JP2002212672A - 鋼部材 - Google Patents
鋼部材Info
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Abstract
軸類等の如く優れた耐ピッチング性と疲労強度を兼ね備
えた機械構造用鋼部品や、耐摩耗性に優れた工具等とし
て用いられる鋼部材を提供する。 【解決手段】 鋼部材の心部がC:0.10〜0.30
%(化学成分の場合は質量%の意味、以下同じ)、S
i:0.15〜1.0%、Mn:0.20〜1.0%、
Cr:1.0〜2.0%、Mo:0.05〜0.6%を
含み、且つ、A1:0.005〜0.05%、Nb:
0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.1%
よりなる群から選択される1種または2種以上の元素
と、N:0.008〜0.05%を含み、更に、浸炭焼
入・焼戻し後におけるオーステナイト結晶粒度番号が
8.5以上であり、表面から50μm以内の表層部にお
ける直径0.5μm以下の炭化物の面密度が6.0個/
10μm2以上で、全炭化物数に占める直径0.5μm
以下の炭化物数の割合が80%以上となるようにする。
Description
詳細には、例えば高面圧で使用される歯車、摺動部品、
軸類等の如く優れた耐ピッチング性と疲労強度を兼ね備
えた機械構造用鋼部品や、耐摩耗性に優れた工具等とし
て用いられる鋼部材に関するものである。
として用いる場合を主体に説明する。
設機械、産業機械等における動力伝達部品として広く使
用されている。このような機械構造用鋼部品に用いられ
る鋼材としては、これまでJlS G4104,G41
05,G4103等に規定されているCr肌焼鋼、Cr
−Mo肌焼鋼、Ni−Cr−Mo肌焼鋼があり、これら
の鋼を成形加工した後、浸炭処理もしくは浸炭窒化処理
等の表面硬化処理を施したものが機械構造用鋼部品とし
て使用されてきた。
械等の高応力化や部品の小型軽量化に対する要望が高ま
ってくるにつれて、動力伝達用歯車などの負荷応力はま
すます増大する傾向にあり、上述したような従来の機械
構造用鋼や表面硬化処理鋼では、こうした厳しい使用環
境に適応し難くなっている。
加に伴う接触面の剥離損傷、すなわちピッチング損傷を
抑制するため、表層部のC濃度を高めて炭化物を微細析
出させることにより表層部の高硬度化を狙った高濃度浸
炭法、CD(CarbideDispersion)浸
炭法、過共析浸炭法などが採用されている。また特開平
6−158266号公報には、C:0.10〜0.3
%、Si:1.0%未満、Mn:0.3〜1.5%、
P:0.020%未満、Cr:1.50%超であって、
質量比が「4.5<(8・Si+3Cr)<13.5」
を満たし、Al:0.010〜0.050%、N:0.
005〜0.025%、残部Feからなる鋼素材を、表
面炭素濃度が0.7〜1.2%となるように浸炭してか
ら焼入れ・焼戻し処理を行う高面圧部品の製法が開示さ
れている。
C:0.05〜0.3%、Si:0.05〜2%、M
n:0.3〜2%、Cr:2〜8%、S:0.03%以
下、A1:0.015〜0.06%、N:0.005〜
0.02%を含み、残部Feおよび不可避不純物からな
り、該不可避不純物中のP(りん)を0.02%以下、
O(酸素)を0.002%以下にそれぞれ制御してなる鋼
を素材とし、該鋼素材によって作製された部品に、浸炭
もしくは浸炭窒化処理および焼入れ・焼戻し処理を施
し、表層部に平均粒径が5μm以下の炭化物、または炭
窒化物を析出させた浸炭鋼部品が開示されている。
や特開平6−25823号に開示された方法で製造した
機械構造用鋼部品はC含有量が高く、直径で数μm程度
の粗大な炭化物が多数析出しているため、耐ピッチング
性は満足し得るものの、曲げ疲労強度に劣るという問題
がある。
情に着目してなされたものであって、その目的は、曲げ
疲労特性を害することなく、耐ピッチング性を高めるこ
とのできた機械構造用鋼部品の他、耐摩耗性に優れた工
具等としても使用することのできる鋼部材を提供しよう
とするものである。
のできた本発明にかかる鋼部材とは、心部がC:0.1
0〜0.30%、Si:0.15〜1.0%、Mn:
0.20〜1.0%、Cr:1.0〜2.0%、Mo:
0.05〜0.6%を含み、且つA1:0.005〜
0.05%、Nb:0.005〜0.05%、Ti:
0.005〜0.1%よりなる群から選択される1種ま
たは2種以上の元素と、N:0.008〜0.05%を
含み、浸炭焼入・焼戻し処理後におけるオーステナイト
結晶粒度番号が8.5以上で、且つ、表面から50μm
以内の表層部における直径0.5μm以下の炭化物の面
密度が6.0個/10μm2以上で、且つ全炭化物数に
占める直径0.5μm以下の炭化物数の割合が80%以
上であるところに要旨を有しており、この鋼部材は、H
V800以上の表面硬さを有している。
0.05%、Zr:0.01〜0.15%、Bi:0.
