JP2006230843A - X線回転撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検者の周りにX線管装置及びX線検出装置を回転させて前記被検者の同一部位を複数回の撮影シーケンスで撮影した場合のX線撮影条件の差によって生じるアーチファクトを低減する。
【解決手段】X線制御装置は、制御操作卓で設定した撮影角度をロータリエンコーダにより検出し、この検出信号に同期して目標の画像濃度に制御するためのX線撮影条件を決定し、この決定したX線撮影条件を次の撮影角度におけるX線撮影条件とする。少なくともX線撮影条件と撮影角度とを対応付けしてメモリに記憶し、2回目以降の撮影シーケンスにおける撮影時にメモリに記憶したX線撮影条件を撮影角度に対応して読み出す。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検者の周りにX線管装置及びX線検出器を回転させて前記被検者の診断部位を立体画像として観察するX線回転撮影装置に係り、特に同一部位を複数回の撮影シーケンスで撮影した場合のX線撮影条件の差によって生じるアーチファクトの低減に好適なX線回転撮影装置に関する。
被検者の体軸周りにX線管装置及びX線検出器を回転させて撮影を行ない、前記被検者の診断部位を立体画像として観察することを可能としたX線回転撮影装置は、循環器系疾患の検査及びIVR(Interventional Radiology)などに多用されている。
このような立体画像を得るX線回転撮影装置として特許文献1に開示されているものがある。
これは、上記回転撮影にDSA機能を備えて、造影剤注入前の画像(マスク像)と造影剤注入後の画像(コントラスト像)とからサブトラクション画像を作成し、血管を立体的に観察するものである。
この撮影装置において、前記マスク像撮影の撮影シーケンスとコントラスト像撮影の撮影シーケンスのように、各撮影シーケンスにおける撮影開始位置、すなわち、被検者の体軸周りにX線管装置及びX線検出器を回転させる回転支持器の撮影開始角度及び各撮影角度を同じにするために、前記回転支持器が加速して所定の定常の速度に達した後に、撮影開始角度を検出し、この開始角度から回転支持器の所定の回転角度を計測して、マスク像とコントラスト像とを同一の角度で撮影を行うものである。
これによって、前記マスク像とコントラスト像の撮影のように、複数の撮影シーケンスで撮影を行い、前記両者間で演算処理を行なっても撮影開始角度の誤差によって生じるアーチファクトの発生を防止することができる。
なお、前記撮影シーケンスとは、被検者の体軸周りにX線管装置及びX線検出器を回転させる回転支持器が回転開始角度より、所定の角度範囲を回転して、設定した角度において撮影を行った後、再び前記回転開始角度に達するまでの一連の撮影動作を意味するものである。
特許第3388839号公報
上記特許文献1に開示されているX線回転立体撮影装置には、マスク像とコントラスト像の撮影シーケンスにおけるX線撮影条件の相違によって生じる画像のアーチファクトの問題に対して何等言及されていない。
すなわち、上記従来のX線回転立体撮影装置は、各撮影フレームにおいて所望の濃度の画像が得られるように、前記所望濃度値と前記X線検出器の検出値を積分して得られる実際の濃度値とが一致するようにX線撮影条件をフィードバック制御している。
このフィードバック制御系で、n回目の撮影フレームの画像濃度が所望の濃度と一致しない場合は、その偏差がゼロになるように、次の撮影角度のn+1回目の撮影時のX線撮影条件を変更して最適なX線撮影条件を決定する制御系を有している。
上記X線撮影条件とは、X線管装置の陽極と陰極間に印加する電圧(以下、管電圧と呼ぶ)、前記陽極と陰極間に流れる電流(以下、管電流と呼ぶ)、前記X線管装置からX線を照射して撮影する撮影時間(上記設定した撮影角度でX線を照射する場合は、ある時間幅を有するパルス状のX線となり、撮影時間はパルス幅を意味する)の三つの条件で、そのうちの少なくとも一つを変更して最適なX線撮影条件を決定する。
