JP2009006652A - レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用樹脂印刷版原版、レリーフ印刷版およびレリーフ印刷版の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザーでの彫刻感度が高く、レーザー彫刻によって直接製版が可能な印刷版原版に用いることのできる樹脂組成物を提案すること、及び彫刻感度の高いレーザー彫刻用樹脂印刷版原版を提案すること。
【解決手段】3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物、及びそれを用いたレーザー彫刻用樹脂印刷版原版。
【選択図】なし
【解決手段】3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物、及びそれを用いたレーザー彫刻用樹脂印刷版原版。
【選択図】なし
Description
本発明は、レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用樹脂印刷版原版、レリーフ印刷版およびレリーフ印刷版の製造方法に関する。
表面に凹凸を形成してレリーフ版を形成する方法としては、感光性エラストマー組成物あるいは感光性樹脂組成物を用い、原画フィルムを介してこれら組成物を紫外光で露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液を用いて除去する方法、いわゆる「アナログ製版」が良く知られている。
感光性エラストマー組成物は、担体として例えば合成ゴムのようなエラストマー性ポリマーを含有しており、得られるレリーフ版は柔軟であることからフレキソ版と称される。
フレキソ版は、ゴムを浸食しないインキビークルを用いた水性インキ、アルコールインキ、エステルインキや無溶媒のUVインキに適性がある。フレキソ版は柔軟であるが故に、表面凹凸の大きい被印刷体や強度の弱い包装材料に印刷適性があるが、応力により変形しやすいので印圧は弱くする必要がある。これに対し、感光性樹脂組成物は、担体として可塑性樹脂(プラスチック)を用いている。得られるレリーフ版は硬質であり、樹脂凸版(レタープレス)と称され、フレキソ版とは区別されている。樹脂凸版として商業的に入手可能なものは、水現像型あるいはアルコール現像型のものであり、それぞれ水溶性樹脂あるいはアルコール可溶性樹脂を含有している。主に使用されるインキは、これら樹脂を浸食しないインキビークルを用いた油性インキあるいは無溶媒のUVインキである。樹脂凸版は硬質であるので、強い印圧をかけることが可能で、インキを厚盛りすることにより明瞭でシャープな印刷ができる。
フレキソ版は、ゴムを浸食しないインキビークルを用いた水性インキ、アルコールインキ、エステルインキや無溶媒のUVインキに適性がある。フレキソ版は柔軟であるが故に、表面凹凸の大きい被印刷体や強度の弱い包装材料に印刷適性があるが、応力により変形しやすいので印圧は弱くする必要がある。これに対し、感光性樹脂組成物は、担体として可塑性樹脂(プラスチック)を用いている。得られるレリーフ版は硬質であり、樹脂凸版(レタープレス)と称され、フレキソ版とは区別されている。樹脂凸版として商業的に入手可能なものは、水現像型あるいはアルコール現像型のものであり、それぞれ水溶性樹脂あるいはアルコール可溶性樹脂を含有している。主に使用されるインキは、これら樹脂を浸食しないインキビークルを用いた油性インキあるいは無溶媒のUVインキである。樹脂凸版は硬質であるので、強い印圧をかけることが可能で、インキを厚盛りすることにより明瞭でシャープな印刷ができる。
アナログ製版は、多くの場合、銀塩材料を用いた原画フィルムを必要とするため、原画フィルムの製造時間およびコストを要する。さらに、原画フィルムの現像に化学的な処理が必要で、かつ現像廃液の処理をも必要とすることから、環境衛生上の不利を伴う。
アナログ製版に伴う課題を解決する手法として、感光性エラストマー層あるいは感光性樹脂層上に、その場で(in situ)画像マスク形成可能なレーザー感応式のマスク層要素を設けたフレキソ印刷版原版あるいは樹脂凸版印刷版原版が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。これらの原版の製版方法は、デジタルデバイスで制御された画像データに基づいてレーザー照射を行い、マスク層要素から画像マスクをその場で形成し、その後はアナログ製版と同様に、画像マスクを介して紫外光で露光し、感光性エラストマー層(あるいは感光性樹脂層)および画像マスクを現像除去する製版方法で、フレキソ版や樹脂凸版の業界では「マスクCTP方式」と称されている。マスクCTP方式は、上述した原画フィルムの製造工程に関わる課題を解決しているが、感光性エラストマー層や感光性樹脂層の現像で発生する廃液の処理に関する課題がある。さらにフレキソ版の場合、現像にはトリクロロエチレンなどの塩素系溶媒を用いることが多く、作業衛生面でも不利がある。
現像工程および現像廃液に関する課題を解決する手段として、感光性エラストマー層を加熱し、未硬化部分を軟化させて除去する、いわゆる「熱現像方式」が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方式では現像液を用いないため、作業環境的に好ましく、さらに、現像廃棄物は特別な分別処理をする必要がなく焼却処理することが可能である。しかし、熱現像方式は溶剤現像方式に比べて現像速度が著しく遅いため作業効率が悪く
、複雑で高価な現像設備を必要とするという問題がある。
、複雑で高価な現像設備を必要とするという問題がある。
現像工程および現像廃液に関する課題を解決する別の手段として、レーザーによる直接彫刻製版、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。直彫りCTP方式は、文字通りレーザーで彫刻することにより、レリーフとなる凹凸を形成する方法で、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができるという利点がある。例えば、抜き文字部分を印刷物に再現する部位を深く彫刻したり、微細網点を再現する部分では印圧に負けて網点が倒れないようにショルダーをつけた彫刻をすることができる。
特許文献4〜6には、レーザー彫刻可能なフレキソ版原版、あるいはレーザー彫刻によって得られたフレキソ版が開示されている。これら文献では、バインダーとしてエラストマー性のゴムにモノマーを混合し、熱重合機構あるいは光重合機構によりこれら混合物を硬化させた後、レーザー彫刻を行い、フレキソ版を得ている。
直彫りCTP方式の課題として、レーザー彫刻の速度が遅いことが挙げられる。これはマスクCTP方式ではアブレーションすべき対象のマスク層要素の厚さが1〜10μm程度であるのに対し、直彫りCTP方式では直接レリーフを形成する機能上、少なくとも100μmは彫刻する必要があるためである。そのため、レーザー彫刻感度の向上を図った提案がいくつかなされている。
