JP2009023181A - 樹脂組成物、印刷原版、および印刷原版の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザー彫刻可能であって、ショアD硬度が45°〜95°の範囲である印刷原版を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明者らは鋭意検討を行い、印刷原版における樹脂組成物層の硬度を、従来、レーザー彫刻用途には用いられていなかった硬度とすることにより、レーザー彫刻後の印刷版の形状劣化を抑制することができることを見出し、発明を完成させた。
本発明に係る印刷原版は支持体を備えており、該印刷原版の寸法の変化を抑制することができる。
本実施形態に係る樹脂組成物層は、後述する組成からなる樹脂組成物を支持体上に積層したものである。上記樹脂組成物層を形成する方法は、特に制限はなく、凸版印刷版製造に際し、樹脂組成物層を積層するのに慣用されている方法の中から任意に選ぶことができる。
本実施形態にかかる印刷原版には、必要に応じて、上記樹脂組成物層の上にカバーシートを積層することができる。
本実施形態に係る印刷原版はまた、光化学的、熱化学的、または機械的に強化されていてもよい。上記のような強化を行うことにより、上記のような硬度を有する印刷原版を容易に得ることができるためより好ましい。
本発明はまた、本発明に係る印刷原版の樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物を提供する。上記樹脂組成物は、様々な組成とすることができる。また、上述したように、各種強化を行うために必要となる組成を含んでいることがより好ましい。
上記親水性ポリマーとしては、水に溶解または膨潤するポリマーであれば特に限られない。例えば、ポリビニルアルコール類、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンオキサイドの如き親水性基を導入したポリアミド樹脂などを用いることができる。
本発明に係る光重合可能なモノマーとは、遊離ラジカル付加反応を起こし得る化合物である。一実施形態において、光重合可能なモノマーとしては、例えば、ポリブタジエンジアクリレート、ポリブタジエンジメタクリレート、ポリイソプレンジアクリレート、ポリイソプレンジメタクリレートやα‐メチルスチレン、m‐メチルスチレン、p‐メトキシスチレンなどの芳香族ビニル単量体;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのα,β‐エチレン性不飽和ニトリル化合物;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n‐ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t‐ブチルアクリレートなどの炭素数1〜23のアルキルアルコールのアクリレート類及び対応するメタクリレート類;2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアルコールのアクリレート類及び対応するメタクリレート類;メトキシエチレングリコール、メトキシプロピレングリコールなどのアルコキシアルキレングリコールのアクリレート類及びメタクリレート類;マレイン酸モノエチル、フマル酸モノメチル、イタコン酸モノエチルなどの不飽和多価カルボン酸のモノエステル類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ジオクチルなどのジエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N’‐メチレンビスアクリルアミド、N,N’‐ヘキサメチレンビスアクリルアミドなどのアクリルアミド類及び対応するメタクリルアミド類;エチレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位2〜23個)などのグリコールのジアクリレート類及び対応するメタクリレート類;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールアルカン、テトラメチロールアルカン(アルカンとしてはメタン、エタン、プロパン)などの三価以上の多価アルコール類のジアクリレート、トリアクリレート、テトラアクリレート、オリゴアクリレート類及び対応するメタクリレート類;2‐アクリロイルオキシエチルコハク酸、2‐アクリロイルエチルヘキサヒドロフタル酸、2‐アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどの酸性官能基をもつアクリレート類及び対応するメタクリレート類;等が挙げられる。これらの光重合可能なモノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一実施形態において、光重合開始剤としては、一般に知られているものを用いることができる。このような開始剤の一例として、ベンゾフェノンのような芳香族ケトン類;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α‐メチロールベンゾインメチルエーテル、α‐メトキシベンゾインメチルエーテル、2,4‐ジエトキシフェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類;置換及び非置換の多核キノン類;1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4‐ジメトキシ‐1,2‐ジフェニルエタン‐1‐オン、2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐モルフォリノプロパン‐1‐オン、2‐ベンジル‐2‐ジメチルアミノ‐1‐(4‐モルフォリノフェニル)‐ブタン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、1‐(4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル)2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐プロパン‐1‐オン、2,4‐ジエチルチオキサントン、2‐クロロチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、3,3‐ジメチル‐4‐メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、1‐クロロ‐