このような、最適X線撮影条件決定機能を用いて、マスク像とコントラスト像とを撮影するものであるが、画像濃度を所望の濃度に制御する自動制御系における信号検出系に混入する外乱、制御系の揺らぎ等により、必ずしも複数回の撮影シーケンス、すなわち、マスク像とコントラスト像の撮影における同一撮影角度のX線撮影条件が同じになるとは限らなかった。
したがって、上記X線回転撮影を用いたDSA撮影では、マスク像とコントラスト像とで造影剤注入による濃度差以外に、X線撮影条件の相違による濃度差が生じ、サブトラクション像においてアーチファクトが発生し、血管の抽出が行えない場合が生じる可能性があった。
また、臨床では、複数の撮影シーケンスで撮影し、これらの撮影で得られた画像を用いて診断を行うものとして、上記DSA撮影以外に、例えば、手術前と手術後(治療前と治療後)の画像を比較したり、あるいは手術後の経過を観察することを目的とし、数週間毎に撮影を行なうことが多々あり、その際も、撮影角度毎に該撮影角度に対応したX線撮影条件の再現性が重要となる。
さらに、支持部材の一端にX線管装置を設け、他端にX線検出器を設けて、これらを回転動作させる手段を有し、回転中心部分に空間を形成し、被検体の全周方向からの透過X線データを取得し、このデータより立体画像を得るコーンビームCTにおいて、過去画像と新たに取得した画像とのCT値(各要素のX線吸収係数に比例した画像のコントラストスケールの値)を比較する際に、X線撮影条件が異なると、再構成演算に誤差を生じ、これによってアーチファクトが発生する。
このように、X線回転撮影装置において、複数の撮影シーケンスで撮影した画像同士のサブトラクション、画像の比較等において、前記複数の撮影シーケンス間でX線撮影条件が異なると診断の障害となる。
そこで、本発明の目的は、被検体の周りにX線管装置及びX線検出器を回転させて前記被検体の同一部位を複数回の撮影シーケンスで撮影した場合のX線撮影条件の差によって生じるアーチファクトを低減し、画像の観察がし易い診断能の高い画像が得られるX線回転撮影装置を提供することにある。
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)被検者にX線を照射するX線照射手段と、前記被検者を挟んで前記X線照射手段と対向して配置され前記被検者を透過したX線を検出するX線検出手段と、前記被検者の周りに前記X線照射手段及びX線検出手段を支持して回転させる回転支持手段と、撮影制御パラメータの設定と操作を指示する操作手段と、前記回転支持手段を回転制御する回転制御手段と、前記回転支持手段の回転角度を検出する回転角度検出手段と、前記被検者に照射するX線を制御するX線制御手段と、このX線制御手段からのX線撮影条件に対応した高電圧を発生しこれを前記X線照射手段に印加するX線高電圧発生手段と、前記X線検出手段で検出した画像データから所望の画像を生成する画像処理手段と、前記画像を表示する表示手段とを備え、前記被検者の同一撮影部位を複数回の撮影シーケンスで撮影するX線回転撮影装置であって、前記X線制御手段は、前記操作手段で設定した撮影角度を前記回転角度検出手段からの信号により前記回転制御手段で検出し、この検出信号に同期して前記画像の濃度を目標の濃度に制御するためのX線撮影条件を決定するX線撮影条件決定手段と、該決定したX線撮影条件を次の撮影角度におけるX線撮影条件として1回目の撮影シーケンスの撮影を行い、少なくとも前記X線撮影条件と前記撮影角度とを対応付けする手段と、前記対応付けしたX線撮影条件と撮影角度とを記憶する手段と、2回目以降の撮影シーケンスにおける撮影時に前記記憶手段に記憶したX線撮影条件を前記撮影角度に対応して読み出し、これを前記X線高電圧発生手段に設定する手段とを備えたものである。
