撥水性付与化合物と溶媒とを必須成分として含有するものである。
(π共役系導電性高分子)
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類及びポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子の具体例としては、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(チオフェン)、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)等が挙げられる。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
撥水性導電性高分子塗料中のπ共役系導電性高分子の含有量は、0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることが好ましい。π共役系導電性高分子の含有量が0.05質量%以上であれば、得られる撥水性導電性塗膜の導電性をより高くでき、20質量%以下であれば、撥水性付与化合物も充分に含まれるため、得られる塗膜が充分な撥水性を発揮する。
(ポリアニオン)
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
なお、ポリアニオンはπ共役系導電性高分子に対するドーパントとしても機能する。
ポリアルキレンとは、主鎖がメチレンの繰り返しで構成されているポリマーである。
ポリアルケニレンとは、主鎖に不飽和二重結合(ビニル基)が1個含まれる構成単位からなる高分子である。
ポリイミドとしては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−[4,4’−ジ(ジカルボキシフェニルオキシ)フェニル]プロパン二無水物等の酸無水物と、オキシジアミン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ベンゾフェノンジアミン等のジアミンとからのポリイミドを例示できる。
ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10等を例示できる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示できる。
上記ポリアニオンが置換基を有する場合、その置換基としては、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基、シアノ基、フェニル基、フェノール基、エステル基、アルコキシ基等が挙げられる。有機溶媒への溶解性、耐熱性等を考慮すると、アルキル基、ヒドロキシ基、フェノール基、エステル基が好ましい。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、オクチル、デシル、ドデシル等のアルキル基と、シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のシクロアルキル基が挙げられる。
ヒドロキシ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したヒドロキシ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。ヒドロキシ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
アミノ基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したアミノ基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。アミノ基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
フェノール基としては、ポリアニオンの主鎖に直接又は他の官能基を介在して結合したフェノール基が挙げられ、他の官能基としては、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数2〜7のアルケニル基、アミド基、イミド基などが挙げられる。フェノール基は、これらの官能基の末端又は中に置換されている。
置換基を有するポリアルキレンの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリヘキセン、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリ(3,3,3−トリフルオロプロピレン)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリスチレン等を例示できる。
ポリアルケニレンの具体例としては、プロペニレン、1−メチルプロペニレン、1−ブチルプロペニレン、1−デシルプロペニレン、1−シアノプロペニレン、1−フェニルプロペニレン、1−ヒドロキシプロペニレン、1−ブテニレン、1−メチル−1−ブテニレン、1−エチル−1−ブテニレン、1−オクチル−1−ブテニレン、1−ペンタデシル−1−ブテニレン、2−メチル−1−ブテニレン、2−エチル−1−ブテニレン、2−ブチル−1−ブテニレン、2−ヘキシル−1−ブテニレン、2−オクチル−1−ブテニレン、2−デシル−1−ブテニレン、2−ドデシル−1−ブテニレン、2−フェニル−1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、1−エチル−2−ブテニレン、1−オクチル−2−ブテニレン、1−ペンタデシル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、2−エチル−2−ブテニレン、2−ブチル−2−ブテニレン、2−ヘキシル−2−ブテニレン、2−オクチル−2−ブテニレン、2−デシル−2−ブテニレン、2−ドデシル−2−ブテニレン、2−フェニル−2−ブテニレン、2−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、3−メチル−2−ブテニレン、3−エチル−2−ブテニレン、3−ブチル−2−ブテニレン、3−ヘキシル−2−ブテニレン、3−オクチル−2−ブテニレン、3−デシル−2−ブテニレン、3−ドデシル−2−ブテニレン、3−フェニル−2−ブテニレン、3−プロピレンフェニル−2−ブテニレン、2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−プロピル−2−ペンテニレン、4−ブチル−2−ペンテニレン、4−ヘキシル−2−ペンテニレン、4−シアノ−2−ペンテニレン、3−メチル−2−ペンテニレン、4−エチル−2−ペンテニレン、3−フェニル−2−ペンテニレン、4−ヒドロキシ−2−ペンテニレン、ヘキセニレン等から選ばれる1種以上の構成単位を含む重合体を例示できる。
ポリアニオンのアニオン基としては、−O−SO 、−SO 、−COO(各式においてXは水素イオン、アルカリ金属イオンを表す。)が挙げられる。
すなわち、ポリアニオンは、スルホ基及び/又はカルボキシ基を含有する高分子酸である。これらの中でも、π共役系導電性高分子へのドーピング効果の点から、−SO 、−COOが好ましい。
また、このアニオン基は、隣接して又は一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
上記ポリアニオンの中でも、溶媒溶解性及び導電性の点から、ポリイソプレンスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸を含む共重合体、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリスルホエチルメタクリレートを含む共重合体、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)を含む共重合体、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸、ポリメタリルオキシベンゼンスルホン酸を含む共重合体、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸を含む共重合体等が好ましい。
ポリアニオンの重合度は、モノマー単位が10〜100,000個の範囲であることが好ましく、溶媒溶解性及び導電性の点からは、50〜10,000個の範囲がより好ましい。
