JP2009022412A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ収集系に同期の取れた定量的なコリメータの制御を行うX線CT装置を提供する。
【解決手段】被検体を支持し、前記被検体の体軸方向に沿って移動可能な寝台103と、体軸の回りを回転しながらX線を照射するX線管105と、被検体を透過したX線を検出するデータ収集部112とを含む撮像手段3と、照射されるX線の照射野を変えるコリメータ板107aと、寝台103及び撮像手段3の移動を制御するスキャン制御手段2と、データ収集部112で検出したX線に基づいて画像データを再構成する再構成処理部117とを備えるX線CT装置であって、寝台103による被検体の移動量を検出するタイミング調整手段1と、移動量に基づいて、コリメータ板107aの開口の大きさを変化させるように制御を行うコリメータ駆動部107bとを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、X線(あるいはX線ビーム)の照射野を制限するコリメータの制御を行うX線CT装置に関する。
X線を被検体に照射し、その透過データから画像データを再構成するX線コンピュータ断層撮影装置が知られている。マルチスライス対応のX線コンピュータ断層撮影装置では、X線を検出する検出素子(例えばシンチレータとホトダイオードの組)を行列状に配したX線検出器を使って位置の異なる複数のスライスに関するデータを一度に収集することを可能にしている。このマルチスライススキャン(コーンビームスキャンともいう)をヘリカリスキャンと併用することで非常に広いスキャン範囲のデータを短時間のうちに収集することができ、今後の普及が期待されている。
このマルチスライススキャンをヘリカルスキャンと併用するに際して重要な課題の一つに被曝量の低減がある。例えば、スキャノグラム上で対象臓器の領域を含むようにスキャン範囲が設定され、そのスキャン範囲に応じてコリメータの開口を設定することで被検体内の対象臓器に制限してスキャンを行う技術がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。しかし、実際には、対象臓器の一部がスキャン範囲から外れてデータ欠落を起こしてしまう。そのため、再スキャンが必要になってしまうという事態が起こり得る。
この点、データの欠落が起こってもスキャン画像を再構成することは可能ではあるが、実際には、再構成されたスキャン画像におけるデータの欠落を起こした部分にノイズが入ってしまう。そして、医師がスキャン画像を参照して診断する場合、ガンなどの診断箇所は非常に小さいものであり、スキャン画像に入り込んだノイズと患部との区別は非常に困難であるため、誤診が生じるおそれがある。そのため、データの欠落を生じさせずに被曝量を削減していく必要がある。
そこで、ヘリカルスキャンの進行過程の体軸上の位置に応じてコリメータの開口の開度(照射野の大きさ)を変化させ、ヘリカルスキャン時の患者被曝を低減させる技術(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
特開2002−17716号公報 特開平10−248835号公報 特開2006−51233号公報
しかし、従来のコリメータの開口の開度を変化させる方法では、単にコリメータ開口の寝台の移動方向の座標を取得し、その座標に対して事前にコリメータの開口の開度を決定しているが、X線照射器やX線検出器などの撮像手段を含むデータの収集系によるデータ収集タイミングとコリメータの開口の制御とが一致しているとは言えない。したがって、収集されたデータとコリメータの開度との対応関係が不明であり、データの欠落又は被検体に対し余分な被曝を与えるおそれがある。
また近年、指定されたスキャン範囲のデータ収集中に体軸方向の移動速度及びヘリカルピッチを変更してスキャンを行う可変速ヘリカルスキャンという技術が提案されている。