JP2009029115A - 画像形成装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリゴンの面倒れ等による副走査位置のずれで生じるバンディングを目立たなくする。
【解決手段】 ポリゴンの面倒れ等による濃度ムラを抑制すべく、ヒトの視覚感度に敏感な空間周波数の濃度ムラを対象とし、補正対象の濃度ムラを略一定にするよう、レーザー輝度量を制御する。
【選択図】 図10

Description

本発明は、光を偏向するポリゴンミラー等の偏向走査露光装置を有する電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、高速化のために複数の画像形成部を有し、搬送ベルト上に保持された記録材上に順次異なる色の像を転写する、いわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。
図21はタンデム型カラー画像形成装置の一例を示したものである。図21(a)は、全体の概観図である。このカラー画像形成装置は、本体装置の下部に不図示の転写材カセットを装着している。転写材カセットにセットされた転写材は、一枚ずつ取り出され、画像形成部に給送される。画像形成部には、転写材を搬送する転写搬送ベルト10が複数の回転ローラによって転写材搬送方向に扁平に張設され駆動モータ21により搬送駆動される。転写搬送ベルト10のその最上流部においては、転写搬送ベルト10上面にある不図示の吸着ローラにバイアスを印加することによって、転写材を転写搬送ベルト10に静電吸着させる。またこのベルト搬送面に対向して4個のドラム状の像担持体としての感光体ドラム14が直線状に配設されて画像形成部を構成している。画像形成部であるところの現像ユニットは、前記感光体ドラム14、C(CYAN)、Y(YELLOW)、M(MAGENTA)、K(BLACK)の各色トナー(不図示)、帯電器(不図示)、現像器(不図示)を有している。上記の各現像ユニットの筐体内の帯電器と現像器間には所定の間隙が設けられ、この間隙を介して1以上のレーザスキャナからなる露光手段8により感光体ドラム14の周面(像担持体上)に露光照射が行われる。
図21(b)は露光手段の詳細を示す図である。図21(b)において、2はコリメーターレンズであり、光源手段1から出射された発散光束(レーザービーム)を略平行光束に変換している。3は開口絞りであり、通過光束(光量)を制限している。4はシリンドリカルレンズ(シリンダーレンズ)であり、副走査方向に所定の屈折力を有しており、開口絞り3を通過した光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像として結像させている。5は光を偏向する偏向素子としての、例えばポリゴンミラー(回転多面鏡)である。この光偏向器5はモータ等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。6はfθ特性を有する光学素子であり、屈折部と回折部とを有している。屈折部は主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する単一のプラスチック製のトーリックレンズ6−aより成り、該トーリックレンズ6−aの主走査方向の両レンズ面は非球面形状より成っている。回折部は主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する長尺の回折光学素子6−bより成っている。7は、画像領域外に設置されたビーム検出センサ(BDセンサ)で主走査方向の書き出しタイミングを決定する為のものである。BDセンサで信号を受け取った後、所定時間後に画像を書き出すことにより主走査方向の同期をとることができる。
各帯電器(不図示)がそれらに対応する感光体ドラム14の周面(像担持体上)を所定の電荷で一様に帯電させ、露光手段8が上記帯電した感光体ドラム14(像担持体)の周面を画像情報に応じて露光して静電潜像を形成しする。そして、現像器(不図示)が上記の静電潜像の低電位部にトナーを転移させてトナー像化(現像)する。転写搬送ベルト10の搬送面を挟んで転写部材(不図示)が配置されている。各感光体ドラム14の周面上(像担持体上)に形成(現像)されたトナー像は、それらに対応する転写部材(不図示)で形成される転写電界によって、搬送されてきた転写材に発生した電荷に吸引されて転写材面に転写される。トナー像を転写された転写材は、圧着ローラと発熱ローラからなる定着部(不図示)でトナー像を紙面に熱定着され、機外に排出される。尚、転写搬送ベルト10は、C(CYAN)、Y(YELLOW)、M(MAGENTA)、K(BLACK)の各色トナーを一旦転写してから転写材に二次転写する構成の中間転写ベルトでも構わない。タンデム型カラープリンタは、C(CYAN)、Y(YELLOW)、M(MAGENTA)、K(BLACK)の各色ごとに、露光手段8と現像ユニット(不図示)を有している。このため、主走査倍率調整、主走査書き出し位置調整、副走査書き出し位置調整等を行なうために、不図示のパッチを描画し、パッチ情報をもとにレジストレーション調整が行なわれる。
上述のような画像形成装置において、複数レーザービームのビーム間位置ずれ、偏向走査露光装置のポリゴン軸倒れ、ポリゴン面倒れに伴う副走査露光位置ずれに起因する露光ムラがある。この露光ムラの直接的原因は、ポリゴン面毎に各々のビームが理想の副走査露光位置から微少量副走査方向前後に位置ずれを起こすことである。そして、ポリゴン面一周周期のポリゴン軸倒れによる正弦波状の濃度むら、ポリゴン面倒れによるランダムな濃度むら、及びビーム数周期の濃度むら、更にはそれらの周期のビートによる複雑な濃度むら等を引き起こす。なお、周期のビートとは、例えば、2つの周波数があるとすると、その周波数差分の低い周波数の揺らぎのことをいう。
このような濃度ムラを背景に、従来、複数レーザービーム位置ずれに関しては、2ビームレーザ、4ビームレーザを用いるか、複数個のレーザの場合は、精密な位置調整により位置ずれの無いように組立てることにより副走査位置ずれを抑えていた。また、偏向走査露光装置のポリゴン軸倒れ、ポリゴン面倒れに起因する副走査露光位置ずれに起因する露光むらの対策としては、ポリゴン軸倒れ、ポリゴン面倒れ精度規格を厳しく管理し、副走査位置ずれ量を抑える方法がとられている。
このように、高速化、高画質化のために、複数レーザービームのビーム間位置ずれ、ポリゴン軸倒れ、ポリゴン面倒れ精度規格は一段と厳しくなる方向にある。しかし、従来の複数レーザービームのビーム間位置ずれ、ポリゴン軸倒れ、ポリゴン面倒れ精度規格を厳しく管理する方法では、生産性が上がらないという問題がある。
上述の背景の基、特許文献1では副走査方向の走査ピッチd(主走査ライン間隔)が広い場合には半導体レーザーによる露光量を上げ、走査ピッチdが狭い場合には半導体レーザによる露光量を下げ、単位面積当たりの露光量を一定とする提案がなされている。
特開平04−200065号公報
しかしながら、特許文献1による露光量補正方法では、副走査位置ずれ量の変動が大きくなればなる程、半導体レーザーユニットに高性能が要求される。即ち、半導体レーザーユニットの広レンジでの出力特性及び高分解能などが要求され、半導体レーザーユニットのコスト高が避けられない。
また、特許文献1の露光量補正方法では、濃度むらを軽減するという点においてはある程度は有効に機能するが、精度に難点がある。以下、特許文献1ではなぜ精度に難点があるかを具体的に説明する。