ポリアニオンの含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.1〜10モルの範囲であることが好ましく、1〜7モルの範囲であることがより好ましい。ポリアニオンの含有量が0.1モルより少なくなると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。その上、溶媒への分散性及び溶解性が低くなり、均一な分散液を得ることが困難になる。また、ポリアニオンの含有量が10モルより多くなると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(撥水性付与化合物)
撥水性付与化合物は、側鎖に、ポリシロキサン基及び/又はポリフルオロアルキル基と、不飽和二重結合と、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群から選ばれる1種以上の官能基とを有するアクリル重合体である。
また、撥水性付与化合物は、撥水性を付与する第1のアクリルモノマー単位と、側鎖に不飽和二重結合を有する第2のアクリルモノマー単位と、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群より選ばれる1種以上の官能基を有する第3のアクリルモノマー単位と、必要に応じてこれらアクリルモノマー以外のビニルモノマー(以下、その他のビニルモノマーという。)単位とを有する共重合体であることが好ましい。共重合体は、ブロック重合体であってもよいし、グラフト重合体であってもよい。
該共重合体における第1のアクリルモノマー単位は、ポリシロキサン基を有するアクリルモノマー単位(以下、ポリシロキサン基含有モノマー単位という。)、ポリフルオロアルキル基を有するアクリルモノマー単位(以下、ポリフルオロアルキル基含有モノマー単位という。)の一方又は両方である。
このような共重合体の撥水性付与化合物は容易に形成できる。例えば、以下の第1〜第8の製造方法により容易に形成できる。
・第1の製造方法
第1の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、第1のアクリルモノマーと、ヒドロキシアクリルモノマー及びカルボキシアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にヒドロキシ基及びカルボキシ基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のカルボキシ基にグリシジルアクリルモノマーをエステル化反応により付加させて、撥水性付与化合物を得る。
有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。
重合の反応温度は、50〜150℃であることが好ましく、反応時間は3〜12時間であることが好ましい。
第1のアクリルモノマーであるポリシロキサン基含有モノマーにおけるポリシロキサン基とは、シロキサン結合(−Si−O−)の繰り返し単位を有する官能基のことである。
ポリシロキサン基含有モノマーの具体例としては、例えば、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシメチルジエトキシシラン、片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン、両末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
ポリシロキサン部分の分子量は、1,000〜30,000程度が好ましく、5,000〜20,000程度であることがより好ましい。
ポリフルオロアルキル基含有モノマーは、ポリフルオロアルキル基を有するアクリルモノマーであって、ポリフルオロアルキル基が、直接的又は間接的に、アクリルの側鎖の酸素に結合したものである。
ポリフルオロアルキル基は、一般式C2n+1−(ただし、nは4〜20の整数であり、6〜16の整数が好ましい。)で表されるパーフルオロアルキル基と、該パーフルオロアルキル基に結合した結合基とを有する官能基である。
結合基としては、例えば、アルキレン基、フェニレン基、エステル結合、アミド結合、イミノ結合、ウレタン結合、エーテル結合、オキシフェニレン基、スルホニル基等が挙げられる。結合基の具体例としては、−(CHn+p−、−(CH(COONH(CH−、−(CHCONH(CH−、−(CHSONH(CH−、−(CHNHCONH(CH−等が挙げられる。ただし、n及びpはそれぞれ0以上の整数、n+pは2〜22の整数を示す。
ポリフルオロアルキル基含有モノマーと具体例としては、例えば、以下のものが挙げられる。
CF(CF)(CH)OCOCH=CH
CF(CF)(CH)OCOCH=CH
CF(CF)OCOCH=CH
CF(CF)(CH)OCOC(CH)=CH
CF(CF)CHOCOC(CH)=CH
(CF)CF(CF)(CH)OCOCH=CH
(CF)CF(CF)(CH)OCOCH=CH
(CF)CF(CF)10(CH)OCOCH=CH
(CF)CF(CF)(CH)OCOCH=CH
CF(CF)SON(CH)(CH)OCOCH=CH
CF(CF)SON(CH)(CH)OCOC(CH)=CH
CF(CF)SON(C)(CH)OCOCH=CH
CF(CF)SON(C)(CH)OCOC(CH)=CH
CF(CF)SON(C)(CH)OCOCH=CH
CF(CF)SON(C)(CH)OCOC(CH)=CH
CF(CF)SON(C)(CH)OCOCH=CH
CF(CF)SON(C)(CH)OCOC(CH)=CH
ヒドロキシアクリルモノマーは、ヒドロキシ基を有するアクリルモノマーである。ヒドロキシアクリルモノマーの具体例としては、例えば、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチルアクリルアミド等が挙げられる。
カルボキシアクリルモノマーは、カルボキシ基を有するアクリルモノマーである。カルボキシアクリルモノマーの具体例としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。
その他のビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#400(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#1000(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール#2000(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、プロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアクリルモノマーが挙げられる。
また、その他のビニルモノマーとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、アリルグリシジルエーテル、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、アリルフェノールグリシジルエーテル、3−アリル−1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンジグリシジルエーテル等であってもよい。
重合反応に際しては、通常、重合開始剤が使用される。重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等の水溶性アゾ重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル,2,2’−アゾビス(2−ジメチルバレロニトリル)等の油溶性重合開始剤、ポリジメチルシロキサンユニット含有高分子アゾ重合開始剤、ポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ重合開始剤等の高分子アゾ重合開始剤が挙げられる。
撥水性付与化合物に導入されるポリシロキサン基及びポリフルオロアルキル基は、撥水性付与化合物を100質量%とした際の1〜99質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。ポリシロキサン基及びポリフルオロアルキル基の量が1質量%を下回ると、撥水性の効果が充分に発揮できないことがあり、99質量%を上回ると、ヒドロキシ基とカルボキシ基の導入量が少なくなり、π共役系導電性高分子との相溶性が低下することがある。また、不飽和二重結合の導入量が少なくなり、塗膜を形成した際に架橋密度が低下して、膜強度を充分に高くできないことがある。
前駆体のカルボキシ基にグリシジルアクリルモノマーを付加させる付加反応では、重合体の側鎖に不飽和二重結合を導入して、第2のアクリルモノマー単位を形成する。
