JP6760013B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
光ビーム走査装置は、半導体レーザーなどの光源から出射された光ビームを、等速回転するポリゴンミラーの各偏向面に入射させて一定の走査角の範囲で偏向させ、偏向後の各光ビームを走査レンズにより感光体周面に集光して、主走査方向に露光走査する構成が一般的である。
図24(a)は、ポリゴンモーターの回転軸902に軸着されたポリゴンミラー901をその回転軸902に沿った鉛直方向上方から見た様子を示す平面模式図である。
偏向面912、913が湾曲形状になっている場合、これらの偏向面については平面に対して湾曲している分だけ偏向角にずれが生じて、感光体ドラム上の照射位置が主走査方向にずれることが生じる。
主走査ライン931については、主走査方向に隣り合う2つのドット951のピッチ(間隔)がα(基準)になっているが、主走査ライン932については各ドット952の間隔がβ(<α)、主走査ライン933については各ドット953の間隔がγ(>α)になっていることが判る。このことは、位置Bの付近でも同様になる。
本発明は、上記のような問題に鑑み、ポリゴンミラーの偏向面に湾曲が生じていても、従来よりも形成画像の画質を向上可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
また、前記補正手段は、前記算出手段により求められた補正係数のうち、前記所定範囲内に入っている補正係数を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段に記憶されている補正係数を前記元の画像データに適用して前記補正を行うとしても良い。
さらに、前記パターン形成制御手段は、前記ポリゴンミラーの回転数と前記感光体の周速を通常の画像形成時と同じ条件にして基準パターンの形成を実行した後、前記検出手段により検出された濃度値が所定の濃度範囲の下限値よりも低い値しか検出できない場合に、前記減速制御に切り替えて再度、基準パターンの形成を実行するとしても良い。
本発明のさらに別の局面に係る画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部と、画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、を備え、前記補正手段は、画像データを画素クロックに基づき変調し、変調後の画像データを前記光源に出力する光源駆動部を備え、元の画像データの各画素に対して前記光源駆動部から出力される画素クロックの周期を、前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について当該位置における濃度値に基づき基準値に対して大きい値または小さい値に補正することを特徴とする。
また、前記補正手段は、前記検出手段の検出結果から基準パターンの平均濃度値を求め、前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について、当該位置における濃度値と前記平均濃度値との差の大きさに基づいて前記補正を行うとしても良い。
本発明のさらに別の局面に係る画像形成装置は、感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部と、画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、を備え、前記補正手段は、前記検出手段の検出結果から基準パターンの平均濃度値を求め、元の画像データの各画素の濃度を示すデータを、前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について当該位置における濃度値と前記平均濃度値との差の大きさに基づき本来の値に対して濃度が高くなる値または低くなる値に補正することを特徴とする。
〔実施の形態1〕
<画像形成装置の概略構成>
図1は、プリンター10の構成を説明するための概略図である。
プリンター10は、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からのプリントジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色からなるトナー像を形成し、これらの各色のトナー像を多重転写してフルカラーの画像形成を実行する。以下、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各再現色をY、M、C、Kと表し、各再現色に関連する構成部分の番号にこのY、M、C、Kを添字として付加する。
作像部30Yは、感光体ドラム31と、その周囲に配設された帯電部32、現像部33、転写ローラー34(転写部)、クリーナー35などを備えており、感光体ドラム31上にY色のトナー像を作像する。他の作像部30M〜30Kについても、作像部30Yと同様の構成になっており、同図では符号を省略している。
光走査部9は、後述するようにY〜Kの各色用の光源としてのレーザーダイオードを備えており、全体制御部14からの駆動指示によりY〜K色の画像形成のためのレーザービームLY、LM、LC、LKを出射し、対応する作像部30Y〜30Kの感光体ドラム31の表面を主走査方向(紙面の法線方向)に露光走査させる。
各作像部30Y〜30Kにおける作像動作は、それぞれ所定時間だけタイミングをずらして実行され、作像部30Y〜30Kごとに感光体ドラム31上に現像されたトナー像は、一次転写ローラー34による静電力により中間転写ベルト16上の同じ位置に順次多重転写され、フルカラーのトナー像が形成される。なお、中間転写ベルト16に転写されずに感光体ドラム31上に残った残留トナーは、クリーナー35により清掃される。
給紙部12は、中間転写ベルト16上のトナー像の移動タイミングに合わせて記録シートSを二次転写位置46に向けて搬送し、二次転写ローラー45の作用により中間転写ベルト16上のフルカラーのトナー像が記録シートS上に二次転写される。