図23は、レーザ露光量分布を副走査方向に見た図である。(a)は、解像度が600dpiであり、(b)は解像度が2400dpiである。図23において、レーザビームのドラム面上での露光スポットはガウス分布で近似され、副走査方向のスポット径(光量が中央の光量の1/(e^2)以上のスポットの大きさ)を(a)は70μm、(b)は50μmとした時の図である。図23(a)の解像度600dpiにおいては、スポット径に対して副走査方向のライン間隔が42.3μmと比較的大きいので、ガウス分布の裾が隣の画素1つ分を考慮すれば良い。これに対し、図23(b)の解像度2400dpiでは、スポット径に対して副走査方向のライン間隔が10.6μmと比較的小さく、ガウス分布の裾が4つ隣の画素にまで及んでおり、言い換えると注目した画素の前後、前々後、前々々後まで考慮する必要がある。隣との画素ピッチdが狭いからと露光量を小さくすると、4つ隣の画素まで影響を及ぼし、4つ隣の画素までは、相対的に露光量が小さくなる事になる。逆に、隣との画素ピッチdが広いからと露光量を大きくすると、4つ隣の画素まで影響を及ぼし、4つ隣の画素までは相対的に露光量が大きくなる事になる。このように、副走査方向の画素が相対的に密接している場合には、隣の画素との関係だけでは、露光量を設定することはできず、単位面積当たりの露光量を一定にするという補正制御は容易でないことがわかる。スポット径と解像度の関係は、スポット径が解像度(その解像度における副走査方向の走査ピッチd)のSQRT(2)より大きい場合には、隣の隣の画素の裾の効果を考慮しなければならない。高画質化に向けて、スポット径を小さくせずに解像度を上げるとこの傾向は顕著となる。
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたものである。レーザービームの副走査位置ずれから発生する濃度ムラを、レーザービームによる露光量補正により、効率よく抑制することを目的とする。
上記目的は本発明に係るカラー画像形成装置において達成される。要約すれば、レーザービームを出射する発光手段と、前記発光手段により発光されるレーザービームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向されるレーザービームにより像を形成する像担持体とを有し、前記レーザービームを回転多面鏡により偏向し像担持体上に像を形成する場合に、前記像担持体上におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する副走査方向の露光量変動による濃度ムラを抑制する画像形成装置において、前記副走査方向の露光量変動における、含まれる高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれたを除くようにするフィルタ処理により得られた低周波成分の露光量変動を抑制するよう露光量を補正する露光量補正手段を有することを特徴とする。或いは、レーザービームを出射する発光手段と、前記発光手段により発光されるレーザービームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向されるレーザビームにより像を形成する像担持体とを有し、前記レーザービームを回転多面鏡により偏向し像担持体上に像を形成する場合に、前記像担持体上におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する副走査方向の露光量変動による濃度ムラを抑制する画像形成装置において、前記副走査方向の露光量変動における、高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれた低周波成分の露光量変動を制御対象とし、当該制御対象の前記低周波成分の露光量変動を抑制するよう露光量を補正する露光量補正手段を有し、前記露光量補正手段によって補正された露光量変動における高周波成分の振幅は、前記露光量補正手段によって補正された露光量変動における前記低周波成分の露光量変動の振幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、レーザービームの副走査位置ずれから発生する濃度ムラを、レーザービームによる露光量補正により、効率よく抑制出来る。これにより、露光ユニット出力の広レンジ化、高分解能化、それに伴うコストアップを抑制できる。
以下、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
図1は本実施例におけるマルチレーザービームを回転多面鏡により偏向し像担持体上に像を形成する場合の、副走査方向の露光量変動による濃度ムラを抑制するプリンタのブロック図である。各ブロックは、互いに情報の読み書きを可能な形態で接続されている。
123はプリンタエンジンコントローラで、不図示のコントローラで作成された画像メモリをもとにデータを所定のタイミングで露光手段8に送出しレーザで描画し印字を行なう。図1において、エンジンコントローラ123内の121は、CPUでエンジン内部の制御を司るものである。CPUのエンジン制御には、前述露光のタイミングを制御する他、不図示の給紙制御、不図示の搬送駆動制御、不図示の高圧制御、不図示の定着制御などが含まれる。尚これらの制御の詳細は本発明の主旨とは異なるので省略し、図1は主に露光量補正制御まわりを抽出したブロック図となっている。
ここで露光量の文言を定義する。露光量とは、露光面におけるレーザ照射の時間積分値であり、露光量を調整するためには、露光時間を調整するPWM(Pulse Width Modulation)方式、輝度量を調整する輝度変調方式がある。なお、輝度には量の意味が含まれ、輝度量のことを単に輝度と呼ぶことができるが、以下では、輝度量の言葉を用いて説明を行なっていく。本発明は、輝度変調方式、PWM方式、輝度変調とPWMを複合したハイブリッド変調方式でも適用可能であるが、以下の各実施例の説明では、輝度変調方式を例に説明を行うこととする。
露光手段8内の7は、ビーム検出器(以下BDと示す)でポリゴン面が替わるごとに、主走査方向の書き出し位置を特定し、主走査同期を行なうものである。ポリゴン面が替わるごとに1発の信号を送出するので、ポリゴン面数カウンタ103と組み合わせる事で、ポリゴン面数周期の信号を生成する事ができる。ポリゴン面特定手段111は、図22(b)のように、指標と反射型センサを用いずに構成した例であり、詳細は後述する。副走査ずれ量検出手段101は、予め組立て工程等で面毎の副走査ずれ量を測定しEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等に記憶している。EEPROMは不図示であるが、この副走査ずれ量検出手段101に含めてもよい。例えば後述で説明する図11(a)、図15(b)等がこの副走査ずれ量検出手段101に記憶させることが出来る。尚、露光手段8は、タンデム型カラープリンタの場合、C(CYAN)用8−C、Y(YELLOW)用8−Y、M(MAGENTA)用8−M、K(BLACK)用8−Kの4色分備える。
ここで図11(a)を用いて副走査ずれ量について詳しく説明する。図11(a)は、2400dpi、4ビーム、12面ポリゴン、スポット径50μmの光学系を用いた場合の副走査方向における露光量補正設定の一例を示す。ポリゴン面毎、4ビームの隣り合う副走査ビーム位置が露光面上で、図11(a)に示す値だけずれていた場合の計算例である。図11(a)では、例えば1面目のD1の値が0.15μmとなっている。
ここで、図11(a)に示される設定は、予め画像形成装置の組立て工程等で回転多面鏡の面毎の副走査ずれ量を測定しEEPROMに記憶させても良いし、プリンタによる測定結果をEEPROMに記憶させるようにしても良い。
図11(a)における値は、理想の位置からのずれ量を示す。ゼロが理想の位置であり、+に数字が大きくなると次のラインに近づき、−に数字が大きくなると前のラインに近づくことを示す。図11(a)によると、ポリゴン面毎のずれだけでなく、4ビームの隣り合う副走査ビーム位置もずれていることがわかる。これは、図12に示すように、4ビームを形成する際、図12(a)の4ビームレーザが高価であるため、図12(b)の低価格の2ビームレーザを2個組み合わせて使用したために発生した例である。つまり、図12(b)のように低価格の2ビームレーザを複数個組み合わせて使用する場合、光学的な調整が精密になされていないと、隣り合うビーム間の副走査位置もずれてしまうことがある。本発明では低価格の2ビームレーザを複数個組み合わせて使用する場合にも、適正に補正可能だということを示すことができる。
