JP2009023263A - 送付用情報記録冊子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】最終的な製品としての擬似接着要件と、加工中の接着維持とを両立し、接着不良に伴う大きな製品ロスが発生しない送付用情報記録冊子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数枚の基材Aの各一辺が綴じ辺10として強接着された冊子印刷物において、重なりあった基材Aのうち、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域を擬似接着剤4によって剥離可能に擬似接着する。擬似接着剤4は、オープンタイム経過前に一次接着性を示して擬似接着領域内で一次接着状態となり、この一次接着状態の擬似接着領域のうち、一次接着が凝集破壊によって剥離した剥離部では、オープンタイム経過後に一定未満の加圧で一次接着性がなくなり、一定以上の加圧によってのみ自着接着の二次接着性を発現する。
【選択図】図4
【解決手段】複数枚の基材Aの各一辺が綴じ辺10として強接着された冊子印刷物において、重なりあった基材Aのうち、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域を擬似接着剤4によって剥離可能に擬似接着する。擬似接着剤4は、オープンタイム経過前に一次接着性を示して擬似接着領域内で一次接着状態となり、この一次接着状態の擬似接着領域のうち、一次接着が凝集破壊によって剥離した剥離部では、オープンタイム経過後に一定未満の加圧で一次接着性がなくなり、一定以上の加圧によってのみ自着接着の二次接着性を発現する。
【選択図】図4
Description
本発明は、切り取ったり、ちぎったりせず容易に開封できる擬似接着を施して、冊子を送付可能な状態にした送付用情報記録冊子に関するものである。
近年は、通信、郵送などの連絡手段により情報を伝達する量が多くなる一方で、個人情報など親展性を必要とする連絡手段が重要視されている。また、郵便事業のサービス多様化にともない親展性を有する葉書システムが実用化され、普及している。また、約A4定形サイズの封書を使用した冊子小包や宅配メールサービスの進化にともない多様な印刷情報伝達手段が登場してきているが親展性を有する葉書と同様の用途使い方については技術的ブレークスルーが待たれる状況である。
すでに送付用情報記録冊子に直接宛名情報処置して封筒不要としたものも開発されている。しかし、親展性情報を送達するための確実な袋綴じとしては3方をミシン線で切り取る技術が一般的である(例えば、特許文献1参照)。
また、コンピュータ印字後に糊塗布し、乾燥装置を通過させた後、後処理として専用プレス機にて一定以上の圧を加えて疑似接着をするものが存在する(例えば、特許文献2参照)。これは2次接着のみを利用する接着方法、すなわち1枚の用紙の両面に接着剤塗布し、乾燥後処理するはがき加工の方法として成立している。
さらに、はがき製造ではなく冊子を製造する場合には、接着剤塗布が複雑になることから、通常の紙工業では、塗布と貼り合せを一連の加工として一次接着のみで実施している。
特開平115349号公報
特願2002−233176号公報
しかしながら、一次接着のみで工業的に擬似接着を用いた送付用情報記録冊子を量産する場合、接着剤の固化までの時間内で複雑な加工、搬送を施すことになる。この様な場合、最終的な製品としての擬似接着要件と、加工中の接着維持とを両立することが課題となる。
このうち加工中の接着維持については特に、送付用冊子を製造する段階で、綴じ辺以外の辺を疑似接着する場合、加工段階で口アキの不良が多発してしまう。
又、擬似接着要件として、固化剥離した後には接着性を示さないことが必要である。このため、加工中に一次接着の接着不良が発生してしまうと大きな製品ロスが発生することとなる。
そこで本発明では、最終的な製品としての擬似接着要件と、加工中の接着維持とを両立し、接着不良に伴う大きな製品ロスが発生しない送付用情報記録冊子及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく本発明では以下(1)〜(4)の手段を採用する。
(1)本発明の送付用情報記録冊子は、
複数枚の基材Aの各一辺が綴じ辺10として強接着された冊子印刷物において、重なりあった基材Aのうち、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域2を擬似接着剤4によって剥離可能に擬似接着することで袋綴じ状態としてなる送付用情報記録冊子である。そして、前記擬似接着剤4は下記特徴を有する。
すなわち擬似接着剤4は、オープンタイム経過前に一次接着性を示して擬似接着領域2内で一次接着状態となり、
この一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一次接着が剥離せずに接着保持されたままの接着保持部では、オープンタイム経過後も一次接着状態を保つとともに、
前記一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一次接着が凝集破壊によって剥離した剥離部では、オープンタイム経過後に一定未満の加圧で一次接着性がなくなり、一定以上の加圧によってのみ自着接着の二次接着性を発現するものであり、
また、オープンタイム経過後の接着保持部、及び二次接着性を発現した剥離部のいずれも、手で凝集破壊による剥離が可能な擬似接着となっていることを特徴とする。
(1)本発明の送付用情報記録冊子は、
複数枚の基材Aの各一辺が綴じ辺10として強接着された冊子印刷物において、重なりあった基材Aのうち、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域2を擬似接着剤4によって剥離可能に擬似接着することで袋綴じ状態としてなる送付用情報記録冊子である。そして、前記擬似接着剤4は下記特徴を有する。
すなわち擬似接着剤4は、オープンタイム経過前に一次接着性を示して擬似接着領域2内で一次接着状態となり、
この一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一次接着が剥離せずに接着保持されたままの接着保持部では、オープンタイム経過後も一次接着状態を保つとともに、