前記前駆体に付加するグリシジルアクリルモノマーは、グリシジル基を有するアクリルモノマーである。グリシジルアクリルモノマーの具体例としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
撥水性付与化合物に付加するグリシジルアクリルモノマーの量は、撥水性付与化合物を100質量%とした際の1〜99質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。グリシジルアクリルモノマーの量が1質量%を下回ると、不飽和二重結合の付加導入量が少なくなるため、塗膜を形成した際に膜強度を充分に高くできないことがあり、99質量%を上回ると、撥水性を充分に発揮できないことがある。
前記付加反応は、有機溶媒中で行うことができる。有機溶剤としては、撥水性付与化合物の重合の際に使用されるものと同様である。
付加反応の反応温度は、40〜150℃であることが好ましく、60〜120℃であることがより好ましい。
付加反応では、反応を促進させるために触媒を用いることが好ましい。用いられる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
触媒の使用量はグリシジルアクリルモノマー100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
また、付加反応中の重合を防止する目的で、付加反応前に重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等が挙げられる。
重合禁止剤の使用量はグリシジルアクリルモノマー100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましい。
・第2の製造方法
第2の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、第1のアクリルモノマーと、ヒドロキシアクリルモノマー及びグリシジルアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にヒドロキシ基及びグリシジル基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のグリシジル基にカルボキシアクリルモノマーをエステル化反応により付加させて、撥水性付与化合物を得る。
第2の製造方法における重合反応は第1の製造方法と同様である。また、付加反応において使用する触媒、重合禁止剤の種類も第1の製造方法と同様である。
前駆体のグリシジル基にカルボキシアクリルモノマーを付加させる付加反応では、重合体の側鎖に不飽和二重結合を導入して、第2のアクリルモノマー単位を形成する。
付加反応における触媒の使用量はカルボキシアクリルモノマー100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましい。
重合禁止剤の使用量はカルボキシアクリルモノマー100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましい。
撥水性付与化合物に付加するカルボキシアクリルモノマーの量は、撥水性付与化合物を100質量%とした際の1〜99質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。カルボキシアクリルモノマーの量が1質量%を下回ると、不飽和二重結合の付加導入量が少なくなるため、膜強度を充分に高くできないことがあり、99質量%を上回ると、撥水性を充分に発揮できないことがある。
・第3の製造方法
第3の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、第1のアクリルモノマーとカルボキシアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にカルボキシ基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のカルボキシ基の一部にグリシジルアクリルモノマーをエステル化反応により付加させて、撥水性付与化合物を得る。
第3の製造方法における重合反応及び付加反応で使用する材料及び反応条件は第1の製造方法と同様である。
・第4の製造方法
第4の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、第1のアクリルモノマーとグリシジルアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にグリシジル基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のグリシジル基の一部にカルボキシアクリルモノマーをエステル化反応により付加させて、撥水性付与化合物を得る。
第4の製造方法における重合反応及び付加反応で使用する材料及び反応条件は第2の製造方法と同様である。
・第5の製造方法
第5の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、ヒドロキシアクリルモノマーとカルボキシアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にヒドロキシ基及びカルボキシ基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のカルボキシ基の一部にグリシジルアクリルモノマーをエステル化反応により付加させ、残りのカルボキシ基にポリシロキサン基含有片末端グリシジル基置換化合物をエステル化反応により付加させて、撥水性付与化合物を得る。
ポリシロキサン基含有片末端グリシジル基置換化合物としては、末端がグリシジル基であり、主鎖がポリジメチルシロキサンである変性シリコーンオイル等が挙げられる。
ポリシロキサン基含有片末端グリシジル基置換化合物におけるポリシロキサン部分の分子量は、1,000〜30,000程度が好ましく、5,000〜20,000程度であることがより好ましい。
付加反応における触媒の使用量は、ポリシロキサン基含有片末端グリシジル基置換化合物とグリシジルアクリルモノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
付加反応における重合禁止剤の使用量は、ポリシロキサン基含有片末端グリシジル基置換化合物とグリシジルアクリルモノマー100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましい。
撥水性付与化合物に導入されるポリシロキサン基は、1〜99質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。ポリシロキサン基の量が1質量%を下回ると、撥水性の効果を充分に発揮できないことがあり、99質量%を上回ると、ヒドロキシ基とグリシジル基とカルボキシ基の導入量が少なくなり、π共役系導電性高分子との相溶性が低くなる。また、不飽和二重結合の導入量が少なくなり、塗膜を形成した際に架橋密度が低くなり、膜強度を充分に高できないことがある。
撥水性付与化合物に付加するグリシジルアクリルモノマーの量は、撥水性付与化合物を100質量%とした際の1〜99質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。グリシジルアクリルモノマーの量が1質量%を下回ると、不飽和二重結合の付加導入量が少なくなるため、塗膜を形成した際に膜強度を充分に高くできないことがあり、99質量%を上回ると、撥水性を充分に発揮できないことがある。
・第6の製造方法
第6の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、ヒドロキシアクリルモノマーとグリシジルアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にヒドロキシ基及びグリシジル基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のグリシジル基の一部にカルボキシアクリルモノマーをエステル化反応により付加させ、残りのグリシジル基にポリシロキサン基含有片末端カルボキシ基置換化合物をエステル化反応により付加させて、撥水性付与化合物を得る。
ポリシロキサン基含有片末端カルボキシ基置換化合物としては、末端がカルボキシ基であり、主鎖がポリジメチルシロキサンである変性シリコ−ンオイル等が挙げられる。
