JP2009036243A - 駆動力正逆切替装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内向きフックを有するばねクラッチを用いたコンパクトで安定性の高い回転が得られる駆動力正逆切替装置を提供することである。
【解決手段】傘歯車機構10は、回転伝達軸12の中間軸13に嵌合され入力歯車14と一体の入力傘歯車16と、出力歯車15と一体の出力傘歯車17に噛み合わされた中間傘歯車22からなり、ばねクラッチ25は、入力傘歯車16と一体に設けられたクラッチ収納部21の内径面に拡径方向の弾性をもって装着され、ばねクラッチ25の一方のフック32は回転伝達軸12に係合され、他方のフック32’が制御歯車31のフック受けアーム34に係合した初期状態において、回転伝達軸12に設けられた係合部26と前記ストッパーアーム35との間に所要の制御すき間が存在し、入力歯車14と出力歯車15の対向面にそれぞれ設けられたアンダーカット部18、19に中間傘歯車22の端面を相対回転可能に摺接させた構成とした。
【選択図】図1

Description

この発明は、事務機等において用いられる駆動力正逆切替装置に関するものである。
複写機等の事務機における紙の搬送方向は、通常は一方向であるので、一定方向の回転仕様をもったモータによって駆動するようにしている。しかし、紙の搬送方向を正逆適宜切替えて搬送する進化した給紙部において、従来の一定方向回転仕様のモータで対応する場合、モータの回転方向を正逆に適宜切替える装置を追加する必要があった(特許文献1)。
このような場合に通常使用される駆動力正逆切替機構として、図14に示した3個の傘歯車を用いた機構が知られている(非特許文献1)。この機構は、入力軸51の一端に設けた入力傘歯車52の歯面に接近して直交方向に出力軸53が設けられ、その出力軸53にクラッチ54が軸方向にスライド可能にキー止めされる。そのクラッチ54の両側に一対の出力傘歯車55、55が回転自在に嵌合され、これらの出力傘歯車55が入力傘歯車52に噛み合わされる。各出力傘歯車55の対向面に設けたボス部56に前記クラッチ54に係合する歯57が設けられる。前記クラッチ54の中間部に設けられた周溝58に揺動アーム59のピン60が挿入される。揺動アーム59の他端は軸61により固定部に揺動可能に取り付けられる。
揺動アーム59が左右いずれか一方に倒されると、クラッチ54が軸方向にスライドしてその方の出力傘歯車55の歯57に係合され、入力軸51の回転が出力軸53に伝達される。また、揺動アーム59が逆方向に倒されるとクラッチ54が他方の出力傘歯車55側に係合され出力軸53が逆転される。
特開平5−307290号公報 「機械運動機構」株式会社技報堂、昭和32年10月15日出版、81頁
前記の駆動力正逆切替機構は、入力軸51と出力軸53が直交しているため、入力側のモータと出力側の給紙ローラの配置に制限を受け、また入力傘歯車52の径が大型化し、さらに揺動アーム59の制御機構が複雑になる等の問題があった。また、クラッチ54の切替え時に歯57の回転位相を同期させ歯の衝突を回避する同期手段が必要となる問題もあった。
そこで、この発明は、入出力軸が平行に配置されるコンパクトな駆動力正逆切替装置、特に安定な回転が得られる歯車機構をもったものを提供することを課題とする。
前記の課題を解決するために、この発明は、図1及び図2に示したように、入力歯車14と出力歯車15及びこれらの歯車14、15の間に介在された切替機構によって、入力歯車14に入力された駆動トルクの回転を正回転方向A又は逆回転方向Bに切り替えて前記出力歯車15に伝達するようにした駆動力正逆切替装置である。前記切替機構は、傘歯車機構10、ばねクラッチ25及び制御歯車31により構成される。
前記傘歯車機構10は、固定軸11等の固定部に支持された回転伝達軸12、該回転伝達軸12に直交状に設けられた中間軸13、該中間軸13に嵌合され前記入力傘歯車16と出力傘歯車17に噛み合わされた中間傘歯車22からなり、前記入力歯車14と出力歯車15はそれぞれ前記入力傘歯車16及び出力傘歯車17に一体化される。
