JP2009039727A - 多工程プレス機のワーク搬送方法およびその装置 - Google Patents

多工程プレス機のワーク搬送方法およびその装置 Download PDF

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弘平 村元
Takanori Katada
孝紀 堅田
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Abstract

【課題】1台の多工程プレス機の実施可能なプレス加工工程数を倍増させることのできる多工程プレス機のワーク搬送方法およびその装置を提供する。
【解決手段】ワーク搬送方法は、ワークWを行き進路Fに沿って移動させて第1加工ステーション31〜第4加工ステーション34に順次搬送する行き搬送工程と、ワークWを中間進路Mに沿って移動させる中間搬送工程と、ワークWを戻り進路Rに沿って移動させて第5加工ステーション35〜第8加工ステーション38に順次搬送する戻り搬送工程とを含むものとする。このワーク搬送方法を具体化するためのワーク搬送装置2は、ワークWを行き進路Fに沿って移動させる第1のフィードバー55と、ワークWを中間進路Mに沿って移動させる中間コンベヤ60と、ワークWを戻り進路Rに沿って移動させる第2のフィードバー57とを備える構成とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、一列に配置される複数のプレス加工装置を備えてワークに対し多工程のプレス加工を施すことができるように構成された多工程プレス機に好適に用いられる多工程プレス機のワーク搬送方法およびその装置に関するものである。
従来、この種の多工程プレス機に適用されるワーク搬送方法として、多工程プレス機の一端側から複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の他端側に進める進路に沿ってワークを移動させることにより、ワークを複数のプレス加工装置に順次搬送するといったものが知られている。なお、このワーク搬送方法を具体化するための装置が例えば特許文献1にて提案されている。
特開2005−59080号公報 この従来のワーク搬送方法およびその装置が適用された多工程プレス機において、一列に配置される複数のプレス加工装置が例えば4基である場合、実施可能なプレス加工工程数は通常4工程である。実施可能なプレス加工工程数を倍増させて8工程にするためには、搬送ロボット等を介して2台の多工程プレス機を直列に繋ぐ必要がある。
このため、従来のワーク搬送方法およびその装置では、実施可能なプレス加工工程数の倍増を図る上で、多工程プレス機を1台追加しなければならず、設備費の大幅アップを免れないという問題点がある。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、1台の多工程プレス機の実施可能なプレス加工工程数を倍増させることのできる多工程プレス機のワーク搬送方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明によるワーク搬送方法は、
ワークに対し多工程のプレス加工を施す構成の多工程プレス機における一端と他端との間で一列に配置される複数のプレス加工装置にワークを順次搬送する多工程プレス機のワーク搬送方法であって、
前記多工程プレス機の一側部内でワークをその多工程プレス機の一端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の他端側に進める行き進路と、
前記多工程プレス機の他側部内でワークをその多工程プレス機の他端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の一端側に進める戻り進路と、
前記多工程プレス機の一端から前記複数のプレス加工装置を越えた所定位置でワークを前記行き進路から前記戻り進路に向けて進める中間進路とを定め、
ワークを前記行き進路に沿って移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する行き搬送工程と、
この行き搬送工程によって搬送されたワークを前記中間進路に沿って移動させて前記戻り進路にまで搬送する中間搬送工程と、
この中間搬送工程によって搬送されたワークを前記戻り進路に沿って移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する戻り搬送工程とを含むことを特徴とするものである。
次に、前記目的を達成するために、第2発明によるワーク搬送装置は、
