JP2001064533A - 多孔質微粒子とその製造方法およびインク - Google Patents

多孔質微粒子とその製造方法およびインク

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JP2001064533A
JP2001064533A JP24170499A JP24170499A JP2001064533A JP 2001064533 A JP2001064533 A JP 2001064533A JP 24170499 A JP24170499 A JP 24170499A JP 24170499 A JP24170499 A JP 24170499A JP 2001064533 A JP2001064533 A JP 2001064533A
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fine particles
silica
dye
porous fine
coating layer
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JP24170499A
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English (en)
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Mitsuru Nakai
満 中井
Hiroyasu Nishida
広泰 西田
Michio Komatsu
通郎 小松
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク成分として用いたとき、ノズル詰
りを起こさず、熱的安定性に優れ、耐水性および耐候性
に優れる。 【解決手段】 この多孔質微粒子は、細孔表面にアミノ
基置換炭化水素基を有し、染料を吸蔵している。吸蔵と
は、アミノ基等の有機基に染料が化学吸着または物理吸
着されるに止まらず、アミノ基等の親和力によって多孔
質微粒子内に保持される状態を意味する。微粒子の平均
粒子径は5〜300nmである。前記微粒子はシリカと
シリカ以外の無機酸化物からなり、シリカをSiO2
表し、シリカ以外の無機酸化物をMOX で表したときの
モル比MOX /SiO2 は0.0001〜0. 2であ
る。前記微粒子1g中のアミノ基の量は1〜15mmo
lであり、染料の吸蔵量は0. 017〜0. 5gであ
る。本発明のインクは、前記多孔質微粒子を1〜30重
量%含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料を吸蔵した多
孔質微粒子とその製造方法、および該微粒子を含むイン
クに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、パソコン用のプリンターとし
て、従来、ドットプリンター、熱転写型プリンター等が
用いられているが、近年パソコンの普及に伴い手頃なア
ウトプットデバイスとして微細なノズルからインクを噴
射して印刷するインクジェットプリンターが汎用される
ようになっている。インクジェットプリンターには、帯
電制御型、加圧振動型などの連続方式と、電気−機械変
換方式、電気−熱変換方式および静電吸引式などのオン
デマンド方式がある。インクジェットインクとしては主
に水溶性のインクで、着色剤として直接染料、酸性染料
が用いられている。当該インクは、前記した方式によっ
ても異なるが、均一な液滴を形成できること、記録濃度
が高いこと、浸透乾燥速度が早いこと、褪色が少ないこ
と(即ち、耐候性・耐環境性、耐光性に優れること)、
長期保存安定性、ノズル詰りを起こさず吐出安定性に優
れること、などが求められている。さらに色再現性、鮮
明性、印刷後の吸湿などによる染料の溶出が無いこと、
即ち、耐水性に優れることなどが要求されている。この
ような問題点を解決するために本願発明者等は、染料を
包含した無機酸化物および/または水酸化物微粒子を含
有するインクジェットプリンター用インクを開示してい
る(特開平8−309198号公報)。該インクは上記
各種性能を満足するものの耐水性等の点で必ずしも充分
とは言えず、さらなる改良が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インク成分
として用いたとき、ノズル詰りを起こさず、熱的安定性
に優れ、耐水性および耐候性に優れた多孔質微粒子とそ
の製造方法を提供することを目的としている。また、本
発明は特にインクジェットプリンター用インクとして好
適に使用できるインクを提供することを目的としてい
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の多孔質微粒子
は、細孔表面にアミノ基置換炭化水素基を有し、染料を
吸蔵してなり、平均粒子径が5〜300nmであること
を特徴とする。前記微粒子はシリカとシリカ以外の無機
酸化物からなり、シリカをSiO2 で表し、シリカ以外
の無機酸化物をMOX で表したときのモル比MOX /S
iO2が0. 0001〜0. 2であることが好ましい。
前記微粒子1g中のアミノ基の量が1〜15mmolで
あり、染料の吸蔵量が0. 017〜0. 5gであること
が好ましい。前記微粒子の表面に厚さ0. 5〜20nm
のシリカ系被覆層が形成されてなることが好ましい。前
記微粒子の表面に厚さ0. 1〜10nmの紫外線遮蔽性
の被覆層が形成されてなることが好ましい。本発明のイ
ンクは、前記いずれかの多孔質微粒子を1〜30重量%
含んでなることを特徴とするものである。
【0005】本発明の多孔質微粒子の製造方法は、下記
の工程(a)〜工程(c)からなることを特徴とする。 (a)珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、
〔化3〕で表される有機珪素化合物および/またはその
加水分解物と、アルカリ可溶の無機化合物水溶液とを、
pH10以上のアルカリ水溶液または、必要に応じて種
粒子が分散したpH10以上のアルカリ水溶液中に、同
時に添加して核粒子を調製する工程 (b)前記核粒子の分散液に染料を添加する工程 (c)前記染料を添加した分散液に酸を加え、核粒子を
構成する元素から、珪素と酸素以外の元素の少なくとも
一部を選択的に除去して多孔質微粒子を得る工程
【0006】
【化3】Rn R' m SiX4-(n+m) 〔但し、R:アミノ基置換炭化水素基、R' :炭素数1
〜10の非置換または置換炭化水素基、 X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロ
ゲン、水素、 n:1〜3、m:0〜2、n+m=1〜3、の整数〕
【0007】前記工程(b)において染料と共にシリカ
源またはシリカ源とシリカ以外の無機化合物塩の水溶液
とを添加して、核粒子に第1シリカ系被覆層を形成する
ことが好ましい。前記第1シリカ系被覆層を形成した多
孔質微粒子の分散液に、アルカリ水溶液と、〔化4〕で
表される有機珪素化合物および/またはその部分加水分
解物とを添加し、該微粒子に第2シリカ被覆層を形成す
ることが好ましい。
【0008】
【化4】Rn SiX(4-n) 〔但し、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水
素基、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール
基、ハロゲンまたは水素、n:0〜3の整数〕
【0009】前記第2シリカ被覆層を形成した多孔質微
粒子の分散液を、50℃〜350℃で加熱処理し、第2
シリカ被覆層の細孔を消失させることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。 (1)多孔質微粒子 本発明の多孔質微粒子は、シリカとシリカ以外の無機酸
化物からなる複合酸化物微粒子である。シリカ以外の無
機酸化物としては、周期表の3A族、3B族、4A族、
4B族、5A族、5B族、6A族の金属または非金属の
元素の酸化物を挙げることができ、具体的には、Al2
3 、B2 3 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、Ce
2 3 、P2 5 、Sb2 3 、MoO3 、WO3 等が
あり、また、複合酸化物としては、TiO2 −Al2
3 、TiO2 −ZrO2 等を例示することができる。多
孔質微粒子は、シリカ以外の無機酸化物をMOX で表し
たときのシリカに対するモル比MOX /SiO2 が0.