前記ばねクラッチ25は、前記入力傘歯車16と一体に設けられたクラッチ収納部21の内径面に拡径方向の弾性をもって装着される。
前記制御歯車31は、その内端面にフック受けアーム34とストッパーアーム35が軸方向に突設され、これらのフック受けアーム34とストッパーアーム35は前記クラッチ収納部21の内径部に挿入され、前記ばねクラッチ25の両端部に内向きのフック32、32’が屈曲形成される。
一方のフック32は前記回転伝達軸12に係合され、他方のフック32’は前記フック受けアーム34の正回転方向Aに見た場合の遅れ側端部34aに対向した位置に介在される。該フック32’が前記遅れ側端部34aに接触した初期状態において、前記回転伝達軸12に設けられた係合部26と前記ストッパーアーム35との間に所要の制御すき間bが存在する。
前記入力歯車14と出力歯車15の対向面にそれぞれ設けられたアンダーカット部18、19に前記中間傘歯車22の端面又は中間軸13の端面を相対回転可能に摺接させている。
前記構成の駆動力正逆切替装置は、アクチュエータ37がオフであって制御歯車31が非拘束状態にある場合において、入力歯車14に正回転方向Aの駆動トルクが入力されると、入力歯車14と一体のクラッチ収納部21が正回転方向Aに回転される。ばねクラッチ25はロック状態となり、フック32が係合された回転伝達軸12及びこれと一体の中間軸13が正回転方向Aに回転される。中間傘歯車22は自転することなく回転伝達軸12及び中間軸13の回転に従い公転のみ行い、これに噛み合った出力傘歯車17を介して出力歯車15を正回転方向Aに回転させる。
次に、入力歯車14が正回転方向Aに回転されている前記の状態において、アクチュエータ37がオンになって制御歯車31が拘束されると(図5参照)、コイルばね29のフック32’がフック受けアーム34に係合する初期状態を越えて回転するためコイルばね25が縮径し、ばねクラッチ25のロックが解除される。
その後、係合部26がストッパーアーム35に係合し、回転伝達軸12及びこれと一体の中間軸13が停止されるため、中間傘歯車22は公転が停止され自転のみ行う。その自転により出力傘歯車17を介して出力歯車15を逆回転方向Bに回転させる。
前記の作用において、入力歯車14と出力歯車15は、それぞれ入力傘歯車16及び出力傘歯車17の外径側に一体化されているので、回転半径が相対的に大きくなり、そのままでは回転が不安定になる。しかし、この発明の場合は、入力歯車14と出力歯車15は、中間傘歯車22の端面又は中間軸13の端面に摺接して案内されるので安定した回転が得られる。
この発明においては、以下のような効果がある。
(1)制御歯車31の拘束・非拘束によって入力側から出力側へ伝達する駆動力の回転方向を容易に切り替えることができる。
(2)入力側と同一回転数の正回転方向A又は逆回転方向Bの駆動力を択一的に出力側に伝達することができる。
(3)入力歯車14と出力歯車15は、中間傘歯車22の端面又は中間軸13の端面によって案内されるので回転が安定する。
(4)入力歯車14と出力歯車15の対向面に設けられたアンダーカット部18、19に中間傘歯車22の端面又は中間軸13の端面を相対回転可能に摺接させているので、傘歯車機構がカバーされ、粉塵等の侵入、グリースの漏出が防止される。
(5)回転伝達軸12の両端部にスナップフィット片39が形成されたことにより、抜止め用の止め輪を省略でき、部品の減少・組立て作業の簡略化を図ることができる。
(6)ばねクラッチ25は複数のコイルばねにより構成されるため、これらのフックに作用する負荷が分散され、フックの耐久性を向上させることができる。
(7)コイルばねは外径面でロックするため、内径面でロックする場合に比べロック径が大きくとれ、負荷が小さくなり耐久性が向上する。
(8)コイルばねのフックが内向きに形成されているため、そのフックを係合する中間軸の軸径は相対的に小径に形成することができ、その小径部分を通過して入力歯車を組み付けることができる。入力歯車の組み付けに支障を来たすほど軸径が大きい場合は、中間軸を2分して組み合せ軸にする必要があるが、この発明の場合は一体成型の中間軸を使用することができる。