ワークに対し多工程のプレス加工を施す構成の多工程プレス機における一端と他端との間で一列に配置される複数のプレス加工装置にワークを順次搬送する多工程プレス機のワーク搬送装置であって、
ワークの保持と解放が自在なワーク保持具を有し、前記多工程プレス機の一側部内でワークをその多工程プレス機の一端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の他端側に進める行き進路に沿ってワークを移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する第1のフィードバーと、
ワークの保持と解放が自在なワーク保持具を有し、前記多工程プレス機の他側部内でワークをその多工程プレス機の他端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の一端側に進める戻り進路に沿ってワークを移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する第2のフィードバーと、
前記多工程プレス機の一端から前記複数のプレス加工装置を越えた所定位置でワークを前記行き進路から前記戻り進路に向けて進める中間進路に沿ってワークを移動させる中間搬送手段とを備えることを特徴とするものである。
第2発明において、前記多工程プレス機は、直列配置される複数台のプレス機が相互に密着連結されて構成されるものであるのが好ましい(第3発明)。
第1発明のワーク搬送方法によれば、一列に配置される複数のプレス加工装置が例えば4基である場合、行き搬送工程によってワークに対し4工程のプレス加工が実施され、更に戻り搬送工程によってワークに対し4工程のプレス加工が実施され、こうしてワークに対し合計8工程のプレス加工が実施されるので、1台の多工程プレス機の実施可能なプレス加工工程数を倍増させることができる。
次に、第2発明のワーク搬送装置は、第1発明のワーク搬送方法を具体化するための装置の一態様に関するものである。第2発明のワーク搬送装置によれば、一列に配置される複数のプレス加工装置が例えば4基である場合、第1のフィードバーによる搬送動作によってワークに対し4工程のプレス加工が実施され、更に第2のフィードバーによる搬送動作によってワークに対し4工程のプレス加工が実施され、こうしてワークに対し合計8工程のプレス加工が実施されるので、第1発明と同様の作用効果を得ることができる。
ここで、多工程プレス機は、直列配置される複数台のプレス機が相互に密着連結されて構成されるものとすることにより、多工程プレス機の全長を短くすることができ、これによってワークの搬送ピッチが短くなるので、加工効率を向上させることができる。
次に、本発明による多工程プレス機のワーク搬送方法およびその装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るワーク搬送装置が装備された多工程プレス機の正面図が示され、図2には、同多工程プレス機の右側面図が示されている。なお、図1に示される多工程プレス機1において、その左右方向は紙面の左右方向に、その前方向は紙面から読み手に向かう方向に、その後方向は紙面を貫く方向に、それぞれ一致させている。
本実施形態において、多工程プレス機1は、直列配置される4台のプレス機1a,1b,1c,1dが相互に密着連結されて構成されている。この多工程プレス機1には、それらプレス機1a〜1dの配置方向に沿うようにワーク搬送装置2が配されている。
前記4台のプレス機1a〜1dは、互いに隣接するプレス機1a,1b;1b,1c;1c,1d間がそれらプレス機のフレーム間の上部および下部に配される固定装置3,3により連結されることによって一体化されている。ここで前記固定装置3は、基本的にはボルト・ナットによる連結構造で、ボルトとフレームとの間にベアリングを配するなどして隣接フレーム間が若干の遊びを有する結合となるような構造とされている。
各プレス機1a,1b,1c,1dに装備される各プレス加工装置4a,4b,4c,4dは、昇降駆動されるスライド5と、このスライド5に対向配置されるボルスタ6とを備えてなり、スライド5に上金型が、ボルスタ6に下金型がそれぞれ装着されてスライド5の昇降運動によってワークに対するプレス加工が行われるようになっている。
各プレス加工装置4a〜4dは、それぞれ独立のモータ7により駆動される。このモータ7の出力軸(主軸)8にはプーリ9が設けられ、このプーリ9とフライホイール10との間にはタイミングベルト11が巻き掛けられて、モータ7の駆動力がフライホイール10に伝達されるように構成されている。なお、フライホイール10はクラッチブレーキを内蔵して、前記スライド5を駆動する図示されないクランク軸に連結される。
