JP2009039105A - 抗酸菌属細菌の検出用オリゴヌクレオチドおよびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抗酸菌属細菌のdnaJ1遺伝子において菌種特異性が極めて高い領域を標的核酸とするプローブを用いた融解曲線解析を行う。ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の検出方法。プライマー伸長産物と検出用オリゴヌクレオチドプローブと、をハイブリダイズさせ複合体を形成せしめ、得られうる該複合体を検出する。
【選択図】図1
Description
配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド。
[項2]
少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の検出方法。
(1)少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドプライマー(A)と、該プライマー(A)の伸長産物の一部と相補的な少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドプライマー(B)と、を用いて配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列と90%以上一致する核酸配列を含む核酸断片を増幅する第一工程、
(2)第一工程で得られうるプライマー(B)の伸長産物と、配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する少なくとも1種類の検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Ct)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pt)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pt)を検出する第三工程。
[項3]
(1)〜(3)の工程を密封状態のままで行うことを特徴とする項2に記載の検出方法。
[項4]
検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Ct)が蛍光色素で標識されていることを特徴とする項2または3に記載の検出方法。
[項5]
複合体(Pt)の検出にIFP法を用いることを特徴とする項2〜4のいずれかに記載の検出方法。
[項6]
複合体(Pt)の検出にQ−Probe法を用いることを特徴とする項2〜4のいずれかに記載の検出方法。
[項7]
少なくとも以下の(1)および(2)を含むことを特徴とするヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の検出キット。
(1)配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列と90%以上一致する核酸配列を含む核酸断片を増幅することが可能なオリゴヌクレオチドプライマー(A)およびオリゴヌクレオチドプライマー(B)、
(2)配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Ct)。
5’−CTACAAGGAGCTGGGCGTCTCCTCTG−3’(配列番号3)
および
5’−CCCGAGGGAGCGCCGCGCAACCCGGCCTCGCCCTG−3’(配列番号4)
をプライマーとして使用した際に、増幅される抗酸菌属細菌の遺伝子領域に含まれる。当該増幅領域について、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)は配列番号13に、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)は配列番号14に、マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobacterium kansasii)は配列番号15に、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は配列番号16に、それぞれ具体的な核酸配列を記載する。
また、上記の「抗酸菌属細菌のdnaJ1遺伝子において菌種特異性が高い領域」は、「領域Aおよび領域B」として後述するが、従来公知であるdnaJ遺伝子の部分配列(特許第2966478号、特許第3134940号、L Clin. Microbio1.第31巻446頁参照)より当該遺伝子の下流に位置し、従来技術において抗酸菌属細菌の検出および/または同定には使用されなかった領域である。
例えば、プライマー(A)としては、
5’−ACGGCGCTGAGTTCAACCTCAACG−3’(配列番号5)
5’−CCAAGCGCAAGGAGTACGACGAA−3’(配列番号6)
プライマー(B)としては、
5’−GAACAAGCCACCGAACAAGTCACCGAT−3’(配列番号7)
5’−CGTCGAACATTTCGTTGAGGTTGAACT−3’(配列番号8)
5’−CAAGCCACCGAACAGGTCGCCGAT−3’(配列番号9)
のような配列を有するオリゴヌクレオチドを使用することができる。
(1)試料の調製
4種類の抗酸菌属細菌、すなわち、ヒト型結核菌、トリ型結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・カンサシイより、それぞれフェノール・クロロフォルム法を用いて抽出したDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号10〜12、22〜25に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ10〜12、22〜25と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマアルドリッチジャパン(株)、オペロンバイオテクノロジー(株)など)に依頼した。オリゴ10がプライマー(A)であり、オリゴ11がプライマー(B)であり、オリゴ12、22〜25がプローブ(Ct)である。オリゴ12、22、23、25は3’末端がBODIPY−FLにより標識されている。オリゴ24は5’末端がBODIPY−FLにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりヒト型結核菌を検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ12、オリゴ22〜25(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
94℃・2分
98℃・0秒、
65℃・5秒、(50サイクル)
94℃・1分、
40℃・1分、
40℃〜75℃(0.5℃/秒で温度上昇)。
図4〜8はライトサイクラーソフトウェアの解析により、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図4にオリゴ12を用いた場合の検出結果を示す。図4より明らかなように、ヒト型結核菌(MT)のDNAを試料とした場合にのみ明瞭なピークが観察され、トリ型結核菌(MA)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(MI)、マイコバクテリウム・カンサシイ(MK)それぞれのDNAを試料とした場合には陰性コントロール(NC)と同様にピークが得られなかった。これは、プローブ(Ct)の特異性が非常に高いことを示しており、プローブ(Ct)を用いることでヒト型結核菌を特異的に検出できることを示している。
図5〜8は、図4のオリゴ12にかえてオリゴ22〜25を用いて検出した結果を表した図である。図5〜8より明らかなように、配列番号2(領域B)に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を有していれば、ヒト型結核菌(MT)のDNAを試料とした場合に特異的なピークが観察される。さらに配列番号2(領域B)中の、5‘−AACCGGCGGT−3’(配列番号21)を少なくとも含む標識プローブのオリゴ12、22〜24ではオリゴ25を使用した場合(図8)に見られたヒト型結核菌以外の判別しうる非特異ピークすら観察されなかった。