例えば、エラストマー発泡体を含むレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が提案されている(特許文献7)。密度の低い発泡体を用いることで、彫刻感度の向上を図っているが、低密度の材料であるため印刷版としての強度が不足し、耐刷性が著しく損なわれるという問題がある。
例えば、炭化水素系の気体を封入したマイクロスフィアを含有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が提案されている(特許文献8)。レーザーで発生する熱によりマイクロスフィア内の気体が膨張して、被彫刻材料を崩壊させるシステムにより、彫刻感度の向上を図っている。気泡を含む材料系なので、印刷版としての強度は不足しやすいという問題がある。また、気体は固体に比べて熱で膨張しやすい性質があり、熱変形開始温度の高いマイクロスフィアを選択しても、外温の変化による体積変化はさけられず、厚み精度の安定性が要求される印刷版に用いるには適していない。
例えば、炭化水素系の気体を封入したマイクロスフィアを含有するレーザー彫刻用フレキソ印刷版原版が提案されている(特許文献8)。レーザーで発生する熱によりマイクロスフィア内の気体が膨張して、被彫刻材料を崩壊させるシステムにより、彫刻感度の向上を図っている。気泡を含む材料系なので、印刷版としての強度は不足しやすいという問題がある。また、気体は固体に比べて熱で膨張しやすい性質があり、熱変形開始温度の高いマイクロスフィアを選択しても、外温の変化による体積変化はさけられず、厚み精度の安定性が要求される印刷版に用いるには適していない。
例えば、天井温度が600K未満の高分子充填剤を含有するレーザー彫刻用樹脂凸版印刷版が提案されている(特許文献9)。解重合温度の低い高分子充填剤を添加する事で彫刻感度の向上を図っているが、このような高分子充填剤を用いると、印刷版原版の表面に凹凸がついてしまい、印刷品質に重大な影響を与える。
特許第2773847号公報
特開平9−171247号公報
特開2002−357907号公報
特許第2846954号公報
特開平11−338139号公報
特開平11−170718号公報
特開2000−318330号公報
米国特許出願公開2003/180636号明細書
特開2000−168253号公報
本発明の目的は、レーザーでの彫刻感度が高く、レーザー彫刻によって直接製版が可能
な印刷版原版に用いることのできる樹脂組成物を提案することにある。他の目的は、彫刻感度の高いレーザー彫刻用樹脂印刷版原版を提案することにある。
な印刷版原版に用いることのできる樹脂組成物を提案することにある。他の目的は、彫刻感度の高いレーザー彫刻用樹脂印刷版原版を提案することにある。
上記課題を解決するために、本発明は主として以下の構成を有する。すなわち、(A)3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物である。
本発明によれば、レーザーに対する彫刻感度が高いレーザー彫刻用の樹脂組成物が得られる。このため、レリーフの形成にかかる時間を短縮することができる。また、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を用いることで、彫刻感度の高いレーザー彫刻用樹脂印刷版原版が得られる。凸状のレリーフを有する樹脂凸版(レタープレス版)、フレキソ版やスタンプ、凹版、孔版にも利用できるが、その応用範囲がこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
[レーザー彫刻用樹脂組成物]
本発明におけるレーザー彫刻用樹脂組成物は、(A)3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂(以下、樹脂(A)あるいは成分(A)ともいう)を少なくとも含有する。
本発明におけるレーザー彫刻用樹脂組成物は、(A)3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂(以下、樹脂(A)あるいは成分(A)ともいう)を少なくとも含有する。
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、3級エステル部位を有する繰り返し単位を有することが特徴であり、3級エステル部位は、通常繰り返し単位の側鎖に存在する。側鎖に3級エステル部位を有する繰り返し単位は、下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
樹脂(A)は、3級エステル部位を有する繰り返し単位を有することが特徴であり、3級エステル部位は、通常繰り返し単位の側鎖に存在する。側鎖に3級エステル部位を有する繰り返し単位は、下記一般式(I)で表されるものが好ましい。
一般式(I)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Lは単結合又は2価の有機連結基を表し、Bは下記一般式(II)で表される基を表す。
上記一般式(II)中、R2〜R4は、各々1価の炭化水素基を表す。あるいは、R2〜
R4が互いに結合して、1つ以上の環状構造を形成してもよい。
上記一般式(I)において、Lで表される2価の有機連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される原子で構成される。好ましくは、−O−、−S−、−NH−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−O−、−NH−C(=O)−NH−、アルキレン、アリーレン及びこれらの組合せから構成される連結基である。連結基に含まれる連結鎖を構成する原子の数は、60以内が適当であり、皮膜性を良好に保つ観点から、50以内が好ましく、40以内がより好ましい。
R4が互いに結合して、1つ以上の環状構造を形成してもよい。
上記一般式(I)において、Lで表される2価の有機連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される原子で構成される。好ましくは、−O−、−S−、−NH−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−C(=O)−O−、−NH−C(=O)−NH−、アルキレン、アリーレン及びこれらの組合せから構成される連結基である。連結基に含まれる連結鎖を構成する原子の数は、60以内が適当であり、皮膜性を良好に保つ観点から、50以内が好ましく、40以内がより好ましい。
上記一般式(II)において、R2〜R4で表される1価の炭化水素基は、飽和又は不飽和の炭化水素基であり、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基などを含む。これらの基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよく、また置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アシルオキシ基等が挙げられる。
R2〜R4で表される1価の炭化水素基は、熱分解性の向上や分解物がガスとして飛散しやすいといった点で、炭素数1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜3である。さらに好ましくはR2〜R4が全て炭素数1の炭化水素基(即ちメチル基)の場合である。