05%以下、S:0.12%以下、Pb:0.09%以
下、Mg:0.02%以下よりなる群から選択される1
種または2種以上の元素を含有させると、優れた被削性
をも併せ付与することができるので好ましい。
炭素の到達していない、Cの濃度分布がほぼ一定である
鋼内部をいうものとする。
で、鋼部材、特に曲げ疲労特性を害することなく、耐ピ
ッチング性の高められた機械構造用鋼部品の開発を期し
て検討を重ねた結果、心部の化学成分を規定すると共
に、表面から50μmまでの表層部に微細な炭化物を多
数析出させ、表層硬さをHV800以上に高めてやれ
ば、機械構造用鋼部品として耐ピッチング性が大幅に改
善されることを見出した。但し、機械部品に求められる
高レベルの疲労強度を確保するには、表面から50μm
以内の表層部における炭化物のサイズと個数を厳密に制
御しなければならず、該炭化物として、直径0.5μm
以下のものが面密度6.0個/10μm2以上で、全炭
化物数中に占める直径0.5μm以下の炭化物数の割合
が80%以上であるものは、機械構造用鋼部品として前
述した要求特性を満たすものとなることを知り、本発明
に想到したものである。
ついて詳述する。まず表面から50μmまでの表層部に
おける炭化物の面密度であるが、直径0.5μm以下の
ものが面密度で6.0個/10μm2以上でなければな
らず、面密度が6.0個/10μm2未満では、本発明
で意図するレベルの耐ピッチング性が得られない。ま
た、直径0.5μm以下の炭化物が全炭化物数中に占め
る割合は80%以上でなければならず、80%未満で
は、20%を超えて存在する直径0.5μm超の炭化物
が破壊の起点となり、機械構造用鋼部品の曲げ疲労強度
に悪影響が現われる。しかし、直径0.5μmを超える
炭化物の個数が全炭化物数中に占める比率で20%未満
であれば、疲労強度に与える影響は小さく、実用上の問
題となることはない。
耐ピッチング性を確保する上でより好ましい前記面密度
は8.0個/10μm2以上、更に好ましくは10.0
個/10μm2以上で、直径0.5μm以下の炭化物が
全炭化物数中に占めるより好ましい比率は90%以上、
更に好ましくは95%以上である。
て、心部の化学成分が適切な鋼材を使用することが必要
であり、それらの総合により表層部の硬さでHV800
以上を確保し、優れた耐ピッチング性および曲げ疲労強
度を両立することが可能となる。以下、本発明で定める
鋼材の化学成分について、各成分の限定理由を説明す
る。
とのできない元素であり、0.10%未満では心部硬さ
が不足し、機械構造用鋼部品や工具として強度不足とな
る。しかしC量が多くなり過ぎると、心部硬さが過度に
高くなって冷鍛加工性や被削性が劣化するので、0.3
0%以下に抑えなければならない。こうした観点から、
Cのより好ましい下限は0.15%、より好ましい上限
は0.25%である。
の表層部で析出する炭化物を微細化する作用を有してお
り、本発明の鋼材を浸炭処理したときに、表層部におい
て微細な炭化物を多数析出させ、直径0.5μm以下の
炭化物を面密度で6.0個/10μm2以上存在させる
上で重要な要件となる。しかも、適量のSiは鋼マトリ
ックスを強化し、表層の硬度を更に高める作用も発揮す
る。鋼中のSiが0.15%未満では、こうした作用が
十分に発揮されず、表層の炭化物が粗大化すると共に面
密度も小さくなり、満足のいく表面硬度が得られなくな
る。逆にSi量が1.0%を超えると、鋼部材を製造す
る際に、球状化焼鈍後の硬さが高くなり過ぎて被削性や
冷間鍛造性が劣悪となる。こうした観点から、Siのよ
り好ましい下限は0.35%、より好ましい上限は0.