また、各プレス機1a〜1dには、互いに隣接するプレス加工装置4a,4b;4b,4c;4c,4dを同期駆動するためのプーリ12が設けられ、このプーリ12と前記プーリ9との間にタイミングベルト13が巻き掛けられるとともに、互いに隣接するプレス機1a,1b;1b,1c;1c,1dにおける各プーリ12,12間にタイミングベルト14が巻き掛けられる。
ここで、前記各モータ7としては、可変周波数インダクションモータが用いられ、このモータ7をインバータ制御することで、その速度が自由に制御可能である。こうして、4基のプレス加工装置4a〜4dの完全同期・連続運転を行うことが可能で、その速度も自由に制御可能である。
図3には、図1のA−A矢視図(a)およびB−B矢視図(b)がそれぞれ示されている。
図3(a)(b)に示されるように、プレス加工装置4aにおいて、ボルスタ6の後側部上面には第1プレス加工工程用下金型21aが、同ボルスタ6の前側部上面には第8プレス加工工程用下金型28aがそれぞれ装着されるとともに、スライド5の後側部下面には第1プレス加工工程用上金型21bが、同スライド5の前側部下面には第8プレス加工工程用上金型28bがそれぞれ装着されている。こうして、プレス加工装置4aにおいては、第1プレス加工工程用下金型21aと第1プレス加工工程用上金型21bとにより第1プレス加工工程が行われる第1加工ステーション31と、第8プレス加工工程用下金型28aと第8プレス加工工程用上金型28bとにより第8プレス加工工程が行われる第8加工ステーション38とが構築されている。
前記プレス加工装置4bにおいて、ボルスタ6の後側部上面には第2プレス加工工程用下金型22aが、同ボルスタ6の前側部上面には第7プレス加工工程用下金型27aがそれぞれ装着されるとともに、スライド5の後側部下面には第2プレス加工工程用上金型22bが、同スライド5の前側部下面には第7プレス加工工程用上金型27bがそれぞれ装着されている。こうして、プレス加工装置4bにおいては、第2プレス加工工程用下金型22aと第2プレス加工工程用上金型22bとにより第2プレス加工工程が行われる第2加工ステーション32と、第7プレス加工工程用下金型27aと第7プレス加工工程用上金型27bとにより第7プレス加工工程が行われる第7加工ステーション37とが構築されている。
前記プレス加工装置4cにおいて、ボルスタ6の後側部上面には第3プレス加工工程用下金型23aが、同ボルスタ6の前側部上面には第6プレス加工工程用下金型26aがそれぞれ装着されるとともに、スライド5の後側部下面には第3プレス加工工程用上金型23bが、同スライド5の前側部下面には第6プレス加工工程用上金型26bがそれぞれ装着されている。こうして、プレス加工装置4cにおいては、第3プレス加工工程用下金型23aと第3プレス加工工程用上金型23bとにより第3プレス加工工程が行われる第3加工ステーション33と、第6プレス加工工程用下金型26aと第6プレス加工工程用上金型26bとにより第6プレス加工工程が行われる第6加工ステーション36とが構築されている。
前記プレス加工装置4dにおいて、ボルスタ6の後側部上面には第4プレス加工工程用下金型24aが、同ボルスタ6の前側部上面には第5プレス加工工程用下金型25aがそれぞれ装着されるとともに、スライド5の後側部下面には第4プレス加工工程用上金型24bが、同スライド5の前側部下面には第5プレス加工工程用上金型25bがそれぞれ装着されている。こうして、プレス加工装置4dにおいては、第4プレス加工工程用下金型24aと第4プレス加工工程用上金型24bとにより第4プレス加工工程が行われる第4加工ステーション34と、第5プレス加工工程用下金型25aと第5プレス加工工程用上金型25bとにより第5プレス加工工程が行われる第5加工ステーション35とが構築されている。
第1加工ステーション31と第2加工ステーション32との中間には、ワーク中継点としての第1アイドルステーション41が設けられている。同様に、第2加工ステーション32と第3加工ステーション33との中間に第2アイドルステーション42が、第3加工ステーション33と第4加工ステーション34との中間に第3アイドルステーション43が、第5加工ステーション35と第6加工ステーション36との中間に第4アイドルステーション44が、第6加工ステーション36と第7加工ステーション37との中間に第5アイドルステーション45が、第7加工ステーション37と第8加工ステーション38との中間に第6アイドルステーション46が、それぞれ設けられている。