再び図1の説明に戻る。補正輝度量算出手段110は、スポット径と解像度とポリゴン一周周期のライン数N(ポリゴン面数n、同時書き込みビーム数lの場合は、N=n*l)とポリゴン面毎の副走査ずれ量をもとに露光量補正に係わる情報を算出する。また、この算出結果(輝度量補正係数x(N))が補正輝度量記憶手段124に記憶されている。ここで、例えば、x(1)は、1面1ライン目の補正輝度係数を、x(4)は2面lライン目の補正輝度係数を意味する。また、算出結果の一例が後述で詳しく説明する例えば図11、図14、図18等に示されている。輝度量の算出では、輝度量算出用LUT112を参照しながら、n元一次方程式を作成し、最適解を算出し、その後ヒトの視覚感度に合わせた補正が行われる。詳細は後述する。
輝度量算出用LUT112は、図4に示すように、ガウス分布の標準偏差値σと確率分布(面積)をあらかじめ算出してROM(Read Only Memory)等に記憶されたものである。図4の表は、標準偏差σ=−∞からの確率分布(面積)が記され、ある領域の確率分布(面積)を算出するには、σの大きい方の確率分布(面積)から、σの小さい方の確率分布(面積)を差し引けは容易に算出できる。たとえば、スポット径の露光量の割合は、
Sspot=S(SQRT(2))−S(−SQRT(2))
=0.9213−0.0787
=0.8426
と容易に算出できる。
図4では、分解能を0.1きざみで示したが、実際はスポット径と副走査ずれ量の分解能に応じた分解能で記憶する必要がある。例えば、スポット径50μmで、副走査ずれ量の分解能を約0.1μmとすると、標準偏差値σの分解能は、0.006きざみにする必要がある。露光量設定手段102は、補正輝度量記憶手段に記憶された輝度量補正係数x(N)を読み出し補正輝度量算出手段110が算出した輝度量によりポリゴン面毎の輝度量を設定を行う。
再び図1の説明に戻る。低周波成分抽出手段113は、副走査方向の総露光量変動における高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれた低周波成分の総露光量変動を求める為の部位である。後述の図7或いは図16に示される機能をこの低周波成分抽出手段113は備える。この低周波成分の抽出によりレーザーユニット61の出力レンジを小さくできる。また、目標露光量設定手段104は、ポリゴン面数カウンタ103からのポリゴン面情報と露光量設定手段102から設定された露光量よりポリゴン面に応じた実際のレーザ発光の目標露光量を設定する。例えばとD/Aコンバータ(Digital to Analogc Converter)等から目標露光量設定手段104を構成できる。106は、APC(Auto Power Contol)で、レーザ光量モニタ用フォトダイオード105のモニタ光量を参照してレーザ1に設定された露光量のパワーを一定量に制御する。108は、PWMで、画像メモリ122より所定のタイミングで送出される画像情報を、多値濃度に応じたPWM値にレーザ露光のための信号として変換し、電流源107、ドライバ109を介して、レーザ1を発光させる。上記説明のうち、104、106、107、109は、輝度変調機能付レーザドライバ51で通常ICの形態をとる。尚PWMは、Pulse Width Modulationの略語である。
また、レーザドライバ51、レーザ1、レーザ光量モニタ用フォトダイオード105でレーザユニット61を構成する。マルチレーザービームユニットの場合は、レーザユニット61が複数個設置され、本実施例では、4個のレーザビームユニットを設置した場合を示し、レーザユニット61−a、61−b、61−c、61−dからなる。レーザユニットが複数個設置された場合には、PWM(Pulse Width Modulation)108を実際に駆動するレーザユニット61に振り分けるn段レーザドライバ切替SW71を有する。また、PWM108は複数個のレーザユニットに接続され、複数個のレーザーユニットを同時駆動することも可能であり、通常はこの形態をとる。補正輝度量記憶手段124には、輝度情報である回転多面鏡の面毎の各ラインの輝度量補正係数x(N)が記憶されている。4色分レーザーユニット61がある場合には(N×4)分のx(N)が補正輝度量記憶手段124に記憶されている。露光量設定手段102は124から読み出される輝度量補正係数x(N)に基づきレーザユニット61を駆動制御する。
●ポリゴン面特定方法
続いて、図2、図3を用いて、ポリゴン面特定手段111によるポリゴン面の特定方法の一例について説明する。図2は、例えば10面を有するポリゴン面のポリゴン面毎のBD周期をグラフ化したものであり、横軸にポリゴン面を、縦軸にBD周期時間をプロットしたものである。このグラフより、ポリゴン面数周期(ここでは10面毎)の周期性が読み取れる。ポリゴン面毎にBD時間がばらつくのは、面の機械的な精度によるもので、モータ制御などに起因する長周期のジッタを有するものの、ポリゴン固有の情報を有する。図22(b)に示す指標なしに、ポリゴン面を特定するには、ポリゴン面数周期のポリゴン面毎の周期時間変動の特徴を利用する。ポリゴン面毎の周期は、長周期のジッタが重畳され、全体にBD周期時間は揺らいでいる。長周期のジッタの原因は、温度変動、電圧変動などがあり、これにより、BD周期は常に長周期の揺らぎを持っている。これに、ポリゴン面精度による、ポリゴン一周周期の揺らぎが重畳される。よって、ポリゴン面毎のBD時間差で評価したほうが、ポリゴン面毎の特徴量を抽出しやすい。本実施例では、前のポリゴン面のBD周期との差分値をとることで、前記長周期のジッタ分は差し引かれ、ポリゴン面周期の特徴を抽出する事ができる。この差分値とともに、ずれ量を記憶してもいいが、ここでは、差分値を積算し積算差分とし、積算差分の平均値を差し引く事で、BD周期の特徴量を抽出した。平均値を差し引く理由は、積算差分の平均値分のオフセットを持っているので、積算差分のオフセットを取り除くためである。(積算差分)−(平均)は、図2のグラフに対応し、図3では、この値が一番小さいものを1面ポリゴン((1))とした。(積算差分)−(平均)の算出結果において、値の小さい候補が複数個ある場合でも、特徴量として、(積算差分)−(平均)をLUTに記憶しているので、参照比較すれば、対応をとることは容易である。このLUTには、BD周期の特徴量である(積算差分)−(平均)とともに、工程等で測定したポリゴン面毎の絶対ずれ量が記憶されている。特徴量を抽出する事により、1面ポリゴン((1))を特定でき、ポリゴン面数カウンタ(10面の場合は、10進カウンタ)を用いる事により、どのポリゴン面であるかを特定できる。ポリゴン面毎の絶対ずれ量がLUT内に記憶されているので、特定されたポリゴン面とそのポリゴン面との絶対ずれ量の対応は容易に可能である。図3において、〇印で示したように、(積算差分)−(平均)とともに絶対ずれ量を記憶する方法を説明したが、△印で示すように、差分とともに1面ポリゴン((1))を基準にした副走査方向のずれ量を記憶しても構わない。ポリゴン面を切り替えて、次々に走査する走査露光系では、絶対位置は特に意味をなさないからである。隣の面との相対的なずれ量として記憶しても何ら差し支え無い。また特徴量をアナログ的な時間として記憶する例を示したが、例えば、差分値がマイナスの時には11、差分値がプラスの時には00、変わらない時には01などとコードで記憶するなどの数々の変形は可能である。すなわち、本実施例では、ポリゴン面毎のBD周期に起因する特徴量とともに、副走査ずれ量を記憶する事により、容易にポリゴン面と副走査ずれ量の対応が可能であることを示した。尚、本実施形態は上述のポリゴン面特定方法に限定されるものではなく、図22(a)に示す指標を用いたポリゴン面特定方法を採用しても良い。
●ガウス分布を考慮した副走査方向のずれと露光量分布
続いて、副走査方向の露光量変動が、注目主走査ラインから連続して露光される複数の主走査ラインの露光影響に基づくものであることを具体的に説明する。ここで注目主走査ラインから連続して露光される複数の主走査ラインとは、現在走査(注目)している主走査ライン(注目主走査ライン)の次に描かれる主走査ライン、更にその次に描かれる主走査ライン等を指す。また、現在走査してい注目主走査ラインの前に描かれた主走査ライン或いはその更に前に描かれた主走査ライン等のことを指しても良い。図5は、例えば1200dpi(副走査ピッチ21.2μm)、スポット径70μmの副走査位置ずれが無い場合の、走査ラインごとの露光量を算出したものである。S0は、現在描画している走査ラインの露光量であり、S1mは一ライン前のライン、S2mは二ライン前のライン、S1pは一ライン後のライン、S2pは二ライン後のラインの露光量を示す。図5(a)は分布図で、図5(b)は算出結果である。露光量の算出には、図4のガウス分布のσ−面積対応表を使用する。