4‐プロポキシチオキサントン、1‐(4‐イソプロピルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、1‐(4‐ドデシルフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロパン‐1‐オン、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジメチルスルフィド、4‐ジメチルアミノ安息香酸、4‐ジメチルアミノ安息香酸メチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸エチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4‐ジメチルアミノ安息香酸‐2‐エチルヘキシル、4‐ジメチルアミノ安息香酸‐2‐イソアミル、2,4’‐ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンジル‐β‐メトキシエチルアセタール、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4‐ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’‐ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’‐ジクロロベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、p‐ジメチルアミノアセトフェノン、p‐tert‐ブチルトリクロロアセトフェノン、p‐tert‐ブチルジクロロアセトフェノン、2‐(o‐クロロフェニル)‐4,5‐ジフェニルイミダゾリル二量体、チオキサントン、2‐メチルチオキサントン、2‐イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、α,α‐ジクロロ‐4‐フェノキシアセトフェノン、ペンチル‐4‐ジメチルアミノベンゾエート、9‐フェニルアクリジン、1,7‐ビス‐(9‐アクリジニル)へプタン、1,5‐ビス‐(9‐アクリジニル)ペンタン、1,3‐ビス‐(9‐アクリジニル)プロパンなどが挙げられる。
上記樹脂組成物は、可塑剤をさらに含んでいることがより好ましい。可塑剤を含んでいることによって、ショアD硬度が45°〜95°の範囲である印刷原版の樹脂組成物層形成するために好適に用いることができる。
一実施形態において、本発明に係る樹脂組成物には、要求される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、発色剤、酸化防止剤、光劣化防止剤等の添加剤をさらに用いることができる。
本発明は、さらに、印刷版を製造する方法を提供する。本発明に係る印刷版の製造方法は、上述のように本発明に係る印刷原版を製造した後、該印刷原版の樹脂組成物層をレーザー彫刻することによって実施される。
親水性ポリマー(ポリビニルアルコール(PVA)、けん化度:82mol%、重合度:500)30重量%にN−メチロールアクリルアミド10重量%を添加し、酸触媒の存在下、100℃で2時間撹拌することで得られる反応生成物、光重合可能なモノマー(ポリエチレングリコールジアクリレート)7重量%、光重合開始剤(ベンジルジメチルケタール)1重量%、および可塑剤(ポリグリセリン)2重量%を、溶媒(混合比4:1の、水およびメタノールの混合液)50重量%に溶解して、樹脂組成物を調製した。
上記反応生成物に替えて水溶性ポリマー(ポリビニルアルコール、けん化度:73mol%、重合度:500)を用い、可塑剤としてトリメチロールプロパンを用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物を調製し、印刷版を作製した。その結果、得られた印刷原版のショアD硬度が30°となった。
上記反応生成物に替えて水溶性ポリマー(ポリビニルアルコール、けん化度:73mol%、:重合度:500)20重量部、および水溶性ポリマー(ポリビニルアルコール、けん化度60mol%、重合度:250)20重量部を用い、可塑剤としてトリメチロールプロパンを用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物を調製し、印刷版を作製した。その結果、得られた印刷原版のショアD硬度が20°となった。
実施例1、比較例1および比較例2において得られた印刷版を顕微鏡により観察した。顕微鏡写真をそれぞれ図1(実施例1)、図2(比較例1)、または図3(比較例2)に示す。実施例1において得られた印刷版は、形状の劣化が見られなかった(図1)。一方、比較例1および2において得られた印刷版は、形状が劣化していた(図2および図3)。
Claims (8)
- 可撓性を有する支持体と、
該支持体上に形成されている樹脂組成物層とを備えており、
該樹脂組成物層は、レーザー彫刻可能であって、ショアD硬度が45°〜95°の範囲であることを特徴とする印刷原版。 - 上記樹脂組成物層が活性線によって処理されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷原版。
- 請求項1または2に記載の印刷原版の樹脂組成物層を形成するための樹脂組成物であって、
親水性ポリマー、光重合可能なモノマー、および光重合開始剤を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。 - 上記親水性ポリマーが、けん化度50〜95mol%のポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
- 上記ポリビニルアルコールの少なくとも一つの水酸基が、メチロール基によって置換されていることを特徴とする請求項4に記載の樹脂組成物。
- 可塑剤をさらに含んでいることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の樹脂組成物。
- 支持体と、該支持体上に形成されている樹脂組成物層とを備えているレーザー彫刻可能な印刷原版の製造方法であって、
該樹脂組成物層を活性線で処理する工程と、
該活性線で処理された樹脂組成物層のショアD硬度が、45°〜95°の範囲にあるか否かを判定する工程とを包含することを特徴とする印刷原版の製造方法。 - 請求項7に記載の方法により得られた印刷原版の樹脂組成物層をレーザー彫刻する工程を有する印刷版の製造方法。
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