このように構成することにより、特に、回転撮影にDSA機能を付加した回転DSA撮影においては、1回目の撮影シーケンスに相当するマスク像と、2回目以降の撮影シーケンスに相当するコントラスト像とのサブトラクション画像において、前記マスク像とコントラスト像とで造影剤注入による濃度差以外に、X線撮影条件の相違による濃度差を低減することができ、サブトラクション像においてアーチファクトの低減に効果があるものとなる。
(2)前記対応付け手段に、さらに前記回転支持手段の回転速度情報や画像データ、被検者情報を付加する。
このように、前記対応付け手段に、X線撮影条件に加えて回転支持手段の回転速度情報や画像データ、被検者情報を付加することにより、1回目と2回目以降の撮影シーケンスでの撮影を全く同じ条件で撮影することができるので、前記1回目と2回目以降のX線撮影条件等の相違によって生じる画像濃度差が無くなり、1回目の撮影シーケンスで撮影した画像と2回目以降の撮影シーケンスで撮影した画像との比較が容易になり、診断能の向上に寄与する。
(3)前記1回目の撮影シーケスを手術前若しくは治療前の撮影シーケンスとし、2回目以降の撮影シーケンスを手術後若しくは治療後の撮影シーケンスとする。
このような撮影シーケンスで撮影した画像を比較することにより、手術若しくは治療の確認が容易となり、さらに手術若しくは治療後の経過観察に役立つものとなる。
(4)前記記憶手段又は前記別の記憶手段に記憶したデータを外部記憶手段に転送して記憶する手段を備える。
これによって、同じ撮影シーケンスで撮影する間隔が空いたとしても、過去の撮影シーケンスで撮影した画像データと共に記憶された撮影角度と、X線撮影条件と、回転支持手段の速度情報と、被検者情報とを用いて、前記過去の撮影シーケンスと同じ条件で撮影することができる。
(5)前記回転支持手段はC字型アームの回転支持手段でも良く、簡単な機械機構の回転支持手段でX線回転撮影が可能となる。
(6)また、前記回転支持手段で支持するX線照射手段は該回転支持手段の一端で支持し、前記X線検出手段は前記回転支持手段の他端で支持して、前記回転支持手段の回転中心部分に空間を形成し、前記被検者の周りからの透過X線データを取得し、このデータより立体画像を得るようにしても良い。
このような構成のX線回転撮影装置で撮影した過去画像と新たに撮影した画像とのCT値(各要素のX線吸収係数に比例した画像のコントラストスケールの値)を比較する際に、X線撮影条件が異なることによって発生する再構成演算の誤差に基づくアーチファクトの低減に有効である。
以上、本発明によれば、被検者の同一撮影部位を複数回の撮影シーケンスで撮影を行うX線回転撮影装置において、1回目の撮影時に少なくともX線撮影条件と前記撮影角度との対応付けをとってこれを記憶し、2回目以降の撮影シーケンスにおける撮影時に前記記憶したX線撮影条件を撮影角度に対応して読み出し、これをX線高電圧発生手段に設定するようにしたので、前記1回目と2回目以降の撮影シーケンスでの撮影を全く同じ条件で撮影することができる。
これによって、前記1回目と2回目のX線撮影条件等の相違によって生じる画像濃度差が無くなり、1回目の撮影シーケンスで撮影した画像と2回目以降の撮影シーケンスで撮影した画像との比較が容易になり、診断能の向上に寄与する。
特に、回転撮影にDSA機能を付加した回転DSA撮影においては、1回目の撮影シーケンスに相当するマスク像と、2回目以降の撮影シーケンスに相当するコントラスト像とのサブトラクション画像において、前記マスク像とコントラスト像とで造影剤注入による濃度差以外に、X線撮影条件の相違による濃度差を低減することができ、サブトラクション像においてアーチファクトの低減に効果があるものとなる。
以下、本発明に係るX線回転撮影装置の好ましい実施の形態について添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明によるX線回転撮影装置の第一の実施形態の全体構成を示すブロック図である。
