JP2009030134A - 窒化歯車用粗形品および窒化歯車 - Google Patents

窒化歯車用粗形品および窒化歯車 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な元素であるMoの含有量が少なく、耐摩耗性と耐ピッチング性に優れた窒化歯車およびその素材として用いるのに好適な窒化歯車用粗形品の提供。
【解決手段】(1)C:0.10〜0.30%、Si:0.10%超〜0.50%、Mn:0.50〜1.3%、S:0.005〜0.05%、Cr:0.70〜2.0%、Al:0.035〜0.10%、V:0.01〜0.30%、N:0.003〜0.015%を含有し、残部はFeと不純物からなり、不純物中のP:0.025%以下、Ti:0.010%未満、O:0.0020%未満の化学組成を有し、ミクロ組織が、ベイナイト、マルテンサイト又は、それらの混合組織のいずれかの窒化歯車用粗形品。(2)上記(1)の窒化歯車用粗形品を素材とする窒化歯車であって、表面の化合物層深さが5μm以下の窒化歯車。ミクロ組織に30%以下のフェライトを含んでもよく、化学組成に、(a)Mo≦0.5%、(b)Pb≦0.3%、Ca≦0.005%の1種以上、の少なくとも1つの群の元素のうちの1種以上を含んでもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、窒化歯車用粗形品および窒化歯車に関する。詳しくは、自動車の歯車などに使用される、耐摩耗性とピッチング強度に優れる窒化歯車およびその歯車の素材として用いるのに好適な窒化歯車用粗形品に関する。なお、窒化歯車とは、硬化層である「窒化層」を有する歯車を指す。
自動車のトランスミッションなどに使用される歯車は、耐摩耗性、曲げ疲労強度やピッチング強度が必要とされるため、通常、表面硬化処理が施される。
代表的な表面硬化処理としては、例えば、「浸炭焼入」および「高周波焼入」のような「硬化層」として「焼入層」を形成させる処理や、「窒化」および「軟窒化」のような「硬化層」として「窒化層」を形成させる処理を挙げることができる。
上記の浸炭焼入は、一般に、素材鋼(生地の鋼)として低炭素鋼を使用し、Ac3点以上の高温のオーステナイト域でCを侵入・拡散させた後、焼入する処理である。このため、高い表面硬さと大きな硬化層深さを得ることができるものの、変態を伴う処理であるので、熱処理変形(熱処理歪)が大きくなる問題があり、部品に高い精度が要求される場合には、浸炭焼入後に研削やホーニングなどの仕上加工が必要となる。
また、高周波焼入は、Ac3点以上の高温のオーステナイト域に急速加熱後、急冷して焼入する処理であって、硬化層深さの調整が比較的容易であるものの、浸炭のようにCを侵入・拡散させる処理ではないので、所望の表面硬さ、硬化層深さおよび芯部硬さを得るための素材鋼として、浸炭焼入の場合に比べてCの含有量が多い中炭素鋼を使用することが一般的である。しかしながら、中炭素鋼は低炭素鋼に比べて硬さが高いので部品形状に加工する際の被削性が低く、また、部品毎にその形状に適した高周波加熱コイルを作製する必要がある。
上記「硬化層」として「焼入層」を形成させる「浸炭焼入」や「高周波焼入」の場合と比較して、「硬化層」として「窒化層」を形成させる「窒化」および「軟窒化」の場合は、Ac1点以下の温度での処理であるため変態を伴わず、しかも、処理温度が低いので熱処理変形が小さい。したがって、高い精度が要求される歯車の表面硬化処理として用いられることが多く、特に、Ac1点以下の500〜600℃前後の温度域で、NおよびCを侵入・拡散させて高い表面硬さを得る「軟窒化」は、処理時間が数時間程度の短時間でよいこと、また、処理雰囲気として、RXガス(「RXガス」は吸熱型変成ガスの商標である。)にNH3を添加したガスを使用することができるので、大量生産に適した処理として多用されている。
しかしながら、「窒化」や「軟窒化」の処理を行った場合に被処理品の表面に形成される「窒化層」は、最表層部の多孔質層(以下、「ポーラス層」という。)およびその下の緻密層から構成されたε−Fe2〜3N相を主体とした化合物層、ならびにその下の拡散層からなるものである。
なお、上記表面に形成される化合物層は、非常に脆く、転がり接触状態において、表面から剥離しやすい。したがって、歯車に対して「窒化」や「軟窒化」の処理を行った場合には、歯車の噛み合い初期に容易に剥離することがあった。そして、上記化合物層が剥離した場合、歯車の表面に凹凸が形成されることとなり、それが局所的な応力集中箇所として作用するので、異常摩耗やピッチングが発生していた。
このため、耐摩耗性に優れるとともに、耐ピッチング性にも優れた窒化歯車およびその素材として用いるのに好適な窒化歯車用粗形品に対する要望が極めて大きくなっている。
そこで、前記した要望に応えるべく、例えば、特許文献1〜3に、窒化処理鋼や軟窒化処理歯車と、それらの製造方法が提案されている。
具体的には、特許文献1に、「N2ガスとH2ガスとの混合比を1:2〜40とした窒化雰囲気において、鋼製の被処理品にイオン窒化処理を行うことを特徴とする窒化処理鋼の製造方法」、さらには、上記の製造方法において、「被処理品は歯車であり、窒化雰囲気をArガスの添加により、グロー放電のグローの幅が1〜3mmになるように調整する」技術および「イオン窒化処理後、被処理品にショットピーニングを施す」技術が開示されている。
また、特許文献2に、「C:0.05〜0.15重量%、Si:0.50重量%以下、Mn:1.00重量%以下、Cr:1.00〜2.00重量%、Mo:0.90〜1.50重量%、Al:0.010〜0.100重量%、N:0.0070〜0.0200重量%、更に、Ni:1.00重量%以下、V:0.10〜0.30重量%、Ti:0.10重量%以下、Nb:0.030重量%以下の1種または2種以上を含有し、必要に応じて更に、S:0.005〜0.100重量%、Pb:0.03〜0.35重量%、Ca:0.0010〜0.0100重量%、Te:0.001〜0.100重量%、Zr:0.01〜0.20重量%の1種または2種以上を含み、残部がFeと不可避不純物から成る析出強化型鋼であって、温度500〜600℃のガス窒化処理により芯部のビッカース硬さ(HV)がガス窒化処理前の硬さに比べて30以上高くなる性質を備えていることを特徴とする窒化処理用鋼」とその「窒化処理方法」が開示されている。