この点、従来のコリメータ制御の方法では、単に寝台の移動距離にあわせてコリメータを制御するため、このような可変速ヘリカルスキャンにおける移動速度やヘリカルピッチの変化に対し精度良くコリメータの開口を制御することは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、データ収集系のタイミングパルスと同期をとってコリメータの開口の大きさを変化させることで、データ収集系を基準とした定量的なコリメータの制御を行うX線CT装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のX線CT装置は、被検体を支持し、前記被検体の体軸方向に沿って移動可能な支持手段と、前記体軸の回りを回転しながらX線を照射するX線発生手段と、前記被検体を透過した前記X線を検出するX線検出手段とを含む撮像手段と、前記照射されるX線の照射野を変えるコリメータと、前記支持手段及び前記撮像手段の移動を制御するスキャン制御手段と、前記X線検出手段で検出したX線に基づいて画像データを再構成する画像再構成手段とを備えるX線CT装置であって、前記支持手段による前記被検体の移動量を検出する検出手段と、前記移動量に基づいて、前記コリメータの開口の大きさを変化させるように制御を行うコリメータ制御手段とを備えることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によると、X線発生手段やX線検出手段などの撮像手段を含むデータ収集系の開始信号に基づきタイミングパルスと同期をとり、そのパルス数に基づいてコリメータの開口の大きさを変化させることで、コリメータの開口の定量的な制御を行う構成であるから、データ収集系の動作タイミングとコリメータの開閉を正確に合わせることができ、再構成に用いない領域の過剰被曝部分をデータの欠落を防ぎつつ削減することが可能であり、さらに、可変速ヘリカルスキャンにおいてもスキャン範囲にあわせて精度良くコリメータの開口を制御することが可能となる。
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るX線CT装置のハードウェア構成を表わす図である。X線CT装置は、被検体Pに関する投影データを収集するために構成された架台102、被検体Pを載せて移動させるための寝台103、X線CT装置の操作するための入力及び画像表示を行うための操作コンソール104を備えている。
架台102は、X線管105、X線検出器106、コリメータ板107a、コリメータ駆動部107b、回転フレーム108、高電圧発生部109、回転駆動装置110、架台制御部111、データ収集部112を有する。X線管105とX線検出器106は回転フレーム108に取り付けられている。この回転フレーム108を回転駆動装置110で回転することにより、X線管105とX線検出器106を対向させた状態で被検体Pの周りを回転できるように構成されている。ここで、X線管105は、本発明における「X線発生手段」にあたる。
X線管105は、高電圧発生部109から供給された管電圧に応じてX線を発生する。X線検出器106は、2次元アレイ型検出器(マルチスライス型検出器ともいう)である。X線検出素子は例えば0.5mm×0.5mmの正方の検出面を有する。例えば916個のX線検出素子がチャンネル方向に配列され、この列がスライス方向(検出器の列方向)に沿って例えば64列以上並設されている。
X線絞り装置は、コリメータ板107a及びコリメータ駆動装置107bにより構成され,被検体に曝射するX線のスライス方向の曝射範囲を調整するものである。コリメータ駆動装置107bによりコリメータ板107aを移動することにより、スライス方向のX線曝射範囲を変更できる。
一般的にDAS(data acquisition system)と呼ばれているデータ収集部112は、検出器6からチャンネルごとに出力される信号を増幅し、さらにディジタル信号に変換する。この投影データ(生データ)は架台外部の操作コンソール104に供給される。
架台制御部111は、コンソール制御部113からの制御信号に基づいて、高圧発生部109、コリメータ駆動装置107b、回転駆動装置110、データ収集部112等の制御を行う。
寝台103は、被検体を載せる天板、天板をスライス方向に沿って移動させる天板駆動装置を備えている。回転フレーム108の中央部分は開口を有し、その開口部に天板に載置された被検体Pが挿入される。なお、回転フレーム108の回転中心軸と平行な方向をZ軸方向(スライス方向)、Z軸方向に直交する平面をX軸方向、Y軸方向で定義する。
操作コンソール104は、コンソール制御部113、入力装置114、前処理部115、投影データ記憶部116、再構成処理部117、画像記憶部118、画像処理部119、表示装置120を備えている。
前処理部115は、データ収集装置112から出力される投影データに対して対数変換処理や、感度補正等の補正処理を施して出力する。この投影データは、散乱線補正部に送られ散乱線の除去処理が施される。散乱線補正部は、X線曝射範囲内の投影データの値に基づいて散乱線の除去を行うものであり、散乱線補正を行う対象の投影データ又はその隣接投影データの値の大きさから推定された散乱線を、対象となる投影データから減じて散乱線補正を行う。そして補正が行われた投影データは投影データ記憶部116に記憶される。