0001〜0. 2の範囲にあることが好ましい。モル比
が0. 0001未満の場合は多孔質とならず、後述する
染料の吸蔵が不十分となる。また、モル比が0. 2を越
えるとシリカが少ないために、シリカに伴って導入され
る有機基およびアミノ基の含有量が少なくなり、染料の
吸蔵量が少なくなるとともに染料の吸着力が低下して安
定性、定着性が低下し、インクとして用いた場合に耐水
性が低下する原因となり易い。なお、多孔質微粒子は一
部にOH基を有するシリカとシリカ以外の無機水酸化物
であってもよい。
【0011】本発明の多孔質微粒子は、珪素の一部に有
機基が直接結合している。このような有機基として、炭
素数1〜10の非置換または置換炭化水素基があり、炭
化水素基、炭化ハロゲン基、エポキシアルキル基、アミ
ノアルキル基、メタクリルアルキル基、メルカプトアル
キル基などを挙げることができる。具体的には、メチル
基、フェニル基、イソブチル基、ビニル基、トリフルオ
ロプロピル基、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)
基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシ
プロピル基、γ−メルカプトプロピル基の他、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピル基、γ−アミノプ
ロピル、N−フェニル−γ−アミノプロピル基などを挙
げることができる。上記有機基のなかでは、アミノ基置
換炭化水素基が好ましく、具体的にはアミノプロピル
基、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピル基、γ
−アミノプロピル基、N−フェニル−γ−アミノプロピ
ル基等が挙げられる。従って、本発明の好適な多孔質微
粒子は、細孔表面にアミノ基置換炭化水素基を有してお
り、このようなアミノ基はカチオン性のために染料との
親和性が高く、インク成分として使用した場合の耐水性
に優れる。
【0012】上記アミノ基は、多孔質微粒子1g中に1
〜15mmol含有することが好ましい。アミノ基の量
が1mmol/g未満の場合は染料の安定性、定着性が
低下するとともに染料の吸蔵量も低下し、印刷用インク
として用いても印刷基材、記録用基材によっては耐水性
が低下し、鮮明に印刷、記録できないことがある。他
方、アミノ基の量が15mmol/gを越えるとアミノ
基置換炭化水素基の量が多過ぎてシリカ骨格(−Si−
O−Si−)の形成が少なくなり、粒子の強度が低下す
る場合がある。
【0013】本発明の多孔質微粒子は前記アミノ基およ
び/または有機基を介して染料を吸蔵している。なお、
本発明において吸蔵とは、アミノ基等の有機基に化学吸
着または物理吸着されるに止まらず、アミノ基等の親和
力によって多孔質微粒子内に保持される状態を意味す
る。染料としては、染色的用途別の分類における直接染
料、酸性染料、塩基性染料を用いることができるが、本
発明では直接染料、酸性染料が好適に用いられる。ま
た、別の分類である発色団または色原体に基づく化学構
造による分類によれば、アゾ染料、アントラキノン染
料、フタロシアニン染料、インジゴ染料、カルボニウム
染料、ニトロ染料、キノリン染料、ナフトキノン染料な
どを用いることができる。また別の分類によれば、ブラ
ック系、イエロー系、マゼンタ系、シアン系等、水その
他の溶剤に可溶の染料を用いることができる。具体的に
は、アシッド・イエロー、アシッド・レッド、アシッド
・ブルー、アシッド・ブラック、フード・イエロー、フ
ード・レッド、フード・ブラック、ダイレクト・イエロ
ー、ダイレクト・レッド、ダイレクト・オレンジ、ダイ
レクト・ブルー、ダイレクト・ブラック、ベーシック・
イエロー、ベーシック・レッド、ベーシック・ブルー、
ベーシック・ブラック、ベーシック・グリーン、リアク
ティブ・ブラック、リアクティブ・イエロー、リアクテ
ィブ・レッド、リアクティブ・ブルー、モーダント・ブ
ルー、モーダント・レッド等の染料が挙げられる。
【0014】上記染料の吸蔵量は多孔質微粒子1g中に
0. 017〜0. 5gの範囲にあることが好ましく、
0. 1〜0. 5gの範囲が特に好ましい。上記染料は、
有機基やアミノ基と染料(分子)との親和性に基づいて
多孔質微粒子に吸蔵され、吸蔵量が0. 017g未満で
は印刷用インクとして用いても印刷基材、記録用基材に
よっては鮮明に印刷、記録できない、即ち、着色効果が
不充分となる。また、吸蔵量が0.5gを越えても印
刷、記録性能の向上は認められず、逆に多孔質微粒子と
の親和性の低い染料が増加するために耐水性が低下し易
い。
【0015】本発明の多孔質微粒子の表面には、シリカ
系被覆層が形成されていることが好ましい。該シリカ系
被覆層は厚さ0. 5〜10nmの第1シリカ系被覆層
と、必要に応じて設けられる厚さ0. 5〜10nmの第
2シリカ被覆層とからなっている。第1シリカ系被覆層
において、厚さが0. 5nm未満の場合は後述する核粒
子からシリカ以外の無機酸化物を除去して多孔質化する
際に粒子形状を保持しにくく、10nmを越えるとシリ
カ系被覆層の割合が高くなり、染料の含有量が低下する
ことによって着色効果が不充分となり易い。第2シリカ
被覆層において、厚さが0. 5nm未満の場合は粒子内
部に染料を完全に密閉した粒子を得ることができず、1
0nmを越えるとシリカ被覆層の割合が高くなるだけで
あり、このため染料の含有量が低下することによって着
色効果が不充分となる。また、第2シリカ被覆層は、耐
水性の点から、染料が粒子外にでない程度に緻密な膜で
あることが好ましい。第1シリカ系被覆層の厚さと第2
シリカ被覆層の厚さの合計値は20nm以下であること