作像部30Y〜30Kの感光体ドラム31、中間転写ベルト16、タイミングローラー対44、定着ローラー13aなどの各ローラーは、駆動モーター8により予め決められた一定の速度で回転駆動される。これにより感光体ドラム31や中間転写ベルト16の周速およびタイミングローラー対44などの各ローラー(シート搬送手段)による記録シートSの搬送速度が一定の同じ速度(システム速度)に維持される。
<光走査部の構成>
図2(a)は、光走査部9における主要部の構成を説明するための平面図であり、図2(b)は、図2(a)の正面図である。それぞれ内部構造が分かり易くなるように筐体50の天面または側面を取り除いた透視図で示している。なお、図2(b)では、図2(a)に示す光源部51を省略して描いている。図2(a)に示すX軸方向を主走査方向、Y軸方向を左右方向、図2(b)に示すZ軸方向を上下方向という。
光源部51は、4個の半導体レーザー(光源)81Y、81M、81C、81K、4枚のミラー82〜85、およびシリンドリカルレンズ86を含む。
なお、図2には示されていないが、半導体レーザー81Y〜81Kの間ではレーザー光の出射口の鉛直方向における高さ(図2(b)におけるZ軸方向の位置)が異なるので、それらのレーザー光LY、LM、LC、LKの間では光路の高さが異なる。
ミラー82、83、84は、半導体レーザー81Y、81M、81Kの出射光LY、LM、LKを反射して90°偏向させる。ミラー85は、他の3枚のミラー82〜84の反射光LY〜LKと半導体レーザー81Cの出射光LCとを同じ方向へ反射するように設置されている。この反射光LY、LM、LKおよび出射光LCがミラー85に入射するまでの間に他のミラーと干渉しないように、ミラー84、83、82の順に鉛直方向における高さが次第に低く短くなっている。ミラー85により反射された後の出射光LY〜LKを総称してレーザー光LLという。
ポリゴンミラー55は、正多角柱(図2(a)の例では正4角柱)状の部材であり、4個の側面1、2、3、4がそれぞれ反射ミラー面(偏向面)である。
ポリゴンモーター57は、ポリゴンミラー55に回転駆動力を与えてその中心の回転軸56の回りにポリゴンミラー55を図2(a)の矢印Eで示す方向に等速回転させる。本実施の形態では、ポリゴンモーター57の回転軸がそのままポリゴンミラー55の回転軸に用いられ、ポリゴンモーター57の回転軸が1回転するとポリゴンミラー55が1回転する関係になっている。以下、ポリゴンミラー55の回転軸を回転軸56という。
本実施の形態では、図3に示すように回転軸56の回転角が0°(=回転基準位置)から90°までの範囲内にあるときに光源部51から出射されたレーザー光LLの照射位置に偏向面1が位置し(図2(a)参照)、回転角が90°〜180°の範囲内にあるときには偏向面2が位置し、回転角が180°〜270°の範囲内にあるときには偏向面3が位置し、回転角が270°〜360°の範囲内にあるときには偏向面4が位置するように、ポリゴンミラー55がポリゴンモーター57の回転軸に固定されている。
ポリゴンミラー55による偏向後の反射光RL、すなわちレーザー光LY、LM、LC、LKは、図2(b)に示すようにレーザー光LCが上下方向における最も高い位置を通過しており、さらに、レーザー光LK、LM、LYの順に、通過する上下方向における位置が次第に低くなっている。これは、ポリゴンミラー55の回転軸56と平行な偏向面への各レーザー光LY、LM、LC、LKの入射角度がそれぞれ異なっているからである。
走査レンズ91〜93は、主走査方向と副走査方向のそれぞれにパワーを持つものであり、通過するレーザー光LY〜LKを反射ミラー群54を介して、対応する感光体ドラム31の表面で結像させる。これにより、その表面の結像点が露光される。
全体制御部14は、Y色について、インデックスセンサー54YからINDEX信号を受信するごとに、その検出タイミングに基づき、レーザー光LYによる感光体ドラム31上の有効走査領域に対する走査開始タイミングを1走査ラインごとに設定する。
図4は、全体制御部14の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、全体制御部14は、通信インターフェース(I/F)部61と、CPU62と、ROM63と、RAM64と、画像処理部65と、LD制御部66と、パターン形成制御部67と、パターンデータ記憶部68を備える。
ROM63には、画像プロセス部11、給紙部12、定着部13および操作部15等を制御するために必要なプログラムが格納されている。ROM63に格納されているプログラムは、CPU62により読み出されて実行される。
画像処理部65は、外部の端末からI/F部61を介して受信したプリントジョブのデータをY〜K色の画像データに変換し、変換後の画像データにγ補正などの画像処理を施す。
LD制御部66は、ポリゴンミラー55の偏向面1〜4が平面でない場合にその偏向面に存在する非平面性に依存して形成される画像の主走査方向の濃度ばらつきを抑制するための補正係数を用いて画像データを補正し、補正した画像データに基づき半導体レーザー(LD)81Y〜81Kを駆動させてレーザー光LY〜LKの発光を制御する。
パターンデータ記憶部68は、基準パターンの形成に用いられるパターンデータ(画像データ)を予め記憶している。パターンデータは、パターン形成制御部67によるパターン形成動作の実行の際に読み出される。
図5は、LD制御部66の構成を示すブロック図である。
同図に示すようにLD制御部66は、Y〜K色別にY色LD制御部66Y、M色LD制御部66M、C色LD制御部66C、K色LD制御部66Kを備える。これらのLD制御部はいずれも基本的に同じ構成なので、ここではK色LD制御部66Kの構成を説明し、他のLD制御部66Y〜66Cについては説明を省略する。
図6は、K色LD制御部66Kの構成を示すブロックである。
同図に示すようにK色LD制御部66Kは、画像データ記憶部661と、補正部662と、LD駆動部663と、画素クロック発振器664を備える。
画像データ記憶部661は、画像処理後のK色画像データを格納する。
1つの桝目が1画素に対応しており、1画素の階調値は、ここでは複数、例えば0〜255までの256段階のうちのいずれかの値を示す。なお、ここでは1つの画素が1つのドットで示されるが、これとは別に1つの画素が複数個のドットで表現される場合には、その1つのドットが1つの桝目に対応するとみなすことができる。
