JP2015042766A - 肌焼鋼鋼材 - Google Patents
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残部がFeおよび不純物とからなり、
下記の(1)式、(2)式および(3)式で表されるFn1、Fn2およびFn3が、それぞれ、15≦Fn1≦150、0.75≦Fn2≦1.40および0.30≦Fn3≦0.65であり、
不純物中のP、TiおよびOがそれぞれ、P:0.020%以下、Ti:0.005%以下およびO:0.0020%以下である化学組成を有し、
熱間加工ままの硬さがHV300以下であることを特徴とする、肌焼鋼鋼材。
Fn1=Mn/S・・・(1)、
Fn2=Cr/(Si+2Mn)・・・(2)、
Fn3=Si×Cr・・・(3)。
ただし、(1)式、(2)式および(3)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。
C:0.10〜0.24%
Cは、歯車、シャフトなど浸炭部品の強度確保のために必須の元素であり、0.10%以上の含有量が必要である。しかしながら、Cの含有量が多すぎると硬さが大きくなって被削性の低下を招き、特に、その含有量が0.24%を超えると、硬さ上昇に伴う被削性の低下が著しくなる。したがって、Cの含有量を0.10〜0.24%とした。なお、Cの含有量は、0.13%以上、0.23%以下であることが好ましい。
Siは、焼入性を向上させる作用および脱酸作用を有する。また、Siは焼戻し軟化に対する抵抗を有し、歯車などの摺動表面が高温にさらされた状況下において、表面の軟化を防ぐ効果がある。これらの効果を得るには、0.16%以上のSiを含有する必要がある。しかしながら、Siは酸化性の元素であるため、その含有量が多くなると、浸炭ガス中に含まれる微量のH2OまたはCO2によってSiが選択酸化され、鋼表面にSi酸化物が生成されるので、浸炭異常層である粒界酸化層および不完全焼入層の深さが大きくなる。そして、浸炭異常層の深さが大きくなると、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を招く。また、Siの含有量が多くなると、焼戻し軟化に対する抵抗効果が飽和するだけでなく、浸炭性を阻害し、さらに被削性が低下する。特に、Siの含有量が0.35%を超えると、浸炭異常層の深さ増大および浸炭性の阻害による表面硬さ低下によって、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下が著しくなり、被削性の低下も著しくなる。したがって、Siの含有量を0.16〜0.35%とした。Siの含有量は、0.18%以上、0.30%以下であることが好ましい。
Mnは、焼入性を向上させる作用および脱酸作用を有する。また、Mnは焼戻し軟化を抑制する効果も有する。これらの効果を得るには、0.40%以上のMn含有量が必要である。しかしながら、Mnの含有量が多くなると、硬さが大きくなって被削性の低下を招き、特に、その含有量が0.94%を超えると、硬さ上昇に伴う被削性の低下が著しくなる。しかも、Siと同様に、Mnは酸化性の元素であるため、その含有量が多くなると、鋼表面にMn酸化物が生成されるので、浸炭異常層である粒界酸化層および不完全焼入層の深さが大きくなる。そして、浸炭異常層の深さが大きくなると、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を招き、特に、Mnの含有量が0.94%を超えると、浸炭異常層の深さ増大による曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下が著しくなる。したがって、Mnの含有量を0.40〜0.94%とした。Mnの含有量は、0.50%以上、0.90%以下であることが好ましい。
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、被削性を向上させる作用がある。この効果を得るには、0.005%以上のSを含有させる必要がある。しかしながら、Sの含有量が0.050%を超えると、粗大なMnSを形成して、熱間加工性、冷間鍛造性および曲げ疲労強度が低下する。したがって、Sの含有量を0.005〜0.050%とした。Sの含有量は、0.010%以上、0.040%以下であることが好ましい。
