JP4326096B2 - シリカアルミナ複合ゾルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリカアルミナ複合ゾルの製造方法に関する。特に、インクジェットプリンタ用記録媒体のインク受容層を形成するために好適なシリカアルミナ複合ゾルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタルカメラまたはコンピュータの普及とともに、それらの画像を紙面などに記録するためのハードコピー技術が急速に発達した。ハードコピーの記録方式には、銀塩写真によって画像を表示したディスプレイを直接撮影するもののほか、昇華型熱転写方式、インクジェット方式など多種多様の方式が知られている。
【0003】
このうち、インクジェット方式は、ノズルから記録媒体に向けて染料と多量の溶媒よりなるインク液滴を高速で射出するものである。インクジェット方式によるプリンタは、フルカラー化や高速化が容易なことや、印字騒音が低いことなどから、近年急速に普及しつつある。
【0004】
インクジェットプリンタ用の記録媒体としては、インクを速やかに吸収し、鮮明な画像を得るために、紙やフィルムなどの基材上にシリカやアルミナなどの無機微粒子とポリビニルアルコールなどのバインダーとからなる多孔質のインク受容層を設けたものが知られている。インクジェットプリンタ用の記録媒体は、インク中に多量に含まれる溶媒をインク受容層中の細孔で吸収する必要があるため、インク受容層は適度な細孔半径を有し、細孔容積が大きいことが必要である。
【0005】
さらに、前記のインク吸収性に加えて、インクジェット記録方法が水系のインクを使用するため、画像形成後、水がかかってもインクが滲んだりしないこと(以下、耐水性という)や、記録媒体の表面が鋭利なものに接触して傷がつき、記録物の品質を損なうことがないこと(以下、耐擦傷性という)なども重要となっている。
【0006】
シリカゲルなどのシリカ系材料は、適度な細孔を有するが、一般に、シリカは粒子表面が負に帯電しており、インクジェット方式に用いられるアニオン性解離基を有する直接染料または酸性染料は吸着することができず、耐水性は低い。
【0007】
そこで、特開昭60−257286号公報にはインク受容層中にポリ塩化アルミニウムを含有させる方法が開示されているが、ポリ塩化アルミニウムは水溶性塩であるため、インク受容層中のポリ塩化アルミニウム自身が水に溶解して、インク受容層の表面にピット状の外観欠陥を生じる場合があり、耐水性としては必ずしも充分ではなかった。また、長期間保存した場合には、ポリ塩化アルミニウムがマイグレーションしてインク受容層の細孔を閉塞し、インク吸収性が低下する傾向があった。
【0008】
また、特公昭47−26959号公報には、シリカ表面をアルミナでコーティングして、正に荷電したコロイド状シリカゾルを製造する方法が開示されている。すなわち、ポリ塩化アルミニウムの水溶液に徐々に粒子直径2〜150nmのシリカゾルを添加して、この混合物をpHが一定、すなわち一般に4以下になるまで熟成し、次いで、アルカリを添加することにより混合物のpHを約4.5〜7.0の値まで増加させている。この方法によれば、透明性と安定性に優れた、表面がアルミナでコーティングされたシリカゾルが得られるが、二次凝集粒子を形成してないため、これを乾燥して得られるキセロゲルの細孔容積と細孔半径が小さく、これを用いて形成したインク受容層は、インク吸収性が不充分となる場合があった。
【0009】
擬ベーマイトなどのアルミナ水和物を用いて形成されたインク受容層は、インク吸収性、透明性、耐水性、光沢性などの点で優れているが、耐擦傷性の点で問題があった。これはアルミナ水和物が球状ではないためと推定される。