ポリシロキサン基含有片末端カルボキシ基置換化合物におけるポリシロキサン部分の分子量は、1,000〜30,000程度が好ましく、5,000〜20,000程度であることがより好ましい。
付加反応における触媒の使用量は、ポリシロキサン基含有片末端カルボキシ基置換化合物とカルボキシアクリルモノマー100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
付加反応における重合禁止剤の使用量は、ポリシロキサン基含有片末端カルボキシ基置換化合物とカルボキシアクリルモノマー100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましい。
撥水性付与化合物に付加するカルボキシアクリルモノマーの量は、撥水性付与化合物を100質量%とした際の1〜99質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。カルボキシアクリルモノマーの量が1質量%を下回ると、不飽和二重結合の付加導入量が少なくなるため、塗膜を形成した際に膜強度を充分に高くできないことがあり、99質量%を上回ると、撥水性を充分に発揮できないことがある。
・第7の製造方法
第7の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、カルボキシアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にカルボキシ基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のカルボキシ基の一部にグリシジルアクリルモノマーをエステル化反応により付加させ、残りのカルボキシ基の一部にポリシロキサン基含有片末端グリシジル基置換化合物をエステル化反応により付加させ、一部のカルボキシ基を残して、撥水性付与化合物を得る。
第7の製造方法における重合反応及び付加反応で使用する材料及び反応条件は第5の製造方法と同様である。
・第8の製造方法
第8の製造方法では、まず、有機溶媒中にて、ラジカル重合、アニオン重合等により、グリシジルアクリルモノマーと、必要に応じてその他のビニルモノマーとを共重合して、側鎖にグリシジル基を有する前駆体を形成する。次いで、該前駆体のグリシジル基の一部にカルボキシアクリルモノマーをエステル化反応により付加させ、残りのグリシジル基の一部にポリシロキサン基含有片末端カルボキシ基置換化合物をエステル化反応により付加させ、一部のグリシジル基を残して、撥水性付与化合物を得る。
第8の製造方法における重合反応及び付加反応で使用する材料及び反応条件は第6の製造方法と同様である。
上記第1〜第8の製造方法では、いずれも、共重合体の主鎖にエステル結合を介して不飽和二重結合が結合することになる。
[分子量]
撥水性付与化合物の数平均分子量は3,000〜100,000であることが好ましい。数平均分子量が3,000を下回ると充分な膜強度が得られず、数平均分子量が100,000を上回るとπ共役系導電性高分子の導電性が低くなることがある。
[含有量]
撥水性導電性高分子塗料中の撥水性付与化合物の含有量は0.05〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%であることがより好ましい。撥水性付与化合物の含有量が0.05質量%以上であれば、得られる撥水性導電性塗膜の濡れ性をより低くでき、50質量%以下であれば、充分な導電性を確保できる。
(溶媒)
溶媒としては、水、水溶性溶媒、非水溶性溶媒のいずれであってもよいが、撥水性導電性高分子塗料を均一にできることから、水溶性溶媒が好ましい。水溶性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。
上記水溶性溶媒の中でも、作業環境をより損ないにくく、しかも沸点が水より低く、容易に塗膜を形成できることから、エタノール、イソプロパノールが好ましい。
撥水性導電性高分子塗料中の溶媒の合計量は50〜95質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることが好ましい。溶媒量が50質量%以上であれば、より均一な撥水性導電性高分子塗料になり、95質量%以下であれば、一回の塗布で充分な塗膜の厚さを確保できる。
(多官能アクリル化合物)
撥水性導電性高分子塗料には、成膜性、膜強度を高めるために、2つ以上の不飽和二重結合を有する多官能アクリル化合物を含有させてもよい。
多官能アクリル化合物としては、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール300ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール600ジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等の2官能アクリル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能アクリル、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の4官能アクリル、ソルビトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の5官能、ジペンタエリスチロールヘキサアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、アルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスチトールヘキサアクリレート等の6官能、2官能以上のウレタンアクリレートが挙げられる。
多官能アクリル化合物の分子量は3,000以下であることが好ましい。多官能アクリルの分子量が3,000以下であれば、分子内に占める不飽和二重結合量が充分多くなり、耐摩耗性、耐水性を充分に確保できる。
ただし、多官能アクリル化合物がウレタンアクリレートの場合には、イソシアネート基とポリオール(ヒドロキシ基)によりウレタン結合が充分に形成されて、溶媒溶解性、耐摩耗性に優れ、収縮性が低くなることから、分子量1,000以下が好ましい。
多官能アクリル化合物の含有量は、撥水性付与化合物100質量%に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。多官能アクリル化合物の含有量が、撥水性付与化合物100質量%に対して5質量%より少なくなると、耐溶剤性、膜強度が不足することがある。また、50質量%より多くなると、得られる撥水性導電性塗膜の濡れ性が低くなり、撥水撥油性、防汚性、耐擦傷性の効果が充分に発揮されなくなる傾向にある。
(ドーパント)
撥水性導電性高分子塗料には、ポリアニオン以外のドーパントが含まれてもよい。ドーパントとしては、π共役系導電性高分子へのドープ・脱ドープにおいて共役電子の酸化還元電位を変化させることができれば、ドナー性のものでもよいし、アクセプタ性のものでもよい。
[ドナー性ドーパント]
ドナー性ドーパントとしては、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等の4級アミン化合物等が挙げられる。
[アクセプタ性ドーパント]
アクセプタ性ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、ルイス酸、プロトン酸、有機シアノ化合物、有機金属化合物、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレン等を使用できる。
さらに、ハロゲン化合物としては、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br2)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、フッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr、SO等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物が使用できる。例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
プロトン酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。さらに、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸、フェノール類、有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシ基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸、トリフェニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を一つ又は二つ以上含むもの、又は、スルホ基を含む高分子を使用できる。