前記一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一次接着が凝集破壊によって剥離した剥離部では、オープンタイム経過後に一定未満の加圧で一次接着性がなくなり、一定以上の加圧によってのみ自着接着の二次接着性を発現するものであり、
また、オープンタイム経過後の接着保持部、及び二次接着性を発現した剥離部のいずれも、手で凝集破壊による剥離が可能な擬似接着となっていることを特徴とする。
ここで本発明においては、固化(充分な乾燥)前の粘着性を示す現象をオープンタイム経過前、固化(充分な乾燥)後の現象をオープンタイム経過後としている。
このような擬似接着剤4は、オープンタイム前に一次接着性を示すため、一次接着によって加工・搬送時に用紙同士を仮接着することで、加工時、重ね合わせ時、カット時或いは搬送中におこる、用紙のずれ、浮きによるしわの発生などを防止することができる。また、一次接着性のなくなるオープンタイム経過後も、加圧によっても二次接着可能としているため、一次接着が凝集破壊によって剥離して剥離部が生じた場合でも、二次接着の加圧プレスを施すことによって確実な擬似接着が可能となる。
この一次接着性は二次接着時の自着接着性とは異なり、オープンタイム後になくなるものである。当接した接着剤同士の当接面に、接着不良等によって剥がれた剥離部があっても、凝集破壊した剥離部の接着剤同士の各当接面は、オープンタイム経過によって水分が抜けることで、新たな被接触物に対する一次接着性が消失する。この一次接着性の消失後に再び加圧による二次接着を行うことで、基材Aの浮きや接着不良を起こすことなく、確実な二次接着たる擬似接着を行うことができる。
また、重ね合わせ時や運搬時の衝撃等によって一次接着部分が剥がれ、擬似接着剤4同士が凝集破壊したとしても、基材Aと擬似接着剤4との境界面は破壊されずに残る(図14参照)。このため、加圧による二次接着によっても基材Aの浮きや接着不良を起こすことなく、確実な二次接着たる擬似接着を行うことができる。
(2)前記送付用情報記録冊子において、上記擬似接着領域2は、綴じ辺10に対向する対向辺11の辺縁に沿った第一擬似接着領域21と、綴じ辺10と隣り合う天地辺12(上辺及び下辺)の辺縁に沿った第二擬似接着領域22とからなり、
第一擬似接着領域21及び第二擬似接着領域22にて、擬似接着剤4のオープンタイム経過前の一次接着が施され、
少なくとも前記第二擬似接着領域22にて、一次接着された擬似接着剤4のオープンタイム経過後の加圧によって二次接着が施されたものとすることが好ましい。
第一擬似接着領域21及び第二擬似接着領域22にて、擬似接着剤4のオープンタイム経過前の一次接着が施され、
少なくとも前記第二擬似接着領域22にて、一次接着された擬似接着剤4のオープンタイム経過後の加圧によって二次接着が施されたものとすることが好ましい。
つまりこのような擬似接着剤4は、少なくとも第二擬似接着領域22にて、オープンタイム前に一次接着性を示し、オープンタイム後、凝集破壊によって剥離した剥離部において、通常では接着性はなく一定以上の加圧によってのみ自着(すなわち擬似接着剤4に対して接着)する感圧性の接着剤として機能する。
このようなものであれば、オープンタイム前の一次接着によって天地辺12の口開き不良の発生を防止することができる。加工及び重ね合わせ搬送時には、特に、天地辺12に沿う領域が搬送時の送り方向と交わるため、口開き不良が発生しやすい。このため、擬似接着剤42を加圧して二次接着することが好ましい。
さらにいえば、擬似接着剤4を、第一擬似接着領域21の上下辺沿い及び第二擬似接着領域22に用いる側辺沿いの3方へ、コの字状に塗布すると共に、
オープンタイム経過後は、第二擬似接着領域22の一部にのみ加圧を施して二次接着するものとし、加圧する領域は辺縁に沿った等間隔の複数の小型プレス領域からなることが好ましい。
オープンタイム経過後は、第二擬似接着領域22の一部にのみ加圧を施して二次接着するものとし、加圧する領域は辺縁に沿った等間隔の複数の小型プレス領域からなることが好ましい。
(3)前記いずれかの送付用情報記録冊子において、複数枚の矩形基材Aが側辺の連設部5同士を介して予め横に連接されたものとし、この連設部5を折り畳んで包み冊子を構成し、その包み冊子外面に現われた辺縁に沿って擬似接着領域2を設けたものとすることもできる。
この様なものは、後述の実施例2あるいは3のように、連設部5によって冊子の頁よりも大きい頁を包んだ包み冊子を構成する。その包み冊子外面に現われた辺縁を袋綴じ部として、横方向に長い情報の記録をパノラマ式に順に開示することができる。例えば後述の実施例3では、包んだ基材Aを順に開くことで、横方向に連設された基材Aが順に2ページずつ開示されるとともに、全ての基材Aを開くことで横に長い大判の見開き情報が開示される。
(4)また、本発明の送付用情報記録冊子の製造方法は、上記いずれか記載の送付用情報記録冊子に関する製造方法であって、各頁に情報が印刷された基材Aの各一辺を強接着によって綴じ辺10とし、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域2を擬似接着することで送付用の袋綴じ状態となる送付用情報記録冊子に関する。
そして、複数枚の基材Aの冊子印刷物の綴じ辺10以外の3辺のうち少なくとも1辺縁を一次接着として擬似接着する一次接着工程と、
基材Aの折り加工及び重ね合わせを行う加工搬送工程と、
基材Aの搬送方向と交わる辺に沿った第二擬似接着領域22を加圧プレスして二次接着として擬似接着する二次接着工程とを順に有することを特徴とする。
そして、前記擬似接着領域2に使用する擬似接着剤4は、オープンタイム前に一次接着性を示し、オープンタイム後は、一定以上の加圧による自着接着性を示し、擬似接着剤の一次接着によるオープンタイム経過後、及び二次接着後とも手で剥離可能であり、剥離によって凝集破壊される、疑似接着の接着剤である。
そして、複数枚の基材Aの冊子印刷物の綴じ辺10以外の3辺のうち少なくとも1辺縁を一次接着として擬似接着する一次接着工程と、
基材Aの折り加工及び重ね合わせを行う加工搬送工程と、
基材Aの搬送方向と交わる辺に沿った第二擬似接着領域22を加圧プレスして二次接着として擬似接着する二次接着工程とを順に有することを特徴とする。
そして、前記擬似接着領域2に使用する擬似接着剤4は、オープンタイム前に一次接着性を示し、オープンタイム後は、一定以上の加圧による自着接着性を示し、擬似接着剤の一次接着によるオープンタイム経過後、及び二次接着後とも手で剥離可能であり、剥離によって凝集破壊される、疑似接着の接着剤である。