R2〜R4で表される1価の炭化水素基は、熱分解性の向上や分解物がガスとして飛散しやすいといった点で、炭素数1〜6であることが好ましく、より好ましくは1〜3である。さらに好ましくはR2〜R4が全て炭素数1の炭化水素基(即ちメチル基)の場合である。
R2〜R4が互いに結合して、1つ以上の環状構造を形成する場合、環状構造に含まれる原子の数は、40以内が適当であり、皮膜性を良好に保つ観点から、30以内が好ましく、25以内がより好ましい。
3級エステル部分を側鎖に有する樹脂(A)を用いると、レーザー彫刻時に3級エステル末端(一般式(II)の-CR2R3R4部分)に由来したアルケンガスが発生する。このアルケンガスが樹脂(A)の主鎖部分の熱分解や熱分解物の飛散・除去を補助し、結果的にレーザー彫刻感度が向上すると推定される。
3級エステル部位を有する繰り返し単位は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
彫刻感度向上の観点からは、樹脂(A)を構成する全モノマー単位のうち、3級エステル部位を有するモノマー単位の量が30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがより好ましく、70〜100質量%であることがさらに好ましい。最も好ましいのは、3級エステル部位を有するモノマー単位のみからなる樹脂である。
本発明で用いる樹脂(A)は、親水性や疎水性、製膜時の膜硬度や柔軟性、共存する重合性化合物や開始剤のような他の成分との相溶性等の性質を調整するために、以下に示すようなモノマーを共重合成分として含むコポリマーの形態で使用することもできる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、などのエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。本発明においては、これらを単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、などのエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。本発明においては、これらを単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記共重合成分のモノマーとしては、皮膜性の観点で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N-アクリロイルモルホリンが好ましい。この中で、アクリレート類が、得られるポリマーの柔軟性確保の点で特に好ましい。
3級エステル部位を有する繰り返し単位の好ましい具体例を以下に示す。これらの繰り返し単位の1種あるいは2種以上からなる重合体は、樹脂(A)の好ましい具体例として挙げることができる。
3級エステル部位を有する繰り返し単位とその他のモノマーに対応する繰り返し単位を含む共重合体の好ましい具体例を以下に示す。
樹脂(A)の分子量は、彫刻感度と皮膜性のバランスを保つ観点から、重量平均分子量で好ましくは5、000〜500、000、より好ましくは7、000〜200、000、特に好ましくは10、000〜100、000である。
<樹脂(A)以外のバインダーポリマー>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、樹脂(A)以外にバインダーポリマーを併用してもよい。樹脂(A)以外のバインダーポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール類、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンオキサイドの如き親水性基を導入したポリアミド樹脂などが挙げられる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、樹脂(A)以外にバインダーポリマーを併用してもよい。樹脂(A)以外のバインダーポリマーとしては、例えばポリビニルアルコール類、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンオキサイドの如き親水性基を導入したポリアミド樹脂などが挙げられる。
併用してもよいバインダーポリマーは単一であっても複数種用いてもよい。複数種のポリマーを併用することで、形成される被膜(例えば、レリーフ層)を柔軟化することが可
能である。具体的には、構成単位としてヒドロキシエチレンを含む親水性ポリマーおよび構成単位としてヒドロキシエチレンを含まない親水性ポリマーを併用することで、被膜の柔軟化を達成できる。極性や構造に有意差のある複数種のポリマーは、互いに可塑剤として作用すると考えられる。
能である。具体的には、構成単位としてヒドロキシエチレンを含む親水性ポリマーおよび構成単位としてヒドロキシエチレンを含まない親水性ポリマーを併用することで、被膜の柔軟化を達成できる。極性や構造に有意差のある複数種のポリマーは、互いに可塑剤として作用すると考えられる。
構成単位としてヒドロキシエチレンを含む親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコールおよびビニルアルコール/酢酸ビニル共重合体(部分鹸化ポリビニルアルコール)を例示することができ、これらの変性体もこれに該当する。親水性ポリマーは単独で用いても良いし、複数種を混合して用いても良い。変性体の例として、水酸基の少なくとも一部をカルボキシル基に変性したポリマー、水酸基の一部を(メタ)アクロイル基に変性したポリマー、水酸基の少なくとも一部をアミノ基に変性したポリマー、側鎖にエチレングリコールやプロピレングリコールおよびこれらの複量体を導入したポリマーなどが挙げられる。
また、ポリエチレングリコールやピペラジンのような親水性基を導入した親水性ポリアミドも用いられる。
また、併用してもよいバインダーポリマーとしては、主鎖および側鎖の少なくともいずれかに炭素-炭素不飽和結合をもつバインダーポリマーも好ましい。主鎖にオレフィン(炭素-炭素二重結合)および炭素-炭素三重結合の少なくともいずれかを含むポリマーは、形成される被膜の機械的強度を高める点でより好ましく、主鎖にオレフィンを含むポリマーが特に好ましい。
主鎖にオレフィンおよび炭素−炭素三重結合の少なくともいずれかを含むポリマーとしては、例えばSB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
主鎖にオレフィンおよび炭素−炭素三重結合の少なくともいずれかを含むポリマーとしては、例えばSB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
併用してもよい(A)以外のバインダーポリマーは、彫刻感度を低下させずに膜性を向上させる程度に含有させることが好ましく、全バインダーポリマー中、1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが最も好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有することが好ましい。これにより樹脂組成物に架橋性が付与される。このような架橋性樹脂組成物は、活性光線の照射あるいは加熱により架橋することができるので、レーザー彫刻用樹脂印刷版原版のレリーフ層として好ましく用いられる。
