JP2009035649A - オキセタン共重合体およびそれを用いた接着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
更に、建築用資材,車の内装資材の分野において接着により得られた複合体は、その使命を終えた後、各構成部品へ分解しリサイクルされることが望ましいが、一般に強固に接着された複合体ほど分解が困難である。
最近、電子材料,建築用資材,車の内装資材の分野において、強い接着力を有しながら、不良品の部品交換や廃棄時の分別回収の目的で、基板や部品を痛めることなく回収できるリワーク性やリサイクル性に優れた接着剤の開発が期待されている。
本発明の要旨は、
式:
で示される第1繰り返し単位、および
式:
で示される第2繰り返し単位
[式中、R11およびR21は、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてよいヒドロキシアルキル基、エーテル酸素含有有機基もしくは脂肪族炭化水素基、または有機高分子基であり、R12およびR22は、同一または異なって、ヒドロキシル基並びに、ハロゲン原子で置換されていてよいヒドロキシアルキル基、エーテル酸素含有有機基もしくは炭化水素基、または有機高分子基である。隣接するR11とR12および/またはR21とR22は、互いに結合して環を形成しても良い。]
(但し、第1繰り返し単位と第2繰り返し単位は異なる。)
を有する共重合体であるオキセタン重合体に存する。
接着剤は、オキセタン重合体のみからなるか、あるいは(A)オキセタン重合体、および(B)オキセタン重合体と相溶する樹脂を含んでなる。
(1) シートまたは粉体の形態である接着剤を第1基材の上に配置し、接着剤を加熱して溶融させ、溶融接着剤層を形成し、溶融接着剤層の上に第2基材を配置し、溶融接着剤層を冷却して固化させて、第1基材と第2基材を接着剤層によって結合することを特徴とする基材の接着方法。
(2) 有機溶媒に溶解した溶液の形態である接着剤を第1基材の上に適用して接着剤溶液層を形成し、接着剤溶液層の上に第2基材を配置し、接着剤溶液層における有機溶媒を除去して固化接着剤層を形成させて、第1基材と第2基材を接着剤層によって結合することを特徴とする基材の接着方法。
エーテル酸素含有有機基もしくは炭化水素基(例えば、脂肪族炭化水素基)は、ハロゲン原子で置換されていてよい。
第1単量体および第2単量体におけるエーテル酸素含有有機基は、炭化水素基に結合した少なくとも1つのエーテル酸素結合を有する基である。エーテル酸素含有有機基の炭素数は1〜40、例えば2〜30、特に3〜15であることが好ましい。一般に、隣の炭素原子と結合するR11、R21、R11またはR21基における原子は、エーテル酸素原子または炭素原子である。エーテル酸素含有有機基におけるエーテル酸素原子の数は1〜20、特に1〜5であることが好ましい。
A11−(O−A12)p−(O)q−
[式中、A11およびA12は、少なくとも1つの水素原子がアルキル基、ヒドロキシル基、エーテル酸素含有有機基またはハロゲン原子のいずれかに置換されていてもよい炭化水素基であり、それぞれのA12は、同一または異なっており、
pは0〜20の整数であり、qは0または1である。]
で示される基である。好ましくは、A11は、アルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、A12は、アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基である。
アルキル基およびアルキレン基は炭素数1〜10、例えば1〜6であることが好ましく、アリール基およびアリーレン基は炭素数6〜14、例えば6〜12であることが好ましく、アラルキル基およびアラルキレン基は炭素数7〜20、例えば7〜15であることが好ましい。
オルガノオキシ基は、炭化水素基がエーテル酸素原子に結合している基である。
エーテル酸素含有有機基の好ましい例は、式:
A21−(O−A22)r−O−CH2−
[A21は炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、それぞれのA22は、同一または異なって、炭素数2〜5の直鎖または分岐のアルキル基、rは0〜10、特に1〜5の数である。]
で示される。
モノエーテル基は、アルキル基、アリール基またはアラルキル基とアルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基とをエーテル酸素原子によって結合した化合物である。ポリエーテル基は、モノエーテル基にさらに、エーテル酸素原子と、アルキレン基、アリーレン基またはアラルキレン基とが結合した化合物である。
