JP2009029031A - 押出成形樹脂加工品の製造方法 - Google Patents

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敏雄 中根
Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
Noriyasu Yano
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Abstract

【課題】低温で行う必要のある環状オレフィン樹脂を含む押出成形加工品等の製造において、ダイスの出口付近に樹脂のメヤニが付着して堆積することを抑えた押出成形加工品の製造方法を提供する。
【解決手段】ダイス出口付近に付着する樹脂メヤニは、溶融混練前等において酸化劣化した樹脂原料がダイスからの溶融樹脂の流動を乱すために生じる。そこで、あらかじめ樹脂原料を脱酸素処理することで、樹脂原料の酸化劣化を抑え、ダイスの出口付近における樹脂メヤニの付着、堆積を抑える
【選択図】なし

Description

本発明は、環状オレフィンを含む押出成形樹脂加工品の製造方法に関する。
環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料は、透明性と機械的特性に優れるため、フィルムやシート形状に加工され、各種光学用途等に好適に用いられる。フィルムやシートを製造する方法としては、例えばペレット状の環状オレフィン樹脂原料を単独で押出成形機に投入して製造する方法、一旦、環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料を溶融混練することによって得られた環状オレフィン樹脂を含む樹脂ペレットを押出成形機に投入して製造する方法、環状オレフィン及び他添加剤を直接押出成形機に投入し製造する方法等が挙げられる。
上記溶融混練又は上記溶融押出は、樹脂に熱とせん断を加えて加工を行う。したがって、特に長時間の製造において、樹脂の劣化物や炭化物(以下「メヤニ」という)が、溶融樹脂が通過するダイスの出口付近に付着して堆積する。このメヤニがある時点でダイスよりはがれ、樹脂フィルム等に混入する等して樹脂の品質や生産性が低下することが問題となっている。特にフィルムやシート成形の際に、メヤニがフィルムやシートに付着すると、ダイラインが発生して表面の欠陥を引き起こすことが問題となっている。表面の欠陥としては、例えばフィッシュアイの発生、ゲルの発生、フィルム切れの発生、ヤケ異物の発生等が挙げられる。また、このようなメヤニの発生は、フィルムやシート成形のみならず、環状オレフィン樹脂を含む樹脂ペレットの製造の際にも発生する。
このようなメヤニによる悪影響を抑えるために、特許文献1には押出成形機の原料供給用のホッパ部分に不活性ガスを吹き込む方法が開示されている。また、特許文献2には樹脂ペレットの製造において、成形ダイの溶融樹脂排出口付近に窒素やヘリウム等の不活性ガスを放出する方法が開示されている。また、特許文献3には原料ペレットを成形前に(ガラス転移温度−60)℃から(ガラス転移温度−5℃)で前処理する方法が開示されている。また、特許文献4には80℃から環状オレフィン樹脂のガラス転移温度までの温度範囲で20分間以上予備加熱した後にホッパに投入する方法が開示されている。そして、特許文献5にはガラス転移点が120℃以上の環状オレフィン系樹脂の押出成形時にダイスを不活性ガスで封止するフィルムの製造方法が開示されている。
特開平07−205253号公報 特開2000−280240号公報 特開2001−192458号公報 特開2003−266520号公報 特開2004−322346号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2の方法では、樹脂原料に溶存する酸素による酸化劣化を完全に防ぐことはできない。また、特許文献3から5の方法では、特に包装用途に適した比較的低温で押出成形が可能な環状オレフィン樹脂や、あるいは環状オレフィン樹脂とポリエチレン等の汎用樹脂とのポリマーアロイについては、加熱処理操作の段階で樹脂原料同士が融着してしまうために押出成形が不可能であるか、あるいは押出成形時のメヤニ特性改善にはほとんど効果が得らない。このためガラス転移温度が低い環状ポリオレフィン樹脂原料を用いたフィルム等の製造方法についてメヤニによる悪影響を抑える方法が求められていた。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温で行う必要のある環状オレフィン樹脂を含む押出成形加工品等の製造において、ダイスの出口付近に樹脂のメヤニが付着して堆積することを抑えた押出成形加工品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、高い品質の環状オレフィン樹脂を含む押出成形加工品を高い生産性で製造するために、ダイス出口付近に付着する樹脂メヤニは、酸化劣化した樹脂がダイスからの溶融樹脂の流動を乱してメヤニ付着に至ることに着目した。そして、あらかじめ樹脂原料を脱酸素処理することで、ダイスの出口付近における樹脂メヤニの付着、堆積を抑えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のようなものを提供する。