露光量をガウス分布関数 f(σ)=1/exp((σ^2))で表すとスポット径は、中心の輝度の1/e^2となる領域であるので、σは−SQRT(2)から+SQRT(2)に対応する。スポット径N(μm)の時の副走査ピッチM(μm)のσは、比例関係より、M/N×SQRT(2)により求められる。例えば、σが、−SQRT(2)から、+SQRT(2)にスポット径70μmを対応させた場合、1200dpiは副走査ピッチが21.2μmであるので、σ=−0.4276からσ=0.4276までを計算すればよく
S0=S(0.4276)−S(−0.4276)
=0.3311
と計算でき、同様に
S1m=S(−0.4276)−S(−1.2828)=0.2347
S1p=S(1.2828)−S(0.4276)=0.2347
S2m=S(−1.2828)−S(−2.138)=0.0835
S2p=S(2.138)−S(1.2828)=0.0835
と計算できる。
よって、例えば1200dpi(副走査ピッチ21.2μm)、スポット径70μmの場合、現在描画しているラインの隣のラインに約23%、隣の隣のラインに約8%露光(露光影響)していることが分かる。
一方、図6は副走査方向に−2.0μmずれた時の露光量を算出したものである。図6(a)は分布図で、図6(b)は算出結果である。なお、1200dpiの前提は図5で説明した通りとする。ここで、2.0μmは、
σ=2*2*SQRT(2)/70=0.0808に相当するので、
S0=S(0.4276+0.0808)−S(−0.4276+0.0808)
=0.3301
と計算でき、同様に
S1m=S(−0.3468)−S(−1.2020)=0.2497
S1p=S(1.3636)−S(0.5084)=0.2119
S2m=S(−1.2020)−S(−2.057)=0.0949
S2p=S(2.2188)−S(1.3636)=0.0731
と計算できる。副走査位置がマイナス側にずれているので、前のライン側に露光量がシフトしているのが分かる。
このように、スポット径と分解能と副走査ずれ量がわかれば、図4の標準偏差と確率分布(面積)の表を用いる事で、注目主走査ラインから連続して露光される複数の主走査ラインの露光影響を加味出来る。また、現在描画(注目)している主走査ラインから連続して露光される主走査ラインのみならず、その前に連続して露光された主走査ラインの露光影響も加味出来る。つまり、現在描画(注目)している主走査ラインの前後の主走査ライン、前々後々の主走査ライン等の露光量が容易に算出できる。そして、スポット径と分解能と副走査ずれ量がわかれば、現在描画(注目)しているライン、前後のライン、前々後々のライン等の露光量などから、副走査ピッチ(例えば、2400dpiの場合10.6μm)ごとの正確な総露光量が算出可能となる。
●ヒトの視覚感度
ここで、図7にヒトの視覚感度特性を示す。図7(a)において、横軸は視野角あたりの濃淡縞の本数、縦軸は視覚感度の相対値で最大1.0で正規化したグラフである(ここで、濃淡縞のひとつのパターンで1本とカウントする)。つまり、ヒトの視覚感度は、視野1度あたり5〜6本の濃淡縞に対して一番感度が高く、それより空間周波数が低くても感度は鈍り、それより空間周波数が高くても感度が鈍ることが分かる。次に、図7(b)に実際にプリントしたときのラインピッチと視覚感度特性を示す。
図7(b)は、同様に、横軸にラインピッチn[Line/mm]、縦軸に視覚感度の相対値で最大1.0で正規化したグラフである(ここで、ラインピッチも黒白の2本のパターンで1[Line/mm]とカウントする。実際の分解能はn[Line/mm]の場合、2*n[Line/mm]が必要となる)。但し、視野角は、プリントされた画像上での同一ラインピッチでもヒトの目とプリントされた画像までの距離によって変るので、プリントされた画像までの距離が、573mmの場合と286mmの場合の例を示す。
この視覚特性曲線上に、例えば、図8のような、2400dpi、12面ポリゴン、4ビーム同時露光のレーザスキャナでの描画を想定して、4×12=48ライン周期、及びその1/2周期、1/3周期の感度をプロットした。ヒトがプリントされた画像を見るとき、通常30cmくらい離して見るので、286mmの場合の特性曲線から判断すればよい。これによると、ポリゴン1周の48ライン周期は感度が高く、濃淡の変化を敏感に感じとることが分かる。ポリゴン1周の48ライン周期の2倍の周波数である24ライン周期、3倍の周波数である16ライン周期と空間周波数を上げていくにつれて感度は鈍り、16ライン周期より空間周波数が高くなるとほとんど感度がなくなることが分る。このことからも16ライン周期まで考慮すれば充分であることが考察できる。16ライン周期、すなわち、25.4mm/2400*16=0.166mmピッチ(6Line/mm)より高い空間周波数は、ヒトの目の分解能が落ち、弁別不可能となるので、副走査ずれによって発生する濃淡の微調整は不要ということである。しかしながら、2400dpiの場合、16ラインまとめた周期の濃淡は、まだ弁別能力があるので副走査ずれによって発生する濃淡の補正が必要であることが分かる。
このことは、16ライン周期より充分高い空間周波数でローパスフィルタ処理(例えば、4ラインごとの露光量の移動平均化処理)を施しても実質的に問題が無いことを示す。言い換えれば、少なくとも最高周波成分の露光量変動は補正対象とする必要がないことがいえる。副走査方向の露光量変動のうち、低周波数成分の露光量変動(低周波露光量変動)を略一定/一定にすれば、例えば図10に示される総露光量の波を直接抑制するような補正方法に比べて効率よく濃度ムラを補正できる。なお、略一定とは、濃度ムラをユーザが見て目立たなくなるような程度に、低周波成分の露光量変動をおおよそ一定することを指す。勿論、低周波成分の露光量変動を完全に一定にしても良いが、ユーザが見て目立つ濃度ムラを抑制するには、必ずしも、完全に一定にする必要はない。従って、本実施例におていは、この露光量を略一定と表記するかあるいは一定と表記するかについて、得られる効果を考慮すると実質的差異はなく、以下の説明での略一定及び一定の言葉の使い分けは特に意味をなさない。
図9に本実施例で適用した4ライン移動平均のFIR(Finete Impulse Response)フィルタのブロック図と周波数特性とを示す。無論、本発明は4ライン移動平均に限定されるものではないが、以下では4ライン移動平均を採用した場合を説明する。図9(a)は、フィルタブロック図であり、専用の回路を用いて構築してもよいし、ソフトウェアプログラミングにより構築しても良い。z−1は遅延素子を表す。4ライン移動平均は、次々に入力されるデータを過去4個分までずつ加算し、4で割って平均化処理をすることである。図9(b)に、4ライン移動平均のFIR(フィルタの周波数特性のゲインと位相のグラフを示し、図9(c)に、ゲインの表を示す。この表から、4ライン移動平均のFIRフィルタでは、4ライン周期、つまり11.8[Line/mm]の時にゲインが0(−∞dB)に減衰し、このライン数周期の濃淡を効果的に減衰させることができることを示している。この図9に示されるFIRフィルタにより、高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれた低周波成分の露光量変動を抽出することが可能となる。
図9に示されるローパスフィルタにより、光量の調整レンジを小さくすることが可能となる。また、これに伴い輝度変調機能付レーザドライバ51(レーザーユニット)の分解能を、例えば、従来12ビット必要であったところを8ビットに、或いは従来10ビット必要としていたものを6ビットなどに大幅に低減することが可能になる。これにより、レーザーユニット61のコスト低減に効果を発揮する。
●露光量補正処理