さらに、特許文献3に、「重量%でC;0.18〜0.23、Si;0.15〜0.35、Mn;0.60〜0.85、P;0.03以下、S;0.03以下、Cr;0.90〜1.20、Mo;0.15〜0.30を含み、残余はFe及び不純物からなる鋼、あるいは、重量%でC;0.16〜0.21、Si;0.15〜0.35、Mn;0.55〜0.90、P;0.03以下、S;0.03以下、Cu;0.3以下、Ni;0.25以下、Cr;0.90〜1.10、Al;0.07〜0.13、V;0.10〜0.15を含み、残余はFe及び不純物からなる鋼に、ガス軟窒化処理を施すことにより、歯面に、厚さ2〜12[μm]のNとFeの化合物を有する化合物層と、その下層に隣接して、前記鋼自体の硬度よりHv50以上の硬さを有する厚さ200[μm]以上の拡散層とを備えることを特徴とする歯車」とその「製造方法」が開示されている。
特開平4−141573号公報 特開平11−124653号公報 特開平11−72159号公報
前述の特許文献1で開示された技術は、鋼材の表面に形成される窒素化合物層自体の生成を抑制し、その結果として、硬くて脆く、剥離しやすい最表層部のポーラス層を低減するという点では効果のある技術である。しかしながら、単に窒化処理の方法を改善してポーラス層を低減するだけでは、窒化処理した鋼部品、中でも窒化歯車のピッチング強度は必ずしも十分向上するというものではなかった。
特許文献2で開示された技術は、高価な元素であるMoを、0.90〜1.50重量%もの大量で含有させる必要があるため成分コストが極めて高く、経済性という面で劣るものであった。また、窒化処理後の芯部硬さは向上するものの、表面硬さの向上効果については十分であるとはいい難く、したがって、特に窒化歯車の素材である窒化歯車用粗形品としては用い難いものであった。
特許文献3で開示された技術は、化合物層のうちで最表層に形成されるポーラス層の生成を抑制するという点では効果のある技術である。しかしながら、上記技術をもってしても、歯車のピッチング強度は必ずしも十分といえるものではなかった。
そこで、本発明の目的は、高価な元素であるMoを0.90%以上もの多い量で含有させる必要がなく経済的であって、しかも、耐摩耗性に優れるとともに、耐ピッチング性にも優れた窒化歯車およびその素材として用いるのに好適な窒化歯車用粗形品を提供することである。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、種々の検討を行った。その結果、先ず、下記(a)〜(c)の知見を得た。
(a)窒化歯車の化合物層のうちで最表層に形成されるポーラス層の生成を抑制するだけでは必ずしも耐摩耗性を向上し、またピッチングの発生を抑止することはできない。
(b)窒化歯車の使用中に歯面が塑性変形するとピッチングが発生する。このため、窒化歯車のピッチング強度を向上させるためには、最表層部のポーラス層だけではなくその下の緻密層を含めた化合物層全体の形成を抑制あるいは、その化合物層全体を除去した状態で、歯車の表面硬さを大きくすることが必要である。そして、歯車の表面硬さを大きくすることは、耐摩耗性の向上にも有効である。
(c)上記窒化歯車の表面における化合物層の形成を抑制あるいは、化合物層を除去した状態であっても、歯車の表面に硬質の非金属介在物が表れた場合には、それがピッチングの発生起点となる。
そして、上記の点について詳細な検討を重ねた結果、次に示す(d)〜(i)の知見を得た。
(d)Vは、窒化あるいは軟窒化時に、CおよびNと結合して微細な、炭化物、窒化物および炭窒化物として析出し、表面硬さおよび硬化層深さを向上させるので、窒化歯車用粗形品にとって必要不可欠な元素である。
(e)Alは、窒化あるいは軟窒化の際にNと結合してAlNを形成し、表面硬さを向上させる。このため、窒化歯車用粗形品にはAlを積極的に含有させるのがよい。
(f)しかしながら、Alは、一方で硬質で粗大な非金属介在物であるAl23を形成するので、窒化歯車用粗形品におけるO(酸素)の含有量を規制する必要がある。
(g)Nとの親和性が高いTiは、鋼中のNと結合して硬質で粗大な非金属介在物であるTiNを形成する。このため、窒化歯車用粗形品における不純物中のTiの含有量を規制するとともに、AlN活用のためにNの含有量を特定の範囲に制御する必要がある。
(h)窒化歯車用粗形品のミクロ組織中に軟質相であるフェライトが多いと、窒化歯車の歯面において塑性変形や摩耗が起こり、ピッチング強度低下の原因となる。また、軟質のフェライト中では、ピッチングや曲げ疲労におけるき裂が進展しやすく、窒化歯車のピッチング強度および曲げ疲労強度の低下原因となる。しかしながら、窒化歯車用粗形品のミクロ組織中のフェライトが、面積割合で30%以下の場合には、窒化歯車のピッチング強度および曲げ疲労強度の低下が抑止される。
(i)安定して優れたピッチング強度が得られるとともに耐摩耗性の向上効果も得られる窒化歯車表面における化合物層の最大深さは5μmである。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記(1)〜(4)に示す窒化歯車用粗形品および(5)に示す窒化歯車にある。
(1)質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.10%を超えて0.50%以下、Mn:0.50〜1.3%、S:0.005〜0.05%、Cr:0.70〜2.0%、Al:0.035〜0.10%、V:0.01〜0.30%およびN:0.003〜0.015%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物中のP、TiおよびO(酸素)がそれぞれ、P:0.025%以下、Ti:0.010%未満およびO:0.0020%未満の化学組成を有し、ミクロ組織が、ベイナイト、マルテンサイトまたはベイナイトとマルテンサイトの混合組織のいずれかであることを特徴とする窒化歯車用粗形品。