モノエーテルの具体例は、メトキシメチレン基、メトキシエチレン基、エトキシベンジル基、エトキシメチレン基、プロポキシメチレン基、エトキシエチレン基、プロポキシエチレン基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、メトキシベンジル基、フェノキシメチレン基、フェノキシエチレン基、ベンジルオキシメチル基、ベンジルオキシエチル基である。
ポリエーテルとしては、アルキルポリ(オキシアルキレン)基、アルキルポリ(オキシアリール)基、アルキルポリ(オキシアラルキレン)基、アリールポリ(オキシアルキレン)基、アリールポリ(オキシアリーレン)基、アリールポリ(オキシアラルキレン)基、アラルキルポリ(オキシアラルキレン)基が挙げられる。ここで、「ポリ」とは2〜20の数、特に2〜10の数を意味する。
ポリエーテルの具体例は、メチルポリ(オキシエチレン)基、エチルポリ(オキシエチレン)基、メチルモノ(オキシエチレン)オキシメチル基、エチルモノ(オキシエチレン)オキシメチル基、メチルポリ(オキシエチレン)オキシメチル基、エチルポリ(オキシエチレン)オキシメチル基である。
第2単量体における炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基)、芳香族炭化水素(アリール基)、芳香脂肪族炭化水素(アラルキル基)が挙げられる。
アルケニル基としては、C2〜20、特にC3〜12のアルケニル基が好ましく、例えば、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。なおこれらの置換基は、その異性体を含む。
アルキニル基としては、C2〜20、特にC3〜12のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等が挙げられる。なおこれらの置換基は、その異性体を含む。
R12およびR22が水素原子、ハロゲン原子で置換されていてよいアルキル基、アリール基、アラルキル基であることが好ましい。
R11およびR21がメチロール基、ハロゲン原子で置換されていてよい酸素原子数1〜5かつ炭素原子数2〜30(例えば、炭素原子数2〜10)のエーテル基、エーテル酸素含有有機基であり、R12およびR22がハロゲン原子で置換されていてよいアルキル基、アリール基、アラルキル基であることがさらに好ましい。
第1繰り返し単位と第2繰り返し単位のモル比は、1:1000〜1000:1、例えば、1:99〜99:1、特に10:90〜90:10である。
オキセタン重合体の平均分子量(特に数平均分子量)は、500〜500000であることが好ましい。平均分子量は、例えば1000〜300000、特に2000〜200000であることがさらに好ましい。平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより、クロロホルム溶出液を用い、ポリスチレン基準サンプルを用いて測定したものである。
[式中、Etは、エチル基である。]
である。
第2繰り返し単位の例は、
[式中、Etは、エチル基であり、
R3は、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてよいエーテル基もしくは炭化水素基、または有機高分子基である。]
である。
[式中、Etは、エチル基であり、R4〜R8は水素原子、炭化水素基に含まれる少なくとも1つの水素原子がアルキル基、オルガノオキシ基またはハロゲン原子に置換されていてよい炭化水素基であり、oは1〜20の数である。]
である。
第2繰り返し単位の詳細な具体例は、
および
である。
[式中、Etは、エチル基であり、R3は、ハロゲン原子で置換されていてよいエーテル基もしくは炭化水素基、または有機高分子基であり、mおよびnは1以上の整数である。]
で示される共重合体である。
[式中、Etは、エチル基であり、
R4〜R8は水素原子、炭化水素基に含まれる少なくとも1つの水素原子がアルキル基、オルガノオキシ基またはハロゲン原子に置換されていてよい炭化水素基であり、
m、n およびoは1以上の整数である。]
で示される共重合体である。
本発明の共重合体において、それぞれの単位が、標記の通り位置するブロック重合体であってよく、あるいはそれぞれの単位が標記の通り位置しなくてもよく、ランダム重合体またはブロック重合体であってよい。
重合は、溶媒、特に有機溶媒を用いてもよく、あるいは用いなくてもよい。重合は、一般に、溶液重合またはバルク重合である。好適な溶媒は、重合系内のオキセタン単量体および他の化合物を溶解する溶媒であり、具体例として、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロピラン等が挙げられる。
