JP2009039340A - リクライニング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、シートバックの前後方向へのガタを解消可能なリクライニング装置の提供を目的するものであって、特に、確実なロック及びその解除が可能なリクライニング装置を、安価に提供することを目的とする。
【解決手段】ロックギア40と固定ガイド30との間には、摺動可能な可動ガイド100をそれぞれ介在させており、これら可動ガイド100は、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成され、可動ガイド100の摺動面105のうち、ロックギア40側の摺動面105はロックギア40の移動方向に平行に設けられ、固定ガイド30側の摺動面106は前記ロックギア40側の摺動面105に対し傾斜して設けられて、各可動ガイド100にはそれぞれスプリングが係合され、当該スプリングによってベースプレート10の内方向へと付勢されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートのリクライニング装置に関し、特に、シートバックの前後方向に対するガタの発生を防止し、車両衝突時に伴う乗員の意図しないシートバックの傾動を防止するリクライニング装置に関するものである。
車両用シートには、着座する乗員各自の体型や運転姿勢に適合させるべく、各種の角度・位置調整機構が備えられる場合が多い。その中でも、シートクッション(座部)に対するシートバック(背もたれ部)の角度を調整するリクライニング装置は、最も基本的なシート調整機構であり、大半の車両用シートに装着されるものである。
このリクライニング装置には、電動モータの動力によって作動させるパワー方式と、シートに着座する乗員の手動操作を必要とするマニュアル方式とがある。特にマニュアル方式のリクライニング装置は、パワー方式のものに比して構造がシンプルなため故障のリスクが少なく、しかも安価に製造可能であるという利点から、多くの車両が装備するに至っている。
このマニュアル方式のリクライニング装置としては、内歯と当該内歯に対して進退自在な外歯とを相互に噛合させてロックすると共に、前記内歯に対する外歯の噛合を解除した際にスプリングの付勢力によってシートバックを回動させる方式がある。かかる方式のリクライニング装置は、容易なレバー操作で速やかにシートバックを傾動させることができるという利点から、多くの車両が装備するに至っている。
しかしながら、上記方式のリクライニング装置においては、外歯を有するロックギアを一対のガイド部で挟持して、尚かつ、当該ガイド部の間におけるロックギアの摺動を実現する必要性から、必然的にロックギアとガイド部との間に隙間が生じることとなる。かかる隙間は、当該リクライニング装置を車両用シートに装着した際に、シートバックの前後方向における「ガタ」となって現れることとなる。斯様な「ガタ」の発生が直ちに乗員の安全性に影響を及ぼすものではないが、乗員には不快感を抱かせるという問題がある。このような問題を解決可能なリクライニング装置としては、特許文献1に記載のリクライニング装置が従来より公知となっている。
まず、特許文献1に記載のリクライニング装置におけるロックギア(支承板)は、略三角形に形成した2部材の斜面同士を相互に摺接させて構成してなるものであって、一方の部材を後方から回転自在なカムで押圧することにより、当該ロックギアの外歯を歯列(内歯)に噛合させてなるものである。かかる発明によれば、一方のロックギアにおける斜面が他方のロックギアにおける斜面上を摺動しながら押し出すため、ガイド部どうしの間(凹部内)において2枚のロックギアが押し広げられて当該ロックギア(支承板)がガイド部(凹部)側面に密接することとなる。そのため、該ロックギアとガイド部との間の隙間が詰まることとなるので、シートバックの前後方向におけるガタを解消できるという点で、優れた技術であるといえる。
しかしながら上記特許文献1に係るリクライニング装置は、カムが一方のロックギアだけを押圧して他方のロックギアをガイド側へ押し付けるという構造を採用するため、一方のロックギアが先にロックしてまうと、他方のロックギアはロックしない状態で止まってしまうという不具合が生ずる可能性が考えられる。
上記不具合を回避するものとして、特許文献2に記載のリクライニング装置が従来より提案されている。この特許文献2に記載のクライニング装置は、第1のカムによって第2のカム及びロックギアを押圧するものであって、尚かつ、当該第2のカムがロックギアをガイド部に向けて押圧することによって、当該ロックギアがガイド部に密接可能とすることとなる。かかる発明によれば、該ロックギアとガイド部との間の隙間が詰まることとなるので、シートバックの前後方向におけるガタを解消できるという点で、優れた技術であるといえる。
しかしながら上記特許文献2に係るリクライニング装置は、第1のカムが第2のカム及びロックギアを同時に押圧するという構造を採用することから、必然的に高い部品精度が要求されることとなる。また、特に第2カムを円形とした場合においては、特許文献1に記載の発明の如き食い込みはないにしても、当該第2カムが空転する等のロスが発生する不具合が考えられる。
一方、上記マニュアル方式のリクライニング装置においては、シートバックの傾動がロックされた状態であっても、カムによって押し出されたロックギアがギアプレートの内歯に押しつけられ、これらが噛合しているに過ぎない。そのため、当該リクライニング装置を装備した車両が衝突した場合など、過大な負荷がリクライニング装置に及んだ場合には、ギアプレートの内歯に対するロックギアの噛合が外れてしまう可能性も否定できない。かかる場合には、シートバックが乗員の意図に反して傾動してしまうという問題が生じ得る。斯様な問題を解決可能なリクライニング装置として、出願人は特許文献3に記載のリクライニング装置を従来より提案している。
この特許文献3に記載のリクライニング装置というのは、平常時にはロックギヤを押圧している可動ガイドが、車両衝突時などリクライニング装置に対して過大な荷重が及んだとき(非常時)には、ギアプレートの内歯に当接すると共に塑性変形して、当該可動ガイドが内歯に食い込む構成を採用するものである。かかる構成によれば、非常時には可動ガイドがギアプレートを固着させることとなるため、「乗員の意図しないシートバックの傾動」を防止できるという点で、非常に優れた技術であるといえる。
しかしながら上記特許文献3に係る発明では、リクライニング装置の可動ガイドによって、平常時におけるロックギアへの隙間のない挟持と、非常時におけるギアプレートへの食い込みとを、両立させなければならない。従って、当該リクライニング装置を構成する各部品の加工・組み付けに高い精度が要求されるため、製造コスト・製造効率の面で負担が生じていた。
特公平7−12325号公報 特開平11−155674号公報 特開2005−230300号公報
本発明は上記諸問題に鑑みなされたものであり、その解決課題は以下の通りである。
(1)通常の使用時にあっては、シートバックの前後方向へのガタを解消可能なリクライニング装置の提供を目的するものであって、特に、確実なロック及びその解除が可能なリクライニング装置を、安価に提供することを目的とする。
(2)車両衝突時などの非常時にあっては、乗員の意図しないシートバックの傾動を防止できるリクライニング装置を、シンプルな構造で安価に提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の採った手段は以下の通りである。
まず、請求項1に係る発明は、円形をなし、シートクッション又はシートバックの何れか一方に固定されるベースプレート10と、当該ベースプレート10に対して回転可能に組み付けられると共に、シートクッション又はシートバックの何れか他方に固定され、内歯21を有するギアプレート20と、前記ベースプレート10に設けられた3つの固定ガイド30と、これら3つの固定ガイド30どうしの間にそれぞれ配置されて該固定ガイド30の側端面に沿って摺動して、前記ギアプレート20における内歯21と係合可能な外歯41を有するロックギア40と、当該ロックギア40の移動を制御して、ロックギア40をギアプレート20の内歯21に噛合させるカム50と、当該カム50を回転付勢して、前記ロックギア40がギアプレート20の内歯21に噛合した状態を維持するスプリングと、前記カム50を回転駆動させ、ロックギア40とギアプレート20との噛合を解除することが可能なセンターシャフト70とを備えるリクライニング装置200において、前記ロックギア40と固定ガイド30との間には、摺動可能な可動ガイド100をそれぞれ介在させており、これら可動ガイド100は、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成され、各可動ガイド100にはそれぞれトーションスプリング110が係合され、当該トーションスプリング110によってベースプレート10の内方向へと付勢されていることを特徴とするものである。