同図では、主走査方向に沿った画素列が1走査ラインの潜像を形成するための画像データに相当し、i=1番目の走査ライン601を第1走査ライン、i=2番目の走査ライン602を第2走査ライン、i=3番目の走査ライン601を第3走査ライン、i=n番目の走査ライン601を第n走査ラインという。
補正係数算出部622は、パターン検出センサー7による基準パターンの濃度検出結果に基づき画像データを補正するのに用いる補正係数を算出する。この算出方法については、後述する。
画像データ補正部621は、補正係数記憶部623から補正係数を読み出し、読み出した補正係数に基づき、画像データ記憶部661に格納されているK色画像データの各画素の階調値Dijを補正する。
LD駆動部663は、ポリゴンミラー55の回転中に偏向面1〜4のそれぞれで偏向されたレーザー光LKによるインデックスセンサー54KからのINDEX信号を受信する度に、1走査ラインごとに補正後のK色画像データを画素クロック発振器664からの画素クロックに基づき変調した画像データKにより半導体レーザー81Kを発光制御してレーザー光LKを画素単位で出射させ、感光体ドラム31への書き込みを実行させる。この意味で、LD駆動部663と画素クロック発振器664は、画像データを画素クロックに基づき変調し、変調後の画像データを出力して光源を発光制御する光源駆動部といえる。
<第1走査ライン>
LD駆動部663は、回転中のポリゴンモーター57から基準位置信号(回転角0°を示す信号)を受信すると(図8の時点ta)、所定の階調値を示す書き込みタイミング設定用の画像データを画素クロックに基づき変調してなる画像データ551を出力する。図8における画像データ551のパルス波形のうちHレベルの部分が発光を示し、Lレベルの部分が消灯を示す。画像データ551に基づき半導体レーザー81Kからレーザー光LKが出射される。このレーザー光LKの出射は、感光体ドラム31への第1走査ライン601の書き込み開始前に、その書き込み開始タイミングを設定するためのものである。これを前発光という。
LD駆動部663は、インデックスセンサー54KからのINDEX信号を受信すると、半導体レーザー81Kの駆動を一旦停止して消灯させ(前発光の終了)、一定時間経過時(時点tn)に、第1走査ライン601の画像データ(各画素の階調値D11、D12、D13・・)を画素クロックに基づき変調したものを第1走査ライン601の画像データ551aとして半導体レーザー81Kに出力し、半導体レーザー81Kを駆動させる。
半導体レーザー81Kは、画像データ551aに基づき画素単位で階調値D11、D12、D13・・に応じた光量のレーザー光LKを出射させ、感光体ドラム31への第1走査ライン601の書き込みが実行される。この書き込みが終了すると(時点tp)、半導体レーザー81Kの駆動が停止される。
<第2走査ライン>
第1走査ライン601の感光体ドラム31への書き込み終了後、次にポリゴンモーター57から回転角90°を示す回転角信号を受信すると(時点td)、上記と同様の前発光を画像データ552に基づき行う。
半導体レーザー81Kは、画像データ552aに基づき画素単位で階調値D21、D22、D23・・に応じた光量のレーザー光LKを出射させ、感光体ドラム31への第2走査ライン602の書き込みが実行される。この書き込みが終了すると(時点ts)、半導体レーザー81Kの駆動が停止される。
すなわち、ポリゴンモーター57から回転角180°(または270°)を示す回転角信号を受信すると、上記の前発光を行う。半導体レーザー81Kから出射されたレーザー光LKがポリゴンミラー55の偏向面3(または4)で偏向後、インデックスセンサー54Kで検出される。インデックスセンサー54KからのINDEX信号を受信すると前発光を終了し、一定時間経過時に第3走査ライン603(第4走査ライン604)の各画素の階調値D31、D32、D33・・(またはD41、D42、D43・・)を画素クロックに基づき変調したものを第3走査ライン603(または第4走査ライン604)の画像データとして出力し、半導体レーザー81Kを駆動させる。
<ポリゴンミラーの偏向面の平面性について>
上記のように偏向面1〜4のそれぞれごとに順番に1走査ラインの書き込みが行われる構成では、偏向面1〜4の全てが完全な平面であることが理想であるが、実際には上記のように微視的に偏向面が湾曲しているものが含まれることがあり得る。
具体的に偏向面2は、回転方向(矢印E方向)一方端2aから他方端2bに向かうに連れて平面(破線)に対して外側に凸状の山形に湾曲した形状の例を示している。また、偏向面3は、回転方向一方端から他方端に向かうに連れて平面(破線)に対して内側に凸状の山形に湾曲した形状の例を示している。偏向面4は、回転方向一方端から他方端に向かうに連れて平面(破線)に対して内側に凸状の山形に湾曲した部分と外側に凸状の山形に湾曲した部分とが連続した形状の例を示している。
ポリゴンミラー55の偏向面が湾曲形状になっている場合、上記の「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように形成画像の画質低下を招くおそれがあるので、本実施の形態では、次の基準パターン形成処理と濃度分布検出処理と補正係数算出処理と画像データ補正処理とをこの順に実行することにより、プリント時に形成される画像の画質低下の抑制を図っている。
図11は、記録シートS上に形成されたK色の基準パターン111〜114の構成例を示す図である。
同図に示すように基準パターン111〜114は、主走査方向に沿って長尺の細長状であり、副走査方向(シート搬送方向に相当)に一定の間隔をあけて記録シートS上に形成されている。
同図の例を見ると、基準パターン111については主走査方向に沿った濃度分布が一様になっているが、基準パターン112〜114については、一様ではなく主走査方向に沿って濃淡が生じていることが判る。
一方、基準パターン113は、主走査方向中央部よりも主走査方向両端部の方が淡くなっている。これは、偏向面3の湾曲形状により、図24(c)に示す走査ライン933のように主走査方向両端部ではドット953の分布密度が下がったからである。また、基準パターン114は、偏向面4の湾曲形状により、主走査方向中央よりも左側部分が基準パターン113と同様の濃度分布になっており右側部分が基準パターン112と同様に濃度分布になっている。