このX線回転撮影装置は、検診台1に載置された被検者2にX線を照射するX線管装置3と、前記被検者2を挟んで前記X線管装置3と対向して配置されたX線検出装置4と、前記被検者2の周りに前記X線管装置3及びX線検出装置4を支持して回転させる回転支持器5と、各種の撮影制御パラメータを設定するための操作器と表示器を備えた制御操作卓6と、この制御操作卓6で設定した各種制御パラメータに基づいてシステム全体を制御するシステム制御装置7と、このシステム制御装置7により前記回転支持器5を回転制御する回転制御装置8及びX線を制御するX線制御装置9と、前記回転支持器5の回転角度を検出しこれを前記回転制御装置8及び前記X線制御装置9に入力するロータリエンコーダ10と、前記X線制御装置9から出力されるX線撮影条件に対応した高電圧を発生し、これを前記X線管装置3に印加するX線高電圧装置11と、前記X線検出装置4で検出したX線画像データに各種の画像処理を施して所望の画像を生成する画像処理装置12と、この画像処理装置12で処理されたX線画像を表示する表示装置13とで構成される。
図2は、前記図1のX線回転装置の詳細を示す図である。
図2において、X線管装置3から曝射されたX線のうち、被検者2のX線画像に供しないX線は、可動X線絞り装置3aで制限される。
X線検出装置4は、被検者2を透過したX線像を光学像に変換するイメージインテンシファイア4aと、このイメージインテンシファイア4aから出力された光学像をテレビカメラ4bと光電子倍増管4cに分配する映像分配装置4dとから成り、前記イメージインテンシファイア4aで検出したX線信号は前記光電子倍増管4cにより電流Idに変換されて前記X線制御装置9に入力され、前記テレビカメラ4bで撮像したビデオ信号は前記画像処理装置12に入力される。
回転支持器5は、上述のように前記X線管装置3及びX線検出装置4を支持して被検者2の周りを所定の回転速度で回転する図示省略の回転駆動装置を備え、後述の回転制御装置8の回転制御信号に基づいて回転し、回転撮影を行なうように構成されている。
制御操作卓6は、キーボードやマウス等の入力装置(図示省略)とタッチパネル式の表示装置(図示省略)などを備え、各種の撮影オーダや該撮影オーダに対応したX線撮影条件(管電圧、管電流、撮影時間)、目標の画像濃度(基準値)の設定、回転撮影角度の設定等の回転撮影に必要な各種制御パラメータを設定し、この設定したパラメータを前記表示器に表示して確認できるように構成されている。
システム制御装置7は、前記制御操作卓6で設定した各種制御パラメータに対応して上記各構成要素の動作を制御するものである。
回転制御装置8は、前記システム制御装置7から出力される回転開始指令で前記図示省略の回転駆動装置を起動して前記回転支持器5の回転を開始させる。
前記回転支持器5が加速して該回転支持器5の回転数が所定の定常回転数に達した後に、決められた撮影シーケンスで撮影している間、前記定常回転数を維持するように前記回転支持器5の回転速度を制御する。
そして、前記回転支持器5に連結されたロータリエンコーダ10から出力される回転移動量に相当するパルス信号をカウントし、前記制御操作卓6で設定した撮影開始角度及び各撮影角度を検出して、この検出信号をX線制御装置9に入力する。
このような回転制御装置8で制御されて、前記回転支持器5は、図3に示すように回転する。図3は、X線回転撮影における前記回転支持器5の移動軌跡をイメージしたものであり、回転角度0度から撮影シーケンスが開始され、被検者2の体軸回り反時計方向に前記回転支持器5が回転している様子を示している。なお、同図では、被検者2に対して真上にX線検出装置4が、真下にX線管装置3が位置する場合を回転角度0度とし(図2は、この0度の位置から180度回転した図である)、回転支持器5が反時計方向に回転するにつれて、回転角度は増加するものとしている。