重合方法としては、例えば、触媒を用いる方法、重合開始剤を用いる方法等を用いることができる。
触媒および重合開始剤のそれぞれの量は、オキセタン単量体に対して、0.001〜10.0モル%、例えば0.01〜2.0モル%であってよい。
重合反応において、反応温度は、−100〜400℃、例えば0〜200℃、反応時間は、1秒〜120時間、例えば10分〜20時間であってよい。
樹脂(B)の具体例は、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリアミド樹脂である。樹脂(B)の量は、オキセタン重合体(A)100重量部に対して、0〜100000重量部、例えば0.1 〜10000重量部、特に1〜500重量部であってよい。
シートおよび粉体は、室温(20 ℃)で固体であることが好ましい。シートの厚さは、一般に、1.0μm〜10mmである。粉体の粒径は、一般に、0.1μm〜10mmである。
本発明の接着剤をシート状に加工する方法としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等の離型性を有する材料で成形した型に接着剤を充填してホットプレスする方法や、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等の離型性を有するフィルム間に接着剤を挟み込むように押出ラミネートする方法などの公知の方法が使用できる。
本発明の接着剤を粉体状に加工する方法としては、反応で生成したポリマーをそのままろ過しても良いし、乾燥させた塊をボールミル等で粉体に粉砕する粉砕法、溶融したポリマーを媒体中に分散造粒するアトマイズ法、溶媒に溶解したポリマーを媒体中に分散造粒する化学的分散法、などの公知の方法が使用できる。
接着剤を有機溶媒に溶解した溶液において、接着剤の濃度は、一般に、0.01 〜99.99重量%、例えば1〜60重量%である。有機溶媒の例は、均一な溶液となれば特に限定はされないが、トルエン、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメチルスルホキサイド、ジメチルスルホン等が挙げられる。
本発明の接着剤は、特に、以下のような接着方法において使用できる。
(1)シートまたは粉体の形態である接着剤を第1基材の上に配置し、接着剤を加熱して溶融させ、溶融接着剤層を形成し、溶融接着剤層の上に第2基材を配置し、溶融接着剤層を冷却して固化させて、第1基材と第2基材を接着剤層によって結合することを特徴とする基材の接着方法。
(2) 有機溶媒に溶解した溶液の形態である接着剤を第1基材の上に適用して接着剤溶液層を形成し、接着剤溶液層の上に第2基材を配置し、接着剤溶液層における有機溶媒を除去して固化接着剤層を形成させて、第1基材と第2基材を接着剤層によって結合することを特徴とする基材の接着方法。
接着剤層の厚さは、0.10μm〜10mm、特に10μm〜2mmであってよい。
第1基材と第2基材は、同じまたは異なった材料の基材である。
3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタンと3-エチル-3-エトキシエトキシメチルオキセタンの共重合
100mL 2口フラスコに、攪拌子、粉末状にした(Ace)Ru3(CO)7(161mg, 0.248mmol)を加え、アルゴン雰囲気とした。脱水したテトラヒドロピラン(THP)(4.52mL)を加え、錯体溶液をつくり、その中にHSiMe2Ph(3.88mL, 24.8mmol)を加え20℃で30分攪拌した。ついで、別途調製した3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタン(35.0g, 186mmol)と3-エチル-3-エトキシエトキシメチルオキセタン(11.6g 62.0mmol)をTHP7.0mLで希釈したオキセタン混合液を加え、24時間室温(20℃)で反応させた。1HNMRで原料であるオキセタン単量体が消失したことを確認した後、溶媒を減圧除去した。濃縮液にトルエン47.3mLを加え、溶解させた後、この溶液を室温(20℃)条件下MeOH372mLへ添加後、-36℃で2時間冷却し再沈殿操作をおこなった。えられた重合体に、活性白土4.2gを加え、エチレングリコールジメチルエーテル250mLを加えて、50℃で30分攪拌したのち、熱時ろ過をおこない不溶物を除去した。ろ液中の溶媒を減圧除去した後、恒量するまで60℃で減圧乾燥させ、目的物42.2 g(収率 90.5%)を得た。