(2)ミクロ組織が、さらに面積割合で、30%以下のフェライトを含むものであることを特徴とする上記(1)に記載の窒化歯車用粗形品。
(3)化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.5%以下を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の窒化歯車用粗形品。
(4)化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Pb:0.3%以下およびCa:0.005%以下のうちの1種または2種を含有することを特徴とする上記(1)から(3)までのいずれかに記載の窒化歯車用粗形品。
(5)上記(1)から(4)までのいずれかに記載の窒化歯車用粗形品を素材とする窒化歯車であって、表面の窒化層を形成する化合物層の深さが5μm以下であることを特徴とする窒化歯車。
なお、「窒化歯車」が、硬化層である「窒化層」を有する歯車を指すことは既に述べたとおりである。
そして、「窒化歯車用粗形品」とは、上記「窒化歯車」の素材となるものであって、所定の歯車粗形状に熱間鍛造された後、「焼準−焼戻」や「焼入−焼戻」の熱処理が施されたものを指す。
また、窒化歯車の「化合物層の深さ」とは、化合物層の表面からの深さを指し、より具体的には、走査型電子顕微鏡により、窒化歯車の最表面を含むように、倍率2000倍で任意に100視野観察した場合の各視野における「化合物層」の窒化歯車の最表面からの最大距離を指す。したがって、「表面の化合物層の深さが5μm以下である」とは、上記のようにして求めた各視野における最表面からの最大距離の最大値が5μm以下であることを意味する。
以下、上記 (1)〜(4)の窒化歯車用粗形品に係る発明および(5)の窒化歯車に係る発明をそれぞれ、「本発明(1)」〜「本発明(5)」という。また、総称して「本発明」ということがある。
本発明の窒化歯車は、耐摩耗性に優れるとともに、耐ピッチング性にも優れており、また、高価な元素であるMoを0.90%以上もの多い量で含有させる必要がないので、自動車のトランスミッションなどに経済的な歯車として用いることができる。また、本発明の窒化歯車用粗形品は、上記窒化歯車の素材として用いるのに好適である。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、化学成分の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)窒化歯車用粗形品の化学組成:
C:0.10〜0.30%
Cは、窒化歯車の硬化層深さおよび芯部硬さを向上させる作用を有し、ピッチング強度および曲げ疲労強度の確保のために必須の元素であって、0.10%以上の含有量が必要である。しかしながら、Cの含有量が多くなると、硬さが大きくなって被削性の低下を招き、特に、その含有量が0.30%を超えると、硬さ上昇に伴う被削性の低下が著しくなる。したがって、Cの含有量を0.10〜0.30%とした。なお、Cの含有量は0.15〜0.25%とすることが好ましい。
Si:0.10%を超えて0.50%以下
Siは、脱酸作用を有する。また、Siは、焼戻軟化抵抗を向上させる元素であり、窒化歯車の使用中に歯面の温度が上昇した際の軟化を生じ難くして、ピッチング強度向上に有効に作用する。これらの効果を得るには、0.10%を超える含有量が必要である。しかしながら、Siの含有量が多すぎると、硬さが大きくなって被削性の低下を招き、特に、その含有量が0.50%を超えると、硬さ上昇に伴う被削性の低下が著しくなる。したがって、Siの含有量を0.10%を超えて0.50%以下とした。なお、Siの含有量は0.20〜0.35%とすることが好ましい。
Mn:0.50〜1.3%
Mnは、窒化歯車の硬化層深さおよび芯部硬さ向上に効果がある元素で、ピッチング強度および曲げ疲労強度を確保する作用を有する。また、Mnは、脱酸作用も有する。これらの効果を得るには、0.50%以上の含有量が必要である。しかしながら、Mnの含有量が多すぎると、硬さが大きくなって被削性の低下を招き、特に、その含有量が1.3%を超えると、硬さ上昇に伴う被削性の低下が著しくなる。したがって、Mnの含有量を0.50〜1.3%とした。なお、Mnの含有量は0.60〜1.0%とすることが好ましい。
S:0.005〜0.05%
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、被削性を向上させる作用がある。しかしながら、その含有量が0.005%未満では、前記の効果が得難い。一方、Sの含有量が0.05%を超えると、粗大なMnSを形成して、熱間鍛造性が低下する。したがって、Sの含有量を0.005〜0.05%とした。なお、Sの含有量は0.015〜0.03%とすることが好ましい。
Cr:0.70〜2.0%
Crは、表面硬さ、硬化層深さおよび芯部硬さを向上させて、窒化歯車のピッチング強度および曲げ疲労強度を確保する作用を有する。この効果を得るには、0.70%以上の含有量が必要である。しかしながら、Crの含有量が多くなると、硬さが大きくなって被削性の低下を招き、特に、その含有量が2.0%を超えると、硬さ上昇に伴う被削性の低下が著しくなる。したがって、Crの含有量を0.70〜2.0%とした。なお、Crの含有量は0.80〜1.5%とすることが好ましい。
Al:0.035〜0.10%