本発明は上記手段を採用することで、最終的な製品としての擬似接着要件と、加工中の接着維持とを両立し、接着不良に伴う大きな製品ロスが発生しない送付用情報記録冊子及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を実施例として示す各図と共に説明する。図1ないし図4は実施例1、図5及び図6は実施例2、図7乃至図9は実施例3、そして図10は実施例4をそれぞれ示す。また図11は実施例1の送付用情報記録冊子の製造工程の概略を示し、図12ないし図16は、各製造工程における基材A及び接着剤4の状態を示す。
本発明の送付用情報記録冊子は、基本的に、複数枚の基材Aの各一辺が綴じ辺10として強接着剤305によって強接着された冊子印刷物であり、重なりあった基材Aのうち、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域2が、擬似接着剤4によって剥離可能に擬似接着される。
擬似接着剤4は、擬似接着領域2内の全体に塗布され、オープンタイム経過前に一次接着性を示して擬似接着領域2内全体で基材Aへの一次接着状態を構成する。
この一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一部は、加工搬送中に一次接着が凝集破壊によって剥離する場合がある。この一次接着が剥離した領域部を剥離部とする。又それ以外の、一次接着が剥離せずに接着保持されたままの領域部を接着保持部とする。すなわち一次接着状態となった擬似接着領域2は、加工搬送工程を経ることで、剥離部と接着保持部とから構成されることがある。
この一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一部は、加工搬送中に一次接着が凝集破壊によって剥離する場合がある。この一次接着が剥離した領域部を剥離部とする。又それ以外の、一次接着が剥離せずに接着保持されたままの領域部を接着保持部とする。すなわち一次接着状態となった擬似接着領域2は、加工搬送工程を経ることで、剥離部と接着保持部とから構成されることがある。
このような剥離部を有するものは接着不良品として扱われてしまう。これに対して、本発明では剥離部が現れたときにも、感圧によって剥離部を二次接着するものとし、そのために本発明で使用する擬似接着剤4は、オープンタイム経過後にも一定以上の加圧によって自着接着の二次接着性を発現するものである。
(剥離部と接着保持部)
一次接着状態となった擬似接着領域2は、加工搬送工程を経ることで、剥離部と接着保持部とから構成されることがある。
(剥離部と接着保持部)
一次接着状態となった擬似接着領域2は、加工搬送工程を経ることで、剥離部と接着保持部とから構成されることがある。
一次接着状態の擬似接着領域2のうち、それ以外の、一次接着が剥離せずに接着保持されたままの領域部が接着保持部である。
また、一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一次接着が凝集破壊によって剥離した部分が剥離部である。
このような剥離部を有するものは接着不良品として扱われてしまうことから、本発明では剥離部が現れたときにも、感圧による自着接着を行って剥離部を二次接着することとしている。
(擬似接着剤4)
擬似接着剤4は、オープンタイム経過前に一次接着性を示して基材Aに一次接着され、擬似接着領域2で一次接着状態を構成する。
(擬似接着剤4)
擬似接着剤4は、オープンタイム経過前に一次接着性を示して基材Aに一次接着され、擬似接着領域2で一次接着状態を構成する。
オープンタイム経過後に、剥離せずに一次接着されたままの接着保持部(擬似接着領域2の一部)では、オープンタイム経過後も一次接着状態を保つ。これは、オープンタイム経過後であって一次接着性がなくなっても接着保持されていれば一次接着状態のまま固化するためである。
一次接着が凝集破壊によって剥離した剥離部(擬似接着領域2の一部)では、オープンタイム経過後に、一定未満の加圧(非加圧)での新たな被接触部に対する一次接着性がなくなる。そして、このオープンタイム経過後によって一次接着性がなくなった剥離部分領域では、一定以上の加圧によってのみ、自着接着の二次接着性を発現して二次接着状態となる。
また、オープンタイム経過後の一次接着状態にある接着保持部、及び二次接着性を発現して二次接着状態にある剥離部分のいずれも、手で凝集破壊による剥離が可能な擬似接着となっている。
また、オープンタイム経過後の一次接着状態にある接着保持部、及び二次接着性を発現して二次接着状態にある剥離部分のいずれも、手で凝集破壊による剥離が可能な擬似接着となっている。
使用する擬似接着剤4は、一次擬似接着剤4の機能として、オープンタイム前に一次接着性を示し、オープンタイム後は、通常では接着性はなく一定以上の加圧による自着による接着剤として機能する。さらに二次擬似接着剤4の機能として、一次接着オープンタイム経過後、二次接着後とも手で凝集破壊による剥離が可能な疑似接着として機能する。
<本発明の送付用情報記録冊子の全体構成>
本発明の送付用情報記録冊子は、複数葉の概略同形の基材Aが積層され綴じ辺10によって冊子状に一体化されてなる。いずれの実施例においても、各葉の基材Aにおける少なくとも前記綴じ辺10の対向辺11に沿って、各葉相互間で剥離可能に接着・封止される擬似接着領域22が設けられる。そして、いずれの実施例においても、擬似接着領域22の端部のうち少なくともいずれか(一端または両端)には、各葉間の接着剤を省いて、指がかりを補助する未接着部からなる非接着領域7が形成される。
本発明の送付用情報記録冊子は、複数葉の概略同形の基材Aが積層され綴じ辺10によって冊子状に一体化されてなる。いずれの実施例においても、各葉の基材Aにおける少なくとも前記綴じ辺10の対向辺11に沿って、各葉相互間で剥離可能に接着・封止される擬似接着領域22が設けられる。そして、いずれの実施例においても、擬似接着領域22の端部のうち少なくともいずれか(一端または両端)には、各葉間の接着剤を省いて、指がかりを補助する未接着部からなる非接着領域7が形成される。
(基材A)
基材Aは、実施例のように紙製の基材A(紙基材A)が用いられることが好ましいが、シート状のものであれば合成樹脂製のものでもよく、その他、表面に離型処理が施される、或いは二層の異層密着構造など、複数材質の多層構造からなるものとしても良い。各葉の基材Aには、外面から視認可能な宛名情報表示領域1を有し且つ各種情報が掲載され、各葉同一位置の一辺を綴じ辺10として、綴じ辺10に沿って、強接着剤30が塗布される。そして、各葉の綴じ辺10を揃えた状態で複数枚の基材Aを積層する。これにより、前記綴じ辺10の対向辺11が開放されるようにして冊子状に一体化され、送付用情報記録冊子が形成される。
