JP6145974B2 - 肺炎マイコプラズマの検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、迅速、確実かつ簡便な肺炎マイコプラズマの検出のためのオリゴヌクレオチド、該オリゴヌクレオチドを利用する肺炎マイコプラズマの検出方法および/または当該検出した肺炎マイコプラズマのクラリスロマイシン耐性の判別方法ならびにそれらの検出および/または判別を行うための試薬に関する。
肺炎マイコプラズマは、大部分がヒトの気道にいる病原菌であり、気管支炎、咽頭炎、および非定型肺炎を引き起こし得る。この細菌は、年長児童および若年成人に最もよく感染する。肺炎マイコプラズマは細胞壁を持たないという構造的特徴を有する。この特徴のため、ペニシリン等の細胞壁合成阻害作用を発揮する抗生物質には耐性である。従って、肺炎マイコプラズマ性肺炎の治療にはクラリスロマイシンなどタンパク質合成阻害剤の投与が有効である。
しかし、肺炎マイコプラズマの中にはクラリスロマイシン等に耐性となった薬剤耐性菌が存在する。薬剤耐性の判別は治療方針を決定する上で非常に重要であり、肺炎マイコプラズマ検査においては菌検出および薬剤耐性判別を正確にかつ短時間で検査できる方法が望まれている。
肺炎マイコプラズマを診断するための標準的臨床検査法には、培養法、血清学的方法および遺伝子検査法が含まれる。
血清学的方法は、菌検出の感度が鈍く非特異的であり、なおかつ薬剤耐性の有無を判別することができないという問題点を有する。
培養法は、薬剤耐性の有無を判別することができるが、培養に1〜3週間を要するため迅速性に欠けるという問題点を有する。
遺伝子検査法は、肺炎マイコプラズマに特異的な核酸領域を増幅して検出する方法が挙げられる。例えば、LAMP(Loop−mediated Isothermal Amplification)法によるもの(非特許文献1)、リアルタイムPCR法によるものなどいくつかが肺炎マイコプラズマ遺伝子検査試薬として市販されている。
しかしこれらの検査試薬では肺炎マイコプラズマ検出のみが可能であり、薬剤耐性の判別は不可能である。
また、これらの検査試薬には核酸増幅が正常に行われたかを確認するためのインターナルコントロールが存在していないため、肺炎マイコプラズマが検出されず陰性となった場合に、その結果が本当に陰性だからなのか、それとも核酸増幅に異常が発生したのかを直接的に確認できないという欠点がある。
遺伝子検査法で、クラリスロマイシン等のマクロライド系薬剤に対する耐性を調べるには、肺炎マイコプラズマのリボソーム中の23SrRNAの2063、2064位の変異を調べればよいことが知られている(非特許文献2)。
クラリスロマイシン等のマクロライド系薬剤はリボソーム中の23SrRNAに結合することでその機能を抑制し、タンパク質合成阻害を引き起こす。このマクロライド系薬剤が23SrRNAに結合する上で重要なのが2063位と2064位のアデニン(A)であり、これらの部位に塩基置換が生じるとマクロライド系薬剤が23SrRNAに結合できなくなる。
したがって、これらの部位を検出でき、かつ、塩基置換が生じているか否かがわかれば、菌検出および薬剤耐性判別ができる。
これまで、遺伝子検査法を用いて薬剤耐性を判別する具体的方法としては、2063、2064位を含む核酸領域をPCR法などで特異的に増幅し、シークエンスによって該塩基を解読する方法などが採られてきた(非特許文献2)。
しかし、この方法では、増幅に加えてシークエンスを行わなければならないため、操作が煩雑で、かつ、培養法よりは早いけれども時間がかかるという問題点がある。
もう一つの問題点として、23SrRNA遺伝子は保存性の高い遺伝子であることが挙げられる(特許文献1)。従って、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子のみを特異的に増幅するためには、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子に特異的な塩基配列を同定し、その配列にオリゴヌクレオチドプライマーあるいはオリゴヌクレオチドプローブを設計しなければならない。
特開2006−191922号公報
LAMP(Loop−Mediated Isothermal Amplification)法によるMycoplasma pneumoniaeの高感度迅速検出:感染症誌 第82巻、第168項(2008) Lucier他、ANTIMICROBIAL AGENTS AND CHEMOTHERAPY、39:2770〜2773(1995)
本発明は、上記従来の問題点を解決しようとするものであり、その目的は臨床診断上重要な肺炎マイコプラズマの菌検出と薬剤耐性判別を迅速かつ正確に行うための方法および試薬を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子に特異的であり、かつ、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位、2064位を含む塩基配列を含む領域を増幅することができるプライマーを同定し、該プライマーを用いることにより、肺炎マイコプラズマの検出および/または当該検出した肺炎マイコプラズマのクラリスロマイシン耐性の判別を、迅速、確実かつ簡便に実施できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