<(B)重合性化合物>
重合性化合物(以下、重合性化合物(B)あるいは成分(B)ともいう)は、エチレン性不飽和モノマーで代表される、ラジカル重合により架橋を形成する化合物であり、レリーフ層に強度を付与する役割を果たす。成分(B)として、例えば次のようなものを挙げることができる。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、などのエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。本発明においては、これらを単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
重合性化合物(以下、重合性化合物(B)あるいは成分(B)ともいう)は、エチレン性不飽和モノマーで代表される、ラジカル重合により架橋を形成する化合物であり、レリーフ層に強度を付与する役割を果たす。成分(B)として、例えば次のようなものを挙げることができる。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレートなどの水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレートなどのハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミドのような(メタ)アクリルアミド類、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、などのエチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼンなどの多価ビニル化合物、などの2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。本発明においては、これらを単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。
これら重合性化合物(B)として、2官能以上の多官能モノマーを多量に用いると被膜の硬度が過度に上昇し、フレキソ版に適用した場合には、フレキソ印刷に必要な柔軟性が得られない等の問題を生じるので、その含有量はできるだけ低く抑えることが好ましい。単官能モノマーのなかでも比較的高分子量のモノマーは被膜の柔軟化に寄与するので好ましく用いられる。
<(C)重合開始剤>
重合開始剤(以下、重合開始剤(C)あるいは成分(C)ともいう)は、重合性化合物(B)の架橋の開始剤として作用する化合物である。重合開始剤(C)としては、例えば紫外光のような活性光線を照射することによりラジカルを発生させる光重合開始剤を用いるのが好ましいが、加熱することによりラジカルを発生する熱重合開始剤を用いても良い。
重合開始剤(以下、重合開始剤(C)あるいは成分(C)ともいう)は、重合性化合物(B)の架橋の開始剤として作用する化合物である。重合開始剤(C)としては、例えば紫外光のような活性光線を照射することによりラジカルを発生させる光重合開始剤を用いるのが好ましいが、加熱することによりラジカルを発生する熱重合開始剤を用いても良い。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトンなどのアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン系化合物、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)などのアミン系化合物や、ベンジルジメチルケタールなどベンジル系、カンファーキノン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノンなどが好ましく用いられる。これらを単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いても良い。
熱重合開始剤としては、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチルなどの過酸化物、2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物やベンゼンスルホニルアジド、1,4−ビス(ペンタメチレン)−2−テトラゼンなどが好ましく用いられる。これらを単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いても良い。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、さらに、任意成分として、可塑剤、重合禁止剤、染料、顔料、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤などを添加してもよい。
可塑剤は、レリーフ層を柔軟化する作用を有するものであり、樹脂(A)に対して相溶性の良いものであれば、公知のものを使用することができる。
可塑剤は、レリーフ層を柔軟化する作用を有するものであり、樹脂(A)に対して相溶性の良いものであれば、公知のものを使用することができる。
[レーザー彫刻用樹脂印刷版原版]
本発明におけるレーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、支持体上に、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ層を有する。架橋性樹脂組成物を用いると、架橋性のレリーフ層が得られる。レーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、必要により更に、支持体とレリーフ層との間に接着層を、また、レリーフ層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、レリーフ層を架橋させ、次いでレーザー彫刻することによりレリーフ印刷版を作製することができる。レリーフ層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができるし、レーザー彫刻後にシャープな形状を有するレリーフ印刷版を得ることができる。
本発明におけるレーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、支持体上に、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ層を有する。架橋性樹脂組成物を用いると、架橋性のレリーフ層が得られる。レーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、必要により更に、支持体とレリーフ層との間に接着層を、また、レリーフ層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、レリーフ層を架橋させ、次いでレーザー彫刻することによりレリーフ印刷版を作製することができる。レリーフ層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができるし、レーザー彫刻後にシャープな形状を有するレリーフ印刷版を得ることができる。