が好ましい。20nmを越えると染料の含有量が低下す
ることによって着色効果が不充分となり易く、充分な着
色効果を得ようとすると微粒子の含有量を増加させる必
要があるが、この場合インクの粘性が高くなることによ
るノズルの詰まり、微粒子によるノズルの摩耗の原因と
なる。
【0016】本発明の多孔質微粒子の最外表面には、紫
外線遮蔽性の被覆層が形成されていることが好ましい。
該紫外線遮蔽性の被覆層は、酸化亜鉛、酸化セリウム、
酸化錫、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の酸化物およ
びこれらの複合酸化物、水酸化鉄等の水酸化物からなる
群から選ばれた1種または2種以上を使用することが好
ましい。該紫外線遮蔽性の被覆層の厚さは、0. 1〜1
0nm、特に、0. 2〜5nmであることが好ましい。
厚さが0. 1nm未満の場合は紫外線遮蔽効果あるいは
耐紫外線、耐酸化性ガス、耐酸性ガスといった耐候性が
充分得られず、他方、10nmを越えてもさらに耐候性
等が向上することもなく、シリカ系被覆層の場合と同様
に被覆層の割合が高くなり染料の含有量が低下すること
によって着色効果が不充分となる。
【0017】本発明の多孔質微粒子の平均粒子径は、5
〜300nm、特に、5〜200nmであることが好ま
しい。平均粒子径が5nm未満だと細孔容積の大きな多
孔質微粒子を得にくく、染料の吸蔵量の高い微粒子を得
ることが困難となり、このため着色力が不十分となる。
平均粒子径が300nmを超えるとインクジェット用ノ
ズルの目詰まりを惹起し易く、またインクの不使用時あ
るいは保存時に微粒子が沈降することがある。また、印
刷基材(記録用シート)によっては受容層に吸収できな
いために密着性が低下したり、透明感が失われることが
ある。
【0018】(2)多孔質微粒子の製造方法 本発明に係る多孔質微粒子の製造方法は、前記した工程
(a)、工程(b)、工程(c)からなる。以下、順次
説明する。工程(a )〔核粒子の調製〕 工程(a)で用いる珪酸塩としては、アルカリ金属珪酸
塩、アンモニウム珪酸塩および有機塩基の珪酸塩から選
ばれる1種または2種以上の珪酸塩が好ましく用いられ
る。アルカリ金属珪酸塩としては、珪酸ナトリウム(水
ガラス)や珪酸カリウムが、有機塩基としては、テトラ
エチルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミンなどのアミン類を挙げることができ、アンモ
ニウムの珪酸塩または有機塩基の珪酸塩には、珪酸液に
アンモニア、第4級アンモニウム水酸化物、アミン化合
物などを添加したアルカリ性溶液も含まれる。
【0019】酸性珪酸液としては、珪酸アルカリ水溶液
を陽イオン交換樹脂で処理すること等によって、アルカ
リを除去して得られる珪酸液を用いることができ、特
に、pH2〜pH4、SiO2 濃度が約7重量%以下の
酸性珪酸液が好ましい。また、前記〔化3〕に示す有機
珪素化合物としては、具体的に、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げる
ことができる。また、メチルトリメトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシ
シラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキ
シ)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメ
トキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロ
ピルジメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
トリプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラ
ン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、
トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、
ジフェニルジクロロシラン、ビニルトリクロルシラン、
トリメチルブロモシラン、ジエチルシラン等も挙げるこ
とができる。(アミノ基含有物とそれ以外を分けまし
た。)上記有機珪素化合物は予め加水分解しておくこと
により、反応系に均一に混合できるようにすることが好
ましい。加水分解には、これら有機珪素化合物の加水分
解法として周知の方法を採用することができる。加水分
解触媒として、アルカリ金属の水酸化物や、アンモニア
水、アミン等の塩基性のものを用いた場合、加水分解後
これらの塩基性触媒を除去して、酸性溶液にして用いる
こともできる。また、有機酸や無機酸などの酸性触媒を
用いて加水分解物を調製した場合、加水分解後、イオン
交換等によって酸性触媒を除去することが好ましい。な
お、得られた有機珪素化合物の加水分解物は、水溶液ま
たは水分散体の形態で使用することが望ましい。ここで
水溶液とは加水分解物がゲルとして白濁した状態になく
透明性を有していることを意味する。
【0020】無機酸化物の原料としては、アルカリ可溶
の無機化合物を用いることが好ましく、前記した金属ま
たは非金属のオキソ酸のアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩、アンモニウム塩、第4級アンモニウム塩を
挙げることができ、より具体的には、アルミン酸ナトリ
ウム、四硼酸ナトリウム、炭酸ジルコニルアンモニウ
ム、アンチモン酸カリウム、錫酸カリウム、アルミノ珪
酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、硝酸セリウム
アンモニウム、燐酸ナトリウム等が好ましい。核粒子を
調製するためには、予め、前記無機化合物のアルカリ水
溶液を個別に調製するか、または、混合水溶液を調製し
ておき、この水溶液を目的とする複合酸化物の複合割合
に応じて、pH10以上のアルカリ水溶液中に攪拌しな
がら徐々に添加する。
【0021】アルカリ水溶液中に添加するシリカ原料、
有機珪素化合物および無機酸化物の添加割合は、シリカ
成分をSiO2 で表し、シリカ以外の無機酸化物をMO
X で表したときのモル比MOX /SiO2 が0. 05〜
2. 0の範囲となるようにすることが好ましい。モル比
MOX /SiO2 が0. 05未満では最終的に得られる
多孔質微粒子が充分多孔質とならず、染料を充分吸蔵し
た粒子が得られないことがあるので好ましくない。ま
た、モル比MOX /SiO2 が2. 0を越えると、後の
工程(c)で珪素と酸素以外の元素の少なくとも一部を
選択的に除去してもさらに多孔質となることもなく、粒
子形状を維持しにくくなる。また、前記シリカ成分Si
2 中の有機珪素化合物に由来するシリカは全SiO2
の30重量%以上、特に、50重量%以上であることが
好ましい。30重量%未満では、最終的に得られる多孔
質微粒子中の有機基、アミノ基の量が少な過ぎて耐水性
および印刷特性に優れたインク用の微粒子が得難いから
である。
【0022】本発明に係る製造方法では、上記核粒子を
調製する際に、シリカまたはシリカ以外の無機酸化物、
あるいはこれらの複合酸化物からなるシード粒子を分散
させて用いることもできる。この方法は、これらの無機
酸化物微粒子をシード粒子として所定の粒径まで粒子成
長させる方法であり、均一な粒子径分布を有する複合酸
化物粒子を得ることができる。また、シード粒子の粒子
径あるいは分散濃度などを調節することによって得られ
る粒子の粒子径をコントロールすることが容易になる。
シード粒子としての無機酸化物には、特に制限はなく、
SiO2 、Al2 3、TiO2 またはZrO2 など従
来公知の無機酸化物またはこれらの複合酸化物の微粒子
が用いられ、通常、これらのゾルを用いることが好まし
い。
【0023】工程(b)〔染料の添加〕 前記した染料を用いることができる。工程(c )〔元素の選択的除去〕 前記工程(b)で得た分散液に酸を加え、核粒子を構成
する元素から、珪素と酸素以外の元素の少なくとも一部
を選択的に除去することにより多孔質化させ、核粒子の
細孔容積を増加させる。具体的な除去方法としては、核
粒子の分散液に鉱酸や有機酸を添加することによって溶
解除去したり、あるいは陽イオン交換樹脂と接触させて
イオン交換除去する。元素を選択的に除去した後のモル
比MOX /SiO2 は、0. 001〜0. 2とすること
が好ましい。元素を選択的に除去した後の分散液は、限
外濾過等の公知の洗浄方法により洗浄することができ
る。この場合は、予め分散液中のアルカリ金属イオン、
アルカリ土類金属イオンおよびアンモニウムイオン等の
一部を除去した後に限外濾過すれば、分散安定性の高い
微粒子が分散したゾルが得られる。なお、必要に応じて
有機溶媒置換することによって有機溶媒分散ゾルを得る
ことができる。
【0024】本発明に係る多孔質微粒子の第2の製造方
法では、前記工程(b)において染料と共にシリカ源ま
たはシリカ源とシリカ以外の無機化合物塩の水溶液とを
添加して、前記核粒子に第1シリカ系被覆層を形成す
る。添加するシリカ原料としては、シリカのアルカリ金
属塩(水ガラス)を脱アルカリして得られる珪酸液が特
に好ましい。核粒子の分散媒が水単独、または有機溶媒
に対する水の比率が高い場合には、珪酸液による被覆処
理も可能である。珪酸液を用いる場合には、分散液中に
珪酸液を所定量添加し、同時にアルカリを加えて珪酸液
を核粒子表面に沈着させる。
【0025】シリカ原料として、加水分解性の有機珪素
化合物および/またはその部分加水分解物も使用するこ
とができる。加水分解性の有機珪素化合物としては、前
記〔化4〕で表されるアルコキシシラン、特に、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプ
ロポキシシランなどのテトラアルコキシシランが好まし
い。なお、〔化4〕において、n=0の有機珪素化合物
を用いる場合はそのまま用いることができるが、n=1
〜3の有機珪素化合物を用いる場合は、工程(a)と同
様に予め加水分解した部分加水分解物を用いることが好
ましい。添加方法としては、これらのアルコキシシラン
および/または部分加水分解物、純水、およびアルコー
ルの混合溶液に触媒としての少量のアルカリまたは酸を
添加した溶液を、前記核粒子分散液に加え、アルコキシ
シランを加水分解して生成した珪酸重合物を核粒子表面
に沈着させる。このとき、アルコキシシラン、アルコー
ル、触媒を同時に分散液中に添加してもよい。アルカリ
触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、
アミン類を用いることができる。また、酸触媒として
は、各種の無機酸と有機酸を用いることができる。な
お、アルコキシシランと前記珪酸液を併用して被覆処理
を行うこともできる。
【0026】次に、シリカとシリカ以外の無機酸化物か
らなる第1被覆層を形成するには、上記シリカ被覆層を
形成する工程において、シリカ以外の無機酸化物源を添
加すればよい。当該無機酸化物源はシリカ源の添加前ま
たは添加後でもよいが、同時添加が好ましい。このとき
の添加比率はシリカ以外の無機酸化物のシリカに対する
モル比が2. 0以下であることが好ましい。モル比が