ポリゴンミラー55の偏向面ごとに、湾曲した偏向面による1走査ラインの形成画像にどの程度の主走査方向の濃度ばらつきが生じるかは、記録シートS上に形成された基準パターンの主走査方向の濃度分布を検出すれば事前に判る。
これにより、ポリゴンミラー55の偏向面が湾曲形状でも、実際に感光体ドラム31に書き込まれた走査ラインの画像の主走査方向の濃度分布を一様にすることができる。
1走査ラインごとに、主走査方向に並ぶ各画素の階調値が10、0、10、0、10・・になっているので、基準パターン111〜114の画像データは、1走査ラインごとに主走査方向に露光されるドット(以下「黒画素」という。)データと露光されないドット(以下「白画素」という。)データが交互に並ぶパターンデータということができる。これにより、基準パターンを構成する1走査ラインは、図11の吹き出しの拡大図に示すように黒画素と白画素とが主走査方向に交互に並ぶ画像になる。
具体的には、湾曲の程度が大きく、例えば図24(c)に示す間隔βがさらに狭くなり複数の黒画素952が相互に重なり合って黒のベタ画像のようになってしまうと、間隔βに差があっても検出濃度値が変わらない(検出感度がほとんどない)状態になる。
このことから基準パターン111は、回転中のポリゴンミラー55の偏向面1が光源部51からのレーザー光LKの照射位置に来る度に、そのタイミングに同期して、第1走査ライン681、第5走査ライン685、第9走査ライン689・・の順にその走査ラインの画像データに基づき光源部51からレーザー光LKが出射されることにより形成されるパターンということができる。このことは、通常のプリント時と同様である。
ポリゴンミラー55の回転角が再度0°に至ると(時点tb)、1回目の露光走査と同様の制御が繰り返し実行される。すなわち、前発光の開始、INDEX信号の受信、前発光の終了から所定時間経過時に第5走査ライン685の画像データ(各画素の階調値10、0、10、0・・)を画素クロックに基づき変調した画像データにより半導体レーザー81Kの駆動が開始される。半導体レーザー81Kから出射されたレーザー光LKが偏向面1で偏向され、偏向後のレーザー光LKにより、帯電状態で回転中の感光体ドラム31上に第5走査ライン685の潜像が形成される(2回目の露光走査)。
ポリゴンミラー55の回転角が再度0°に至ると(時点tc)、1回目、2回目の露光走査と同様に、前発光の開始、INDEX信号の受信、前発光の終了から所定時間経過時に第9走査ライン689の画像データ(各画素の階調値10、0、10、0・・)を画素クロックに基づき変調した画像データにより半導体レーザー81Kの駆動が開始される。半導体レーザー81Kから出射されたレーザー光LKが偏向面1で偏向され、偏向後のレーザー光LKにより、帯電状態で回転中の感光体ドラム31上に第9走査ライン689の潜像が形成される(3回目の露光走査)。以降、上記同様に第13走査ライン、第17走査ライン・・の順に露光走査の動作が繰り返し実行され、感光体ドラム31上に基準パターン111の静電潜像が形成される。
1回目の露光走査の終了後、再度、ポリゴンミラー55の回転角が90°に至る時点teまでの間、半導体レーザー81Kは消灯したままになる。
他の基準パターン113、114についても同様である。
1回目の露光走査の終了後、再度、ポリゴンミラー55の回転角が180°(または270°)に至る時点th(またはti)までの間、半導体レーザー81Kは消灯したままになる。
回転中の感光体ドラム31上に形成されたK色の基準パターン111〜114の各潜像は、その形成順に現像部33でK色のトナーで現像され、現像後の基準パターン111〜114のK色のトナー像は、一次転写ローラー34により中間転写ベルト16上に一次転写された後、二次転写位置46で二次転写ローラー45により1枚の記録シートS上に二次転写され、定着部13で記録シートSに定着される。図11は、定着後の記録シートS上に形成されたK色の基準パターン111〜114の例を示している。このように基準パターンのそれぞれごとに、帯電、露光、現像、転写の一連の処理が実行される。
<基準パターンの主走査方向の濃度分布について>
図14は、パターン検出センサー7により検出されたK色の基準パターンの主走査方向の濃度分布のグラフを示す図であり、(a)が基準パターン111の濃度分布のグラフ191を示し、(b)が基準パターン112の濃度分布のグラフ192を示し、(c)が基準パターン113の濃度分布のグラフ193を示し、(d)が基準パターン114の濃度分布のグラフ194を示している。各図において、横軸が主走査方向の位置を示し、縦軸が濃度の大きさを示している。
基準パターンを構成する黒画素の主走査方向における分布密度が高いほど反射光の光量が少なくなり、分布密度が低いほど反射光の光量が多くなるので、各光電変換素子から出力される電圧値の大きさが基準パターンの濃度の濃淡を表すものになる。このため、各光電変換素子の出力電圧値の大きさを検出することにより基準パターンの主走査方向の濃度分布を取得することができる。
図14(a)に示すように基準パターン111の濃度は、主走査方向一方端の位置Aから他方端の位置Bまでの間に亘って基準値Rで略一定になっている。
<画像データの補正係数>
画像データの補正係数、すなわち基準パターンの主走査方向の濃度分布に対する逆特性の関数は、例えば偏向面2については図14(b)に示す一点鎖線のグラフ192aで表され、偏向面3については図14(c)に示す一点鎖線のグラフ193aで表され、偏向面4については図14(d)に示す一点鎖線のグラフ194aで表される。
例えば、偏向面2について説明すると、グラフ(関数)192aで示されるように濃度が予め決められた基準値Rになっている位置(図14(b)では主走査方向中央)を基準位置とし、基準位置以外の主走査方向のそれぞれの位置において、基準位置の濃度値Rから、その位置の濃度値(例えば位置BではQa)を差し引いた値Qを階調値に換算し、換算した値を補正係数とする。グラフ192aの例では補正係数がマイナスになり、グラフ193aの例では補正係数がプラスになる。