次に、請求項2に係る発明は、請求項1に記載したリクライニング装置200において、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成された可動ガイド100は、ロックギア40側の摺動面105はロックギア40の移動方向と平行に設けられ、固定ガイド30側の摺動面106は前記ロックギア40側の摺動面105に対し傾斜して設けられてなることを特徴とするするものである。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載したリクライニング装置200において、ロックギア40(図5)は、内方端から外方端に向かって漸次幅が狭く形成されると共に、当該ロックギア40における固定ガイド30側の摺動面106は、該ロックギア40の移動方向と平行に設けられ、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成された可動ガイド100は、ロックギア40側の摺動面105はロックギア40の移動方向に対し傾斜して設けられ、固定ガイド30側の摺動面106は前記ロックギア40側の摺動面105に対し傾斜して設けられてなることを特徴とするものである。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載したリクライニング装置200において、一方端が可動ガイド100に係合されたトーションスプリング110は、その他方端はカム50に係合されており、これら可動ガイド100とカム50とを相互に引き寄せるように付勢していることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載したリクライニング装置200において、可動ガイド100の外方端には、ギアプレート20における内歯21と係合可能な外歯102(図6,図7)を設けたことを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載したリクライニング装置200において、可動ガイド100における固定ガイド30側の摺動面106の外方端側に、固定ガイド30と緊密に当接する当接部103を形成し、当該固定ガイドとの間に隙間を発生させるための段部104(図8)を、前記当接部103に連続して形成したことを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6の何れかに記載したリクライニング装置200において、カム50が回転することによりギアプレート20の内歯21に対するロックギア40の噛合を解除するとき、前記カム50と同時回転して可動ガイド100を外方向に押し出すリンクプレート120(図3)を備えたことを特徴とするものである。
請求項8に係る発明の車両用シートは、請求項1乃至請求項7の何れかに記載したリクライニング装置200において、ベースプレート10は、装着される車両用シートのシートフレームを構成するシートクッション側ブラケット300又はシートバック側ブラケット300に対してレーザ溶接されることを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、シートクッション又はシートバックの何れか一方に固定されるベースプレート10と、当該ベースプレート10に対して回転可能に組み付けられると共に、シートクッション又はシートバックの何れか他方に固定され、内歯21を有するギアプレート20と、前記ベースプレート10に設けられた3つの固定ガイド30と、これら3つの固定ガイド30どうしの間にそれぞれ配置されて該固定ガイド30に沿って摺動して、前記ギアプレート20における内歯21と係合可能な外歯41を有するロックギア40と、当該ロックギア40の移動を制御して、ロックギア40をギアプレート20の内歯21に噛合させるカム50と、当該カム50を回転付勢して、前記ロックギア40がギアプレート20の内歯21に噛合した状態を維持するスプリングと、前記カム50を回転駆動させ、ロックギア40とギアプレート20との噛合を解除することが可能なセンターシャフト70とを備えるリクライニング装置200において、
前記固定ガイド30は、その機械強度をギアプレート20及びロックギア40よりも低く設定して、当該リクライニング装置に大きな荷重が入力されたときには、前記ロックギア40が固定ガイド30を押圧して当該固定ガイド30が変形し、その外端部31がギアプレート20の内歯21に当接して、前記シートバックを傾動不可とすることを特徴とするものである。
請求項10に係る発明は、請求項9に記載したリクライニング装置200において、固定ガイド30は、その外端部31とギアプレート20の内歯21の先端とを近接させて設け、当該固定ガイド30の変形時には、その外端部31がギアプレート20の内歯21に食い込むことを特徴とするものである。
請求項11に係る発明は、請求項9又は請求項10に記載したリクライニング装置200において、固定ガイド30は、ベースプレート10とギアプレート20とを組み付けた際、該ギアプレート20と略密接状となる厚みにて形成し、当該固定ガイド30の変形時には、その厚み方向への変形をギアプレート20で押さえ込むことを特徴とするものである。
そして、請求項12に係る発明は、請求項9又は請求項10に記載したリクライニング装置200において、カム50が回転することによりギアプレート20の内歯21に対するロックギア40の噛合を解除するとき、前記カム50と同時回転して前記ロックギア40を内方向に引き込むリンクプレート120を備えるものであって、当該リンクプレート120は、ギアプレート20の内歯21に対するロックギア40の噛合した状態にあるとき前記リンクプレート120の外縁における固定ガイド30の外端部31と当接する箇所の外縁に、切り欠き部125を有しており、当該固定ガイド30の変形時には、その厚み方向への変形をリンクプレート120における切り欠き部125から逃がして、ギアプレート20に当接させることを特徴とするものである。
上記手段を採ったことにより得られる効果は、以下の通りである。
まず、請求項1に係る発明のリクライニング装置200は、ロックギア40と固定ガイド30との間に、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成された「楔形」の可動ガイド100が配されており、尚かつ、当該可動ガイド100がトーションスプリング110によってベースプレート10の内方向へと付勢されている。そのため、該可動ガイド100はロックギア40と固定ガイド30との間に常に食い込んだ状態となるため、これら固定ガイド30とロックギア40と可動ガイド100とは相互に緊合して、各部材間における隙間が消滅することとなる。
また本請求項に係る発明のリクライニング装置200は、そのベースプレート10に均等間隔をおいて3つの固定ガイド30を設けて、これら3つの固定ガイド30のうち、1つの固定ガイド30の端面どうしの間に、外歯41を備えたロックギア40をそれぞれ配置している。即ち、これら3つのロックギア40は、ギアプレート20の内周面上に形成した内歯21に対して120°の角度を挟んで放射状に押圧するため、1つのロックギア40と其の両側の固定ガイド30との間に生じ得るガタが、他2つのロックギア40による押圧により打ち消されることとなる。
以上から、本請求項に係る発明によれば、シートバックの前後方向へのガタを確実に解消でき、尚かつ、確実なロック及びその解除が可能となるという効果を奏することとなる。
次に、請求項2に係る発明のリクライニング装置200においては、可動ガイド100におけるロックギア40側の摺動面105がロックギア40の移動方向に対して平行に設けられているため、該可動ガイド100がロックギア40に食い込むことによる該ロックギア40の固着という事態を回避できる。従って、本請求項に係る発明によれば、シートバックの前後方向へのガタを確実に解消でき、尚かつ、確実なロック及びその解除が可能となるという効果を奏することとなる。