基材Aは、実施例のように紙製の基材A(紙基材A)が用いられることが好ましいが、シート状のものであれば合成樹脂製のものでもよく、その他、表面に離型処理が施される、或いは二層の異層密着構造など、複数材質の多層構造からなるものとしても良い。各葉の基材Aには、外面から視認可能な宛名情報表示領域1を有し且つ各種情報が掲載され、各葉同一位置の一辺を綴じ辺10として、綴じ辺10に沿って、強接着剤30が塗布される。そして、各葉の綴じ辺10を揃えた状態で複数枚の基材Aを積層する。これにより、前記綴じ辺10の対向辺11が開放されるようにして冊子状に一体化され、送付用情報記録冊子が形成される。
綴じ辺10は、図6に示すように、冊子状の各葉の2倍幅の連続基材Aを二つ折りすることで形成される山折辺である。綴じ辺10の近傍に綴じ辺10に沿って、強接着剤30が図6に示すような塗布工機によって塗布され、この強接着剤30によって各葉が綴り固定される。
(強接着剤30)
強接着剤30は、通常の使用では剥離不能な程度、或いは剥離し難い程度の接着強度をもって接着したものである。この強接着剤30は、擬似接着領域22に塗布される擬似接着剤4が剥離可能であるのに対して、この擬似接着剤4の接着強度よりも大きい、例えば2倍以上の剥離強度を有するものを使用することができる。
強接着剤30は、通常の使用では剥離不能な程度、或いは剥離し難い程度の接着強度をもって接着したものである。この強接着剤30は、擬似接着領域22に塗布される擬似接着剤4が剥離可能であるのに対して、この擬似接着剤4の接着強度よりも大きい、例えば2倍以上の剥離強度を有するものを使用することができる。
なお本発明においては、冊子状態における各葉の基材Aの、綴り側の辺を綴じ辺10といい、この綴り側の辺と対向する開放された辺を対向辺11といい、前記綴り側の辺と隣接する上下それぞれの辺を上天地辺12及び下天地辺12という。
(擬似接着領域22(擬似接着剤41及び擬似接着剤42))
各葉の擬似接着領域22に塗布された擬似接着剤4によって、各葉が剥離可能に封止・接着される。擬似接着領域22は開放される3辺たる、対向辺11、及び上下の天地辺12に沿って所定の封止長さで形成される。擬似接着剤4は、基材Aを大きく損傷させずに剥離することができると共に、人手によって簡単に剥離できるが意図的に剥離動作をしなければ接着を維持できるように設定している。
各葉の擬似接着領域22に塗布された擬似接着剤4によって、各葉が剥離可能に封止・接着される。擬似接着領域22は開放される3辺たる、対向辺11、及び上下の天地辺12に沿って所定の封止長さで形成される。擬似接着剤4は、基材Aを大きく損傷させずに剥離することができると共に、人手によって簡単に剥離できるが意図的に剥離動作をしなければ接着を維持できるように設定している。
ここで、剥離可能な擬似接着領域22は、開放する(つまり、綴じ辺10以外の)3辺のうち少なくとも対向辺11を含む一辺以上の辺に沿ったものであれば良い。実施例1及び2では、対向辺11及び天地辺12の3辺に沿った、略コ字状に形成したものとしており、実施例3では綴じ辺10の対向辺11の一辺のみに沿ったものとしている。
実施例1では、対向辺11は二次接着を行わず一次接着のみを行い、天地辺12は一次及び二次接着の両方を行う。特に実施例1のように、綴じ辺10を含む周囲4辺を封止したものは、郵便封筒として取り扱うことができるため便宜性に優れる。また他の形態として、天地辺12のうち上下いずれかと対向辺11との2辺を擬似接着領域2としたもの、或いは、基材Aの全面を接着したものとしても良い(いずれも図示せず)。
擬似接着領域22内の接着剤の塗布は、実施例1ないし3のように全面にベタ塗りしたものでもよいが、スポット接着によって接着剤を所定の大きさのドット状に散点させたもの、あるいは二次接着工程のプレス部2Pのプレス形状に合わせて矩形状を離間させて連続塗布たものでもよい。
擬似接着剤4としては、例えば感圧接着剤を使用することができる。具体的には、基材Aを剥離して開封した後には粘着性が喪失し、基材Aの擬似接着領域22であった部分の面がべたつかないものが好ましい。例えば、水性エマルジョンタイプの天然ゴム主成分のラテックス系接着剤を用いることができる。なお、開封時に基材A表面の紙ムケを抑制するために、開封部となる擬似接着領域22の擬似接着剤4と基材Aとの間に、透明インクによって薄膜を形成したものとすることができる。ここで使用する透明インクは、離型作用を有するシリコン等を主成分として配合したものが好ましい。
(掲載情報)
各葉には情報が掲載される。この情報として、通信事務データの内容(利用明細・請求書など)と前記送付先に対応した宣伝広告データの内容(カタログ、パンフレット等)とがコンピュータにより複合・一体化されたものを含む。前記情報は例えばプリントオンデマンドによりプリントしうる。冊子状としたときの基材Aの表面には例えば宛名情報表示領域が設けられ、裏面となる最終頁には、例えば切り取りミシン線で切り出せるように区画された返信用はがきを含むようにしたものとすることができる。
各葉には情報が掲載される。この情報として、通信事務データの内容(利用明細・請求書など)と前記送付先に対応した宣伝広告データの内容(カタログ、パンフレット等)とがコンピュータにより複合・一体化されたものを含む。前記情報は例えばプリントオンデマンドによりプリントしうる。冊子状としたときの基材Aの表面には例えば宛名情報表示領域が設けられ、裏面となる最終頁には、例えば切り取りミシン線で切り出せるように区画された返信用はがきを含むようにしたものとすることができる。
従来、発明者等が送付用情報記録冊子を製造する段階で、綴じ辺10以外の天地辺12を疑似接着する場合、加工段階で口アキの不良が多発し商品化に行き詰まっていた。そこで実施例1では、綴じ辺10(冊子のど部)と直行する天地辺12縁の好適な擬似接着方式を提供する。