Alは、窒化あるいは軟窒化時にNと結合してAlNを形成し、表面硬さを向上させ、ピッチング強度および曲げ疲労強度を高める作用を有する重要な元素である。こうした効果を得るには、Alを0.035%以上含有させる必要がある。しかしながら、Alの含有量が過剰になって、特に、0.10%を超えると、硬質のAl23を多量に形成して被削性の低下を招くとともに硬化層深さが浅くなり、しかも、Al23が表層に存在した場合には、ピッチングの発生起点となるため、却ってピッチング強度が低下する。したがって、Alの含有量を0.035〜0.10%とした。なお、好ましいAlの含有量は0.040〜0.080%である。
V:0.01〜0.30%
Vは、窒化あるいは軟窒化時に、CおよびNと結合して微細な、炭化物、窒化物および炭窒化物として析出し、表面硬さと硬化層深さを向上させ、ピッチング強度および曲げ疲労強度を高める作用を有する重要な元素である。これらの効果を得るには、Vを0.01%以上含有させる必要がある。しかしながら、Vの含有量が多くなって、特に、0.30%を超えると、粗大な炭化物、窒化物および炭窒化物を析出して、靱性の低下を招く。したがって、Vの含有量を0.01〜0.30%とした。なお、好ましいVの含有量は0.05〜0.20%である。
N:0.003〜0.015%
Nは、窒化あるいは軟窒化時にAlと結合してAlNを形成し、表面硬さを向上させ、ピッチング強度および曲げ疲労強度を高める作用を有する。こうした効果を得るには、Nを0.003%以上含有させる必要がある。しかしながら、Nの含有量が過剰になると、TiNのような粗大な窒化物を形成して靱性の低下を招き、特に、その含有量が0.015%を超えると靱性の低下が著しくなる。したがって、Nの含有量を0.003〜0.015%とした。なお、好ましいNの含有量は0.004〜0.008%である。
本発明においては、不純物中のP、TiおよびO(酸素)の含有量をそれぞれ、P:0.025%以下、Ti:0.010%未満およびO:0.0020%未満に制限する。
以下、このことについて説明する。
P:0.025%以下
Pは、鋼に含有される不純物であり、結晶粒界に偏析して鋼を脆化させる。特に、その含有量が0.025%を超えると、脆化の程度が著しくなる。したがって、不純物におけるPの含有量を0.025%以下とした。なお、不純物におけるPのより好ましい含有量は0.020%以下である。
Ti:0.010%未満
Tiは、Nとの親和性が高いので、鋼中のNと結合して硬質で粗大な非金属介在物であるTiNを形成し、この粗大で硬質なTiNが窒化歯車の表面に存在した場合には、ピッチングの発生起点となってしまう。特に、Tiの含有量が0.010%以上になると、粗大で硬質なTiNの形成が著しくなる。したがって、不純物におけるTiの含有量を0.010%未満とした。なお、不純物におけるTiのより好ましい含有量は0.005%未満である。
O(酸素):0.0020%未満
前記0.035〜0.10%の量のAlを必須の元素として含む本発明において、Oの含有量が多いと硬質で粗大な酸化物であるAl23を形成し、この粗大で硬質なAl23が窒化歯車の表面に存在した場合には、ピッチングの発生起点となってしまう。また、Caを含む場合には、粗大な酸化物であるCaOを形成し、このCaOも窒化歯車の表面に存在した場合には、ピッチングの発生起点となってしまう。特に、Oの含有量が0.0020%以上になると、前記Al23やCaOの形成が著しくなる。したがって、不純物におけるOの含有量を0.0020%未満とした。なお、不純物におけるOのより好ましい含有量は0.0015%未満である。
上記の理由から、本発明(1)および本発明(2)に係る窒化歯車用粗形品の化学組成は、上述した範囲のCからNまでの元素を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物中のP、TiおよびOがそれぞれ、上述の範囲にあることと規定した。
本発明に係る窒化歯車用粗形品には、必要に応じて、上記本発明(1)または本発明(2)におけるFeの一部に代えて、
第1群:Mo:0.5%以下、
第2群:Pb:0.3%以下およびCa:0.005%以下のうちの1種または2種、
の少なくとも1つの群の元素のうち1種以上を含有するものとすることができる。
すなわち、さらにより優れた特性を得るために、前記第1群と第2群の少なくとも1つの群の元素のうち1種以上を、本発明(1)または本発明(2)の窒化歯車用粗形品におけるFeの一部に代えて、含有してもよい。
以下、上記の元素に関して説明する。
第1群:Mo:0.5%以下
Moは、窒化歯車の硬化層深さおよび芯部硬さ向上に効果がある元素で、ピッチング強度および曲げ疲労強度を確保する作用を有するので、必要に応じて添加、含有させてもよい。しかしながら、0.5%を超えるMoを含有させても前記の効果が飽和するのでコストが嵩んで経済性が損なわれるし、硬さ上昇に伴う被削性の低下を招く。したがって、添加する場合のMoの含有量を0.5%以下とした。より一層良好な被削性が要求される場合には、Moの含有量を0.3%以下とすることが好ましい。
前記したMoのピッチング強度および曲げ疲労強度確保の効果を確実に得るためには、Moの含有量を0.05%以上とすることが好ましい。このため、添加する場合のより望ましいMoの含有量は0.05〜0.5%である。なお、添加するMoの含有量は0.05〜0.3%とすることが好ましい。
第2群:Pb:0.3%以下およびCa:0.005%以下のうちの1種または2種
PbおよびCaは、いずれも、被削性を改善する作用を有する。このため、より優れた被削性を得たい場合には以下の範囲で含有してもよい。
Pb:0.3%以下
Pbは、被削性を改善する作用を有するので、さらなる被削性向上のために含有させてもよい。しかしながら、0.3%を超えるPbを含有させても被削性向上効果が飽和するのでコストが嵩んで経済性が損なわれ、さらに、靱性や強度の低下をきたす。したがって、添加する場合のPbの含有量を0.3%以下とした。
前記したPbの被削性改善効果を確実に得るためには、Pbの含有量を0.05%以上とすることが好ましい。このため、添加する場合のより望ましいPbの含有量は0.05〜0.3%である。なお、添加する場合の一層望ましいPbの含有量は0.05〜0.15%である。