(1) ガラス転移点が100℃以下の環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料を、溶融混練前及び/又は溶融混練時に80℃未満で脱酸素処理する脱酸素処理工程を含む押出成形樹脂加工品の製造方法。
(1)の発明によれば、樹脂原料に含有する酸素を溶融混練前及び/又は溶融混練時に脱気することで、樹脂にせん断と熱が加わる混練時における樹脂の酸化劣化を防ぐことができる。その結果、ダイス出口付近における樹脂メヤニの付着・堆積を抑えることができるので、高い品質の押出成形品を高い生産性で製造することができる。
(2) 前記脱酸素処理工程は、前記樹脂原料の溶融混練前に行う25℃以上80℃未満、1時間以上24時間以下での熱処理である(1)に記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
(2)の発明によれば、熱処理による脱酸素処理が80℃以下の温度で行われることにより、加熱処理中に樹脂原料同士が融着する問題を防ぎつつ、ガラス転移点が100℃以下の環状オレフィン樹脂中の溶存酸素量を低減することができ、結果として押出装置内や成形ダイ内部での溶融樹脂の酸化劣化を抑制し、成形ダイの出口に付着するメヤニを大きく改善できる。
(3) 前記脱酸素処理工程は、前記樹脂原料の溶融混練前及び/又は溶融混練時に行う40℃以上70℃以下、1時間以上8時間以下での減圧処理である(1)又は(2)に記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
(3)の発明によれば、酸素の存在しない雰囲気中で脱酸素処理することにより、脱酸素処理の効果を高めることができる。
(4) 前記押出成形樹脂加工品がフィルム又はシートである(1)から(3)のいずれかに記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
(4)の発明によれば、ダイス出口付近のメヤニの付着・堆積を抑え、メヤニがシートやフィルムに混入することを防ぐことができるので、透明性及び機械的強度に優れた環状オレフィン樹脂を含むシート及びフィルムを高い生産性で製造することができる。
(5) 前記押出成形樹脂加工品がペレットである(1)から(4)のいずれかに記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
(5)の発明によれば、原料ペレット製品製造のため、特に効果的である。
(6) 前記樹脂原料が、ガラス転移点が100℃以下の環状オレフィン樹脂と、他のオレフィン系樹脂とのブレンドである(1)から(5)のいずれかに記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
(6)の発明によれば、一般包装材料製造のため、特に効果的である。
本発明によれば、ガラス転移点が低い環状オレフィン樹脂を含む押出成形品を高品質かつ高い生産性で製造することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
[押出成形樹脂加工品の製造方法]
本発明は、ガラス転移点が100℃以下の環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料を、80℃未満で脱酸素処理する脱酸素処理工程を含む押出成形樹脂加工品の製造方法である。樹脂原料をあらかじめ脱酸素処理することで、溶融混練時に溶融樹脂が酸化劣化することを抑えることができる。このため、押出機やダイス内面にヤケが付着したり、局所的な粘度ムラが発生したりすることで、ダイスからの溶融樹脂の流動が乱れてメヤニがダイスの出口付近に付着・堆積することを防ぐことができる。その結果、樹脂フィルム等にメヤニが混入することを防ぐことができる。
「脱酸素処理」とは、樹脂原料に溶存する酸素量を低減できるものであれば特に限定されない。脱酸素処理の方法としては真空脱気、加熱脱気等の機械的脱気方法が好ましく、より好ましくは加熱脱気であり、最も好ましくは加熱真空脱気である。
「真空脱気」とは樹脂中に溶存する酸素を減圧処理によって除去する方法である。減圧処理とは減圧雰囲気で処理することをいい、大気圧未満の圧力雰囲気で処理するものであれば特に限定されないが、減圧雰囲気中の圧力は100mmHg以下であることが好ましく、より好ましくは30mmHg以下である。
減圧は、樹脂中の溶存酸素を効果的に除去するために、あらかじめ還元ガス雰囲気、不活性ガス雰囲気にしておき減圧することが好ましい。