多工程プレス機1の左端側には、ワークWを多工程プレス機1内に搬入するためのワーク搬入コンベヤ51と、所定のプレス加工が施された後のワーク、つまり製品Sを多工程プレス機1から搬出するための製品搬出コンベヤ52とが付設されている。ワーク搬入コンベヤ51は多工程プレス機1の後側部に対応する位置に、製品搬出コンベヤ52は多工程プレス機1の前側部に対応する位置に、それぞれ配置されている。
次に、多工程プレス機1の左端と右端との間で一列に配置される4基のプレス加工装置4a〜4dにワークWを順次搬送するワーク搬送装置2について以下に詳述する。
図1および図3(a)に示されるように、ワーク搬送装置2は、多工程プレス機1の後側部内に配されてその多工程プレス機1を貫くように左右方向に延設される第1のフィードバー55と、第1のフィードバー55を多工程プレス機1の左右方向に往復駆動する第1の左右往復駆動装置56と、多工程プレス機1の前側部内に配されてその多工程プレス機1を貫くように左右方向に延設される第2のフィードバー57と、第2のフィードバー57を多工程プレス機1の左右方向に往復駆動する第2の左右往復駆動装置58と、第1のフィードバー55と第2のフィードバー57を共に昇降駆動する一対の昇降駆動装置59,59と、多工程プレス機1の左端から4基のプレス加工装置4a〜4dを越えた所定位置に配設される中間コンベヤ60(本発明の「中間搬送手段」に相当する。)とを備えている。
図3(a)に示されるように、各フィードバー55,57には、ワークWの保持と解放が自在な複数個(本実施形態では8個ずつ計16個)のワーク保持具61(61a,61b,61c,61d,61e,61f,61g,61h;61i,61j,61k,61l,61m,61n,61o,61p)が装備されている。各ワーク保持具61は、各フィードバー55,57から多工程プレス機1の内方に張り出されたアーム62と、このアーム62に付設されるワーク吸着具63とよりなり、ワーク吸着具63によるワークWの吸着・吸着解除によってワークWの保持・解放が自在な構成とされている。ここで、ワーク吸着具63としては、真空吸引力の作用・作用解除でワークWを吸着・吸着解除する真空吸着式のものや、磁力の作用・作用解除でワークWを吸着・吸着解除する磁気吸着式のものなどが挙げられる。
図1および図2に示されるように、第1の左右往復駆動装置56は、多工程プレス機1の右端側で第1のフィードバー55の上方に配置されている。この第1の左右往復駆動装置56は、多工程プレス機1の右端面に固着された本体ケーシング65の下面に直動案内機構66を介して多工程プレス機1の左右方向に移動自在に取り付けられるキャリア67と、駆動源としてのサーボモータ68と、キャリア67とサーボモータ68との間に設けられ、サーボモータ68の回転駆動力を直線駆動力に変換してキャリア67に伝達する直線駆動機構69とを備えて構成されている。ここで、キャリア67は、上下方向に伸縮自在の連結ロッド70を介して第1のフィードバー55の右端部と連結されている。そして、サーボモータ68が正逆回転されると、キャリア67が多工程プレス機1の左右方向に往復運動され、このキャリア67の左右往復運動によって第1のフィードバー55が多工程プレス機1の左右方向に往復運動されるようになっている。なお、前記直線駆動機構69としては、ラックとピニオンを組み合わせてなる直線駆動機構や、ボールねじ軸とボールナット部材を組み合わせてなる直線駆動機構などが挙げられる(後述の直線駆動機構74についても同様)。
図1に示されるように、第2の左右往復駆動装置58は、多工程プレス機1の左端側で第2のフィードバー57の上方に配置されている。この第2の左右往復駆動装置58は、前記第1の左右往復駆動装置56とその基本構成が同一であるため、この第2の左右往復駆動装置58については、前記第1の左右往復駆動装置56の構成要素と同一構成要素のものに対して図にダッシュ「′」付きの同一符号付すに留めてその詳細な説明を省略することとする。
図1に示されるように、昇降駆動装置59は、多工程プレス機1の左端側および右端側にそれぞれ設けられ、第1のフィードバー55および第2のフィードバー57の下方に配置されている。代表として、多工程プレス機1の右端側に設けられる昇降駆動装置59について図2を用いて説明する。この昇降駆動装置59は、多工程プレス機1の右端面に固着される本体ケーシング71と、この本体ケーシング71に上下移動自在に組み付けられ、第1のフィードバー55および第2のフィードバー57のそれぞれに対応するように設けられる一対の昇降ロッド72,72と、駆動源としてのサーボモータ73と、一対の昇降ロッド72,72とサーボモータ73との間に設けられ、サーボモータ73の回転駆動力を直線駆動力に変換して一対の昇降ロッド72,72に伝達する直線駆動機構74とを備えて構成されている。ここで、各昇降ロッド72,72は摺動機構75,75を介して各フィードバー55,57と連結されている。そして、サーボモータ73が正逆回転されると、各昇降ロッド72,72が上下方向に往復運動され、各昇降ロッド72,72の往復運動によって各フィードバー55,57が上下に往復運動されるようになっている。