Ca:0.005%以下
Caは、被削性を改善する作用を有するので、さらなる被削性向上のために含有させてもよい。しかしながら、0.005%を超えるCaを含有させても被削性向上効果が飽和するのでコストが嵩んで経済性が損なわれ、また、靱性や強度の低下をきたし、さらに粗大な酸化物であるCaOを形成して、ピッチング強度の低下を招いてしまう。したがって、添加する場合のCaの含有量を0.005%以下とした。
前記したCaの被削性改善効果を確実に得るためには、Caの含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。このため、添加する場合のより望ましいCaの含有量は0.0005〜0.005%である。なお、添加する場合の一層望ましいCaの含有量は0.0005〜0.003%である。
上記のPbおよびCaは、いずれか1種のみ、あるいは2種の複合で含有することができる。
上記の理由から、本発明(3)に係る窒化歯車用粗形品の化学組成は、本発明(1)または本発明(2)に係る窒化歯車用粗形品のFeの一部に代えて、Mo:0.5%以下を含有するものと規定した。
また、本発明(4)に係る窒化歯車用粗形品の化学組成は、本発明(1)から本発明(3)までのいずれかに係る窒化歯車用粗形品のFeの一部に代えて、Pb:0.3%以下およびCa:0.005%以下のうちの1種または2種を含有することと規定した。
(B)窒化歯車用粗形品のミクロ組織:
本発明に係る窒化歯車用粗形品の基本的なミクロ組織は硬質相、すなわち、ベイナイト、マルテンサイトまたはベイナイトとマルテンサイトの混合組織のいずれかである。これは、窒化歯車用粗形品のミクロ組織中に軟質相であるフェライトが多い場合には、窒化歯車の歯面において塑性変形や摩耗が起こり、ピッチング強度低下の原因となり、また、軟質のフェライト中では、ピッチングや曲げ疲労におけるき裂が進展しやすく、窒化歯車のピッチング強度および曲げ疲労強度の低下原因となるからである。
しかしながら、窒化歯車用粗形品のミクロ組織中のフェライトが、面積割合で30%以下の場合には、窒化歯車のピッチング強度および曲げ疲労強度の低下が抑止される。
上述の理由から、本発明(1)に係る窒化歯車用粗形品のミクロ組織は、ベイナイト、マルテンサイトまたはベイナイトとマルテンサイトの混合組織のいずれかであることと規定した。
また、本発明(2)に係る窒化歯車用粗形品のミクロ組織は、本発明(1)に係る窒化歯車用粗形品のミクロ組織がさらに面積割合で、30%以下のフェライトを含むものであることと規定した。
なお、前記(A)項に記載の化学組成を有し、本(B)項で述べたミクロ組織を有する窒化歯車用粗形品は、例えば、次の〈1〉〜〈4〉に示すような方法を経て〈5〉または〈5’〉に示す熱処理を施すような方法で製造することができる。
〈1〉転炉溶製した鋼を真空脱ガス設備内で精錬を行い、成分調整および不純物の除去を行う。
大気溶解の場合、溶鋼が大気と接触して鋼中のO含有量が高くなるため、Al23などの非金属介在物が粗大化しやすいが、真空脱ガス設備を用いることによって、上記Al23などの非金属介在物の粗大化を抑止することが可能となるので、特に、真空度を800Pa以下(600Torr以下)とした真空脱ガス設備内で溶鋼の精錬を行うことが好ましい。
〈2〉上記〈1〉の成分調整および不純物の除去を行った溶鋼に、電磁攪拌処理を十分施し、非金属介在物を浮上させて除去した後、連続鋳造法によって鋳片を作製するか、造塊法によってインゴットを作製する。
なお、造塊法による場合には、インゴットの押湯部を十分切断除去することが好ましい。
〈3〉上記〈2〉の鋳片またはインゴットは1250℃以上の温度で加熱して均質化処理を行い、分塊圧延によって鋼片にした後、棒鋼圧延や線材圧延を行う。
なお、上記の圧延材に表面きずがある場合、所定の歯車粗形状に熱間鍛造する際の大きな割れにつながるため、分塊圧延、棒鋼圧延あるいは線材圧延を行った後は、丹念に表面きずを手入れし、除去することが好ましい。
〈4〉上記〈3〉の圧延材は、所定の長さに切断した後、熱間鍛造にて歯車の粗形状とする。この場合、1250℃以上で10分以上加熱後、1100℃以上の仕上温度で熱間鍛造することが好ましい。
また、圧延材がコイル状の場合には、上記切断の前に矯正を行うのが好ましい。
〈5〉上記〈4〉にて歯車の粗形状とされた熱間鍛造材は、窒化前の熱処理として、焼準後の冷却速度を0.5℃/s以上として焼準を行う。
〈5’〉窒化前の熱処理として、Ac3点以上の温度に加熱・保持した後、油またはソルトなどで急冷して焼入する。
なお、窒化前の熱処理として等温焼鈍を行うと、フェライト変態温度で保持することになるため、フェライト分率が高くなって、面積割合でフェライトが30%以下というミクロ組織が得られない。
(C)窒化歯車表面の窒化層を形成する化合物層の深さ:
既に述べたように、「窒化」や「軟窒化」の処理を行った場合に被処理品の表面に形成される「窒化層」は、最表層部のポーラス層およびその下の緻密層から構成されたε−Fe2〜3N相を主体とした化合物層ならびに、その下の拡散層からなるものである。
そして、上記表面に形成される化合物層は、非常に脆いため、歯車に対して「窒化」や「軟窒化」の処理を行った場合には、歯車の噛み合い初期に容易に剥離して、歯車の表面に凹凸が形成されることとなり、それが局所的な応力集中箇所として作用して異常摩耗やピッチングを発生させてしまう。
このように、窒化歯車表面の窒化層を形成する化合物層は、窒化歯車の異常摩耗とピッチング強度に大きな影響を及ぼす。しかしながら、その深さが5μm以下の場合には、安定して優れたピッチング強度が得られるとともに異常摩耗が抑制できる。このため、本発明(1)から本発明(4)までのいずれかに係る窒化歯車用粗形品を素材とする本発明(5)に係る窒化歯車は、その表面の窒化層を形成する化合物層の深さが5μm以下であることと規定した。
