JP2009298103A - レーザー彫刻可能なフレキソ印刷原版 - Google Patents

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Yukimi Yawada
雪美 八和田
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Abstract

【課題】 印刷不良を生じずかつ解像度に優れた印刷版を製造できるレーザー彫刻用印刷原版を提供する。
【解決手段】支持体上に感光性樹脂層を設けた印刷原版を光照射し、架橋硬化させることによって得られるレーザー彫刻用印刷原版であって、感光性樹脂層が(A)分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を有する水分散ラテックス、(B)親水性光重合性モノマー、(C)ゴム、(D)光重合開始剤を含有することを特徴とするレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。
【選択図】 なし

Description

本発明はレーザー彫刻可能なフレキソ印刷原版に関するものである。
包装材や建装材などの印刷に使用されるフレキソ印刷版は、原画フィルムを感光性樹脂層上に置き、原画フィルムを通して露光することにより、架橋反応を起こさせた後、非露光部の未架橋樹脂を現像液で現像・除去することでレリーフ像を形成する製版方法が用いられてきた。しかし、近年のデジタル技術の発達により、コンピューター上で処理された情報を印刷版上に直接出力してレリーフとなる凹凸パターンを得る方法が普及しつつある。中でも、レーザーによる彫刻製版を行うレーザー彫刻は、原画フィルムを必要とせず、現像工程も不要であるため、極めて効率的であり、また環境に優しい方法である。
レーザー彫刻用の印刷原版としては、フレキソ版への技術応用が進んでおり、レーザー彫刻可能なフレキソ版原版、あるいはレーザー彫刻によって得られたフレキソ版が特許文献1に開示されている。
レーザー彫刻による印刷版の製造工程では、画像データに基づいてレーザー光線を印刷原版に照射して照射部分の像形成材料を分解・除去することにより版表面に凹凸が形成される。この際、レーザー照射部の像形成材料の分解により粘稠性の樹脂カスが生じ、その一部は印刷版全体に飛び散る。これらの樹脂カスは、印刷版に残しておくと問題を生じるため、レーザー照射中にレーザー装置近傍に設けた集塵機で吸引することにより及び/又はレーザー照射後に印刷版を洗浄することにより印刷版から除去される。
しかしながら、この印刷原版は合成ゴムを主成分とするため原版自身の粘着性が高く、レーザー照射により生じた樹脂カスがレーザー照射中の吸引やレーザー照射後の洗浄でも除去されずに版に付着したまま残りやすい。樹脂カスが印刷版のレーザー非照射部分(凸部分)に付着したまま残ると、この部分は印刷時にインクが付与される部分であるので、印刷不良を招く。また、樹脂カスが印刷版のレーザー照射部分(凹部分)の底面に付着したまま残ると網点の深度が低下し、凹部分の側面に付着したまま残ると網点の再現性が低下し、いずれも解像度の低下を招く問題があった。
上記樹脂カス付着の課題に対しては、シリカ微粉末などの無色透明の充填剤を配合する方法(特許文献2参照)により印刷原版の機械的特性を向上させ、結果として粘着性や微細部の溶融を減少させる技術が提案されている。しかしながら、シリカ微粉末などの充填剤を配合する方法は、印刷原版の粘着性を十分に低下させるためには多量の充填剤が必要となり、印刷原版の成型性や版物性を著しく損なうという問題があった。
したがって、充填剤を添加することなく樹脂カス付着の少ないレーザー彫刻用原版が待ち望まれていた。
特許第2846954号公報 特表2004−533343号公報
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は樹脂カスの粘着が原因となる印刷不良を生じず、かつ解像度に優れた印刷版を製造できるレーザー彫刻可能な印刷原版を提供することである。
本発明者らは、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、(1)支持体上に感光性樹脂層を設けた印刷原版を光照射し、架橋硬化させることによって得られるレーザー彫刻用印刷原版であって、感光性樹脂層が(A)分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を有する水分散ラテックス、(B)親水性光重合性モノマー、(C)ゴム、(D)光重合開始剤を含有することを特徴とするレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。