6%である。
て部材の内部品質を高める作用を発揮すると共に、有効
硬化層深さや心部硬さを確保する上でも有効に作用す
る。こうした作用を有効に発揮させるには、Mnを0.
20%以上、より好ましくは0.25%以上含有させる
べきであり、0.20%未満では有効硬化層深さや心部
硬さが不足し、十分な疲労強度が得られなくなる。逆に
Mnが1.0%を超えると、表層部における残留オース
テナイト量が過度に多くなり、表層部が硬度不足とな
る。こうした観点から、Mnのより好ましい含有率は
0.25%以上、0.60%以下である。
Crの添加によって、浸炭時における炭化物の析出を促
進することが可能となる。ちなみに、Cr量が1.0%
未満では上記作用が有効に発揮されず、加えて鋼部材の
焼入性も低下し、必要とされる有効硬化層深さや芯部硬
さが不足気味となって疲労強度が劣化する。しかし2.
0%を超えてCrを過度に含有させると、心部硬さが高
くなり過ぎて被削性不良となる。Crのより好ましい下
限は1.25%、より好ましい上限は1.50%であ
る。
物の析出量を増すと共に、鋼マトリックスの焼入性を高
め、表層部を硬質化する上で重要な役割を果たす。ちな
みに、Moが0.05%未満では炭化物が生成不足とな
るばかりでなく、表層部に不完全焼入れ組織が生成して
疲労強度を劣化させる原因になる。逆にMo量が0.6
%を超えると、鋼部材が過度に硬質化して被削性や冷間
加工性が劣悪となる。Moのより好ましい含有率は0.
15%以上、0.5%以下である。
く、表面から50μm以内の表層部における直径0.5
μm以下の炭化物の面密度が6.0個/10μm2以上
で、且つ全炭化物数に占める直径0.5μm以下の炭化
物数の割合が80%以上となる様に炭化物を析出させる
には、浸炭焼入・焼戻し後において、機械部品である鋼
のオーステナイト結晶粒度番号で8.5以上を確保する
ことが必須の要件となる。これは、浸炭時に過剰に侵入
した炭素が炭化物として析出する析出サイトの1つがオ
ーステナイト結晶粒界であり、結晶粒微細化によりオー
ステナイト結晶粒界を増やすことで析出サイトを増加さ
せることにより、微細な炭化物を多数析出させ得るから
である。
8.5未満では、炭化物の析出サイトが少ないため直径
0.5μm超の粗大な炭化物が多数析出し、直径0.5
μm以下の炭化物の面密度も小さくなって耐ピッチング
性や曲げ疲労特性に劣るものとなる。
より効果的に発揮させる上で、より好ましいオーステナ
イト結晶粒度番号は9.0以上、更に好ましくは9.5
以上である。
ト結晶粒度番号の大きな鋼を得るには、浸炭のための加
熱工程でオーステナイト粒の成長を抑制する必要があ
り、そのための具体的な方法としては、鋼中に、Al:
0.005〜0.05%、Nb:0.005〜0.05
%、Ti:0.005〜0.1%よりなる群から選択さ
れる1種または2種以上の元素と、N:0.008〜
0.05%を存在させる方法が挙げられる。即ち、これ
らの元素を含有させることによって鋼中に生成するAl
N,NbN,TiN等の析出を利用し、浸炭加熱中にお
けるオーステナイト結晶粒の成長を抑制することができ
るのである。
満、Nb量が0.005%未満あるいはTi量が0.0
05%未満では、結晶粒の粗大化抑制作用が有効に発揮
されず、心部組織のオーステナイト結晶粒度番号を8.