Cr:1.65〜1.90%
Crは、焼入性を向上させる効果を有する。Crは、焼戻し軟化に対する抵抗を有し、歯車、シャフトなど浸炭部品の摺動表面が高温にさらされた状況下において、表面の軟化を防ぐ効果もある。これらの効果を得るには、1.65%以上のCr含有量が必要である。しかしながら、Crの含有量が多くなると、硬さが大きくなって被削性の低下を招き、特に、その含有量が1.90%を超えると、硬さ上昇に伴う被削性の低下が著しくなる。しかも、SiおよびMnと同様に、Crは酸化性の元素であるため、その含有量が多くなると、鋼表面にCr酸化物が生成されるので、浸炭異常層である粒界酸化層および不完全焼入層の深さが大きくなる。そして、浸炭異常層の深さが大きくなると、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下を招き、特に、Crの含有量が1.90%を超えると、浸炭異常層の深さ増大による曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下が著しくなる。また、Crは炭化物形成元素であるため、Crの含有量が多くなると浸炭時に結晶粒界に粗大な炭化物を形成し、曲げ疲労強度、ピッチング強度の低下を招く。特に、Crの含有量が1.90%を超えると、粗大炭化物による曲げ疲労強度、ピッチング強度の低下が著しくなる。したがって、Crの含有量を1.65〜1.90%とした。Crの含有量は、1.65%以上、1.85%以下であることが好ましい。
Alは、脱酸作用を有する。また、Alには、Nと結合してAlNを形成し、結晶粒を微細化して鋼を強化する作用もある。しかしながら、Alの含有量が0.015%未満では、前記の効果を得難い。一方、Alの含有量が過剰になると、硬質で粗大なAl2O3形成による被削性の低下をきたし、さらに、曲げ疲労強度も低下する。特に、Alの含有量が0.060%を超えると、被削性および曲げ疲労強度の低下が著しくなる。したがって、Alの含有量を0.015〜0.060%とした。なお、Alの含有量は、0.020%以上、0.055%以下であることが好ましい。
Nは、窒化物を形成することにより結晶粒を微細化させ、曲げ疲労強度を向上させる効果を有する。この効果を得るには、Nを0.0130%以上含有する必要がある。しかしながら、Nの含有量が過剰になると、粗大な窒化物を形成して靱性の低下を招き、特に、その含有量が0.0250%を超えると、靱性の低下および冷間鍛造性の低下が著しくなる。したがって、Nの含有量を0.0130〜0.0250%とした。なお、Nの含有量は、0.0130%以上、0.0200%以下であることが好ましい。
MnおよびSの含有量が、上述した範囲にあっても、粗大なMnSが生成すると、曲げ疲労強度の低下が生じる。したがって、高い曲げ疲労強度を確保するためには、粗大なMnSの生成を抑制することが必要である。しかも、上記の粗大なMnSは、熱間圧延、熱間鍛造などの熱間加工時の割れおよび冷間鍛造時の割れの起点ともなるので、熱間加工時の割れおよび冷間鍛造時の割れを抑制するためには、粗大なMnSを極力少なくすることが必要である。このためには、MnおよびSの含有量のバランスが重要であり、前記(1)式で表されるFn1を一定範囲内とする必要がある。
NiおよびMoを極力含有させることなく、高い曲げ疲労強度と高いピッチング強度を具備させるためには、焼入性を確保しつつ、浸炭異常層である粒界酸化層および不完全焼入層の深さを小さくする必要がある。そして、そのためには酸化性の元素のうちで、特に、Cr、SiおよびMnの含有量を前記の範囲にしたうえで、これらの元素の含有量バランスとしての前記(2)式で表されるFn2を0.75〜1.40の範囲内とする必要がある。
NiおよびMoを極力含有させることなく、高いピッチング強度を具備させるためには、高温強度すなわち焼戻し軟化抵抗を向上させる必要があり、具体的には、焼戻し軟化抵抗を向上させる元素のうちで、特に、SiおよびCrの含有量を前記の範囲にしたうえで、前記の(3)式で表わされるFn3を0.30〜0.65の範囲内とする必要がある。
Pは、鋼に含有される不純物であり、結晶粒界に偏析して鋼を脆化させる。特に、その含有量が0.020%を超えると、脆化の程度が著しくなる。したがって、不純物中のPの含有量を0.020%以下とした。なお、不純物中のPの含有量は0.015%以下とすることが好ましい。