(2)(A)成分の重合体がポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、ポリイソプレンおよびこれらと他の重合性モノマーとの共重合体から選ばれる1種以上の共重合体であることを特徴とする(1)のレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。(3)(B)成分の親水性光重合性モノマーが、モノマー構造中にポリアルキレングリコールを有するモノマー、カルボキシル基、又は水酸基から選ばれる1種以上の官能基を有するモノマーであることを特徴とする(1)又は(2)に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。(4)(B)親水性光重合性モノマーがモノマー構造中に親水性基としてポリアルキレングリコール、カルボキシル基、又は水酸基から選択されるいずれか一つを含有する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を設けたことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかのレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。(5)光重合性化合物として(B)親水性光重合性モノマー以外にさらに1分子中に3つ以上の疎水性のエチレン性不飽和基を有する多官能エチレン性不飽和モノマーを含んでいることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかのレーザー彫刻可能なフレキソ印刷原版。(6)感光性樹脂層が(A)成分の水分散ラテックスと(B)親水性光重合性モノマーを混合して(E)成分とし、その後(E)成分と(C)ゴムと(D)光重合開始剤を混練する製造方法によって得られた感光性樹脂組成物からなることを特徴とする(1)のレーザー彫刻用フレキソ印刷原版である。
本発明のレーザー彫刻可能な印刷原版を用いることにより、印刷版製造時のレーザー照射により生じる彫刻カスの版への付着・融着を抑制することができる。本発明から得られる印刷原版を使用すれば、樹脂カスの付着が少ない印刷版を提供することができ、これらが原因となる印刷不良を生ずることがなく、しかも解像度に優れた印刷版を製造することができる。
本発明における(A)水分散ラテックスとは重合体粒子を分散質として水中に分散したものであり、(A)水分散ラテックスより得られる重合体とは、この(A)水分散ラテックスから水を取り除いて得られる重合体そのものをいう。
本発明の感光性樹脂組成物を構成する(A)成分である水分散ラテックス重合体は、(A)水分散ラテックス中に粒子の電気的反発力により分散しており、この電荷は乳化剤、保護コロイド、ポリマーなどの電離や吸着により引き起こされているものである。
具体的には、ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックスなどの水分散ラテックス重合体やこれら重合体にアクリル酸やメタクリル酸などの他の成分を共重合して得られる重合体が挙げられる。この中でも分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を含有する水分散ラテックス重合体が、硬度の点から好ましく用いられる。具体的には、ポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスが好ましい。
本発明の(B)成分の親水性光重合性モノマーは、(A)成分が凝集することを防止する働きを持つものである。つまり、(A)成分の粒子表面に(B)成分の皮膜を形成することで粒子同士の凝集を防止することを意図するものである。したがって、(A)成分が、(B)成分中に分散した形態を有することが好ましい。
このような(A)成分が凝集することを防止する働きを持つものとして、本発明においては(B)成分として親水性モノマーを用いるものである。本発明において、親水性モノマーとは、分子構造中にポリアルキレングリコール、カルボキシル基、又は水酸基から選択されるいずれか一つを含有するエチレン性不飽和結合を有する化合物をいう。
具体的には、ポリアルキレングリコールを有するモノマーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシペンタエチレングリコール(メタ)アクリレートなどフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、その他としてポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
水酸基を有するモノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマーとして、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
このなかでも、モノマー構造中にポリアルキレングリコールを有するもの、カルボキシル基を含有するもの、水酸基を含有するものが(A)成分の凝集防止効果が高いという点で好ましく用いられる。
これら(B)成分の含有量は(A)成分100重量部に対して10〜200重量部であることが好ましい。10重量部以上とすることで架橋密度が不足することなく画像再現性が満足するものが得られ、200重量部以下とすることでレリーフが脆くなることもないので好ましい。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲において、1分子中に3つ以上のエチレン性不飽和結合を有する疎水性のエチレン性不飽和モノマーを含有することが好ましい。具体的な化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、多価アルコールのトリグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコールなどのエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られるトリメチロールプロパンのトリグリシジールエーテルトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、その中でもトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