X線制御装置9は、前記制御操作卓6で設定した目標の画像濃度になるようにX線撮影条件を決定し、このX線撮影条件に応じたX線量が前記X線管装置3から曝射されるように後述のX線高電圧装置11を制御する。
すなわち、前記回転支持器5が撮影開始角度で撮影する前記制御操作卓6で設定したX線撮影条件及び前記目標の画像濃度に相当する濃度基準値をシステム制御装置7を経由して第1のCPU(中央処理装置)9aに取り込み、この取り込んだX線撮影条件を後述のX線高電圧装置11とX線撮影条件決定部9bに入力すると共に、前記濃度基準値を濃度基準部9cに入力する。
前記回転支持器5が撮影角度に達する度に、前記X線高電圧装置11は前記X線撮影条件に相当するX線量を前記X線管装置3から曝射するように動作し、該曝射されたX線を被検者2に照射する。
被検者2を透過したX線は前記光電子倍増管4cで電流Idに変換され、この変換された電流Idを積分器9dで積分し、これを電圧値Vdに変換する。この前記変換された電圧Vdは被検者2を透過したX線量の総和に比例し、画像濃度に対応する。よって、この前記電圧Vdと、濃度基準部9cに格納されている濃度基準値とを比較部9eで比較し、前期比較部9eの出力が0の場合、すなわち、設定した濃度基準値と検出した実際の濃度値(検出濃度値)とが一致した場合は、前記設定したX線撮影条件で次の撮影角度での撮影も行ない、前記検出濃度値が前記濃度値に等しくなく、差(偏差)が存在する場合は、X線撮影条件決定部9bで偏差が0となるようX線撮影条件を補正し、この補正された条件で次の撮影角度での撮影を行なう。
前記補正の一例として、X線撮影条件決定部で決定するX線強度をα、これより一つ前の撮影角度におけるX線強度をβ、画像濃度の偏差をe、係数をkとすると、前記X線強度αは、(1)式により決定される。
α=β+k×e (1)
上記(1)式でのX線強度とは、X線撮影条件を単一の次元で比較できるようにするために、X線撮影条件のパラメータである管電圧、管電流、撮影時間(パルスX線のパルス幅)を正規化して加算したものである。
具体的には、管電圧80kV、管電流200mA、パルス幅10msのX線強度を20pointとした場合、こりよりも管電流が2倍の管電圧80kV、管電流400mA、パルス幅10msのX線強度は40point、さらにパルス幅が2倍の管電圧80kV、管電流400mA、パルス幅20msのX線強度は80pointとして表わされ、これらのpointに対応して前記X線撮影条件決定部で次の角度で撮影するX線撮影条件を決定するものである。
このようにして、撮影角度毎に濃度基準値と検出濃度値とが一致するように自動制御系を構成している。
前記X線撮影条件決定部で補正するX線撮影条件パラメータは、前記回転支持器5の回転速度が高速の場合は制御応答性の点から管電流よりは管電圧及び/又は撮影時間(パルス幅)の方が望ましい。
なお、第1のメモリ9fは、撮影角度に対応したX線撮影条件を回転支持器5の回転速度情報と共に記憶するためのもので、前記第1のCPU9aで撮影角度毎に前記X線撮影条件決定部9bで決定したX線撮影条件及び回転支持器5の回転速度情報とを前記撮影角度に対応付けして記憶する。
そして、次の撮影シーケンスでは、上記X線撮影条件決定部9bでのX線撮影条件の補正は行わないで、前記メモリ9fに記憶してある撮影角度に対応したX線撮影条件を読み出し、このX線撮影条件をX線高電圧装置に入力して撮影を行なう。すなわち、2回目以降の撮影シーケンスでは1回目の撮影シーケンスで決定したX線撮影条件を用いて撮影する。
X線高電圧装置11は、X線管装置3の陰極であるフィラメントに電流を流して該フィラメントを所定の温度に加熱しておき、前記X線管装置3の陽極と陰極間に印加する直流の高電圧(管電圧)を発生する装置で、この高電圧の印加により前記X線管装置3からX線が曝射される。
X線量の制御は、前記X線管装置3の陰極であるフィラメントに流れる電流を制御してX線管の陽極と陰極に流れる電流(管電流)、前記管電圧及び撮影時間の制御により行う。
