JP5286996B2 - 抗酸菌属細菌の検出用オリゴヌクレオチドおよびその用途 - Google Patents
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Description
配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち、少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有することを特徴とするオリゴヌクレオチド。
[項2]
少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とするトリ型結核菌(Mycobacterium avium)またはマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacteriumintracellulare)の検出方法。
(1)少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドプライマー(A)と、該プライマー(A)の伸長産物の一部と相補的な少なくとも1種類のオリゴヌクレオチドプライマー(B)と、を用いて配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列と90%以上一致する核酸配列を含む核酸断片を増幅する第一工程、
(2)第一工程で得られうるプライマー(B)の伸長産物と、配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する少なくとも1種類の検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pm)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pm)を検出する第三工程。
[項3]
(1)〜(3)の工程を密封状態のままで行うことを特徴とする項2に記載の検出方法。
[項4]
検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)が蛍光色素で標識されていることを特徴とする項2または3に記載の検出方法。
[項5]
複合体(Pm)の検出にIFP法を用いることを特徴とする項2〜4のいずれかに記載の検出方法。
[項6]
複合体(Pm)の検出にQ−Probe法を用いることを特徴とする項2〜4のいずれかに記載の検出方法。
[項7]
少なくとも以下の(1)および(2)を含むことを特徴とするトリ型結核菌(Mycobacterium avium)またはマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacteriumintracellulare)の検出キット。
(1)配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列と90%以上一致する核酸配列を含む核酸断片を増幅することが可能なオリゴヌクレオチドプライマー(A)およびオリゴヌクレオチドプライマー(B)、
(2)配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を含有する検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)。
5’−CTACAAGGAGCTGGGCGTCTCCTCTG−3’(配列番号3)
および
5’−CCCGAGGGAGCGCCGCGCAACCCGGCCTCGCCCTG−3’(配列番号4)
をプライマーとして使用した際に、増幅される抗酸菌属細菌の遺伝子領域に含まれる。当該増幅領域について、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)は配列番号13に、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)は配列番号14に、マイコバクテリウム・カンサシイ(Mycobacterium kansasii)は配列番号15に、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は配列番号16に、それぞれ具体的な核酸配列を記載する。
また、上記の「抗酸菌属細菌のdnaJ1遺伝子において菌種特異性が高い領域」は、「領域Aおよび領域B」として後述するが、従来公知であるdnaJ遺伝子の部分配列(特許第2966478号、特許第3134940号、L Clin. Microbio1.第31巻446頁参照)より当該遺伝子の下流に位置し、従来技術において抗酸菌属細菌の検出および/または同定には使用されなかった領域である。
例えば、
プライマー(A)としては、
5’−ACGGCGCTGAGTTCAACCTCAACG−3’(配列番号5)
5’−CCAAGCGCAAGGAGTACGACGAA−3’(配列番号6)
プライマー(B)としては、
5’−GAACAAGCCACCGAACAAGTCACCGAT−3’(配列番号7)
5’−CGTCGAACATTTCGTTGAGGTTGAACT−3’(配列番号8)
5’−CAAGCCACCGAACAGGTCGCCGAT−3’(配列番号9)
のような配列を有するオリゴヌクレオチドを使用することができる。
(1)試料の調製
4種類の抗酸菌属細菌、すなわち、ヒト型結核菌、トリ型結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラーレ、マイコバクテリウム・カンサシイより、それぞれフェノール・クロロフォルム法を用いて抽出したDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
パーキンエルマー社製DNAシンセサイザー392型を用いて、ホスホアミダイト法にて、配列番号10〜12に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ10〜12と示す)を合成した。合成はマニュアルに従い、各種オリゴヌクレオチドの脱保護はアンモニア水で55℃、一夜実施した。オリゴヌクレオチドの精製はパーキンエルマー社OPCカラムにて実施した。もしくはDNA合成受託会社((株)日本バイオサービス、シグマアルドリッチジャパン(株)、オペロンバイオテクノロジー(株)など)に依頼した。オリゴ10がプライマー(A)であり、オリゴ11がプライマー(B)であり、オリゴ12がプローブ(Cm)である。オリゴ12は5’末端がBODIPY−FLにより標識され、3’末端がリン酸化されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりヒト型結核菌を検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ12(5’末端をBODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
94℃・2分
98℃・0秒、
63℃・5秒、(50サイクル)
94℃・1分、
40℃・1分、
40℃〜75℃(0.5℃/秒で温度上昇)。
図4は、ライトサイクラーソフトウェアの解析により、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図4より明らかなように、トリ型結核菌(MA)およびマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(MI)、すなわちMACのDNAを試料とした場合にのみ明瞭なピークが観察され、ヒト型結核菌(MT)、マイコバクテリウム・カンサシイ(MK)それぞれのDNAを試料とした場合には陰性コントロール(NC)と同様にピークが得られなかった。これは、プローブ(Cm)の特異性が非常に高いことを示しており、プローブ(Cm)を用いることでMACを特異的に検出できることを示している。