Tiは、Nとの親和性が高いので、鋼中のNと結合して硬質で粗大なタイプDの非金属介在物であるTiNを形成し、曲げ疲労強度およびピッチング強度を低下させ、さらに、被削性も低下させてしまう。したがって、不純物中のTiの含有量を0.005%以下とした。
O(酸素)は、鋼中のSi、Alなどと結合して、酸化物を生成する。酸化物のうちでも、特に、タイプBの非金属介在物であるAl2O3は硬質であるため、被削性を低下させ、さらに、曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下も招く。したがって、不純物中のOの含有量を0.0020%以下とした。なお。不純物中のOの含有量は0.0015%以下とすることが好ましい。
〈1〉Cu:0.20%以下、Ni:0.20%以下およびMo:0.03%以下、
〈2〉V:0.20%以下およびNb:0.060%以下、ならびに
〈3〉Ca:0.0050%以下。
〈1〉Cu:0.20%以下、Ni:0.20%以下およびMo:0.03%以下
Cu、NiおよびMoは、いずれも、焼入性を高める作用を有する。このため、より大きな焼入性を得たい場合には以下の範囲で含有してもよい。
Cuは、焼入性を高める作用を有するので、さらなる焼入性向上のためにCuを含有させてもよい。しかしながら、Cuは高価な元素であるとともに、含有量が多くなると熱間加工性の低下を招き、特に、0.20%を超えると、熱間加工性の低下が著しくなる。したがって、含有させる場合のCuの量を0.20%以下とした。
Niは、焼入性を高める作用を有する。さらに、Niは、靱性を向上させる作用を有し、非酸化性の元素であるため、浸炭時に粒界酸化層の深さを増大させずに鋼表面を強靱化することもできる。このため、これらの効果を得るためにNiを含有させてもよい。しかしながら、Niは高価な元素であり、過度の添加は成分コストの上昇につながり、特に、Niの含有量が0.20%を超えると、コスト上昇が大きくなる。したがって、含有させる場合のNiの量を0.20%以下とした。
Moは、焼入性を高める作用を有し、浸炭焼入後の表面硬さ、硬化層深さおよび芯部(生地)の硬さを向上させて、浸炭部品の強度を確保する効果がある。しかも、Moは、非酸化性の元素であるため、浸炭時に粒界酸化層の深さを増大させずに鋼表面を強靱化することができる。このため、これらの効果を得るためにMoを含有させてもよい。しかしながら、Moは高価な元素であり、過度の添加は成分コストの上昇につながり、特に、Moの含有量が0.03%を超えると、コスト上昇が大きくなる。したがって、含有させる場合のMoの量を0.03%以下とした。なお、Moの含有量は0.02%以下とすることが好ましい。
VおよびNbは、いずれもCおよびNと結合して微細な炭化物、窒化物や炭窒化物を形成して結晶粒を微細化し、曲げ疲労強度およびピッチング強度を向上させる効果を有する。このため、さらなる曲げ疲労強度の向上およびピッチング強度の向上のために以下の範囲で含有してもよい。
Vは、CおよびNと結合して微細な炭化物、窒化物や炭窒化物を形成して結晶粒を微細化し、曲げ疲労強度およびピッチング強度を向上させる効果を有するので、こうした効果を得るためにVを含有させてもよい。しかしながら、Vの含有量が過剰になると熱間延性の低下を招き、特に、その含有量が0.20%を超えると、熱間延性の低下が著しくなって、熱間圧延、熱間鍛造など熱間加工時に表面キズが発生しやすくなる。したがって、含有させる場合のVの量を0.20%以下とした。なお、Vの量は、0.10%以下とすることが好ましい。
Nbは、CおよびNと結合して微細な炭化物、窒化物や炭窒化物を形成して結晶粒を微細化し、曲げ疲労強度およびピッチング強度を向上させる効果を有するので、こうした効果を得るためにNbを含有させてもよい。しかしながら、Nbの含有量が過剰になると熱間延性の低下を招き、特に、その含有量が0.060%を超えると、熱間延性の低下が著しくなって、熱間圧延、熱間鍛造など熱間加工時に表面キズが発生しやすくなる。したがって、含有させる場合のNbの量を0.060%以下とした。なお、Nbの量は、0.050%以下とすることが好ましい。
