JP2009040629A - 多孔質シリカゾルおよび高発色性インク受容層形成用塗布液ならびにその用途 - Google Patents

多孔質シリカゾルおよび高発色性インク受容層形成用塗布液ならびにその用途 Download PDF

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Hiroyasu Nishida
広泰 西田
Michio Komatsu
通郎 小松
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Abstract

【課題】インク受容層の透明性に優れ、印刷に際して、滲みがなく、濃度が一様に、かつ鮮明に印刷することが可能であり、かつ耐水性、耐候性、退色性に優れ、しかも充分な強度を有する印刷物を得ることが可能なインク受容層付記録用シートを形成可能なインク受容層形成用塗布液およびインク受容層付記録用シートを提供する。
【解決手段】インク受容層形成用塗布液は、特定の条件を満たす多孔質シリカゾル、水溶性高分子ならびにカチオン樹脂および/またはカチオン化シリカゾルを必須成分として含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質シリカゾルおよび高発色性インク受容層形成用塗布液に関する。また、前記塗布液を用いて形成されたインク受容層を有するインク受容層付記録用シートに関する。
インクジェット方式による印刷は、従来の多色印刷やカラー写真方式と同様の画質の印刷が可能であり、しかも高速化、多色化が容易であり、さらに部数の少ない場合は従来の印刷方式に比較して低コストであることから、種々の用途に普及しつつある。
従来、インクジェット方式で印刷する場合、シート上にポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーをコーティングして受容層を形成した記録用シートが用いられ、水性のインクによる印刷が行われていたが、水溶性ポリマーを用いているために耐水性がなく、高湿度環境下や水濡れした場合に画質が低下する問題があった。またインクの吸収性も充分でなく、このため鮮明で高精度の画像が得られないという問題があった。
これらの問題を解決するために、水溶性ポリマーとシリカやアルミナなどの微粒子を含むインク受容層を基材表面に形成した記録用シートが提案されている。
たとえば、特許文献1には、平均粒子径が1〜50μmの球状粒子を用いることにより、画質を損なうことなくインクの吸収性を向上できることが記載されている。
また、特許文献2には、多孔質のカチオン性水和アルミニウム酸化物を含む受容層を有する記録媒体が水溶性染料インクでの印刷に好適であることが記載されている。
特許文献3には、カチオン性コロイダルシリカを含む受理層を有する記録媒体は水溶性染料インクでの印刷に好適であることが記載されている。
特許文献4には、擬ベーマイトアルミナからなる層の上に、多孔性シリカからなる層を設けた記録用シートが記載されている。
特許文献5には、平均粒子径が2〜50μm、平均細孔直径が8〜50nm、細孔容積が0.8〜2.5cc/gの多孔性シリカ粒子の層を有し、その上層にアルミナまたはアルミナ水和物を含む多孔質層を有する記録用シートが形成されている。
しかしながら、これらの記録用シートは、ほとんどが染料系インクによる印刷を対象としたものであり、染料系インクは、使用される染料が紫外線照射、あるいは酸素、オゾンとの接触により変色するなど耐候性、退色性が劣るため、印刷物が経時的に変色したり脱色するなどの欠点があった。このような問題は、印刷物が屋外において使用される場合に顕著である。
このため、インクジェット印刷方式であっても、耐候性に優れた顔料系インクが使用されるようになっている。しかしながら、顔料粒子は、通常10〜500nmの粒子径を有する粒子であり、従来の受容層では、このような大きな粒子を効果的に吸収できる細孔を有していないため、顔料粒子が受容層に吸収されず受容層表面に残存し、耐水性が不十分であったり、磨耗によって顔料粒子が除かれ色落ちするという問題があった。
ところで、本発明者等は、顔料系インクに好適に使用しうる記録用シートとして、特許文献6において、平均粒子径が2〜1000nmの範囲にある疎水性と親水性の酸化物粒
子を配合したインク受容層を基材表面に設けた記録用シートを出願しているが、この記録用シートは、染料系インクを使用する場合、染料インクの溶解・溶出が生じ、インクの定着性が不充分である場合があった。
また、特許文献7にはシランカップリング剤で表面処理されたホワイトカーボンなどの合成無定型シリカ を空隙構成材料として用いた、滲みを調節できるインクジェット用記
録媒体が開示されている。しかしながらこのインクジェット用記録媒体のインク受理層はインクの吸収能力に優れているもののシランカップリング剤が粒子から脱離し耐水性が低下したり、強度が不充分であったり、透明性に劣ることがあった。また、用いる受容層形成用の塗工液の安定性が不充分であったり、濃度を高くすることができない場合があり、1回の塗工で充分な厚みの受容層を形成することができない場合があった。
さらに、印刷物の解像度を向上するために、ドット径の小さいドットを増やすことが求められているが、以上のような従来から提案されていたインク受容層では親水性が高いためにインクが拡散してしまい、ドット径が大きくなったり、さらには滲みを生じるなどの問題があった。
特開昭62−149475号公報 特公平3−24906号公報 特公平4−19037号公報 特公平4−115984号公報 特開平6−55829号公報 特開平11−254818号公報 特公平3−24905号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、インク受容層の透明性に優れ、印刷に際して、滲みがなく、濃度が一様に、かつ鮮明に印刷することが可能であり、かつ耐水性、耐候性、退色性に優れ、しかも充分な強度を有する印刷物を得ることが可能なインク受容層付記録用シートを形成可能なインク受容層形成用塗布液およびインク受容層付記録用シートを提供することを目的としている。
また、本発明は前記インク受容層形成用塗布液の成分として不可欠な多孔質シリカゾルを提供することを目的としている。
本発明の多孔質シリカゾルは、下記(1)、(2)、(3)及び(4)の条件を満たす多孔質シリカ微粒子が溶媒に分散してなることを特徴としている。
(1)平均粒子径が、7〜150nmの範囲にあること。
(2)比表面積が40〜800m/gの範囲にあること。
(3)粒子径変動係数(CV値)が40%以下であること。
(4)多孔質シリカ微粒子中のシリカ含有量が90質量%以上であること。
本発明のインク受容層形成用塗布液は、前記多孔質シリカゾル100質量部(固形分換算)に対して、I)水溶性高分子を5〜80質量部(固形分換算)、II)下記(A)および/または(B)を1〜20質量部(固形分換算)含有することを特徴とする。
(A)カチオン樹脂。
(B)カチオン化処理されたシリカ微粒子が溶媒に分散してなるカチオン化シリカゾル。
前記カチオン化処理されたシリカ微粒子は、カチオン性水和金属化合物を表面に担持し
たシリカ微粒子であって、かつ、そのゼータ電位が60mV以下の正の値であることが好ましい。
さらに、本発明のインク受容層形成用塗布液は、インク受容層付記録用シートに用いることができる。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液からなるインク受容層は、特に透明性に優れたものである。このようなインク受容層を有した記録用シートは、印刷方式によらず、各種のインクを用いて印刷した場合にも滲みなどが無く、ドット形状を維持でき、印字の大きさをも調節することができ、印字特性に優れる。このため本発明のインク受容層付記録用シートによれば、印刷の際して、濃度が一様に、かつ鮮明に印刷することができる。また、耐水性、耐候性、退色性に優れ、しかも充分な強度を有する印刷物を得ることができる。したがって、本発明のインク受容層付記録用シートは、大型カラープリンター用白色PET、アート紙などの記録用シートとしても好適に使用できる。
〔インク受容層形成用塗布液〕
本発明に係るインク受容層形成用塗布液は、特定の多孔質シリカゾル、水溶性高分子ならびに(A)カチオン樹脂および/または(B)カチオン化シリカゾル、を含有することを特徴としている。
〔多孔質シリカゾル〕
本発明の多孔質シリカゾルは、特定の条件を満たす多孔質シリカ微粒子が溶媒に分散してなることを特徴としている。
前記特定の条件とは、多孔質シリカ微粒子の平均粒子径、比表面積および粒子径変動係数(CV値)の範囲限定ならびに多孔質シリカ微粒子中のシリカ含有量の範囲限定である。
以下に前記特定の条件について説明する。