(1)試料の調製
実施例1と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号23〜25に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ23〜25と示す)を合成した。オリゴ23〜25はプローブであり、オリゴ23は3’末端がBODIPY−FLにより標識され、オリゴ24、25は5’末端がBODIPY−FLにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりMACを検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 1500nM、
オリゴ11 250nM、
オリゴ23、24(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
試薬2
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ25(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL
実施例1と同様の条件を使用した。
図5〜7は、図4のオリゴ12にかえてオリゴ23〜25を用いて検出した結果を表した図である。図4〜7より明らかなように、配列番号1(領域A)に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を有していれば、MACのDNAを試料とした場合に特異的なピークが観察される。さらに配列番号1(領域A)中の、5‘−TCAACGTCGG−3’(配列番号20)を少なくとも含む標識プローブのオリゴ23,24ではMACに属するMAおよびMIともMACに特異的な同一の検出ピークが得られている。しかし、5‘−TCAACGTCGG−3’の配列を完全に含まない配列を持つオリゴ25を使用した場合(図7)では、MAとMIの塩基配列に一塩基の変異が含まれるため、検出ピークがMAで64℃、MIで59℃とずれが生じている。配列番号1(領域A)中の、5‘−TCAACGTCGG−3’は、MACの検出の際には、より有用な配列であることがわかる。
(1)試料の調製
実施例1と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号22、26に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ22、26と示す)を合成した。オリゴ22はプライマー(B)である。オリゴ26はプローブであり、3’末端がBODIPY−FLにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりMACを検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 250nM、
オリゴ22 1500nM、
オリゴ26(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
実施例1と同様の条件を使用した。
図8は、図4のオリゴ12にかえてオリゴ26を用いて検出した結果を表した図である。図8より明らかなように、配列番号2(領域B)に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列のうち少なくとも連続した10塩基よりなる核酸配列を有していれば、MACのDNAを試料とした場合に特異的なピークが観察される。加えて、オリゴ26は配列番号2(領域B)中の5‘−AGCGGCGGCA−3’(配列番号21)を少なくとも含む核酸配列を有する標識プローブであるため、MACに特異的な検出ピーク以外の非特異ピークは観察されなかった。
(1)試料の調製
実施例1と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号27に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ27と示す)を合成した。オリゴ27はプローブである。オリゴ27は5’末端がBODIPY−FLにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりMKを検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 1500nM、
オリゴ11 250nM、
オリゴ27(BODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
実施例1と同様の条件を使用した。
図9は、図4のオリゴ12にかえて、オリゴ27を用いて検出した結果を表した図である。オリゴ27は領域Aまたは領域Bまたはそれらの相補的な核酸配列の連続した10塩基以上を含まれない核酸配列を有したプローブである。図9より明らかなように、オリゴ27を用いた場合ではMA、MI、MKのDNAを鋳型としたときに検出ピークが得られるが、MAとMIの検出ピークの間にMKの検出ピークが存在するため、MAC(MAとMI)に特異的な検出ピークは得られなかった。データには示さないが、オリゴ27の塩基配列はMAC株間で変異が存在する領域であるためトリ型結核菌種であってもMKと同一のピークを示す株や、イントラセルラーレ種であっても検出ピークが異なる株が存在する。つまり、MACに属する株の検出ピークが特定できない。オリゴ27の核酸配列は一例であるが、配列番号1または2に示される核酸配列または該配列に相補的な核酸配列以外の核酸配列を標識プローブの核酸配列に用いると、他の抗酸菌種も同時に検出することによる偽陽性の可能性およびMAC株間で検出ピークが異なることによる偽陰性の可能性が高いことがわかる。
〔実施例4:Q−Probe法を用いたMACの検出5〕
(1)試料の調製
36種類の抗酸菌属細菌をそれぞれマクファランドNo.1の濃度となるようにTEバッファーに懸濁し、AMR社製MORA−EXTRACT用ビーズ充填チューブに入れた。チューブを95℃10分間加熱し、ボルテックスにより5分間菌体破砕処理を行った。その後破砕処理後の液を100倍希釈して菌体破砕液とし、これを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
36種類の抗酸菌属細菌菌体破砕液および陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりMACを検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ12(3’末端をBODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
菌体破砕液 1μL
実施例1と同様の条件を使用した。
表2に36種類の抗酸菌属細菌の検出結果を示す。検出欄の「+」が検出可能な菌種。「−」が検出されない菌種を示す。MACの菌体破砕液を試料とした場合にのみ64℃における特異的な検出ピークが確認された。抗酸菌属であってもMACとは種の異なる34種類の抗酸菌属菌体破砕液を試料とした場合では陰性コントロール(NC)と同様に64℃の特異的な検出ピークが得られなかった。これは、プローブ(オリゴ12)の特異性が非常に高いことを示しており、プローブ(オリゴ12)を用いることでMACを特異的に検出できることを示している。