スルホ基を一つ含むものとして、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキチルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、アントラキノンスルホン酸、ピレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
スルホ基を二つ以上含むものとしては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアノトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、アントラセンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用できる。
ドーパントの含有量は、π共役系導電性高分子1モルに対して0.5〜50モルの範囲であることが好ましく、1〜20モルの範囲であることがより好ましい。ドーパントの含有量が0.5モルより少なくなると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が弱くなる傾向にあり、導電性が不足することがある。また、ドーパントの含有量が50モルより多くなると、π共役系導電性高分子の含有量が少なくなり、やはり充分な導電性が得られにくい。
(導電性向上剤)
撥水性導電性高分子塗料には、導電性をより高めるために、導電性向上剤が含まれてもよい。
導電性向上剤は、π共役系導電性高分子又はπ共役系導電性高分子のドーパントと相互作用して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させるものである。
導電性向上剤としては、例えば、窒素含有芳香族性環式化合物、2個以上のヒドロキシ基を有する化合物、2個以上のカルボキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物などが挙げられる。
[窒素含有芳香族性環式化合物]
窒素含有芳香族性環式化合物としては、ピリジン及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、ピリミジン及びその誘導体、ピラジン及びその誘導体、トリアジン及びその誘導体等も使用できる。
ピリジンの誘導体の具体例としては、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、4−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、3−シアノ−5−メチルピリジン、2−ピリジンカルボン酸、6−メチル−2−ピリジンカルボン酸、2,6−ピリジン−ジカルボン酸、4−ピリジンカルボキシアルデヒド、4−アミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2,6−ジヒドロキシピリジン、6−ヒドロキシニコチン酸メチル、2−ヒドロキシ−5−ピリジンメタノール、6−ヒドロキシニコチン酸エチル、4−ピリジンメタノール、4−ピリジンエタノール、2−フェニルピリジン、3−メチルキノリン、3−エチルキノリン、キノリノール、2,3−シクロペンテノピリジン、2,3−シクロヘキサノピリジン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)プロパン、2−ピリジンカルボキシアルデヒド、2−ピリジンカルボン酸、2−ピリジンカルボニトリル、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3−ピリジンスルホン酸等が挙げられる。
イミダゾールの誘導体の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、4,5−イミダゾールジカルボン酸、4,5−イミダゾールジカルボン酸ジメチル、ベンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール、2−アミノべンズイミダゾール−2−スルホン酸、2−アミノ−1−メチルべンズイミダゾール、2−ヒドロキシべンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)べンズイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジンの誘導体の具体例としては、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−6−クロロ−4−メトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、2−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチルピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジヒドロキシピリミジン−5−カルボン酸、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジン、2,4−ピリミジンジオール等が挙げられる。
ピラジンの誘導体の具体例としては、2−メチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、ピラジンカルボン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸、5−メチルピラジンカルボン酸、ピラジンアミド、5−メチルピラジンアミド、2−シアノピラジン、アミノピラジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、2−エチル−3−メチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,3−ジエチルピラジン等が挙げられる。
トリアジンの誘導体の具体例としては、2−アミノ−1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリ−2−ピリジン−1,3,5−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ビス(4−フェニルスルホン酸)−1,2,4―トリアジン二ナトリウム、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン、3−(2−ピリジン)−5,6−ジフェニル−1,2,4―トリアジン−ρ,ρ’−ジスルホン酸二ナトリウム、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
・2個以上のヒドロキシ基を有する化合物
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
ポリビニルアルコール、セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール; 1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
[2個以上のカルボキシ基を有する化合物]
2個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二プロピオン酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二プロピオン酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
[1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物]
1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
[アミド化合物]
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グリコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、ピルボアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