前記多孔質シリカ微粒子の動的光散乱法により測定される平均粒子径は、7〜150nmの範囲にあることが好ましく、8〜120nmの範囲にあることがより好ましい。
前記多孔質シリカ微粒子の平均粒子径が7nm未満の場合は、前記多孔質シリカ微粒子を含有したインク受容層形成用塗布液の安定性が不充分となる傾向がある。そのため、該塗布液のシリカ濃度、固形分濃度を高くすることが容易ではなくなる傾向にある。したがって、必要とする膜厚のインク受容層を1回の塗布で形成できない場合がある。また、得られるインク受容層の細孔径が小さいためにインクの吸収速度および吸収容量が小さい傾向にある。さらにインク受容層を形成する際、インク受容層の収縮が大きいため、ひび割れが起こることがあり、インク受容層の強度が不充分となることがある。更にはインクの広がりが不良となるため、該インク受容層を有した記録用シートにおいて、高発色効果が得難くなる傾向にある。
一方、前記多孔質シリカ微粒子の平均粒子径が150nmを超える場合は、インク受容層の透明性が低下する傾向がある。また、染料インクを用いた場合にインク受容層の耐水性が低下する傾向がある。
なお、本発明において、前記多孔質シリカ微粒子の平均粒子径については、動的光散乱法により測定された粒子径に基づいて定められる。
前記多孔質シリカ微粒子のBET法により測定される比表面積は、40〜800m/gの範囲にあることが好ましく、140〜750m/gの範囲にあることがより好ましく、200〜720m/gの範囲にあることがさらに好ましい。
前記多孔質シリカ微粒子の比表面積が40m/g未満の場合は、シリカ微粒子が多孔質構造でない場合があり、印字の発色性が低下する傾向が強まる。
一方、前記多孔質シリカ微粒子の比表面積が800m/gを超える場合は、インク受容層の強度が不足する傾向があるので好ましくない。
なお、本発明において、前記多孔質シリカ微粒子の比表面積については、BET法により測定された比表面積を意味する。BET法については、窒素吸着法によるものとした。
前記多孔質シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)は、40%以下の範囲にあることが好ましく、8〜40%の範囲にあることがより好ましく、8〜35%の範囲にあることがさらに好ましい。
前記多孔質シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が前記範囲内であると、多孔質シリカ微粒子の粒子径の均一性が高くなる傾向にある。そのため、該シリカ粒子を含有するインク受容層付記録用シートは、高い透明性を有し、また、優れた発色性を示す傾向がある。
一方、前記多孔質シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が40%を超える場合は、粒子径分布のばらつきが大きくなる傾向にある。そのため、該シリカ粒子を含有するインク受容層付記録用シートの透明性または発色性が低下する傾向にある。また、前記多孔質シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)が8%未満の場合は、調製することが容易ではない。
なお、前記多孔質シリカ微粒子の粒子径変動係数(CV値)については、走査型電子顕微鏡写真から求められた粒子径の平均値を平均粒子径とする。
前記多孔質シリカ微粒子中のシリカ含有割合は90質量%以上にあることが好ましく、91〜99質量%の範囲にあることがより好ましい。
前記多孔質シリカ微粒子中のシリカ含有割合が前記範囲にあることにより、インク受容層の透明性が確保できる傾向にあるので有利である。
一方、前記多孔質シリカ微粒子中のシリカ含有割合が90質量%未満の場合は、光学的にインク受容層のヘーズが大きくなることがある。また、前記多孔質シリカ微粒子中のシリカ含有割合が99質量%を超えるものについては調製が容易ではない。
前記多孔質シリカゾル中の多孔質シリカ微粒子の固形分濃度については、格別に制限されるものではないが、実用上は20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%の範囲にあることが望ましい。
前記多孔質シリカゾルの溶媒については、水または有機溶媒が使用される。
前記多孔質シリカゾルは、その分散質が粒子径の均一性が高い多孔質シリカ微粒子である。そのため、該多孔質シリカゾルを含有するインク受容層付記録用シートは、インク受容層全体に均一に孔状部分が存在する。その結果、インクの印字濃度が均一となるため、優れた発色性を示すものと考えられる。
〔多孔質シリカゾルの製造方法〕
本発明に係る多孔質シリカゾルの製造方法については、生成する多孔質シリカゾル中の多孔質シリカ微粒子が上記条件を満たすような製造方法であれば特に限定されないが、多
孔質シリカ微粒子の粒子径分布において、粒子径変動係数(CV値)が8〜40%の範囲となる製造方法が好適に使用される。具体的には、多孔質シリカ微粒子を調製する際の原料として、粒子径変動係数(CV値)が8〜40%の範囲にある核粒子の分散液を用いることが推奨される。
その様な核粒子分散液の製造方法については、次の1)〜5)に挙げる様な製造方法に、必要に応じて分級工程を併用する製造方法が好適に用いられる。
1)金属酸化物あるいは金属水酸化物がシードとして分散された水−アルコール系分散液をアルカリ性に保ちながら、該分散液に金属アルコキシドを添加して加水分解し、分散液中に含まれているシード上に金属アルコキシド分解生成物を付着させて粒子成長を行わせる方法(特開昭62−275005号公報)。
2)シード粒子を成長させた後、分散液から粒子を分離し、この粒子を250℃以上の温度で熱処理して黒色化する方法(特開昭63−89408号公報)。
3)シード粒子が分散された水−有機溶媒系分散液にテトラエトキシシランを添加して、このテトラエトキシシランを、下記式〔I〕
(CH3 O)n ・(C2 5 O)4-n ・Si ・・・〔I〕
(式〔I〕中、nは1〜4である。)
で示されるアルコキシシランの共存下で加水分解し、分散液中のシード粒子上にシリカを付着させて粒子成長を行わせる方法(特願平1−310023号)。
なおこの方法で球状粒子を製造する場合には、テトラエトキシシラン1モルに対して前記式〔I〕で示されるアルコキシシランが、0.05×10-2モル〜6.0×10-2モル
(それぞれSiO2に換算したモル比)の量で用いられることが好ましい。
4)金属酸化物あるいは金属水酸化物がシードとして分散された水−アルコール系分散液をアルカリ性に保ちながら、該分散液にテトラアルコキシシランおよびケイ酸液を添加して、テトラアルコキシランの加水分解生成物およびケイ酸重合物を分散液中に含まれているシード上に付着させて粒子成長を行わせる方法(特願平2−122403号)。
5)核粒子分散液に、シリカまたはシリカと他の金属酸化物を添加し、最適なpH範囲及び温度範囲で、核粒子を粒子成長させる方法。
〔水溶性高分子〕
本発明に係るインク受容層形成用塗布液に使用される水溶性高分子としては、天然水溶性高分子、セルロース誘導体、多糖類、蛋白質物質、水溶性合成高分子などを使用することができる。
天然水溶性高分子の例としてはデンプン類を挙げることができる。
セルロース誘導体の例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースまたはヒドロキシエチセルロースなどを挙げることができる。
多糖類の例としては、アルギン酸ナトリウム、グアーガム、タマリンドガム、ローカストビーンガムまたはアラビアゴムなどを挙げることができる。
蛋白質物質の例としては、ゼラチン、カゼインまたはケラチンなどを挙げることができる。
水溶性合成高分子の例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、若しくはアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、若しくはスチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレンアクリル酸樹脂、スチレン−スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート共重合体、スチレン−2−ヒドロキシエチルアクリレート−スチレンスルホン酸カリウム共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体またはそれらの塩が挙げられる。なお、これらの樹脂については、更に水溶性の置換基にて変性して、使用しても構わない。これらの中で、特に好ましい例として、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどを挙げることができる。
インク受容層形成用塗布液に使用される水溶性高分子は、バインダーとして機能するものである。