なお、窒化歯車表面の窒化層を形成する化合物層の深さを5μm以下にするには、例えば、いわゆる「ラジカル窒化」などのような化合物層を生成しない窒化処理を施したり、ガス軟窒化を施した後で化合物層深さを小さくするための機械研磨や化学研磨を行えばよい。
なお、「硬化層」としての「窒化層」を形成させるための「窒化」および「軟窒化」の処理温度は、低すぎるとNが拡散し難くなるため長時間の処理が必要となり、また、高すぎると生地(母材)が軟化してピッチング強度および曲げ疲労強度の低下を招くとともに摩耗が進んでしまう。したがって、その処理温度は、400〜600℃とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼1〜7および鋼9〜11を180kg真空溶解炉によって溶解し、インゴットを作製した。
また、表1に示す化学組成を有する鋼8を3トン大気溶解炉によって溶解し、インゴットを作製した。
表1中の鋼1〜5は、化学組成が本発明で規定する範囲内にある鋼である。一方、鋼6〜11は、化学組成が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
Figure 2009030134
各インゴットは、図1に概要を示す工程でローラーピッチングに供する試験片に加工した。
以下、上記ローラーピッチングに供する試験片の加工工程のそれぞれについて詳しく説明する。
〔1〕均質化処理:
上記の各インゴットは、均熱炉に装入して1250℃で8時間保持し、均質化した。
〔2〕熱間鍛造:
各インゴットは、上記1250℃で8時間保持した後、均熱炉から取り出して、直径が30mmで長さが1000mmおよび直径が140mmで長さが1000mmの2種類の丸棒に熱間鍛造した。なお、熱間鍛造仕上温度は1000℃以上とし、鍛造後は大気中で放冷した。
〔3〕焼準:
鋼1〜4および鋼6〜11について、熱間鍛造した直径が30mmの各丸棒は900℃で1時間保持した後に大気中で放冷して焼準し、また、熱間鍛造した直径が140mmの各丸棒は900℃で3時間保持した後に大気中で放冷して焼準した。
また、鋼5については、熱間鍛造した直径が30mmの丸棒を2つに切断し、その一方を900℃で1時間保持した後に大気中で放冷して焼準した。また、熱間鍛造した直径が140mmの丸棒についても2つに切断し、その一方を900℃で3時間保持した後に大気中で放冷して焼準した。
〔4〕等温焼鈍:
前記〔3〕において2つに切断した鋼5の残部について、次の等温焼鈍を行った。すなわち、熱間鍛造した直径が30mmの丸棒の一方を900℃で1時間保持した後に表面温度が680℃になるまで大気中で放冷し、その後さらに、680℃で1時間保持してから大気中で放冷する等温焼鈍を施した。また、熱間鍛造した直径が140mmの丸棒の一方を900℃で3時間保持した後に表面温度が680℃になるまで大気中で放冷し、その後さらに、680℃で3時間保持してから大気中で放冷する等温焼鈍を施した。
〔5〕焼入A:
鋼4および鋼5について、前記〔3〕の焼準を行った直径が30mmと140mmの丸棒は、それぞれ、長さが150mmと21mmに切断して、いずれも900℃で1時間保持した後に100℃の油中に冷却する焼入を行なった。
〔5’〕焼入B:
鋼1について、前記〔3〕の焼準を行った直径が30mmと140mmの丸棒を2つに切断し、それぞれの一方をさらに長さが150mmと21mmに切断して、いずれも900℃で1時間保持した後に170℃の油中に冷却する焼入を行なった。
〔6〕焼戻:
前記焼準、等温焼鈍、焼入Aおよび焼入Bで生じた内部応力を除去するため、全ての素材について500℃で1時間保持した後に大気中で放冷して焼戻した。
〔7〕機械加工(粗加工):
焼戻した直径が30mmの各丸棒の中心部から、鍛錬軸に平行に図2に示すローラーピッチング小ローラー試験片を切り出した。また、直径が140mmの各丸棒の中心部から、鍛錬軸に平行に図3に示すローラーピッチング大ローラー試験片を切り出した。
なお、図2および図3中に示した上記の切り出し試験片における寸法の単位は全て「mm」であり、図中の仕上記号「▽」および「▽▽▽」は、JIS B 0601(1982)の解説表1の表面粗さを示す「三角記号」である。
また、「▽▽▽」に付した「G」はJIS B 0122(1978)に規定の「研削」を示す加工方法の略号であることを意味する。
同様に「E(ペーパー仕上)」は「紙ヤスリ」での「研磨」を示す加工方法の略号であることを意味する。
上記のようにして切り出した各ローラーピッチング小ローラー試験片の一部を用いて、φ26mmの中央部を横断してミクロ組織を調査した。なお、調査法の詳細については後述する。
〔8〕表面硬化処理としてのラジカル窒化またはガス軟窒化:
上記〔7〕で切り出したローラーピッチング小ローラー試験片のミクロ組織調査に供した残りの試験片、およびローラーピッチング大ローラー試験片の全てに対して、表面硬化処理として、図4に示すヒートパターンによるラジカル窒化(以下、「条件A」という。)または図5に示すヒートパターンによるガス軟窒化(以下、「条件B」という。)を施した。
〔9〕表面研磨:
上記〔8〕の条件Bのガス軟窒化を施した試験片の一部について、その表面に機械加工による研磨を施し、窒化層を形成する化合物層の深さの調整や化合物層そのものの除去を行った。
〔10〕ショットピーニング:
上記〔9〕の表面研磨して化合物層を除去した試験片の一部に対して、次の条件で二段ショットピーニング処理を実施した。
一段目:
・投射材の種類:ラウンドカットワイヤ、
・投射材の直径(ショット粒の粒径):0.6mm、
・投射材の硬さ:ビッカース硬さ(以下、「Hv硬さ」という。)で700、
・アークハイト:0.4mmA、
二段目:
・投射材の種類:スチールビーズ、
・投射材の直径:0.1mm、
・投射材の硬さ:Hv硬さで700、
・アークハイト:0.1mmA。
〔11〕機械加工(仕上加工):