実施例1(図1ないし図4)は、綴じ辺10(冊子のど部)にて強接着剤30で強接着された、4枚の基材Aからなる4頁冊子の形態例であり、各基材Aの幅は最上枚が最も短く、裏側へ重なり合う各枚が順に所定幅ずつ長いものとなっている。このため接着状態において図1に示すように、平面視にて全ての基材Aの対向辺11が順に等間隔に露出する。また、重なり合う各基材A同士、すなわち一−二枚目間、二−三枚目間、及び三−四枚目間のそれぞれは、図2(A)に示すように、それぞれ天地辺12及び対向辺11の3辺からなる擬似接着領域2が、擬似接着剤4によって一次接着として擬似接着される。この擬似接着領域2は対向辺11に沿う第一擬似接着領域21と、天地辺12に沿う第二擬似接着領域22とから構成される。このうち、天地辺12に沿う第二擬似接着領域22のみが加圧プレスによって二次接着される。
具体的には、図1に示すように、実施例1の擬似接着領域2はコの字状であり、各毎それぞれの擬似接着領域2全体に擬似接着剤4が塗布され、貼り合わされることで一次接着たる擬似接着が行われる。このコの字状の擬似接着領域2のうち、上下辺に沿う領域(ニの字状の領域)に沿って複数の矩形のプレス部2Pを形成することで二次接着たる感圧接着が行われる。
全ての基材A間を擬似接着剤4でコの字状に接着することで、擬似接着領域2全体の口開き不良を回避すると共に、各葉に印字された親展性の高い情報を確実に秘匿することができる。貼り合せ或いは切断或いは運搬加工時に変形によるストレスがかからない限り、この擬似接着領域2の一次接着はオープンタイム経過後も接着状態を保つ。この接着状態は手で剥離可能な擬似接着の状態であり、剥離によって接着剤同士が凝集破壊される。
そして擬似接着領域2のうち、天地辺12に沿った第二擬似接着領域22のみを高圧プレスによって二次接着することで、加工時変形ストレスによって口開き不良を回避することができる。
なお本実施例の対向辺11は、加工時変形ストレスが少ないことから、二次接着を行わないものとしている。
実施例2(図5及び図6)は、綴じ辺10(冊子のど部)を強接着剤30で強接着された4頁冊子の形態例であり、各基材Aの幅は最上及び最下葉が二枚目、三枚目よりも長く、最上葉の裏面にのみ擬似接着剤4を塗布して、最上葉と重なり合う頁に擬似接着している。
図5、6に示すように、最上葉の裏側に重なり合う各基材Aに対して、それぞれ天地辺12及び対向辺11の3辺からなる擬似接着領域2が、擬似接着剤4によって一次接着として擬似接着される。この擬似接着領域2は実施例1と同様、対向辺11に沿う第一擬似接着領域21と、天地辺12に沿う第二擬似接着領域22とから構成されるコの字状の領域である。このうち、天地辺12に沿う第二擬似接着領域22のみが加圧プレスによって二次接着される。
具体的には、図6に示すように、実施例1の擬似接着領域2はコの字状であり、一枚目の裏面の擬似接着領域2全体に擬似接着剤4が塗布され、貼り合わされることで一次接着たる擬似接着が行われる。このコの字状の擬似接着領域2のうち、上下辺に沿う領域(ニの字状の領域)に沿って複数の矩形のプレス部2Pを形成することで二次接着たる感圧接着が行われる。
実施例2では全ての基材A間を擬似接着剤4でコの字状に接着するのではなく、2−3頁間、3−4頁間には接着剤が塗布されていない。このため、最上葉の開封によって全てのページが開封された状態となる。
さらに最下葉の開放状態の先端付近は、綴じ辺10と平行な連設部5で折り曲げられ、折り返し片が形成される。この折り返し片の折り返した連設部5付近に擬似接着剤4が塗布され、最上葉と擬似接着される。
第一の疑似接着剤の一次接着によって、天地辺12縁の口開き不良を回避することができる。また、対向辺11は、加工時変形ストレスが少ないことに鑑み、二次接着の加圧プレスを施していない。他の特記しない構成は実施例1と同様である。
実施例3(図7ないし図9)は、綴じ辺10(冊子のど部)を強接着剤30で強接着された7頁冊子の形態例であり、最上葉から最下葉にかけて順に第一の基材A1ないし第七の基材A7で構成される。これら基材Aの幅は最上葉である第一の基材A及び最下葉である第七の基材Aが、それら以外の中間葉である第二ないし第六の基材Aよりも短い。そして、第一の基材Aと第七の基材Aの対向辺11同士にのみ擬似接着剤4を塗布し、中間葉すべてをはさんで一次接着及び二次接着の両方を施している(図8)。すなわち郵送可能な接着状態では、第一の基材A1と第七の基材A7が、両側辺それぞれで強接着及び擬似接着され、サンドイッチ状に挟んだ第二の基材A2ないし第六の基材A6を両側辺で包む構成となる。
さらに最下葉たる第七の基材A7は、連設部5を折り曲げて折り返し片を形成し、この折り返し片の天地辺12に沿って強接着剤30で強接着することで、封筒部7を形成している。この封筒部7は、切り取り部6で切り取り可能となっている。また封筒部7は、開口部71よりも上方に閉じ蓋が形成され、閉じ蓋には封筒を閉封するための強接着剤30が幅細に塗布され、この強接着剤30を幅細の離型紙8が覆っている。図9に示すように、開放状態において、切り取り部6で封筒部7を切り取り、離型紙8をはがして閉じ蓋を閉じて閉封することができる。
また第七の基材Aの上に重なり合う第六の基材A、及びこれに重なり合う第五の基材Aは、綴じ辺10付近にてやや幅広の部分まで互いに強接着されると共に、この強接着部分の中間付近に切り取り部6が設けられる。これにより、図9に示すように、第五及び第六の基材Aを共に一体としたまま切り取り、必要に応じて封筒部7の中に封入することができる。
上記のように、実施例3では、1枚目と最終葉のみの幅を長くして、中間葉たる第二ないし第六までの全ての基材(A2〜A6)を包んで接着状態としている。このような外側の2枚で挟んだ形態、或いは封筒部7や離型紙8を備えた形態の冊子では、いわゆる縦糊の擬似接着である対向辺11に、擬似接着が剥がれる方向の浮きにつながるような力、すなわち加工時、運搬時の変形ストレスが働く。このため実施例3では、対向辺11に沿う第一擬似接着領域21に二次接着として高圧プレスを施すものとしている。二次接着となるプレス部2Pの面積が大きくないため、実際の加工において、基材Aのシワの発生等の障害を抑えることができる。他の特記しない構成は実施例2と同様である。
実施例4(図10)は、綴じ辺10(冊子のど部)を持たない送付用情報記録冊子の形態例であり、矩形の3枚または4枚の方形の側辺同士を連設部5として互いに横に連接して一枚の横長の連設基材Aを形成し、この基材Aを各連設部5で折りたたんで包み冊子を構成し、その冊子外面に現われた辺縁を袋綴じ部としてなる。