〔カチオン樹脂〕
本発明に係るインク受容層形成用塗布液に使用されるカチオン樹脂とは、樹脂の構造中にカチオン性基を有する樹脂を意味する。前記カチオン性基としては、1級、2級、3級アミノ基、アミド基、ピリジン基または第4級アンモニウム基などが挙げられる。
カチオン樹脂の具体例としては、ポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類またはその誘導体、第三級アミノ基や第四級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミンなどが単独あるいは併用して用いられる。ジシアンジアミドーホルマリン重縮合物などのジシアン系カチオン樹脂、ジシアンジアミドージエチレントリアミン重縮合物などのポリアミン系カチオン樹脂、エピクロルヒドリンージメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO2 共重合物、ジアリルアミン塩−SO2 共重合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、アリルアミン塩の重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、アクリルアミドージアリルアミン塩共重合体などのポリカチオン系カチオン樹脂などが挙げられる。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液にカチオン樹脂を添加することにより、記録印字濃度が改善される。
〔カチオン化シリカゾル〕
本発明に係るインク受容層形成用塗布液に、前記カチオン樹脂に代えて、または前記カチオン樹脂とともにカチオン化シリカゾルを添加することによっても、記録印字濃度が改善される。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液に使用されるカチオン化シリカゾルとは、カチオン化処理されたシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカゾルのことである。
前記カチオン化処理されたシリカ微粒子とは、表面にカチオン性水和金属化合物を担持したシリカ微粒子であって、かつ、そのゼータ電位が正の値であり、かつ60mV以下、好ましくは5〜50mVの範囲にあるシリカ微粒子である。
シリカ微粒子のゼータ電位が負の場合は、該シリカ微粒子を含有する染料系インクの定着性が不充分となり、印字などに滲みが生じたり、印刷後の耐水性が不充分となることがある。
一方、シリカ微粒子のゼータ電位が60mVを超えた酸化物粒子は得ることが困難である。
前記カチオン性水和金属化合物としては、下記式(1)で表される化合物が好適である。
[M2(OH)n(2a-n)/b]m ・・・(1)
(式(1)中、Mは3価以上の金属カチオン、Xはアニオンであり、aは金属カチオンの価数、bはアニオンの価数を示し、1<n<5、n<2aであり、1≦mである。)
前記金属カチオンとしては、3価または4価の金属カチオンが好ましく、さらにAl3+、Zr4+、Ti4+、Ga4+等の金属カチオンは好ましく、特にAl3+が好ましい。前記金属カチオンがAl3+であると、安定なカチオン性水和金属化合物の溶液が得られ、染料系インクの安定性を向上させることができる。
前記アニオンとしては、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素などハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオンならびに有機アニオン等が挙げられる。
このようなカチオン性水和金属酸化物は、公知の方法によって製造することが可能である。例えば水酸化アルミニウムを塩酸に加え、加圧下または溶解助剤を加えて溶解することにより塩化アルミニウムを調製し、これを硫酸などの重合促進剤の存在下で熟成することにより、ポリ塩化アルミニウムを調製することができる。
このようなカチオン性水和金属化合物のシリカ微粒子表面への担持は、シリカ微粒子を水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の溶媒またはこれらの混合溶媒に分散させた分散液に、前記カチオン性水和金属化合物の溶液を混合し、必要に応じてアルカリを添加して、ゼータ電位が0mV以上、好ましくは5mV以上となるpHにすることによって行われる。この時のpHは、使用するシリカ微粒子の種類および混合比によっても異なるが、3〜9の範囲にあればよい。
カチオン性水和金属化合物とシリカ微粒子との混合比は、シリカに換算した重量比(カチオン性水和金属化合物の重量/シリカの重量)で0.005〜0.2の範囲にあることが望ましい。0.005未満の場合は染料インクの定着性が不充分な場合があり、0.2を超えても染料インクの定着性が向上しないことがある。
また、下記式(2)で表される金属塩の水溶液をシリカ微粒子分散液に添加した後アルカリを添加し、pHを上記範囲にすることによっても表面にカチオン性水和金属化合物が担持されたシリカ微粒子を得ることができる。
[MXa/b]m・・・(2)
(式(2)中、M、X、a、bおよびmは、前記(1)式と同じである。)
カチオン化処理に供されるシリカゾルについては、前記多孔質シリカ微粒子と同様に、平均粒子径が7〜150nmの範囲にある多孔質シリカ微粒子または非多孔質シリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカゾルが使用される。
〔任意に添加される成分〕
本発明のインク受容層形成用塗布液には、任意に以下に挙げる成分を添加しても構わない。
I)有機基含有ケイ素化合物
有機基含有ケイ素化合物としては、下記式(3)で表される化合物が使用される。
nSiX4-n ・・・(3)
(式(3)中、Rは互いに同一であっても異なっていてもよい炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であり、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素であり、nは1〜3の整数である。)
Rの置換基としては、フッ素原子などのハロゲン原子:アミノ基、フェニル基、アルキル基で置換された置換アミノ基:エポキシ基、グリシドキシ基:メタクリロキシ基:メル
カプト基などが挙げられる。
このような化合物を含んでいると、インク受容層の疎水性を高めることができる傾向にある。このため、水との親和性の高い水性インクを用いた場合、水平方向へのインクの拡散を抑制することができ、滲みやドット径の拡大を防止できる傾向にある。したがって、ドット径を調節したり、特にドット形状を維持したりドット径を小さく維持することができる傾向にある。
また、このような化合物を含んでいると、シリカ粒子とバインダー樹脂との親和性が増し、塗布液中のシリカ粒子の分散性が向上するとともにインク受容層中のシリカ粒子とバインダー樹脂との密着性が向上し、強度に優れたインク受容層を得ることができる傾向にある。また、塗布液にインクの吸着成分等としてカチオン系樹脂ポリマー、あるいは第4級アンモニウムクロライド、第4級アンモニウムサルフェート、第4級アンモニウムナイトレートなどの界面活性剤を用いる場合、アミン系の化合物を用いる場合、塗布液の安定性を向上できる場合がある。
さらに受容層が疎水性を増しているので、得られる記録用シートの印刷物は耐水性に優れている。
上記式(3)で表される有機基含有ケイ素化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3-トリフルオロプロ
ピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシトリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等が挙げられる。
II)酸性珪酸液
酸性珪酸液としては、(a)珪酸アルカリ水溶液を陽イオン交換樹脂で処理して得られた
もの、(b)下記式(4)で表されるケイ素化合物を、酸を用いて加水分解して得られたも
の、(c)下記式(4)またはアルカリを用いて加水分解した後、陽イオン交換樹脂で処理
して得られたものの少なくとも1種が好ましい。
Si(OR2)4 ・・・(4)
(式(4)中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
上記式(4)で表されるケイ素化合物としてはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシランなどが挙げられる。また、前記した陽イオン交換樹脂処理によって、アルカリが除去され、得られた珪酸液は酸性を呈する。