なお、各昇降駆動装置59,59による各フィードバー55,57の上下往復運動によって各フィードバー55,57が上方または下方に移動される際、各フィードバー55,57と各キャリア67,67′との間の連結ロッド70,70′が収縮または伸長するので、各フィードバー55,57の上下移動が妨げられるようなことはない。また、各左右往復駆動装置56,58による各フィードバー55,57の左右往復運動の際、各フィードバー55,57と各昇降ロッド72,72との間の摺動機構75,75によって各昇降ロッド72,72に対し各フィードバー55,57が摺動するため、各フィードバー55,57の左右往復移動が妨げられるようなことはない。したがって、各左右往復駆動装置56,58による各フィードバー55,57の左右往復運動と、各昇降駆動装置59,59による各フィードバー55,57の上下往復運動とが共にスムーズに行われる。
図3(a)に示されるように、中間コンベヤ60は、サーボモータ80を駆動源とするベルトコンベヤであって、その搬送方向上流側端部が第1のフィードバー55の近傍に、その搬送方向下流側端部が第2のフィードバー57の近傍にそれぞれ位置するようにされ、ワークWを第1のフィードバー55の近傍から第2のフィードバー57の近傍にまで搬送することができるようになっている。この中間コンベヤ60の搬送方向下流側端部には、ワークWの動きを止めるストッパ81が設けられ、このストッパ81の近傍には、そのストッパ81によって動きを止められたワークWの有無を検知するワーク有無検知手段82(例えば、光電スイッチ、磁気近接スイッチ、リミットスイッチ等)が設けられている。
図4には、多工程プレス機とワーク搬送装置の制御システムを説明するための制御ブロック図が示されている。
図4に示される制御システム90は、4台のプレス加工装置4a〜4dを制御するプレスコントローラ91と、ワーク搬送装置2を制御するフィーダコントローラ92とを備え、プレスコントローラ91からの信号によって各モータ7(7a,7b,7c,7d)が制御されてその出力軸8(8a,8b,8c,8d)の回転が制御される。また、この出力軸8の回転角を検出するエンコーダ(プレス角検出器)93が設けられ、このエンコーダ93の検出値に基づいてフィーダコントローラ92によって各サーボアンプ94(94a,94b,94c,94d)を介して各サーボモータ68,68′,73,80が制御される。これによって、プレス加工装置4a〜4bの動作に同期して、多工程プレス機1の左右方向における各フィードバー55,57の左右移動動作や、各フィードバー55,57の上下移動動作、中間コンベヤ60の搬送動作が行われる。この制御を実行するために、前記フィーダコントローラ92は、所定プログラムを実行する中央処理装置(CPU)92aと、このプログラム等を記憶する読み出し専用メモリ(ROM)92bと、このプログラムを実行するに必要なワーキングメモリとして、また各種レジスタとしての書込み可能メモリ(RAM)92cを備えるとともに、前記各サーボアンプ94(94a〜94d)に接続される出力ポート92dと、操作パネル95、エンコーダ93およびワーク有無検知手段82に接続される入力ポート92eを備えている。
図5には、ワーク保持具の位置決め点および退避点、並びにワークWの進路を説明するための図が示されている。
図5において、点CINはワーク搬入コンベヤ51に対するワーク保持具61の位置決めポイントであり、点COUTは製品搬出コンベヤ52に対するワーク保持具61の位置決めポイントである。点CM1は中間コンベヤ60の搬送方向上流側端部に対するワーク保持具61の位置決めポイントであり、点CM2は中間コンベヤ60の搬送方向下流側端部に対するワーク保持具61の位置決めポイントである。点K〜Kは各加工ステーション31〜38に対するワーク保持具61の位置決めポイントであり、点A〜Aは各アイドルステーション41〜46に対するワーク保持具61の位置決めポイントである。ここで、プレス加工時にワーク保持具61を退避させるための退避点として、点CINと点Kとの中間に退避点Tが、点Kと点Aとの中間に退避点Tが、点Aと点Kとの中間に退避点Tが、点Kと点Aとの中間に退避点Tが、点Aと点Kとの中間に退避点Tが、点Kと点Aとの中間に退避点Tが、点Aと点Kとの中間に退避点Tが、点Kと点CM1との中間に退避点Tが、点CM2と点Kとの中間に退避点Tが、点Kと点Aとの中間に退避点T10が、点Aと点Kとの中間に退避点T11が、点Kと点Aとの中間に退避点T12が、点Aと点Kとの中間に退避点T13が、点Kと点Aとの中間に退避点T14が、点Aと点Kとの中間に退避点T15が、点Kと点COUTとの中間に退避点T16が、それぞれ設けられている。