再構成処理部117は、投影データ記憶部116に記憶されている投影データを使用して、スライス方向におけるX線パスが平行であると仮定したファンビーム再構成、スライス方向におけるX線曝射角度(コーン角)を考慮したコーンビーム再構成等の再構方法を用いて被検体内部の生体情報の画像を再構成する。
再構成した画像は画像記憶部118に記憶される。画像処理部119は、画像記憶部118に記憶された画像データに対して各種画像処理を施して表示画像を生成する。表示画像を生成する際の各種設定条件、関心領域の設定等は、操作者による入力装置114への入力に基づいて行われる。表示装置120は、画像処理部119で生成された画像を表示する。又、コンソール制御部113は、操作者の入力に基づいて、ヘリカルスキャン等のスキャンが行われるように架台制御部111へ制御信号を送るように構成されている。尚、操作コンソール104は、専用ハードウェアで構成しても良いし、コンピュータを用いてソフトウェアで同様の機能を実現しても良い。
次に、図2を参照して本実施形態に係るX線CT装置のコリメータ制御の詳細を説明する。図2は本発明に係るX線CT装置の機能を表すブロック図である。図2における寝台103は本発明における「支持手段」に、X線管105は本発明における「X線発生手段」に、データ収集部112は本発明における「X線検出手段」にあたる。架台制御部111は、タイミング調整手段1及びスキャン制御手段2で構成されている。ここで、タイミング調整手段1とは、撮像手段3の動作に同期させてコリメータ駆動部107を動作させるための信号を送るものであり、本発明における「検出手段」にあたる。スキャン制御手段2とは、撮像手段3と寝台103に同じパルス信号を送り、双方を同期させて動作させるためのものである。また、コリメータ部107は、コリメータ駆動部107b及びコリメータ板107aで構成されている。このコリメータ板107aは本発明における「コリメータ」にあたる。さらに、コリメータ駆動部107bは本発明における「コリメータ制御手段」にあたる。また、再構成処理部117は本発明における「画像再構成手段」にあたる。ここで、架台制御部111、コリメータ駆動部107b、及び画像構成手段11はCPUで構成されている。
また、図3は本発明に係るX線CT装置による被検体へのX線照射及びそれに対応するコリメータ003(このコリメータ003は図2におけるコリメータ板107aに対応する。)の開口の動作の過程を説明する図である。本実施形態のコリメータ003は開口を半分閉じる左右の可動式のブレードで構成されており、このブレードは左右それぞれ独立して動くことが可能で、このブレードが動くことによりX線の照射野を制限する。図3における(b)の図は寝台103に乗った被検体004の状態を上から見た図であり、寝台103は移動方向007の方向に移動する。この点、実際には寝台103を移動方向007に動かし撮影するが、図3は説明の都合上、寝台103を固定し時間経過とともに撮像手段3を移動させた図としてある。各三角001はX線発生源002からのX線照射を表しており、被検体004が図の左方向に移動するに従ってX線発生源002及びデータ収集部112(図3には不図示)が図の右方向に移動し、さらに、X線発生源002及びデータ収集部112が被検体004の体軸方向と垂直方向に回転している状態を表している。ここで、X線発生源002から照射されたX線は、コリメータ003のブレードにより、照射野を制限される、照射されたX線は被検体004に照射範囲006の範囲で照射される。さらに、点005a乃至点005fは被検体004の体軸に沿った位置を表しており、点005aはX線照射の開始位置、点005bは関心領域009の画像を再構成するのに必要となる撮像領域010の先頭位置、点005cは関心領域009の先頭位置、点005dは関心領域009の終了位置、点005eは撮像領域010の終了位置、点005fはX線照射の終了位置である。また、図3における(a)の図はX線発生源002及びデータ収集部112が移動する位置に対応したコリメータ003の開口の開度(照射野の大きさ)を表している。例えば、位置008を参照すると、その位置においてコリメータ003の開口が半分閉じている状態を表している。ここで、コリメータ003の開口の開度は、コリメータ003の開口のブレードの移動によって制御される。