本発明では、pHが2〜4であり、SiO2換算濃度が約7重量%以下の酸性珪酸液を用
いることが望ましい。なお、珪酸はモノマーであってもオリゴマーであってもよいが、モノマー、ダイマーが好ましい。
このような酸性珪酸液を含むことにより、有機ケイ素化合物と酸性珪酸が結合し、この結合物がシリカ粒子と結合し、受容層中に有機ケイ素化合物が固定され、このため有機ケイ素化合物が受容層から離脱することがなく、安定的に前記したドット径を調節できる効果を発現することができ、さらに長期にわたって高い耐水性を有する印刷物が得られる傾向がある。
塗布液中の酸性珪酸液の使用量は、有機ケイ素化合物のモル数(Mo)と酸性珪酸液の
SiO2のモル数(Ms)の比(Ms)/(Mo)が0.001〜1.2、さらには0.01〜0.5の範囲にあることが好ましい。
前記モル比(Ms/Mo)が前記下限未満の場合は、シリカ粒子表面に有機ケイ素化合物を固定する効果が得られないことがある。
一方、前記モル比(Ms/Mo)が前記上限を越えると、酸性珪酸液が過剰となり、この酸性珪酸液に由来するシリカが親水性を発現するために有機ケイ素化合物を用いる前記効果が有効に得られないことがある。また、インク受容層形成用塗布液の安定性が低下することがある。
また、酸性珪酸液を用いた場合のインク受容層形成用塗布液の濃度も、合計固形分濃度は10〜60重量%、さらには20〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
III)その他の成分
また本発明に係るインク受容層形成用塗布液中には、インク受容層と基材シートとの接着性を向上させたり、インク受容層の強度、耐候性を向上させたり、またインク受容層の細孔構造を調節することを目的として、酸化防止剤、セルロース類などの有機ポリマー、バイオ繊維、無機ポリマー、フッ素含有ポリマー、界面活性剤、分散剤、無機微粒子などを含有していてもよい。
〔インク受容層形成用塗布液の製造方法〕
本発明に係るインク受容層形成用塗布液は、上記各成分を混合することによって調製することができる。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液は、前記多孔質シリカゾル、前記水溶性高分子ならびに前記カチオン樹脂および/または前記カチオン化シリカゾルを必須成分として含有することを特徴とするものである。
前記水溶性高分子の含有量は、その種類によっても異なるが、前記多孔質シリカゾル100質量部(固形分換算)に対して、5〜80質量部(固形分換算)の範囲であることが好ましく、10〜75質量部(固形分換算)の範囲であることがさらに好ましく、15〜70質量部(固形分換算)の範囲であることが特に好ましい。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液に含有する水溶性高分子は、バインダーとして機能するものである。そのため、前記水溶性高分子の含有量が5質量部未満では、インク受容層と基材シートとの接着力が不足してインク受容層が剥離しやすく、またインク受容層の強度が不十分になることがある。
一方、前記水溶性高分子の含有量が40質量部を越えるとインクの受容量が低下したり、インクの吸水速度が低下することがある。
前記カチオン樹脂の含有量としては、前記多孔質シリカゾル100質量部(固形分換算
)に対して、1〜20質量部の範囲であることが好ましく、3〜10質量部(固形分換算)の範囲であることがさらに好ましく、4〜7質量部(固形分換算)の範囲であることが特に好ましい。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液は、前記カチオン樹脂を含有することにより、記録印字濃度が改善される傾向にある。そのため、前記カチオン樹脂の含有量が1質量部未満の場合は、記録印字濃度を改善する効果が生じ難くなる傾向にある。
一方、前記カチオン樹脂の含有量が20質量部を超える場合は、インクの定着性は向上するものの、受容層または光沢層の上層部にインクがトラップされ易くなり、インク吸収が遅くなる場合があるので好ましくない。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液には、前記カチオン樹脂に代えて、または前記カチオン樹脂とともに、前記カチオン化シリカゾルを含有することによっても、記録印字濃度が改善される傾向にある。
前記カチオン化シリカゾルの含有量としては、前記多孔質シリカゾル100質量部(固形分換算)に対して、1〜20質量部(固形分換算)の範囲であることが好ましく、3〜10質量部(固形分換算)の範囲であることがさらに好ましく、4〜7質量部(固形分換算)の範囲であることが特に好ましい。
前記カチオン化シリカゾルの含有量が1質量部未満の場合は、記録印字濃度を改善する効果が生じ難くなる傾向にある。
一方、前記カチオン化シリカゾルの含有量が20質量部を超える場合は、インクの定着性は向上するものの、受容層または光沢層の上層部にインクがトラップされ易くなり、インク吸収が遅くなる場合があるので好ましくない。
本発明に係るインク受容層形成用塗布液の合計固形分濃度(シリカ粒子、バインダー、有機ケイ素化合物、酸化防止剤等の合計)は、所望のインク受容層が得られれば特に制限はないが10〜60重量%、さらには20〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
該塗布液の合計固形分濃度が前記下限未満の場合は、1回の塗工で所望の厚さの受容層を形成できないことがある。該塗布液中の合計固形分濃度の濃度が前記上限を越えると、塗布液の安定性が低くなるとともに塗布液の粘度が高くなり塗工性が低下する。さらにインク受容層の形成時に収縮によってクラックが入ったり、インク受容層の透明性が低下することがある。
〔インク受容層付記録用シート〕
本発明に係るインク受容層付記録用シートは、基材シートと、基材シート上に前記塗布液を用いて形成されたインク受容層とからなる。
したがって、本発明に係るインク受容層付記録用シートは、前記多孔質シリカゾルを不可欠の成分として含んでいる。
前記多孔質シリカゾルは、その分散質が粒子径の均一性が高い多孔質シリカ微粒子である。そのため、該多孔質シリカゾルを含有するインク受容層付記録用シートは、インク受容層全体に均一に孔状部分が存在する。その結果、インクの印字濃度が均一となるため、優れた発色性を示すものと考えられる。
〔基材シート〕
本発明に用いられる基材シートとしては、特に限定されないが、PET、塩ビなどの樹
脂製フィルムシート、各種紙、鋼板、布等も用いることができる。
〔インク受容層形成方法〕
基材シート上にインク受容層を形成する方法としては公知の方法が採用でき、基材の
種類によって好ましい方法を採用すればよい。具体的には、前記インク受容層形成用塗
布液を、スプレー法、ロールコーター法、ブレードコーター法、バーコーター法、カーテンコーター法などで、基材シート上に塗布した後、乾燥することによって形成することができる。インク受容層を形成する際、基材はあらかじめプライマー処理して用いてもよい。得られるインク受容層は、少なくとも3.4〜30nmの範囲の細孔を有していることが好ましい。またインク受容層は、3.4〜30nmの細孔径を有する細孔の細孔容積が0.2〜1.8ml/gの範囲にあることが好ましい。
[実施例]
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
[実施例および比較例で用いた分析方法]
[1]動的光散乱法による平均粒子径測定
得られたシリカ微粒子分散液を0.58%アンモニア水にて希釈し、pH11、シリカ濃度0.1質量%に調整し、下記の粒度分布測定装置を用いて前記分散液中のシリカ微粒子の平均粒子径を測定した。
〔粒度分布測定装置〕
型番 NICOMP 380、製造元 PARTICLE SIZING SYSTEMS Co.Ltd,、測定原理:動的光散乱法(ホモダイン/粒度分布)、光源:5mW
He−Ne レーザー(標準)、検出器:フォトカウント用光電子増倍管、コーリレーター:32bitデジタルオートコーリレーター(DSP搭載)、測定セル:四面透過型角セル(ディスポーザブル)、温度制御方式:ペルチエ素子(コンピュータ制御)、設定範囲:5℃〜80℃、測定粒度分布範囲:1nm〜5μm、測定対象:コロイド粒子。
[2]粒子径変動係数(CV値)測定
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製:JSM−5300型)を用いて粒子を撮影(倍率250,000倍)し、この画像の250個の粒子について、画像解析装置(旭化成株式会社製:IP−1000)を用いて、平均粒子径を測定し、粒子径分布に関する変動係数(CV値)を算定した。