また、請求項3に係る発明のリクライニング装置200におけるロックギア40は、内方端から外方端に向かって漸次幅が狭く形成されると共に、当該ロックギア40における固定ガイド30側の摺動面106は、該ロックギア40の移動方向と平行に設けられている。従って、当該ロックギア40における可動ガイド100側には傾斜面が構成される。そして、この傾斜面と固定ガイド30との間に「楔形」の可動ガイド100が介入し、その摺動面どうしを密着させ、当該ロックギア40における外歯41がギアプレート20の内歯21に係合することにより、該ギアプレート20の回転(即ち、リクライニング)をロックすることとなる。一方、リクライニングのロックを解除する際には、センターシャフト70を回転させてロックギア40における外歯41とギアプレート20における内歯21との噛合を解除することとなる。この点、本請求項においては、ロックギア40と可動ガイド100との当接面が該ロックギア40の移動方向に対して傾斜しているため、ロックギア40が内方向に引き込まれた際にも、これらロックギア40と可動ガイド100との間で殆ど摩擦が生じることなく相互に離間させることができる。従って、本請求項に係る発明によれば、請求項1の効果に加え、ロックの解除に際し、敢えてリンクプレート120(後述)によって可動ガイド100を外方へ押し出さなくとも、ロックギア40を内方向へとスムースに引き込むことができるため、少ない部品点数でリクライニング装置200を構成することができるという効果を奏するのである。
さらに、請求項4に係る発明のリクライニング装置200においては、3本のトーションスプリング110が、それぞれ一方端にカム50を係合させ、他方端に可動ガイド100を係合させて各々引き込んでいるため、当該可動ガイド100を内方向へと付勢できるのは勿論のこと、前記カム50を3方向から均等に回転付勢することとなる。従って、本請求項に係る発明によれば、前記カム50に対し偏心方向への付勢力が及ばないことから、該カム50をベースプレート10の中心で回転させることができる。即ち、該カム50の押圧力が、3つのロックギア40のうち何れか1つに偏ることなく均等に及ぶため、これら両方のロックギア40の外歯41がギアプレート20の内歯21にそれぞれ噛合して、確実なロックが実現するのである。
請求項5に係る発明のリクライニング装置200においては、可動ガイド100の外方端に外歯102を有している。そのため、車両衝突時など、当該リクライニング装置200に過大な荷重が入力されたときには、ギアプレート20からロックギア40へと回転荷重が及び、該ロックギア40が固定ガイド30との間で可動ガイド100を押圧するように作用することとなる。ここで当該可動ガイド100は、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成されていることから、ベースプレート10の外方向に押し出される。そのため、該可動ガイド100の外方端に形成した外歯102がギアプレート20の内歯21へと近接すると共に噛合して、ギアプレート20の回転を前記ロックギア40と共に規制するのである。従って、本請求項に係る発明によれば、車両衝突事故発生時等、過大な荷重が本リクライニング装置200に及んだ際は、ロックギア40と共に可動ガイド100がギアプレート20の回転を規制するため、車両衝突時に伴う乗員の意図しないシートバックの傾動を防止することができるのである。
請求項6に係る発明のリクライニング装置200おける可動ガイド100は、その固定ガイド30側を「当接部103」及び「段部104」からなるなだらかな二段形状としている。そのため、当該可動ガイド100は、前記固定ガイド30に対して専ら当接部103で密着することとなる。従って、本請求項に係る発明によれば、固定ガイド30の形成寸法に若干の誤差が生じたとしても、可動ガイド100は必然的に外方端側にて前記固定ガイド30と緊密に密接するため、シートバックの前後方向に対するガタの発生を確実に防止することが可能となるのである。
請求項7に係る発明のリクライニング装置200では、ロックを解除すべくカム50を回転させたとき、当該カム50と同時回転するリンクプレート120が可動ガイド100を外方向に押し出すことができる。即ち、固定ガイド30とロックギア40との間で緊合している楔形の可動ガイド100を外方向に押し出すことにより、当該可動ガイド100とロックギア40との間に隙間が発生するため、当該ロックギア40の摺動が可能となる。そのため、本請求項に係る発明によれば、上述の効果に加え、ロックの解除がより一層確実なものとなるという効果を奏するものである。
請求項8に係る発明においては、上記請求項1乃至請求項7の何れかに記載したリクライニング装置200におけるベースプレート10が、装着される車両用シートのシートフレームを構成するシートクッション側ブラケット300又はシートバック側ブラケット300に対してレーザ溶接されるため、接合に際し、ベースプレート10へのエンボス加工部を少なくすることができ、尚かつ、ブラケット300側に大きな開口部を設ける必要がない。従って本請求項に係る発明によれば、各構成部材への塑性加工を最小限に抑えることができるので、高い強度を備えた車両用シートを提供することができるのである。
請求項9に係る発明のリクライニング装置200は、ベースプレート10と一体となって形成された固定ガイド30の機械強度を、ギアプレート20及びロックギア40よりも低く設定しているため、車両衝突時など、当該リクライニング装置200に過大な荷重が入力されたときには、前記ロックギア40が固定ガイド30を押圧して当該固定ガイド30が変形し、該固定ガイド30の外端部31がギアプレート20の内歯21に当接することにより該ギアプレート20が固着して、前記シートバックを傾動不可とするものである。従って、本請求項に係る発明によれば、車両衝突時などの非常時にあっても「乗員の意図しないシートバックの傾動」を防止できるという効果を奏することとなる。
また本請求項に係る発明のリクライニング装置200は、そのベースプレート10に均等間隔をおいて3つの固定ガイド30を設けて、これら3つの固定ガイド30どうしの間に、外歯41を備えたロックギア40をそれぞれ配置している。即ち、これら3つのロックギア40は、ギアプレート20の内周面上に形成した内歯21に対して120°の角度を挟んで放射状に押圧するため、1つのロックギア40と其の両側の固定ガイド30との間に生じ得るガタが、他2つのロックギア40による押圧により打ち消されることとなる。よって、本請求項に係る発明によれば、シートバックの前後方向へのガタを確実に解消でき、尚かつ、確実なロック及びその解除が可能となるという効果を奏することとなる。
請求項10に係る発明のリクライニング装置200では、固定ガイド30の外端部31とギアプレート20の内歯21の先端とを可能な限り近接させて設けることにより、固定ガイド30の僅かな変形でも、その外端部31をギアプレート20の内歯21へ食い込ませることができる。従って、本請求項に係る発明によれば、上記請求項9に係る効果である「乗員の意図しないシートバックの傾動」を、より一層確実なものとすることができるのである。
請求項11に係る発明のリクライニング装置200は、固定ガイド30を、(ベースプレートとギアプレートとを組み付けた際に)ギアプレート20と略密接状となる厚みにて形成している。即ち、ベースプレートとギアプレートとのシャフト軸方向の隙間をできるだけ狭く設定したのである。そのため、当該固定ガイドの変形時には、その厚み方向への変形をギアプレートで押さえ込むこととなるので、該固定ガイドの変形量の大半をギアプレートの内歯への食い込みへと充てることができる。従って、本請求項に係る発明によれば、上記請求項1に係る効果である「乗員の意図しないシートバックの傾動」を、更により一層確実なものとすることができるのである。
そして請求項12に係る発明のリクライニング装置200におけるリンクプレート120は、その外縁部に切り欠き部125を有していることから、車両衝突時など、当該リクライニング装置200に過大な荷重が入力されたときには、変形したロックギア30の一部が当該切り欠き部125から膨れ出て、ギアプレート20に係合することとなる。即ち、本請求項に係る発明によれば、変形した固定ギア30の肉移動の方向を任意にコントロールできるため、より一層効果的にギアプレート20に対し固定ガイド30を係合させることができるのである。