2. 0を越えると、次の工程で核粒子中のシリカ以外の
成分の一部を除去する際に粒子形状の維持が困難とな
る。第1シリカ系被覆層の厚さについては前記した通り
であり、所定の層厚となるように、シリカ源およびシリ
カ以外の酸化物成分を添加する。
【0027】本発明に係る多孔質微粒子の第3の製造方
法では、さらに第2シリカ被覆層の形成工程が付加され
る。第2シリカ被覆層のシリカ源としては、第1シリカ
系被覆層のシリカ源である〔化4〕に示す有機珪素化合
物および/またはその部分加水分解物を用い、同じ方法
により被覆層を形成することができる。本発明に係る多
孔質微粒子の第4の製造方法では、さらに加熱処理工程
が付加される。即ち、第2シリカ被覆層を形成した多孔
質微粒子の分散液に、必要に応じてアルカリ水溶液を添
加して分散液のpHを好ましくは8〜13の範囲に調整
し、加熱処理する。このときの加熱処理温度は約50〜
350℃の範囲、特に100〜300℃の範囲が好まし
い。この加熱処理によって、核粒子の多孔性を維持した
まま、シリカ系被覆層、特に第2シリカ被覆層の細孔を
消失させることができ、多孔質核粒子に吸蔵された染料
がシリカ系被覆層により密閉された多孔質微粒子を得る
ことができる。なお、加熱処理に際しては、多孔質微粒
子の分散液を濃縮あるいは希釈して処理することができ
る。また、最後に、工程(c)の洗浄方法と同様にし
て、加熱処理した分散液の洗浄を行ってもよい。
【0028】本発明に係る多孔質微粒子の第5の製造方
法では、さらに紫外線遮蔽性を有する被覆層の形成工程
が付加される。該紫外線遮蔽性の被覆層の原料には、T
i、Zr、Sn、Zn、Ce、Feからなる群から選ば
れる1種または2種以上の無機化合物塩水溶液または金
属アルコキシドおよび/または金属アルコキシドの部分
加水分解物を用いることができる。無機化合物塩として
は塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩などが挙げられ、
金属アルコキシドとしては、Ti(OCH3 4 、Ti
(OC2 5 4 、Ti(i−OC3 7 ) 4 、Ti
(t−OC4 9 ) 4 、Zr(OCH3 4 、Zr(O
2 5 4 、Zr(i−OC3 7 ) 4 、Zr(t−
OC4 9 ) 4 等が挙げられる。該被覆層の原料は、前
記加熱処理後の、好ましくは後続する洗浄後の微粒子分
散液に所定量添加し、同時に加水分解触媒として酸また
はアルカリを加えて微粒子表面に沈着させる。アルカリ
触媒としては、アンモニア、アルカリ金属の水酸化物、
アミン類を用いることができる。また、酸触媒として
は、各種の無機酸、あるいは有機酸を用いることができ
る。勿論、工程(c)の洗浄方法と同様にして、該被覆
層を形成した分散液の洗浄を行ってもよい。
【0029】(3)インク 本発明に係るインクは、(1)で説明した多孔質微粒子
が、着色剤として、水および/または有機溶媒に分散し
たものであり、水を分散媒とした水性インクや、ケト
ン、低級アルコール、カルボン酸エステル、などの有機
溶媒に分散させた油性インクとして用いられる。インク
中の多孔質微粒子の含有量は、該微粒子に吸蔵された染
料の種類および量によっても異なるが、インク中の染料
の含有量として0. 5〜15重量%の範囲となるように
含まれていることが好ましい。また、該微粒子の含有量
としては1〜30重量%の範囲にあることが好ましい。
微粒子の含有量が1重量%未満の場合は着色が不充分と
なり、30重量%を越えるとインクの粘度が高すぎてノ
ズルの目詰まり原因となることがある。
【0030】水性インクにあっては、さらに乾燥防止剤
として吸湿性の有機化合物または無機化合物を配合す
る。有機系の吸湿剤は塩析効果による凝集が起きないの
で好ましく、具体的には、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール
類、N−メチル−2−ピロリドンのようなピロリドン類
を挙げることができる。また、乳酸ナトリウムやジメチ
ルスルホキシドなどを用いることもできる。また、浸透
速度を高めて浸透乾燥速度を早めるために浸透剤を用い
てもよい。浸透剤としては苛性カリなどの強塩基性物
質、陰イオン性あるいは陽イオン性、非イオン性の界面
活性剤、グリコールエーテル類などの有機溶剤(水性有
機溶剤)、エタノール、イソプロピルアルコールなどの
低沸点水性有機溶剤を挙げることができる。
【0031】また、pH調整剤として無機系、有機系の
アルカリまたは無機系、有機系の酸を用いることもで
き、具体的には、アルカリとして水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、ジエタノールアミン、酸として燐酸、硫酸
アンモニウム、グリコール酸等を挙げることができる。
さらに、防腐防黴剤として安息香酸ナトリウム、ソルビ
ン酸カリウム、サイアベンダゾールなどの化合物を用い
ることもできる。また、分散剤として、界面活性を示す
水溶性の高分子分散剤を用いることができ、好ましい分
散剤としては疎水性ブロックと親水性ブロックからなる
共重合体がある。必要に応じて、ノズル詰まり防止用キ
レート化剤、脱酸素剤、消泡剤、導電性付与剤を添加し
て用いることもできる。油性インクにあっては、更にバ
インダーとしてフェノール樹脂、アクリル樹脂、マレイ
ン酸樹脂、ロジン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂などの熱可塑性樹脂を配合し、更に分散
剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤の他、インクの
抵抗値を下げるための導電性付与剤を用いることもでき
る。
【0032】