3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタン由来の繰返し単位をTMSOx, 3-エチル-3-エトキシエトキシメチルオキセタン由来の繰返し単位をEOEOxと以下記載する。
[1H-NMR](300MHz, C6D6):δ0.19-0.24(br, 9H, TMSOx内トリメチルシリル基-CH3), 1.03-1.23(m ,3H, TMSOx・EOEOx 内3位置換エチル基中の末端-CH3), 1.14-1.23(m ,3H, EOEOx 内3位置換エトキシエトキシ基中の末端-CH3), 1.60-1.79(bm,2H, TMSOx・EOEOx 内3位置換エチル基中の-CH2-), 3.17-3.87(bm,4H, TMSOx・EOEOx 内ポリマー主鎖の-OCH2-とbm,8H, EOEOx 内3位置換アルコキシ基中の-OCH2-) , 3.65-3.87(br,2H, TMSOx内3位置換トリフルオロメトキシ中の-OCH2-)
東ソー株式会社TSK-G5000HHRカラムとTSK-G2000HHRカラムを組み合わせ、クロロホルム溶出液を用い、ポリスチレン基準サンプルを用いて分子量分布を決定した結果、Mn=27820 Mw=48720, Mw/Mn=1.7であった。
得られた共重合体(42.2g)にトルエン100mLを加えて溶解した。このポリマー溶液に2.5規定塩酸を250mL加え、ついで、メタノールを250mL加えて24時間室温(20℃)で攪拌した。減圧して有機溶媒を留去後、ろ過し、ろ物を恒量するまで60℃で減圧乾燥させ、下記の2種の繰り返し単位を有する目的物(ポリマー1)27.0g(収率 90.3 %)を得た。ポリマー1において、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン繰り返し単位と3-エチル-3-エトキシエトキシメチルオキセタン繰り返し単位のモル比は、75:25であった。
および
3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン由来の繰返し単位をEHO, 3-エチル-3-エトキシエトキシメチルオキセタン由来の繰返し単位をEOEOxと以下記載する。
[1H-NMR](300MHz, CF3COOD):0.85 1.43(br , 3H, EHO・EOEOx 内3位置換エチル基中の末端-CH3), 1.29-1.43 (bm ,3H, EOEOx 内3位置換エトキシエトキシ基中の末端-CH3), 1.43-1.71(bm,2H, EHO・EOEOx 内3位置換エチル基中の-CH2-), 3.26-4.04(bm,4H, TMSOx・EOEOx 内ポリマー主鎖の-OCH2-とbm,8H, EOEOx 内3位置換アルコキシ基中の-OCH2-) , 3.65-3.87(br,2H, TMSOx内3位置換ヒドロキシメチル基中の-OCH2-)
東ソー株式会社TSK-G4000H8カラム、20mm LiBr/NMP溶出液を用い、ポリスチレン基準サンプルを用いて分子量分布を決定した結果、Mn=24190 Mw=46420, Mw/Mn=1.9であった。
ポリマー1の粉末2.60gを2枚のポリイミド(宇部興産株式会社製 商品名ユーピレックスS 75μm厚、幅30.0cm x 長さ30.0cm)に挟み込み、常圧で140℃5分30秒保持した後、140℃4.9N/mm2で1分間加圧し、30℃4.9N/mm2で2分間冷却してポリイミド複合体を得た。この複合体を裁断し、JIS K 6854-3に従いT形剥離強度を測定したところ、84.0N/25mmであった。
剥離試験サンプルを作成するのと同様に作成したポリイミド複合体を用いた。140℃に昇温すると、容易に複合体を分離することができた。ポリイミド表面に残っている共重合体をジメチルアセトアミド(DMAc)を染み込ませた布で軽くこすると、容易に除去することができた。ポリイミド表面に異常は認められなかった。
3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタンと3-エチル-3-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシメチル}オキセタンの共重合
