JP2009027495A - 恒温槽付水晶発振器における恒温槽の制御回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ12が発振器内部であって恒温槽の周囲温度に応じた信号を出力し、オペアンプ13が、サーミスタ12の出力と基準信号との差分に応じた信号を出力し、パワートランジスタ14が、オペアンプ13の出力を増幅し、ヒータ15がパワートランジスタ14のコレクタ電圧に基づいて発熱する制御回路に、オペアンプ13の出力をベースに入力するトランジスタ21を有する温度センサー回路20を設け、トランジスタ21のコレクタ電圧を、発振器内部の温度に応じて変化する内部温度信号として出力する制御回路としている。
【選択図】 図1
Description
恒温槽付水晶発振器(OCXO;Oven Controlled Crystal Oscillator)は、水晶振動子を、温度が一定に保たれたケースの中に搭載したものであり、環境温度に影響されにくく、安定した周波数特性を備えた水晶発振器である。
尚、恒温槽付水晶発振器に関する先行技術としては、実開昭64−7320号公報(特許文献1)、特開平3−126303号公報(特許文献2)がある。
特許文献1には、恒温槽温度制御回路において、発熱素子としてのニクロム線ヒータを温度設定ブリッジ内に組み込み、発熱素子の抵抗値変化に応じて温度設定を行う構成として、サーミスタ等の感温素子を不要とすることが記載されている。
更に、従来の恒温槽付水晶発振器では、周波数の安定度は10-9〜10-10程度となるが、より高い安定性が要求される場合には不十分であるという問題点があった。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器における恒温槽の制御回路は、恒温槽を制御する制御回路に温度センサー回路を設けて、発振器内部であって恒温槽の周囲温度に応じて変化する電圧を内部温度信号として取り出し、当該内部温度信号を外部に出力可能として周波数制御等への利用を図ることができるものであり、水晶振動子が搭載されている発振器内部の温度に基づいた温度補償を可能とし、恒温槽付水晶発振器の発振周波数を一層安定させることができるものである。
図1は、本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器における恒温槽の制御回路(本制御回路)の回路図である。
図1に示すように、本制御回路は、恒温槽付き水晶発振器の内部に設けられ、恒温槽に取り付けられて恒温槽の温度制御を行うものであり、基本的な構成部分として、電源端子(Vcc)10と、レギュレータ11と、サーミスタ12と、オペアンプ13と、パワートランジスタ14と、ヒータ15とを備え、本制御回路の特徴部分として、内部温度信号を出力する温度センサー回路20を備えている。
レギュレータ11は、電源端子10からの直流電圧を安定化させる。
サーミスタ12は、温度によって抵抗値が変化する感温素子であり、ここでは、温度が低い時に抵抗値が大きく、温度が高い時に抵抗値が小さくなるNTCサーミスタを用いている。
ヒータ15は、供給された電圧に応じて発熱する。
温度センサー回路20は、供給された電圧を増幅して内部温度信号を出力する。尚、温度センサー回路20は、請求項に記載した内部温度検出回路に相当する。
トランジスタ21は、オペアンプ13からの出力をベースに入力し、ベース電圧に応じたコレクタ電圧を得て、内部温度信号として出力する。つまり、トランジスタ21は、恒温槽の周囲温度に応じた信号を増幅するものである。
温度信号出力端子22は、水晶発振器内部であって恒温槽の周囲温度に応じた電圧である内部温度信号(Vtemp)を出力するものである。
本制御回路の動作について説明する。
本制御回路では、レギュレータ11により安定化された電源電圧は、サーミスタ12と抵抗を介してオペアンプ13の一方の入力端子に入力される。オペアンプ13に入力された電圧は、電源電圧を分圧したもので、基準電圧となる。
オペアンプ13の他方の入力端子には、サーミスタ12の出力にオペアンプの帰還出力を加えて入力され、2つの入力端子に入力される電圧の差分に応じた信号がオペアンプ13の出力となる。
そして、ヒータ15がパワートランジスタ14のコレクタ電流に応じて発熱し、温度センサー回路20がオペアンプ13の出力に応じた内部温度信号を出力するようになっている。
具体的には、恒温槽の周囲温度が低いときには、サーミスタ12の抵抗値が大きいので、サーミスタ12の出力電圧は小さくなり、オペアンプ13においてレギュレータ11からの基準電圧との差が大きくなる。これにより、オペアンプ13の出力電流は増大し、パワートランジスタ14のコレクタ電流が増大してヒータ15に流れる電流が増え、発熱量が大きくなる。そのため、温度が低いときにはヒータ15の発熱量が大きくなって恒温槽を急速に加熱する。