「加熱脱気」とは、脱酸素処理のための熱処理であれば特に限定されない。例えば、送風乾燥器、除湿乾燥器、真空乾燥器、ホッパードライヤー等が挙げられる。これらの加熱脱気手段の中では、真空乾燥器が脱酸素処理の効果を高めることができるので好ましい。
熱処理温度は25℃から80℃が好ましい。25℃以上であると酸素ガスの溶解性が低下し、また拡散速度も増大するために酸素脱気の効率があがるため好ましく、80℃以下であると乾燥器中で原料同士が融着することを防げるので好ましい。より好ましくは40℃から80℃である。最も好ましくは50℃から70℃である。
熱処理時間は特に限定されないが、加熱処理温度が低い場合にはより長時間の加熱処理時間が必要になる。加熱温度が高い場合には上記の場合と比べて短い時間であっても脱酸素処理することができる。具体的には加熱処理温度が80℃の場合には90分以上の加熱処理時間であることが好ましく、より好ましくは120分以上である。
熱処理における加熱雰囲気は特に限定されないが、樹脂中に溶存する酸素を効果的に除去するために減圧雰囲気、還元ガス雰囲気、不活性ガス雰囲気であることが好ましい。より好ましくは減圧雰囲気と還元ガス及び/又は不活性ガス雰囲気の組み合わせである。
減圧雰囲気とは上記減圧雰囲気と同じ意味である。乾燥器等の内部の圧力は100mmHg以下であることが好ましく、より好ましくは30mmHg以下である。減圧雰囲気での処理時間は、1時間から8時間であることが好ましい。
還元ガス雰囲気とは、窒素−水素混合ガス、アンモニアガス等還元作用を有するガスで乾燥器等の内部を満たすことをいう。
不活性ガス雰囲気とは窒素ガス、アルゴンガス、ネオンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスで乾燥器等の内部を満たすことをいう。
環状オレフィン樹脂と他の樹脂を混練する際の熱処理では、環状オレフィン樹脂及び他樹脂の全樹脂原料を加熱処理した上で溶融混練する方法と、環状オレフィン樹脂のみを加熱処理した上で他樹脂と合わせて溶融混練する方法のいずれでもよいが、全樹脂原料を加熱処理することがより好ましい。
さらに全樹脂原材料の熱処理に際しては、各樹脂原料をそれぞれ熱処理する方法と、数種の樹脂原料をドライブレンドした後に熱処理する方法のいずれを用いても構わない。
樹脂フィルム等の製造においては、溶融混練直前に樹脂原料を脱酸素処理することが特に好ましい。
[樹脂原料]
本発明の樹脂原料はガラス転移点が100℃以下である環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料である。ここでガラス転移点が100℃以下とは、JIS K7121記載の方法によって昇温速度10℃/分の条件で測定したガラス転移点が100℃以下であることをいう。
樹脂原料は環状オレフィン樹脂を含むものであれば特に限定されず、環状オレフィン樹脂ペレット、環状オレフィン樹脂ペレットと他の樹脂ペレットをドライブレンドしたもの、環状オレフィン樹脂ペレットと他の樹脂からなるペレットの全てを含む概念である。樹脂原料の形態は特に限定されないが、球状、円盤状、輪切り状等のペレットであることが好ましい。
環状オレフィン樹脂とは、主鎖が炭素−炭素結合からなり、主鎖の少なくとも一部に環状炭化水素構造を有する高分子化合物である。この環状炭化水素構造は、ノルボルネンやテトラシクロドデセンに代表されるような、環状炭化水素構造中に少なくとも一つのオレフィン性二重結合を有する化合物(環状オレフィン)を単量体として用いることで導入される。
環状オレフィン系樹脂(A)は、環状オレフィンの付加(共)重合体又はその水素添加物(l)、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物(2)、環状オレフィンの開環(共)重合体又はその水素添加物(3)に分類される。
環状オレフィンの具体例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン;シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の1環の環状オレフィン;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン等の2環の環状オレフィン;
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン;トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エンといった3環の環状オレフィン;
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(単にテトラシクロドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンといった4環の環状オレフィン;