図15は、偏向面1〜4に対応する画像データの補正係数が補正係数記憶部623の記憶領域700に格納されている様子を示す図であり、主走査方向に並ぶ補正係数a11、a12・・・の列701が偏向面1に対する補正係数を示し、補正係数a21、a22・・・の列702が偏向面2に対する補正係数を示し、補正係数a31、a32・・・の列703が偏向面3に対する補正係数を示し、補正係数a14、a42・・・の列704が偏向面4に対する補正係数を示している。
従って、例えば偏向面1に対応する補正係数a11は、図7に示す第1走査ライン601の第1番目の画素の階調値D11、第5走査ライン605の第1番目の画素の階調値D51・・のそれぞれに適用される共通の補正係数になる。同様に、補正係数a12は、第1走査ライン601の第2番目の画素の階調値D12、第5走査ライン605の第2番目の画素の階調値D52・・のそれぞれに適用される共通の補正係数になる。
元の画像データ(補正前の画像データ)の各画素の階調値に対する補正係数の適用は、ここでは本来の階調値に補正係数を加算することにより行われる。例えば、元の画像データの第2走査ライン602における第1番目の画素の階調値D21の例では、(D21+a21)になるが、上記のようにa21がマイナスなので、補正後の階調値は、本来の階調値D21よりも低い値に補正されることになる。
これに対し、偏向面2に対するレーザー光の光量値の波形712を見ると、上に凸の山形形状になっており、光量値が時点t1とt2の中間では基準値Rに等しく、時点t1とt2では基準値Rよりも低くなっている。また、偏向面3に対するレーザー光の光量値の波形713は下に凸の山形形状になっており、偏向面4に対するレーザー光の光量値の波形714は波形713と712とを連結したような波形になっている。
<画像データの補正方法>
図17は、画像データ記憶部661の記憶領域665に画素単位で格納されている画像データの各画素の階調値が補正前後で変化する様子を示す模式図であり、(a)が補正前を示し、(b)が補正後を示している。
図18は、画像データの補正係数の算出とプリントジョブ実行の際の画像データの補正処理の内容を示すフローチャートであり、プリンター10に電源が投入された状態で一定時間が経過する度に全体制御部14により繰り返し実行される。
同図に示すように補正係数の算出の実行指示が受け付けられたか否かを判断する(ステップS1)。この判断は、操作部15に設けられた補正係数算出指示キー(不図示)がユーザーまたはサービスマンにより押下されたことにより行われる。ユーザーまたはサービスマンは、新品のプリンター10がオフィスなどに最初に納品されたときや納品時以降の任意のときに画像データの補正係数の算出の実行を補正係数算出指示キーにより指示することができる。
基準パターン111〜114の形成は、偏向面1のみによる基準パターン111、偏向面2のみによる基準パターン112、偏向面3のみによる基準パターン113、偏向面4のみによる基準パターン114の順に一定時間をあけて実行される。これにより、図11に示すように記録シートSの搬送方向先端側から後端側にかけてK色の基準パターン111、112、113、114のトナー像がこの順に相互にシート搬送方向に一定間隔をあけた状態で記録シートSに形成される。
算出した補正係数を偏向面1〜4のそれぞれごとに対応付けて補正係数記憶部623の記憶領域700(図15)に格納して(ステップS7)、当該制御を終了する。
そして、読み出した補正係数に基づいて、当該プリントで用いられるY〜K色の画像データ(図17(a))を補正する(ステップS11)。この補正は、Y〜K色の画像データのそれぞれごとに、上記のようにポリゴンミラー55の偏向面1に対応する第1走査ライン、第5走査ライン・・の各画像データについては、その画素ごとに、偏向面1用の補正係数a11、a12、a13・・・のうちその画素に対応する1つの補正係数を適用することにより行われる。偏向面2〜4のそれぞれについても同様である(図17(b))。
この終了から一定時間が経過して当該制御が開始されたときに、補正係数の算出の実行指示が再度受け付けられたことを判断すると(ステップS1で「Yes」)、ステップS2〜S7の処理を実行する。この際、ステップS7では、新たに算出された補正係数が上書き保存される。
すなわち、上記の前発光においてポリゴンミラー55が1回転する間にインデックスセンサー54KからINDEX信号が4回出力される。このINDEX信号の1回目の受信から2回目の受信までの時間(図8の時点tm〜tq)、2回目の受信から3回目の受信までの時間、3回目の受信から4回目の受信までの時間、4回目の受信から次の2回転目の最初の受信までの時間をそれぞれ計測する。この各時間は、光走査部9のそれぞれごとに微小ではあるが異なる。このことから、ある時点で計測された4個の計測時間を記憶しておき、これ以降の時点で計測された4個の計測時間と、記憶されている過去の4個の計測時間とを比較して、双方が完全に一致していれば光走査部9が交換されておらず、一つでも計測時間が不一致であれば、光走査部9が新品に交換されたと判断できる。
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1では、画像データの補正係数に基づき画像データの階調値を補正、つまり光源部51の半導体レーザーからの発光量を画素単位で補正する構成例を説明したが、実施の形態2では、画像データの階調値を補正することに代えて、画素クロック周期を画素単位で補正するとしており、この点が実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
同図に示すようにK色LD制御部66Kの構成は、基本的に実施の形態1(図6)と同じであるが、実施の形態2の画素クロック発振器664は、画素単位で画素クロックの周波数変調が可能な発振器が用いられており、補正部662が画像データ記憶部661に格納されている画像データを補正するのではなく、画素クロック発振器664に対して画素クロックの周期を補正させる構成になっている点で異なっている。
図20は、画素クロック周期を偏向面1〜4ごとに基準値Rに対し補正した後の波形721〜724の例を示す模式図である。基準値Rは、上記の一定周期に相当する。
偏向面2に対する波形722を見ると、下に凸の山形形状になっており、補正後の画素クロック周期が時点t1とt2の中間では基準値Rに等しく、時点t1とt2では基準値Rよりも長くなっている。