(9)ばねクラッチを構成する複数のコイルばねのうち半数のものを反対巻きとすることにより、各コイルばねに生じるスラスト力が打ち消されるので、装置の円滑な回転を実現することができる。
(10)コイルばねとして不足巻き型のものを用いることにより、フック受けアームをフック相互間の優弧の部分に介在させることができ、当該フック受けアームを円筒形に近い形状に形成することができる。円筒形に近い形状のフック受けアームを回転伝達軸に嵌合させることにより、制御歯車の姿勢を安定させることができる。
以下、この発明に係る駆動力正逆切替装置の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1から図5に示した実施例1の駆動力正逆切替装置は、入力歯車14と出力歯車15及びこれらの歯車14、15の間に介在された切替機構によって、入力歯車14に入力された駆動トルク(図1の入力歯車14の白抜き矢印参照)の回転を正回転方向A又は逆回転方向Bに切り替えて前記出力歯車15から出力させる(図1の出力歯車15の白抜き矢印参照)ものである。
前記切替機構は、傘歯車機構10、ばねクラッチ25及び制御歯車31により構成される。前記の傘歯車機構10は、固定軸11に回転伝達軸12が回転自在に嵌合され、その回転伝達軸12にボス部20を介して中間軸13、13が直交状態に設けられる。各中間軸13に中間傘歯車22が嵌合される。図1において、前記回転伝達軸12の軸中心線と中間軸13の軸中心線の交点をOで示す。
前記中間軸13の軸方向両側において入力傘歯車16と出力傘歯車17が回転自在に嵌合され、その入力傘歯車16の外径部分に前記の入力歯車14が一体化され、またその入力歯車14の入力傘歯車16と軸方向に見て反対側の端面に円筒状のクラッチ収納部21が設けられる。また出力傘歯車17の外径部分に前記の出力歯車15が一体化される。中間傘歯車22は、入力傘歯車16と出力傘歯車17に噛み合う。
前記の回転伝達軸12は、その一端部が出力傘歯車17に貫通され、他端部は入力傘歯車16及びクラッチ収納部21を経て、制御歯車31に貫通される。クラッチ収納部21を貫通する部分から制御歯車31を貫通するまでの部分は、一段小径に形成され、クラッチ収納部21の貫通部分において軸方向2本の突条からなる係合部26によって係合溝27が形成される(図2、図3参照)。前記回転伝達軸12の小径側端部に制御歯車31が回転可能に嵌合される。
前記回転伝達軸12の両端部において、それぞれ端部に達する平行2本の2組のスリット38、38’によってスナップフィット片39、39’が中心対称の位置に設けられる。各スナップフィット片39、39’の先端外径面に抜止め用の逆止爪40、40’が設けられる(図4(a)参照)。
前記制御歯車31は、その内端面に同芯状の嵌合凹部33が設けられ、前記のクラッチ収納部21の先端部がその嵌合凹部33に相対回転可能に嵌合され、該クラッチ収納部21の芯出しが行われる。
前記嵌合凹部33の内径側において、該制御歯車31の内端面に軸方向に平行に突き出したフック受けアーム34と、ストッパーアーム35が設けられる(図4(b)参照)。制御歯車31の外周面に歯車、セレーション等の凹凸係合面36が設けられ、外部に設けられたソレノイド、電磁クラッチ等のアクチュエータ37が対向配置される。ソレノイドの場合は凹凸係合面36に直接的に係脱自在となり、電磁クラッチの場合は歯車を介して間接的に係脱自在となる。
前記のフック受けアーム34とストッパーアーム35は、図2に示したように、中心対称の位置から一方に片寄って設けられ、その狭い部分に回転伝達軸12の係合部26が介在するように組み合わされる。
前記のばねクラッチ25は、前記のクラッチ収納部21の内径面に直列状態に配置された2個のコイルばね29によって構成される。各コイルばね29はそれぞれ拡開方向の弾性をもってクラッチ収納部21の内径面に密着される(図1、図2参照)。