〔実施例1〕
1.多孔質微粒子分散液の調製 (核粒子分散液の調製)γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン36. 1gを0.65重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液1444.4gに混合し室温で1時間撹拌し
て、NH2 CH3 6 SiO3/2 として1.5重量%の無
色透明な部分加水分解物の水溶液を得た。次いで、種粒
子として平均粒径5nm、SiO2 濃度20重量%のシ
リカゾル20gと純水380gの混合物を80℃に加温
した。この反応母液のpHは10.5であり、同母液に
SiO2 として1.5重量%の珪酸ナトリウム水溶液9
00gと、上記部分加水分解物の水溶液900gと、A
2 3 として濃度0.5重量%のアルミン酸ナトリウ
ム水溶液1800gとを6時間かけて同時に添加した。
その間、反応液の温度を80℃に保持した。添加終了
後、反応液を室温まで冷却し、限外濾過膜で洗浄して固
形分濃度20重量%のγ−アミノプロピル基含有SiO
2 ・Al2 3 複合酸化物微粒子(核粒子)の分散液
(A)を得た。
【0033】(多孔質微粒子分散液の調製)核粒子分散
液(A)250gに、純水4750g、マゼンタ系染料
(SolventRed 145 、住友化学(株)製、Sumiplast Red
3B)50gを加え、しばらく撹拌した後、濃塩酸(濃
度35. 5重量%)を滴下してpH1.0とし、染料の
吸蔵と脱アルミニウム処理を行った。ついで、pH3の
塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜を
用いて溶解したアルミニウム塩を洗浄除去すると共に、
濃縮して固形分濃度20重量%の染料を吸蔵したγ−ア
ミノプロピル基含有SiO2 ・Al2 3 複合酸化物微
粒子の分散液(B)を得た。
【0034】(染料含有量、有機基量およびアミノ基量
の測定)微粒子中の染料含有量については、先ず染料濃
度既知の濃度の異なる染料水溶液(インク)で印刷を行
い、カラー反射濃度計(日本電色工業(株)製:KRD
−2200)により反射濃度を測定し、染料濃度と反射
濃度の関係(検量線)を求めた。次に、調製した染料含
有微粒子を使用したインクを用いて印刷し、同様に反射
濃度を測定し、前記検量線から染料濃度を求め、これよ
り微粒子中の染料含有量を算出した。結果を〔表1〕に
示した。微粒子中の有機基の量については、使用した
〔化3〕および〔化4〕中の有機基に直接結合した珪素
原子を有する有機化合物の量、全シリカの量と粒子の化
学分析値から、計算によって求めた。なお、シリカは溶
解度が低いので、シリカ収率(利用率)を100%とし
た。アミノ基量については、微粒子中のシリカおよびシ
リカ以外の無機酸化物の量を化学分析により求め、使用
した全シリカ(珪素)中の〔化3〕に由来するシリカ
(珪素)の割合から、微粒子中の〔化3〕に由来するシ
リカ(珪素)量を求め、これと等モルのアミノ基の量と
して計算によって求めた。
【0035】2.インクの調製 インク100重量部中の染料が2重量部となるように、
〔表1〕に示す量の微粒子分散液、エチレングリコール
(EG)、水を混合してインクを調製した。 3.印刷および評価 インクジェットプリンター(エプソン(株)製、MJ−50
0C)を使用し、各インクを用い、インク受容体を塗布し
たポリエステルフィルム上に印刷した。次いで、フィル
ム上に印字したサンプルについて、以下の評価を行っ
た。評価結果を〔表1〕に示す。
【0036】(1)耐候性 デユーサイクル・サンシャイン・スーパーロングライフ
・ウエザーメータ「WEL −SUN −DC」(スガ試験機
(株)製)を使用し、降雨なしで240時間の暴露時間
の条件で、テストを行った。評価は以下の通りである。 ◎:非常によい(240時間後に褪色が全く認められな
かった。) ○:良い(240時間後に褪色が僅かに認められた。) △:普通(240時間後に通常市販のインクによる印刷
物と同程度の褪色が認められた。) ×:悪い(240時間後に通常市販のインクによる印刷
物以上の褪色が認められた。) (2)耐水性 印刷片を水に浸漬し、染料の滲みおよび溶出を観察し
た。評価は以下の通りである。 ◎:滲みの認められないもの ○:滲みのわずかに認められるもの △:滲みの明らかに認められるもの ×:染料の溶出の認められるもの
【0037】(3)インク安定性 インクをガラス容器に密封し、50℃で6ヶ月間保存
し、沈降物の析出の有無を観察した。評価は以下の通り
である。 ○:沈降物の全く認められないもの △:沈降物がわずかに認められるもの ×:沈降物が明らかに認められるもの (4)ノズルまたはインク供給ラインの目詰り ヘッドノズルにキャップをすることなく室温で1ヶ月間
放置した後、上記と同様に印刷を行った。評価は以下の
通りである。 ○:最初から問題なく印字できるもの △:印字に濃淡があるが印字できるもの ×:印字できないもの
【0038】〔実施例2〕 (第1シリカ系被覆層の形成)実施例1と同様にして得
た核粒子分散液(A)250gに純水550gとマゼン
タ系染料(Solvent Red 145 、住友化学(株)製、Sumi
plast Red 3B)85gを加えて98℃に加温し、この温
度を維持しながら、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交
換樹脂で脱アルカリして得られた珪酸液(SiO2 濃度
3.5重量%)1000gを5時間で添加して、第1シ
リカ系被覆層を形成したγ−アミノプロピル基含有Si
2 ・Al2 3 複合酸化物微粒子の分散液(C)を得
た。 (元素の選択的除去)この分散液(C)に濃塩酸(濃度