また、アミド化合物として、アクリルアミドを使用することもできる。アクリルアミドとしては、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどが挙げられる。
アミド化合物の分子量は46〜10,000であることが好ましく、46〜5,000であることがより好ましく、46〜1,000であることが特に好ましい。
[イミド化合物]
アミド化合物としては、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
また、イミド化合物は両末端の官能基の種類によって、脂肪族イミド、芳香族イミド等に分類されるが、溶解性の観点からは、脂肪族イミドが好ましい。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R−CO−NH−CO−Rで表される化合物であり、R,Rの一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例は、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
イミド化合物の分子量は60〜5,000であることが好ましく、70〜1,000であることがより好ましく、80〜500であることが特に好ましい。
[ラクタム化合物]
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
[グリシジル基を有する化合物]
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
導電性向上剤の含有量は、π共役系導電性高分子とポリアニオンとの合計100質量部に対して1〜10,000質量部であることが好ましく、50〜5,000質量部であることがより好ましい。
導電性向上剤の含有量が前記下限値未満であると、導電性向上剤の効果が低くなり、導電性が低くなる傾向にあり、前記上限値を超えると、π共役系導電性高分子濃度の低下に起因する導電性の低下が起こる傾向にある。
(他の樹脂成分)
撥水性導電性高分子塗料には、成膜性、膜強度を高めるために、他の樹脂成分を含有させてもよい。
他の樹脂成分としては、π共役系導電性高分子及びポリアニオンと相溶又は混合分散可能であれば特に制限されず、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
他の樹脂成分を含有する場合、撥水性導電性高分子塗料における他の樹脂成分の含有量は0.05〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%であることがより好ましい。他の樹脂成分の含有量が0.05質量%以上であれば、成膜性及び膜強度をより高くでき、50質量%以下であれば、導電性の低下を防止できる。
(添加剤)
添加剤としては、π共役系導電性高分子及びポリアニオンと混合しうるものであれば特に制限されず、例えば、界面活性剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
界面活性剤としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤;アミン塩、4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤;カルボキシベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、及びベンソエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、酸化防止剤と紫外線防止剤を併用することもできる。
添加剤を含有する場合、撥水性導電性高分子塗料における添加剤の含有量は0.05〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%であることがより好ましい。添加剤の含有量が0.05質量%以上であれば、添加剤の効果を充分に発揮させることができ、50質量%以下であれば、導電性の低下を防止できる。
(含水分量)
撥水性導電性高分子塗料は、含水分量が0.05〜15質量%であることが好ましく、0.1〜12質量%であることがより好ましい。撥水性導電性高分子塗料の含水分量が15質量%を超えると、撥水性付与化合物の溶解性が低下して、不均一な塗料になる傾向にある。そのような塗料を塗布して得た撥水性導電性塗膜では、撥水性付与化合物の分散性が低くなるため、濡れ性が高くなることがある。その結果、汚れ防止性や離型性が低下する。また、含水分量が0.05質量%未満であると、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの分散性が低くなる傾向にある。そのような塗料を塗布して得た撥水性導電性塗膜では、π共役系導電性高分子及びポリアニオンの分散性が低くなるため、導電性が低くなることがある。
なお、撥水性導電性高分子塗料の含水分量は、カールフィッシャー法により測定できる。カールフィッシャー法には、容量滴定法及び電量滴定法が知られているが、どちらを採用してもよい。
(撥水性導電性高分子塗料の製造方法)
上述した撥水性導電性高分子塗料の製造方法の一例について説明する。
撥水性導電性高分子塗料は、例えば、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む水溶液を調製した後、水溶媒を有機溶媒に置換して導電性高分子溶液を調製し、次いで、撥水性付与化合物を添加し、攪拌することにより製造される。
水溶媒を有機溶媒に置換する方法としては、限外ろ過装置やエバポレーターを用いる方法が挙げられる。置換後は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの溶解性をより向上させるために、ナノマイザー等の分散機を用いることが好ましい。なお、置換後には少量の水が残っていても構わない。
以上説明した撥水性導電性高分子塗料は、ポリシロキサン基及び/又はポリフルオロアルキル基を有する撥水性付与化合物を含有するため、該塗料から得られる塗膜は撥水性が高く、濡れ性が低い。
また、撥水性導電性高分子塗料に含まれる撥水性付与化合物は、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群より選ばれる1種以上の官能基を有するため、導電成分であるπ共役系導電性高分子及びポリアニオンに結合又は配位する。そのため、撥水性付与化合物と導電成分との相溶性が高くなり、導電成分が均一に分散するため、該塗料から得られる塗膜は導電性が高い。
このような撥水性導電性高分子塗料を塗布することにより、濡れ性が低く、導電性が高い塗膜を簡便に形成できる。しかも、撥水性付与化合物は不飽和二重結合を有し、この不飽和二重結合によって容易に架橋するため、塗膜の機械的物性に優れ、低い撥水性及び高い導電性を確実に発揮する。
<撥水性導電性塗膜>
本発明の撥水性導電性塗膜は、基材等に撥水性導電性高分子塗料が塗布されて形成されたものである。
撥水性導電性高分子塗料の塗布方法としては、グラビアコーティング、コンマコーティング、スピンコーティング等が挙げられる。
基材としては、特に制限されないが、光学素子に貼り合わせる場合には、高い透明性を有するフィルムが好ましい。高い透明性を有するフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等が挙げられる。
上述した撥水性導電性塗膜は、上記撥水性導電性高分子塗料から形成するものであるから、濡れ性が低く、かつ、導電性が高い。しかも、上記撥水性導電性塗膜は透明性にも優れている。このような撥水性導電性塗膜は、光学素子用の表面保護フィルムや離型フィルムとして、好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に示すが、本発明は実施例により限定されるものではない。
(製造例1)撥水性付与化合物(A)の合成
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた1,000mlのフラスコに、1,000mlのイソプロパノールを仕込み、80℃まで昇温した。
また、200gの2−ヒドロキシプロピルアクリレート、200gのアクリル酸、50gの片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、X−22−2426)、3gの2,2’−アゾビス(2−ジメチルバレロニトリル)(V−65)を混合してモノマー混合物を調製した。
このモノマー混合物を上記イソプロパノールに3時間かけて滴下し、その後6時間反応させて、固形分濃度50質量%の撥水性付与化合物の前駆体液(a)を得た。
