JP2009023933A - 含窒素有機珪素化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な含窒素有機珪素化合物と、その効率的な製造法の提供。
【解決手段】エチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルを出発原料とし、アルコキシシランを用いてシリル化した後、アミノ基を導入することにより、一般式(1)
Figure 2009023933

で示される含窒素有機珪素化合物を得る。さらに、該化合物のアミノ基に、後周期遷移金属と2座での錯形成可能なリン原子を2個有するビフェニル基、ビナフチル基、又はフェロセニル基を導入することにより、一般式(2)
Figure 2009023933

で示される含窒素有機珪素化合物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含窒素有機珪素化合物ならびにその製造方法に関する。
アミノ基とアルコキシシリル基を含有する有機珪素化合物は、シランカップリング剤としてガラスやシリコン基板等の表面を改質する処理剤や、エポキシ樹脂等の硬化剤、シリカゲル等の無機珪素化合物を合成する際の鋳型剤として広く利用されている。
例えば、シランカップリング剤として、1級アミノ基を有する化合物については、HNCSi(OCで表される化合物(非特許文献1)及びHNCNCSi(OCで表される化合物(非特許文献2)が、また、2級アミノ基を有する化合物については、PhHNCSi(C又はCH(CHHNCSi(OCで表される化合物(特許文献1,2)が、さらに3級アミノ基を有する化合物については、(CNCSi(OCで表される化合物(特許文献2)が知られている。
しかしながら、これらの含窒素有機珪素化合物においてアミノ基とアルコキシシリル基を連結する単位はアルキレン鎖(非特許文献1)、アルキレン鎖中に窒素原子を有するアザエチレン鎖(特許文献1及び2)やアルキレン鎖中にアミド基を有する鎖(特許文献3,4)に限られており、親水性を示すオキシエチレン鎖の繰り返し単位をもってアミノ基とアルコキシシリル基を連結した含窒素有機珪素化合物は知られていなかった。
また、非特許文献1に記載の1級アミノ基を有する化合物は、アミノエチルアリルエーテルを、トリエトキシシランを用いてシリル化させて得ているが、該反応では、得られる化合物の収率が非常に低いという問題もあった。特に、前述の親水性を示すオキシエチレン鎖の繰り返し単位を持つ化合物を得るために、出発物質としてアミノエタノールアリルエーテルを用いた場合には、目的とする化合物が全く得られないことが判明した。
J.L.Speierら、J.Org.Chem.1959年、24巻、119−120ページ J.L.Speierら、J.Org.Chem.1971年、36巻、3121−3126ページ 特公平7−30236号公報 特開2002−193976号公報 特開昭55−92393号公報 特開2004−300047号公報
本発明は、シランカップリング剤としてガラスやシリコン基板等の表面を改質する処理剤や、エポキシ樹脂等の硬化剤、シリカゲル等の無機珪素化合物を合成する際の鋳型剤として広く利用可能な、アミノ基とアルコキシシリル基を含有する有機珪素化合物において、該アミノ基とアルコキシシリル基を連結する基の部分に、親水性を示すオキシエチレン鎖の繰り返し単位を導入した、新規な含窒素有機珪素化合物と、その効率的な製造法を提供することを目的とするものである。
発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルを出発原料とし、アルコキシシランを用いてシリル化した後、アミノ基を導入することにより、オキシエチレン鎖の繰り返し単位を有する新規な含窒素有機珪素化合物が得られるという知見を得た。
本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、以下のとおりの、含窒素有機珪素化合物とその製造方法を提供するものである。
(1)一般式(1):
Figure 2009023933
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜15のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基、又はアリールルオキシ基であり、nは1〜30であり、xは0〜2の整数である)で示される含窒素有機珪素化合物。
(2)エチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルを出発原料とし、アルコキシシランを用いてシリル化した後、アミノ基を導入することを特徴とする(1)記載の含窒素有機珪素化合物の製造方法。
(3)一般式(2)
Figure 2009023933
(式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜15のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基、又はアリールルオキシ基であり、Rは、後周期遷移金属と2座での錯形成可能なリン原子を2個有する、ビフェニル基、ビナフチル基、又はフェロセニル基であり、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、nは1〜30であり、xは0〜2の整数である。)で示される含窒素有機珪素化合物。
(4)エチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルを出発原料とし、アルコキシシランを用いてシリル化した後、アミノ基を導入し、さらに該アミノ基に、後周期遷移金属と2座での錯形成可能なリン原子を2個有するビフェニル基、ビナフチル基、又はフェロセニル基を導入することを特徴とする(3)に記載の含窒素有機珪素化合物の製造法。