図5に示されるように、多工程プレス機1の左右方向に互いに隣接する加工ステーション31,32;32,33;33,34;35,36;36,37;37,38の中心間距離が4Hであるときには、多工程プレス機1の左右方向に互いに隣接する位置決めポイントの距離が2Hに設定されるとともに、各フィードバー55,57におけるワーク保持具61の配置ピッチが2Hに設定される。
次に、第1のフィードバー55によるワークWの搬送動作、中間コンベヤ60によるワークWの搬送動作、および第2のフィードバー57によるワークWの搬送動作について主に図5〜図7を参照しつつ順次説明する。
(第1のフィードバー55によるワークWの搬送動作)
第1のフィードバー55に装備される8個のワーク保持具61a〜61hのうち、代表として、多工程プレス機1の左右方向の一番左側に配されているワーク保持具61aのモーションを図6(a)を用いて説明する。まず、退避点Tに位置しているワーク保持具61aは、各昇降駆動装置59による第1のフィードバー55の上昇動作と、第1の左右往復駆動装置56による第1のフィードバー55の左方向距離Hの直線移動動作と、各昇降駆動装置59による第1のフィードバー55の下降動作とによって、位置決め点CINに移動される。この位置決め点CINでワークWを吸着した後に、ワーク保持具61aは、各昇降駆動装置59による第1のフィードバー55の上昇動作と、第1の左右往復駆動装置56による第1のフィードバー55の右方向距離2Hの直線移動動作と、各昇降駆動装置59による第1のフィードバー55の下降動作とによって、位置決め点Kに移動される。この位置決め点KでワークWを解放した後に、ワーク保持具61aは、各昇降駆動装置59による第1のフィードバー55の上昇動作と、第1の左右往復駆動装置56による第1のフィードバー55の左方向距離Hの直線移動動作と、各昇降駆動装置59による第1のフィードバー55の下降動作とによって、退避点Tに帰着される。こうして、ワーク搬入コンベヤ51にて位置決め点CINに対応する位置まで搬送されたワークWは、このワーク保持具61aの1サイクルのモーションによって第1加工ステーション31に搬送される。
このワーク保持具61aのモーションと同様のモーションが第1のフィードバー55に装備されるその他7個のワーク保持具61b〜61hでも行われるから、その他7個のワーク保持具61b〜61hの1サイクルのモーションが繰り返し行われることにより、第1加工ステーション31に搬送されたワークWが、第1アイドルステーション41、第2加工ステーション32、第2アイドルステーション42、第3加工ステーション33、第3アイドルステーション43および第4加工ステーション34をそれぞれ経由して中間コンベヤ60の搬送方向上流側端部にまで搬送される。
(中間コンベヤ60によるワークWの搬送動作)
ワークWが第1のフィードバー55によって中間コンベヤ60の搬送方向上流側端部に搬送される直前に、フィーダコントローラ92からサーボアンプ94dを介してサーボモータ80に対しモータ駆動信号が出力され、これにより中間コンベヤ60が作動される。そして、図7(a)〜(b)に示されるように、中間コンベヤ60の搬送方向上流側端部に搬送されたワークWは中間コンベヤ60の搬送方向下流側端部に向けて搬送され、中間コンベヤ60の搬送方向下流側端部にまで搬送されたワークWはストッパ81によってその動きが停止される。こうして、ワークWは、中間コンベヤ60にて位置決め点CM1に対応する位置から位置決め点CM2に対応する位置まで搬送される。なお、ストッパ81にてワークWの動きが停止されたことはワーク有無検知手段82によって検知され、この検知信号に基づきフィーダコントローラ92からサーボアンプ94dを介してサーボモータ80に対しモータ停止信号が出力され、これにより中間コンベヤ60の作動が停止される。こうして、無駄な電力の消費を抑えるようにされている。
(第2のフィードバー57によるワークWの搬送動作)