35. 5重量%)を滴下してpH1.0とし、染料の吸
蔵と脱アルミニウム処理を行った。ついで、pH3の塩
酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら限外濾過膜を用
いて溶解したアルミニウム塩を洗浄除去すると共に、濃
縮して固形分濃度20重量%の第1シリカ系被覆層を形
成した染料吸蔵γ−アミノプロピル基含有SiO2・A
2 3 複合酸化物微粒子の分散液(D)を得た。得ら
れた分散液(D)を用い、実施例1と同様に、インクの
調製、印刷および評価を行い、結果を〔表1〕に示し
た。
【0039】〔実施例3〕 (第2シリカ被覆層の形成)実施例2で得た分散液
(D) 975gと、純水1025g、エタノール175
0gおよぴ28%アンモニア水626gとの混合液を3
5℃に加温した後、エチルシリケート(SiO2 濃度2
8重量%)104gを添加し、前記シリカで被覆したS
iO2 ・Al2 3 複合酸化物微粒子の表面を更にエチ
ルシリケートの加水分解物で被覆して、第2シリカ被覆
層を形成した染料吸蔵γ−アミノプロピル基含有SiO
2 ・Al2 3 複合酸化物微粒子の分散液(E)を得
た。 (加熱処理)次いで分散液(E)に15%アンモニア水
を加えてpH10とし、オートクレープで180℃、2
時間加熱処理し、第2シリカ被覆層の細孔を消失させた
密閉型のγ−アミノプロピル基含有SiO2 ・Al2
3 複合酸化物微粒子の分散液(F)を得た。得られた分
散液(F)をロータリーエバポレーターを用い、水に置
換した後、固形分濃度20重量%の分散液(G)を得、
実施例1と同様に、インクの調製、印刷および評価を行
い、結果を〔表1〕に示した。
【0040】〔実施例4〕 (紫外線遮蔽性被覆層の形成)実施例3で得た分散液
(G)50gに純水950gを加え、温度90℃で撹拌
しながら、TiO2 換算で濃度1. 0重量%の四塩化チ
タン水溶液753gと濃度15重量%のアンモニア水を
添加して、pH9.5に維持しながらチタンの加水分解
物をγ−アミノプロピル基含有SiO2 ・Al2 3
合酸化物微粒子表面に析出させ、ついで限外濾過膜で洗
浄し、濃度20重量%に濃縮して酸化チタン被覆層を形
成したγ−アミノプロピル基含有SiO2 ・Al2 3
複合酸化物微粒子の分散液(H)を得た。得られた分散
液(H)を用い、実施例1と同様に、インクの調製、印
刷および評価を行い、結果を〔表1〕に示した。
【0041】〔比較例1〕実施例1のγ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン36. 1gの代わりにメチルトリ
メトキシシラン45.4gを用いた以外は実施例1と同
様にして分散液(B)の代わりに、固形分濃度20重量
%の染料を吸蔵したメチル基含有SiO2・Al2 3
複合酸化物微粒子の分散液(I)を得た。得られた分散
液(I)を用い、実施例1と同様に、インクの調製、印
刷および評価を行い、結果を〔表1〕に示した。
【0042】〔比較例2〕 (紫外線遮蔽性被覆層の形成)分散液(F)の代わりに
分散液(I)を用いた以外は実施例4と同様にして酸化
チタン被覆層を形成したメチル基含有SiO2 ・Al2
3 複合酸化物微粒子の分散液を(J)を得た。得られ
た分散液(J)を用い、実施例1と同様に、インクの調
製、印刷および評価を行い、結果を〔表1〕に示した。
【0043】〔比較例3〕テトラエトキシシラン34
g、水25g、メタノール30. 5g、2Nのアンモニ
ア水0. 5gの混合溶液にマゼンタ系染料(Solvent Re
d 145 、住友化学(株)製、Sumiplast Red 3B)10g
を溶解した溶液を調製した。この溶液を、2Nのアンモ
ニア水を加えながらpHを10. 5に維持しながら30
℃で2時間撹拌し、固形分濃度20重量%(SiO2
度10重量%、染料濃度10重量%)の染料が包含され
たSiO2 粒子(平均粒子径10nm)の分散液(K)
を得た。得られた分散液(K)を用い、実施例1と同様
に、インクの調製、印刷および評価を行い、結果を〔表
1〕に示した。
【0044】〔比較例4〕テトラエトキシシラン7g、
テトラエトキシチタン23g、テトラエトキシジルコニ
ウム5g、水15g、メタノール39. 5g、2Nのア
ンモニア水0. 5gの混合溶液にマゼンタ系染料(Solv
ent Red 145 、住友化学(株)製、Sumiplast Red 3B)
10gを溶解した溶液を調製した。この溶液を、2Nの
アンモニア水を加えながらpHを10. 5に維持しなが
ら25℃で15時間撹拌し、固形分濃度22重量%(S
iO2 ・TiO2 ・ZrO2 濃度12重量%、染料濃度
10重量%)の染料が包含されたSiO2 ・TiO2
ZrO2 粒子の分散液(L)を得た。得られた分散液
(L)を用い、実施例1と同様に、インクの調製、印刷
および評価を行い、結果を〔表1〕に示した。
【0045】〔比較例5〕マゼンタ系染料(Solvent Re
d 145 、住友化学(株)製、Sumiplast Red 3B)2重量
部、水88重量部とエチレングリコール10重量部を混
合してインクを調製した。実施例1と同様に、印刷およ
び評価を行い、結果を〔表1〕に示した。
【0046】