具体的には、得られたシリカ微粒子分散液中のシリカ微粒子250個について、それぞれの粒子径を測定し、その値から平均粒子径および粒子径の変動係数を求め、下記式(5)から前記シリカ微粒子の変動係数(CV値)を算定した。
変動係数(CV値)=(粒子径標準偏差(σ)/平均粒子径(Dn))×100 ・・・
(5)
σ:粒子径標準偏差(σ=Σ|Di −Dn |/(n−1)×Dn
i :個々の粒子の粒子径(nm)
n :平均粒径(nm)
n:測定した粒子の個数(n=250)
[3]BET法による比表面積測定
得られたシリカ微粒子分散液50mlをHNOでpH3.5に調整し、1−プロパノール40mlを加え、110℃で16時間乾燥した。乾燥後、乳鉢で粉砕し、500℃のマッフル炉で、1時間焼成した。この焼成体を測定用試料とした。そして、比表面積測定装置(ユアサアイオニクス製、型番マルチソーブ12)を用いて窒素吸着法を用いて、窒
素の吸着量から、BET1点法により比表面積を算出した。
具体的には、試料0.5gを測定セルに取り、窒素30容量%/ヘリウム70容量%の混合ガス気流中、300℃で20分間脱ガス処理を行った。その上で試料を上記混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、得られたシリカ微粒子分散液中のシリカ微粒子の比表面積を算出した。
[4]シアーズ法による比表面積(SA1)測定方法
得られたシリカ微粒子分散液中のシリカ微粒子の比表面積(SA1)を以下のようにして測定する。
1)SiOとして1.5gに相当する試料をビーカーに採取してから、恒温反応槽(25℃)に移し、純水を加えて液量を90mlにした。以下の操作は、25℃に保持した恒温反応槽中にて行う。
2)pH3.6〜3.7になるように0.1モル/リットルの塩酸溶液を加える。
3)塩化ナトリウムを30g加え、純水で150mlに希釈し、10分間攪拌する。
4)pH電極をセットし、攪拌しながら0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム溶液を滴下して、pH4.0に調整する。
5)pH4.0に調整した試料を0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム溶液で滴定し、pH8.7〜9.3の範囲での滴定量とpH値を4点以上記録して、0.1モル/リットル水酸化ナトリウム溶液の滴定量をX、その時のpH値をYとして、検量線を作成する。
6)下記式(6)からSiO1.5g当たりのpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム溶液の消費量V(ml)を求め、下記(7)式から比表面積SA1[m/g]を求める。
V=(A×f×100×1.5)/(W×C) ・・・ (6)
A:SiO1.5g当たりpH4.0〜9.0までに要する0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム溶液の滴定量(ml)
f :0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム溶液の力価
C :試料のSiO濃度(%)
W :試料採取量(g)
SA1=29.0V−28 ・・・ (7)
[5]pH測定
測定用サンプル約50gをポリエチレン製のサンプル瓶に採取し、これを25℃の恒温槽に30分以上浸漬した。その後、pH4、7および9の標準液で更正が完了した株式会社堀場製作所製のpHメータF22のガラス電極を前記サンプル瓶に挿入して、サンプルのpHを測定した。
[6]ゼータ電位測定
得られたシリカ微粒子分散液中のシリカ微粒子のゼータ電位を超音波方式ゼーター電位測定装置(Matec社製、ESA8000)により測定した。
測定条件として、予め希釈塩酸水溶液で試料シリカゾルのpHを所定の値(pH4およびpH6)に調整し、同シリカゾル中のシリカ微粒子濃度を5質量%、温度を25℃に設
定した。
[7]シリカ含有量測定
試料シリカゾル10gに50%硫酸水溶液2mlを加え、白金皿上で蒸発乾固し、得られた固形物を1000℃で1時間焼成後、冷却して秤量した。次に、秤量した固形物を微量の50%硫酸水溶液に溶かし、更にフッ化水素酸20mlを加えてから、白金皿上にて蒸発乾固し、1000℃にて15分焼成後、冷却して秤量した。これらの重量差より多孔質シリカ粒子中のシリカ含有量を求めた。
[8]印字濃度評価
得られた記録用シートに、純正の顔料インクおよび染料インクを用いてインクジェットプリンター(GRAPHTEC社製:Masterjet)により、2cm四方のべた塗りのパターンWを
印刷した。色はマゼンタ、ブラック、シアンおよびイエローを使用し、出力の変更により濃度を変えて印刷した。
得られた記録用シートの印字濃度はカラー反射計(日本電色工業製:KRDー2200)により測定した。評価基準を以下に示す。なお、濃度は1.2%以上あれば特に問題な
く使用できる。
A:印字濃度1.5%以上
B:印字濃度1.0%以上、1.5%未満の範囲
C:印字濃度0.6%以上、1.0%未満の範囲
D:印字濃度0.6%未満
[9]透明性評価
得られた記録用シートの透明性を色差・濁度測定器(日本電色工業株式会社製 COH−300A)により測定した。評価基準を以下に示す。
A:全光線透過率90%以上
B:全光線透過率80%以上、90%未満
C:全光線透過率70%以上、80%未満
D:全光線透過率70%未満
[10]インク吸収性評価
得られた記録用シートのインク吸収性を以下のように評価した。
得られた記録用シートに印字し、30秒間放置した後、PP紙に裏写りが認められた印字の割合を測定した。評価基準を以下に示す。
A:印字の裏写り割合;0%
B:印字の裏写り割合;0%を超えて50%未満
C:印字の裏写り割合;50%以上100%未満
D:印字の裏写り割合;100%
[合成例1−1]
〔多孔質シリカ微粒子分散液A1の調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液25,220gを混合した後、90℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。このシリカ微粒子の動的光散乱法により測定した平均粒子径は25nmだった。また、粒子系の変動係数は20%であった。このシリカ微粒子分散液を濃縮し固形分濃度を19.9質量%に調整した。
この調整したシリカ微粒子分散液3.51kgを、純水12.0kgで希釈し、10分間攪拌して固形分濃度4.5重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。さらに、このシリカ微粒子分散液に水硝子318g(シリカ濃度24質量%)を添加してpHを11に調整したのち、98℃まで昇温し、98℃で15分間保持し、シリカ微粒子分散液15.8kgを調製した。
[3]シリカアルミナ微粒子分散液の調製:
珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:4.9重量%)を陽イオン交換樹脂に通液させ
、陽イオン交換し、SiO2濃度が4.8重量%である珪酸液11.0kgを得た。
この珪酸液に純水24.2kgを添加して、SiO2濃度が1.5重量%である希釈珪
酸液を調製した。
次に、[2]で調整したシリカ微粒子分散液(15.8kg)にこの希釈珪酸液17.5kgとアルミン酸ナトリウム水溶液(アルミナ濃度0.7質量%)17.5kgとを同時に、98℃で6時間かけて添加し、引き続き98℃で1時間保持した。
その後、40℃以下まで冷却し、固形分濃度が1.0重量%、pHが12.0であるシリカアルミナ微粒子分散液50.8kgを得た。
[4]脱アルミニウム処理:
[3]で得られたシリカアルミナ微粒子分散液10.0kgに35%塩酸400gを2分かけて徐々に添加し、続いて10分間攪拌して、シリカ微粒子中のアルミニウムイオンを溶出させて脱アルミニウム品とした。
次いで、限外膜(旭化成株式会社製、SIP−1013)を用いて、脱アルミニウム品の固形分濃度が2倍になるまで一次濃縮を行なった。この濃縮されたシリカ微粒子分散液を、同じく限外膜を使用して、液面を一定に保持しながら、そこにpH=3.0の希釈塩酸で5時間かけて洗浄し、更に純水で母液のpHが3.0になるまで洗浄し、純水洗浄品とした。
さらに2次濃縮を行って前記純水洗浄品の固形分濃度の2倍になるまで濃縮し、多孔質シリカ微粒子分散液A1を調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子a1の平均粒子径は30nmであり、比表面積は300m/gであり、粒子系の変動係数は20%であり、シリカ含有量は99%であった。
[合成例1-2]
〔多孔質シリカ微粒子分散液A2の調製〕
合成例1―1の[4]脱アルミニウム処理を下記イオン交換法に変えた以外は合成例1-1と同様にして多孔質シリカ微粒子分散液A2を調製した。その分散質である多孔質シ