〔実施例2:Q−Probe法を用いたヒト型結核菌の検出2〕
(1)試料の調製
36種類の抗酸菌属細菌をそれぞれマクファランドNo.1の濃度となるようにTEバッファーに懸濁し、AMR社製MORA−EXTRACT用ビーズ充填チューブに入れた。チューブを95℃10分間加熱し、ボルテックスにより5分間菌体破砕処理を行った。その後破砕処理後の液を100倍希釈して菌体破砕液とし、これを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
36種類の抗酸菌属細菌菌体破砕液および陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりヒト型結核菌を検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ12(3’末端をBODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
菌体破砕液 1μL
実施例1と同様の条件を使用した。
表2に36種類の抗酸菌属細菌の検出結果を示す。検出欄の「+」が検出可能な菌種。「−」が検出されない菌種を示す。「+」の検出可能な菌種では、図4のヒト型結核菌(MT)を試料として用いた時に見られるような検出ピークが確認できた。ヒト型結核菌(MT)の菌体破砕液を試料とした場合にのみ検出が確認された。抗酸菌属であっても種の異なる35種類の抗酸菌属菌体破砕液を試料とした場合では陰性コントロール(NC)と同様にピークが得られなかった。これは、プローブ(オリゴ12)の特異性が非常に高いことを示しており、プローブ(オリゴ12)を用いることでヒト型結核菌を特異的に検出できることを示している。
(1)試料の調製
実施例1と同様に、4種類の抗酸菌属細菌より、それぞれフェノール・クロロフォルム法を用いて抽出したDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号26〜31に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ26〜31と示す)を合成した。オリゴ26がプライマー(A)であり、オリゴ11がプライマー(B)であり、オリゴ27〜31がプローブ(Ct)である。オリゴ27、29〜31は3’末端がBODIPY−FLにより標識されており、オリゴ28は5‘末端がBODIPY−FLにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりヒト型結核菌を検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ26 1500nM、
オリゴ11 250nM、
オリゴ27、28(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
試薬2
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ26 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ29〜31(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
実施例1と同様の条件を使用した。
図9〜13は、ライトサイクラーソフトウェアの解析により、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図9にオリゴ27を用いた場合の検出結果を示す。図9より明らかなように、ヒト型結核菌(MT)のDNAを試料とした場合にのみ明瞭なピークが観察され、トリ型結核菌(MA)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(MI)、マイコバクテリウム・カンサシイ(MK)それぞれのDNAを試料とした場合には陰性コントロール(NC)と同様にピークが得られなかった。これは、プローブ(オリゴ27)の特異性が非常に高いことを示しており、プローブ(オリゴ27)を用いることでヒト型結核菌を特異的に検出できることを示している。
図10〜13は、図9のオリゴ27にかえて、それぞれオリゴ28〜31を用いて検出した結果を表した図である。図10〜13より明らかなように、配列番号1(領域A)に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を有していれば、ヒト型結核菌(MT)のDNAを試料とした場合にMTを特異的に検出できた。オリゴ30またはオリゴ31(図12または図13)を用いた時に見られるNC、MA、MI、MKの非特異ピークについては、MTピークの温度と異なっているため、MTを判別することは可能である。さらに配列番号1(領域A)中の、5‘−GGTTTCGGGG−3’(配列番号20)の相補的な核酸配列を少なくとも含む標識プローブのオリゴ27ではオリゴ28〜31よりもヒト型結核菌に特異的かつ明瞭な検出ピークが得られていることがわかる。
(1)試料の調製
実施例3と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号32に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ32と示す)を合成した。オリゴ32はプローブである。オリゴ32は5’末端がBODIPY−FLにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりヒト型結核菌を検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ26 1500nM、
オリゴ11 250nM、
オリゴ32(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
実施例1と同様の条件を使用した。
図14は、図9のオリゴ27にかえて、オリゴ32を用いて検出した結果を表した図である。オリゴ32は領域Aまたは領域Bまたはそれぞれの相補的な核酸配列に含まれない核酸配列を有したプローブである。図14より明らかなように、オリゴ32を用いた場合ではMTに特異的な検出ピークが得られず、MTを検出できなかった。
(1)試料の調製
MTおよびBCGをそれぞれマクファランドNo.1の濃度となるようにTEバッファーに懸濁し、AMR社製MORA−EXTRACT用ビーズ充填チューブに入れた。チューブを95℃10分間加熱し、ボルテックスにより5分間菌体破砕処理を行った。その後破砕処理後の液を100倍希釈して菌体破砕液とし、これを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
MTおよびBCGの各菌体破砕液および陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりBCGを検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ26 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ27(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
MTまたはBCG菌体破砕液 1μL
実施例1と同様の条件を使用した。
図15は、ライトサイクラーソフトウェアの解析により、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図15はオリゴ27を用いてMTおよびBCGを検出した結果を表している。図15より明らかなように、オリゴ27を用いればMT菌体破砕液を試料にした場合65℃に検出ピークが得られ、BCG菌体破砕液を試料にした場合58℃に検出ピークが得られた。MTおよびBCGを判別できる明瞭なピークが観察された。これは、従来の遺伝子検査方法では判別できなかったMTとBCGを判別できたことを示している。