補正部662は、補正係数記憶部623に格納されている補正係数(基準値Rに対する周期の増減量(%))を画素単位で読み出し、画素ごとに、その画素に対する画素クロックの周期をその補正係数に基づき基準値Rに対して大きい値または小さい値に補正する処理の実行を画素クロック発振器664に指示する。
LD駆動部663は、画素クロック発振器664から出力された補正後の画素クロックに基づき変調した画像データKを半導体レーザー81Kに出力する。
図20に示す偏向面2に対する波形722の例では、主走査方向中央に対して濃度差が最も大きい両端部(時点t1、t2付近)で補正係数が+0.5%と最も大きく、主走査方向中央に近づくに伴って補正係数が小さくなり、主走査方向中央で補正係数が0になるような特性の補正係数(関数)になっている。
画素クロック周期の補正は、周波数変調が可能な発振器を用いることにより実行可能になるが、これとは別の構成を用いることもできる。例えば、基準値Rと同じ周期のクロックパルス信号を出力する発振器と、基準値Rとは異なる別々の周期のクロックパルス信号を出力する複数個の発振器を配置して、時点t1〜t2までの間を複数の時間ブロックに分けて、それぞれの時間ブロックごとに、複数の発振器の中から、出力すべき画素クロック周期と同じまたは近似したクロックパルス信号を出力可能な発振器を選択して、その時間ブロックの開始から終了までの間、選択した発振器のみからクロックパルス信号が出力されるように駆動する発振器を切り換えていく構成とすることもできる。
補正後の画素クロック周期が、出力すべき画素クロック周期とは完全に一致しないこともあり得るが、補正を行わない従来に比べると偏向面の湾曲形状に起因する形成画像の主走査方向の濃度ムラを抑制できる。
〔実施の形態3〕
上記実施の形態1、2では、基準パターン形成時におけるポリゴンミラー55の回転数(rpm)と、感光体ドラム31や中間転写ベルト16の回転速度および記録シートSの搬送速度を通常のプリント(画像形成)時と同じ条件の回転数とシステム速度にした場合の構成例を説明したが、実施の形態3では、ポリゴンミラー55の回転数については通常のプリント時と同じであるが、システム速度については通常のプリント時よりも減速する構成としており、この点が実施の形態1、2と異なっている。実施の形態3では回転速度を可変な駆動モーター8(駆動手段)が用いられ、駆動モーター8の回転速度を通常時よりも低減することによりシステム速度の減速が行われる。
すなわち、ポリゴンミラー55の回転数が通常時と同じなので、感光体ドラム31上を主走査方向一方端から他方端までの間に亘って1走査ライン分、露光走査するのに要する時間(主走査期間)は通常時と同じである。
図21は、記録シートS上に形成される基準パターン111の構成例を示す拡大模式図である。同図に示すように基準パターン111を構成する第1走査ライン681、第5走査ライン685、第9走査ライン689・・の副走査方向のライン間隔は、システム速度が通常時の場合、ΔAになる。実施の形態1、2では、基準パターン形成時のシステム速度が通常時と同じなので、同図と同様にライン間隔がΔAになる。
このことは、記録シートS上においてシート搬送方向(副走査方向に相当)の単位長さ当たりに含まれる走査ラインの本数が多くなり、通常時よりも減速時の方が記録シートS上での単位面積当たりの黒画素の個数が増えて、つまり白画素の個数が減るので、それだけ基準パターンの濃度が高くなったようになる。これにより、例えば淡い濃度に対する検出感度の低い特性のパターン検出センサー7が用いられる場合でも、基準パターン111を精度良く検出することができる。上記では基準パターン111について説明したが、他の基準パターン112〜114についても同様である。
同図に示すフローチャートは、図18に示すフローチャートとほとんど同じであるが、ステップS2、S4、S9に代えてステップS21、S41、S91が実行されるとしており、この点で異なっている。
ステップS41では、システム速度を通常のプリント時の半分の速度に落とした状態で、K色の基準パターン111〜114を記録シートSにプリントするパターン形成動作を行う。システム速度の半速は、駆動モーター8の回転速度を通常のプリント時の半分に低減させることにより行われ、この減速制御は、全体制御部14により行われる。
なお、上記では、システム速度を通常のプリント時の速度の半分に落とす減速制御の例を説明したが、半分に限られず、減速させれば良い。
本発明は、画像形成装置に限られず、例えば画像データを補正する方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
〔変形例〕
以上、本発明に係る画像形成装置の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、例えば、以下のような変形例が考えられる。
(2)上記実施の形態では、ポリゴンミラー55を4個の偏向面を有する正4角柱状の構成のものを用いる例を説明したが、これに限られず、例えば6個の偏向面を有する正6角柱状や8個の偏向面を有する正8角柱状などのものを用いることもできる。複数の偏向面のそれぞれごとに、基準パターンの形成と濃度分布の検出、補正係数の算出、算出した補正係数を画像データに適用することについては上記と同じである。
例えば、スキャナー機能とプリント機能の両方を有する複写機などの装置構成において、パターン検出センサー7を設けずに、記録シートS上に形成された基準パターンの主走査方向の濃度分布を検出可能なスキャナーにより検出する構成をとることもできる。具体的には、基準パターンが形成された記録シートSが機外の排出トレイ48に収容されると、ユーザーが手でその記録シートSを排出トレイ48から取り出し、取り出した記録シートSをスキャナーの読み取り位置にセットした後、スキャナーにより、記録シートS上の基準パターンの読み取り動作が実行される。
図23に示すように補正係数が算出されると(ステップS6)、算出された補正係数の全てが所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS61)。所定範囲は、偏向面に湾曲が生じていても画像データの補正により最低限の画質を確保できると想定される補正係数の範囲であり、予め実験などで決められる。