引き続き、得られた撥水性付与化合物の前駆体液(a)に、250gのグリシジルメタクリレート、0.5gのメチルハイドロキノン、5gのメチルトリエチルアンモニウムクロライドを混合し、80℃まで昇温し、4時間反応させて、固形分濃度50質量%の撥水性付与化合物(A)の溶液を得た。
(数平均分子量の測定)
得られた撥水性付与化合物(A)の数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。その結果を表1に示す。
[GPCの条件]
GPC装置:昭和電工社製GPCsystem11
カラム:昭和電工社製Shodex KF−806M
検出器:昭和電工社製RI−101
溶離液:テトラヒドロフラン
注入量:0.1ml
Figure 2009040969
(製造例2)撥水性付与化合物(B)の合成
製造例1と同様のフラスコに、1,000mlのイソプロパノールを仕込み、80℃まで昇温した。
また、200gのN−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、190gのメタクリル酸、10gの2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート(ユニマテック株式会社製)、4gの2,2’−アゾビス(2−ジメチルバレロニトリル)(V−65)を混合して、モノマー混合物を調製した。
このモノマー混合物を上記イソプロパノールに3時間かけて滴下し、その後6時間反応させて、撥水性付与化合物の前駆体液(b)を得た。
引き続き、得られた撥水性付与化合物の前駆体液(b)に、250gのグリシジルメタクリレート、0.5gのメチルハイドロキノン、5gのメチルトリエチルアンモニウムクロライドを混合し、80℃まで昇温し、4時間反応させて、固形分濃度50質量%の撥水性付与化合物(B)の溶液を得た。
得られた撥水性付与化合物(B)の数平均分子量及び分散度を製造例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
(製造例3)撥水性付与化合物(C)の合成
製造例1と同様のフラスコに、1,000mlのイソプロパノールを仕込み、80℃まで昇温した。
また、180gのN−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、250gのアクリル酸、10gの2−パーフルオロアルキルエチルメタクリレート(ユニマテック株式会社製、n=6、8、10、12)、10gの片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、X−22−2475)、3gの2,2’−アゾビス(2−ジメチルバレロニトリル)(V−65)を混合して、モノマー混合物を調製した。
このモノマー混合物を上記イソプロパノールに3時間かけて滴下し、その後6時間反応させて、撥水性付与化合物の前駆体液(c)を得た。
引き続き、得られた撥水性付与化合物の前駆体液(c)に、200gのグリシジルアクリレート、0.5gのメチルハイドロキノン、5gのメチルトリエチルアンモニウムクロライドを混合し、80℃まで昇温し、4時間反応させて、固形分濃度50質量%の撥水性付与化合物(C)の溶液を得た。
得られた撥水性付与化合物(C)の数平均分子量及び分散度を製造例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
(製造例4)撥水性付与化合物(D)の合成
製造例1と同様のフラスコに、1,000mlのイソプロパノールを仕込み、80℃まで昇温した。
また、100gの2−ヒドロキシメチルアクリレート、300gのアクリル酸、3gの2,2’−アゾビス(2−ジメチルバレロニトリル)(V−65)を混合して、モノマー混合物を調製した。
このモノマー混合物を上記イソプロパノールに3時間かけて滴下し、その後6時間反応させて、撥水性付与化合物の前駆体液(d)を得た。
引き続き、得られた撥水性付与化合物の前駆体液(d)に、20gのポリシロキサン基含有末端グリシジル基置換化合物(信越化学工業株式会社製、X−22−173DX)、150gのグリシジルアクリレート、0.5gのメチルハイドロキノン、5gのメチルトリエチルアンモニウムクロライドを混合し、80℃まで昇温し、4時間反応させて、固形分濃度50質量%の撥水性付与化合物(D)の溶液を得た。
得られた撥水性付与化合物(D)の溶液の数平均分子量及び分散度を製造例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
(製造例5)撥水性付与化合物(E)の合成
製造例1と同様のフラスコに、1,000mlのイソプロパノールを仕込み、80℃まで昇温した。
また、60gの2−ヒドロキシメチルアクリレート、40gのメトキシポリエチレングリコール#400アクリレート、250gのグリシジルアクリレート、2gの2,2’−アゾビス(2−ジメチルバレロニトリル)(V−65)を混合して、モノマー混合物を調製した。
このモノマー混合物を上記イソプロパノールに3時間かけて滴下し、その後6時間反応させて、撥水性付与化合物の前駆体液(e)を得た。
引き続き、得られた撥水性付与化合物の前駆体液(e)に、20gのポリシロキサン基含有末端カルボキシ基置換化合物(信越化学工業株式会社製、X−22−3710)、150gのメタクリル酸、0.5gのメチルハイドロキノン、5gのメチルトリエチルアンモニウムクロライドを混合し、80℃まで昇温し、4時間反応させて、固形分濃度50質量%の撥水性付与化合物(E)の溶液を得た。
得られた撥水性付与化合物(E)の溶液の数平均分子量及び分散度を製造例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
(製造例6)ポリスチレンスルホン酸水溶液の重合
1,000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を2時間攪拌した。
これにより得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1,000mlと10,000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約10,000ml溶液を除去し、残液に10,000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約10,000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約10,000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約10,000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
限外ろ過条件は下記の通りとした(他の例でも同様)。
限外ろ過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3,000ml/分
膜分圧:0.12Pa
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例7)ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)のイソプロパノール分散溶液の製造
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例6で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2,000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2,000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2,000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記ろ過処理が行われた処理液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2,000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2,000mlの処理液を除去し、これに2,000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2,000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2,000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2,000mlの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水溶液(以下、PEDOT−PSS水溶液という。)を得た。