ここで、点005aから点005bまで、及び点005eから点005fまでの領域は検出器の半面にX線が照射される領域である。また、点005bから点005cまでの領域は徐々にコリメータ003の開口が開き照射野が広がる領域であり、点005dから点005eまでの領域は徐々にコリメータ003の開口が閉じ照射野が狭まる領域である。
技師は、操作コンソール104を用いて、スキャノグラム上で画像生成範囲(又はスキャン範囲)を指定する。すなわち、図3に示す点005cから点005bまでの関心領域009を指定する。そして、制架台制御部111は、入力されたスライス厚などの再構成条件を基に図3に示す点005a、点005b、点005e、点005fを自動的に求め、スキャン制御手段2に各点の位置に送信する。
ここで、本実施形態では、技師が関心領域009に対応する2つの点を入力し、各点の位置を求めているが手入るが、これは、各点間に対応する5つの距離が分かれば特に制限はなく、例えば、全ての距離を技師が入力するような構成でもよく、また、いくつかの距離を入力して他の条件から残りの距離を求めるような構成にしても良い。
スキャン制御手段2は、入力されたそれぞれの距離を、X線照射の開始位置(点005a)からX線照射の終了位置(点005f)までの連続したパルス数NVc、X線照射の開始位置(点005a)から撮像領域008の先頭(点005b)までのパルス数NVa、撮像領域010の先頭(点005b)から関心領域009の先頭(点005c)のパルス数NVbに変換する。ここで、パルス数NVaとパルス数NVbは連続しており、さらに、パルス数NVaとパルス数NVbは連続したパルス数NVcの一部である。また、距離に対応するパルス数は、例えば1パルスの周期をTとし、寝台103の移動速度をvとしたとき、1パルス間に寝台103の移動距離はvTと表されるので、距離Lに対応するパルス数はL/vTで算出できる。
次に、スキャン制御手段2は、寝台103の移動を開始する。そして、スキャン制御手段2は、寝台103の移動の速度及び寝台103の移動開始位置(不図示)からX線照射の開始位置(点005a)までの距離(以下、「動作開始距離」という。)を基に、寝台103の移動を開始してからX線管105によるX線照射の開始までの動作開始距離に対応したパルス数を算出し、さらに撮像手段を駆動するためのタイミングパルスを生成し、タイミング調整手段1にパルス数NVc、パルス数NVb、パルス数NVa、動作開始距離に対応したパルス数、及びタイミングパルスを送信する。
本実施形態において、パルス数NVaが第1の区画のパルス数及び第5の区画のパルス数、パルス数NVbが第2の区画のパルス数及び第4の区画のパルス数、パルス数NVcからパルス数NVaとパルス数NVbの2倍を引いたものが第3区画のパルス数にあたる。ここで、本実施形態では、点005aから点005bまでの距離と点005dから005eまでの距離が同じなのでパルス数NVaとし、点005bから点005cまでの距離と点005dから点005eまでの距離が同じなのでパルス数NVbとしているが、これらの距離が異なる場合には、異なるパルス数をとってもよい。また、X線照射の開始位置(点005a)からX線照射の終了位置(点005b)が明確なので、本実施例ではその距離に当たるパルス数をパルス数NVcとしているが、これは、ここで算出するパルス数によって先に入力された5つの距離が全て表されればどの距離におけるパルス数を利用するかに特に制限はなく、例えば、パルス数NVcを点005cから点005dまでにおけるパルス数としてもよい。
タイミング調整手段1は、スキャン制御手段2から動作開始距離に対応したパルス数を受け、タイミングパルスをカウントし、カウントが動作開始距離に対応したパルス数に達したときにX線照射の開始信号(以下、単に「開始信号」という。)をX線管105に送信する。この開始信号を送る位置は点005aにあたる。
さらに、タイミング調整手段1は、点005aで開始信号を送信してからタイミングパルスをカウントし、カウントがパルス数NVaに達すると、データ収集部112に検出開始の信号を送り、コリメータ駆動部107bにコリメータ板107aの開口の全開開始の信号を送る。さらに、パルス数NVbをコリメータ駆動部107bに送信する。この検出開始の信号及び開口の全開開始の信号を送る位置は点005bにあたる。
続いて、タイミング調整手段1は、開始信号を送信してからのタイミングパルスのカウントがパルス数NVaとパルス数NVbの和に達すると、コリメータ駆動部107bに全開状態維持の信号を送る。この全開状態維持の信号を送る位置は点005cにあたる。