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン;テトラシクロ[7.4.13,6.01,9.02,7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう)、テトラシクロ[8.4.14,7.01,10.03,8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−へキサヒドロアントラセンともいう);ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7.4.0.02,7.13,6.110,13]−4−ペンタデセン;ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.111,17.03,8.012,16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.03,8.14,7.012,17.113,l6]−14−エイコセン;シクロペンタジエンの4量体等の多環の環状オレフィンが挙げられる。これらの環状オレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
環状オレフィンと共重合可能なα−オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−へキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−へキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2から20、好ましくは炭素数2から8のエチレン又はα−オレフィン等が挙げられる。これらのα−オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
環状オレフィン又は環状オレフィンとα−オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は特に限定されず、公知の方法に従って行うことができる。
環状オレフィン樹脂は、好ましくは、エチレンとノルボルネンの付加共重合体、又は、エチレンとテトラシクロドデセンの付加共重合体である。
環状オレフィン樹脂の構造には、特に制限はなく、鎖状でも、分岐状でも、架橋状でもよいが、好ましくは直鎖状である。
これらのオレフィン樹脂の中ではエチレンとノルボルネンの共重合体が特に好ましい。
環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料には他の樹脂を配合することができる。好ましく用いられる他樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば、特に限定することなく用いることができる。具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン、等の汎用ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、等のビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、等のポリエステル樹脂、ナイロン6、ナイロン66、等のポリアミド樹脂、等の1種又は2種以上を使用することができる。さらに上記樹脂を改質した熱可塑性エラストマーもまた原料樹脂として使用することが可能である。これらの中では、特に直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
環状オレフィン樹脂の重量%比が全樹脂原料に対して99重量%から50重量%、好ましくは95重量%から50重量%、より好ましくは93重量%から60重量%、特に好ましくは90重量%から65重量%である。
環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料にはその特性を損なわない範囲で、必要に応じて各種配合剤を添加することができる。上記各種配合剤としては、熱可塑性樹脂材料で通常用いられているものであれば特に制限はなく、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、近赤外線吸収剤、蛍光増白剤等の配合剤、充填剤等が挙げられる。
押出成形加工品とは、一定の形状を有するものであれば特に限定されない。シート、フィルム等の成形品のみならずペレットも含む概念である。
本発明の押出成形加工品のシート又はフィルムは、その厚みが0.1μmから2mmであることが好ましく、より好ましくは1μmから1mmである。また本発明のシート又はフィルムは無延伸、一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよい。
[用途]