レリーフ層中の樹脂(A)の含有量は、レリーフ層の固形分全質量に対し30〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。成分(A)の含有量を30質量%以上とすることで原版のコールドフローを防止することが可能で、80質量%以下とすることで他の成分が不足することがなく、レリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られるためである。
レリーフ層中の重合性化合物(B)の含有量は、レリーフ層の固形分全質量に対し10〜60質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。成分(B)の含有量を10質量%以上とすることでレリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られ、60質量%以下とすることでレリーフ印刷版として使用するに足る強度が得られるためである。
レリーフ層中の重合開始剤(C)の含有量は、レリーフ層の固形分全質量に対し0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。成分(C)の含有量を0.01質量%以上とすることで架橋性レリーフ層の架橋が速やかに行われ、10質量%以下とすることで他成分が不足することがなく、レリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られるためである。
レリーフ層は、前記樹脂組成物をシート状あるいはスリーブ状に成形することで得ることができる。
本発明におけるレーザー彫刻用樹脂印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET、PBT、PAN)やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバ
ーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。レリーフ印刷版の支持体として、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
ーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。レリーフ印刷版の支持体として、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
レリーフ層と支持体の間に、両層間の接着力を強化する目的で接着層を設けても良い。接着層に使用される材料は、レリーフ層が架橋された後において接着力を強固にするものであれば良いが、レリーフ層が架橋される前も接着力が強固であることが好ましい。ここで、接着力とは支持体/接着層間および接着層/レリーフ層間の接着力の両者を意味する。
支持体/接着層間の接着力は、支持体/接着層/レリーフ層からなる積層体から接着層およびレリーフ層を400mm/分の速度で剥離する際、サンプル1cm幅当たりの剥離力が1.0N/cm以上または剥離不能であることが好ましく、3.0N/cm以上または剥離不能であることがより好ましい。
接着層/レリーフ層の接着力は、接着層/レリーフ層から接着層を400mm/分の速度で剥離する際、サンプル1cm幅当たりの剥離力が1.0N/cm以上または剥離不能であることが好ましく、3.0N/cm以上または剥離不能であることがより好ましい。
レリーフ層は、架橋およびレーザー彫刻後レリーフが造形される部分となり、そのレリーフ表面はインキ着肉部として機能する。架橋後のレリーフ層は架橋により強化されているので、レリーフ層表面に印刷に影響を及ぼすほどの傷や凹みが発生することはほとんどない。しかし、架橋前のレリーフ層は強度が不足している場合が多く、表面に傷や凹みが入りやすい。レリーフ層表面への傷・凹み防止の目的で、レリーフ層表面に保護フィルムを設けても良い。
保護フィルムは、薄すぎると傷・凹み防止の効果が得られず、厚すぎると取り扱いが不便になり、コスト高にもなる。よって、保護フィルムの厚さは25μm〜500μmが好ましく、50μm〜200μmがより好ましい。
保護フィルムは、印刷版の保護フィルムとして公知の材質、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)のようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はプレーンでもよいし、マット化されていても良い。
レリーフ層上に保護フィルムを設ける場合、保護フィルムは剥離可能でなければならない。保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆にレリーフ層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。
スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解または分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。これらの中で、粘着性の面から、鹸化度60〜99モル%の部分鹸化ポリビニルアルコール、アルキル基の炭素数が1〜5のヒドロキシアルキルセルロースおよびアルキルセルロースが特に好ましく用いられる。
レリーフ層(およびスリップコート層)/保護フィルムから保護フィルムを200mm/分の速度で剥離する時、1cm当たりの剥離力が5〜200mN/cmであることが好ましく、10〜150mN/cmがさらに好ましい。5mN/cm以上であれば、作業中
に保護フィルムが剥離することなく作業でき、200mN/cm以下であれば無理なく保護フィルムを剥離することができる。
に保護フィルムが剥離することなく作業でき、200mN/cm以下であれば無理なく保護フィルムを剥離することができる。
次に、レーザー彫刻用樹脂印刷版原版の作製方法について説明する。作製方法は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザー彫刻用樹脂組成物の溶液を調製し、この溶液から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。あるいはレーザー彫刻用樹脂組成物の溶液を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して溶液から溶媒を除去する方法でも良い。
その後、必要に応じてレリーフ層の上に保護フィルムをラミネートしても良い。ラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムとレリーフ層を圧着することや、表面に少量の溶媒を含浸させたレリーフ層に保護フィルムを密着させることよって行うことができる。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採っても良い。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