このように、X線高電圧装置11は設定されたX線撮影条件に対応した管電圧、管電流、撮影時間を制御するものである。
画像処理装置12は、入力された前記ビデオ信号をアナログ/デジタル変換部(A/D変換部)12bでデジタル値に変換し、このデジタルデータを対数変換部12cで対数変換する。この対数変換されたデータは、第2のメモリ12dに記憶され、必要な画像処理演算を演算部12eで行い、演算された画像データをデジタル/アナログ変換部(D/A変換部)12fで画像に変換し、このような処理によって得られた画像を表示装置13に表示する。なお、第2の中央処理装置(CPU)12aは画像処理装置を構成する各要素を制御するためものである。
次に、このように構成されたX線回転撮影置の動作について説明する。
(1)制御操作卓6から1回目の撮影シーケンスIの撮影開始指令が発せられると、前記制御操作卓6で設定した各種撮影制御パラメータはシステム制御装置7に入力される。
(2)システム制御装置7は、各構成要素に前記各種撮影制御パラメータを設定する。すな わち、
1)回転制御装置8には、回転開始指令、回転支持器5の回転速度、撮影開始角度、撮影角度、撮影終了角度等の回転撮影に必要な回転支持器5の回転制御パラメータを設定する。
2)X線制御装置9には、管電圧、管電流、撮影時間(パルスX線のパルス幅)のX線撮影条件、濃度基準値等のX線制御に必要なパラメータを設定する。
3)X線高電圧装置11には、前記X線制御装置9のX線撮影条件決定部9bに設定された前記X線撮影条件を第1のCPU9aを介して入力される。
4)画像処理装置12には、各種画像処理演算及び画像表示に必要なパラメータを設定する。
(3)回転制御装置8から回転支持器5の回転駆動装置(図示省略)に回転制御信号が入力され、この制御信号に基づいて回転支持器5は回転を開始し、加速する。
(4)回転支持器5が加速し、ロータリエンコーダ10から出力される回転数に比例したパルスを前記回転制御装置8でカウントし、このカウント値から設定された定常の回転速度を検出し、前記回転速度が一定となった後に前記撮影開始角度から撮影を開始する。
(5)回転支持器5が撮影開始角度に達すると、X線照射指令(同期指令)がX線高電圧装置11に入力され、前記設定したX線撮影条件である所定のパルス幅の管電圧を発生して、これをX線管装置3の陽極と陰極間に印加して目標の画像濃度が得られるX線を被検者2に照射する。なお、X線管装置のフィラメントは、事前に設定した管電流に対応した温度に加熱されている。
(6)被検者2を透過したX線をイメージインテンシファイア4aで光学像に変換し、この光学像は映像分配装置4dで光電子倍増管4cとテレビカメラ4bに分配される。
(7)光電子倍増管4cの出力電流Idは、X線制御装置9の積分器9dで積分されて電圧Vdに変換され、この電圧Vdと濃度基準部9cの濃度基準値とを比較部9eで比較する。
(8)前記比較部9eの出力が0の場合、すなわち前記電圧Vdと濃度基準値とが一致した場合は、X線条件決定部9bで新たに決定されるX線撮影条件は前記と同じとなり、これを第1のCPU9aを介してX線高電圧装置11に入力する。
(9)これに対して、前記比較部9eの出力が0でない場合、すなわち前記電圧Vdと濃度基準値とが一致しないで偏差がある場合は、X線撮影条件決定部9bで前記(1)式に基づいてX線撮影条件を補正し、この補正したX線撮影条件を第1のCPU9aを介してX線高電圧装置11に入力する。
このようにして、次の撮影角度におけるX線撮影条件を決定し、X線高電圧装置11に入力し、次のX線照射指令を待つ。
(10)第1のメモリ9fに、上記撮影開始角度での撮影に用いたX線撮影条件とこの角度にお ける回転支持器5の回転速度情報とを、前記第1のCPU9aで前記撮影開始角度と対応付けして記憶する。