(1)試料の調製
実施例1と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号33、34に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ33、34と示す)を合成した。オリゴ33、34はプローブである。オリゴ33、34は5’末端および3‘末端がTexas Redにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりヒト型結核菌を検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは640nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ26 1500nM、
オリゴ11 150nM、
オリゴ33(Texas Red標識)1000nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
SYBR Green I(商標)(インビトロジェン社製)1/20000
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
試薬2
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 150nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ34(Texas Red標識) 1000nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
SYBR Green I(商標)(インビトロジェン社製)1/20000
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
94℃・2分
98℃・0秒、
65℃・5秒、(50サイクル)
94℃・1分、
40℃・1分、
40℃〜75℃(0.5℃/秒で温度上昇)。
図16、17はライトサイクラーソフトウェアの解析により、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図16にオリゴ33(領域Aに設計)、図17にオリゴ34(領域Bに設計)を用いた場合の検出結果を示す。図16,17に示すように、ヒト型結核菌(MT)のDNAを試料とした場合にのみ明瞭なピークが観察され、トリ型結核菌(MA)、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(MI)、マイコバクテリウム・カンサシイ(MK)それぞれのDNAを試料とした場合には陰性コントロール(NC)と同様にピークが得られなかった。これは、プローブの特異性が非常に高いことを示しており、オリゴ33またはオリゴ34を用いることでヒト型結核菌を特異的に検出できることを示している。
(1)試料の調製
実施例1と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号35に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ35と示す)を合成した。オリゴ35はプローブである。オリゴ35は5’末端および3‘末端がTexas Redにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりヒト型結核菌を検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは640nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ26 150nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ35(Texas Red標識) 1000nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
SYBR Green I(商標)(インビトロジェン社製)1/20000
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
94℃・2分
98℃・0秒、
65℃・5秒、(50サイクル)
94℃・1分、
40℃・1分、
40℃〜75℃(0.5℃/秒で温度上昇)。
図18は、図16のオリゴ33にかえて、オリゴ35を用いて検出した結果を表した図である。オリゴ35は領域Aまたは領域Bまたはそれぞれの相補的な核酸配列に含まれない核酸配列を有したプローブである。図18より明らかなようにオリゴ35を用いた場合、MTに特異的な検出ピークが得られず、MTを検出できなかった。
Claims (7)
- 配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド。
- 少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の検出方法。
(1)少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドプライマー(A)と、該プライマー(A)の伸長産物の一部と相補的な少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドプライマー(B)と、を用いて配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列と90%以上一致する核酸配列を含む核酸断片を増幅する第一工程、
(2)第一工程で得られうるプライマー(B)の伸長産物と、配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する少なくとも1種類の検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Ct)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pt)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pt)を検出する第三工程。 - (1)〜(3)の工程を密封状態のままで行うことを特徴とする請求項2に記載の検出方法。
- 検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Ct)が蛍光色素で標識されていることを特徴とする請求項2または3に記載の検出方法。
- 複合体(Pt)の検出にIFP法を用いることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の検出方法。
- 複合体(Pt)の検出にQ−Probe法を用いることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の検出方法。
- 少なくとも以下の(1)および(2)を含むことを特徴とするヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の検出キット。
(1)配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列と90%以上一致する核酸配列を含む核酸断片を増幅することが可能なオリゴヌクレオチドプライマー(A)およびオリゴヌクレオチドプライマー(B)、
(2)配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Ct)。
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- 2008-07-10 JP JP2008180127A patent/JP5286997B2/ja active Active
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