[項1]
配列番号2で示される塩基配列の中の連続する24〜40塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプライマー。
[項2]
項1に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、配列番号2で示される塩基配列の中の連続する29〜36塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプライマー。
[項3]
項1または項2に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、配列番号9〜13のいずれかで示される塩基配列オリゴヌクレオチドプライマー。
[項4]
配列番号3で示される塩基配列の中の連続する24〜40塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプライマー。
[項5]
項4に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、配列番号3で示される塩基配列の中の連続する31〜36塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプライマー。
[項6]
項4または項5に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、配列番号5〜8のいずれかで示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプライマー。
[項7]
肺炎マイコプラズマの検出を行う方法であって、以下の(1)〜(2)の工程を含む方法。
(1)フォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いて核酸増幅反応を行い、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の一部領域を増幅する工程であって、フォワードプライマーが項1、項2、項3のいずれか1項で示される少なくとも1本のオリゴヌクレオチドであり、および/または、リバースプライマーが項4、項5、項6のいずれか1項で示される少なくとも1本のオリゴヌクレオチドである工程
(2)上記工程で得られた増幅産物を検出する工程
[項8]
項7に記載の肺炎マイコプラズマを検出する方法であって、以下の(1)〜(3)の工程を含む方法。
(1)フォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いて核酸増幅反応を行い、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の一部領域を増幅する工程であって、フォワードプライマーが項1、項2、項3のいずれか1項で示される少なくとも1本のオリゴヌクレオチドであり、および/または、リバースプライマーが項4、項5、項6のいずれか1項で示される少なくとも1本のオリゴヌクレオチドである工程
(2)工程(1)によって得られた核酸増幅産物と、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位および/または2064位を含む塩基配列を検出するオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程。
(3)工程(2)で得られた複合体を検出する工程。
[項9]
項8に記載の肺炎マイコプラズマを検出する方法であって、項8の(3)の工程を、融解曲線分析の結果に基づいて肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の存在および/または23SrRNA遺伝子中の変異の有無を検出することにより行う方法。
[項10]
オリゴオリゴヌクレオチドプローブ少なくとも一つの末端塩基がシトシンであり、末端のシトシンのうち少なくとも一つのシトシンが蛍光標識されている、項8または項9に記載の方法。
[項11]
配列番号4で示される塩基配列の中の連続する15〜20塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプローブ
[項12]
配列番号4で示される塩基配列の中の連続する16または17塩基からなり、かつ、オリゴヌクレオチドプローブの末端塩基のうち少なくとも一つの末端塩基がシトシンである項11に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
[項13]
配列番号14または15で示される、項11または項12に記載のオリゴヌクレオチドプローブ。
[項14]
オリゴヌクレオチドプローブの塩基配列が、項11〜項13のいずれかに記載された塩基配列である、項8〜項10のいずれかに記載の方法。
[項15]
項8〜項10、項14のいずれかに記載の方法において、(1)〜(3)の工程の後に、さらに以下の(4)の工程を含む方法。
(4)工程(3)によって検出されうる23SrRNA遺伝子中の変異が23SrRNA遺伝子の2063位または2064位の変異であり、被検肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中に上記のいずれかの変異が検出された場合に、該肺炎マイコプラズマが薬剤耐性であると判断する工程。