第2のフィードバー57に装備される8個のワーク保持具61i〜61pのうち、代表として、多工程プレス機1の左右方向の一番右側に配されているワーク保持具61iのモーションを図6(b)を用いて説明する。まず、退避点Tに位置しているワーク保持具61iは、各昇降駆動装置59による第2のフィードバー57の上昇動作と、第2の左右往復駆動装置58による第2のフィードバー57の右方向距離Hの直線移動動作と、各昇降駆動装置59による第2のフィードバー57の下降動作とによって、位置決め点CM2に移動される。この位置決め点CM2でワークWを吸着した後に、ワーク保持具61iは、各昇降駆動装置59による第2のフィードバー57の上昇動作と、第2の左右往復駆動装置58による第2のフィードバー57の左方向距離2Hの直線移動動作と、各昇降駆動装置59による第2のフィードバー57の下降動作とによって、位置決め点Kに移動される。この位置決め点KでワークWを解放した後に、ワーク保持具61iは、各昇降駆動装置59による第2のフィードバー57の上昇動作と、第2の左右往復駆動装置58による第2のフィードバー57の右方向距離Hの直線移動動作と、各昇降駆動装置59による第2のフィードバー57の下降動作とによって、退避点Tに帰着される。こうして、中間コンベヤ60にて位置決め点CM2に対応する位置まで搬送されたワークWは、このワーク保持具61iの1サイクルのモーションによって第5加工ステーション35に搬送される。
このワーク保持具61iのモーションと同様のモーションが第2のフィードバー57に装備されるその他7個のワーク保持具61j〜61pでも行われるから、その他7個のワーク保持具61j〜61pの1サイクルのモーションが繰り返し行われることにより、第5加工ステーション35に搬送されたワークWが、第4アイドルステーション44、第6加工ステーション36、第5アイドルステーション45、第7加工ステーション37、第6アイドルステーション46および第8加工ステーション38をそれぞれ経由して製品搬出コンベヤ52まで搬送される。
なお、前述の搬送動作の説明は、1つのワークWの搬送態様についてなされているが、本実施形態では、第1加工ステーション31〜第8加工ステーション38で一斉にプレス加工が行われるため、実際には、これら加工ステーション31〜38に対する複数のワークWの搬送動作が一斉に行われている。
図5に示されるように、本実施形態においては、多工程プレス機1の後側部内でワークWをその多工程プレス機1の左端側から第1加工ステーション31、第2加工ステーション32、第3加工ステーション33および第4加工ステーション34を経由してその多工程プレス機1の右端側に進める行き進路Fと、多工程プレス機1の前側部内でワークWをその多工程プレス機1の右端側から第5加工ステーション35、第6加工ステーション36、第7加工ステーション37および第8加工ステーション38を経由してその多工程プレス機1の左端側に進める戻り進路Rと、多工程プレス機1の左端から複数のプレス加工装置4a〜4dを越えた所定位置でワークWを行き進路Fから戻り進路Rに向けて進める中間進路Mとが予め定められている。
そして、ワークWを行き進路Fに沿って移動させる行き搬送工程が第1のフィードバー55によって実施され、この行き搬送工程によって搬送されたワークWを中間進路Mに沿って移動させて戻り進路Rにまで搬送する中間搬送工程が中間コンベヤ60によって実施され、この中間搬送工程によって搬送されたワークWを戻り進路Rに沿って移動させる戻り搬送工程が第2のフィードバー57によって実施される。
本実施形態によれば、第1のフィードバー55による行き搬送工程によってワークWが第1加工ステーション31〜第4加工ステーション34に順次搬送され、これによりワークWに対し4工程のプレス加工が実施され、更に第2のフィードバー57による戻り搬送工程によってワークWが第5加工ステーション35〜第8加工ステーション38に順次搬送され、これによりワークWに対し4工程のプレス加工が実施され、こうしてワークWに対し合計8工程のプレス加工が実施されるので、1台の多工程プレス機1の実施可能なプレス加工工程数を倍増させることができる。
また、本実施形態では、多工程プレス機1が、直列配置される複数台のプレス機1a〜1dが相互に密着連結されて構成されているので、多工程プレス機1の全長を短くすることができ、これによってワークWの搬送ピッチが短くなり、加工効率を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、直列配置される複数台のプレス機1a〜1dが相互に密着連結されて構成される多工程プレス機1に本発明が適用された例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、モジュール化された複数のプレス加工装置が組み合わされてなる多工程プレス機(所謂モジュールトランスファプレス)に本発明を適用することができるのはいうまでもない。