上記種々の処理を施した各試験片を仕上加工して、図6に示すローラーピッチング小ローラー試験片および図7に示すローラーピッチング大ローラー試験片を作製した。
なお、図6および図7に示した前述の試験片における寸法の単位は全て「mm」であり、上記各図における仕上記号「▽」および「▽▽▽」は先の図2および図3におけると同様、それぞれ、JIS B 0601(1982)の解説表1の表面粗さを示す「三角記号」である。
また、「▽▽▽」に付した「G」はJIS B 0122(1978)に規定の「研削」を示す加工方法の略号であることを意味する。
さらに、「〜」は「波形記号」であり、生地であること、すなわち、前記〔8〕から〔10〕までのいずれかの条件で処理した表面のままであることを意味する。
表2に、試験番号1〜13として、上述したローラーピッチングに供する試験片の熱間鍛造後の加工工程、すなわち、〔3〕の焼準以降の工程を整理して示した。
なお、表2の表面研磨欄において「実施」とした試験番号のうち、試験番号5については、窒化層を形成する化合物層深さが3μmとなるように、また、試験番号10については、窒化層を形成する化合物層深さが9μmとなるように調整して表面研磨を行った。さらに、試験番号6および試験番号11については、いずれも表面を25μm研磨して、窒化層を形成する化合物層を完全に除去した。
Figure 2009030134
表2の試験番号1〜13の各々の場合について、表面硬化処理前のローラーピッチング小ローラー試験片を用いたミクロ組織調査、仕上加工したローラーピッチング小ローラー試験片を用いた表面の窒化層を形成する化合物層の深さ、表面硬さおよび有効硬化層深さの調査、ならびに、仕上加工したローラーピッチング小ローラー試験片およびローラーピッチング大ローラー試験片を用いたローラーピッチング試験による耐ピッチング特性の調査を行った。
また、ローラーピッチング試験したローラーピッチング小ローラー試験片を用いて、表面摩耗量を調査することも行った。
以下、上記各調査の内容について詳しく説明する。
《1》ミクロ組織調査:
表面硬化処理前のローラーピッチング小ローラー試験片、すなわち、前記〔7〕のようにして切り出したままのローラーピッチング小ローラー試験片を用いて、φ26mmの中央部を横断した後、その切断面が被検面となるように樹脂に埋め込んで鏡面研磨し、次いで、ナイタルで腐食してミクロ組織を調査した。
具体的には、光学顕微鏡により倍率400倍で任意に100視野観察して、「相」の調査を行った。なお、ミクロ組織の「相」中にフェライトを含む場合は、各視野に占めるフェライトの割合を測定し、上記100視野における算術平均から、ミクロ組織におけるフェライトの面積割合を求めた。
《2》表面の窒化層を形成する化合物層の深さの調査:
前記〔11〕の仕上加工したローラーピッチング小ローラー試験片を用いて、φ26mmの中央部を横断した後、その切断面が被検面となるように樹脂に埋め込んで鏡面研磨し、次いで、ナイタルで腐食して表面の窒化層を形成する化合物層の深さを調査した。
具体的には、走査型電子顕微鏡により、試験片の最表面を含むように、倍率2000倍で任意に100視野観察して、各視野における「化合物層」の試験片の最表面からの最大距離を測定し、その最大値をもって表面の窒化層を形成する化合物層の深さとした。
《3》表面硬さの調査:
上記《2》の表面の化合物層深さの調査で用いた樹脂埋めした試験片を使用して、表面硬さを調査した。
具体的には、JIS Z 2244(2003)に記載の「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準拠して、試験片の表面から0.03mmの深さ位置における任意の100点でのビッカース硬さを、試験力を0.9807Nとして測定し、その最小値をもって表面硬さとした。
《4》有効硬化層深さの調査:
前記《2》の表面の化合物層深さの調査で用いた樹脂埋めした試験片を使用して、有効硬化層深さの調査を行った。
具体的には、上記《3》の表面硬さの調査の場合と同様に、JIS Z 2244(2003)に記載の「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準拠して、試験片の表面から中心に向かう方向について、試験力を0.9807NとしてHv硬さが420となる場合の表面からの深さを求め、任意100箇所を測った最小値をもって有効硬化層深さとした。
《5》ローラーピッチング試験による耐ピッチング特性の調査:
前記〔11〕の仕上加工したローラーピッチング小ローラー試験片およびローラーピッチング大ローラー試験片を用いて、下記の試験条件で行い、繰返し数が107回において、長辺が1mm以上の大きさのピッチングが発生しない最大の面圧をピッチング強度とした。なお、このピッチング強度の目標は1800MPa以上とし、ピッチング強度が目標とする1800MPa以上の場合に、耐ピッチング特性に優れるものとした。
・すべり率:40%、
・回転数:1000rpm
・潤滑:油温80℃のオートマチックトランスミッション用潤滑油を2リットル/分の割合で、ローラーピッチング小ローラー試験片とローラーピッチング大ローラー試験片の接触部に噴出させて実施。
但し、上記の「すべり率」は、「V1」をローラーピッチング小ローラー試験片表面の接線速度、「V2」をローラーピッチング大ローラー試験片表面の接線速度として、下記の式で計算される値を指す。
{(V2−V1)/V1}×100。
《6》表面摩耗量の調査:
上記《5》のローラーピッチング試験後の表面摩耗量を、次のようにして調査した。
すなわち、繰返し数で107回において長辺が1mm以上の大きさのピッチングが発生しない最大の面圧が得られたローラーピッチング小ローラー試験片のφ26mmの試験面の任意の10箇所において、触針式の表面粗さ計を用いて、軸方向に非接触部、接触部、非接触部のプロフィルを連続的に測定した。そして、上記の測定で得られたプロフィルにおいて、接触部の中央付近で凹となっている谷底の位置と非接触部の差のうちの、10箇所の最大値を表面摩耗量と定義した。