この場合、警告メッセージを見たユーザーまたはサービスマンが露光部9を修理または新品に交換した後、再度、補正係数の算出が実行されたときにその補正係数が所定範囲内に入っていることが判断されると、警告メッセージが消灯される。なお、警告メッセージが表示されてもそのままプリントの実行を許可するとしても良いし、これに代えて、警告メッセージの表示によりプリントの実行を禁止し、以降、警告メッセージが消灯されるとその禁止を解除してプリントの実行を許可するとしても良い。
(5)上記実施の形態では、ポリゴンミラー55の偏向面1〜4の全てについて偏向面ごとに対応する補正係数をそれぞれ算出するとしたが、これに限られず、例えば少なくとも1つの偏向面についてその偏向面に対応する補正係数を算出する構成としても従来に比べて形成画像の画質低下の防止を図れる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の構成をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。
7 パターン検出センサー
8 駆動モーター
9 光走査部(露光部)
10 プリンター
15 操作部
31 感光体ドラム
33 現像部
34、45 転写ローラー
55 ポリゴンミラー
57 ポリゴンモーター
66 LD制御部
67 パターン形成部
68 パターンデータ記憶部
81Y、81M、81C、81K 半導体レーザー
111、112、113、114 基準パターン
191a、192a、193a、194a 補正係数のグラフ
621 画像データ補正部
622 補正係数算出部
623 補正係数記憶部
661 画像データ記憶部
662 補正部
663 LD駆動部
664 画素クロック発振器
701、702、703、704 補正係数を示す列
Claims (14)
- 感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電部と、
画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、
現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、
前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、
前記基準パターンの転写後の前記シートが搬送路を搬送中に、前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電部と、
画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、
現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、
前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、
前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、
通知手段と、
を備え、
前記補正手段は、
前記検出手段により検出された濃度分布に基づき、前記一の偏向面に存在する非平面性に依存して形成される画像の主走査方向の濃度ばらつきを抑制するための補正係数を求める算出手段を備え、
前記通知手段は、前記補正係数が所定範囲内に入っていない場合に前記露光部に異常が発生している旨を通知することを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正手段は、
前記算出手段により求められた補正係数のうち、前記所定範囲内に入っている補正係数を記憶する記憶手段を備え、
前記記憶手段に記憶されている補正係数を前記元の画像データに適用して前記補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電部と、
画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、
現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、
前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、
前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、
を備え、
前記基準パターンの画像データは、
主走査方向に列状に並ぶ複数個のドットデータにより構成され、
前記各ドットデータには、光ビームにより前記感光体が露光されるものと露光されないものが含まれ、露光される1以上のドットデータと露光されない1以上のドットデータとが交互に繰り返す画像データであることを特徴とする画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電部と、
画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、
現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、
前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、
前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、
前記露光部が交換されたことを判断する判断手段と、
を備え、
前記パターン形成制御手段は、
前記判断手段による判断がなされると、前記基準パターンの形成を実行することを特徴とする画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電部と、
画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、
現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、
前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、