以下、本発明に係るリクライニング装置200を、実施例を用いて説明する。
(実施例1)
図1乃至図4は、実施例1に係るリクライニング装置200を示すものである。本実施例に係るリクライニング装置200は、「ベースプレート10」と「ギアプレート20」と「固定ガイド30」と「ロックギア40」と「カム50」と「スプリング」と「センターシャフト70」と「可動ガイド100」と「トーションスプリング110」と「リンクプレート120」とを有するものである。以下、各構成要素毎に説明する。
まず「ベースプレート10」は、リクライニング装置200の基台を構成するものであって、車両用シートにおけるシートクッション又はシートバックの何れか一方に固定されるものである。このベースプレート10は、シートバックの荷重及び乗員の体重を支持可能な強度とする必要がある。従って、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって構成することが考えられる。なお、本実施例において当該ベースプレート10は、鋼鈑にプレス加工を施すことによって外形を円形に構成すると共に後述する固定ガイド30を構成し、これをシートクッション側に固定されるものとしている。
次に「ギアプレート20」は、上記ベースプレート10に対して回転可能に組み付けられると共に、車両用シートにおけるシートクッション又はシートバックの(ベースプレート10が固定されていない)何れか他方に固定されるものである。このギアプレート20は、シートバック(又はシートクッション)が固定される面とは反対側の内周に「内歯21」を形成している。この内歯21は後述するロックギア40の外歯41と噛合可能なものであり、当該ロックギア40との噛合により、シートバックの前後方向への傾動をロックするものである。このギアプレート20は、シートバックの荷重及び乗員の体重を支持可能な強度とする必要がある。従って、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって構成することが考えられる。なお、本実施例において当該ギアプレート20は、鋼鈑にプレス加工を施すことによって外形を円形に構成すると共に内歯21を構成し、これをシートバック側に固定されるものとしている。
また「固定ガイド30」は、上記ベースプレート10における偏心の3箇所に均等間隔をおいて一体的に設けられると共に、当該「間隔」内で、後述するロックギア40及び可動ガイド100をそれぞれ挟持するものである。この固定ガイド30には、シートバックの荷重及び乗員の体重が集中するため、これらの荷重を支持可能な強度とする必要がある。従って、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって構成することが考えられる。なお、本実施例において当該固定ガイド30は、鋼鈑をプレス加工してベースプレート10を構成する際、120°の角度を挟んだ位置に、裏側から金型で押し出すことにより扇状に突出させて構成するものとしている。
さらに「ロックギア40」は、その両側面を平行に形成して上記固定ガイド30における端面どうしの間を摺動可能とすると共に、当該両側面どうしを結ぶ一辺に「外歯41」を形成して上記ギアプレート20の内歯21との噛合を可能とするものである。このロックギア40は、その外歯41がギアプレート20の内歯21に噛合した際には、ギアプレート20からの荷重を第一次的に負担するため、このような荷重にも耐えられる強度にて構成する必要がある。従って当該ロックギア40は、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって母材を形成した後に焼入れを行うか、或いは、鍛造するなどして構成することが考えられる。なお、本実施例において当該ロックギア40は、鋼鈑をプレス加工した後に焼入れをして構成するものとし、更には、後述するリンクプレート120との接合を可能とすべく、突起部42が設けられている。また、図面上明確に表れてはいないが、当該ロックギア40は、その両側摺動面43の中央付近を窪ませて形成されている。即ち、両側の中央付近がくびれた状態となっているのである(図4参照)。そのため、当該ロックギア40は、(ベースプレートを基準として)外側端部付近と内側端部付近の2箇所で、固定ガイド30又は可動ガイド100と当接することとなる。つまり、斯様に構成することにより、各部材を完全な平面に形成して相互に密着させた場合に比して、当該ロックギア40の摺動をより容易なものとすることができるのである。
「カム50」は、上記ベースプレート10の略中心位置に配置され後述のシャフト70を挿通されて、当該シャフト70と同時回転することにより上記ロックギア40の移動(摺動)を制御するものである。即ち、当該カム50の回転によって、当該ロックギア40のギアプレート20に対する噛合及びその解除が行われ、ひいては、本リクライニング装置200が装着されたシートバックの前後方向における傾動のロック及びその解除が行われるのである。なお、本実施例において当該カム50には、後述するセンターシャフト70の角柱部71を挿通可能な角穴52を穿設すると共に、後述するリンクプレート120との接合を可能とすべく2つの突起部51が設けられている。
「スプリング」は、上記カム50を回転付勢して、上記ロックギア40がギアプレート20の内歯21に噛合した状態を維持するものである。本実施例において当該スプリングは、次述するセンターシャフト70に渦巻きバネ(図示しない)を装着することによって回転付勢するものとしている。
「センターシャフト70」は、ベースプレート10及びギアプレート20の中心部にそれぞれ穿設された貫通穴に挿通して、これらベースプレート10及びギアプレート20を同軸枢支するものである。更に当該センターシャフト70は、別部材に係る「操作レバー」(不図示)が装着されるものであり、乗員が当該操作レバーを手動操作した場合には、上記ベースプレート10とギアプレート20との間において挿通されたカム50及びリンクプレート120が同時回転して、上記ロックギア40のギアプレート20に対する噛合及びその解除が行われることとなる。なお、本実施例において当該センターシャフト70は、鋼材を切削加工することによって構成している。より具体的には、当該センターシャフト70の略中間部付近には、上記カム50及びリンクプレート120に形成した角穴121に挿通可能な角柱部71が設けられている。そして、該センターシャフト70における一方の端部には操作レバーを装着可能に構成すると共に、他方の端部には(図示しない)連結シャフトとの連結が可能なセレーション73を形成している。何故なら、リクライニング装置200は車両用シートの左右両側の連結部に装着されるものであるところ、シート左側のリクライニング装置200におけるカム50の回転と、シート右側のリクライニング装置200におけるカム50の回転とを、連結シャフトを介して同期させる必要があるからである。
「可動ガイド100」は、一方端から他方端に向かって漸次幅が狭くなるよう「楔形」に形成して、上記ロックギア40と固定ガイド30との間に摺動可能に介在させるものである。当該可動ガイド100には後述のスプリングが係合されており、当該スプリングによってベースプレート10の内方向へと付勢される。斯様に構成することにより、当該可動ガイド100は上記ロックギア40と固定ガイド30との間に常に食い込んだ状態となり、これら固定ガイド30とロックギア40と可動ガイド100とが相互に緊合して(堅く合わさって)、各部材間における隙間が消滅する。そのため、シートバックの前後方向におけるガタが解消されることとなる。また、当該可動ガイド100は、ロックギア40側の摺動面105がロックギア40の移動方向に対して平行に設けられるため、該可動ガイド100がロックギア40に食い込むことによる該ロックギア40の固着という事態は起こらない。なお、本実施例において当該可動ガイド100は、鋼鈑を楔形にプレス加工した後に焼入れをして構成するものとし、更には、後述するリンクプレート120との接合を可能とすべく、突起部101が設けられている。また、図面上明確に表れてはいないが、当該可動ガイド100は、その両側摺動面105,106の中央付近を窪ませて形成されている。即ち、両側の中央付近がくびれた状態となっているのである(図4参照)。そのため、当該可動ガイド100は、(ベースプレートを基準として)外側端部付近と内側端部付近の2箇所で、固定ガイド30又はロックギア40と当接することとなる。つまり、斯様に構成することにより、各部材を完全な平面に形成して相互に密着させた場合に比して、当該可動ガイド100の摺動をより容易なものとすることができるのである。