温度センサー回路20の動作について説明する。
温度センサー回路20では、オペアンプ13の出力をトランジスタ21のベースに印加し、トランジスタ21のコレクタ電圧を水晶発振器内部の恒温槽の周囲温度に応じた内部温度信号Vtempとして温度信号出力端子22より出力する。内部温度信号は、トランジスタ21、各抵抗R1,R2,R3及びコンデンサC1の特性値によって適当な値に適宜調整可能となっている。
例えば、電圧に応じて抵抗値が変化するバリキャップダイオード等の制御手段を設け、当該バリキャップダイオードに内部温度信号を入力し、バリキャップダイオードの出力を水晶振動子の制御電圧として印加する、といった構成が考えられる。
これにより、通常の恒温槽付水晶発振器よりも高精度で発振周波数の温度補償を行うことができるものである。
次に、内部温度信号の例について図2を用いて説明する。図2は、温度センサー回路20から出力される内部温度信号の例を示す特性図である。
水晶発振器の周囲(外部)の温度を変化させて内部温度信号の出力特性を2回実測した結果、図2に示すような実測値が得られた。これにより、本制御回路によって、実用的な温度範囲で安定した内部温度信号出力が得られることが確認された。
本発明の実施の形態に係る恒温槽付水晶発振器の恒温槽の制御回路によれば、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ12が水晶発振器の内部であって恒温槽の周囲温度に応じた信号を出力し、オペアンプ13が、サーミスタ12の出力と基準信号との差分に応じた信号を出力し、パワートランジスタ14が、オペアンプ13の出力に応じてコレクタ電圧を変化させ、ヒータ15がパワートランジスタ14のコレクタ電圧に基づいて発熱する制御回路に、オペアンプ13の出力をベースに入力するトランジスタ21を有する温度センサー回路20を設け、トランジスタ21のコレクタ電圧を、発振器内部の温度に応じて変化する内部温度信号として出力する制御回路としているので、発振器内部の温度状態を示す内部温度信号を発振周波数の温度補償制御等に利用することができ、恒温槽付水晶発振器の発振周波数を一層安定化させることができる効果がある。
Claims (6)
- 恒温槽付き水晶発振器における恒温槽の制御を行い、前記恒温槽に接して設けられた制御回路であって、
電源電圧が一端に接続して発熱するヒータと、
電源電圧を安定化させるレギュレータと、
電源電圧が前記レギュレータを介して一端に供給され、温度に応じて抵抗値を可変として、温度に応じた電圧を他端に出力するサーミスタと、
前記サーミスタの他端における温度に応じた電圧が分圧されて、一方の入力端子に入力されると共に、基準電圧が他方の入力端子に入力され、出力が前記一方の入力端子に帰還して前記他方の入力端子の基準電圧と前記一方の入力端子の電圧との差分を増幅するオペアンプと、
前記ヒータの他端が接続するコレクタと、前記オペアンプの出力を入力するベースと、接地するエミッタとを備え、前記オペアンプからの制御電圧によって前記ヒータの発熱を制御するパワートランジスタと、
前記水晶発振器の内部であって恒温槽の周囲温度に応じた電圧を増幅して出力する内部温度検出回路とを有することを特徴とする制御回路。 - 内部温度検出回路は、
電源電圧がレギュレータを介して供給されるコレクタと、恒温槽の周囲温度に応じた電圧が入力されるベースと、接地するエミッタとを備え、恒温槽の周囲温度に応じた電圧を増幅するトランジスタと、
前記ベースに並列に接続された抵抗とコンデンサと、
前記コレクタに設けられ、増幅された恒温槽の周囲温度に応じた電圧を内部温度に対応する電圧として出力する出力端子とを有することを特徴とする請求項1記載の制御回路。 - 内部温度検出回路におけるトランジスタのベースに、オペアンプの出力電圧が入力されることを特徴とする請求項2記載の制御回路。
- 内部温度検出回路におけるトランジスタのベースに、サーミスタの他端における分圧された電圧が入力されることを特徴とする請求項2記載の制御回路。
- 内部温度検出回路におけるトランジスタのベースに、パワートランジスタのコレクタ側の電圧が入力されることを特徴とする請求項2記載の制御回路。
- 請求項1乃至5記載の制御回路の内部温度検出回路における出力端子からの電圧に応じて発振器の周波数を制御する手段を設けたことを特徴とする恒温槽付水晶発振器。
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