具体的には、幅方向に長く連設された一枚の連設基材Aを、所定の幅方向間隔毎に同じ方向(つまり全て谷折り、或いは全て山折り)に折り、巻くようにして折り重ね、最上葉の裏面の対向辺11に沿う部分にのみ一次及び二次接着を施す。両端辺のうち一端辺は内側に包まれ、最外面にくる端辺に沿った内面の対向辺11に沿った擬似接着領域2(第一擬似接着領域21)を、その直下の用紙面に擬似接着する。そして、この対向辺11に沿った擬似接着領域2(第一擬似接着領域21)に高圧プレスを施して二次接着している。図10では二次接着プレス工程を部分的に説示している。
実施例4のような幅方向に連設された連設基材Aでは、表紙の裏の糊の対向辺11は、中に折りこまれる折り込み片によって、常に戻ろうとする応力が加わる。よって、第一擬似接着領域21のみからなる擬似接着領域2であっても、擬似接着部が不安定になり、加工或いは搬送中に一次接着たる擬似接着が破壊されることがある。このため実施例4では、第一擬似接着領域21のみからなる擬似接着領域2に沿って二次接着としてプレス部2Pを施すものとしている。高圧プレスとなるプレス部2Pの面積が大きくないため、実施例3と同様、実際の加工において、基材Aのシワの発生等の障害を抑えることができる。他の特記しない構成は実施例3と同様である。
(実施例1の製造方法)
本発明の実施例1の送付用情報記録冊子は、一次接着を行う一次接着工程と、基材Aの加工搬送工程と、加圧プレスして二次接着を行う二次接着工程とを順に具備して製造される。具体的には例えば図11に示す各工程を経て製造される。
本発明の実施例1の送付用情報記録冊子は、一次接着を行う一次接着工程と、基材Aの加工搬送工程と、加圧プレスして二次接着を行う二次接着工程とを順に具備して製造される。具体的には例えば図11に示す各工程を経て製造される。
実施例1の実際の製造においては、複数冊分の連続印刷がされた基材Aをラインで送り、強接着を行う強接着剤30の塗布工程、及び擬似接着剤4の塗布工程の後に、基材A同士の重ね合わせ及び折り加工が施される。そして最後に、複数冊分を各冊ごとの長さに切断する切断加工が施される。
ラインスピードは100m/分であり、擬似接着剤4の塗布から一次接着プレスまでの間を1.5秒間隔で、接着剤塗布から2次接着プレスまでを3.0秒間隔で行う。
ラインスピードは100m/分であり、擬似接着剤4の塗布から一次接着プレスまでの間を1.5秒間隔で、接着剤塗布から2次接着プレスまでを3.0秒間隔で行う。
一次接着工程は、基材Aの冊子印刷物の綴じ部以外の3辺の内少なくとも綴じ辺10と異なる1辺縁を、基材Aの折り加工、重ね合わせにより擬似接着剤4で一次接着する工程である。折り加工は擬似接着剤4の塗布直前に行い、重ね合わせは擬似接着剤4の塗布直後に行うことが好ましい。擬似接着剤4の塗布の直前或いは直後の折り重ねによって、一次接着を確実に行うことができる。
加工搬送工程は、一次接着工程の後に、基材Aの折り加工、重ね合わせ以外の加工、並びに搬送を行う工程である。本工程の加工には、折り加工、重ね合わせを除く各種加工が含まれ、折線用のスジ入れやエンボスを設ける押し加工、切断用を初めとする各種のミシン罫を設けるミシン加工、部分切断によって切り込みや切欠き、穴あけ等を設ける部分切断加工等がある。必要に応じてこれら加工を施すとともに、一次接着した冊子印刷物を、二次接着工程の実施位置(プレス位置)まで搬送するものである。本工程は、接着剤の投錨を進行させるため、一次接着工程の後であって、擬似接着剤4のオープンタイム経過前に行うことが好ましい。
二次接着工程は、加工搬送工程の後に、基材A間に擬似接着剤4が塗布された第二擬似接着領域22を、重ね合わせた基材Aの表側から加圧プレスして二次接着する工程である。二次接着剤たる擬似接着剤4は、本工程の前までに基材A上に塗布される。また擬似接着剤4が塗布された基材Aは、本工程の前までに、他の基材Aと重ね合わせられ、擬似接着剤4を挟んでプレス可能な状態としてなる。擬似接着剤4の塗布は、一次接着剤の塗布工程とともに行われることが好ましく、基材Aの重ねあわせは、一次接着工程とともに行われることが好ましい。
実施例では二次接着剤と一次接着剤とが共通したひとつの擬似接着剤4からなり、ひとつの擬似接着領域2に使用される。この一次接着機能と二次接着機能を兼ね備えた擬似接着剤4は、オープンタイム前に一次接着性を示し、オープンタイム後は、一定以上の加圧による自着接着性を示し、一次接着オープンタイム経過後、二次接着後とも手で凝集破壊による剥離が可能な疑似接着となる接着剤である。
なお、二次接着工程の第二擬似接着領域22は、第一擬似接着領域21の全面と共通すること、或いは、第一擬似接着領域21の一部と重なることが好ましい。
なお、二次接着工程の第二擬似接着領域22は、第一擬似接着領域21の全面と共通すること、或いは、第一擬似接着領域21の一部と重なることが好ましい。
(接着剤塗布工程)
各工程における基材Aと擬似接着剤4の状態を説明する。擬似接着領域2の基材Aを着目すると、先ず、図12の断面説明図のように、水性エマルジョン型の擬似接着剤4が基材A部分に塗布された直後、盛り上がった状態で基材Aに転移し、直後から水分の基材Aへの浸透と接着剤固形成分の基材Aへの投錨が開始する。この転移、浸透ないし投錨の過程は非常に速やかに進行する。
各工程における基材Aと擬似接着剤4の状態を説明する。擬似接着領域2の基材Aを着目すると、先ず、図12の断面説明図のように、水性エマルジョン型の擬似接着剤4が基材A部分に塗布された直後、盛り上がった状態で基材Aに転移し、直後から水分の基材Aへの浸透と接着剤固形成分の基材Aへの投錨が開始する。この転移、浸透ないし投錨の過程は非常に速やかに進行する。
(貼り合せ(一次接着)工程)
次に図13のように、基材A部が折り返されて貼り合わされる。この段階で擬似接着剤4は薄く広げられる。この時点では依然として水分は十分保持しているため、基材Aにも水分浸透と投錨が起こる。
次に図13のように、基材A部が折り返されて貼り合わされる。この段階で擬似接着剤4は薄く広げられる。この時点では依然として水分は十分保持しているため、基材Aにも水分浸透と投錨が起こる。
(剥がれ(加工搬送中の浮き)段階)
次に、図14は、加工搬送中に凝集破壊が起こった状況を示す。この段階での接着破壊が接着剤内部での破壊(凝集破壊)になる。各基材Aと接着剤の境界面は、接着剤が水性であり浸透が強いため、破壊せず、水分を含んだ接着剤そのものは凝集力が弱く接着剤自体が泣き別れる形で破壊し、現象としては、下側の基材Aから上側の基材Aが浮く形で接着不良となる。この現象が発生する前後でも急速に水分が接着剤から抜けていてその水分率が限界以下となると(この時点までの塗布からの時間がこの接着剤のオープンタイムである。)凝集破壊の接着剤表面どうしで接触してもある一定以上の圧力をかけないと接着しなくなる。この段階でこの箇所が一次接着不良となる。このため、二次接着を実施しない場合、接着箇所と不良箇所が混在することが多く、生産技術上大きな問題となる。