このPEDOT−PSS水溶液に2,000mlのイソプロパノールを加え、限外ろ過法を用いて約2,000mlの水−イソプロパノール混合液を除去した。この操作を7回繰り返し、その後ナノマイザーにより分散処理して、含水分量が0.8質量%(カールフィッシャー法による測定値)、固形分濃度約0.6質量%のPEDOT−PSS/イソプロパノール分散溶液(以下、PEDOT−PSSのIPA溶液という。)を得た。
なお、カールフィッシャー法による水分測定では、以下の例も含め、微量水分測定装置((株)ダイヤインスツルメンツ製CA−100)、電量滴定法試薬の陽極液としてアクアミクロンAX(三菱化学(株)製)、陰極液としてアクアミクロンCXU(三菱化学(株)製)を用いた。
(実施例1)
製造例7で得られたPEDOT−PSSのIPA溶液100gに、製造例1で得られた撥水性付与化合物(A)の溶液5gと、ペンタエリスリトールトリアクリレート5gと、チオ二酢酸0.9gと、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gと、ブタノール18gとを添加し、均一に分散させて撥水性導電性高分子塗料(含水分量0.8質量%)を得た。
その撥水性導電性高分子塗料を、易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製:コスモシャイン A4300 A4サイズ、全光線透過率93%、ヘイズ0.8%)上にワイヤーバー#8により塗布し、100℃のオーブン中で1分間加熱乾燥させた。次いで、高圧水銀灯により240mJ/cmの積算光量の紫外線を照射し、硬化させて、撥水性導電性塗膜を得た。
得られた撥水性導電性塗膜を下記の評価法で評価した。評価結果を表2に示す。
[評価法]
・表面抵抗率(導電性の評価)
撥水性導電性塗膜の表面抵抗率を、ローレスタ(三菱化学製)を用いて測定した。
・全光線透過率の評価
JIS K 7361に基づいて全光線透過率を測定した。
・ヘイズの評価
JIS K 7136に基づいてヘイズを測定した。
・接触角測定(濡れ性の評価)
撥水性導電性塗膜と水との接触角を接触角計(画像処理式)(協和界面科学社製CA−X)により測定した。接触角が大きいほど、濡れ性が低い。
Figure 2009040969
(実施例2)
製造例7で得られたPEDOT−PSSのIPA溶液100gに、製造例2で得られた撥水性付与化合物(B)の溶液5gと、ジペンタエリスリトールトリアクリレート5gと、ガーリック酸メチル0.9gと、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・カミカルズ社製)0.2gと、ブタノール18gとを添加し、均一に分散させて撥水性導電性高分子塗料(含水分量0.8質量%)を得た。
その撥水性導電性高分子塗料を用い、実施例1と同様にして撥水性導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例3)
製造例7で得られたPEDOT−PSSのIPA溶液100gに、製造例3で得られた撥水性付与化合物(C)の溶液5gと、トリメチロールプロパントリアクリレート5gと、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド2gと、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gと、ブタノール18gとを添加し、均一に分散させて撥水性導電性高分子塗料(含水分量0.8質量%)を得た。
その撥水性導電性高分子塗料を用い、実施例1と同様にして撥水性導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例4)
製造例7で得られたPEDOT−PSSのIPA溶液100gに、製造例4で得られた撥水性付与化合物(D)の溶液5gと、グリセリンプロポキシトリアクリレート5gと、イミダゾール1.2gと、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gと、ブタノール18gとを添加し、均一に分散させて撥水性導電性高分子塗料(含水分量0.8質量%)を得た。
その撥水性導電性高分子塗料を用い、実施例1と同様にして撥水性導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
(実施例5)
製造例7で得られたPEDOT−PSSのIPA溶液100gに、製造例5で得られた撥水性付与化合物(E)の溶液5gと、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート5gと、2,3,3’、4,4’、5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン1.2gと、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gと、ブタノール18gとを添加し、均一に分散させて撥水性導電性高分子塗料(含水分量0.8質量%)を得た。
その撥水性導電性高分子塗料を用い、実施例1と同様にして撥水性導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
(比較例1)
製造例7で得られたPEDOT−PSSのIPA溶液100gに、片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製、X−22−2426)0.25gと、ペンタエリスリトールトリアクリレート5gと、チオ二酢酸0.9gと、イルガキュア127(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2gと、ブタノール18gとを添加し、均一に分散させて撥水性導電性高分子塗料(含水分量0.8質量%)を得た。
その撥水性導電性高分子塗料を用い、実施例1と同様にして撥水性導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表2に示す。
π共役系導電性高分子とポリアニオンと撥水性付与化合物と溶媒とを含有する撥水性導電性高分子塗料から形成した実施例1〜5の導電性塗膜は、導電性が高く、濡れ性が低かった。また、透明性にも優れていた。
π共役系導電性高分子とポリアニオンと片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサンと溶媒とを含有し、撥水性付与化合物を含有しない撥水性導電性高分子塗料から形成した比較例1の導電性塗膜は、濡れ性が高かった。

Claims (5)

  1. π共役系導電性高分子とポリアニオンと撥水性付与化合物と溶媒とを含有し、
    撥水性付与化合物は、側鎖に、ポリシロキサン基及び/又はポリフルオロアルキル基と、不飽和二重結合と、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群より選ばれる1種以上の官能基とを有するアクリル重合体であることを特徴とする撥水性導電性高分子塗料。
  2. 撥水性付与化合物の数平均分子量が3,000〜100,000であることを特徴とする請求項1に記載の撥水性導電性高分子塗料。
  3. 多官能アクリル化合物をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撥水性導電性高分子塗料。
  4. 撥水性付与化合物は、撥水性を付与する第1のアクリルモノマー単位と、側鎖に不飽和二重結合を有する第2のアクリルモノマー単位と、ヒドロキシ基、グリシジル基及びカルボキシ基よりなる群より選ばれる1種以上の官能基を有する第3のアクリルモノマー単位とを有する共重合体であり、
    第1のアクリルモノマー単位が、ポリシロキサン基を有するアクリルモノマー単位、ポリフルオロアルキル基を有するアクリルモノマー単位の一方又は両方であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の撥水性導電性高分子塗料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の撥水性導電性高分子塗料が塗布されて形成されたことを特徴とする撥水性導電性塗膜。
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