各コイルばね29は、図2に示したように、両端部に径方向内向きに屈曲形成されたフック32、32’を有し、一方のフック32を基準として、他方のフック32’が整数回の右巻きに加えて更に巻かれた劣弧の不完全巻き部28a(図示の場合は3回と約四分の一回の右巻き)の端部に形成されたもの(過剰巻き型と称する。)である。この型式のコイルばね29は、両方のフック32、32’が劣弧側に引き寄せられる方向の力を受けるとコイルばね29が拡径し、反対に引き離す方向に力を受けるとコイルばね29が縮径する性質を有する。
図2に示したように、前記のフック受けアーム34が劣弧を挟んで周方向に対向したフック32、32’間に介在される。一方のフック32は前記回転伝達軸12に設けられた係合部26の溝27に係合され、他方のフック32’は、フック受けアーム34の正回転方向Aに見た場合の遅れ側端部34aに対向した位置に介在される。
前記のフック32’が前記遅れ側端部34aに接触のみして、未だ押圧力を及ぼしていない図2の状態を初期状態と称することとすると、その初期状態において前記係合部26と前記ストッパーアーム35との間に所要の中心角をもった制御すき間bが存在する。係合部26の突出高さは、回転伝達軸12が回転した場合に、ストッパーアーム35に係合し得る高さに設定される。
なお、図1において、43は入力軸42に支持された歯車でなる入力部材、45は出力軸44に支持された歯車でなる出力部材である。
前記のように入力傘歯車16の外径部に入力歯車14が一体化された構成をとることにより、入力歯車14の内径側にアンダーカット部18が形成される。同様に、出力傘歯車17の外径部に出力歯車15が一体化された構成をとることにより、出力歯車15の内径側に前記アンダーカット部18に軸方向に対向したアンダーカット部19が形成される。
各アンダーカット部18、19の中間軸13に近い方の端部に、前記交点Oを中心とした球面案内部23、23’が形成される。これに対向して中間傘歯車22の軸方向の両端面のうち中間軸13の先端側の端面が前記と同じ交点Oを中心とした球面24となっている。この球面24が前記アンダーカット部18、19の球面案内部23、23’と球面接触して相対回転できるようになっている。
なお、以上の実施例1においては、固定部を固定軸11によって構成する場合を示したが、固定軸11に代えて回転伝達軸12の両端部を軸受を介してフレーム等の固定部で支持する構成を採ることもある。
実施例1の駆動力正逆切替装置は以上のように構成され、次にその作用について説明する。
いま、図1に示したように、アクチュエータ37がオフであって制御歯車31の凹凸係合面36から外れ、制御歯車31が非拘束状態にある場合において、入力部材43から入力歯車14に正回転方向Aの駆動トルクが入力されると、入力歯車14と一体のクラッチ収納部21が正回転方向Aに回転される。ばねクラッチ25は各コイルばね29が拡径状態にありクラッチ収納部21に対しロックされる。
このため、フック32が係合された回転伝達軸12及びこれと一体の中間軸13、中間軸13に嵌合された中間傘歯車22が正回転方向Aに回転される。このとき、入力傘歯車16に噛み合った中間傘歯車22は自転することなく回転伝達軸12及び中間軸13の回転に従い公転のみ行い、これに噛み合った出力傘歯車17を介して出力歯車15を正回転方向Aに回転させ、出力部材45(負荷)にその回転が伝達される。即ち、入力された正回転方向Aの駆動トルクが正回転方向Aのまま出力されることになる。
制御歯車31は、フック32’がフック受けアーム34に係合された初期状態にあり、その状態のまま正回転方向Aに回転される。
次に、入力歯車14が前記のように正回転方向Aに回転している状態において、負荷側の回転を逆回転方向に切り替える場合は、アクチュエータ37をオンにしてこれを制御歯車31の凹凸係合面36に係合させ、制御歯車31を拘束する(図5参照)。これによって制御歯車31の回転が停止される一方、入力歯車14と回転伝達軸12が引き続き正回転方向Aに回転しているので、コイルばね29のフック32’がフック受けアーム34に係合した図2の初期状態からさらに所要距離aだけ回転が進む間にフック32、32’が相互に離れる方向の力を受けるためコイルばね29が縮径し(図3参照)、ばねクラッチ25のロックが解除される。ばねクラッチ25のロック解除によりばねクラッチ25を経た駆動トルクの伝達経路が遮断される。