Caは、被削性を改善する作用を有する。このため、被削性向上のためにCaを含有させてもよい。しかしながら、過度のCa添加は成分コストの上昇につながり、特に、Caの含有量が0.0050%を超えると、被削性向上効果が飽和するのでコストが嵩むばかりであって経済性が損なわれる。しかも、Caの含有量が0.0050%を超える場合には、粗大な酸化物を形成して曲げ疲労強度およびピッチング強度の低下も招く。したがって、含有させる場合のCaの量を0.0050%以下とした。なお、Caの量は、0.0030%以下とすることが好ましい。
本発明に係る肌焼鋼鋼材を、熱間鍛造または冷間鍛造して所望の部品形状に成型する場合、所定の長さに切断する必要がある。切断はシャーまたは鋸で実施されるが、熱間加工ままの硬さが高い場合、シャーまたは鋸の刃の寿命が低下する。そのため、熱間加工ままの硬さは、HV300以下に制限する必要がある。
本発明に係る肌焼鋼鋼材は、冷間鍛造して所望の部品形状に成型する場合、球状化焼鈍処理を行って硬さを低くすれば、割れの抑制とともに鍛造荷重を低く抑えることができ、特に、球状化焼鈍処理した後の硬さをHV180以下とすれば、安定して、割れが抑制できるとともに鍛造荷重を低く抑えることができる。
各鋳片は、1250℃で2時間保持した後、分塊圧延して160mm角のビレットを製造した。
上記分塊圧延して製造した160mm角のビレットの表面疵をグラインダーで除去し、1100℃で50分保持した後、鋼1については、熱間圧延して直径が35mmの棒鋼を作製し、また、鋼9については、熱間圧延して直径が35mmのバーインコイルを作製した。
各棒鋼の残りは、920℃で1時間保持した後に大気中で放冷して焼準した。
前記焼準後の直径が35mmの各棒鋼の中心部から、圧延方向または鍛錬軸に平行に、図1に示す熱間圧縮試験用の試験片、図2に示す粗形状の切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片および図3に示すローラーピッチング小ローラー試験片を切り出した。
上記〔4〕で切り出した切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片およびローラーピッチング小ローラー試験片に対して図6に示すヒートパターンによる「浸炭焼入−焼戻し」を施した。また、〔4〕で切り出したローラーピッチング大ローラー試験片に対して、図7に示すヒートパターンによる「浸炭焼入−焼戻し」を施した。
浸炭焼入−焼戻し処理を施した上記の各試験片を仕上加工して、図8に示す切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片、図9に示すローラーピッチング小ローラー試験片および図10に示すローラーピッチング大ローラー試験片を作製した。
鏡面研磨した熱間加工ままの硬さ測定用の試験片の中心部1点とR/2部(「R」は棒鋼の半径を指す。)4点の計5点のHV(ビッカース硬さ)を、JIS Z 2244(2009)に記載の「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準拠して、試験力を98Nとしてビッカース硬さ試験機で測定し、その算術平均値を熱間加工ままの硬さとした。
鏡面研磨した球状化焼鈍処理した後の硬さ測定用の試験片の中心部1点とR/2部4点の計5点のHVを、上記JIS Z 2244(2009)に記載の「ビッカース硬さ試験−試験方法」に準拠して、試験力を98Nとしてビッカース硬さ試験機で測定し、その算術平均値を球状化焼鈍処理した後の硬さとした。
前記〔4〕のようにして作製した図1の直径が20mmで長さが30mmの熱間圧縮用の試験片を1200℃で30分保持してから、図1の(a)および(b)に示すように、長さ方向を高さとしてクランクプレスによって圧縮し、高さ3.75mmにした。
前記〔4〕のようにして作製した図4の試験片を常温で、長さ方向を高さとして油圧プレスによって圧縮し、切欠部に割れが発生するまで圧縮した。なお、各鋼について油圧プレスを用いた圧縮試験を5個ずつ行ない、切欠部における割れを拡大鏡で観察した。5本の試験片のうち3本以上の試験片で割れが認められる場合の圧縮率を限界圧縮率と定義し、限界圧縮率が50%以上である場合、冷間加工性に優れると評価して、これを目標とした。
前記〔3〕のようにして焼準処理した直径が35mmの棒鋼について、図1〜3に示す各粗形状の試験片を切り出した残りを、920℃で30分保持した後、水焼入した。