図13は、本実施例のフローチャートであり、エンジンコントローラ123のCPU121、或いは外部に設けられた別のCPU、或いはそれらCPUとその他のハードウェアが協働することが実行される。本フローチャートを用いてポリゴン面と複数ビーム毎の副走査ずれ量から、各々のポリゴン面と複数ビーム毎の輝度量(露光量)を算出する方法の一例を説明する。
図13において、S201はこのフローの開始を示す。S202は、初期データを入力する処理で、スポット径Sp(μm)、分解能P(dpi)、ポリゴン一周周期のライン数N(Line)、標準輝度量L(mA)、輝度量補正係数制限値Kl(倍)、輝度量誤差適正判断指数Ke、輝度量考慮指数Ksを入力する。ポリゴン一周周期のライン数N(Line)算出のために、4(ビーム)レーザ、12(面)ポリゴンを使用した例を以下詳細に説明する。
実施例では、
Sp=50(μm)
P=2400(dpi)
l=4(ビーム)
n=12(面)
N=4(ビーム)*12(面)=48(Line)
Kl=1.3(倍)
Ke=0.02
Ks=2.0
とする。ここで、輝度量補正係数制限値Klは、輝度量補正係数が1.3倍もしくは、1/Kl=0.77を超えると補正輝度量が適正にできないと判断して、例外処理として、処理を打ち切るか、補正量を制限値に張り付ける処理をするためのものである。輝度量誤差適正判断指数Keは、たとえば、副走査ピッチごとの輝度量の変動幅がKe=0.02(2%)以内に算出されれば、補正係数が適正であると判断し処理を終了するための判断指数である。輝度量変動を抑えたい場合は、輝度量誤差適正判断指数Keの値を小さくすれば良い。輝度量考慮指数Ksは、標準偏差σを|σ|≦2.0まで露光量を考慮するというもので、この場合スポット径のSQRT(2)=1.414倍まで考慮することになる。
S203は、関連係数算出を行なう処理で、補正輝度量算出手段110により行われる。ここでは、スポット径と輝度量考慮指数と分解能より何ライン前後の露光量まで考慮するかを算出するところである。露光量考慮幅は、
50*1.414=70.71(μm)であり、副走査ピッチは、25.4/2400*1000=10.6(μm)であるので、
z=roundup(70.71/10.6,0)=roundup(6.67,0)=7(個)で、7個のラインを考慮すればよいことがわかる。つまり、現在描画しているラインと前後のライン、前々後のライン、及び前々々後のラインの露光量を考慮して露光量を算出すればよいことがわかる。
S204はずれ量を入力する処理で、図1の副走査ずれ量検出手段101により行われる。ポリゴン一周周期のライン数N(Line)の場合は、N(個)のずれ量データが入力される。各ラインごとのずれ量は、例えば、lv(1)、lv(2)・・・、lv(48)(μm)と入力される。入力される値の例が例えば後述の図11の(a)に示されている。
S205は計算式作成の前処理である。図1の補正輝度量算出手段110により行われる。ここで、各ラインの輝度量補正係数x(N)、各ラインの総露光量SumS(N)、現在Nラインで描画による現在ラインの露光量S0(N)とする。総露光量SumS(N)、露光量S0(N)は図5、6で説明した変数と同様のものを指す。また、一ライン前の露光量S1m(N)、二ライン前の露光量S2m(N)、三ライン前の露光量S3m(N)、一ライン後の露光量S1p(N)、二ライン後の露光量S2p(N)、三ライン後の露光量S3p(N)とする。ここでの変数も図5、6で説明した変数と同様のものとする。すると、
SumS(1)=x(46)*S3m(46)+x(47)*S2m(47)+x(48)*S1m(48)+x(1)*S0(1)+x(2)*S1p(2)+x(3)*S2p(3)+x(4)*S3p(4)・・・・・1ライン目によるSumSの式
SumS(2)=x(47)*S3m(47)+x(48)*S2m(48)+x(1)*S1m(1)+x(2)*S0(2)+x(3)*S1p(3)+x(4)*S2p(4)+x(5)*S3p(5)・・・・・2ライン目によるSumSの式
SumS(3)=x(48)*S3m(48)+x(1)*S2m(1)+x(2)*S1m(2)+x(3)*S0(3)+x(4)*S1p(4)+x(5)*S2p(5)+x(6)*S3p(6)・・・・・3ライン目によるSumSの式
・・・・
SumS(48)=x(45)*S3m(45)+x(46)*S2m(46)+x(47)*S1m(47)+x(48)*S0(48)+x(1)*S1p(1)+x(2)*S2p(2)+x(3)*S3p(3)・・・・・48ライン目によるSumSの式
という四十八元一次方程式ができる。この式の中で、S3m(N)、S2m(N)、S1m(N)、S0(N)、S1p(N)、S2p(N)、S3p(N)の7*48個の露光量に関しては、スポット径と分解能とずれ量の関係から算出可能な既知数である。ここで、SumS(1)〜(48)を線で結ぶ或いは近似することで、例えば、図10(a)に示される総露光量の波を得ることが出来る。実際には、この図10(a)に示される総露光量の波に含まれる、視覚感度において人間に敏感な、低周波成分の総露光量ムラが濃度ムラ(所謂バンディング)となってあらわれる。一方、図中で細かい波として示される高周波成分の波は人間の視覚特性として鈍感な露光量ムラとなってあらわれる。本実施例では副走査方向の露光量変動における高周波成分が抑えられた或いは除かれた低周波成分の露光量変動を抑制するよう露光量を補正する。より具体的には、低周波成分の総露光量ムラを抽出し一定/略一定に露光制御することで、効率よく濃度ムラを抑止/抑制することが出来る。
尚、実施例1では、面毎の輝度量を同一量/略同一量として処理を行う。そこで、
x(1)=x(2)=x(3)=x(4)
x(5)=x(6)=x(7)=x(8)
・・・
x(45)=x(46)=x(47)=x(48)
と置くこととする。なお、マルチレーザービームの輝度量を面毎に同一量/略同一量に必ずしもする必要はなく、各レーザービームの輝度量を個別に調整しても良い。この場合x(1)〜x(48)を異なる値として四十八元一次方程式を扱うことになる。
次に、S206で上述の式に、更に、LPFを適用した新たな算出式を導出する。このS206の処理は図1における低周波成分抽出手段113により行われる。図9の4ライン移動平均をとった総露光量を、LPFS(N)とおくと、
LPFS(1)=(SumS(46)+SumS(47)+SumS(48)+SumS(1))/4
LPFS(2)=(SumS(47)+SumS(48)+SumS(1)+SumS(2))/4
・・・
LPFS(48)=(SumS(45)+SumS(46)+SumS(47)+SumS(48))/4
という四十八元一次方程式ができる。ここで、LPFS(1)〜(48)を線で結ぶ或いは近似することで、例えば図10(a)に示される総露光量(4ライン平均)の線を得ることが出来る。図10(a)に示される補正後の露光量変動における高周波成分の振幅は、補正後の露光量変動における低周波成分の露光量変動の振幅よりも大きい。場合によっては、n倍(nは2以上の整数)以上大きい。これは、補正前の露光量変動における高周波成分の振幅が、感光ドラム14におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する濃度ムラを抑制する為の、直接的な制御対象となっていないからである。
さらに、最適解算出終了の判断をするための指標Er=Max(LPFS(1:48))−min(LPFS(1:48))とおき、副走査ピッチごとの露光量(移動平均)の最大値と露光量(移動平均)の最小値の差をErに代入する式を立てる。
S207は計算初期値を設定する処理で図1の補正輝度量算出手段110により行われる。例えば、x(1)、x(2)、x(3)・・・x(48)に全て1.0を代入しても構わない。或いは、ずれ量相対値から、予め隣との間隔が大きい所は1.05、ずれ量相対値から、予め隣との間隔が小さいところは0.95等を設定しても構わない。初期値の設定は、以下の処理で最適値を算出する際の処理時間に関係するので適正な値を設定するのが望ましい。ずれ量の相対値は、前隣、後ろ隣だけの関係だけでなく、前後の隣との関係であるので注意を要する。例えば、前との相対位置が副走査ピッチの1.10倍(11.7μm)、後ろとの相対位置が副走査ピッチの0.98倍(10.4μm)の場合、前のラインとはピッチが広いが、後ろのラインとは、ピッチが狭い。この場合は、根自乗和が、SQRT(2)=1.414と較べて大きいか小さいかで判断しても良い。この場合は、SQRT(1.1^2+0.98^2)=1.473>SQRT(2)であるので、ピッチは広いと判断して構わない。根自乗和の大小に応じて初期値を適正に与えることは、最適値算出の処理時間を短くできるので望ましい。