[項16]
以下の(a)〜(g)を含む、肺炎マイコプラズマの検出および/または肺炎マイコプラズマの薬剤耐性の有無の判別を行う方法のためのキット。
(a)フォワードプライマーおよびリバースプライマーのセットであって、フォワードプライマーが項1、項2、項3のいずれか1項で示される少なくとも1本のオリゴヌクレオチドであり、および/または、リバースプライマーが項4、項5、項6のいずれか1項で示される少なくとも1本のオリゴヌクレオチドであるプライマーセット
(b)肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位および/または2064位を含む塩基配列を検出するオリゴヌクレオチドプローブ
(c)DNAポリメラーゼ
(d)緩衝液
(e)マグネシウムイオン
(f)dNTPs
(g)DMSO
[項17]
項16に記載のキットに含まれるフォワードプライマーおよびリバースプライマーのすべてが、項11〜項13のいずれか1項で示される塩基配列から選択されている、項16に記載のキット。
本発明によれば、肺炎マイコプラズマの検出および/または当該検出した肺炎マイコプラズマのクラリスロマイシン耐性の判別を迅速、確実かつ簡便に行うことが可能となる。
融解曲線解析の原理を模式的に示す図である。 実施例1の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例2の結果を示す図である。 実施例3の結果を示す図である。
本発明は、肺炎マイコプラズマの検出方法および/または当該検出した肺炎マイコプラズマのクラリスロマイシン耐性を判別する方法、ならびにこれらを実施するための検出試薬等に係る。本明細書では特に断りが無い限り、クラリスロマイシン等のマクロライド系抗生物質を「薬剤」とも称する。
肺炎マイコプラズマの野生型23SrRNA遺伝子の部分的な塩基配列を配列番号1に示す。23SrRNA遺伝子の2063位、2064位はそれぞれ配列番号1の263塩基目、264塩基目に該当する。
(オリゴヌクレオチドプライマー)
本発明の実施形態の一つは、以下の(I)または(II)に記載されるオリゴヌクレオチドプライマーである。
(I)配列番号2で示される塩基配列の中の連続する24〜40塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプライマー。
(II)配列番号3で示される塩基配列の中の連続する24〜40塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプライマー。
上記(I)のオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号2で示される塩基配列の中の連続する24〜40塩基のいずれかで示されるオリゴヌクレオチドプライマーであれば特に制限されない。より好ましくは配列番号2で示される塩基配列の中の連続する29〜36塩基のいずれかで示されるオリゴヌクレオチドプライマーである。該オリゴヌクレオチドプライマーとして、配列番号9〜13が例示できる。
上記(II)ののオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号3で示される塩基配列の中の連続する24〜40塩基のいずれかで示されるオリゴヌクレオチドプライマーであれば特に制限されない。より好ましくは配列番号3で示される塩基配列の中の連続する31〜36塩基のいずれかで示されるオリゴヌクレオチドプライマーである。該オリゴヌクレオチドプライマーとして、配列番号5〜8が例示できる。
上記(I)はフォワードプライマーとして(II)はリバースプライマーとして、肺炎マイコプラズマ23SrRNA遺伝子の核酸増幅に用いられる。(I)のプライマーと(II)のプライマーのうちいずれか片方の群のみのプライマーを用いても良いし、(I)と(II)をセットで用いても良い。より好ましくは(I)のプライマーと(II)のプライマーをセットで用いることである。
(肺炎マイコプラズマの検出方法)
本発明の第二の実施形態は、肺炎マイコプラズマの検出を行う方法である。該方法は、大きく分けて核酸増幅工程と核酸検出工程の二つの工程を含む。具体的には、下記(1)〜(2)の工程を含む。
(1)フォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いて核酸増幅反応を行い、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の一部領域を増幅する工程であって、フォワードプライマーが上記(I)で示される任意のオリゴヌクレオチドであり、および/または、リバースプライマーが上記(II)で示される任意のオリゴヌクレオチドである工程
(2)上記工程で得られた増幅産物を検出する工程
ここで(2)の工程で用いられる検出方法は特に限定されないが、アガロース電気泳動による増幅産物視認の他、SYBR Greenを用いた方法や、サザンブロッティング法など、一般的に知られた方法が利用できる。より好ましくはアガロース電気泳動またはSYBR Greenを用いた検出方法である。
本発明の肺炎マイコプラズマの検出方法は、下記(1)〜(3)の工程を含む方法であってもよい。この方法によれば、肺炎マイコプラズマの検出だけでなく、肺炎マイコプラズマの薬剤耐性の有無の判別を行うことが可能になる。また、肺炎マイコプラズマの検出と、肺炎マイコプラズマの薬剤耐性の有無の判別とを同時に行うこともできる。