続いて、タイミング調整手段1は、開始信号を送信してからの動作基準パルスのカウントがパルス数NVcから、パルス数NVa及びパルス数NVbを除いた数に達すると、コリメータ駆動部107bにコリメータ板107aの開口の閉鎖開始の信号を送る。さらに、パルス数NVbをコリメータ駆動部107bに送信する。この閉鎖開始の信号を送る位置は点005dにあたる。
続いて、タイミング調整手段1は、開始信号を送信してからのタイミングパルスのカウントが、パルス数NVcから、パルス数NVaを除いた数に達すると、コリメータ駆動部107bに半開状態維持の信号を送る。さらに、タイミング調整手段1は、X線検出装置7に検出終了の信号を送る。この動作停止の信号及び検出終了の信号を送る位置は点005eにあたる。
続いて、タイミング調整手段1は、開始信号を送信してからの動作基準パルスのカウントがパルス数NVcに達すると、X線照射の終了信号(以下、単に「終了信号」という。)をX線管105に送信する。この終了信号を送る位置は点005fにあたる。
X線管105は、点005aで開始信号を受けてX線の照射を開始する。さらに、X線管105は、点005fで終了信号を受けてX線の照射を終了する。
データ収集部112は、点005aで検出開始の信号を受けてX線データの検出を開始する。さらに、データ収集部112は、点005fで検出終了の信号を受けてX線データの検出を終了する。データ収集部112は、この検出開始の信号を受けてから検出終了の信号を受けるまで、X線データの検出を繰り返す。ここで、X線データの検出とは行列状に配されたデータ収集部112がタイミングパルスに応じてX線を読み出すことを言う。
ここで、本実施形態において、撮像手段3を含むデータ収集系と、コリメータ板107aの開口の制御とをタイミングパルスで同期させているが、この同期とは、X線データの検出を制御するパルス(第1のパルス)とコリメータ板107aの開口を制御するパルス(第2のパルス)がまったく同じ周期、同じ位相であるときだけでなく、第1のパルスが第2のパルスの整数倍もしくは、第2のパルスが第1のパルスの整数倍のように、位相は同じであるが周期が整数倍の場合も含み、さらに、周期が同じであるが位相が定量だけずれている場合も含む。
コリメータ駆動部107bは、スキャン制御手段2が寝台103の移動を開始したことを受けて、寝台103の移動方向007(図3参照)側のブレードを移動させ、寝台103の移動方向007側のコリメータ板107aの開口を半分閉ざし半開状態にする。これにより、図3に示すように、X線照射の開始位置である点005aから点005bまでの間、コリメータ板107aの開口の寝台103の移動方向007側が半分閉じた状態でブレードが維持されていることになる。
コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1からの全開開始の信号を受けて、コリメータ板107aの開口を全開にするため、寝台103の移動方向007(図3参照)側のブレードの移動を開始する。このとき、コリメータ駆動部107bは、パルス数NVbを受けて、パルス数NVbの時間後に完全に開ききるようにブレードの速度を算出し、該速度でブレードを移動させる。これにより、図3における点005bからブレードの移動が開始され、点005cにおいて開口が完全に開いた状態になる。
次に、コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1からの全開状態維持の信号を受けて、図3における点005cから点005dまでの間、コリメータ板107aの開口が全開の状態でブレードを維持する。
次に、コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1から閉鎖開始の信号を受けて、点005dでコリメータ板107aの開口の寝台103の移動方向007(図3参照)とは逆側を半分閉じるため、寝台103の移動方向007とは逆側のブレードの移動を開始する。このとき、コリメータ駆動部107bは、パルス数NVbを受けて、パルス数NVbの時間後にコリメータ板107aの開口が半分閉じるようにブレードの移動速度を算出し、該速度でブレードを移動させる。これにより、図3における点005dからブレードの移動が開始され、点005eにおいてコリメータ板107aの開口の寝台103の移動方向側が半分閉じた状態になる。