前記〔5〕のようにして浸炭焼入−焼戻し処理した切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片を用いて、その直径8mmの切欠部を横断し、切断面が被検面になるように樹脂に埋め込んだ後、前記面が鏡面仕上げになるように研磨し、マイクロビッカース硬度計を使用して表面硬さおよび芯部硬さを調査した。
前記〔5〕の、浸炭焼入−焼戻し処理しただけで上記《6》の表面硬さおよび芯部硬さの調査に用いた、切欠付き小野式回転曲げ疲労試験片とローラーピッチング小ローラー試験片の樹脂埋めした試験片を使用して、有効硬化層深さの調査を行った。
前記《6》および《7》で用いた樹脂埋めした小野式回転曲げ疲労試験片を使用して、粒界酸化層深さおよび不完全焼入層深さの調査を行った。
前記〔6〕の仕上加工した小野式回転曲げ疲労試験片を用いて、下記の試験条件によって小野式回転曲げ疲労試験を実施し、繰返し数が107回において破断しない最大の強度で曲げ疲労強度を評価した。
・雰囲気:大気中、
・回転数:3000rpm。
前記〔6〕の仕上加工したローラーピッチング小ローラー試験片およびローラーピッチング大ローラー試験片を用いて、下記の試験条件でローラピッチング試験を実施した。すなわち、ローラーピッチング小ローラー試験片およびローラーピッチング大ローラー試験片を接触させた状態で回転させ、接触部には下記の条件で潤滑油を噴き付けた。繰り返し数107回において、ローラーピッチング小ローラー試験片表面に幅が1mm以上のピッチングが発生しない最大の強度でピッチング強度を評価した。ピッチング強度がJIS G 4052(2008)に規定されたSCM420Hに相当する鋼である鋼11と同じ程度あるいはそれを上回る場合に、ピッチング強度に優れると評価して、これを目標とした。
・ローラーピッチング小ローラー試験片の回転数:1500rpm、
・潤滑:油温100℃のオートマチックトランスミッション用潤滑油を、2.0リットル/分の割合で、ローラーピッチング小ローラー試験片とローラーピッチング大ローラー試験片の接触部に噴出させて実施。
{(V2−V1)/V1}×100。
Claims (5)
- 質量%で、C:0.10〜0.24%、Si:0.16〜0.35%、Mn:0.40〜0.94%、S:0.005〜0.050%、Cr:1.65〜1.90%、Al:0.015〜0.060%およびN:0.0130〜0.0250%と、
残部がFeおよび不純物とからなり、
下記の(1)式、(2)式および(3)式で表されるFn1、Fn2およびFn3が、それぞれ、15≦Fn1≦150、0.75≦Fn2≦1.40および0.30≦Fn3≦0.65であり、
不純物中のP、TiおよびOがそれぞれ、P:0.020%以下、Ti:0.005%以下およびO:0.0020%以下である化学組成を有し、
熱間加工ままの硬さがHV300以下であることを特徴とする、肌焼鋼鋼材。
Fn1=Mn/S・・・(1)、
Fn2=Cr/(Si+2Mn)・・・(2)、
Fn3=Si×Cr・・・(3)。
ただし、(1)式、(2)式および(3)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。 - Feの一部に代えて、質量%で、Cu:0.20%以下、Ni:0.20%以下およびMo:0.03%以下から選択される1種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載の肌焼鋼鋼材。
- Feの一部に代えて、質量%で、V:0.20%以下およびNb:0.060%以下から選択される1種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の肌焼鋼鋼材。
- Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.0050%以下を含有することを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の肌焼鋼鋼材。
- 請求項1から4までのいずれかに記載の化学組成を有し、球状化焼鈍処理した後の硬さがHV180以下であることを特徴とする、肌焼鋼鋼材。
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