5以上に高めることができなくなる。一方、Al量が
0.05%を超え、Nb量が0.05%を超え、あるい
はTi量が0.1%を超えると、上記作用効果が飽和す
るばかりでなく、アルミナ系介在物やTiNの生成によ
り曲げ疲労強度が低下したり冷間加工性が低下するとい
った障害が現われてくる。
て、Ca:0.0005〜0.05%、Zr:0.01
〜0.15%、Bi:0.05%以下、S:0.12%
以下、Pb:0.09%以下、Mg:0.02%以下よ
りなる群から選択される1種または2種以上の元素を含
有させると、鋼部材を作製する際の切削性を大幅に改善
できるので好ましい。ちなみに、これら選択元素の含有
量が下限値未満では上記作用効果が十分に発揮されず、
一方上限付近で各元素の上記作用効果は飽和し、むしろ
粗大な複合介在物を多量に生成して曲げ疲労強度や耐ピ
ッチング性劣化させるといった障害を生じる原因になる
ことがある。
ステナイト量が5%以上、35%以下、より好ましくは
10%以上、20%以下であることが望ましい。その理
由は、残留オーステナイト量が5%未満では、靭性が低
くなると共に機械構造部品として使用する際の他部品と
のなじみが悪くなり、衝撃疲労破壊や騒音の原因にな
り、逆に35%を超えると、表面硬さが低下して耐ピッ
チング性不足になるからである。
硬化処理法であるが、炭化物を微細析出させるために
は、高濃度浸炭やCD浸炭を採用することが望ましい。
は、例えば、 第1工程で、カーボンポテンシャルが1.20%程度
の雰囲気下、930℃程度で8hr程度保持して浸炭
し、その後の第2工程で、830℃程度で45分程度保
持してから油焼入することにより再加熱焼入する方法が
挙げられるが、本発明で規定の炭化物析出形態とするに
あたっては、930℃にて2時間、カーボンポテンシャ
ル1.15%の雰囲気に保持して表層から50μm位置
までの平均炭素濃度が0.9%となるまで浸炭した後、
ガス冷却して室温近傍まで冷却し、その後、25℃/分
以上の速度で加熱して、再度850℃でカーボンポテン
シャルが0.85%の雰囲気に1時間保持した後、コー
ルド油焼入れし最後に焼戻しを行う方法がより具体的な
一例として挙げられる。その他、 カーボンポテンシャルが1.30%程度の雰囲気下、
1000℃程度に加熱し、その後700℃程度まで冷却
してから880℃程度に加熱する工程を複数繰り返す方
法 なども用いうる表面硬化処理方法の一つとして挙げられ
る。
に炭化物を析出させて高硬度とし、耐摩耗性にも優れて
いるので、六角レンチのホルダー、コンクリートドリル
のホルダー、鍛造用金型等の工具として使用することも
できる。
明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を
受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それ
らはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
し、熱間鍛造後に溶体化処理および焼ならし処理を行な
った後、機械加工により直径10mm×130mm(2
本)、および直径26mm×130mmの丸棒試験片、
回転曲げ疲労試験片、およびローラピッチング試験片の
形状に加工した。図1にローラピッチング試験片の形状
を示す。回転曲げ疲労試験片としては、形状係数2.0
の切欠き付き疲労試験片を用いた。そしてこれらの試験
片に、図2に示すパターンで高濃度浸炭処理を施した。
図2において、第1段階ではカーボンポテンシャル(C
p)が1.2%の雰囲気で放置することにより高濃度浸
炭し、更に第2段階で再加熱焼入れを行うことによって
表層の浸炭部に微細な炭化物を析出させ、第3段階で焼
戻し処理を行なった。
の1本を用いて不完全焼入れ組織の有無、炭化物の個数
およびサイズの測定、結晶粒度番号の測定を、下記の方
法で行なった。
を切断、研磨後、表面から50μm位置を倍率8,00
0倍でSEM観察し、不完全焼入れ組織の有無を判定、 (2)炭化物の個数およびサイズ:上記8,000倍の写