1分子中に3つ以上のエチレン性不飽和結合を有する疎水性のエチレン性不飽和モノマーを加える場合その含有量は、レーザー彫刻性の面より感光性組成物の光重合性化合物に対して10〜30重量%配合することが好ましく、さらに好ましくは10〜20重量%である。
(C)成分であるゴムとしては、汎用ゴム、エラストマーとして知られたもの、具体的には、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。これらゴム成分を加えることで、感光性樹脂組成物のゴム弾性を増加させ、水性インキ耐性を発現することを可能にする。
(C)成分の含有量としては、(A)成分100重量部に対して20〜300重量部であることが好ましい。20重量部以上とすることで印刷版の耐水性が良好であり、また反発弾性率が低下し、印刷品質が低下する恐れがなくて好ましい。
本発明の(D)光重合開始剤は、(C)光重合性化合物の光重合・架橋反応の触媒としての役割を有する。本発明で使用する(D)光重合開始剤としては、光照射によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであればあらゆるものが使用できるが、特に、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく使用される。具体的には、例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などが使用できる。
重合禁止剤は、樹脂組成物の熱安定性を増大させる効果を有する。本発明の樹脂組成物で使用することができる重合禁止剤は従来公知のものであることができ、例えばフェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などを挙げることができる。本発明の樹脂組成物中の重合禁止剤の配合割合は0.001〜3質量%であることが好ましく、0.001〜2質量%であることがさらに好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物を製造する方法としては、(A)成分と(B)成分を混合したものを(E)成分として用意しておくのが好ましい。このようにすることで、(A)成分に(B)成分が吸着された状態が作られ、(A)成分の融着を防止することができる。
(E)成分と(C)成分と(D)成分を混練設備で混練しながら脱水することにより、感光性樹脂組成物を得ることができる。
なお、1分子中に3つ以上のエチレン性不飽和結合を有する疎水性のエチレン性不飽和モノマーを配合する場合には、(E)成分に対して添加すればよい。
混練設備としては、2軸押出機、単軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げられるが特に限定するものではない。
次に、本発明のレーザー彫刻可能な印刷原版について説明する。本発明の印刷原版は、上述のようにして調製された本発明の樹脂組成物をシート状又は円筒状に成形し、次いでこの成型物に光を照射して架橋硬化させることによって得られるものである。
本発明の光硬化とは合成ゴム系感光性樹脂組成物をシート状に成形し、このシート状成形物を表面より高さ5cmの距離から8mW/cmの紫外線露光機(光源:フィリップ
ス社製10R)により表裏10分露光し、架橋硬化させるものである。
本発明の樹脂組成物をシート状又は円筒状に成形する方法としては、従来公知の樹脂成形方法を使用することができ、例えば本発明の樹脂組成物を適当な支持体上に又は印刷機のシリンダー上に塗布してヒートプレス機などで加圧する方法を挙げることができる。支持体としては、可撓性を有しかつ寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、或いはポリカーボネートを挙げることができる。支持体の厚みは印刷原版の機械的特性、形状安定性等の点から50〜250μm、好ましくは100〜200μmであることが好ましい。また、必要により、支持体と樹脂層との接着を向上させるために、この種の目的で従来から使用されている公知の接着剤を表面に設けてもよい。加圧条件は20〜200kg/cm2程度であることが好ましく、加圧の際の温度条件は室温〜175℃程度であることが好ましい。形成される成形物の厚さは、製造する印刷原版のサイズ、性質などにより適宜決定すれば良く、特に限定されないが、通常は0.1〜10mm程度である。
次いで、成形した樹脂組成物に光を照射して樹脂組成物中の(B)光重合性化合物を重合架橋させ、これにより成形物を硬化させて印刷原版とする。硬化に用いられる光源としては公知の高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等が挙げられ、その他公知の方法で硬化を行うことができる。硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
