JP2009031455A - 光コネクタを備えた回路基板の放熱構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回路基板1上の光電素子2、3に対して嵌合ピン位置決め方式により位置決め固定される光コネクタ4を備えた回路基板の放熱構造であって、回路基板1には光電素子2、3から発生する熱を放熱するための熱伝導材8を備え、光コネクタ4に架け渡された位置決めに用いる嵌合ピン7が熱伝導材8と接触することにより、光電素子から発生する熱を光コネクタから放熱する。回路基板上の光電素子等の発熱は、回路基板上の熱伝導材8から放熱されると同時に、この熱伝導材8に接触している嵌合ピン7を伝わって光コネクタからも放熱される。
【選択図】図2
Description
特許文献1における放熱手段は、回路基板に設けた隣接する光モジュール間に配置された光電素子内蔵の光コネクタ(OEIC内蔵の光コネクタ)の発熱を放熱するものであり、かつ、光モジュールが冷却装置を備えている場合のものであるが、光コネクタ(レセプタクル16)とこれに隣接する冷却装置の外面(伝導冷却板保持材(放熱板に相当)7)との間の隙間に熱伝導グリス40を充填して、光コネクタから冷却装置(放熱板)への熱伝達を良好にしようとするものである。
特に光電素子(特にLD等の発光素子)からの発熱量は大きいので、光電素子からの発熱を効率良く処理できる構造が求められている。
また、熱伝導グリスで回路基板を汚染するという問題はないので、基板上の光電素子に光コネクタ端面が対面する本発明の場合に、極めて適切である。
また、請求項2のように光コネクタにヒートシンクを装着すると、回路基板上の光電素子等の発熱は、さらに効率よく放熱することができる。
また、請求項3、4のようにヒートシンクを嵌合ピンに嵌合させると、回路基板上の光電素子等の発熱は、嵌合ピンを介してヒートシンクに効率よく伝達され、さらに効率よく放熱することができる。
これらの図において、1は種々の電子部品とともに光電素子を搭載した光モジュールである回路基板であり、光電素子としてLED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオード)2及びPD(フォトダイオード)3等を搭載している。
また、回路基板1の一方の面には、光電素子2、3や受発光素子の駆動IC等(以下、光デバイスという場合がある)が発生する熱を発散させるためのパネル状の熱伝導材8が取り付けられている。
光デバイスは、熱伝導材8上に配置されている。
以下、本発明では、光デバイスから発生する熱を光電素子から発生する熱と言う場合がある。
回路基板1に実装される光コネクタ4は、概ね角形をなすフェルール5にあけた光ファイバ穴5aの列の両側に嵌合ピン穴5bを有し、回路基板側の嵌合ピン穴との間に嵌合ピンを架け渡して光学的な位置決めするピン嵌合位置決め方式の光コネクタである。
光コネクタの光ファイバ穴5aには、光ファイバテープ6の光ファイバ6aが挿通固定され端面研磨されている。この光コネクタ4はいわゆるMTコネクタと称される光コネクタに相当し、JIS C 5981に規定されるF12形多心光ファイバコネクタ用のフェルールに概ね相当する。
嵌合ピン7の材質としては、一般的に用いられているSUSを用いることができる。
SUSよりも熱伝導性に優れた熱伝導性樹脂や、ジュラルミン、チタンを用いることができる。
ただし、このピン受け穴10bの精度は、ヒートシンク10を、嵌合ピン7の先端に固定する程度であれば良く、光学素子と光ファイバ端面の位置決めをする嵌合ピン位置決め穴ほどの精度は必要無い。ヒートシンク10は、このピン受け穴10bに嵌合する嵌合ピン7を介して光コネクタ4に装着されている。また、嵌合ピン7の先端部は、熱伝導材8にあけたピン穴8aに嵌合している。
ヒートシンク10のコ字形の上下の横部10cの外面には、放熱のための複数の突起10dが形成されている。ヒートシンク10の後端面に、光ファイバテープ保護用のゴムブーツ9を通す開口10eがあけられている。
ヒートシンク10の材質としては、熱伝導性に優れたアルミ、銅を用いることができ、また、熱伝導性に優れた樹脂等を用いることができる。
なお、図示されている光電素子2、3等とヒートシンクの構造は模式的な図である。
熱伝導材8は放熱特性が良好な金属、樹脂、その他により構成することができる。
熱伝導材8の上に、直接、光デバイスを配置しても良いし、光デバイスをブロック状の光モジュールに配置し、この光モジュールと別体の熱伝導材8を接続しても良い。
しかし、光コネクタ本体からの放熱量が不十分な場合、光コネクタ本体に熱が蓄積する。
コネクタ本体は、通常は樹脂製である。
樹脂としては、例えば、エポキシやカーボンフィラー入りのPPS等により成形されており、熱により光コネクタ本体が膨張したり、そり返えしが発生するなどの原因で光接続特性に影響を及ぼす場合がある。