「トーションスプリング110」は、固定ガイド30とロックギア40との間に介在させた可動ガイド100に係合されて、該可動ガイド100をベースプレート10の内方向へと引き寄せるよう付勢するものである。本実施例において当該スプリングは、円弧状の棒状部材からなるトーションスプリング110にて構成して、その両端を屈曲させて係合部を構成したものである。当該トーションスプリング110を押し広げて、一方の係合部を可動ガイド100に係合させ、他方の係合部をカム50に係合させる。このように係合させることによって、当該トーションスプリング110が断面円周方向に捻られることとなり、此に抗する方向へ付勢力が発生する結果として、上記可動ガイド100とカム50とを相互に引き寄せることとなるのである。本実施例では、当該トーションスプリング110をいわば「三つ巴」状態に配置して、可動ガイド100とカム50とを結合しているが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、ベースプレート10側に(図示しない)被係合部を設けるなどして、各々の可動ガイド100をカム50の動きと切り離して付勢することも考えられる。
そして「リンクプレート120」は、上記カム50が回転することによりギアプレート20の内歯21に対するロックギア40の噛合を解除するときに(より好適には、ギアプレート20の内歯21に対するロックギア40の噛合の解除に先だって)、前記カム50と同時回転して可動ガイド100を外方向に押し出すものである。本発明においては、「ガタ」の原因となる固定ガイド30とロックギア40との間の「隙間」を解消するべく、固定ガイド30とロックギア40との間に可動ガイド100を介在させると共に、これらは強固に緊合した状態となっている。かかる状態においてシートバックの傾動のロックを解除すべくカム50を回転させただけでは、当該ロックギア40は固定ガイド30と可動ガイド100との間で固着して、該ロックギア40のギアプレート20に対する噛合が解除されない場合も生じうる。従って、ロックギア40をベースプレート10内方向への引き込むのに際して(先立って)、可動ガイド100を外方向に押し出すことによって当該可動ガイド100とロックギア40との緊合を解除して、当該ロックギア40が自由に摺動できるようにしたのである。なお、本実施例において当該リンクプレート120は、薄鈑にて構成した円形の中心位置に前記シャフト角柱部71を挿通可能な角穴121を穿設し、前記カム50の突起部51を挿通可能な丸穴122を穿設して、前記ロックギア40の突起部42を挿通可能な略扇状の穴123を穿設すると共に、当該円形の外周3箇所に前記可動ガイド100の突起部101を当接可能な凸部124を設けてなるものである。ここで、当該リンクプレート120は、該リンクプレート120を回転させた際、前記「略扇状の穴123」の外側縁がロックギア40の突起部42に当接するよりも早いタイミングで、前記「凸部124」が可動ガイド100の突起部101に当接するように設定している。そのため、本リクライニング装置200のロック解除を行うべくセンターシャフト70を回転させた際には、先ずリンクプレート120の凸部124が可動ガイド100の突起部101を外方向に押し出し、しかる後、当該リンクプレート120略扇状の穴123によってロックギア40を内方向に向けてスムースに引き込むこととなるため、各部材間における負荷を軽減することが可能となるのである。
続いて、上記構成からなる本実施例に係るリクライニング装置200の動作について 図1乃至図4を用いて説明する。
まず、本実施例に係るリクライニング装置200においてシートバックの前後方向における傾動をロックする場合、乗員は操作レバーを開放した状態となる。操作レバーの開放時には、図1及び図3に示すように、スプリング(図示しない)によって図面上時計回り方向に付勢されたカム50が回転し、ロックギア40が固定ガイド30に沿ってベースプレート10における外方向へと押し出されるように摺動し、当該ロックギア40の外歯41がギアプレート20内周の内歯21へと噛合して、シートバックの前後方向における傾動がロックされることとなる。このとき、当該ロックギア40と固定ガイド30との間にはトーションスプリング110によって付勢された可動ガイド100が強固に食い込むこととなり、これら固定ガイド30とロックギア40と可動ガイド100とは相互に緊合して、各部材間における隙間が消滅することとなる。そのため当該シートバックは、傾動がロックされた状態においても前後方向へのガタが発生しないのである。
一方、本実施例に係るリクライニング装置200においてシートバックの前後方向における傾動のロックを解除する場合、乗員は操作レバーを引き上げる(又は、押し下げる)こととなる。操作レバーの回動によって当該操作レバーが装着されたセンターシャフト70が回転するのに伴い、図2及び図4に示すように、センターシャフト70が挿通されたカム50及びリンクプレート120も同時に回転することとなる。カム50の回転によって当該カム50とロックギア40との間に隙間が生じる。また、リンクプレート120の回転によって該リンクプレート120に係る凸部124が可動ガイド100の突起部101に当接して、該可動ガイド100をベースプレート10における外方向へと押し出して、該可動ガイド100と固定ガイド30とロックギア40との強固な緊合を解除する。その後、当該リンクプレート120に係る略扇状の穴123の外側縁がロックギア40の突起部42に当接して当該ロックギア40が内方向に向けてスムースに引き込まれて、シートバックの前後方向における傾動が可能な状態となる。これら一連の動作を、若干タイミングをずらしながらほぼ同時に行われることとなる。
(実施例2)
図5は、実施例2に係るリクライニング装置200を示すものである。本実施例に係るリクライニング装置200は、上記実施例1と多くの部分で共通するため、特に上記実施例1と異なる構成につき詳説し、共通する構成についてはその説明を省略する。図5に示すように、本実施例においてロックギア40は、内方端から外方端に向かって漸次幅が狭く形成されると共に、当該ロックギア40における固定ガイド30側の摺動面106は、該ロックギア40の移動方向と平行に設けられている。そのため、当該ロックギア40における可動ガイド100側には傾斜面が構成される。そして、この傾斜面と固定ガイド30との間に「楔形」の可動ガイド100が介入し、その摺動面どうしを密着させ、当該ロックギア40における外歯41がギアプレート20の内歯21に係合することにより、該ギアプレート20の回転(即ち、リクライニング)をロックすることとなる。一方、リクライニングのロックを解除する際には、センターシャフト70を回転させてロックギア40における外歯41とギアプレート20における内歯21との噛合を解除することとなる。この点、本実施例においては、ロックギア40と可動ガイド100との当接面が該ロックギア40の移動方向に対して傾斜しているため、ロックギア40が内方向に引き込まれた際にも、これらロックギア40と可動ガイド100との間で殆ど摩擦が生じることなく相互に離間させることができる。従って、本実施例によれば、ロックの解除に際し、敢えてリンクプレート120によって可動ガイド100を外方へ押し出さなくとも、ロックギア40を内方向へとスムースに引き込むことができるため、少ない部品点数でリクライニング装置200を構成することができるのである。勿論、リンクプレート120を備える構成としてもよい。
(実施例3)