レーザー彫刻用樹脂組成物の溶液は、例えば、樹脂(A)および任意で可塑剤を適当な溶媒に溶解させ、次いで重合性化合物(B)および重合開始剤(C)を溶解させることによって製造できる。溶媒成分のほとんどは印刷版原版を製造する段階で除去する必要があるので、揮発しやすい低分子アルコール(例えばエタノール)等を用い、かつ溶媒の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。系を高温にすることで、溶媒の添加量を抑制することができるが、温度が高すぎると重合性化合物(B)が重合反応し易くなるため、重合性化合物(B)および/または重合開始剤(C)の添加後の溶液の調製温度は30℃〜80℃が好ましい。
[レリーフ印刷版およびその製造]
以上のようにして得られたレーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、下記の工程を順次経て、レリーフ印刷版を製造することができる。
第1の例は、(1a)レーザー彫刻用樹脂印刷版原版に活性光線を照射してレリーフ層を架橋する工程、(2)架橋されたレリーフ層をレーザー彫刻する工程からなる。
第2の例は、(1b)レーザー彫刻用樹脂印刷版原版を加熱してレリーフ層を架橋する工程、(2)架橋されたレリーフ層をレーザー彫刻する工程からなる。
以上のようにして得られたレーザー彫刻用樹脂印刷版原版は、下記の工程を順次経て、レリーフ印刷版を製造することができる。
第1の例は、(1a)レーザー彫刻用樹脂印刷版原版に活性光線を照射してレリーフ層を架橋する工程、(2)架橋されたレリーフ層をレーザー彫刻する工程からなる。
第2の例は、(1b)レーザー彫刻用樹脂印刷版原版を加熱してレリーフ層を架橋する工程、(2)架橋されたレリーフ層をレーザー彫刻する工程からなる。
さらに、必要に応じて下記工程を含んでも良い。工程(2)に次いで、(3)水または水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程、(4)彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程、(5)レリーフ層をさらに架橋する工程、である。
工程(1a)又は(1b)は、レーザー彫刻用樹脂印刷版原版のレリーフ層を架橋する工程である。本発明のレリーフ層は、好ましくは、樹脂(A)、重合性化合物(B)、および重合開始剤(C)を含み、工程(1a)又は(1b)は重合開始剤(C)の作用で重合性化合物(B)をポリマー化し架橋を形成する工程である。重合開始剤(C)はラジカル発生剤であり、ラジカルを発生するきっかけが光か熱かによって、光重合開始剤と熱重合開始剤に大別される。
レリーフ層が光重合開始剤を含有する場合には、光重合開始剤のトリガーとなる活性光
線をレリーフ層に照射することで、レリーフ層を架橋することができる。活性光線の照射は、レリーフ層全面に行うのが一般的である。活性光線としては可視光、紫外光あるいは電子線が挙げられるが、紫外光が最も一般的である。レリーフ層の支持体側を裏面とすれば、表面に活性光線を照射するだけでも良いが、支持体が活性光線を透過する透明なフィルムならば、さらに裏面からも活性光線を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行っても良いし、保護フィルムを剥離した後に行っても良い。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、架橋性レリーフ層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行っても良い。
線をレリーフ層に照射することで、レリーフ層を架橋することができる。活性光線の照射は、レリーフ層全面に行うのが一般的である。活性光線としては可視光、紫外光あるいは電子線が挙げられるが、紫外光が最も一般的である。レリーフ層の支持体側を裏面とすれば、表面に活性光線を照射するだけでも良いが、支持体が活性光線を透過する透明なフィルムならば、さらに裏面からも活性光線を照射することが好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行っても良いし、保護フィルムを剥離した後に行っても良い。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、架橋性レリーフ層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行っても良い。
レリーフ層が熱重合開始剤を含有する場合には、レーザー彫刻用樹脂印刷版原版を加熱することで、レリーフ層を架橋することができる。加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
光を利用する工程(1a)は、活性光線を照射する装置が比較的高価であるものの、印刷版原版が高温になる事がないので、印刷版原版の原材料の制約がほとんどない。熱を利用する工程(1b)には特別高価な装置を必要としない利点があるが、印刷版原版が高温になるので、高温で柔軟になる熱可塑性ポリマーは加熱中に変形する可能性がある等、使用する原材料は慎重に選択する必要がある。
レリーフ層を架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。未架橋のレリーフ層をレーザー彫刻すると、レーザー照射部の周辺に伝播した余熱により、本来意図していない部分が溶融、変形しやすく、シャープなレリーフが得られない。また、素材の一般的な性質として、低分子なものほど固形ではなく液状になり、すなわち粘着性が強くなる。レリーフ層を彫刻する際に発生する彫刻カスは、低分子の材料を多く用いるほど粘着性が強くなる。低分子である重合性化合物(B)は架橋することで高分子になるため、発生する彫刻カスは粘着性が少なくなる傾向がある。
架橋後のレリーフ層のショアA硬度は50°〜90°が好ましい。ショアA硬度が50°以上のレリーフ層を用いることで、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれる事がなく、正常な印刷ができる。ショアA硬度90°以下のレリーフ層を用いることで、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止する事ができる。
(2)架橋されたレリーフ層をレーザー彫刻する工程とは、形成したい画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、レリーフ層に対して走査照射する工程のことである。赤外レーザーが照射されると、レリーフ層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、感光層中の分子は分子切断あるいはイオン化されて選択的な除去、すなわち彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は浅くあるいはショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