一方、入力歯車14、入力傘歯車16は引き続き正回転方向Aに回転するため中間傘歯車22が自転しつつ公転する。このとき、出力歯車15及び出力傘歯車17側には負荷トルクが作用しているのに対し、中間傘歯車22は、中間軸13と回転伝達軸12とともに空転する。このため、出力傘歯車17と出力歯車15に対し駆動トルクの伝達は行われない。即ち、出力傘歯車17と出力歯車15は一時的に停止状態となる。
中間軸13と回転伝達軸12が空転して、回転伝達軸12がさらに回転することにより、制御すき間bがゼロとなり、係合部26がストッパーアーム35に係合する(図3参照)。これにより、回転伝達軸12及び中間軸13の空転が停止されるので、中間傘歯車22は公転が停止され自転のみ行う。その自転により、出力傘歯車17を介して出力歯車15が逆回転方向Bに回転され(図5参照)、負荷側の回転が逆回転方向Bに切り替わる。
出力歯車15が逆回転方向Bに回転中は、ばねクラッチ25のコイルばね29は、引き続き縮径状態にあるのでクラッチ収納部21に対する摩擦が少なくなり空転トルクが減少する。
また、前記の逆回転方向Bの伝達を停止し元の正回転方向Aへの回転に切り替える場合は、アクチュエータ37をオフにすると、制御歯車31が非拘束状態となるのでコイルばね29はそれ自体のばね力により拡径状態に戻り、クラッチ収納部21に対して拡径状態となり初期状態(図2参照)に戻る。
以上の作用において、入力歯車14及び出力歯車15が回転する際、その回転中心は、これらの歯車14、15が貫通した回転伝達軸12の外径面に対する接触部分と、これらの歯車14、15の球面案内部23、23’と中間傘歯車22の球面24との球面接触部分において摺動することにより定められる。また、入力傘歯車16、出力傘歯車17及びこれらに噛み合った中間傘歯車22からなる傘歯車機構10は、球面案内部23、23’における球面接触によって外部からのダスト等の侵入が遮断され、同時に内部のグリースの漏出も防止される。
図6及び図7に示した実施例2は、入力歯車14と出力歯車15の対向面に軸方向の円筒状の延長部46、47を設け、相互に突き合わせる構成をとることにより、実施例1の場合より深いアンダーカット部18、19が形成される。
また、中間軸13の先端部は中間傘歯車22の端面から外部に多少突き出して設けられ、その突き出した端面が前記延長部46、47の内周面に摺接し得るよう円筒面48に形成されている。その円筒面48と各延長部46、47の内径面とが円筒面接触する。中間傘歯車22の端面は、前記アンダーカット部18、19に接触することなく自転・公転が可能なように球面24に形成される。
この場合、入力歯車14と出力歯車15の回転中心は、これらの歯車14、15が貫通した回転伝達軸12の外径面に対する接触部分のほかに、前記延長部46、47の内周面と中間軸13の円筒面48との円筒接触面において定められる。
上記以外の構成は実施例1の場合と同様であり、作用も同様である。
図8及び図9にした実施例3は、前記実施例1の変形例である。実施例1においては、ばねクラッチ25を構成する2個のコイルばね29は共に右巻きのものであったが、この実施例2の場合は、2個のコイルばね29a、29bの巻き方向は反対である。即ち、入力歯車14側に配置されるコイルばね29aは右巻きであるが、制御歯車31側に配置されるコイルばね29bは左巻きである。
このような構成にするのは、前記実施例1において、以下のような不都合を解消するためである。
即ち、実施例1のように、コイルばね29の巻き方向がすべて同方向である場合、制御歯車31が拘束さればねクラッチ25がロック解除(フリー)状態にあり、各コイルばね29が停止状態にあるとき(図3参照)、入力歯車14及びこれと一体のクラッチ収納部21が引き続き正回転方向Aに回転する。この場合に、各コイルばね29はクラッチ収納部21の正回転方向Aへの回転により、スクリュー作用により同一方向かつ同一大きさのスラスト力が重畳的に作用する。その結果、入力歯車14又は制御歯車31の回転に支障を来たすことがある。