本発明の含窒素有機珪素化合物は、アミノ基及びアルコキシシリル基を連結する基の部分に、親水性を示すオキシエチレン鎖の繰り返し単位を挿入した新規な有機珪素化合物であり、表面処理剤、プライマー、有機樹脂の改質剤等として極めて有用なものである。また、本発明の、遷移金属と2座での配位可能なリン原子を2個有するフェロセニル基等を有する含窒素有機珪素化合物は、パラジウム等の錯体形成に有用な化合物でありシリカゲル等の無機固体表面に固定化した触媒等として有用なものである。
そして、本発明の製造方法によれば、これらの含窒素有機珪素化合物を収率よく製造することができる。
本発明の含窒素有機珪素化合物は、上記一般式(1)および一般式(2)で示されるシラン化合物である。
上記式中、R及びRは、それぞれが同一であっても、或いは異なっていてもよく、炭素原子数1〜15のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基、又はアリールオキシ基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基が挙げられる。
また、上記式中、Rは、後周期遷移金属と2座での錯形成可能なリン原子を2個有する、ビフェニル基、ビナフチル基、又はフェロセニル基であり、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基である。ここで、後周期遷移金属とは、周期表第8族ないし第10族から選ばれる遷移金属を意味し、具体的には、Fe、Co、Pdなどの遷移金属が挙げられる。
さらに、nは1〜30、xは0〜2の整数であるが、原料入手の容易さからnは1〜5であることが好ましく、xはシランカップリング剤等の表面修飾剤として利用する場合には、その反応性から0〜2が好ましい。
このような本発明の上記一般式(1)で示される含窒素有機珪素化合物としては、例えば、次式で示されるアルコキシシラン化合物が挙げられる。
HNCHCHOCHCHCHSi(OCH
HNCHCHOCHCHCHSi(CH)(OCH
HNCHCHOCHCHCHSi(CH(OCH
HNCHCHOCHCHOCHCHCHSi(OCH
HN CHCHOCHCHOCHCHCHSi(CH)(OCH
HN CHCHOCHCHOCHCHCHSi(CH(OCH
HNCHCHOCHCHOCHCHOCHCHCHSi(OCH
HN CHCHOCHCHOCHCHOCHCHCHSi(CH)(OCH
HN CHCHOCHCHOCHCHOCHCHCHSi(CH(OCH
このような本発明の上記一般式(2)で示される含窒素有機珪素化合物としては、例えば、次式で示されるアルコキシシラン化合物が挙げられる。
Figure 2009023933
Figure 2009023933
Figure 2009023933
Figure 2009023933
Figure 2009023933
Figure 2009023933
本発明において、上記一般式(1)で表される含窒素有機珪素化合物は、工業入手可能なエチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルから製造することが可能である。すなわち、エチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルを出発原料とし、アルコキシシランを用いてシリル化した後、アミノ基を導入することにより製造される。
該合成反応の一例を、下記に示す。
Figure 2009023933
(式中、Tosは、p−トルエンスルホニル基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜15のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基、又はアリールオキシ基であり、nは1〜30であり、xは0〜2の整数である。)
また、本発明において、上記一般式(2)で表される含窒素有機珪素化合物は、該方法により得られた一般式(1)で示される化合物のアミノ基に、後周期遷移金属と2座での錯形成可能なリン原子を2個有するビフェニル基、ビナフチル基、又はフェロセニル基を導入することにより製造される。
本発明の含窒素有機珪素化合物は分子末端がアミノ基であることから硬化触媒として使用することができる。また、本発明の製造方法は、工業上入手可能な原料を用いて本発明の含窒素有機珪素化合物を収率よく製造できるという特長を有する。加えてこの製造方法では、特殊な反応装置は必要なく、既存の反応装置が使用できるという利点を有する。さらに本発明の含窒素有機珪素化合物は各種基材間の接着に利用することができる。特に、有機樹脂と無機材料もしくは金属材料との接着に利用することができる。このため、本発明の含窒素有機珪素化合物は、表面処理剤、プライマー、有機樹脂の改質剤等に使用されるシランカップリング剤として有用である。なお、本発明で言う有機樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。
本発明の含窒素有機珪素化合物は、使用時には水や有機溶剤で希釈してもよい。使用される有機溶剤としては、メタノール、エタノール等の水溶性の溶剤が使用できる。またその使用方法としては、各種基剤表面を処理する方法や有機溶剤に添加配合する方法が挙げられ、前者の表面処理方法が好ましい。
本発明の含窒素有機珪素化合物により処理される基材としては、例えば、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、焼成シリカ、ヒュームド二酸化チタン、粉砕石英、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミの珪酸塩、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、マイカ等の無機質微粒子;ガラス繊維、ナイロン繊維、炭素繊維等の繊維基材;ガラス版、鋼板、鉄板、ステンレススチール板、アルミニウム板等の金属板が挙げられる。
以下、本発明を実施例および比較例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら制約されるものではない。