(11)一方、テレビカメラ4bで撮像されたビデオ信号は画像処理装置12に入力されて、A/D変換部12dでデジタル値に変換され、さらに対数変換部12cで対数変換して第2のメモリ12dに記憶し、画像データを収集する。
(12)回転支持器5が回転して次の撮影角度を回転制御装置8で検出し、この検出信号による同期信号を各構成要素に入力して、該検出した撮影角度における撮影を行う。すなわち、
1)X線高電圧装置11は、前記(8),(9)で決定したX線撮影条件の管電圧を発生して、これをX線管装置3に印加して目標の画像濃度が得られるX線を被検者2に照射する。
2)X線制御装置9は、被検者2を透過したX線検出信号に相当する光電子倍増管4cの出力電流Idを積分器9dで積分して電圧Vdに変換し、この電圧Vdと濃度基準部9cの濃度基準値とを比較部9eで比較する。
そして、前記(8),(9)と同様の処理を行ない、X線撮影条件決定部9bで次の撮影角度におけるX線撮影条件を決定し、X線高電圧装置11に入力する。
3)第1のメモリ9fに、上記撮影角度での撮影に用いたX線撮影条件とこの角度における回転支持器5の回転速度情報とを、前記撮影角度と対応付けして記憶する。
4)テレビカメラ4bで撮像されたビデオ信号は画像処理装置12に入力され、A/D変換部12dでデジタル値に変換し、さらに対数変換部12cで対数変換して第2のメモリ12dに記憶する。
(13)上記の撮影を、設定された撮影角度毎に行い、X線制御装置9の第1のメモリ9fに各撮影角度の撮影に用いたX線撮影条件とこの角度における回転支持器5の回転速度情報とを、前記撮影角度と対応付けして図4に示すように記憶する。
この図4は、撮影開始角度からの時間と回転支持器5の回転角度、X線照射信号及び第1のメモリ9fに記憶する情報との関係を示す図である。
図4において、時刻t=0で撮影開始角度0度から撮影を開始し、撮影終了の360度までの間に設定した角度θ毎にX線を被検者に照射して1回目の撮影シーケンス(I)を実行するもので、例えば、前記設定した角度θを20度とした場合、回転制御装置8で前記20度毎の回転角度を検出して、この検出信号で各構成要素の動作の同期をとる。
図4は、前記検出信号による同期信号でX線照射及び第1のメモリ9fに記憶するタイミングとの同期をとる場合を示し、設定した回転支持器5の回転角度が120度でX線照射指令(Low-Highのパルス状のX線照射信号)を出力し、この照射指令によりX線高電圧装置11から今回の撮影における20度手前(100度)で撮影した結果に基づいて決定したX線撮影条件に対応するパルス幅の管電圧を発生してこれをX線管装置3に印加して撮影を行ない、前記撮影角度(120度)に対応したX線撮影条件と回転支持器の回転速度情報とを第1のメモリ9fに記憶する。
以下、同様に140度、160度、・・・・、360度まで20度毎に撮影を行ない、これらの撮影時のX線撮影条件と回転支持器の回転速度情報とを前記撮影角度との対応をとって第1のメモリ9fに記憶する。
なお、撮影する間隔の角度θは任意であり、上記図4では説明を簡略化するために、回転支持器5の1回転360度に対して撮影が19回となるようにθを選択したが、実際の装置は、1回転360度を3秒程度で回転するので、
そのときの撮影回数が180回以上になるように前記θを設定することもある。
(14)上記(13)で撮影し、被検者を透過したX線検出信号は、テレビカメラ4bでビデオ信号 に変換され、A/D変換部12d、対数変換部12cで各種の変換が行われて第2のメモリ12dに画像データとして記憶される。
前記第2のメモリ12dに記憶された画像データは、必要な画像処理演算を演算部12eで行い、演算された画像データをデジタル/アナログ変換部12fで画像に変換し、撮影した画像を表示装置13に表示する。
(15)上記のように、回転支持器5の回転動作と同期して設定した撮影角度において各フレームの撮影が行われ、回転支持器5が制御操作卓6で設定した回転角度360度で撮影開始位置に戻り、1回目の撮影シーケンス(I)は終了となり、2回目以降の撮影シーケンスに移る。