続いて、S208は、輝度量補正が適正範囲内かどうかを判断する分岐である。このS208の処理及び後述のS209乃至213の処理は、図1の補正輝度量算出手段110により行われる。
S211以下の処理は、最適解探索の結果、輝度量が適正量であるところの範囲、0.77<x(N)<1.3を逸脱していないかを判断する分岐である。輝度量補正倍率x(N)が1つでも、Klまたは、1/Keを超えた場合は、分岐判断は『No』となり、S209の処理に進む。S209では、輝度量補正不可を報知して、S210で処理を終了する例を示した。他の例として、輝度量補正倍率がKlまたは、1/Keを超えた時点で、Klまたは、1/Keに張り付かせて最適解探索を継続するという方法もある。輝度量補正倍率x(N)が1つでも、Klまたは、1/Keを超えていない場合は、分岐判断は『Yes』となり、S210の処理に進む。
S211は、処理S213とともに、x(1)からx(48)の最適解を探索する処理である。例えば、Max(LPFS(1:48))を探し、Max(LPFS(1:48))=LPFS(i)であれば、LPFS(i)を大きくしている代表的なx(i)を0.99倍する。また、min(LPFS(1:48)を探し、min(LPFS(1:48))=LPFS(i)であれば、LPFS(i)を小さくしている代表的なx(i)を1.01倍するなどして最適値を探索する。
そしてここで求められた値に基づき図11(b)等に示される露光量補正(輝度量補正)に係わる設定である輝度情報の設定がなされる。図11(b)には、輝度情報が、面毎、且つ、マルチレーザービームにおけるビーム毎に補正輝度量記憶手段124に記憶されていることが示されている。そして、エンジンコントローラ123は、このx(1)からx(48)の最適解に基づき、レーザユニット61を駆動する。なお、図11(b)に示される例では、ポリゴン面毎、且つ、マルチレーザービームにおけるビーム毎に、レーザービームの輝度を決定する為の情報が全て示されているが、必要な時にその都度リアルタイムで計算しても良い。また、前の値との差分を記録しておく等、輝度を特定できれば様々な形態の値の設定が想定され得る。
S212は、輝度量が適正であるかを判断する分岐処理である。例えば、Er=Max(LPFS(1:48))−min(LPFS(1:48))を計算し、Er−1<Ke=0.02であるかを判断し、Er−1が0.02以内であれば、分岐の判断は『Yes』となり、S214で処理を終了する。Er−1が0.02を超えていれば、分岐の判断は『No』となり、S213の処理に進む。S213は、輝度量を変更する処理であり、先ほどのS211の処理の最適解を探索するために、輝度量を実際に変更する処理である。S208から、S211、S212、S213を繰り返す事により最適解を探索する事ができる。
なお、図13のフローチャートでは、各ステップの処理を図1に示されるプリンタにより行わせる例を主に説明したが、本発明はこれに限定されず、図13のフローチャートをプリンタの組立て工程時に事前に行っても良い。また、組立て工程時には、プリンタ以外の装置に図13のフローチャートの処理を行わせ、その結果を補正輝度量記憶手段に記憶させておいても良い。そのような形態を取った場合にも、同様に、出力の広レンジ化に伴うレーザーユニット61のコスト高を抑えることが出来る。
●露光補正の効果
一方、図10(b)は、本発明人が特願2006−299387の提案により補正した場合の副走査方向の総露光量を示した図である。図10(b)によれば、4ライン移動平均化処理した副走査総露光量も、4ライン移動平均化処理を施さない副走査総露光量も平坦な一定露光量となり、より確実な補正ができていることがわかる。しかしながら、ひとつひとつのビームの露光補正量を見てみると、ビームDとビームAは輝度量が相対的に大きく、ビームCとビームBは輝度量が相対的に小さい事が分かる。これは、ビームC−D間、及びビームB−A間に較べ、ビームB−C間が狭いために、その副走査ずれ量を忠実に補正したためである。補正方法としては適切であるが、補正のためのコストを考えると適切ではない。つまり、ひとつひとつのビームの輝度量の補正量を大きく変動させなければならなく、また、精度よく補正するためには分解能も高くしなければならず、補正のためのレーザーユニットのコストが増大するという欠点がある。
一方、図10(c)において、輝度量をポリゴン面毎、ビーム毎に補正しない場合を示す。図10(c)によると、副走査方向の総露光量は、4ビームの副走査ずれの影響を受け4ビーム周期の露光量変動があり、また4ライン移動平均化処理を施した副走査方向の総露光量から、ポリゴン面周期の48ライン周期の低周波成分の露光量変動が読み取れる。言い換えれば、図10(c)の場合、レーザビームの主走査ライン間隔が理想値よりも狭いか、或いは広いかに起因する露光量変動が読み取れる。また、この低周波成分の露光量変動が、バンディング等の濃度ムラ抑制における制御対象となる。図7(b)のヒトの視覚感度から言うと、4ビーム周期の露光量変動より、むしろポリゴン面周期の低周波成分の露光量変動がヒトの目に敏感に作用する。
本実施例では、図10(a)に示すように、総露光量を一定にするのではなく、4ライン移動平均化処理を施した総露光量が略一定になるように補正する方法を提案する。図10(a)では、前述総露光量の計算をする際、4ライン移動平均化処理を施した総露光量も同時に計算し、4ライン移動平均化処理を施した総露光量が略一定/略一定になるようにひとつひとつのビームの輝度量を設定した。図10(a)の具体的な輝度量の設定例は、図11(b)を参照しても、4ライン移動平均化処理を施した総露光量が略一定となり、ヒトの視覚感度の敏感な空間周波数の濃淡むらの補正ができていることが分かる。これにより、輝度変調機能付レーザドライバ51の分解能を、例えば、従来12ビット必要としていたものを8ビットに、又は、従来10ビット必要としていたものを6ビットなどに大幅に低減することが可能になり、コスト低減に効果を発揮する。なお、算出方法については、実施例1で説明した通り、同様に図13のフローチャートを実行することとなる。
(実施例2)
上述の実施例において、面毎の輝度量を可変(面内の4つのビームの輝度量は同一)として、4ライン移動平均化処理を施した総露光量が略一定/一定となる実施例を示した。本実施例2では、面毎の輝度量、及び4つのビームの輝度量を可変として、これを前提に、4ライン移動平均化処理を施した総露光量が略一定/一定となる実施例を示す。
●露光補正分解能を落とした適用例の効果
図14(a)は、実施例2における、輝度量補正値(輝度情報)が、面毎、且つ、マルチレーザービームにおけるビーム毎に記憶されている。図14(b)は本実施例の露光量補正様子を示す図である。図14(a)に示したように、ひとつひとつのビームの分解能は、0.01きざみに落とし、各輝度量は面毎、ビーム毎に変動させる構成とした。輝度量補正方法としては、誤差拡散法などが適用可能である。つまり、輝度量の補正分解能を落としても、前後のビームの輝度量で補正分解能の誤差分を補うという方法である。本実施例2では、輝度量の補正分解能を落としても、4つのビームの輝度量を同一にしない構成とすることで、実施例1と同様に4ライン移動平均化処理を施した低周波成分の総露光量が略一定/一定とすることが出来る。これにより、実施例1と同様、ヒトの視覚感度の敏感な空間周波数の濃淡むらをレーザーユニット61のコスト削減し効率的に補正することが出来る。
(実施例3)
上述の各実施例では、単純な複数ライン移動平均で平均化処理を行ったが、本実施例では、FIRディジタルローパスフィルタの特性をヒトの視覚感度に似せて処理する例を示す。