図6及び図7は、実施例3に係るリクライニング装置200を示すものである。本実施例に係るリクライニング装置200は、上記実施例1と多くの部分で共通するため、特に上記実施例1と異なる構成につき詳説し、共通する構成についてはその説明を省略する。図6に示すように、本実施例において可動ガイド100は、その外方端にギアプレート20における内歯21と係合可能な外歯102を有している。そのため本実施例によれば、車両衝突時など、当該リクライニング装置200に過大な荷重が入力されたときには、ギアプレート20からロックギア40へと回転荷重が及び、該ロックギア40が固定ガイド30との間で可動ガイド100を押圧するように作用することとなる。ここで当該可動ガイド100は、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成されていることから、図7に示すように、ベースプレート10の外方向に押し出される。そのため、該可動ガイド100の外方端に形成した外歯102がギアプレート20の内歯21へと近接すると共に噛合して、ギアプレート20の回転を前記ロックギア40と共に規制することとなる。即ち、本実施例によれば、車両衝突事故発生時等、過大な荷重が本リクライニング装置200に及んだ際は、ロックギア40と共に可動ガイド100がギアプレート20の回転を規制するため、車両衝突時に伴う乗員の意図しないシートバックの傾動を防止することができるのである。尚、本実施例においては、説明の便宜上リンクプレート120は特段図示していないが、勿論、此を備える構成としてもよい。
(実施例4)
図8は、実施例4に係るリクライニング装置200における可動ガイド100付近を拡大して示す図である。本実施例に係るリクライニング装置200は、上記実施例1と多くの部分で共通するため、特に上記実施例1と異なる構成につき詳説し、共通する構成についてはその説明を省略する。図8に示すように、本実施例において可動ガイド100は、該可動ガイド100における固定ガイド30側の摺動面106の外方端側に、固定ガイド30と緊密に当接する当接部103を形成し、当該固定ガイドとの間に隙間を発生させるための段部104を、前記当接部103に連続して形成してなるものである。かかる構成を採ることにより、当該可動ガイド100は、前記固定ガイド30に対して専ら当接部103で密着することとなる。従って、本実施例によれば、固定ガイド30の形成寸法に若干の誤差が生じたとしても、可動ガイド100は必然的に外方端側にて前記固定ガイド30と緊密に密接するため、シートバックの前後方向に対するガタの発生を確実に防止することが可能となる。尚、本実施例においては、説明の便宜上リンクプレート120は特段図示していないが、勿論、此を備える構成としてもよい。
(実施例5)
図9又は図10は、実施例5に係るリクライニング装置200と、当該リクライニング装置200が装着される車両用シートのシートフレームを構成するブラケット300の一部を示すものである。まず図9に示す実施形態は、ベースプレート10裏面における3箇所に凸部11を突設させ、これら凸部11をブラケット300の3箇所に設けた穿孔部301内に進入させ、しかる後、当該箇所にアーク溶接を施して溶接部302を構成し、両部材を離間不可に一体化したものである。次に図10に示す実施形態は、ベースプレート10裏面における3箇所に凸部11を突設させ、これら凸部11をブラケット300の3箇所に設けた穿孔部301内に進入させ、しかる後、当該箇所にレーザ溶接を施して溶接部302を構成し、両部材を離間不可に一体化したものである。特に、レーザ溶接を用いた場合には、接合に際し、ベースプレート10へのエンボス加工部を少なくすることができ、尚かつ、ブラケット300側に大きな開口部を設ける必要がない。即ち、各構成部材への塑性加工を最小限に抑えることができるので、高い強度を備えた車両用シートを提供することができるのである。
(実施例6)
図11乃至図14は、実施例6に係るリクライニング装置200を示すものである。本実施例に係るリクライニング装置200は、「ベースプレート10」と「ギアプレート20」と「固定ガイド30」と「ロックギア40」と「カム50」と「スプリング」と「センターシャフト70」と「リンクプレート120」とを有するものである。以下、各構成要素毎に説明する。
まず「ベースプレート10」は、リクライニング装置200の基台を構成するものであって、車両用シートにおけるシートクッション又はシートバックの何れか一方に固定されるものである。このベースプレート10は、シートバックの荷重及び乗員の体重を支持可能な強度とする必要がある。従って、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって構成することが考えられる。なお、本実施例において当該ベースプレート10は、鋼鈑にプレス加工を施すことによって外形を円形に構成すると共に後述する固定ガイド30を構成し、これをシートクッション側に固定されるものとしている。
次に「ギアプレート20」は、上記ベースプレート10に対して回転可能に組み付けられると共に、車両用シートにおけるシートクッション又はシートバックの(ベースプレート10が固定されていない)何れか他方に固定されるものである。このギアプレート20は、シートバック(又はシートクッション)が固定される面とは反対側の内周に「内歯21」を形成している。この内歯21は後述するロックギア40の外歯41と噛合可能なものであり、当該ロックギア40との噛合により、シートバックの前後方向への傾動をロックするものである。このギアプレート20は、シートバックの荷重及び乗員の体重を支持可能な強度とする必要がある。従って、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって構成することが考えられる。なお、本実施例において当該ギアプレート20は、鋼鈑にプレス加工を施すことによって外形を円形に構成すると共に内歯21を構成し、これをシートバック側に固定されるものとしている。
また「固定ガイド30」は、上記ベースプレート10における偏心の3箇所に均等間隔をおいて一体的に設けられると共に、後述するロックギア40をそれぞれ挟持するものである。この固定ガイド30には、シートバックの荷重及び乗員の体重が集中するため、これらの荷重を支持可能な強度とする必要がある。従って、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって構成することが考えられる。なお、本実施例において当該固定ガイド30は、鋼鈑をプレス加工してベースプレート10を構成する際、120°の角度を挟んだ位置に、裏側から金型で押し出すことにより扇状に突出させて構成するものとしている。当該固定ガイド30をベースプレート10と一体に形成したことにより本装置の部品点数が減少し、更に構造簡略化に伴って組立が容易となり、ひいては、本装置の製造コストの低廉化・耐久性の向上にも資することとなる。
但し、本発明において当該固定ガイド30は、その機械強度を前記ギアプレート20及び後述のロックギア40よりも低く設定する必要がある。当該リクライニング装置200に大きな荷重が入力されたとき(非常時)には、ロックギア40によって当該固定ガイド30が押圧されて変形し、その外端部31がギアプレート20の内歯21に対して当接可能とするためである。
また当該固定ガイド30は、その外端部31とギアプレート20の内歯21の先端とを可能な限り近接させて設けることも考えられる。斯様に構成することにより、当該固定ガイド30の変形時には、その外端部31によるギアプレート20の内歯21への食い込みが一層確実となる。
更に当該固定ガイド30は、ベースプレート10とギアプレート20とを組み付けた際には、当該ギアプレート20と略密接状となる厚みにて形成することも考えられる。斯様に構成することにより、当該固定ガイド30の変形時には、その厚み方向への変形をギアプレート20で押さえ込むこととなり、該固定ガイド30の変形量の大半をギアプレート20の内歯21への食い込みに充てることができる。
「ロックギア40」は、その両側面を平行に形成して上記固定ガイド30における端面どうしの間を摺動可能とすると共に、当該両側面どうしを結ぶ一辺に「外歯41」を形成して上記ギアプレート20の内歯21との噛合を可能とするものである。このロックギア40は、その外歯41がギアプレート20の内歯21に噛合した際には、ギアプレート20からの荷重を第一次的に負担するため、このような荷重にも耐えられる強度にて構成する必要がある。従って当該ロックギア40は、鋼鈑をプレス加工或いは切削加工することによって母材を形成した後に焼入れを行うか、或いは、鍛造するなどして構成することが考えられる。なお、本実施例において当該ロックギア40は、鋼鈑をプレス加工した後に焼入れをして構成するものとし、更には、後述するリンクプレート120との接合を可能とすべく、突起部42が設けられている。