これに対し、実施例3のように、コイルばね29の半数のコイルばね29a、29bの巻き方向を反対向きに定めておくことにより、各コイルばね29a、29bにスクリュー作用によって発生するスラスト力Sは反対向き(図9参照)、かつ大きさ同一である。このため、両方のスラスト力Sが打ち消し合うので入力歯車14又は制御歯車31の回転に支障を来たすことが回避される。
上記以外の構成は実施例1の場合と同様であり、作用も同様である。
次に、図10から図13に示した実施例4は、コイルばね29として、一方のフック32を基準として他方のフック32’が整数回の巻き対して優弧の不完全巻き部28bの端部に形成されたもの(不足巻き型と称する。)の場合である。フック32、32’が内向きに屈曲形成される点は前記の実施例1の場合と同様である。
この型式のコイルばね29は、両方のフック32、32’が優弧側に引き寄せられる方向の力を受けるとコイルばね29が拡径し、反対方向の力を受けると縮径する性質を有する。
また、この実施例4においては、前記優弧の部分を挟んで周方向に対向した前記フック32、32’の間に前記フック受けアーム34が介在される構成を採っている。この構成の場合は、フック受けアーム34は図11及び図12に示したように、優弧に沿った大きな円弧部をもった不完全円筒体に形成されるので、その内径面を回転伝達軸12の外径面に嵌合させることにより、制御歯車33の姿勢を安定させることができる。
この実施例4の場合も、前記各実施例と同様に、フック32が係合部26の溝27に係合され、他方のフック32’は、前記フック受けアーム34の正回転方向Aに見た場合の回転の遅れ側となる遅れ側端部34aに対向される。このフック32’が遅れ側端部34aに接触した図11の初期状態において、係合部26とフック32’の間に制御すき間bが存在する。
実施例4の場合の作用は、制御歯車31が非拘束状態にある場合は各実施例と同様である。制御歯車31が拘束状態になったとき、フック32と共に係合部26が所要距離aの移動に伴いコイルばね29が縮径され、ばねクラッチ25のロックが解除される。さらに前記制御すき間bがゼロになったとき(図13参照)、係合部26がフック32’を挟んでフック受けアーム34に係合され、回転伝達軸12が停止される。
その他の構成及び作用は前記実施例1と同様である。また、実施例3のように、コイルばね29の半数のものの巻き方向を反対にする構成もとることができる。
実施例1のアクチュエータがオフの状態の断面図 図1のX−X線の断面図 実施例1の作用状態の一部切欠断面図 (a)実施例1の分解斜視図、(b)同じく制御歯車の斜視図 実施例1のアクチュエータがオンの状態の断面図 実施例2のアクチュエータがオフの状態の断面図 図6のX−X線の断面図 実施例3のアクチュエータがオフの状態の断面図 実施例3のばねクラッチ部分の拡大横断平面図 実施例4のアクチュエータがオフの状態の断面図 図10のX−X線の断面図 実施例4の制御歯車の斜視図 実施例4の作用状態の一部切欠断面図 従来例の平面図
符号の説明
10 傘歯車機構
11 固定軸
12 回転伝達軸
13 中間軸
14 入力歯車
15 出力歯車
16 入力傘歯車
17 出力傘歯車
18 アンダーカット部
19 アンダーカット部
20 ボス部
21 クラッチ収納部
22 中間傘歯車
23、23’ 球面案内部
24 球面
25 ばねクラッチ
26 係合部
27 溝
28a、28b 不完全巻き部
29、29a、29b コイルばね
31 制御歯車
32、32’ フック
33 嵌合凹部
34 フック受けアーム
34a 遅れ側端部
35 ストッパーアーム
36 凹凸係合面
37 アクチュエータ
38、38’ スリット
39、39’ スナップフィット片
40、40’ 逆止爪
42 入力軸
43 入力部材
44 出力軸
45 出力部材
46 延長部
47 延長部
48 円筒面

Claims (8)

  1. 入力歯車(14)と出力歯車(15)及びこれらの歯車(14)、(15)の間に介在された切替機構によって、入力歯車(14)に入力された駆動トルクの回転を正回転方向A又は逆回転方向Bに切り替えて前記出力歯車(15)に伝達するようにした駆動力正逆切替装置において、