図15(a)は、本実施例3に適用したレーザ光学系で描画した場合の出力画像イメージの略図で、5面ポリゴン、同時書き込みビーム数6、分解能1200dpi、スポット径50μmを適用した。図15(b)は、ポリゴン面倒れ、ポリゴン軸倒れ、複数レーザービームの位置ずれによって発生した正規の位置からの副走査ずれ量を、ポリゴン面毎、ビーム毎に表にしたものである。
つまり、このポリゴン面と同時書き込みビーム数の積である30ライン周期で濃淡むらが発生することになる。図15(c)は、前記30ライン周期の約数を全て列挙し、これによると、30ラインの他、15ライン、10ライン、6ライン、5ラインなどの周期の濃淡むらの発生の可能性のあることがわかる。しかしながら、ヒトの視覚感度によると、印字物から30cmほど離した状態で、6[Line/mm]以上の濃淡は感度が鈍り弁別不能となることから、30ライン、15ライン、10ラインの周期の濃淡を補正すればよいことが分かる。
●ディジタルフィルタの設計
本実施例3では、単純な移動平均ではなく、ヒトの視覚感度に似せたローパスフィルタを適用し、そのローパスフィルタ出力の総露光量が略一定/一定となる補正法を適用した。図16(a)は、6段FIRフィルタの構成例であり、図16(b)は、6段FIRフィルタのフィルタ特性を距離286mm離した時のヒトの視覚感度の特性と重ね、表示したものである。図16(c)は、各ポイントでの比較表である。
これによると、ヒトの視覚感度に類似したローパスフィルタを設計できていることがわかる。このFIRローパスフィルタを用い、図15(c)で列挙した、1.57[Line/mm]、3.15[Line/mm]、4.12[Line/mm]、7.87[Line/mm]などの濃淡むらをヒトの視覚感度を加味し同一の振幅に揃えることができる。このようにポリゴン一周期間の濃淡むらが所定量以下であるように補正を行えばよいことが分る。この図16に示されるFIRフィルタを用いることにより、より効果的に、高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれた低周波成分の露光量変動を抽出することが可能となる。
●露光量補正の効果
本実施例3では、副走査分解能のピッチごとの総露光量を略一定にするのではなく、ヒトの視覚感度に似せたローパスフィルタ後の総露光量が略一定となるようにポリゴン面、各ビームの計30ラインに相当する露光量を補正する。図17は、総露光量とローパスフィルタ後の総露光量を、ポリゴン面一周分、つまり30ライン分プロットしたものである。図17(a)は、本実施例、図17(b)は、本発明人が提案した特願2006−299387号公報を適用した例、図17(c)は何も補正しなかった場合の例である。図17(a)では、補正後の露光量変動における高周波成分の振幅は、補正後の露光量変動における低周波成分の露光量変動の振幅よりも大きい。場合によっては、n倍(nは2以上の整数)以上大きい。これは、補正前の露光量変動における高周波成分の振幅が、感光ドラム14におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する濃度ムラを抑制する為の、直接的な制御対象となっていないからである。また、図17(c)の場合には、レーザビームの主走査ライン間隔が理想値よりも狭いか、或いは広いかに起因する露光量変動が見られる。そして、この図17(c)に見られる、低周波成分の露光量変動が、バンディング等の濃度ムラ抑制における制御対象となる。
ここで、図18(a)、図18(b)に、図17(a)、図(b)の露光補正例のデータ(輝度情報)を示す。露光補正の分解能を上げなくても、補正が可能であることが分かる。
図19(a)では、本実施例と、本発明人が提案した特願2006−299387号公報を適用した例(従来例)とで、図18(a)、図18(b)のデータの比較をおこなった。なお、本明細における「従来例」の言葉は、従来より公知であることを指すものではなく、本提案よりも前になされた提案という意味で用いている言葉である。従って、この「従来例」の言葉をもって特願2006−299387号公報により本発明の新規性、進歩性を否定するものではない。
図19(a)によると、本実施例では、輝度量の最大値、最小値とも振れが小さくなっていることが分かる。また標準偏差も約70%程度に減り、輝度量をそれ程振らなくても、補正が可能であることが分かる。図19(b)では、従来例、本実施例、補正無しの3者について、総露光量、ローパスフィルタ後の総露光量のデータをまとめたものである。これによると、従来例は、総露光量、ローパスフィルタ後の総露光量もほとんど変動がないことが分かる。本実施例は、総露光量は変動はあるものの、ローパスフィルタ後の変動は、標準偏差は補正無しの約1/4に抑えられている。本実施例で詳細に説明したように、FIRディジタルローパスフィルタの特性をヒトの視覚感度に似せて処理したので、いろいろな周期の振幅をヒトの視覚感度を加味した同一の振幅に揃えることができ、より客観的にデータ処理を行うことが可能となる。本実施例を適用することにより、過度な精度での補正がいらなくなり、分解能をいたずらに高く設定しなくても、輝度量の補正が可能となった。本実施例に適用したFIRフィルタは一例であり、これにとらわれることなく種々のローパスディジタルフィルタが適用可能なことは言うまでも無い。
(実施例4)
上述の各実施形態では、2400dpi、4ビーム、12面ポリゴン光学系を用いた場合、1200dpi、6ビーム、5面ポリゴンの光学系を用いた場合等を例示してきた。しかしこれに限定されるものものではない。本発明は、レーザービーム数が、5ビーム、6ビーム、8ビームなどの複数レーザービームでも、もちろん適用可能である。また、ポリゴン面数も、6面、8面、10面などの面数でも、もちろん適用可能であり、分解能(解像度)が、4800dpi、2400dpi、1200dpi、600dpiでももちろん適用可能である。実施例4では、4800dpi、2400dpi、1200dpi、600dpiについて、それぞれ1例づつ示す。
●各分解能での適用例
図20(a)は、4800dpi、5面、8ビームの場合を示し、図20(b)は、2400dpi、10面、5ビームの場合を示し、図20(c)は、1200dpi、6面、6ビームの場合を示し、図20(d)は、600dpi、8面、4ビームの場合を示す。ポリゴン面一周のライン数は、ポリゴン面数と同時書き込みビーム数の積のライン数に相当し、それぞれ、40ライン、50ライン、36ライン、32ラインとなる。ポリゴン面一周のピッチは、それぞれ、0.212mm、0.529mm、0.762mm、1.355mmとなり、ポリゴン面一周の周波数は前記周期の逆数になる。286mm目から離した時の視覚感度は、それぞれ、0.176、0.838、0.982、0.937となる。表の一番最初の行は以上のように、ポリゴン面一周周期の周波数と視覚感度を算定することができる。次行以降は、ポリゴン面数と同時書き込みビーム数の積の約数を次々に代入して算定した数字である。つまり、ポリゴン面一周周期を基準の周波数として整数倍の周波数を全て表したものである。これは、ポリゴン面の面倒れ、複数レーザービームによる位置ずれがランダムに発生したと仮定した場合、とりうる全ての周波数を列挙したことになる。さて、この表を完成させると全ての視覚感度が算定される。本実施例では、ヒトの視覚感度が鈍くなる6[Line/mm]を超えるものは、視覚感度が0.076以下となり濃淡の弁別が不可能になるので、これ以上の周波数の濃度補正は必要ないとする。図20では、灰色で示した。図20において、それぞれ、40ライン周期、25ライン周期、9ライン周期、4ライン周期まで補正を行なえばよい。補正の算出方法は、上述の実施例で説明した算出方法が適用可能である。
本実施例4では、予め設定されている解像度、ポリゴン面数、同時書き込みレーザビーム数より、予め決定されているポリゴン面一周周期のピッチ(mm)内に存在する種々の周期の濃淡変動のうちヒトの視覚感度で敏感な周期の濃淡変動を対象に補正する。詳細に言えば、ポリゴン面一周周期のピッチ(mm)内には、ポリゴン面数と同時書き込みビーム数の積に相当するライン数があり、該積に相当するライン数の約数である複数種類のライン数の周期のピッチ(mm)が存在する。該複数種類のライン数の周期のピッチ(mm)の中で、特にヒトの視覚感度で敏感な周波数に対応する周期のピッチ(mm)を対象に補正を行う。これらの補正は周期の逆数である周波数がヒトの視覚感度で敏感な周波数、例えば6[Line/mm]以下であるように選べばよい。以上のように、様々な、解像度、ポリゴン面数、同時書き込みビーム数を特定の値に設定してたとしても、第1乃至第3実施例と同様の効果を得ることが出来る。