リカ微粒子A2の平均粒子径は30nmであり、比表面積は500m/gであり、粒子系の変動係数は21%であり、シリカ含有量は98%であった。
〔イオン交換法による脱アルミニウム処理〕
水素型陽イオン交換樹脂(製品名:ダイヤイオンSK1B)20リットルを充填した流通式イオン交換塔に、合成例1−1[3]工程終了後に相当するシリカアルミナ微粒子分散液を液空間速度10h−1で1回通過させて脱アルミニウム処理を行った。
[合成例2]
〔多孔質シリカ微粒子分散液Bの調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液4,620gを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。このシリカ微粒子の動的光散乱法により測定した平均粒子径は5nmだった。また、粒子系の変動係数は27%であった。このシリカ微粒子分散液を濃縮し固形分濃度を19.9質量%に調整した。
この調整したシリカ微粒子分散液3.51kgを、純水12.0kgで希釈し、10分間攪拌して固形分濃度4.5重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。さらに、このシリカ微粒子分散液に水硝子318g(シリカ濃度24質量%)を添加してpHを11に調整したのち、98℃まで昇温し、98℃で15分間保持し、シリカ微粒子分散液15.8kgを調製した。
[3]シリカアルミナ微粒子分散液の調製:
珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:4.9重量%)を陽イオン交換樹脂に通液させ
、陽イオン交換し、SiO2濃度が4.8重量%である珪酸液11.0kgを得た。
この珪酸液に純水24.2kgを添加して、SiO2濃度が1.5重量%である希釈珪
酸液を調製した。
次に、[2]で調整したシリカ微粒子分散液(15.8kg)にこの希釈珪酸液17.5kgとアルミン酸ナトリウム水溶液(アルミナ濃度0.7質量%)17.5kgとを同時に、98℃で6時間かけて添加し、引き続き98℃で1時間保持した。
その後、40℃以下まで冷却し、固形分濃度が1.0重量%、pHが10.53であるシリカアルミナ微粒子分散液26.8kgを得た。
[4]脱アルミニウム処理:
[3]で得られたシリカアルミナ微粒子分散液10.0kgに35%塩酸400gを2分かけて徐々に添加し、続いて10分間攪拌して、シリカ微粒子中のアルミニウムイオンを溶出させて脱アルミニウム品とした。
次いで、限外膜(旭化成株式会社製、SIP−1013)を用いて、脱アルミニウム品の固形分濃度が2倍になるまで一次濃縮を行なった。この濃縮されたシリカ微粒子分散液を、同じく限外膜を使用して、液面を一定に保持しながら、そこにpH=3.0の希釈塩酸で5時間かけて洗浄し、更に純水で母液のpHが3.0になるまで洗浄し、純水洗浄品とした。
さらに2次濃縮を行って前記純水洗浄品の固形分濃度の2倍になるまで濃縮し、多孔質シリカ微粒子分散液Bを調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子bの平均粒子径は10nmであり、比表面積は400m/gであり、粒子系の変動係数はは28%であり、シリカ含有量は98%であった。
[合成例3]
〔多孔質シリカ微粒子分散液Cの調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液7,335gを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。このシリカ微粒子の動的光散乱法により測定した平均粒子径は7nmだった。また、粒子系の変動係数は20%であった。このシリカ微粒子分散液を濃縮し固形分濃度を19.9質量%に調整した。
この調整したシリカ微粒子分散液3.51kgを、純水12.0kgで希釈し、10分間攪拌して固形分濃度4.5重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。さらに、このシリカ微粒子分散液に水硝子318g(シリカ濃度24質量%)を添加してpHを11に調整したのち、98℃まで昇温し、98℃で15分間保持し、シリカ微粒子分散液15.8kgを調製した。
[3]シリカアルミナ微粒子分散液の調製:
珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:4.9重量%)を陽イオン交換樹脂に通液させ
、陽イオン交換し、SiO2濃度が4.8重量%である珪酸液11.0kgを得た。
この珪酸液に純水6.52kgを添加して、SiO2濃度が3.0重量%である希釈珪
酸液を調製した。
次に、[2]で調整したシリカ微粒子分散液(15.8kg)にこの希釈珪酸液17.5kgとアルミン酸ナトリウム水溶液(アルミナ濃度0.7質量%)17.5kgとを同時に、98℃で6時間かけて添加し、引き続き98℃で1時間保持した。
その後、40℃以下まで冷却し、固形分濃度が1.0重量%、pHが10.53であるシリカアルミナ微粒子分散液26.8kgを得た。
[4]脱アルミニウム処理:
[3]で得られたシリカアルミナ微粒子分散液10.0kgに35%塩酸400gを2分かけて徐々に添加し、続いて10分間攪拌して、シリカ微粒子中のアルミニウムイオンを溶出させて脱アルミニウム品とした。
次いで、限外膜(旭化成株式会社製、SIP−1013)を用いて、脱アルミニウム品の固形分濃度が2倍になるまで一次濃縮を行なった。この濃縮されたシリカ微粒子分散液を、同じく限外膜を使用して、液面を一定に保持しながら、そこにpH=3.0の希釈塩
酸で5時間かけて洗浄し、更に純水で母液のpHが3.0になるまで洗浄し、純水洗浄品とした。
さらに2次濃縮を行って前記純水洗浄品の固形分濃度の2倍になるまで濃縮し、多孔質シリカ微粒子分散液Cを調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子cの平均粒子径は45nmであり、比表面積は700m/gであり、粒子系の変動係数はは20%であり、シリカ含有量は99%であった。
[合成例4-1]
〔多孔質シリカ微粒子分散液D1の調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液18,200gを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。このシリカ微粒子の動的光散乱法により測定した平均粒子径は11nmだった。また、粒子系の変動係数は17%であった。このシリカ微粒子分散液を濃縮し固形分濃度を19.9質量%に調整した。
この調整したシリカ微粒子分散液3.51kgを、純水12.0kgで希釈し、10分間攪拌して固形分濃度4.5重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。さらに、このシリカ微粒子分散液に水硝子318g(シリカ濃度24質量%)を添加してpHを11に調整したのち、98℃まで昇温し、98℃で15分間保持し、シリカ微粒子分散液15.8kgを調製した。
[3]シリカアルミナ微粒子分散液の調製:
珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:4.9重量%)を陽イオン交換樹脂に通液させ
、陽イオン交換し、SiO2濃度が4.8重量%である珪酸液11.0kgを得た。
この珪酸液に純水24.2kgを添加して、SiO2濃度が1.5重量%である希釈珪酸
液を調製した。
次に、[2]で調整したシリカ微粒子分散液(15.8kg)にこの希釈珪酸液17.5kgとアルミン酸ナトリウム水溶液(アルミナ濃度0.7質量%)17.5kgとを同時に、98℃で6時間かけて添加し、引き続き98℃で1時間保持した。
その後、40℃以下まで冷却し、固形分濃度が1.0重量%、pHが10.53であるシリカアルミナ微粒子分散液26.8kgを得た。
[4]脱アルミニウム処理:
[3]で得られたシリカアルミナ微粒子分散液10.0kgに35%塩酸400gを2分かけて徐々に添加し、続いて10分間攪拌して、シリカ微粒子中のアルミニウムイオンを溶出させて脱アルミニウム品とした。
次いで、限外膜(旭化成株式会社製、SIP−1013)を用いて、脱アルミニウム品
の固形分濃度が2倍になるまで一次濃縮を行なった。この濃縮されたシリカ微粒子分散液を、同じく限外膜を使用して、液面を一定に保持しながら、そこにpH=3.0の希釈塩酸で5時間かけて洗浄し、更に純水で母液のpHが3.0になるまで洗浄し、純水洗浄品とした。