100mL2口フラスコに、攪拌子、粉末状にした(Ace)Ru3(CO)7(195.3mg, 0.300mmol)を加え、アルゴン雰囲気とした。脱水したTHP(5.50mL)を加え、錯体溶液をつくり、その中にHSiMe2Ph(4.70mL, 30.0mmol.)を加え20℃で30分攪拌した。ついで、別途調製した3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタン(42.3g, 225mmol)と3-エチル-3-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシメチル}オキセタン(19.7g, 75.0mmol)をTHP14.2mLで希釈したオキセタン混合液を加え、24時間室温(20℃)で反応させた。1HNMRで原料であるオキセタン単量体が消失したことを確認した後、溶媒を減圧除去した。濃縮液にトルエン50mLを加え、溶解させた後、この溶液を室温(20℃)条件下MeOH450mLへ添加後、-36℃で2時間冷却し再沈殿操作をおこなった。得られた重合体に活性白土6.2gを加え、エチレングリコールジメチルエーテル250mLを加えて、50℃で30分攪拌したのち、熱時ろ過をおこない不溶物を除去した。ろ液中の溶媒を減圧除去した後、えられた液状ポリマーを恒量するまで60℃で減圧乾燥させ、目的物54.6g(収率 88.3%)を得た。
3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタン由来の繰返し単位をTMSOx, 3-エチル-3-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシメチル}オキセタン由来の繰返し単位をTEGOxと以下記載する。
[1H-NMR](300MHz, C6D6):δ0.15-0.27(br, 9H, TMSOx内トリメチルシリル基-CH3), 0.99-1.16(bm ,3H, TMSOx・TEGOx 内3位置換エチル基中の末端-CH3), 1.55-1.78(bm,2H, TMSOx・TEGOx 内3位置換エチル基中の-CH2-), 3.13-3.22(br,3H, TEGOx 内3位置換ポリアルコキシ基の-OCH2-),3.29-3.62(bm,4H, TMSOx・TEGOx 内ポリマー鎖内の-OCH2-と, bm,14H, TEGOx 内3位置換ポリアルコキシ基中の-OCH2-) , 3.65-3.87(bm,2H, TMSOx 3位置換トリフルオロメトキシ中の-OCH2-)
東ソー株式会社TSK-G5000HHRカラムとTSK-G2000HHRカラムを組み合わせ、クロロホルム溶出液を用い、ポリスチレン基準サンプルを用いて分子量分布を決定した結果、Mn=24240 Mw=61410, Mw/Mn=2.5であった。
得られた共重合体(54.6g)にトルエン160mLを加えて溶解した。このポリマー溶液に2.5規定塩酸を240mL加え、ついで、メタノールを240mL加えて24時間室温(20℃)下で攪拌した。減圧して有機溶媒を留去後、ろ過し、ろ物を恒量するまで60℃で減圧乾燥させ、下記の2種の繰り返し単位を有する目的物(ポリマー2)35.4g(収率 87.6%)を得た。ポリマーにおいて、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン繰り返し単位と3-エチル-3-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシメチル}オキセタン繰り返し単位のモル比は、75:25であった。
および
3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン由来の繰返し単位をEHO, 3-エチル-3-{2-[2-(2-メトキシ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシメチル}オキセタン由来の繰返し単位をTEGOxと以下記載する。
[1H-NMR]( 300MHz, CF3COOD): 0.87-1.12(bm ,3H,EHO・TEGOx内3位置換エチル基中の末端-CH3), 1.39-1.70(bm,2H, EHO・TEGOx内3位置換エチル基中の-CH2-), 3.31-3.44(bm,3H, TEGOx内3位置換アルコキシ基の末端-CH3),3.44-4.14(bm,8H, EHO・TEGOx内ポリマー鎖内の-OCH2-とbm,4H, TEGOx内3位置換ポリアルコキシ基中の-OCH2-) ,
4.43-4.61(br,2H, TEGOx内3位置換トリフルオロメトキシ中の-OCH2-)
東ソー株式会社TSK-G4000H8カラム、20mm LiBr/NMP溶出液を用い、ポリスチレン基準サンプルを用いて分子量分布を決定した結果、Mn=21340 Mw=68260, Mw/Mn=3.2であった。