    前記切替機構は、傘歯車機構(10)、ばねクラッチ(25)及び制御歯車(31)により構成され、
    前記傘歯車機構(10)は、固定軸(11)等の固定部に支持された回転伝達軸(12)、該回転伝達軸(12)に直交状に設けられた中間軸(13)、該中間軸(13)に嵌合され入力傘歯車(16)と出力傘歯車(17)に噛み合わされた中間傘歯車(22)からなり、前記入力歯車(14)と出力歯車(15)はそれぞれ前記入力傘歯車(16)及び出力傘歯車(17)に一体化され、
    前記ばねクラッチ(25)は、前記入力傘歯車(16)と一体に設けられたクラッチ収納部(21)の内径面に拡径方向の弾性をもって装着され、
    前記制御歯車(31)は、その内端面にフック受けアーム(34)とストッパーアーム(35)が軸方向に突設され、これらのフック受けアーム(34)とストッパーアーム(35)は前記クラッチ収納部(21)の内径部に挿入され、前記ばねクラッチ(25)の両端部に内向きのフック(32)、(32’)が屈曲形成され、一方のフック(32)は前記回転伝達軸(12)に係合され、他方のフック(32’)は前記フック受けアーム(34)の正回転方向Aに見た場合の遅れ側端部(34a)に対向した位置に介在され、該フック(32’)が前記遅れ側端部(34a)に接触した初期状態において、前記回転伝達軸(12)に設けられた係合部(26)と前記ストッパーアーム(35)との間に所要の制御すき間(b)が存在し、
    前記入力歯車(14)と出力歯車(15)の対向面にそれぞれ設けられたアンダーカット部(18)、(19)に前記中間傘歯車(22)の端面又は中間軸(13)の端面を相対回転可能に摺接させたことを特徴とする駆動力正逆切替装置。
  2. 前記アンダーカット部(18)、(19)と、これに摺接される前記中間傘歯車(22)の端面が球面接触することを特徴とする請求項1に記載の駆動力正逆切替装置。
  3. 前記アンダーカット部(18)、(19)と、これに摺接される前記中間軸(13)の端面が円筒面接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動力正逆切替装置。
  4. 前記回転伝達軸(12)の一端部が前記出力歯車(15)を貫通し、他端部が前記制御歯車(31)を貫通してそれぞれ外部に突き出し、その回転伝達軸(12)の両端部においてそれぞれ端部に達する平行2本のスリット(38、38’)によってスナップフィット片(39、39’)が形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動力正逆切替装置。
  5. 前記ばねクラッチ(25)は、複数コイルばね(29)を複数個軸方向に接近配置して構成されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の駆動力正逆切替装置。
  6. 前記コイルばね(29)が偶数個用いられ、かつその半数のものは巻き方向が反対であることを特徴とする請求項5に記載の駆動力正逆切替装置。
  7. 前記コイルばね(29)は、一方のフック(32)を基準として他方のフック(32’)が整数回の巻きに加えて巻かれた劣弧の不完全巻き部(28a)の端部に形成された過剰巻き型であり、前記劣弧の部分を挟んで周方向に対向した前記フック(32)、(32’)の間に前記フック受けアーム(34)が介在されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の駆動力正逆切替装置。
  8. 前記コイルばね(29)は、一方のフック(32)を基準として他方のフック(32’)が整数回の巻き対して優弧の不完全巻き部(28b)の端部に形成された不足巻き型であり、前記優弧の部分を挟んで周方向に対向した前記フック(32)、(32’)の間に前記フック受けアーム(34)が介在されたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の駆動力正逆切替装置。
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