彫刻表面に彫刻カスが付着している場合は、水または水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流す工程(3)を追加しても良い。リンスの手段として、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式あるいは
搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸を添加したリンス液を用いてもよい。
搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスする工程(3)を行った場合、彫刻されたレリーフ層を乾燥してリンス液を揮発させる工程(4)を追加することが好ましい。
さらに、必要に応じてレリーフ層をさらに架橋させる工程(5)を追加しても良い。追加の架橋工程(5)を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
さらに、必要に応じてレリーフ層をさらに架橋させる工程(5)を追加しても良い。追加の架橋工程(5)を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
本発明の方法で製造されたレリーフ印刷版は、凸版用印刷機による油性インキやUVインキでの印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本発明に用いられる樹脂(A)の合成例を以下に示す。
本発明に用いられる樹脂(A)の合成例を以下に示す。
<合成例1:ポリマーP−1の合成>
tert-ブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)(100g)およびV−65(和光純薬工業(株)製)(1.75g)のエタノール(75g)溶液を、窒素気流下、75℃でエタノール(75g)中に、2.5時間かけて滴下した。滴下後さらに75℃で2時間撹拌した。さらに78℃に昇温し90分攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製)(1.62g)を更に加えた。その後、78℃で2時間加熱攪拌することによりポリマーP−1のエタノール溶液を得た。
得られたポリマーP−1のエタノール溶液を1.0g採取し、海砂10gと一緒にアルミカップに入れて十分に混ぜ合わせ、130℃のオーブン中で減圧下(5mmHg以下)2時間加熱した。加熱前後での重量変化からポリマーP−1の固形分濃度を算出した結果、41.3%であった。
ポリマーP−1の同定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、IRスペクトルにより行った。重量平均分子量はポリスチレン換算で2.0万であった。
得られたポリマーP−1のエタノール溶液を1.0g採取し、海砂10gと一緒にアルミカップに入れて十分に混ぜ合わせ、130℃のオーブン中で減圧下(5mmHg以下)2時間加熱した。加熱前後での重量変化からポリマーP−1の固形分濃度を算出した結果、41.3%であった。
ポリマーP−1の同定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、IRスペクトルにより行った。重量平均分子量はポリスチレン換算で2.0万であった。
<合成例2:ポリマーP−2の合成>
tert-ブチルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)(85g)、メトキシテトラエチレングリコールモノメタクリレート(ブレンマーPME200、日本油脂製)(15g)およびV−65(和光純薬工業(株)製)(1.62g)のエタノール(75g)溶液を、窒素気流下、75℃でエタノール(75g)中に、2.5時間かけて滴下した。滴下後さらに75℃で2時間撹拌した。さらに78℃に昇温し90分攪拌後、V−65(和光純薬工業(株)製)(1.62g)を更に加えた。その後、78℃で2時間加熱攪拌することによりポリマーP−2のエタノール溶液を得た。
得られたポリマーP−2のエタノール溶液を1.0g採取し、海砂10gと一緒にアルミカップに入れて十分に混ぜ合わせ、130℃のオーブン中で減圧下(5mmHg以下)2時間加熱した。加熱前後での重量変化からポリマーP−1の固形分濃度を算出した結果、41.6%であった。
ポリマーP−2の同定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、IRスペクトルにより行った。重量平均分子量はポリスチレン換算で2.8万であった。なお、組成比は質量比である。
得られたポリマーP−2のエタノール溶液を1.0g採取し、海砂10gと一緒にアルミカップに入れて十分に混ぜ合わせ、130℃のオーブン中で減圧下(5mmHg以下)2時間加熱した。加熱前後での重量変化からポリマーP−1の固形分濃度を算出した結果、41.6%であった。
ポリマーP−2の同定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、IRスペクトルにより行った。重量平均分子量はポリスチレン換算で2.8万であった。なお、組成比は質量比である。
以下に示すポリマーP−3〜P−6についても、上記の合成例と同様の方法で、そのエタノール溶液を得た。なお、組成比は質量比である。
<実施例1>
上記ポリマーP−1のエタノール溶液の170質量部にブレンマーPE−200(平均分子量200のポリエチレングリコールのメタクリレート、日本油脂(株)製)を40質量部、ジエチレングリコールを10質量部、イルガキュア651(ベンジルジメチルケタール、チバ・ガイギー(株)製)を0.1質量部、イルガキュア184(α−ヒドロキシケトン、チバ・ガイギー(株)製)を1.5質量部および重合禁止剤Q−1300(アンモニウム N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、和光純薬工業(株)製)を0.005質量部添加した後、30分間攪拌し、流動性のあるレーザー彫刻用樹脂組成物の溶液を得た。
ガラス基板上に、レーザー彫刻用樹脂組成物の溶液を流延し、60℃のオーブン中で4時間乾燥させて、およそ厚さ1200μmのレリーフ層を設けた。レリーフ層の厚さは、ガラス基板上に所定厚のスペサーを設置し、スペサーからはみ出ている部分の樹脂組成物の溶液を、水平な金尺で掻き出すことによって制御した。
上記ポリマーP−1のエタノール溶液の170質量部にブレンマーPE−200(平均分子量200のポリエチレングリコールのメタクリレート、日本油脂(株)製)を40質量部、ジエチレングリコールを10質量部、イルガキュア651(ベンジルジメチルケタール、チバ・ガイギー(株)製)を0.1質量部、イルガキュア184(α−ヒドロキシケトン、チバ・ガイギー(株)製)を1.5質量部および重合禁止剤Q−1300(アンモニウム N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、和光純薬工業(株)製)を0.005質量部添加した後、30分間攪拌し、流動性のあるレーザー彫刻用樹脂組成物の溶液を得た。