(1)フォワードプライマーおよびリバースプライマーを用いて核酸増幅反応を行い、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の一部領域を増幅する工程であって、フォワードプライマーが上記(I)で示される任意のオリゴヌクレオチドであり、および/または、リバースプライマーが上記(II)で示される任意のオリゴヌクレオチドである工程。
(2)工程(1)によって得られた核酸増幅産物と、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位および/または2064位を含む塩基配列を検出するオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程。
(3)工程(2)で得られた複合体を検出する工程。
(核酸増幅工程)
核酸増幅工程では、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位、2064位を含む部分領域を増幅する。増幅は上述した(I)で示される任意のフォワードプライマーと(II)で示される任意のリバースプライマーとを用いて行う。
本発明のオリゴヌクレオチドプライマーは肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の一部領域(肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位および/または2064位を含む領域)のみが特異的に増幅されるよう、肺炎マイコプラズマ特異的に設計されている。23SrRNA遺伝子は保存性が高く、種の異なる細菌同士でもその配列は類似している。しかし、本発明者は肺炎マイコプラズマの配列情報を精査し、肺炎マイコプラズマ23SrRNA遺伝子に特異的となるオリゴヌクレオチドプライマーを設計した。
通常のPCRにおいては、オリゴヌクレオチドプライマーはTm値が55〜65の範囲となるよう設計されることが多い。しかし核酸増幅反応を迅速に行うためには、アニーリング反応および伸長反応に要する時間を減少させることが望ましい。本発明者はアニーリング時間を減少させるために、オリゴヌクレオチドプライマーのTm値を67〜80の範囲となるように設計した。高Tm値のオリゴヌクレオチドプライマーを用いることでアニーリング効率が向上し、通常よりも短時間でのアニーリングが可能となる。
上記増幅工程に用いられる具体的な核酸増幅方法としては特に限定されず、適宜公知の方法を用いることができる。例えば、上記核酸増幅方法としては、PCR、NASBA(Nucleic acid sequence−basedamplification
method;Nature 第350巻、第91頁、1991年参照)、LCR(国際公開89/12696号、特開平2−2934号参照)、SDA(Strand Displacement Amplification:Nucleic Acids Res. 第20巻、第1691頁、1992年参照)、RCA(国際公開90/1069号参照)、TMA(Transcription mediated amplification method;J. Clin. Microbiol. 第31巻、第3270頁、1993年参照)、LAMP(Loop−mediated isothermal amplification method:J. Clin Microbiol. 第42巻:第1,956頁、2004年参照)、ICAN(isothermal and chimeric primer−initiated amplification of nucleic acids:Kekkaku. 第78巻、第533頁、2003年参照)などを挙げることができるが、これらに限定されない。上記核酸増幅方法を用いれば、従来では検出不可能であった、極めて微量(1分子でも可)の試料核酸をも検出することが可能であり、上記増幅工程に好適に用いることが可能である。
また、試料中の核酸量が少ない場合には、上記増幅工程に先立って、肺炎マイコプラズマの染色体またはその断片を上記増幅工程と同じ方法によって増幅しておくことも可能である。
上記増幅工程において用いられる核酸増幅方法としては、上記方法の中でもPCR法を用いることが好ましい。
(核酸検出工程)
(肺炎マイコプラズマに特異的なプローブ)
本発明の核酸検出工程について、該工程で使用する検出用オリゴヌクレオチドプローブ(本明細書では単にプローブともいう。)について説明する。
該オリゴヌクレオチドプローブとしては、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位および/または2064位を含む塩基配列を検出できるものであれば、その塩基配列や本数などは特に制限されない。配列番号23または24に示される核酸配列または該配列に相補的な配列が好ましいが、肺炎マイコプラズマ23SrRNA遺伝子中の2063位、2064位を含む連続した10塩基以上30塩基以下の核酸配列、またはこれに相同な核酸配列であれば特に限定されない。