また、本実施形態においては、中間進路Mに沿ってワークWを移動させる中間搬送手段としてベルトコンベヤ(中間コンベヤ60)を用いた例を示したが、位置決め点CM1に対応する位置から位置決め点CM2に対応する位置までワークWを搬送することができるものであればその搬送形式に拘るものではなく、中間コンベヤ60に代えて例えば搬送ロボット等を用いてもよい。
以上、本発明の多工程プレス機のワーク搬送方法およびその装置について、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明の一実施形態に係るワーク搬送装置が装備された多工程プレス機の正面図 図1の多工程プレス機の右側面図 図1のA−A矢視図(a)およびB−B矢視図(b) 多工程プレス機とワーク搬送装置の制御システムを説明するための制御ブロック図 ワーク保持具の位置決め点および退避点、並びにワークの進路を説明するための図 第1のフィードバーによるワーク保持具のモーション説明図(a)および第2のフィードバーによるワーク保持具のモーション説明図(b) 中間コンベヤによるワークの搬送動作説明図
符号の説明
1 多工程プレス機
1a〜1d プレス機
2 ワーク搬送装置
4a〜4d プレス加工装置
55 第1のフィードバー
57 第2のフィードバー
60 中間コンベヤ(中間搬送手段)
61a〜61p ワーク保持具
F 行き進路
M 中間進路
R 戻り進路
W ワーク

Claims (3)

  1. ワークに対し多工程のプレス加工を施す構成の多工程プレス機における一端と他端との間で一列に配置される複数のプレス加工装置にワークを順次搬送する多工程プレス機のワーク搬送方法であって、
    前記多工程プレス機の一側部内でワークをその多工程プレス機の一端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の他端側に進める行き進路と、
    前記多工程プレス機の他側部内でワークをその多工程プレス機の他端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の一端側に進める戻り進路と、
    前記多工程プレス機の一端から前記複数のプレス加工装置を越えた所定位置でワークを前記行き進路から前記戻り進路に向けて進める中間進路とを定め、
    ワークを前記行き進路に沿って移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する行き搬送工程と、
    この行き搬送工程によって搬送されたワークを前記中間進路に沿って移動させて前記戻り進路にまで搬送する中間搬送工程と、
    この中間搬送工程によって搬送されたワークを前記戻り進路に沿って移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する戻り搬送工程とを含むことを特徴とする多工程プレス機のワーク搬送方法。
  2. ワークに対し多工程のプレス加工を施す構成の多工程プレス機における一端と他端との間で一列に配置される複数のプレス加工装置にワークを順次搬送する多工程プレス機のワーク搬送装置であって、
    ワークの保持と解放が自在なワーク保持具を有し、前記多工程プレス機の一側部内でワークをその多工程プレス機の一端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の他端側に進める行き進路に沿ってワークを移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する第1のフィードバーと、
    ワークの保持と解放が自在なワーク保持具を有し、前記多工程プレス機の他側部内でワークをその多工程プレス機の他端側から前記複数のプレス加工装置を経由してその多工程プレス機の一端側に進める戻り進路に沿ってワークを移動させて前記複数のプレス加工装置に順次搬送する第2のフィードバーと、
    前記多工程プレス機の一端から前記複数のプレス加工装置を越えた所定位置でワークを前記行き進路から前記戻り進路に向けて進める中間進路に沿ってワークを移動させる中間搬送手段とを備えることを特徴とする多工程プレス機のワーク搬送装置。
  3. 前記多工程プレス機は、直列配置される複数台のプレス機が相互に密着連結されて構成されるものである請求項2に記載の多工程プレス機のワーク搬送装置。
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