この問題を解決するために、特開平7−76162号公報には、擬ベーマイトからなる多孔質層の上に、厚さ0.1〜30μmのシリカゲル層を設ける方法が開示されているが、このシリカゲル層はインク吸収性を阻害する欠点があり、また工業生産上も2層構造となるため不利である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、インク吸収性、耐水性、耐擦傷性の良好なインク受容層を形成できるシリカアルミナ複合ゾルの製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、インクジェットプリンタ用記録媒体のインク受容層を形成するためのシリカアルミナ複合ゾルの製造方法であって、ケイ酸アルカリと酸とを混合して得られたもの、または、ケイ酸アルカリにシリカの凝集作用を有する塩を添加した後に酸と混合して得られたもの、であるシリカヒドロゲルと、水に溶解したとき液性が酸性を示すアルミニウム塩とを、シリカヒドロゲルに酸性アルミニウム塩を徐々に添加することにより混合した後、溶液中の塩を除去し、酸を添加して解膠するシリカアルミナ複合ゾルの製造方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において、シリカヒドロゲルとしては、ケイ酸アルカリと酸とを混合して得られたもの、または、ケイ酸アルカリにシリカの凝集作用を有する塩を添加した後に酸と混合して得られたもの、が好ましく使用される。
【0013】
ケイ酸アルカリと酸の混合方法としては、特に限定されず、ケイ酸アルカリの水溶液に酸を添加してもよいし、酸にケイ酸アルカリの水溶液を添加してもよいが、混合後のpHは4〜11が好ましい。pHが4より低いか、11より高いと得られるシリカゾルの一次粒子直径が小さくなりすぎて好ましくない。混合後のシリカヒドロゲル中のシリカ濃度としては、20%以下であることが好ましい。シリカ濃度が高すぎると分散性のよいシリカアルミナ複合ゾルが得られない。ケイ酸アルカリのSiO2/Na2Oモル比としては、特に限定されないが、モル比が大きいほどNa2Oを中和するために混合する酸の量が少なくできるので好ましい。
【0014】
シリカヒドロゲルを得る際に、ケイ酸アルカリにシリカの凝集作用を有する塩を添加した後、酸と混合する方法では、塩を添加することにより、シリカゾルの一次粒子が凝集して大きな二次凝集粒子を形成し、平均細孔半径が大きくてインク吸収性に優れるシリカアルミナ複合ゾルが得られる。塩の種類としては、シリカの凝集作用を有するものであれば特に限定されず、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。添加量としては、シリカに対して60%以下であることが好ましい。
【0015】
本発明においては、得られたシリカヒドロゲルを適宜熟成してもよい。この熟成はシリカゾルの一次粒子を成長させるためである。高温で長時間熟成するほどシリカゾルの一次粒子直径は大きくなり、シリカアルミナ複合ゾルの全細孔容積、平均細孔半径、比表面積を調節できる。
【0016】
本発明では、水に溶解したときに液性が酸性になるようなアルミニウム塩(以下、酸性アルミニウム塩という)として、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどの水酸化アルミニウムと強酸との無機酸塩、または酢酸アルミニウムなどの有機酸塩を好適に使用できる。
【0017】
ポリ塩化アルミニウムは、化学式が[Al2(OH)nCl6-n]m(1<n<6、0<m<10)で表される化合物である。例えば多木化学社製のタキバイン#1500やPAC250Aなどの商品名で市販されているものが挙げられる。酸性アルミニウム塩は、適宜水に溶解して、シリカヒドロゲルに混合するのが好ましい。シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩を混合する方法としては、シリカヒドロゲルに酸性アルミニウム塩を徐々に添加すると、この溶液中でも粒子の凝集が起こり、シリカおよびアルミナを含む凝集粒子が形成されるので好ましい。シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩を混合する際には、撹拌して、局所的に濃度が不均一になることを防ぐのが好ましい。
【0018】
シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩を混合する際の温度は、25〜150℃が好ましい。温度が25℃より低い場合は、反応速度が遅くなり、シリカ粒子の表面に充分にアルミナが付着しないおそれがあるので好ましくない。温度が150℃より高い場合は、操作が困難となるので好ましくない。
【0019】
酸性アルミニウム塩の添加量は、シリカアルミナ複合ゾルのゼータ電位が+10mV以上になるだけの添加量とするとよい。ゼータ電位を+10mV以上とすることで、インク中のアニオン系染料の定着性を有し、耐水性に優れたインク受容層を形成できる。シリカヒドロゲル中のシリカの一次粒子の平均粒子直径が2〜200nmの場合は、シリカヒドロゲルの中のSiO2成分100gに対してAl2O3分として1〜900gの酸性アルミニウム塩を添加するのが好ましい。Al2O3の添加量が増すにつれて、凝集粒子のゼータ電位が大きくなる傾向があるが、アルミナの添加量が多すぎると耐擦傷性が低下するので好ましくない。より好ましい範囲は、シリカゾル中のSiO2成分100gに対してAl2O3として5〜400gである。
【0020】
さらに、このシリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩とを混合した溶液を、pH7〜10で熟成することにより凝集化処理を行ってもよい。この凝集化処理によって、シリカアルミナ複合ゾルの平均細孔半径、全細孔容積、比表面積は大きなり、これを用いたインク受容層のインク吸収性を優れたものにできる。
【0021】
シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩とを混合した溶液は、アルカリ金属イオン等の多量の不純物イオンを含有しているので、次の解膠処理に先立って、この不純物イオンを除去し精製することが好ましい。不純物イオンの除去の方法としては、限外濾過膜を用いると効率がよく好ましい。
【0022】
不純物イオンを除去して合成されたシリカアルミナ複合ゾルは、凝集粒子の平均粒子直径が1000nm以下の場合はそのままでもよいが、さらに必要に応じて解膠し、凝集粒子の平均粒子直径を調整してもよい。凝集粒子の平均粒子直径は、超音波分散などにより小さくできる。また、解膠剤を添加するなどして解膠してもよい。解膠剤としては、特に限定されず、塩酸、硝酸、硫酸、アミド硫酸などの無機酸、または酢酸などの有機酸を好適に使用できる。これらの解膠剤は、単独で用いても適宜混合してもよい。
【0023】
本発明で得られるシリカアルミナ複合ゾルは、シリカとアルミナとを含む凝集粒子が水性媒体中に分散したコロイド溶液であって、シリカは一次粒子が球状で一次粒子の平均粒子直径が2〜200nmであり、凝集粒子の平均粒子直径がシリカ一次粒子の平均粒子直径の2倍以上かつ1000nm以下であり、凝集粒子のゼータ電位が+10mV以上であり、溶液のpHが3〜9のシリカアルミナ複合ゾルである。このシリカアルミナ複合ゾルを用いて形成したインク受容層は、シリカの一次粒子が球状であることにより、耐擦傷性に優れ、かつ、凝集粒子のゼータ電位が+10mV以上であることから耐水性に優れている。
【0024】
また、本発明のシリカアルミナ複合ゾルは、ゾルから溶媒を除去して得られるキセロゲルにおいて、比表面積が50m2/g以上、平均細孔半径が10nm以上、かつ、細孔半径1〜100nmについての全細孔容積が0.50cm3/g以上、であるので、このシリカアルミナ複合ゾルを用いて形成したインク受容層は、インク吸収性に優れている。これらの細孔特性は、窒素吸脱着法により測定する。ここで平均細孔半径とは、細孔半径1〜100nmについての全細孔容積をVcm3/g、比表面積をAm2/gとしたときに、2V/A×103(nm)により計算して求めた値である。
【0025】
本発明のシリカアルミナ複合ゾルを、適宜バインダーと混合して得られる塗工液を、基材上および基材中に塗布した後に乾燥することにより、インク吸収性、耐水性、耐擦傷性に優れたインク受容層を有する記録媒体が得られる。本発明のシリカアルミナ複合ゾルは、紙基材中に内填することもできる。
【0026】