〔実施例5:Q−Probe法を用いたMACの検出6〕
(1)試料の調製
臨床分離されたMAC40株をそれぞれマクファランドNo.1の濃度となるようにTEバッファーに懸濁し、AMR社製MORA−EXTRACT用ビーズ充填チューブに入れた。チューブを95℃10分間加熱し、ボルテックスにより5分間菌体破砕処理を行った。その後破砕処理後の液を100倍希釈して菌体破砕液とし、これを試料とした。陰性コントロール(NC)としては、水を試料とした。
臨床分離されたMAC40株の菌体破砕液および陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりMACを検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは530nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 1500nM、
オリゴ11 250nM、
オリゴ23(3’末端をBODIPY−FL標識) 250nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
菌体破砕液 1μL
実施例1と同様の条件を使用した。
表3に臨床分離されたMAC40株の検出結果を示す。検出欄の「+」が検出可能な菌種。「−」が検出されない菌種を示す。表3の一致率(%)は配列番号13に示される塩基配列の塩基番号1〜340までの配列をMAC株間で比較した時の一致率を示している。MAC40株の菌体破砕液全てにおいて検出が確認された。この時の融解曲線解析の検出ピークは図5と同様のピークが得られた。領域A配列中の5‘−TCAACGTCGG−3’(配列番号20)を少なくとも含む標識プローブのオリゴ23を用いればMACを株間差なく検出できることを示している。プローブ(オリゴ23)のMACに対する特異性が非常に高いことを示しており、プローブ(オリゴ23)を用いることで株間差の大きいMACを特異的に検出できることを示している。
(1)試料の調製
実施例1と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号28、29に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ28、29と示す)を合成した。オリゴ28、29はプローブである。オリゴ28、29は5’末端および3‘末端がTexas Redにより標識されている。
4種類の抗酸菌属細菌DNAおよび陰性コントロールにそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件によりMACを検出した。核酸増幅および融解曲線解析にはロシュ・ダイアグノスティック社製ライトサイクラー(登録商標)を使用した。測定モードは640nmを利用し、ライトサイクラーソフトウェアにより結果を解析した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 1500nM、
オリゴ11 250nM、
オリゴ28(Texas Red標識)1000nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
SYBR Green I(商標)(インビトロジェン社製)1/20000
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
試薬2
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 250nM、
オリゴ11 1500nM、
オリゴ29(Texas Red標識) 1000nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
SYBR Green I(商標)(インビトロジェン社製)1/20000
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
94℃・2分
98℃・0秒、
63℃・5秒、(50サイクル)
94℃・1分、
40℃・1分、
40℃〜75℃(0.5℃/秒で温度上昇)。
図10、11はライトサイクラーソフトウェアの解析により、グラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図10にオリゴ28(領域Aに設計)、図11にオリゴ29(領域Bに設計)を用いた場合の検出結果を示す。図10、11に示すように、MAC(MA、MI)のDNAを試料とした場合にのみ明瞭なピークが観察され、ヒト型結核菌(MT)、マイコバクテリウム・カンサシイ(MK)それぞれのDNAを試料とした場合には陰性コントロール(NC)と同様にピークが得られなかった。これは、プローブ(オリゴ28,29)の特異性が非常に高いことを示しており、領域Aまたは領域Bに設計したプローブ(オリゴ28,29)を用いることでMACを特異的に検出できることを示している。
(1)試料の調製
実施例1と同様に調製した4種類の抗酸菌属細菌のDNAを試料とした。陰性コントロールとしては、水を試料とした。
実施例1同様に、配列番号30に示される核酸配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、オリゴ30と示す)を合成した。オリゴ30はプローブである。オリゴ30は5’末端および3‘末端がTexas Redにより標識されている。
実施例5と同じ条件を使用した。
以下の試薬を含む10μL溶液を調製した。
KOD plus DNAポリメラーゼ反応液
オリゴ10 1500nM、
オリゴ11 250nM、
オリゴ30(Texas Red標識) 1000nM、
×10緩衝液 1μL、
dNTP 0.2mM、
MgSO4 4mM、
SYBR Green I(商標)(インビトロジェン社製)1/20000
KOD plus DNAポリメラーゼ 0.2U、
抽出DNA溶液 20ng
94℃・2分
98℃・0秒、
63℃・5秒、(50サイクル)
94℃・1分、
40℃・1分、
40℃〜75℃(0.5℃/秒で温度上昇)。
図12は、図10のオリゴ28にかえて、オリゴ30を用いて検出した結果を表した図である。オリゴ30は領域Aまたは領域Bまたはそれぞれの相補的な核酸配列に含まれない核酸配列を有したプローブである。図12より明らかなようにオリゴ30を用いた場合、MACに特異的な検出ピークが得られず、MACを検出できなかった。
Claims (7)
- 以下の(A)から(F)のいずれかで示されるオリゴヌクレオチドの組合せ。
(A)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号12に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(B)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号23に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(C)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号24に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(D)配列番号10および配列番号22に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号26に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(E)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号28に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(F)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号29に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。 - 以下の(A)から(F)のいずれかで示されるトリ型結核菌(Mycobacterium avium)またはマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)の検出方法。