次に、コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1から半開状態維持の信号を受けて、点005eから点005fまでの間、コリメータ板107aの開口の寝台103の移動方向007とは逆側が半分閉じた状態でブレードを維持する。
図3に示すスキャンの開始部分では005aから005bまでの部分(終了部分では005eから005fまでの部分)の投影データは画像の再構成では使用されない。そのため、以上のように、その部分においてX線が被検体004に照射されないようにコリメータ板107aを制御することにより、被検体の被曝を低減することが可能となる。
次に、図4を参照して、X線照射によるデータ収集と、それに対応した本実施例にかかるコリメータ板107aの開口の動作の流れを説明する。ここで、図4は本実施例に係るX線CT装置の動作を表すフローチャートであり、点線で区切られた左側が主にタイミング制御の流れであり、点線で区切られた中央がコリメータ板107aの動作の流れであり、点線で区切られた右側がX線管105及びデータ収集部112の動作の流れを表すフローチャートである。
ステップS001:技師が、操作コンソール104から、位置の情報、寝台103の移動方向007、照射範囲006などの情報を入力。
ステップS002:スキャン制御手段2は、操作コンソール104から情報を受けて、寝台103の移動を開始し、タイミングパルスを生成し、さらに、各位置の情報及びタイミングパルスから、パルス数NVa、パルス数NVb、パルス数NVc、及び助走距離に対応したパルス数を求める。
ステップS003:コリメータ駆動部107bは、ブレードを動かし、コリメータ板107aの開口の寝台103の移動方向007側が半分閉じた状態になるようにする。
ステップS004:タイミング調整手段1は、スキャン制御手段2から、パルス数NVa、パルス数NVb、パルス数NVc、助走距離に対応したパルス数、及びタイミングパルスを受ける。
ステップS005:タイミング調整手段1は、タイミングパルスをカウントする。以下、タイミング調整手段1は、終了までタイミングパルスをカウントし続ける。
ステップS006:タイミング調整手段1は、タイミングパルスのカウントが助走距離に対応したパルス数まで達したか否かを判断し、達していなければタイミングパルスのカウントを繰返し、達していれば、タイミング調整手段1はX発生手段6に開始信号を送信し、ステップS008に進む。
ステップS007:タイミング調整手段1からの開始信号を受けて、X線照射手段6は、X線照射を開始し、データ収集部112は、X線データの検出を開始する。この後、ステップS017でタイミング調整手段1から検出終了の信号を受けるまで、データ収集部112はX線データの検出を繰り返す。
ステップS008:タイミング調整手段1は、タイミングパルスのカウントがパルス数NVaに達したかを判断する。達していなければタイミングパルスのカウントを繰返し、達していれば、タイミング調整手段1はデータ収集部112に検出開始の信号を送信、及びコリメータ駆動部107bにコリメータ板107aの全開開始の信号を送信し、ステップS011に進む。
ステップS009:コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1からの全開開始の信号を受けて、コリメータ板107aの開口における寝台103の移動方向007側のブレードを開くことを開始する。
ステップS010:タイミング調整手段1は、タイミングパルスのカウントがパルス数NVbに達したかを判断する。達していなければタイミングパルスのカウントを繰返し、達していればタイミング調整手段1はコリメータ駆動部107bに動作停止の信号を送信し、ステップS012に進む。
ステップS011: コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1から全開維持の信号を受けて、コリメータ板107aの開口が全開の状態でブレードを維持する。
ステップS012:タイミング調整手段1は、タイミングパルスのカウントがパルス数NVcからパルス数NVa及びパルス数NVbを引いたパルス数に達したかを判断する。達していなければタイミングパルスのカウントを繰返し、達していれば、タイミング調整手段1はコリメータ駆動部107bにコリメータ板107aの開口の閉鎖開始の信号を送信し、ステップS014に進む。
ステップS013:コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1からの閉鎖開始の信号を受けて、コリメータ板107aの開口における寝台103の移動方向007とは逆側のブレードを閉じることを開始する。