シリカアルミナ複合ゾルからインク受容層を形成する場合、バインダーとしては、特に限定されず、でんぷんおよびその変性物、ポリビニルアルコールおよびその変性物、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0027】
インク受容層の基材としては、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂のフィルム、上質紙、合成紙などの紙、布、ガラス、金属、皮革、木材、陶磁器などのセラミックスなどが挙げられる。さらには、本発明以外のベーマイト、シリカゲル、カチオン性樹脂などを含有して形成されたインク受容層の上部または下部に形成してもよい。
【0028】
【実施例】
[例1(実施例)]
容量2000cm3のガラス製反応器に、3号ケイ酸ナトリウム溶液(SiO2濃度24.20質量%、Na2O濃度7.96質量%)661.2gおよびイオン交換水930gを入れ、撹拌しながら、5mol/Lの塩酸336.9gを1hかけてゆっくりと添加した後、80℃に昇温し、80℃で4h撹拌しながら熟成し、シリカヒドロゲルを得た。
【0029】
このシリカヒドロゲル中のシリカの一次粒子直径は6.9nmであった。このシリカヒドロゲルに、ポリ塩化アルミニウム水溶液(アルミニウム濃度がAl2O3に換算して23.6質量%、Cl濃度8.1質量%、塩基度84%、多木化学社製、商品名タキバイン#1500)102gを、約10minかけて徐々に添加した。 添加終了後、さらに1h、撹拌しながら80℃に保持して、シリカヒドロゲルと酸性アルミニウム塩とを混合した溶液を得た。
【0030】
次いで、この反応液を限外濾過装置を用いて、イオン交換水を添加しながら液の量を一定に保ちつつ、濾液の電導度が50μS/cm以下に低下するまで限外濾過することにより精製した。
次いで、この精製した溶液に10質量%濃度のアミド硫酸溶液を添加してpHを4.5としてシリカアルミナ複合ゾルを得た。
【0031】
このゾルについて、後述の方法により各種の評価を行った(他の例においても同様)。このゾルは、凝集粒子の平均粒子直径が289nmに凝集しており、凝集粒子が正に帯電していた。このゾルを乾燥して得られるキセロゲルは、大きな全細孔容積と大きな平均細孔半径を有し、インク受容層の特性である、インク吸収性、耐水性、耐擦傷性において優れた性能を示した。
【0032】
[例2(実施例)]
3号ケイ酸ナトリウムとイオン交換水の混合液に塩化ナトリウム粉末48gを添加し、30min撹拌して塩化ナトリウム粉末を溶解した後、5mol/Lの塩酸を加えた以外は、例1と同様の方法でシリカアルミナ複合ゾルを得た。シリカヒドロゲル中のシリカの一次粒子直径は7.0nmであった。
【0033】
得られたシリカアルミナ複合ゾルは、凝集粒子の平均粒子直径が404nmに凝集しており、凝集粒子が正に帯電していた。このゾルを乾燥して得られるキセロゲルは、大きな全細孔容積と大きな平均細孔半径を有し、インク受容層の特性である、インク吸収性、耐水性、耐擦傷性において優れた性能を示した。
【0034】
[例3(比較例)]
容量2000cm3のガラス製反応器に、一次粒子の平均粒子直径17nmの球状シリカ一次粒子が分散したシリカゾル(SiO2濃度40.4質量%、Na2O濃度0.41質量%、触媒化成工業社製、商品名カタロイドSI−40)198.0gおよびイオン交換水1402gを入れ、80℃に昇温した。80℃になったところで、撹拌しながら、例1で使用したポリ塩化アルミニウム水溶液85.9gを、約10minかけて徐々に添加した。添加終了後、さらに1h、撹拌しながら80℃に保持した。この反応液を限外濾過装置を用いて、イオン交換水を添加しながら液の量を一定に保ちつつ、濾液の電導度が50μS/cm以下に低下するまで限外濾過することにより精製し、シリカアルミナ複合ゾルを得た。このゾルについて例1と同様な評価を行った。
【0035】
[ゾルの物性測定]
以上において、ゾルの物性は次のようにして測定した。シリカヒドロゲル中のシリカの一次粒子直径は、まず、Anal.Chem.,28(12),1981(1956)にSearsにより開示された方法に従って水酸化ナトリウムによる滴定によって比表面積を求め、次いでD=6000/A・dにより算出した。ここでDはシリカゾルの粒子直径(nm)、Aは比表面積(m2/g)、dは密度(2.2g/cm3)である。