画像形成装置のハードウェア及び機能ブロックを示す図である。 ポリゴン面の特定方法の一例を説明する為の図である。 ポリゴン面の特定方法におけるずれ量に係わることを説明する為の図である。 ガウス分布のσ―面積対応表である。 副走査方向の位置ずれの無い場合のガウス分布を説明する為の図である。 副走査方向の位置ずれの有る場合のガウス分布を説明する為の図である。 人間の視覚感度を説明する為の図である。 2400dpi、12面ポリゴン、4ビーム同時露光のレーザスキャナでの描画様子を模式的に示す図である。 FIR(Finete Impulse Response)フィルタの一例を示す図である。 総露光量とレーザービーム出力の関係を説明する為の図である。 各ラインの副走査方向におけるずれ量、及び輝度量補正値の一例を示す図である。 マルチレーザービームを表す図である。 輝度量設定に係わる処理を示すフローチャートである。 実施例2における輝度量補正値の一例、及び輝度量補正様子を示す図である。 実施例3における輝度量補正様子の一例を示す図である。 実施例3におけるFIR(Finete Impulse Response)フィルタの一例を示す図である。 総露光量とレーザービーム出力の関係を説明する為の図である。 実施例3における輝度量補正値の一例と従来の輝度量補正値の一例を示す図である。 実施例3における輝度量補正値の一例と従来の輝度量補正値の一例を示す図である。 各解像度を適用した場合の各種値を説明する為の図である。 タンデム型カラー画像形成装置の構成を示す図である。 ポリゴン面を特定する手段を説明する為の図である。 スポット径と分解能(解像度)との関係を説明する為の図である。
符号の説明
1 レーザ
5 ポリゴンミラー
7 ビーム検出器(BD)
8 露光手段
9 副走査ずれ量検出手段
10 転写ベルト
14 感光ドラム
20 濃度変動検出手段
101 副走査ずれ量検出手段
102 露光量設定手段
103 ポリゴン面数カウンタ
104 目標露光量設定手段
110 補正輝度量算出手段
111 ポリゴン面特定手段
112 輝度量算出用LUT
113 低周波成分抽出手段
124 補正輝度量記憶手段

Claims (8)

  1. レーザービームを出射する発光手段と、前記発光手段により発光されるレーザービームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向されるレーザービームにより像を形成する像担持体とを有し、前記レーザービームを回転多面鏡により偏向し像担持体上に像を形成する場合のに、前記像担持体上におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する副走査方向の露光量変動による濃度ムラを抑制する画像形成装置であって、
    前記副走査方向の露光量変動における、含まれる高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれたを除くようにするフィルタ処理により得られた低周波成分の露光量変動を抑制するよう露光量を補正する露光量補正手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. レーザービームを出射する発光手段と、前記発光手段により発光されるレーザービームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向されるレーザビームにより像を形成する像担持体とを有し、前記レーザービームを回転多面鏡により偏向し像担持体上に像を形成する場合に、前記像担持体上におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する副走査方向の露光量変動による濃度ムラを抑制する画像形成装置であって、
    前記副走査方向の露光量変動における、高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれた低周波成分の露光量変動を制御対象とし、当該制御対象の前記低周波成分の露光量変動を抑制するよう露光量を補正する露光量補正手段を有し、
    前記露光量補正手段によって補正された露光量変動における高周波成分の振幅は、前記露光量補正手段によって補正された露光量変動における前記低周波成分の露光量変動の振幅よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記低周波成分の露光量変動を抑制するためのレーザービームの輝度情報を前記回転多面鏡の面毎に記憶する記憶手段を有し、
    前記露光量補正手段は、前記記憶手段に記憶された輝度情報に基づく露光量の補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. レーザービームはマルチレーザービームであり、前記輝度情報は、ポリゴン面毎、且つ、マルチレーザービームにおけるビーム毎に前記記憶手段に記憶され、前記露光量補正手段は、当該記憶手段に記憶された輝度情報に基づき前記ビーム毎の露光量を補正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記副走査方向の露光量変動は、注目主走査ラインから連続して露光される複数の主走査ラインの露光影響に基づくものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記フィルタ処理はローパスフィルタによる処理であり、前記低周波成分の露光量変動は、ローパスフィルタの出力に基づくものであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. レーザービームを出射する発光手段と、前記発光手段により発光されるレーザービームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向されるレーザービームにより像を形成する像担持体とを有し、前記レーザービームを回転多面鏡により偏向し像担持体上に像を形成する場合のに、前記像担持体上におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する副走査方向の露光量変動による濃度ムラを抑制する画像形成装置における制御方法であって、
    前記副走査方向の露光量変動における、含まれる高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれたを除くようにするフィルタ処理により低周波成分の露光量変動を抑制するよう露光量を補正する露光量補正工程を有することを特徴とする制御方法。
  8. レーザービームを出射する発光手段と、前記発光手段により発光されるレーザービームを偏向する回転多面鏡と、前記回転多面鏡により偏向されるレーザービームにより像を形成する像担持体とを有し、前記レーザービームを回転多面鏡により偏向し像担持体上に像を形成する場合に、前記像担持体上におけるレーザービームの主走査ライン間隔の変動に起因する副走査方向の露光量変動による濃度ムラを抑制する画像形成装置における制御方法であって、
    前記副走査方向の露光量変動における、高周波成分の露光量変動が抑えられた或いは除かれた低周波成分の露光量変動を制御対象とし、当該制御対象の前記低周波成分の露光量変動を抑制するよう露光量を補正する露光量補正工程を有し、
    前記露光量補正工程によって補正された露光量変動における高周波成分の振幅は、前記露光量補正工程によって補正された露光量変動における前記低周波成分の露光量変動の振幅よりも大きいことを特徴とする制御方法。
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