ステップS014: タイミング調整手段1は、タイミングパルスのカウントがパルス数NVcからパルス数NVaを引いたパルス数に達したかを判断する。達していなければタイミングパルスのカウントを繰返し、達していれば、タイミング調整手段1はコリメータ駆動部107bに動作停止の信号を送信、及びデータ収集部112に検出終了の信号を送信し、ステップS018に進む。
ステップS015: コリメータ駆動部107bは、タイミング調整手段1から半開維持の信号を受けて、コリメータ板107aの開口の寝台103の移動方向007の逆側を半分閉じた状態でブレードを維持する。
ステップS016:タイミング調整手段1は、タイミングパルスのカウントがパルス数NVcに達したかを判断する。達していなければタイミングパルスのカウントを繰返し、達していれば、X線管105に終了信号を送信する。
ステップS017: X線管105は、タイミング調整手段1からの終了信号を受けて、X線照射を終了する。データ収集部112は、タイミング調整手段1からの検出終了の信号を受けて、X線データの検出を終了する。
以上のように、従来の単に被検体に対するX線発生手段の体軸上の位置を基準にするなどして行われていたコリメータ板107aの開口の開度の制御とは異なり、本実施形態に係るコリメータ板107aの開口の制御は、開始信号を利用して撮像手段3を含むデータ収集系を駆動させる信号のパルスに同期した制御が行われる。これにより、コリメータ板107aの開口の開度(照射野の大きさ)の制御を定量的に行うことが可能となり、被検体に対する不要な被曝を削減することができる。
〔第2の実施形態〕
本実施形態に係るX線CT装置は、第1の実施形態におけるX線CT装置において、寝台103の動作と、撮像手段3を含むデータ収集系及びコリメータ板107aの制御の動作のズレが生じた場合に警告を発生する構成にしたものである。以下、寝台103の動作と撮像手段3を含むデータ収集系及びコリメータ板107aの制御の動作のズレの判断及び警告の発生について説明する。
図2の点線で示すように、本実施形態に係るX線CT装置は、第1の実施形態におけるX線CT装置にさらに寝台103に付属するエンコーダパルス生成手段103a及びパルス比較手段4を備えている。
寝台103は、スキャン制御手段2から送られてくるパルス信号により移動させられる。ここで、該パルス信号は、撮像手段3やコリメータ板107aを駆動するためのタイミングパルスと同じパルスであるため、本来は撮像手段3を含むデータ収集系及びコリメータ板107aの制御の動作と寝台103の動作は同期がとれているはずである。
しかし、寝台103を駆動させるモータの負荷などにより、実際には寝台103の動作は送られてくるパルス信号と完全に同期はしないおそれがある。そこで、寝台103にエンコーダパルス生成手段103aを付属させ、該エンコーダパルス生成手段103aは実際の寝台103の移動距離に対応するパルス(以下では、「支持台エンコーダパルス」という。)を生成する。
パルス比較手段4は、エンコーダパルスとタイミングパルスを受ける。
パルス比較手段4は、タイミングパルスをエンコーダパルスと同じクロックにするために、タイミングパルスの分周を行なう。ここでは、より簡単な制御をするためにタイミングパルスを分周しているが、エンコーダパルスを逓倍してクロックをあわせてもよい。
パルス比較手段4は、クロックを合わせたタイミングパルスとエンコーダパルスとを比較し、事前に設定されている許容値以上のズレが生じた場合には、警告を発する。この警告の通知は、表示手段(不図示)への表示やアラートを鳴らすことなどで行われる。
また本実施形態ではエンコーダパルス生成手段103aが生成するパルスでコリメータ板107aの制御のタイミングを調整することも可能である、ここで、図5を参照して支持台エンコーダパルス又はパルスジェネレータで生成されたタイミングパルスのいずれかを使用した寝台103の移動速度加速時のコリメータ板107aの制御について説明する。図5は支持台の移動速度加速時にコリメータを制御するための同期回路である。
操作コンソール104から収集条件605を、架台制御部111を構成するCPU606が受ける。CPU606はパルスジェネレータ602にタイミングパルスの生成を支持する。また、分周/逓倍回路601はエンコーダパルス生成手段103aから支持台エンコーダパルスを受ける。CPU606は分周/逓倍回路601にパルスジェネレータ602が生成するタイミングパルスと周期が同じにするよう指示する。
パルスジェネレータ602は、生成したタイミングパルスをパルスセレクタ607に送る。