【0036】
ゾル濃度は、ゾルを140℃で恒量になるまで乾燥し、乾燥前後の重量差より求めた。pHは、東亜電波社製のpHメーターHM−12Pを用いて調べた。ゼータ電位は、大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて調べた。凝集粒子の平均粒子直径は、大塚電子製のレーザー散乱粒度計PAR−IIIを用いて調べた。
【0037】
【表1】
【0038】
[キセロゲルの物性測定]
例1〜例3のゾルを、140℃で恒量になるまで乾燥して、キセロゲルの粉末を得た。この粉末を120℃で1.33Paで2h真空脱気した後、窒素吸脱着装置(カンタクローム社製、商品名オートソーブ3B型)を用いて、比表面積、全細孔容積、平均細孔半径を測定した。平均細孔半径は2V/A×103で計算した値である。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
[インク受容層の特性評価]
例1〜例3のゾルに、ポリビニルアルコール水溶液(クラレ社製、商品名MA26GP)を固形分比が100:30となる割合で混合して塗工液とし、厚さ170μm、坪量165g/m2の紙の基材上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにバーコーターを用いて塗工後、70℃で15分乾燥してインクジェット用記録シート作製した。このインク受容層の特性を次の方法で調べた。
【0041】
インク吸収性:セイコーエプソン社製のカラープリンターPM−750Cを用いてブラック、シアン、マゼンタ、イエローの100%ベタを印字し、吸収性不足によるビーディングがないものを○、ビーディングがあるものを×とした。
【0042】
耐水性:上記の印字部にピペットで水滴を垂らし、インクが滲まなかったものを○、滲んだものを×とした。
【0043】
耐擦傷性:特開平7−76162号公報に開示されている方法、すなわちスガ試験機社製の摩擦試験機を用いて、インク受容層の表面に200gの荷重で木綿のガーゼを押し付けて100回摩擦試験を行った後、表面を目視で観察し、傷が無い場合を耐擦傷性が良好と判断して○とし、傷が生じた場合を×とした。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】
本発明のシリカアルミナ複合ゾルを適宜バインダーと混合して塗工液とし、これを基材上および基材中に塗工して乾燥させると、インク吸収性、耐水性、耐擦傷性の良好なインク受容層が形成できる。このようにして得られるインク受容層は、インクジェットプリンタ用の記録媒体として好適である。
Claims (3)
- インクジェットプリンタ用記録媒体のインク受容層を形成するためのシリカアルミナ複合ゾルの製造方法であって、ケイ酸アルカリと酸とを混合して得られたもの、または、ケイ酸アルカリにシリカの凝集作用を有する塩を添加した後に酸と混合して得られたもの、であるシリカヒドロゲルと、水に溶解したとき液性が酸性を示すアルミニウム塩とを、シリカヒドロゲルに酸性アルミニウム塩を徐々に添加することにより混合した後、溶液中の塩を除去し、酸を添加して解膠するシリカアルミナ複合ゾルの製造方法。
- シリカアルミナ複合ゾルが、シリカとアルミナとを含む凝集粒子を水性媒体中に分散したコロイド溶液であって、シリカは一次粒子が球状で一次粒子の平均粒子直径が2〜200nmであり、凝集粒子の平均粒子直径がシリカ一次粒子の平均粒子直径の2倍以上かつ1000nm以下であり、凝集粒子のゼータ電位が+10mV以上であって、溶液のpHが3〜9である請求項1記載のシリカアルミナ複合ゾルの製造方法。
- 前記複合ゾルから溶媒を除去して得られるキセロゲルにおいて、比表面積が50m2/g以上、平均細孔半径が10nm以上、かつ、細孔半径1〜100nmについての全細孔容積が0.50cm3/g以上、である請求項1または2記載のシリカアルミナ複合ゾルの製造方法。
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