前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、
前記感光体を回転駆動する駆動手段と、
通常の画像形成時には、前記感光体の周速が予め決められたシステム速度になるように前記駆動手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記パターン形成制御手段は、
前記基準パターンの形成時において、前記露光部に対して前記ポリゴンミラーを通常の画像形成時の回転数で回転させるとともに、前記駆動手段を制御して前記感光体の周速を前記システム速度よりも減速させる速度制御を行うことを特徴とする画像形成装置。 - 前記ポリゴンミラーの偏向面の数をMとしたとき、
前記パターン形成制御手段は、
前記感光体の周速を前記システム速度に対して(1/M)の速度に減速させることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記パターン形成制御手段は、
前記ポリゴンミラーの回転数と前記感光体の周速を通常の画像形成時と同じ条件にして基準パターンの形成を実行した後、前記検出手段により検出された濃度値が所定の濃度範囲の下限値よりも低い値しか検出できない場合に、前記減速制御に切り替えて再度、基準パターンの形成を実行することを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。 - 前記補正手段は、
元の画像データの各画素の濃度を示すデータを、前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について当該位置における濃度値に基づき本来の値に対して濃度が高くなる値または低くなる値に補正することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電部と、
画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、
現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、
前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、
前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、
を備え、
前記補正手段は、
画像データを画素クロックに基づき変調し、変調後の画像データを前記光源に出力する光源駆動部を備え、
元の画像データの各画素に対して前記光源駆動部から出力される画素クロックの周期を、前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について当該位置における濃度値に基づき基準値に対して大きい値または小さい値に補正することを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正手段は、
前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について、当該位置における濃度値と予め決められた基準値との差の大きさに基づいて前記補正を行うことを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。 - 前記補正手段は、
前記検出手段の検出結果から基準パターンの平均濃度値を求め、
前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について、当該位置における濃度値と前記平均濃度値との差の大きさに基づいて前記補正を行うことを特徴とする請求項9または10に記載の画像形成装置。 - 感光体と、
前記感光体を帯電させる帯電部と、
画像データに基づき光源を駆動し、当該光源から出射された光ビームを、回転するポリゴンミラーの複数の偏向面のそれぞれで順番に偏向し、各偏向面で偏向後の各光ビームにより、帯電された感光体を主走査方向に露光走査して静電潜像を形成させる露光部と、
前記感光体上の静電潜像をトナーで現像する現像部と、
現像後のトナー像を前記感光体からシートまたは中間転写体を介してシートに転写する転写部と、
前記帯電部、露光部、現像部、転写部を制御して、主走査方向に沿った基準パターンの画像データに基づき前記光源を駆動し、当該光源から光ビームを前記ポリゴンミラーの一の偏向面に向けて出射して、帯電された感光体上に前記一の偏向面に対応する基準パターンの静電潜像を形成し、当該基準パターンの静電潜像を現像した後、現像後のトナー像をシートまたは中間転写体を介してシートに転写する一連の処理を行わせるパターン形成制御手段と、
前記シートに転写後の基準パターンのトナー像の主走査方向における濃度分布を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出終了後、前記一の偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、前記検出手段により検出された前記一の偏向面に対応する基準パターンの濃度分布を用い、当該濃度分布の主走査方向位置と同期させて補正を行う補正手段と、
を備え、
前記補正手段は、
前記検出手段の検出結果から基準パターンの平均濃度値を求め、
元の画像データの各画素の濃度を示すデータを、前記濃度分布の主走査方向位置と同じ位置関係にある画素について当該位置における濃度値と前記平均濃度値との差の大きさに基づき本来の値に対して濃度が高くなる値または低くなる値に補正することを特徴とする画像形成装置。 - 前記パターン形成制御手段は、
前記ポリゴンミラーの偏向面のそれぞれごとに、各偏向面に一対一に対応する基準パターンを形成させ、
前記検出手段は、
前記基準パターンのそれぞれごとに前記濃度分布を検出し、
前記補正手段は、
前記偏向面のそれぞれごとに、当該偏向面に向けて前記光源から光ビームを出射させるのに用いる画像の元の画像データに対して、当該偏向面に対応する基準パターンにより検出された濃度分布を用いて前記補正を行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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