分周/逓倍回路601は指示を受けて、支持台エンコーダパルスを分周又は逓倍することでパルスジェネレータが作成するタイミングパルスと周期を合わせる。さらに、分周/逓倍回路601は分周又は逓倍を行った支持台エンコーダパルスをパルスセレクタ607におくる。
パルスセレクタ607は、CPU606からの指示を受けてコリメータ板107aの駆動の調整に使用するパルスの選択命令を受けて、支持台エンコーダパルス又はパルスジェネレータ602で生成されたタイミングパルスのどちらかをタイミング調整手段1に送る。
このように、撮像手段3及びコリメータ板107aの動作と寝台103の動作にズレが生じた場合に警告を発生することで、そのときに撮像された画像の信頼性が疑われるため、その画像を診断に使わずに、再度撮像しなおすことができる。これにより、信頼性の低いX線画像による診断を削減することが可能となり、誤診の危険を削減することができる。
本発明に係るX線CT装置のハードウェア構成を表す概略図 本発明に係るX線CT装置の機能を表すブロック図 被検体へのX線照射及びそれに対応するコリメータの開口の動作の過程を説明する図 本発明に係るX線CT装置の動作の流れを表すフローチャート 支持台の移動速度加速時にコリメータを制御するための同期回路
符号の説明
1 タイミング調整手段
2 スキャン制御手段
3 撮像手段
4 パルス比較手段
102 架台
103 寝台
103a エンコーダパルス生成手段
104 操作コンソール
105 X線管
106 X線検出器
107a コリメータ板
107b コリメータ駆動部
108 回転フレーム
109 高圧発生部
110 回転駆動装置
111 架台制御部
112 データ収集部
113 コンソール制御部
114 入力装置
115 前処理部
116 投影データ記憶部
117 再構成処理部
118 画像記憶部
119 画像処理部
120 表示装置

Claims (6)

  1. 被検体を支持し、前記被検体の体軸方向に沿って移動可能な支持手段と、
    前記体軸の回りを回転しながらX線を照射するX線発生手段と、前記被検体を透過した前記X線を検出するX線検出手段とを含む撮像手段と、
    前記照射されるX線の照射野を変えるコリメータと、
    前記支持手段及び前記撮像手段の移動を制御するスキャン制御手段と、
    前記X線検出手段で検出したX線に基づいて画像データを再構成する画像再構成手段とを備えるX線CT装置であって、
    前記支持手段による前記被検体の移動量を検出する検出手段と、
    前記移動量に基づいて、前記コリメータの開口の大きさを変化させるように制御を行うコリメータ制御手段と
    を備えることを特徴とするX線CT装置
  2. 前記スキャン制御手段は、ヘリカルスキャンを行うとともに、そのヘリカルスキャンによる前記X線の収集中に前記支持手段による移動速度が変化するように制御することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記コリメータ制御手段は、ヘリカルスキャンによるスキャン範囲の開始部分において、前記コリメータの開口を徐々に広げるように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記コリメータ制御手段は、ヘリカルスキャンによるスキャン範囲の終了部分において、前記コリメータの開口を徐々に狭めるように制御を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  5. 前記コリメータ制御手段は、
    前記検出手段で検出した前記移動量に基づいて前記コリメータの移動を制御する第1のモードと、前記検出手段で検出した移動量を用いずに前記コリメータの移動を制御する第2のモードとを切り替える切替手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のX線CT装置。
  6. 前記スキャン制御手段は、タイミングパルスを用いて前記支持手段の移動の制御を行い、前記検出手段は、前記支持手段の前記移動量に基づいてエンコーダパルスを発生するものであって、
    前記タイミングパルスと前記エンコーダパルスとを比較してズレがある場合には警告を発するパルス比較手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のX線CT装置。
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