上記表面摩耗量の目標は10μm以下とし、表面摩耗量が目標とする10μm以下の場合に、耐摩耗性に優れるものとした。
表3に、上記の各調査結果をまとめて示す。なお、表3においては、「表面の窒化層を形成する化合物層の深さ」を「化合物層深さ」と表記した。
Figure 2009030134
表3から、本発明で規定する条件を満たす試験番号1〜6は、Moを含有する場合であってもその量は高々0.35%と少ないにも拘わらず、いずれも1800MPa以上という大きなピッチング強度を有して耐ピッチング特性に優れていること、さらには、表面摩耗量が10μm以下であって耐摩耗性にも優れていることが明らかである。
これに対して、本発明で規定する条件から外れた比較例の試験番号7および試験番号9の場合、ピッチング強度が、また、比較例の試験番号8及び試験番号11〜13の場合、ピッチング強度と表面摩耗量の双方が、本発明の目標に達していない。
すなわち、試験番号7は、鋼6のSi含有量が0.05%と本発明で規定する値より少ないため、ピッチング強度が1650MPaと低く、本発明の目標に達していない。
試験番号8は、鋼7のAl含有量が0.120%と本発明で規定する値より多く、さらに、表面硬化処理前のフェライトの面積割合が35%と本発明で規定する値より多い。このため、ピッチング強度は1500MPaと低く、また、表面摩耗量は15.0μmと大きく、いずれも本発明の目標に達していない。
試験番号9は、鋼8のO含有量が0.0030%と本発明で規定する値より多いため、ピッチング強度が1600MPaと低く、本発明の目標に達していない。
試験番号10は、鋼9のTi含有量が0.025%と本発明で規定する値より多く、さらに、表面の窒化層を形成する化合物層の深さが9μmと本発明で規定する値より大きい。このため、ピッチング強度は1550MPaと低く、また、表面摩耗量は12.0μmと大きく、いずれも本発明の目標に達していない。
試験番号11は、鋼10のMn含有量が0.35%と本発明で規定する値より少なく、さらに、表面硬化処理前のフェライトの面積割合が45%と本発明で規定する値より多い。このため、ピッチング強度は1500MPaと低く、また、表面摩耗量は15.0μmと大きく、いずれも本発明の目標に達していない。
試験番号12は、鋼11がVを含まないことに加えてNの含有量が0.0280%と本発明で規定する値より多く、さらに、表面の窒化層を形成する化合物層の深さが21μmと本発明で規定する値より大きい。このため、ピッチング強度は1500MPaと低く、また、表面摩耗量は49.5μmと大きく、いずれも本発明の目標に達していない。
試験番号13は、鋼5の化学組成は本発明で規定する範囲内にあるものの、表面硬化処理前のフェライトの面積割合が65%と本発明で規定する値より多い。このため、ピッチング強度は1500MPaと低く、また、表面摩耗量は25.0μmと大きく、いずれも本発明の目標に達していない。
本発明の窒化歯車は、耐摩耗性に優れるとともに、耐ピッチング性にも優れており、また、高価な元素であるMoを0.90%以上もの多い量で含有させる必要がないので、自動車のトランスミッションなどに経済的な歯車として用いることができる。また、本発明の窒化歯車用粗形品は、上記窒化歯車の素材として用いるのに好適である。
実施例で用いた鋼のインゴットから、ローラーピッチングに供した試験片を加工する工程の概要を示す図である。 実施例で用いたローラーピッチング小ローラー試験片の丸棒から切り出したままの形状を示す図である。 実施例で用いたローラーピッチング大ローラー試験片の丸棒から切り出したままの形状を示す図である。 実施例における「ラジカル窒化」のヒートパターンを示す図である。 実施例における「ガス軟窒化」のヒートパターンを示す図である。 実施例のローラーピッチング試験で用いたローラーピッチング小ローラー試験片の形状を示す図である。 実施例のローラーピッチング試験で用いたローラーピッチング大ローラー試験片の形状を示す図である。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.10〜0.30%、Si:0.10%を超えて0.50%以下、Mn:0.50〜1.3%、S:0.005〜0.05%、Cr:0.70〜2.0%、Al:0.035〜0.10%、V:0.01〜0.30%およびN:0.003〜0.015%を含有し、残部はFeおよび不純物からなり、不純物中のP、TiおよびO(酸素)がそれぞれ、P:0.025%以下、Ti:0.010%未満およびO:0.0020%未満の化学組成を有し、ミクロ組織が、ベイナイト、マルテンサイトまたはベイナイトとマルテンサイトの混合組織のいずれかであることを特徴とする窒化歯車用粗形品。
  2. ミクロ組織が、さらに面積割合で、30%以下のフェライトを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の窒化歯車用粗形品。
  3. 化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Mo:0.5%以下を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の窒化歯車用粗形品。
  4. 化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Pb:0.3%以下およびCa:0.005%以下のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の窒化歯車用粗形品。
  5. 請求項1から4までのいずれかに記載の窒化歯車用粗形品を素材とする窒化歯車であって、表面の窒化層を形成する化合物層の深さが5μm以下であることを特徴とする窒化歯車。
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