ハンドプレス機で作成したポリマー2のシート(150μm厚、幅11.0cm x 長さ11.0cm)を2枚のポリイミド(宇部興産株式会社製 商品名ユーピレックスS 75μm厚、幅30.0cm x 長さ30.0cm)に挟み込み、ハンドプレス機を用い、常圧で140℃5分30秒保持した後、140℃4.9N/mm2で1分間加圧し、30℃4.9N/mm2で2分間冷却してポリイミド複合体を得た。この複合体を裁断し、JIS K 6854-3に従いT形剥離強度を測定したところ、50.9N/25mmであった。
ハンドプレス機で作成したポリマー2のシート(150μm厚、幅11.0cm x 長さ11.0cm)を2枚のアルミ板(0.50mm厚、幅30.0cm x 長さ30.0cm)に挟み込み、常圧で140℃5分30秒保持した後、140℃4.9N/mm2で1分間加圧し、30℃4.9N/mm2で2分間冷却してポリイミド複合体を得た。この複合体を裁断し、JIS K 6854-3に従いT形剥離強度を測定したところ、111N/25mmであった。
ハンドプレス機で作成したポリマー2のシート(150μm厚、幅11.0cm x 長さ11.0cm)を0.5mm厚銅板とポリイミド(宇部興産株式会社製 商品名ユーピレックスS 75μm厚)で挟み込み、ハンドプレス機を用い、常圧で140℃5分30秒保持した後、140℃4.9N/mm2で1分間加圧し、30℃4.9N/mm2で2分間冷却して複合体を得た。この複合体を、JIS K 6854-2に従い裁断し180度剥離強度を測定したところ、63.0N/25mmであった。
ハンドプレス機で作成したポリマー2のシート(150μm厚、幅11.0cm x 長さ11.0cm)をを1.0mm厚ガラス板とポリイミド(宇部興産株式会社製 商品名ユーピレックスS 75μm厚)で挟み込み、ハンドプレス機を用い、常圧で140℃5分30秒保持した後、140℃4.9N/mm2で1分間加圧し、30℃4.9N/mm2で2分間冷却して複合体を得た。この複合体をJIS K 6854-2に従い裁断し、180度剥離強度測定を試みたが、ポリイミド部分が破壊したため測定できなかった。
3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタンの重合
100mL2口フラスコに、攪拌子、粉末状にした(Ace)Ru3(CO)7(117.2mg,0.180mmol)を加え、アルゴン雰囲気とした。脱水したTHP(3.30mL)を加え、錯体溶液をつくり、その中にHSiMe2Ph(2.82mL, 18.0mmol.)を加え20℃で30分攪拌した。ついで、別途調製した3-エチル-3-トリメチルシロキシメチルオキセタン(33.9g, 180mmol)をTHP8.76mLで希釈したオキセタン混合液を加え、24時間室温(20℃)で反応させた。1HNMRで原料であるオキセタン単量体が消失したことを確認した後、溶媒を減圧除去した。濃縮液にトルエン40mLを加え、溶解させた後、この溶液を室温(20℃)条件下MeOH600mLに添加後、-36℃で2時間冷却し再沈殿操作をおこなった。得られた重合体に活性白土3.3gを加え、エチレングリコールジメチルエーテル300mLを加えて、50℃で30分攪拌したのち、熱時ろ過をおこない不溶物を除去した。ろ液中の溶媒を減圧除去した後、えられた液状ポリマーを恒量するまで60℃で減圧乾燥させ、目的物31.5g(収率 93.0%)を得た。
[1H-NMR](300MHz, C6D6):δ0.15-0.24(br, 9H,トリメチルシリル基-CH3), 0.92-1.20(bm ,3H,エチル基中-CH3), 1.52-1.81(bm,2H,エチル基中-CH2-), 3.34-3.56(bm,4H, ポリマー鎖内の-OCH2-), 3.62-3.76 (br, 2H, 2H, 3位置換TMSOCH2-)
東ソー株式会社TSK-G5000HHRカラムとTSK-G2000HHRカラムを組み合わせ、クロロホルム溶出液を用い、ポリスチレン基準サンプルを用いて分子量分布を決定した結果、Mn=25600 Mw=52270, Mw/Mn=2.0であった。
得られた共重合体(31.5g)にトルエン144mLを加えて溶解した。このポリマー溶液に2.5規定塩酸を144mL加え、ついで、メタノールを288mL加えて24時間室温(20℃)下で攪拌した。減圧して有機溶媒を留去後、ろ過し、ろ物を恒量するまで60℃で減圧乾燥させ、目的物(ポリマーC1)19.7g(収率 94.2%)を得た。得られた化合物の1HNMR測定し、脱保護が完了したことを確認した。
[1H-NMR](300MHz, CF3COOD):0.80 -1.09(br ,3H,エチル基中-CH3), 1.30-1.71(b)m,2H,エチル基中-CH2-), 3.27-3.81(bm,4H, ポリマー鎖内の-OCH2-), 3.82-4.01 (bs,2H,HOCH2-),