かくして得られた印刷原版は、レーザー彫刻装置の版装着ドラムの表面に取付けられ、像に従ったレーザー照射により照射部分の原版が分解されて凹部分を形成し、印刷版が製造される。本発明の樹脂組成物から得られる印刷原版は、特定の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を光架橋した印刷原版を使用することにより、樹脂カスの発生や付着を抑制することができ、印刷不良がなく、解像度に優れた印刷版を提供することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔合成例1〕
原料として水100重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル3重量部、過硫酸カリ0.3重量部、t−ドデシルメルカプタン0.2重量部、メチルメタクリレート29重量部、メタクリル酸1重量部、ブタジエン70重量部を50℃で20時間反応させ、数平均粒子径140nm、ガラス転移温度−52℃、固形分濃度50.5%の水分散ラテックス(A)を得た。
〔合成例2〕
原料として、水65重量部、不均化ロジン酸カリウム1.3重量部、オレイン酸カリウム1.7重量部、アルキルスルホン酸ナトリウム1.5重量部、t−ドデシルメルカプタン0.05重量部、パラメンタンヒドロペルオキシド0.1重量部、硫酸鉄0.003重量部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.006重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.005重量部、硫酸カリウム1.2重量部、ブタジエン100重量部を使用し、重合温度5℃の低温重合により反応させた。重合転換率は約60%であった。数平均粒子径350nm、固形分濃度55%の水分散ラテックス(B)を得た。
〔合成例3〕
合成例1において、メチルメタクリレート50重量部、ブタジエン50重量部に変更して、他は同様の方法により反応させ、数平均粒子径160nm、ガラス転移温度−27℃、固形分濃度50.0%の水分散ラテックス(C)を得た。
〔合成例4〕
合成例1において、メチルメタクリレート24重量部、メタクリル酸の代わりにアクリル酸を1重量部、ブタジエン75重量部に変更して、他は同様の方法により反応させ、数平均粒子径180nm、固形分濃度50.5%の水分散ラテックス(D)を得た。
〔実施例1〕
まず、(A)成分である水分散ラテックス(A)を33.6重量部(固形分で17重量部)と水分散ラテックス(B)を14.5重量部(固形分で8重量部)、(B)成分であるフェノキシジエチレングリコールアクリレート16重量部とグリセリンポリエーテルポリオールと無水コハク酸と2−ヒドロキシエチルアクリレートの重縮合(共栄社化学(株)製、エポキシエステル)14重量部を予め混合して、120℃に加熱した乾燥機で2時間水分を蒸発させて得られたものを(E)成分とした。一方、(C)成分であるポリブタジエンゴム20重量部(日本ゼオン社製“Nipol”1220L)とニトリルゴム20重量部(日本ゼオン社製“Nipol”1042)を140℃に加熱した200mlの容量を持つラボニーダーミル((株)トーシン社製)で10分間混練した。この後、(E)成分をラボニーダーミル中に投入し、さらに10分間混練した。その後、(D)成分として光重合開始剤(ベンジルジメチルケタール)を1重量部、可塑剤としてジオクチルフタレート2重量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.1重量部を投入して、5分間混練し、感光性樹脂組成物を得た。
この組成物を取り出し、合成ゴム含有のウレタン架橋系接着剤が15μコートされた厚さ125のポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETと略す)と、厚さ2μのポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、ゴーセノールKH−17、鹸化度78〜82モル%の部分鹸化ポリ酢酸ビニル)層がコートされた厚さ125μのPETの間でサンドイッチしてプレス機を用いて175℃で厚み1.7mmの板状に成形した。このシート状成形物を表面より高さ5cmの距離から8mW/cmの紫外線露光機(光源:フィリップス社製10R)により表裏10分露光して架橋硬化させ、厚さ1.7mmのレーザー彫刻用印刷原版を得た。得られたレーザー彫刻用印刷原版を評価した結果を表1に示す。
〔実施例2〜8、比較例1〜3〕
表1に示す組成物によって実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を得た。この組成物を用いて実施例と同様にして厚さ1.7mmのレーザー彫刻用印刷原版を得た。得られたーザー彫刻用印刷原版を評価した結果を表1に示す。
実施例1〜8及び比較例1〜3で得られた厚さ1.7mmのレーザー彫刻用印刷原版を用いて次の通りに印刷版を作製した。まず、作成したレーザー彫刻用印刷原版をレーザー彫刻装置の版装着ドラムに両面テープで巻き付け、下記の条件でレーザー彫刻を行った。レーザー彫刻開始と同時に、レーザーガン近傍に設置されている集塵機を作動させ、連続的に彫刻した樹脂カスを装置外に排出させた。レーザー彫刻後、装着ドラムから取り外した版を水現像版専用洗出し機(東洋紡積製CRS600で現像液は1%洗濯石鹸水溶液、水温は40℃)で2分間水洗いして、版表面に付着した少量の樹脂カスを除去し、乾燥して印刷版を得た。