「カム50」は、上記ベースプレート10の略中心位置に配置され後述のシャフト70を挿通されて、当該シャフト70と同時回転することにより上記ロックギア40の移動(摺動)を制御するものである。即ち、当該カム50の回転によって、当該ロックギア40のギアプレート20に対する噛合及びその解除が行われ、ひいては、本リクライニング装置200が装着されたシートバックの前後方向における傾動のロック及びその解除が行われるのである。なお、本実施例において当該カム50には、後述するセンターシャフト70の角柱部71を挿通可能な角穴52を穿設すると共に、後述するリンクプレート120との接合を可能とすべく2つの突起部51が設けられている。
「スプリング」は、上記カム50を回転付勢して、上記ロックギア40がギアプレート20の内歯21に噛合した状態を維持するものである。本実施例において当該スプリングは、次述するセンターシャフト70に渦巻きバネ(図示しない)を装着することによって回転付勢するものとしている。
「センターシャフト70」は、ベースプレート10及びギアプレート20の中心部にそれぞれ穿設された貫通穴に挿通して、これらベースプレート10及びギアプレート20を同軸枢支するものである。更に当該センターシャフト70は、別部材に係る「操作レバー」が装着されるものであり、乗員が当該操作レバーを手動操作した場合には、上記ベースプレート10とギアプレート20との間において挿通されたカム50及びリンクプレート120が同時回転して、上記ロックギア40のギアプレート20に対する噛合及びその解除が行われることとなる。なお、本実施例において当該センターシャフト70は、鋼材を切削加工することによって構成している。より具体的には、当該センターシャフト70の略中間部付近には、上記カム50及びリンクプレート120に形成した角穴121に挿通可能な角柱部71が設けられている。そして、該センターシャフト70における一方の端部には操作レバーを装着可能に構成すると共に、他方の端部には(図示しない)連結シャフトとの連結が可能なセレーション73を形成している。何故なら、リクライニング装置200は車両用シートの左右両側の連結部に装着されるものであるところ、シート左側のリクライニング装置200におけるカム50の回転と、シート右側のリクライニング装置200におけるカム50の回転とを、連結シャフトを介して同期させる必要があるからである。
そして「リンクプレート120」は、上記カム50が回転することによりギアプレート20の内歯21に対するロックギア40の噛合を解除するときに、前記カム50と同時回転してロックギア40を内方向に引き込むものである。なお、本実施例において当該リンクプレート120は、薄鈑にて構成した円形の中心位置に前記シャフト角柱部71を挿通可能な角穴121を穿設し、前記カム50の突起部51を挿通可能な丸穴122を穿設し、前記ロックギア40の突起部42を挿通可能な長穴123を穿設してなるものである。
続いて、上記構成からなる本実施例に係るリクライニング装置200の動作について 図11乃至図14を用いて説明する。
まず、本実施例に係るリクライニング装置200においてシートバックの前後方向における傾動をロックする場合、乗員は操作レバーを開放することとなる。操作レバーの開放時には、図11に示すように、スプリング(図示しない)によって図面上時計回り方向に付勢されたカム50が回転し、ロックギア40が固定ガイド30に沿ってベースプレート10における外方向へと押し出されるように摺動し、当該ロックギア40の外歯41がギアプレート20内周の内歯21へと噛合して、シートバックの前後方向における傾動がロックされることとなる。
一方、本実施例に係るリクライニング装置200においてシートバックの前後方向における傾動のロックを解除する場合、乗員は操作レバーを引き上げる(又は、押し下げる)こととなる。操作レバーの回動時には、図12に示すように、当該操作レバーが装着されたセンターシャフト70が反時計回り方向に回転し、更には該センターシャフト70が挿通されたカム50及びリンクプレート120も同時に回転することとなる。カム50の回転によって当該カム50とロックギア40との間に空間が生じ得ることとなる。但し、前記リンクプレート120に係る長穴123の外側縁がロックギア40の突起部42に当接して当該ロックギア40が内方向に向けてスムースに引き込まれて、前記空間は埋まることとなる。前記ロックギア40が内方向に引き込まれることによって、シートバックの前後方向における傾動が可能な状態となる。これら一連の動作を、ほぼ同時に行うこととなる。
そして、本実施例に係るリクライニング装置200において、車両衝突時などリクライニング装置に対して過大な荷重が及んだ場合(非常時)には、図14に示すように、ロックギア40が固定ガイド30を押圧して当該固定ガイド30が変形し、その外端部31がギアプレート20の内歯21に食い込んで該ギアプレート20が固着する。そのため、シートバックは傾動不可に至ることとなる。なお、車両の衝突などによって当該リクライニング装置200に過大な荷重が入力されて、固定ガイド30が塑性変形し、その外端部31がギアプレート20の内歯21に食い込んだ後には、リクライニング装置200だけを交換することにより、車両用シートの再使用が可能となる。
(実施例7)
図15は、実施例7に係るリクライニング装置200を示すものである。本実施例に係るリクライニング装置200は、その基本構成は上記実施例1と多くの部分で共通し、各構成部材の機械強度は上記実施例6と共通するため、特に上記実施例1又は上記実施例6と異なる構成につき詳説し、共通する構成についてはその説明を省略する。図15に示すように、本実施例におけるリンクプレート120は、ギアプレート20の内歯21に対するロックギア40の噛合した状態にあるとき当該リンクプレート120の外縁における固定ガイド30の外端部31と当接する箇所の外縁に、切り欠き部125を有しており、当該固定ガイド30の変形時には、その厚み方向への変形をリンクプレート120における切り欠き部125から逃がして、ギアプレート20に当接させるものである。そのため本実施例によれば、車両衝突時など、当該リクライニング装置200に過大な荷重が入力されたときには、変形したロックギア30の一部が当該切り欠き部125から膨れ出て、ギアプレート20に係合することとなる。即ち、変形した固定ギア30の肉移動の方向を任意にコントロールできるため、より一層効果的にギアプレート20に対し固定ガイド30を係合させることができるのである。尚、本実施例においてリンクプレート120は、前記切り欠き部125も含めて円形に構成しているが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、当該リンクプレート120の外径のうち切り欠き部125に相当する箇所だけを特に凹ませて形成することも考えられる。
(a)実施例1に係るリクライニング装置200であって、図bにおけるB−B断面図である。(b)図aにおけるA−A断面図である。 図1(a)に示すリクライニング装置200であって、ロックを解除した状態を示す図である。 図1(a)に示すリクライニング装置200であって、リンクプレート120を設けた状態を示す図である。 図3に示すリクライニング装置200であって、ロックを解除した状態を示す図である。 実施例2に係るリクライニング装置200であって、ギアプレート20を内歯21部分において切断し、該リクライニング装置200の内部を示す図である。 実施例3に係るリクライニング装置200であって、ギアプレート20を内歯21部分において切断し、該リクライニング装置200の内部を示す図である。 図6に示すリクライニング装置200であって、該リクライニング装置200に対し過大な荷重が入力された状態を示す図である。 実施例4に係るリクライニング装置200における可動ガイド100付近を拡大して示す図である。 実施例5に係る車両用シートにおけるシートフレームを構成するブラケット300の一部と、リクライニング装置200を示すものであって、アーク溶接を施すことにより両部材を離間不可に一体化したものである。 実施例5に係る車両用シートにおけるシートフレームを構成するブラケット300の一部と、リクライニング装置200を示すものであって、レーザ溶接を施すことにより両部材を離間不可に一体化したものである。 (a)実施例6に係るリクライニング装置200のリクライニングがロックされた状態であって、図bにおけるD−D断面図である。(b)図aにおけるC−C断面図である。 図11に示すリクライニング装置200であって、リクライニングのロックが解除された状態を示す図である。 図11に示すリクライニング装置200からリンクプレート120を取り除いた、通常時の状態を示す図である。 図13に示すリクライニング装置200であって、当該リクライニング装置200に対して過大な荷重が及んだことにより、固定ガイド30が塑性変形して、その外端部31がギアプレート20の内歯21に食い込んだ、非常時の状態を示す図である。 実施例7に係るリクライニング装置200であって、ギアプレート20を内歯21部分において切断し、該リクライニング装置200の内部を示す図である。