次に、図14は、加工搬送中に凝集破壊が起こった状況を示す。この段階での接着破壊が接着剤内部での破壊(凝集破壊)になる。各基材Aと接着剤の境界面は、接着剤が水性であり浸透が強いため、破壊せず、水分を含んだ接着剤そのものは凝集力が弱く接着剤自体が泣き別れる形で破壊し、現象としては、下側の基材Aから上側の基材Aが浮く形で接着不良となる。この現象が発生する前後でも急速に水分が接着剤から抜けていてその水分率が限界以下となると(この時点までの塗布からの時間がこの接着剤のオープンタイムである。)凝集破壊の接着剤表面どうしで接触してもある一定以上の圧力をかけないと接着しなくなる。この段階でこの箇所が一次接着不良となる。このため、二次接着を実施しない場合、接着箇所と不良箇所が混在することが多く、生産技術上大きな問題となる。
(二次接着後)
しかして次に、図15のように、剥がれ段階の不良剥がれ箇所に対して、オープンタイム経過後に機械的に強い圧力でプレスして凝集破壊によって生じた各基材Aの擬似接着領域2同士が再び合わさるように、二次接着としてプレス刃20によって感圧接着させる。この接着は実施例ではゴム系成分の自着作用を用いている。この感圧接着による二次接着の際、プレス圧の強さによって概略線形に管理することができる。この点は工業量産技術として重要であり、このことにより、後に開封するとき基材A破壊(紙表面の破れ)せず、接着剤間で再度凝集破壊にいたる機能設計を可能とする。
しかして次に、図15のように、剥がれ段階の不良剥がれ箇所に対して、オープンタイム経過後に機械的に強い圧力でプレスして凝集破壊によって生じた各基材Aの擬似接着領域2同士が再び合わさるように、二次接着としてプレス刃20によって感圧接着させる。この接着は実施例ではゴム系成分の自着作用を用いている。この感圧接着による二次接着の際、プレス圧の強さによって概略線形に管理することができる。この点は工業量産技術として重要であり、このことにより、後に開封するとき基材A破壊(紙表面の破れ)せず、接着剤間で再度凝集破壊にいたる機能設計を可能とする。
(冊子加工後袋綴じ部を開封したとき)
そして最後に、図16のように、送付された冊子を手で開封して擬似接着領域2を剥離させたとき、両基材Aとも擬似接着剤4側の面が破れず接着剤の内部のみが凝集破壊して剥がされている。そしてこの凝集破壊された面は、通常では再接着しない。剥離時にこの様な状態となることが、本発明に言う擬似接着の状態であったことを示す。
そして最後に、図16のように、送付された冊子を手で開封して擬似接着領域2を剥離させたとき、両基材Aとも擬似接着剤4側の面が破れず接着剤の内部のみが凝集破壊して剥がされている。そしてこの凝集破壊された面は、通常では再接着しない。剥離時にこの様な状態となることが、本発明に言う擬似接着の状態であったことを示す。
(一次接着正常箇所の開封)
実施例1の製造方法では、基材Aの流し方向と平行の一次接着箇所は不良が抑えられるため、二次接着プレスはしなくてもよかった。この場合の手での開封時も二次接着箇所の開封時と同様、接着剤内部で凝集破壊が発生し、基材A表面は破れが発生しない。
実施例1の製造方法では、基材Aの流し方向と平行の一次接着箇所は不良が抑えられるため、二次接着プレスはしなくてもよかった。この場合の手での開封時も二次接着箇所の開封時と同様、接着剤内部で凝集破壊が発生し、基材A表面は破れが発生しない。
(測定試験)
<測定試料>
実施例1における接着力データにより発明の内容を説明する。
[測定試料]
・ 実施例1における試料A部位を測定試料とした。
・ 基材:マットコート紙(128g/m2)
・ 接着剤
組成等:固形分38%、天然ゴムラテックス共重合体、ロジンエステル樹脂、アクリル共重合体、SBR 等、水分:62%、粘度:250〜280、CPS/23℃
・塗布方法:フレキソ印刷方式によった。
・ラインスピード:100m/分
[二次接着方法]
・ 一次接着で作製された資料を速やかに剥離破壊して二次接着を実施した。(ただし、[加圧なし]の試料は当然、剥離せずそのまま測定用とした)
・ ライン上での二次接着では加圧を数値で得られないため、静圧プレス機を用いて研究した。
・ プレス圧力:2〜8 t
・ 加圧面積:幅30.5cm × 幅1.0cm
[測定方法]
・プッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング社製)
・測定方法:T型剥離方式 試料幅8.0mm
<結果>
・処理当日(オープンタイム経過直後)に剥離強度を測定(試料作成から約5分でプレス、プレス後5分で測定)
<測定試料>
実施例1における接着力データにより発明の内容を説明する。
[測定試料]
・ 実施例1における試料A部位を測定試料とした。
・ 基材:マットコート紙(128g/m2)
・ 接着剤
組成等:固形分38%、天然ゴムラテックス共重合体、ロジンエステル樹脂、アクリル共重合体、SBR 等、水分:62%、粘度:250〜280、CPS/23℃
・塗布方法:フレキソ印刷方式によった。
・ラインスピード:100m/分
[二次接着方法]
・ 一次接着で作製された資料を速やかに剥離破壊して二次接着を実施した。(ただし、[加圧なし]の試料は当然、剥離せずそのまま測定用とした)
・ ライン上での二次接着では加圧を数値で得られないため、静圧プレス機を用いて研究した。
・ プレス圧力:2〜8 t
・ 加圧面積:幅30.5cm × 幅1.0cm
[測定方法]
・プッシュプルゲージ(アイコーエンジニアリング社製)
・測定方法:T型剥離方式 試料幅8.0mm
<結果>
・処理当日(オープンタイム経過直後)に剥離強度を測定(試料作成から約5分でプレス、プレス後5分で測定)
<評価>
1. オープンタイム経過直後の接着力と固化が進行した場合の一次接着の変化は、148%になっており、完全に固化しない一次接着では期待される接着力の67%程度しか接着力は発揮されず加工中の剥がれ不良が発生しやすいことを示している。
2. 一次接着の凝集破壊面を相対させてプレスすることで再疑似接着が可能といえる。一次接着が破壊され「接着不良」となった接着部位に対して所定以上の圧力を付与することで疑似接着が再現された。