好ましくは配列番号4で示される塩基配列の中の連続する15〜20塩基からなる群から選択されるオリゴヌクレオチドプローブであり、さらに好ましくは配列番号4で示される塩基配列の中の連続する16または17塩基からなり、なおかつオリゴヌクレオチドプローブの末端塩基のうち少なくとも一つの末端塩基がシトシンであることを特徴とするオリゴヌクレオチドプローブである。該オリゴヌクレオチドプローブとして、配列番号14、15が例示できる。
本発明において、オリゴヌクレオチドプローブはTm値がオリゴヌクレオチドプライマー未満となるよう設計されていることが好ましい。
このような組合せを用いれば、オリゴヌクレオチドプライマーとオリゴヌクレオチドプローブが混在する反応系で核酸増幅を行っても、オリゴヌクレオチドプライマーの方が効率よく標的核酸にアニーリングすることができる。従って、本発明で提供されるオリゴヌクレオチドプライマーおよびオリゴヌクレオチドプローブを含む反応系で短時間の、好ましくは1〜5秒のアニーリング反応を含む核酸増幅を行えば、オリゴヌクレオチドプライマーのみを標的核酸にアニーリングさせることができ、短時間で効率よく標的核酸の増幅を行うことができる。
本発明の、肺炎マイコプラズマの検出および/または肺炎マイコプラズマの薬剤耐性の有無の判別を行う方法において、プローブと標的核酸または核酸増幅産物とがハイブリダイズした複合体を検出する工程は、特に限定されず、従来公知の種々の方法を用いることができるが、融解曲線解析を用いることが好ましい。融解曲線解析におけるシグナルの検出には、IFP法やQ−Probe法などを用いることができる。
具体的には、例えば、当該複合体に対して、連続的な温度上昇を行いながら、オリゴヌクレオチドプローブを標識している蛍光色素の蛍光を測定することにより融解曲線分析を行い、融解曲線分析の結果に基づいて肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の存在および23SrRNA遺伝子中の変異の有無を検出する方法が例示できる。
(融解曲線解析)
ここで、図1を用いて、融解曲線解析の原理について説明する。図1は融解曲線解析の原理を模式的に示す図であり、(a)は検出にIFP法を用いる融解曲線解析の原理を示し、(b)は検出にQ−Probe法を用いる融解曲線解析の原理を示し、(c)は融解曲線解析で核酸増幅の結果を確認した結果の一例を示す。
(IFP法)
図1(a)に示すように、IFP法では、二本鎖核酸に結合する化合物(インターカレーター)と、当該化合物が当該二本鎖核酸に結合したときに、発する蛍光が変化する反応分子で標識したプローブとを用いる。つまり、二本鎖核酸が一本鎖核酸に解離した状態の当該反応分子が発する蛍光を検出してもよく、解離していない状態の当該反応分子が発する蛍光を検出してもよい。
インターカレーターは二本鎖核酸に特異的に結合し蛍光を発する物質であれば良く、SYBR Green I(商標)、LC Green I(商標)、LC Green Plus(商標)、エチジウムブロマイド、アクリジンオレンジ、チアゾールオレンジ、オキサゾールイエロー、ローダミン等があるがこの限りではない。[2−[N−[(3−dimethylaminopropyl)−N−propylamino]−4−[2,3−dihydro−3−methyl−(benzo−1,3−thiazol−2−yl)−methylidene]−1−phenyl−qunolinium]を用いても良い。
二本鎖核酸構造は、標的核酸中の塩基とその相補的な核酸配列中の塩基の間で起こる塩基対生成によって形成される。塩基対生成はC(シトシン)とG(グアニン)、A(アデニン)とT(チミン)またはA(アデニン)とU(ウラシル)の間で起こる水素結合により生じる。インターカレーターはこの二本鎖核酸構造を標的に結合し、蛍光を生じるようになる。
核酸プローブに標識する蛍光物質は、核酸増幅工程中分解もしくは減衰しなければよく、蛍光検出工程で検出できればよい。蛍光物質としてはFITC、6−FAM、HEX、TET、TAMRA、Texas Red(商標)、Cy3、Cy5、ローダミン等があるが、好ましくはFRETを生じる蛍光物質であり、より好ましくはインターカレーターと相互作用して特異的に検出できればよく、特に好ましい蛍光物質としてはTexas Red(商標)が挙げられるがこの限りではない。FRET現象を利用すれば、蛍光検出工程において核酸プローブの存在のみで発する蛍光が抑えられ、標的核酸とハイブリダイゼーションした核酸プローブの発する蛍光を特異的に検出することが可能となる。
本発明に用いられる、好ましいインターカレーターと核酸プローブに標識する蛍光物質の組み合わせは、(SYBR Green I(商標)とTexas Red(商標))、(LC Green I(商標)とTexas Red(商標))、(LC Green Plus(商標)とTexas Red(商標))または([2−[N−[(3−dimethylaminopropyl)−N− propylamino]−4−[2,3−dihydro−3−methyl−(benzo−1,3−thiazol−2−yl)−methylidene]−1−phenyl−qunolinium]とTexas Red(商標))である。
(Q−Probe法)
図1(b)に示すように、Q−Probe法では、3’末端にC(シトシン)を有し、C(シトシン)とG(グアニン)とが水素結合したときに蛍光が消える蛍光色素で標識したプローブを用いる。核酸増幅後に温度を徐々に上昇させて、二本鎖核酸が一本鎖核酸に解離すると、消光していた蛍光色素が再度発光する。この蛍光を検出すれば、核酸増幅の確認を行うことができる。