真を画像処理し、炭化物の個数とサイズを求める。なお
炭化物の直径の求め方は、炭化物の面積を測定した後、
同じ面積となる円の直径として求める。
準拠して測定する。
ング処理を施した後、直径10mmの丸棒試験片の残り
を取出し、残留オーステナイトと硬度を測定する。また
ローラピッチング試験は、仕上げ研磨を行った後に、ま
た回転曲げ疲労試験はそのまま試験に供し、更に下記の
条件で焼ならし後の硬さを測定した。
表面から深さ50μmの位置を測定し、硬度は切断した
断面において表面から50μmの位置と、直径方向中心
位置で測定した。回転曲げ疲労試験は、回転数3,60
0rpmにて行い107回に達しても破断しない応力を
曲げ疲労強度として求めた。ローラピッチング試験には
下記の条件を採用し、ピッチング損傷が生じた時をもっ
てピッチング寿命とした。
り率:−40%、油温:80℃、相手ローラ:JlS
G4805高炭素クロム軸受鋼SUJ2 [焼ならし後の硬さ試験]JIS Z2244に準拠し
て実施、試験荷重は98N。
明の規定要件を満たす実施例であり、回転曲げ疲労強度
が850MPa以上と高く、ピッチング寿命も長寿命を
示している。更に、適量の快削性元素を添加したNo.
2,4,6,8,9,10,14,15,18は優れた
快削性を示している。
9〜27は、本発明で定める何れかの要件を欠く比較例
であり、No.19,21,22,25〜27は、直径
0.5μm以下の炭化物の面密度が6.0個/10μm
2未満で、全炭化物数に占める直径0.5μm以下の炭
化物数の割合が80%未満であるため、粗大な炭化物の
存在によって回転曲げ疲労強度が劣り、また直径0.5
μm以下の炭化物の面密度が低いためピッチング寿命が
短い。
炭化物数不足となって表層が硬度不足となり、ピッチン
グ寿命が短くなる他、回転曲げ疲労強度も乏しい。N
o.21は、表層に不完全焼入れ組織が生成しており、
微細炭化物の数も割合も少ないためピッチング寿命が短
く、回転曲げ疲労強度が乏しい。
r量またはMo量が多過ぎるためか、焼ならし後の硬さ
が高く、切削性および冷鍛加工性が悪くて鋼部材として
の適性を欠く。
部の化学成分を規定すると共に、浸炭焼入・焼戻し処理
後におけるオーステナイト結晶粒度番号、表層部の微細
炭化物の面密度と微細炭化物数の割合を特定することに
よって、高い曲げ疲労強度を維持しつつ優れたピッチン
グ寿命を示す機械構造用鋼部品や、優れた耐摩耗性を発
揮する工具として使用できる鋼部材を提供し得ることに
なった。
性と疲労強度の要求される歯車や軸類に使用すること
で、該歯車や軸類の耐久性を著しく高めることができ
た。
の寸法・形状を示す図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 心部がC:0.10〜0.30%(化学
成分の場合は質量%の意味、以下同じ)、Si:0.1
5〜1.0%、Mn:0.20〜1.0%、Cr:1.
0〜2.0%、Mo:0.05〜0.6%を含み、且
つ、A1:0.005〜0.05%、Nb:0.005
〜0.05%、Ti:0.005〜0.1%よりなる群
から選択される1種または2種以上の元素と、N:0.
008〜0.05%を含有すると共に、浸炭焼入・焼戻
し後におけるオーステナイト結晶粒度番号が8.5以上
であり、表面から50μm以内の表層部における直径
0.5μm以下の炭化物の面密度が6.0個/10μm
2以上で、全炭化物数に占める直径0.5μm以下の炭
化物数の割合が80%以上であることを特徴とする鋼部
材。 - 【請求項2】 心部が、他の元素としてCa:0.00
05〜0.05%、Zr:0.01〜0.15%、B
i:0.05%以下、S:0.12%以下、Pb:0.
09%以下、Mg:0.02%以下よりなる群から選択
される1種または2種以上の元素を含む請求項1に記載
の鋼部材。 - 【請求項3】 機械構造用部品である請求項1または2
に記載の鋼部材。
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