そのようなおそれが有る場合には、光コネクタ本体にヒートシンク10を取り付けると、熱は嵌合ピン7からヒートシンク10に伝わり、ヒートシンク10から効率よく放熱される。したがって、光コネクタ本体への蓄熱の影響を抑えながら光デバイスの冷却を効率よく行うことができる。
つまり、単に光コネクタ本体から放熱する構成に限らず、ヒートシンク等の放熱体を取り付けることを、発熱量に応じて適宜選択することができる。
この放熱構造は、熱伝導グリスを用いないので、熱伝導グリスで基板1上の光電素子2、3や光コネクタ端面を汚染して光損失が増す問題は生じない。したがって、基板1上の光電素子2、3に、光コネクタ端面が対面して光軸合わせされる本発明の場合に、極めて適切である。
また、この実施例では、光コネクタ4を回路基板1に実装した図3、図4の状態で、ヒートシンク10の先端面が基板面から離間しているので、基板面に近接した空間に余裕がない場合でも、放熱性能を確保できる形状・大きさのヒートシンクを配置することも可能となる。
また、基板1上に十分な面積の熱伝導材8を設置するスペースを確保することが困難な場合も考えられるが、その場合に、嵌合ピン7を介して行うヒートシンク10からの放熱のみで、回路基板の冷却をまかなうことも考えられる。
なお、光デバイスを搭載した光モジュールブロックを基板1の表面に載置した場合でも、光モジュールブロック自体に嵌合ピン穴8aを形成することにより、同様の作用効果を得ることができる。
この実施例では、ヒートシンク20が熱伝導材8に直接接触している点で、光デバイスに対する冷却効果が高い。
ただし、スリット入りスリーブは周知の構造のものを採用できる。
この二重構造の嵌合ピン17は、コネクタの精密位置決めと機械的な強度が、嵌合ピンの長手方向中央に延在するSUS製のスリーブ17bにより確保され、熱伝導性は内部の銅の棒17aで確保できる。つまり、銅が露出した両端の部分17a’、17a”を、それぞれ熱発生側の媒体と熱発散側の媒体に接触させることにより、嵌合ピン17による良好な放熱特性を確保することができる。複合材の組み合わせは、その他種々考えられる。
例えば、内部に鏡等の光軸変更機構を備え、主として光ファイバの配線方向が基板面にそっており、光ファイバ内を伝搬する光の光路を、内部の鏡等により回路基板上の光学素子に向けて90°変換する光コネクタにも適用可能である。
また、各実施例では、熱伝達を目的とする嵌合ピンが2本である場合について説明したが、その本数は特に限定されない。
また、嵌合ピンとして、熱伝導性の極めて高いヒートパイプ(マイクロヒートパイプ)を採用することも考えられる。
1a ピン穴
2 LD(光電素子)
3 PD(光電素子)
4 光コネクタ
5 フェルール
5a 光ファイバ穴
5b 嵌合ピン穴
6 光ファイバテープ
6a 光ファイバ
7、17 嵌合ピン
8、熱伝導材
8a ピン穴
9 ゴムブーツ
10、20 ヒートシンク
10a、20a 縦部
10b、20b ピン受け穴
10c、20c 横部
10d 突起
10e 開口
Claims (6)
- 回路基板上の光電素子に対して嵌合ピン位置決め方式により位置決め固定される光コネクタを備えた回路基板の放熱構造であって、
回路基板には光電素子から発生する熱を放熱するための熱伝導材を備え、
光コネクタに架け渡された位置決めに用いる嵌合ピンが熱伝導材と接触することにより、光電素子から発生する熱を光コネクタから放熱することを特徴とする光コネクタを備えた回路基板の放熱構造。 - 光コネクタにヒートシンクを装着したことを特徴とする請求項1記載の光コネクタを備えた回路基板の放熱構造。
- 前記ヒートシンクは、位置決めピンを受容するピン受け穴が形成され、光コネクタの後端面側にコ字形の縦部を持つ態様で光コネクタを囲む断面コ字形をなしており、前記ピン受け穴が前記コ字形の縦部に形成されていることを特徴とする請求項2記載の光コネクタを備えた回路基板の放熱構造。
- 前記ヒートシンクは、位置決めピンを受容するピン受け穴が形成され、光コネクタの前端面側にコ字形の縦部を持つ態様で光コネクタを囲む断面コ字形をなしており、前記ピン受け穴が前記コ字形の縦部に形成されていることを特徴とする請求項2記載の光コネクタを備えた回路基板の放熱構造。
- 嵌合ピンの材質をSUSよりも熱伝導率が良好な材質としたことを特徴する請求項1〜4記載の光コネクタを備えた回路基板の放熱構造。
- 銅の棒にSUS製のスリット入りスリーブを被せ、両端に銅の棒が露出した嵌合ピンを用いたことを特徴とする請求項1〜5記載の光コネクタを備えた回路基板の放熱構造。
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