標識プローブに標識する蛍光物質は、核酸増幅工程中分解もしくは蛍光が減衰してなくならなければよく、ハイブリダイゼーション時に消光を生じる蛍光物質であればよい。
特に標識プローブの末端においてグアニンとシトシンの塩基対形成時に蛍光の消光を生じる蛍光物質が好ましい。具体的には、フルオロセインまたはその誘導体(例えばフルオロセインイソチオシアネート(FITC))、BODIPY(商標)シリーズ、ローダミンまたはその誘導体(例えば5−カルボキシローダミン6G(GR6G)やテトラメチルローダミン(TAMRA))などを使用できるが、BODIPYシリーズやCR6Gの使用が特に好ましい。
蛍光色素のオリゴヌクレオチドへの結合方法は、通常の方法に従って行うことができる。蛍光色素の消光を利用すれば、インターカレーターなど二本鎖核酸構造への挿入色素を用いることなく、またFRET現象を起こす二種類のプローブを用いることなく、一種類の蛍光物質に標識されたプローブを用いて単純かつ特異的に標的核酸配列を検出することができる。
標識プローブの塩基配列中の蛍光物質の標識位置は特に限定されないが、末端部に標識されていることが好ましく、末端に標識されていることがより好ましい。
図1(c)に示すように融解曲線解析の結果は、温度および蛍光強度の変化量によってアウトプットすればよい。図1(c)は縦軸を蛍光強度の変化量としている。これは、上述のIFP法では、二本鎖核酸が一本鎖核酸に解離した状態で、上記反応分子が発する蛍光を検出した場合を示す。また、Q−Probe法での蛍光色素の発光を検出した場合でもある。IFP法で、解離していない状態の上記反応分子が発する蛍光を検出する場合は、解離した状態で発する蛍光を検出した場合と比べて、蛍光強度の変化量の正負が反対になる。つまり、得られる表の形は、図1(c)に示す表の各線の形を、温度軸を対象に反転させた形となる。換言すれば、解離していない状態の上記反応分子が発する蛍光を検出して、縦軸を、蛍光強度の変化量のマイナスとすれば、図1(c)に示す表の各線の形と同じになる。
また、図1(c)では3通りの試料に対して核酸増幅を行なった結果を示している。つまり、形成される二本鎖核酸の配列によって解離する温度が異なるため、各線のピークを示す温度が異なることが試料中に含まれた核酸の塩基配列が異なっていたことを示している。実線及び破線の結果を示した試料には、それぞれ異なる塩基配列を有する標的核酸が、1種類ずつ含まれていたことを示す。一点鎖線の結果を示した試料には、実線及び破線の結果を示した試料に含まれていた標的核酸が共に含まれていたことを示す。
本発明において、上記のような融解曲線解析を行う場合、プローブが標的核酸または増幅核酸断片とハイブリダイズした複合体の融解温度、すなわち当該複合体において二本鎖核酸が一本鎖核酸に解離する温度が重要である。
(肺炎マイコプラズマの薬剤耐性の有無の判別)
本発明の肺炎マイコプラズマの薬剤耐性判別において、野生型23SrRNA遺伝子または該遺伝子の部分配列とプローブとの複合体(Wc)と、2063位および/または2064位の塩基が野生型の塩基とは異なる変異型23SrRNA遺伝子または該遺伝子の部分配列とプローブとの複合体(Mc)とは、5℃以上異なる温度で解離することが好ましい。一般的に、WcとMcの解離温度が5℃以上異なっていれば、融解曲線解析などを用いて、肺炎マイコプラズマ23SrRNA遺伝子中の変異の有無を明確に判別できる。
この結果から、被検肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中に2063位および/または2064位の変異が検出された場合に、該肺炎マイコプラズマが薬剤耐性であると判断することができる。
(キット)
さらに、上述のオリゴヌクレオチドプライマーセット、肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中の2063位および/または2064位を含む塩基配列を検出するオリゴヌクレオチドプローブ、DNAポリメラーゼ、緩衝液、マグネシウムイオン、dNTPs、DMSOを含む、肺炎マイコプラズマの検出および/または肺炎マイコプラズマの薬剤耐性の有無の判別を行う方法のためのキットもまた、本発明の実施形態の一つである。
本発明を実施するためのキットについて説明する。本発明を実施するためのキットには肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子変異を検出するためのオリゴヌクレオチドプライマーおよびオリゴヌクレオチドプローブ、DNAポリメラーゼ、マグネシウムイオン、dNTPなどで構成される。本キットの構成は特に限定されないが、オリゴヌクレオチドプライマーとオリゴヌクレオチドプローブが同一の溶液中に含まれることが好ましく、またこれらオリゴヌクレオチドはDNAポリメラーゼが含まれる溶液とは別の溶液中に含まれることが好ましい。
本キットに用いるDNAポリメラーゼは特に限定されるものではないが、α型DNAポリメラーゼであることが好ましく、さらにはα型DNAポリメラーゼの中でもKOD DNA Polymerase(たとえば、東洋紡製品)、KOD −Plus−(商標、東洋紡製品)、KOD FX(商標、東洋紡製品)のうち任意の一つ以上のDNAポリメラーゼであることが好ましい。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