レーザー彫刻装置はLuescher Flexo社製の300W炭酸ガスレーザーを搭載したFlexPose ! directを用いた。本装置の仕様はレーザー波長1
0.6μm、ビーム直径30μm、版装着ドラム直径は300mm、加工速度は1.5時間/0.5m2であった。レーザー彫刻の条件は、以下のとおりである。なお、(1)〜(3)は装置固有の条件である。(4)〜(7)は任意に条件設定が可能であり、それぞれの条件は本装置の標準条件を採用した。
(1)解像度:2540dpi
(2)レーザーピッチ:10μm
(3)ドラム回転数:982cm/秒
(4)トップパワー:9%
(5)ボトムパワー:100%
(6)ショルダー幅:0.30mm
(7)レリーフ深度:0.60mm
(8)評価画像:150lpi、0〜100%まで1%刻みの網点
得られた印刷版について以下の評価項目を調査した。評価結果を表1に示す。
(1)樹脂カスの付着具合
10倍の拡大ルーペを使用して、印刷版表面への樹脂カスの付着具合を目視により検査し、以下の4段階で示した。
◎:ほとんど付着なし ○:少し付着あり △:かなり付着あり ×:付着激しい
(2)網点の形状
100倍の顕微鏡を用いて網点(150lpiで面積率10%)の形状を顕微鏡で観察した。網点の形状は、円錐状のものが印刷適正、印刷耐性に優れる。
○:円錐状 △:一部不鮮明 ×:不鮮明
(4)印刷性評価
フレキソ印刷機を用いて一万部の印刷を実施し、印刷物のインキのり性を目視により観察した。また、得られた印刷物の微小画像再現性(150lpi、1〜5%網点)を100倍の顕微鏡を使用して目視により確認した。
インキのり性 ; ○:良好 △:色ムラ少しあり ×:全体に色ムラあり
微小画像印刷性; ○:良好 △:網点のムラ少しあり×:網点のムラ大
Figure 2009298103
表1の評価結果から本発明のレーザー彫刻用印刷原版を用いた実施例1〜8では、印刷版表面への樹脂カスの付着が少なく、微小網点の再現性に優れた印刷版が得られていることがわかる。特に(C)成分として分子中に3つ以上のエチレン性不飽和基を有する多官能エチレン性不飽和モノマーを含有する場合に特に優れたレーザー彫刻性能であることが分かる。以上の結果から、本発明の印刷原版を使用すればレーザー照射により生ずる樹脂カスの発生、付着、成長を効果的に抑制することができ、印刷不良を生ずることがなく、しかも解像度に優れた印刷版を製造することができることが明らかである。
本発明のレーザー彫刻可能なフレキソ印刷原版は、印刷版作製の際のレーザー照射により生ずる樹脂カスが版表面に付着したまま残ることが非常に少ない。従って、特にフレキソ印刷分野において、印刷版を作成する際のレーザー彫刻用印刷原版として好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 支持体上に感光性樹脂層を設けた印刷原版を光照射し、架橋硬化させることによって得られるレーザー彫刻用印刷原版であって、感光性樹脂層が(A)分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を有する水分散ラテックス、(B)親水性光重合性モノマー、(C)ゴム、(D)光重合開始剤を含有することを特徴とするレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。
  2. (A)成分の重合体がポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、ポリイソプレンおよびこれらと他の重合性モノマーとの共重合体から選ばれる1種以上の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。
  3. (B)成分の親水性光重合性モノマーが、モノマー構造中にポリアルキレングリコールを有するモノマー、および/またはカルボキシル基、又は水酸基から選ばれる1種以上の官能基を有するモノマーであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。
  4. (B)親水性光重合性モノマーがモノマー構造中に親水性基としてポリアルキレングリコール、カルボキシル基又は水酸基から選択されるいずれか一つを含有する感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂層を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。
  5. 光重合性化合物として(B)親水性光重合性モノマー以外にさらに1分子中に3つ以上の疎水性のエチレン性不飽和基を有する多官能エチレン性不飽和モノマーを含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザー彫刻可能なフレキソ印刷原版。
  6. 感光性樹脂層が(A)成分の水分散ラテックス重合体と(B)親水性光重合性モノマーを混合して(E)成分とし、その後(E)成分と(C)ゴムと(D)光重合開始剤を混練する製造方法によって得られた感光性樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻用フレキソ印刷原版。
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