1.実験装置
市販のガラス製フラスコ、還流コンデンサー、テフロンで被覆された撹拌子、オイルバス、マグネチックスターラーを使用した。
2.実施例、比較例で使用した原料、触媒等
(1)実施例、比較例で使用した原料、溶媒
エチレングリコールモノアリルエーテル(和光純薬工業(株)製、純度98%(GC))
ピリジン(和光純薬工業(株)製、純度99.5%(GC))
水素化カルシウム(和光純薬(株)製)
トシルクロリド(和光純薬(株)、純度97%(cGC))
トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン(信越化学工業(株)製)
アジ化ナトリウム(和光純薬(株)製、純度98%)
(2)実施例、比較例で使用した触媒
Karstedt触媒(Gelest製、ジビニルテトラメチルジシロキサンキシレン溶液、2.1〜2.4%白金濃度)
Pd/C触媒(和光純薬(株)製、パラジウム含量5wt%、商品名:パラジウム炭素)
[実施例1]
〈トルエンスルホニルオキシエチルアリルエーテルの合成〉
滴下ロート、磁気撹拌子を備えた200ml二口丸底フラスコに窒素雰囲気下、2.5mlエチレングリコールモノアリルエーテル(23.4mmol)の25ml乾燥ピリジン(水素化カルシウム上で乾燥蒸留したもの)溶液を加え、アイスバス上で0℃にした。この溶液に5.4gのトシルクロリド(28.3mmol)の25mlの乾燥ピリジン溶液を滴下ロートから約10分間かけて滴下した。この反応混合物は滴下終了後0℃で16時間撹拌した後、100mlの氷水を加えて反応を終結させた。反応混合物に60mlのクロロホルムを加えて有機成分を抽出後、クロロホルム溶液分離、硫酸マグネシウム乾燥処理後、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。得られた濃縮液はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付され、ヘキサン:酢酸エチル(1:1)による遊離液を濃縮乾燥し5.35g(89%)のトルエンスルホニルオキシエチルアリルエーテルを得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 7.80 (m, 2H, C6H4), 7.34 (m, 2H, C6H4), 5.81 (ddt, 1H, J = 17.4, 10.3, 5.6 Hz, -CH=CH2), 5.22 (m, 1H, -CH=CHaHb), 5.16 (m, 1H, -CH=CHaHb), 4.17 (m, 2H, CH2OTs), 3.94 (m, 2H, OCH2CH=), 3.62 (m, 2H, OCH2CH2), 2.44 (s, 3H, CH3).
〈2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアジドの合成〉
還流冷却器、ラバーセプタム、磁気撹拌子を備えた二口丸底フラスコに窒素雰囲気下2.56gのトルエンスルホニルオキシエチルアリルエーテル(9.99mmol)の16ml乾燥トルエン(ナトリウム−ベンゾフェノンケチルから蒸留)溶液を加えた。この溶液にKarstedt触媒のキシレン溶液を10滴加えた後、2.7mlのトリエトキシシランをシリンジを用いて約7分かけて滴下した。反応溶液は、36℃で約4時間加熱撹拌された後濃縮され薄茶色のオイルを得た。このオイルに25mlの乾燥DMFを加え、フラスコ内部を窒素置換し、1.3gのアジ化ナトリウム(20mmol)加え60℃で3時間加熱撹拌後バキュームトラップによりDMFを除去し25mlの塩化メチレンを加えセライト濾過した。濾液はシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付され2.27g(78%)の2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアジドを得た。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 3.81 (q, 6H, J = 7.0 Hz, OCH2CH3), 3.60 (m, 2H, CH2N3), 3.45 (t, 2H, J = 6.7 Hz, OCH2CH2N3), 3.36 (t, 2H, J = 5.1 Hz, CH2CH2CH2O), 1.70 (m, 2H, CH2CH2CH2), 1.22 (t, 9H, J =7.0 Hz, OCH2CH3), 0.67 (m, 2H, CH2Si).
〈2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミンの合成〉
100mLのステンレススチール製オートクレーブに0.72gの2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアジドの20ml乾燥アセトニトリル(水素化カルシウム上で乾燥後蒸留精製)溶液と0.15gの5%Pd/Cを入れ、320kPaの水素圧力下、室温で5時間撹拌させた後、水素圧を解放し反応を終結させた。反応混合物からセライト濾過により触媒であるPd/Cを濾別後、濾液を濃縮し0.61g(92%)の2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミンを得た。
得られた生成物のプロトンNMRの以下の結果を図1に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): 3.81 (q, 6H, J = 7.0 Hz, OCH2CH3), 3.42 (m, 4H, CH2OCH2), 2.83 (t, 2H, J = 5.2 Hz, CH2NH2), 1.69 (m, 2H, CH2CH2CH2), 1.49 (br s, 2H, NH2), 1.21 (t, 9H, J = 7.0 Hz, OCH2CH3), 0.64 (m, 2H, CH2Si).