〔実施例1:PCRとアガロースゲル電気泳動による肺炎マイコプラズマゲノムの検出〕
(1)試料の調製
培養された肺炎マイコプラズマから抽出されたゲノム10000コピー/μlを試料とした。
(2)核酸増幅および検出
上記陽性試料に下記試薬を添加して下記条件により肺炎マイコプラズマゲノムを検出した。
試薬
以下の試薬を含む25μl溶液を調製した。オリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせは表1に示した。
10μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号9、10、11、12のうちいずれか一つ)0.8μl
10μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号5、7、8のうちいずれか一つ) 0.8μl
KOD plus DNA Polymerase 0.5μl
10× Buffer for KOD −Plus− Ver.2 2.5μl
2mM dNTP 2.5μl
25mM MgSO4 1.5μl
精製水 15.4μl
試料 1μl
上記反応液を8連チューブ(イナ・オプティカ製)に添加し、下記条件にてサーマルサイクラーで核酸増幅反応を行った。増幅産物のうち5μlを3%アガロースゲルに添加し、100Vで約40分間泳動した。
核酸増幅条件
94℃・2分
(以上1サイクル)
98℃・10秒
62℃・30秒
68℃・20秒
(以上35サイクル)
4℃・2分
結果
図2は3%アガロースゲルで電気泳動した後のゲル写真である。一番左の複数バンドが見えているものはマーカーであり、マーカーのすぐ右から順にプライマー組合せNo.1の反応液から得られたバンド、同じくNo.2の反応液から得られたバンドと続き、一番右側が組合せNo.12の反応液から得られたバンドである。
図2から、試行した全てのプライマー組合せにおいて肺炎マイコプラズマゲノム由来の核酸増幅産物が得られることが示された。本発明のオリゴヌクレオチドプライマーは限られた特定の塩基配列同士での組合せのみならず、本明細書0016段落の項1〜項3で示されたものの中から任意に選択されるオリゴヌクレオチドプライマーと、項4〜項6で示されたものの中から任意に選択されるオリゴヌクレオチドプライマーとの組合せが有効であることが示唆される。
〔実施例2:Q−Probe法を用いた肺炎マイコプラズマの検出〕
(1)試料の調製
培養された肺炎マイコプラズマから抽出されたゲノムを陽性試料とした。ゲノム試料は野生型23SrRNA遺伝子を持つ肺炎マイコプラズマ由来のゲノム(WT)と23SrRNA遺伝子の2063位に変異を持つ変異型肺炎マイコプラズマ由来のゲノム(MT)の2種類を用意し、それぞれ1000コピー/μlとなるように調製したものを用いた。また、精製水を陰性試料(NC)とした。
(2)核酸増幅および融解曲線解析
上記陽性試料および陰性試料にそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件により肺炎マイコプラズマを検出した。核酸増幅および融解曲線解析には東洋紡績社製GENECUBE(登録商標)を使用した。
試薬
以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。オリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせは表2に示した。
100μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号9、10、11、12のうちいずれか一つ)0.04μl
100μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号5、7、8のうちいずれか一つ) 0.2μl
10μMオリゴヌクレオチドプローブ(配列番号14、15のうちいずれか一つ。配列番号14は5’末端をBODIPY−FL標識、3’末端をリン酸化。配列番号15は3’末端をBODIPY−FL標識) 0.25μl
PPD Mix(ジーンキューブテストベーシック、東洋紡製)3μl
KOD Mix(ジーンキューブテストベーシック、東洋紡製)3μl
精製水 0.51μl
試料 3μl
核酸増幅および融解曲線解析
94℃・2分
(以上1サイクル)
97℃・1秒
58℃・3秒
63℃・5秒
(以上50サイクル)
94℃・30秒
39℃・30秒
39℃〜75℃(0.09℃/秒で温度上昇)
結果
図3〜図12はグラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。それぞれの図がいずれの組合せNo.での検出結果を示すかは表2に記載した通りである。
図2〜図13より明らかなように、肺炎マイコプラズゲノムを試料とした場合に明瞭なピークが観察され、水を試料とした場合は全くピークが観察されなかった。またいずれのプライマー・プローブ組合せでもWTとMTは異なる温度でピークが現れていた。これは野生型肺炎マイコプラズマと薬剤耐性型肺炎マイコプラズマとでプローブの融解温度が明確に異なることを示しており、本発明によって肺炎マイコプラズマの薬剤耐性判別が容易に行えることを示している。