3. オープタンイム経過直後の加圧による二次接着では、加圧力とほぼ線形の接着力が得られた。重要な知見として、65kg/cm2から262kg/cm2程度の現実的な圧力であり、かつ、通常の取扱いでは接着しない二次接着が設定できることである。また、線形で変化するため、接着力の許容範囲管理が容易に行える。
1. オープンタイム経過直後の接着力と固化が進行した場合の一次接着の変化は、148%になっており、完全に固化しない一次接着では期待される接着力の67%程度しか接着力は発揮されず加工中の剥がれ不良が発生しやすいことを示している。
2. 一次接着の凝集破壊面を相対させてプレスすることで再疑似接着が可能といえる。一次接着が破壊され「接着不良」となった接着部位に対して所定以上の圧力を付与することで疑似接着が再現された。
3. オープタンイム経過直後の加圧による二次接着では、加圧力とほぼ線形の接着力が得られた。重要な知見として、65kg/cm2から262kg/cm2程度の現実的な圧力であり、かつ、通常の取扱いでは接着しない二次接着が設定できることである。また、線形で変化するため、接着力の許容範囲管理が容易に行える。
その他各部の具体的な構成は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
A 基材
10 綴じ辺
11 対向辺
12 天地辺(上辺及び下辺)
2 擬似接着領域
21 第一擬似接着領域
22 第二擬似接着領域
2P プレス部
30 強接着剤
4 擬似接着剤
41 第一擬似接着剤
42 第二擬似接着剤
5 連接部
6 切り取り部
7 封筒部
71 開口部
8 離型紙
10 綴じ辺
11 対向辺
12 天地辺(上辺及び下辺)
2 擬似接着領域
21 第一擬似接着領域
22 第二擬似接着領域
2P プレス部
30 強接着剤
4 擬似接着剤
41 第一擬似接着剤
42 第二擬似接着剤
5 連接部
6 切り取り部
7 封筒部
71 開口部
8 離型紙
Claims (4)
- 複数枚の基材Aの各一辺が綴じ辺10として強接着された冊子印刷物において、重なりあった基材Aのうち、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域2を擬似接着剤4によって剥離可能に擬似接着することで袋綴じ状態としてなる送付用情報記録冊子であって、オープンタイム経過前に一次接着性を示して擬似接着領域2内で一次接着状態となり、この一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一次接着が剥離せずに接着保持されたままの接着保持部では、オープンタイム経過後も一次接着状態を保つとともに、
前記一次接着状態の擬似接着領域2のうち、一次接着が凝集破壊によって剥離した剥離部では、オープンタイム経過後に一定未満の加圧で一次接着性がなくなり、一定以上の加圧によってのみ自着接着の二次接着性を発現するものであり、また、オープンタイム経過後の接着保持部、及び二次接着性を発現した剥離部のいずれも、手で凝集破壊による剥離が可能となっていることを特徴とする送付用情報記録冊子。 - 擬似接着領域2は、綴じ辺10に対向する対向辺11の辺縁に沿った第一擬似接着領域21と、綴じ辺10と隣り合う天地辺12の辺縁に沿った第二擬似接着領域22とからなり、第一擬似接着領域21及び第二擬似接着領域22にて、擬似接着剤4のオープンタイム経過前の一次接着が施され、少なくとも前記第二擬似接着領域22にて、一次接着された擬似接着剤4のオープンタイム経過後の加圧によって二次接着が施された請求項1記載の送付用情報記録冊子。
- 複数枚の矩形基材Aが側辺の連設部5同士を介して予め横に連接されたものとし、この連接部5を折り畳んで包み冊子を構成し、その包み冊子外面に現われた辺縁に沿って擬似接着領域2を設けた請求項1又は2記載の送付用情報記録冊子。
- 各頁に情報が印刷された基材Aの各一辺を強接着によって綴じ辺10とし、綴じ辺10以外の辺縁の擬似接着領域2を擬似接着することで送付用の状態となる請求項1、2又は3のいずれか記載の送付用情報記録冊子の製造方法であって、複数枚の基材Aの冊子印刷物の綴じ辺10以外の3辺のうち少なくとも1辺縁を一次接着として擬似接着する一次接着工程と、
基材Aの折り加工及び重ね合わせを行う加工搬送工程と、
基材Aの搬送方向と交わる辺に沿った第二擬似接着領域22を加圧プレスして二次接着として擬似接着する二次接着工程とを順に有することを特徴とする送付用情報記録冊子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007190071A JP2009023263A (ja) | 2007-07-20 | 2007-07-20 | 送付用情報記録冊子及びその製造方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=40395561
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JP2007190071A Withdrawn JP2009023263A (ja) | 2007-07-20 | 2007-07-20 | 送付用情報記録冊子及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009023263A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010241024A (ja) * | 2009-04-08 | 2010-10-28 | Kobayashi Create Co Ltd | 情報隠蔽帳票 |
JP2014177095A (ja) * | 2013-03-15 | 2014-09-25 | Dainippon Printing Co Ltd | 擬似接着冊子体の製造方法および擬似接着冊子体 |
JP2015036194A (ja) * | 2013-08-10 | 2015-02-23 | コーホク印刷株式会社 | インデックス付き冊子の製本方法及びこの製本方法で製本されたインデックス付き冊子 |
-
2007
- 2007-07-20 JP JP2007190071A patent/JP2009023263A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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