ガラス基板上に、レーザー彫刻用樹脂組成物の溶液を流延し、60℃のオーブン中で4時間乾燥させて、およそ厚さ1200μmのレリーフ層を設けた。レリーフ層の厚さは、ガラス基板上に所定厚のスペサーを設置し、スペサーからはみ出ている部分の樹脂組成物の溶液を、水平な金尺で掻き出すことによって制御した。
次いで、レリーフ層を、紫外領域に光源を有する超高圧水銀灯(オーク製作所(株)製)で全面露光(露光量:4000mJ/cm2)し、レリーフ層を光架橋した。
レリーフ層の彫刻感度の測定には、炭酸ガスレーザー彫刻機として、最大出力15Wの炭酸ガスレーザーを装備した“Commax Direct”A3-15W((株)コマックス製)を用いた
。彫刻条件は、レーザー出力:12.9W、ヘッド速度:150mm/秒、ピッチ:1000DPIに設定し、5cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。ベタ彫刻部分の彫刻された深さを測定したところ、0.69mmであった。彫刻深さは、ベタ彫刻部分の断面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK9510((株)キーエンス製)にて観察し、レリーフ層表面と彫刻された部分の高さの差を読みとることで測定した。
レリーフ層の彫刻感度の測定には、炭酸ガスレーザー彫刻機として、最大出力15Wの炭酸ガスレーザーを装備した“Commax Direct”A3-15W((株)コマックス製)を用いた
。彫刻条件は、レーザー出力:12.9W、ヘッド速度:150mm/秒、ピッチ:1000DPIに設定し、5cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。ベタ彫刻部分の彫刻された深さを測定したところ、0.69mmであった。彫刻深さは、ベタ彫刻部分の断面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK9510((株)キーエンス製)にて観察し、レリーフ層表面と彫刻された部分の高さの差を読みとることで測定した。
<実施例2〜6>
実施例1におけるポリマーP−1のエタノール溶液の替わりに、ポリマーP−2〜ポリマーP−6のエタノール溶液を各々用いる以外は実施例1と同様にして、レーザー彫刻用樹脂組成物の溶液の調製、レリーフ層の形成、光架橋、レーザー彫刻及びベタ彫刻部分の彫刻深さの測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1におけるポリマーP−1のエタノール溶液の替わりに、ポリマーP−2〜ポリマーP−6のエタノール溶液を各々用いる以外は実施例1と同様にして、レーザー彫刻用樹脂組成物の溶液の調製、レリーフ層の形成、光架橋、レーザー彫刻及びベタ彫刻部分の彫刻深さの測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
市販のレーザー彫刻用フレキソ版「Fulflex FP4003」(板状の加硫ゴム版、Fulflex Flexographic Systems 社製)を実施例1と同様に、レーザー彫刻及びベタ彫刻部分の彫刻深さの測定を行ったところ、0.42mmであった。なお、「Fulflex FP4003」は既に架橋済みであり、実施例1で行った光架橋は行っていない。
市販のレーザー彫刻用フレキソ版「Fulflex FP4003」(板状の加硫ゴム版、Fulflex Flexographic Systems 社製)を実施例1と同様に、レーザー彫刻及びベタ彫刻部分の彫刻深さの測定を行ったところ、0.42mmであった。なお、「Fulflex FP4003」は既に架橋済みであり、実施例1で行った光架橋は行っていない。
表1より、本発明に係る3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂を含む樹脂組成物を用いた実施例1〜6では、同一彫刻条件での彫刻深さは0.60〜0.70mmであり、3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂を含有しない比較例1より深く彫刻されていることが分かる。これは、3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂を用いることにより彫刻感度が向上することを示すものである。
Claims (8)
- (A)3級エステル部位を有する繰り返し単位を有する樹脂を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、さらに(B)重合性化合物及び(C)重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
- 支持体に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ層を有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂印刷版原版。
- (1a)請求項4に記載のレーザー彫刻用樹脂印刷版原版に活性光線を照射してレリーフ層を架橋する工程、及び(2)架橋されたレリーフ層をレーザー彫刻する工程を含むことを特徴とするレリーフ印刷版の製造方法。
- (1b)請求項4に記載のレーザー彫刻用樹脂印刷版原版を加熱してレリーフ層を架橋する工程、及び(2)架橋されたレリーフ層をレーザー彫刻する工程を含むことを特徴とするレリーフ印刷版の製造方法。
- 請求項5または6に記載の方法で製造されたことを特徴とするレリーフ印刷版。
- 前記レリーフ層のショアA硬度が、50°〜90°であることを特徴とする請求項7に記載のレリーフ印刷版。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007172165A JP2009006652A (ja) | 2007-06-29 | 2007-06-29 | レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用樹脂印刷版原版、レリーフ印刷版およびレリーフ印刷版の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2010069763A (ja) * | 2008-09-19 | 2010-04-02 | Fujifilm Corp | レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版の製造方法、及びレリーフ印刷版 |
WO2020137919A1 (ja) * | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 富士フイルム株式会社 | 感光性組成物、平版印刷版原版、平版印刷版の作製方法及び平版印刷方法 |
-
2007
- 2007-06-29 JP JP2007172165A patent/JP2009006652A/ja active Pending
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