本発明の押出成形加工品のシート又はフィルムは、各種光学用途、例えば位相差フィルム、偏光板保護フィルム、光拡散板等、特にプリズムシート、液晶セル基板への用途に適する。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1から3]
表1に示す環状オレフィン樹脂ペレットと表2に示す汎用樹脂ペレットとを表3に示す重量組成でドライブレンドした後に、混合ペレットをステンレス製バットに入れて真空乾燥器(エスペック社製真空オーブンVAC300PR)で表3記載の条件により4時間減圧加熱脱気処理を行った。加熱処理終了後、ただちに原料ペレットを回収して定量フィーダーを用いて30mmφ二軸押出機で溶融押出し、樹脂ペレットを作製した。なお、押出し時には定量フィーダーから押出機原料投入口にかけて少量の窒素ガスを吹き付けることで、押出機内への酸素の混入を防止した。
[実施例4]
真空乾燥器に窒素ガスを導入し、乾燥器内を常圧に保ち窒素循環乾燥にて加熱処理を行った以外は実施例1から3と同様の方法で、表3に記載の条件により溶融押出によって樹脂ペレットを作製した。
[実施例5]
乾燥器内を減圧した以外は実施例4と同様の方法で、表3に記載の条件により溶融押出によって樹脂ペレットを作製した。
[比較例1、2]
乾燥処理を行わない以外は実施例1から3と同様の方法で、表3に記載の条件により溶融押出によって樹脂ペレットを作製した。
[比較例3]
実施例4と同様の方法で、表3に記載の条件により溶融押出によって樹脂ペレットを作製した。
Figure 2009029031
Figure 2009029031
[評価]
1時間後にストランドダイ部分のメヤニ付着状況を観察し、付着物が全く見られない場合を○、微小付着物が認められた場合を△、付着物が積層されるか、又は溶融樹脂と異なる色のヤケ異物が認められた場合を×とした。さらにダイ全体にヤケ異物が付着した場合に明らかに清掃が必要になるとみなして、その状態になるまでの連続押出可能時間を記録した。これらの評価結果を表3に示す。
Figure 2009029031
[実施例6から8]
実施例1から3と同様に原材料を前処理した後に、420mm幅でリップ開度1mmのコートハンガーダイを取り付けた40mmφ単軸押出機でシート成形を実施した。実施例6から8においても、押出し時には定量フィーダーから押出機原料投入口にかけて少量の窒素ガスを吹き付けることで、押出機内への酸素の混入を防止した。
[実施例9]
実施例4と同様に原材料を前処理した後に、実施例6から8と同様の方法で押出機によりシート成形を実施した。
[実施例10]
実施例5と同様に原材料を前処理した後に、実施例6から8と同様の方法で押出機によりシート成形を実施した。
[比較例4、5]
比較例1,2と同様に原材料を前処理した後に、実施例6から8と同様の方法で押出機によりシート成形を実施した。
[評価]
Tダイ部分のメヤニ付着状況を観察し、上記表3と同様の評価を実施した。結果を表4に示す。
Figure 2009029031
表3、表4から分かるように、樹脂原料を脱酸素処理して用いることでダイスの出口部分にメヤニ付着物が全く見られなかった。その結果、樹脂シート等に混入するメヤニ付着物が存在しないことになるので、高品質な樹脂シート等を製造できることが確認できた。また、連続押出可能時間が6時間以上であることから、高い生産性が確認できた。

Claims (6)

  1. ガラス転移点が100℃以下の環状オレフィン樹脂を含む樹脂原料を、溶融混練前及び/又は溶融混練時に80℃未満で脱酸素処理する脱酸素処理工程を含む押出成形樹脂加工品の製造方法。
  2. 前記脱酸素処理工程は、前記樹脂原料の溶融混練に行う25℃以上80℃未満、1時間以上24時間以下での熱処理である請求項1に記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
  3. 前記脱酸素処理工程は、前記樹脂原料の溶融混練及び/又は溶融混練時に行う40℃以上70℃以下、1時間以上8時間以下での減圧処理である請求項1又は2に記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
  4. 前記押出成形樹脂加工品がフィルム又はシートである請求項1から3のいずれかに記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
  5. 前記押出成形樹脂加工品がペレットである請求項1から4のいずれかに記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
  6. 前記樹脂原料が、ガラス転移点が100℃以下の環状オレフィン樹脂と、他のオレフィン系樹脂とのブレンドである請求項1から5のいずれかに記載の押出成形樹脂加工品の製造方法。
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