さらに2次濃縮を行って前記純水洗浄品の固形分濃度の2倍になるまで濃縮し、多孔質シリカ微粒子分散液D1を調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子d1の平均粒子径は60nmであり、比表面積は300m/gであり、粒子系の変動係数は18%であり、シリカ含有量は96%であった。
[合成例4-2]
〔多孔質シリカ微粒子分散液D2の調製〕
合成例4-1の[4]脱アルミニウム処理を上記イオン交換法に変えた以外は合成例4-1と同様にして多孔質シリカ微粒子分散液D2を調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子D2の平均粒子径は60nmであり、比表面積は330m/gであり、粒子系の変動係数は15%であり、シリカ含有量は97%であった。
[合成例5-1]
〔多孔質シリカ微粒子分散液E1の調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液26,350gを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。このシリカ微粒子の動的光散乱法により測定した平均粒子径は15nmだった。また、粒子系の変動係数は29%であった。このシリカ微粒子分散液を濃縮し固形分濃度を19.9質量%に調整した。
この調整したシリカ微粒子分散液3.51kgを、純水12.0kgで希釈し、10分間攪拌して固形分濃度4.5重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。さらに、このシリカ微粒子分散液に水硝子318g(シリカ濃度24質量%)を添加してpHを11に調整したのち、98℃まで昇温し、98℃で15分間保持し、シリカ微粒子分散液15.8kgを調製した。
[3]シリカアルミナ微粒子分散液の調製:
珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:4.9重量%)を陽イオン交換樹脂に通液させ
、陽イオン交換し、SiO2濃度が4.8重量%である珪酸液11.0kgを得た。
この珪酸液に純水24.2kgを添加して、SiO2濃度が1.5重量%である希釈珪
酸液を調製した。
次に、[2]で調整したシリカ微粒子分散液(15.8kg)にこの希釈珪酸液17.5kgとアルミン酸ナトリウム水溶液(アルミナ濃度0.7質量%)17.5kgとを同時に、98℃で6時間かけて添加し、引き続き98℃で1時間保持した。
その後、40℃以下まで冷却し、固形分濃度が1.0重量%、pHが10.53であるシリカアルミナ微粒子分散液50.8kgを得た。
[4]脱アルミニウム処理:
[3]で得られたシリカアルミナ微粒子分散液10.0kgに35%塩酸400gを2分かけて徐々に添加し、続いて10分間攪拌して、シリカ微粒子中のアルミニウムイオンを溶出させて脱アルミニウム品とした。
次いで、限外膜(旭化成株式会社製、SIP−1013)を用いて、脱アルミニウム品の固形分濃度が2倍になるまで一次濃縮を行なった。この濃縮されたシリカ微粒子分散液を、同じく限外膜を使用して、液面を一定に保持しながら、そこにpH=3.0の希釈塩酸で5時間かけて洗浄し、更に純水で母液のpHが3.0になるまで洗浄し、純水洗浄品とした。
さらに2次濃縮を行って前記純水洗浄品の固形分濃度の2倍になるまで濃縮し、多孔質シリカ微粒子分散液E1を調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子e1の平均粒子径は20nmであり、比表面積は250m/gであり、粒子系の変動係数は29%であり、シリカ含有量は93%であった。
[5]カチオン化処理:
合成例5−1で調整した多孔質シリカ微粒子分散液E1を水で希釈し、固形分濃度20重量%の分散液7000gを調製した。これにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬(株)製、Al2(OH)3Cl3、濃度がAl23換算で10重量%)300gを撹拌しなが
ら添加し、さらに1重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを3.5に調整して
、多孔質シリカ微粒子の表面にカチオン性水和金属化合物が担持された多孔質シリカ微粒子分散液E1’を調製した。分散質である多孔質シリカ微粒子e1’のゼータ電位は10.4mVであった。
[合成例5-2]
〔多孔質シリカ微粒子分散液E2の調製〕
合成例5-1の[4]脱アルミニウム処理を上記イオン交換法に変えた以外は合成例5-1と同様にして多孔質シリカ微粒子分散液E2を調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子e2の平均粒子径は20nm、比表面積310m/g、粒子系の変動係数は27%、であり、その組成はシリカが92%であった。
[合成例6]
〔多孔質シリカ微粒子Fの調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液6,000gを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。このシリカ微粒子の動的光散乱法により測定した平均粒子径は6n
mだった。また、粒子系の変動係数は10%であった。このシリカ微粒子分散液を濃縮し固形分濃度を19.9質量%に調整した。
この調整したシリカ微粒子分散液3.51kgを、純水12.0kgで希釈し、10分間攪拌して固形分濃度4.5重量%のシリカ微粒子分散液を調製した。さらに、このシリカ微粒子分散液に水硝子318g(シリカ濃度24質量%)を添加してpHを11に調整したのち、98℃まで昇温し、98℃で15分間保持し、シリカ微粒子分散液15.8kgを調製した。
[3]シリカアルミナ微粒子分散液の調製:
珪酸ナトリウム水溶液(SiO2濃度:4.9重量%)を陽イオン交換樹脂に通液させ
、陽イオン交換し、SiO2濃度が4.8重量%である珪酸液11.0kgを得た。
この珪酸液に純水24.2kgを添加して、SiO2濃度が1.5重量%である希釈珪酸
液を調製した。
次に、[2]で調整したシリカ微粒子分散液(15.8kg)にこの希釈珪酸液17.5kgとアルミン酸ナトリウム水溶液(アルミナ濃度0.7質量%)17.5kgとを同時に、98℃で6時間かけて添加し、引き続き98℃で1時間保持した。
その後、40℃以下まで冷却し、固形分濃度が1.0重量%、pHが10.53であるシリカアルミナ微粒子分散液50.8kgを得た。
[4]脱アルミニウム処理:
[3]で得られたシリカアルミナ微粒子分散液10.0kgに35%塩酸400gを2分かけて徐々に添加し、続いて10分間攪拌して、シリカ微粒子中のアルミニウムイオンを溶出させて脱アルミニウム品とした。
次いで、限外膜(旭化成株式会社製、SIP−1013)を用いて、脱アルミニウム品の固形分濃度が2倍になるまで一次濃縮を行なった。この濃縮されたシリカ微粒子分散液を、同じく限外膜を使用して、液面を一定に保持しながら、そこにpH=3.0の希釈塩酸で5時間かけて洗浄し、更に純水で母液のpHが3.0になるまで洗浄し、純水洗浄品とした。
さらに2次濃縮を行って前記純水洗浄品の固形分濃度の2倍になるまで濃縮し、多孔質シリカ微粒子分散液Fを調製した。その分散質である多孔質シリカ微粒子fの平均粒子径は100nmであり、比表面積は370m/gであり、粒子系の変動係数は10%であり、シリカ含有量は97%であった。
〔インク受容層形成用塗布液の調製〕
多孔質シリカ微粒子分散液A1(平均粒子径30nm、SiO2濃度20重量%)100gに、ポリビニルアルコール水溶液(濃度22質量%、クラレ株式会社製:PVA−220)をシリカゾル100質量部(固形分換算)に対して17.6質量部(固形分換算)となるように添加し、更にカチオン樹脂(濃度50質量%、昭和高分子株式会社製:ポリフィックス601)を、シリカゾル100質量部(固形分換算)に対して5質量部(固形分換算)となるように添加し、充分に混合して、インク受容層形成用塗布液を調製した。
〔記録用シートの調製および評価〕
このインク受容層形成用塗布液をバーコーターによりPETフィルム上に塗布し、乾燥後、140℃で加熱処理して記録用シートを得た。インク受容層の厚さは30μmであった。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液A2(平均粒子径30nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液B(平均粒子径10nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液C(平均粒子径45nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液D1(平均粒子径60nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液D2(平均粒子径60nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例5と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液E1(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った