〔実施例3:Q−Probe法を用いた肺炎マイコプラズマの検出〕
(1)試料の調製
23SrRNA遺伝子の2063位、2064位とも塩基がアデニンである野生型肺炎マイコプラズマから抽出されたゲノム(WT)、23SrRNA遺伝子の2063位がグアニンに変異している薬剤耐性型肺炎マイコプラズマから抽出されたゲノム(A2063G)、23SrRNA遺伝子の2064位がグアニンに変異している薬剤耐性型肺炎マイコプラズマから抽出されたゲノム(A2064G)を試料とした。各々の試料は100コピー/μlとなるように調製した。
(2)核酸増幅および融解曲線解析
上記試料にそれぞれ下記試薬を添加して、下記条件により肺炎マイコプラズマを検出した。核酸増幅および融解曲線解析には東洋紡績社製GENECUBE(登録商標)を使用した。
試薬
以下の試薬を含む10μl溶液を調製した。オリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせは表2に示した。
100μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号9)0.03μl
100μMオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号6) 0.15μl
10μMオリゴヌクレオチドプローブ(配列番号14、5’末端をBODIPY−FL標識、3’末端をリン酸化) 0.25μl
PPD Mix(ジーンキューブテストベーシック、東洋紡製)3μl
KOD Mix(ジーンキューブテストベーシック、東洋紡製)3μl
精製水 0.57μl
試料 3μl
核酸増幅および融解曲線解析
実施例2と同じ。
結果
図13はグラフの横軸を温度、縦軸を蛍光シグナルの微分値として解析結果を表した図である。図13から明らかであるように、野生型肺炎マイコプラズマ由来のゲノム(WT)は約60℃でピークが検出されている。また、薬剤耐性型肺炎マイコプラズマ由来のゲノムであるA2063G、A2064Gは共に約50℃でピークが検出されている。
以上から本発明のプライマー・プローブを用いることで、A2063位に変異を持つ肺炎マイコプラズマと、A2064位に変異を持つ肺炎マイコプラズマの両方を検出し、なおかつ野生型肺炎マイコプラズマと識別が可能であることが示された。
本発明を肺炎マイコプラズマの臨床検査および肺炎マイコプラズマ検査試薬開発に適用することで、迅速、確実かつ簡便な肺炎マイコプラズマ検出検査および薬剤耐性判別検査を行うことができる。

Claims (6)

  1. 以下の(1)〜(3)の工程を含む肺炎マイコプラズマを検出する方法。
    (1)配列番号9から13のうちいずれかで示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドからなるフォワードプライマーおよび配列番号5から8のうちいずれかで示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドからなるリバースプライマーを用いて核酸増幅反応を行う工程
    (2)工程(1)によって得られた核酸増幅産物と、配列番号14または15で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせ複合体を形成せしめる工程。
    (3)工程(2)で得られた複合体を検出する工程。
  2. リゴヌクレオチドプローブの末端塩基のうち少なくとも一つの末端塩基がシトシンである。請求項1に記載の肺炎マイコプラズマを検出する方法。
  3. 請求項1に記載の肺炎マイコプラズマを検出する方法であって、請求項1の(3)の工程を、融解曲線分析の結果に基づいて肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子の存在および/または23SrRNA遺伝子中の変異の有無を検出することにより行う方法。
  4. プローブの少なくとも一つの末端塩基のシトシンのうち少なくとも一つのシトシンが蛍光標識されている、請求項2に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法において、(1)〜(3)の工程の後に、さらに以下の(4)の工程を含む方法。
    (4)工程(3)によって検出されうる23SrRNA遺伝子中の変異が23SrRNA遺伝子の2063位または2064位の変異であり、被検肺炎マイコプラズマの23SrRNA遺伝子中に上記のいずれかの変異が検出された場合に、該肺炎マイコプラズマが薬剤耐性であると判断する工程。
  6. 以下の(a)〜(g)を含む、肺炎マイコプラズマの検出および/または肺炎マイコプラズマの薬剤耐性の有無の判別を行う方法のためのキット。
    (a)配列番号9から13のうちいずれかで示されるオリゴヌクレオチドからなるフォワードプライマーおよび配列番号5から8のうちいずれかで示されるオリゴヌクレオチドからなるリバースプライマーで構成されるプライマーセット
    (b)配列番号14または15で示されるオリゴヌクレオチドプローブ
    (c)DNAポリメラーゼ
    (d)緩衝液
    (e)マグネシウムイオン
    (f)dNTPs
    (g)DMSO
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