[実施例2]
トリエトキシシランの代わりにメチルジエトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い2−(3−メチルジエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミンを得た。
[実施例3]
トリエトキシシランの代わりにジメチルエトキシシランを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い2−(3−ジメチルエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミンを得た。
得られた生成物のプロトンNMRの結果を図2に示す。
[実施例4]
〈2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミノエチル−1´,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンの合成〉
還流コンデンサー、テフロン撹拌子を備えた50mlの二口丸底フラスコに0.32g(500mmol)の[1´,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアセテートと、1.49mg(5.61mmol)の実施例1で得られた2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミンと、9mlのメタノールを加え、窒素雰囲気下72℃で4時間加熱した。反応終了後、低沸成分を真空下除去し残査をシリカガルカラムクロマトグラフィーに付した。ヘキサン:酢酸エチル=1:1溜分から得られたフラクションを濃縮しワックス状の2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミノエチル−1´,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンを得た。
得られた生成物のプロトンNMRの以下の結果を図3に示す。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz):7.50-7.44 (m, 2H, Ph), 7.34-7.17 (m, 18 H, Ph), 4.41 (br quintet, 2H), 4.13-4.10 (m, 1H, Cp), 4.09 (t, J = 2.6 Hz, 1H, Cp), 4.05-4.03 (m, 1H, Cp), 4.01-3.94 (m, 1H, CHCH3), 3.80 (q, 6H, J = 7.0 Hz, OCH2CH3), 3.63-3.60 (m, 2H, Cp), 3.10 (t, 2H, J = 7.1 Hz, OCH2 ), 2.86 (t, 2H, J = 6.2 Hz, OCH2), 2.47-2.37 (m, 2H, NCH2), 1.55-1.45 (m, 2H, CH2CH2Si), 1.36 (d, 3H, J = 6.6 Hz, CHCH3), 1.22 (t, 9H, J = 7.0 Hz, OCH2CH3), 0.54-0.49 (m, 2H, CH2Si). 31P{1H} NMR (CDCl3, 400 MHz): -16.5 (s), -24.4 (s).
[比較例1]
還流冷却器、ラバーセプタム、磁気撹拌子を備えた二口丸底フラスコに窒素雰囲気下3.0gの2−アミノエチルアリルエーテル(29.2mmol)の30ml乾燥トルエン(ナトリウム−ベンゾフェノンケチルから蒸留)溶液を加えた。この溶液にKarstedt触媒のキシレン溶液を10滴加えた後、5.5mlのトリエトキシシラン(30mmol)を、シリンジを用いて約10分かけて滴下した。反応溶液は36℃で約4時間加熱撹拌された後、濃縮し得られた残査をNMRにより解析したところ、生成物は目的の2−(3−トリエトキシシリルプロピルオキシ)エチルアミンではなく、還元生成物の2−アミノエチルプロピルエーテルであった。
[比較例2]
アミノエタノールアリルエーテルの代わりにN−Bocアミノエタノールアリルエーテルを用いた以外は比較例1と同様の操作を行ったところ、比較例1と同様に、生成物はN−Bocアミノエチルプロピルエーテルであった。
実施例1で得られた含窒素有機珪素化合物のプロトンNMRを示した図である。 実施例3で得られた含窒素有機珪素化合物のプロトンNMRを示した図である。 実施例4で得られた含窒素有機珪素化合物のプロトンNMRを示した図である。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 2009023933
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜15のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基、又はアリールオキシ基であり、nは1〜30であり、xは0〜2の整数である。)で示される含窒素有機珪素化合物。
  2. エチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルを出発原料とし、アルコキシシランを用いてシリル化した後、アミノ基を導入することを特徴とする請求項1に記載の含窒素有機珪素化合物の製造方法。
  3. 一般式(2)
    Figure 2009023933
    (式中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜15のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基、又はアリールオキシ基であり、Rは、後周期遷移金属と2座での錯形成可能なリン原子を2個有する、ビフェニル基、ビナフチル基、又はフェロセニル基であり、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、nは1〜30であり、xは0〜2の整数である。)で示される含窒素有機珪素化合物。
  4. エチレングリコールモノアリルエーテル又はポリエチレングリコールモノアリルエーテルを出発原料とし、アルコキシシランを用いてシリル化した後、アミノ基を導入し、さらに該アミノ基に、後周期遷移金属と2座での錯形成可能なリン原子を2個有するビフェニル基、ビナフチル基、又はフェロセニル基を導入することを特徴とする請求項3に記載の含窒素有機珪素化合物の製造法。
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