(A)少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含む方法。
(1)配列番号10に示されるオリゴヌクレオチドと、配列番号11に示されるオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマー対として用いて、核酸増幅を行う第一工程、
(2)第一工程で得られうる増幅産物と、配列番号12に示される検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pm)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pm)を検出する第三工程。
(B)少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含む方法。
(1)配列番号10に示されるオリゴヌクレオチドと、配列番号11に示されるオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマー対として用いて、核酸増幅を行う第一工程、
(2)第一工程で得られうる増幅産物と、配列番号23に示される検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pm)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pm)を検出する第三工程。
(C)少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含む方法。
(1)配列番号10に示されるオリゴヌクレオチドと、配列番号11に示されるオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマー対として用いて、核酸増幅を行う第一工程、
(2)第一工程で得られうる増幅産物と、配列番号24に示される検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pm)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pm)を検出する第三工程。
(D)少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含む方法。
(1)配列番号10に示されるオリゴヌクレオチドと、配列番号22に示されるオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマー対として用いて、核酸増幅を行う第一工程、
(2)第一工程で得られうる増幅産物と、配列番号26に示される検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pm)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pm)を検出する第三工程。
(E)少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含む方法。
(1)配列番号10に示されるオリゴヌクレオチドと、配列番号11に示されるオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマー対として用いて、核酸増幅を行う第一工程、
(2)第一工程で得られうる増幅産物と、配列番号28に示される検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pm)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pm)を検出する第三工程。
(F)少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を含む方法。
(1)配列番号10に示されるオリゴヌクレオチドと、配列番号11に示されるオリゴヌクレオチドとの組合せをプライマー対として用いて、核酸増幅を行う第一工程、
(2)第一工程で得られうる増幅産物と、配列番号29に示される検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)と、をハイブリダイズさせ複合体(Pm)を形成せしめる第二工程、
(3)第二工程で得られうる該複合体(Pm)を検出する第三工程。 - (1)〜(3)の工程を密封状態のままで行うことを特徴とする請求項2に記載の検出
方法。 - 検出用オリゴヌクレオチドプローブ(Cm)が蛍光色素で標識されていることを特徴と
する請求項2または3に記載の検出方法。 - 複合体(Pm)の検出にIFP法を用いることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに
記載の検出方法。 - 複合体(Pm)の検出にQ−Probe法を用いることを特徴とする請求項2〜4のい
ずれかに記載の検出方法。 - 少なくとも以下の(A)から(F)のいずれかで示されるオリゴヌクレオチドの組合せを含むことを特徴とするトリ型結核菌(Mycobacterium avium)またはマイコバクテリウム・イントラセルラーレ(Mycobacterium intracellulare)の検出キット。
(A)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号12に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(B)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号23に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(C)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号24に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(D)配列番号10および配列番号22に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号26に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(E)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号28に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
(F)配列番号10および配列番号11に示される2つのオリゴヌクレオチドからなるプライマーセット、および、配列番号29に示されるオリゴヌクレオチドからなるプローブの組合せ。
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