符号の説明
10 ベースプレート
11 凸部
20 ギアプレート
21 内歯
30 固定ガイド
31 外端部
32 ガイドブロック
40 ロックギア
41 外歯
42 突起部
43 摺動面
50 カム
51 突起部
52 角穴
70 センターシャフト
71 角柱部
73 セレーション
100 可動ガイド
101 突起部
102 外歯
103 当接部
104 段部
105 ロックギア側の摺動面
106 固定ガイド側の摺動面
110 トーションスプリング
120 リンクプレート
121 角穴
122 丸穴
123 略扇状の穴
124 凸部
125 切り欠き部
200 リクライニング装置
300 ブラケット
301 穿孔部
302 溶接部

Claims (12)

  1. 円形をなし、シートクッション又はシートバックの何れか一方に固定されるベースプレートと、
    当該ベースプレートに対して回転可能に組み付けられると共に、シートクッション又はシートバックの何れか他方に固定され、内歯を有するギアプレートと、
    前記ベースプレートに均等間隔をおいて設けられた3つの固定ガイドと、
    これら3つの固定ガイドどうしの間にそれぞれ配置され、該固定ガイドの側端面に沿って摺動して、前記ギアプレートにおける内歯と係合可能な外歯を有するロックギアと、
    当該ロックギアの移動を制御して、ロックギアをギアプレートの内歯に噛合させるカムと、
    当該カムを回転付勢して、前記ロックギアがギアプレートの内歯に噛合した状態を維持するスプリングと、
    前記カムを回転駆動させ、ロックギアとギアプレートとの噛合を解除することが可能なセンターシャフトと、を備えるリクライニング装置において、
    前記ロックギアと固定ガイドとの間には、摺動可能な可動ガイドをそれぞれ介在させており、
    これら可動ガイドは、外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成され、
    各可動ガイドにはそれぞれトーションスプリングが係合され、当該トーションスプリングによってベースプレートの内方向へと付勢されていることを特徴とするリクライニング装置。
  2. 請求項1に記載したリクライニング装置において、
    外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成された可動ガイドは、
    ロックギア側の摺動面はロックギアの移動方向と平行に設けられ、固定ガイド側の摺動面は前記ロックギア側の摺動面に対し傾斜して設けられてなることを特徴とするリクライニング装置。
  3. 請求項1に記載したリクライニング装置において、
    ロックギアは、内方端から外方端に向かって漸次幅が狭く形成されると共に、当該ロックギアにおける固定ガイド側の摺動面は、該ロックギアの移動方向と平行に設けられ、
    外方端から内方端に向かって漸次幅が狭く形成された可動ガイドは、
    ロックギア側の摺動面はロックギアの移動方向に対し傾斜して設けられ、固定ガイド側の摺動面は前記ロックギア側の摺動面に対し傾斜して設けられてなることを特徴とするリクライニング装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載したリクライニング装置において、
    一方端が可動ガイドに係合されたトーションスプリングは、その他方端はカムに係合されており、これら可動ガイドとカムとを相互に引き寄せるように付勢していることを特徴とするリクライニング装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れかに記載したリクライニング装置において、
    可動ガイドの外方端には、ギアプレートにおける内歯と係合可能な外歯を設けたことを特徴とするリクライニング装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載したリクライニング装置において、
    可動ガイドにおける固定ガイド側の摺動面の外方端側に、固定ガイドと緊密に当接する当接部を形成し、
    当該固定ガイドとの間に隙間を発生させるための段部を、前記当接部に連続して形成したことを特徴とするリクライニング装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載したリクライニング装置において、
    カムが回転することによりギアプレートの内歯に対するロックギアの噛合を解除するとき、前記カムと同時回転して可動ガイドを外方向に押し出すリンクプレートを備えたことを特徴とするリクライニング装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れかに記載したリクライニング装置において、
    ベースプレートは、装着される車両用シートのシートフレームを構成するシートクッション側ブラケット又はシートバック側ブラケットに対してレーザ溶接されることを特徴とするリクライニング装置。
  9. 円形をなし、シートクッション又はシートバックの何れか一方に固定されるベースプレートと、
    当該ベースプレートに対して回転可能に組み付けられると共に、シートクッション又はシートバックの何れか他方に固定され、内歯を有するギアプレートと、
    前記ベースプレートと一体的に設けられた3つの固定ガイドと、
    これら3つの固定ガイドどうしの間にそれぞれ配置されて該固定ガイドに沿って摺動して、前記ギアプレートにおける内歯と係合可能な外歯を有するロックギアと、
    当該ロックギアの移動を制御して、ロックギアをギアプレートの内歯に噛合させるカムと、
    当該カムを回転付勢して、前記ロックギアがギアプレートの内歯に噛合した状態を維持するスプリングと、
    前記カムを回転駆動させ、ロックギアとギアプレートとの噛合を解除することが可能なセンターシャフトと、を備えるリクライニング装置において、
    前記固定ガイドは、その機械強度をギアプレート及びロックギアよりも低く設定して、
    当該リクライニング装置に大きな荷重が入力されたときには、前記ロックギアが固定ガイドを押圧して当該固定ガイドが変形し、その外端部がギアプレートの内歯に当接して、前記シートバックを傾動不可とすることを特徴とするリクライニング装置。
  10. 請求項9に記載したリクライニング装置において、
    固定ガイドは、その外端部とギアプレートの内歯の先端とを近接させて設け、
    当該固定ガイドの変形時には、その外端部がギアプレートの内歯に食い込むことを特徴とするリクライニング装置。
  11. 請求項9又は請求項10に記載したリクライニング装置において、
    固定ガイドは、ベースプレートとギアプレートとを組み付けた際、該ギアプレートと略密接状となる厚みにて形成し、
    当該固定ガイドの変形時には、その厚み方向への変形をギアプレートで押さえ込むことを特徴とするリクライニング装置。
  12. 請求項9又は請求項10に記載したリクライニング装置において、
    カムが回転することによりギアプレートの内歯に対するロックギアの噛合を解除するとき、前記カムと同時回転して前記ロックギアを内方向に引き込むリンクプレートを備えるものであって、
    当該リンクプレートは、ギアプレートの内歯に対するロックギアの噛合した状態にあるとき前記リンクプレートの外縁における固定ガイドの外端部と当接する箇所の外縁に、切り欠き部を有しており、
    当該固定ガイドの変形時には、その厚み方向への変形をリンクプレートにおける切り欠き部から逃がして、ギアプレートに当接させることを特徴とするリクライニング装置。
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