。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液E1(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用し、カチオン樹脂(濃度50質量%、昭和高分子株式会社製:ポリフィックス601)に代えて、カチオン処理した多孔質シリカ微粒子分散液E1’(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔室シリカ微粒子分散液A1に変えて,多孔室シリカ微粒子分散液E2(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、多孔質シリカ微粒子分散液F(平均粒子径100nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
[合成例7−1]
〔非多孔質シリカ微粒子分散液G1の調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液40,000gを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%の非多孔質シリカ微粒子分散液G1を調製した。動的光散乱法により測定した非多孔質シリカ微粒子g1の平均粒子径は20nmであり、比表面積は135m/gであり、粒子系の変動係数は28%であり、シリカ含有量は96%であった。
[3]カチオン化処理
非多孔質シリカ微粒子分散液G1を水で希釈し、固形分濃度20重量%の分散液7000gを調製した。これにポリ塩化アルミニウム水溶液(日本化薬(株)製、Al2(OH)3Cl3、濃度がAl23換算で10重量%)300gを撹拌しながら添加し、さらに1重
量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを3.5に調整して、表面にカチオン性水
和金属化合物が担持された多孔質シリカ微粒子分散液G1’を調製した。分散質である多孔質シリカ微粒子g1’のゼータ電位は10.4mVであった。
[合成例7−2]
〔非多孔質シリカ微粒子分散液G2の調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液40,000gを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%の非多孔質シリカ微粒子分散液G2を調製した。動的光散乱法により測定した非多孔質シリカ微粒子g2の平均粒子径は20nmであり、比表面積は135m/gであり、粒子系の変動係数は35%であり、シリカ含有量は94%であった。
[合成例8]
〔非多孔質シリカ微粒子分散液Hの調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液26,350gと非多孔質シリカゾル(平均粒子径25nm、シリカ濃度48質量%)380gとを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%の非多孔質シリカ微粒子分散液Hを調製した。動的光散乱法により測定した非多孔質シリカ微粒子hの平均粒子径は60nmであり、比表面積は45m/gであり、粒子系の変動係数は50%であり、シリカ含有量は95%であった。
[合成例9]
〔非多孔質シリカ微粒子Iの調製〕
[1]珪酸液の調製:
SiO2濃度24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)をイオン交換水で希釈して、SiO2濃度5.2重量%の希釈珪酸ナトリウム水溶液を調製した。この水溶液を、水素型イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK−1B)を充填したカラムに通して酸性珪酸液を調製した。この酸性珪酸液のSiO2濃度は5.0重量%、pHは2.7であった。
[2]シリカ微粒子分散液の調製:
還流器、撹拌機、温度検出装置を備えた30リットルのステンレス容器中で、SiO2
濃度が24重量%の珪酸ナトリウム水溶液(SiO2/Na2Oモル比が3.1)163g
をイオン交換水2760gで希釈した。この水溶液に、[1]で調整した酸性珪酸液26,350gと非多孔質シリカゾル(平均粒子径45nm、シリカ濃度40質量%)450gとを混合した後、60℃で30分間加熱してSiO2濃度4.6重量%の非多孔質シリカ微粒子分散液Iを調製した。動的光散乱法により測定した非多孔質シリカ微粒子iの平均粒子径は100nmであり、比表面積は27m/gであり、粒子系の変動係数は70%であり、シリカ含有量は92%であった。
[比較例1]
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、非多孔質シリカ微粒子分散液G1(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例2]
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、非多孔質シリカ微粒子分散液G1(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用し、カチオン樹脂(濃度50質量%、昭和高分子株式会社製:ポリフィックス601)に代えて、カチオン処理した非多孔質シリカ微粒子分散液G1’(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例3]
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、非多孔質シリカ微粒子分散液G2(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、非多孔質シリカ微粒子分散液H(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて,印字濃度,透明性及びインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
[比較例5]
多孔質シリカ微粒子分散液A1に代えて、非多孔質シリカ微粒子分散液I(平均粒子径20nm、SiO2濃度20重量%)を使用した他は実施例1と同様にして記録用シートを調製した。
得られた記録用シートについて、印字濃度、透明性およびインク吸収性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009040629
本発明に係るインク受容層形成用塗布液を適用して得られるインク受容層付記録用シートは、PETおよび塩化ビニルなどの樹脂製フィルムシート、紙、鋼板および布等の印刷に用いられるシートならびに大型カラープリンター用白色PETおよびアート紙などの記録用シートとしても好適に使用できる。

Claims (4)

  1. 下記(1)、(2)、(3)及び(4)の条件を満たす多孔質シリカ微粒子が溶媒に分散してなることを特徴とする多孔質シリカゾル。
    (1)平均粒子径が、7〜150nmの範囲にあること。
    (2)比表面積が40〜800m/gの範囲にあること。
    (3)粒子径変動係数(CV値)が40%以下であること。
    (4)多孔質シリカ微粒子中のシリカ含有量が90質量%以上であること。
  2. 請求項1に記載の多孔質シリカゾル100質量部(固形分換算)に対して、
    I)水溶性高分子を5〜80質量部(固形分換算)、およびII)下記(A)および/また
    は(B)を1〜20質量部(固形分換算)含有することを特徴とするインク受容層形成用塗布液。
    (A)カチオン樹脂
    (B)カチオン化処理されたシリカ微粒子が溶媒に分散してなるカチオン化シリカゾル
  3. 前記カチオン化処理されたシリカ微粒子が、カチオン性水和金属化合物を表面に担持したシリカ微粒子であって、かつ、そのゼータ電位が60mV以下の正の値であることを特徴とする請求項2に記載のインク受容層形成用塗布液。
  4. 基材上に、請求項2または3に記載のインク受容層形成用塗布液を用いて形成されたインク受容層を有することを特徴とするインク受容層付記録用シート。
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