東ソー株式会社TSK-G4000H8カラム、20mm LiBr/NMP溶出液を用い、ポリスチレン基準サンプルを用いて分子量分布を決定した結果、Mn=31660 Mw=96270, Mw/Mn=3.0であった。
ポリマーC1の粉末2.6gを2枚のポリイミド(宇部興産株式会社製 商品名ユーピレックスS 75μm厚、幅30.0cm x 長さ30.0cm)に挟み込み、ハンドプレス機を用い、常圧で140℃5分30秒保持した後、140℃4.9N/mm2で1分間加圧し、30℃4.9N/mm2で2分間冷却してポリイミド複合体を得た。この複合体を裁断し、JIS K 6854-3に従いT形剥離強度を測定したところ、0.8N/25mmであった。
剥離強度評価(ポリイミド)
Dupont社接着シートパイララックスLF100を、2枚のポリイミド(宇部興産株式会社製 商品名ユーピレックスS 75μm厚、幅30.0cm x 長さ30.0cm))に挟み込み、ハンドプレス機で常圧200℃2.0N/mm2で1時間加圧し、ポリイミド複合体を得た。この複合体を裁断し、JIS K 6854-3に従いT形剥離強度を測定したところ、5.60N/25mmであった。
Claims (20)
- 式:
で示される第1繰り返し単位、および
式:
で示される第2繰り返し単位
[式中、R11およびR21は、同一または異なって、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてよいヒドロキシアルキル基、エーテル酸素含有有機基もしくは脂肪族炭化水素基、または有機高分子基であり、R12およびR22は、同一または異なって、ヒドロキシル基、ハロゲン原子で置換されていてよいヒドロキシアルキル基、エーテル酸素含有有機基もしくは炭化水素基、または有機高分子基である。隣接するR11とR12および/またはR21とR22は、互いに結合して環を形成しても良い。]
(但し、第1繰り返し単位と第2繰り返し単位は異なる。)
を有する共重合体であるオキセタン重合体。 - 非架橋体または架橋体である請求項1に記載のオキセタン重合体。
- 数平均分子量500〜500000である請求項1または2に記載のオキセタン重合体。
- 第1繰り返し単位と第2繰り返し単位のモル比が、1:1000〜1000:1である請求項1〜3のいずれかに記載のオキセタン重合体。
- R11およびR21が、ハロゲン原子で置換されていてよいヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ポリエーテル基、アルキル基であり、R12およびR22が、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてよいアルキル基、アリール基、アラルキル基である請求項1〜4のいずれかに記載のオキセタン重合体。
- R11およびR21がメチロール基、ハロゲン原子で置換されていてよい酸素原子数1〜5かつ炭素原子数2〜10のエーテル基であり、R12およびR22がハロゲン原子で置換されていてよいアルキル基、アリール基、アラルキル基である請求項1〜4のいずれかに記載のオキセタン重合体。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のオキセタン重合体を含んでなる接着剤。
- オキセタン重合体からなる請求項14に記載の接着剤。
- (A)オキセタン重合体、および(B)オキセタン重合体と相溶する樹脂を含んでなる請求項14に記載の接着剤。
- 樹脂(B)が、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリアミド樹脂である請求項16に記載の接着剤。
- シート、粉体、有機溶媒に溶解した溶液の形態である請求項14〜17のいずれかに記載の接着剤。
- シートまたは粉体の形態である請求項14〜18のいずれかに記載の接着剤を第1基材の上に配置し、接着剤を加熱して溶融させ、溶融接着剤層を形成し、溶融接着剤層の上に第2基材を配置し、溶融接着剤層を冷却して固化させて、第1基材と第2基材を接着剤層によって結合することを特徴とする基材の接着方法。
- 有機溶媒に溶解した溶液の形態である請求項14〜18のいずれかに記載の接着剤を第1基材の上に適用して接着剤溶液層を形成し、接着剤溶液層の上に第2基材を配置し、接着剤溶液層における有機溶媒を除去して固化接着剤層を形成させて、第1基材と第2基材を接着剤層によって結合することを特徴とする基材の接着方法。
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