【表1】 実.1 実.2 実.3 実.4 比.1 比.2 比.3 比.4 比.5 核粒子 SiAl SiAl SiAl SiAl SiAl SiAl Si SiTiZr −被覆層厚 シリカ系(nm) − 2 2+3 2+3 − − − − − 遮蔽性/Ti (nm) − − − 2 − 2 − − −MO X /SiO 2 (×10-4) 40 24 13 − 37 − − − −平均粒子径 (nm) 22 26 32 36 20 24 10 22 −アミノ基量 (mmol/1g微粒子) 5.9 3.4 2.1 1.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0染料吸蔵量 (g/1g微粒子) 0.29 0.32 0.21 0.17 0.24 0.12 − − −微粒子分散液の 固形分濃度(wt%) 20 20 20 20 20 20 20 22 −インクの組成 (重量部) 微粒子分散液 35 31 48 60 41 83 20 20 染料2 水・溶媒 55 59 42 30 49 7 70 70 88 EG添加剤 10 10 10 10 10 10 10 10 10耐候性 ○ ○ ○ ◎ △ ○ △ ○ ×耐水性 ○ ○ ◎ ◎ △ △ △ △ ×インクの安定性 ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ ○ノズル詰り ○ ○ ○ ○ △ × △ △ △ (印刷性)
【0047】
【発明の効果】本発明に係る染料を吸蔵した多孔質微粒
子は、熱的安定性に優れ、耐水性および耐候性に優れて
いる。また、インク成分として用いたとき、ノズル詰り
を起こし難いので、本発明のインクは、特にインクジェ
ットプリンター用インクとして最適である。
フロントページの続き (72)発明者 小松 通郎 福岡県北九州市若松区北湊町13−2 触媒 化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA55 BA60 BA62 4J039 AE11 BA14 BA19 BA20 BA21 BA24 BA29 BA31 BA32 BA33 BA35 BA36 BA39 BC17 BC33 BC34 BC39 BC57 BC60 BE02 BE30 BE33 CA06 EA34 EA37 EA38 EA41 EA44 EA46 GA24

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細孔表面にアミノ基置換炭化水素基を有
    し、染料を吸蔵してなる平均粒子径が5〜300nmの
    多孔質微粒子。
  2. 【請求項2】 前記微粒子がシリカとシリカ以外の無機
    酸化物からなり、シリカをSiO2 で表し、シリカ以外
    の無機酸化物をMOX で表したときのモル比MOX /S
    iO2 が0. 0001〜0. 2である請求項1記載の多
    孔質微粒子。
  3. 【請求項3】 前記微粒子1g中のアミノ基の量が1〜
    15mmolであり、染料の吸蔵量が0. 017〜0.
    5gである請求項1または請求項2記載の多孔質微粒
    子。
  4. 【請求項4】 前記微粒子の表面に厚さ0. 5〜20n
    mのシリカ系被覆層が形成されてなる請求項1〜請求項
    3記載の多孔質微粒子。
  5. 【請求項5】 前記微粒子の表面に厚さ0. 1〜10n
    mの紫外線遮蔽性の被覆層が形成されてなる請求項1〜
    請求項4記載の多孔質微粒子。
  6. 【請求項6】 下記の工程(a)〜工程(c)からなる
    ことを特徴とする多孔質微粒子の製造方法。 (a)珪酸塩の水溶液および/または酸性珪酸液と、
    〔化1〕で表される有機珪素化合物および/またはその
    加水分解物と、アルカリ可溶の無機化合物水溶液とを、
    pH10以上のアルカリ水溶液または、必要に応じて種
    粒子が分散したpH10以上のアルカリ水溶液中に、同
    時に添加して核粒子を調製する工程 (b)前記核粒子の分散液に染料を添加する工程 (c)前記染料を添加した分散液に酸を加え、核粒子を
    構成する元素から、珪素と酸素以外の元素の少なくとも
    一部を選択的に除去して多孔質微粒子を得る工程 【化1】Rn R' m SiX4-(n+m) 〔但し、R:アミノ基置換炭化水素基、R' :炭素数1
    〜10の非置換または置換炭化水素基、X:炭素数1〜
    4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素、
    n:1〜3、m:0〜2、n+m=1〜3、の整数〕
  7. 【請求項7】 前記工程(b)において染料と共にシリ
    カ源またはシリカ源とシリカ以外の無機化合物塩の水溶
    液とを添加して、核粒子に第1シリカ系被覆層を形成す
    ることを特徴とする請求項6記載の多孔質微粒子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項7で得られた多孔質微粒子の分散
    液に、アルカリ水溶液と、〔化2〕で表される有機珪素
    化合物および/またはその部分加水分解物とを添加し、
    該微粒子に第2シリカ被覆層を形成する多孔質微粒子の
    製造方法。 【化2】Rn SiX(4-n) 〔但し、R:炭素数1〜10の非置換または置換炭化水
    素基、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール
    基、ハロゲンまたは水素、n:0〜3の整数〕
  9. 【請求項9】 請求項8で得られた多孔質微粒子の分散
    液を50℃〜350℃で加熱処理し、第2シリカ被覆層
    の細孔を消失させることを特徴とする多孔質微粒子の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜請求項5のいずれかに記載
    の多孔質微粒子を1〜30重量%含んでなるインク。
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