なお、本実施例では、1回の撮影シーケンスにおける撮影角度範囲を360度にしたが、これに限定するものではなく、180度でも目的の撮影が可能であれば、前記撮影角度は任意に設定しても良い。
(16)次に2回目以降の撮影シーケンスの動作について説明する。
2回目以降の撮影シーケンスにおけるX線撮影条件の設定は、1回目の撮影シーケンス(I)の各撮影角度毎で行ったX線撮影条件決定部9bでの補正手段は用いず、前記1回目の撮影シーケンス(I)の撮影に用いた第1のメモリ9fに記憶した各撮影角度に対応するX線撮影条件を読み出して、X線高電圧装置11に入力して撮影するものである。すなわち、2回目以降の撮影シーケンスでは、1回目の撮影シーケンスで撮影した角度と同じ角度を回転制御装置で検出し、この検出した角度に対応する1回目と同じX線撮影条件で撮影するものである。
図5に、1回目の撮影シーケンス(I)で撮影した撮影角度に同期した信号で第1のメモリ9fに記憶してある前記撮影角度に対応するX線撮影条件及び回転支持器の回転速度情報を読み出して2回目以降の撮影シーケンスを実行する場合の回転支持器の回転角度、第1のメモリ9fの内容及びX線照射信号との関係を示す。
1)1回目の撮影シーケンス(I)の撮影時と同様に、制御操作卓6から2回目の撮影シーケンス(II)の撮影開始指令が発せられると、前記制御操作卓6で設定した各種撮影制御パラメータはシステム制御装置7に入力され、各構成要素に前記各種撮影制御パラメータを設定する。
a)回転制御装置8には、回転開始指令、1回目の撮影シーケンス(I)と同じ回転支持器5の回転速度、撮影開始角度、撮影角度、撮影終了角度等の回転撮影に必要な回転支持器5の回転制御パラメータを設定する。
b)X線制御装置9には、第1のメモリ9fに記憶してある撮影開始角度に対応するX線撮影条件を読み出し、これをX線高電圧装置11に入力する。
c)画像処理装置12には、1回目の撮影シーケンス(I)と同様に、各種画像処理演算及び画像表示に必要なパラメータを設定する。
2)回転制御装置8から回転支持器5の回転駆動装置(図示省略)に回転制御信号が入力され、この制御信号に基づいて回転支持器5は回転を開始し、加速する。
3)回転支持器5が加速し、ロータリエンコーダ10から出力される回転数に比例したパルスを前記回転制御装置8でカウントし、このカウント値から設定された1回目の撮影シーケンス(I)と同じ定常の回転速度を検出し、前記回転速度が一定となった後に前記1回目の撮影シーケンス(I)と同じ撮影開始角度から撮影を開始する。
4)以降、1回目の撮影シーケンス(I)と同じ撮影角度を検出する毎に、回転制御装置8からX線制御装置9の第1のメモリ9fに記憶されているX線撮影条件を読み出して、これをX線高電圧装置11に入力すると共に前記回転制御装置8から出力されるX線照射指令(同期指令)としてのX線照射信号(図5のLow-Highパルス信号)を前記X線高電圧装置11に入力して撮影を行ない、撮影終了角度で2回目の撮影シーケンス(II)を終了する。
5)上記にて撮影し、被検者を透過したX線検出信号は、テレビカメラ4bでビデオ信号に変換され、A/D変換部12d、対数変換部12cで各種の変換が行われて第2のメモリ12dに画像データとして記憶される。
前記第2のメモリ12dに記憶された画像データは、必要な画像処理演算を演算部12eで行い、演算された画像データをデジタル/アナログ変換部12fで画像に変換し、撮影した画像を表示装置13に表示する。
6)このように、2回目の撮影シーケンス(II)を実行するものであるが、3回目以降の撮影シーケンスについても前記2回目の撮影シーケンス(II)と同様に撮影する。
なお、撮影角度範囲が360度以下でも目的の画像が得られる角度範囲であれば、前記回転角度範囲は制限しない。
図6に、立体撮影に必要な最小の撮影角度範囲である180度の撮影シーケンスを複数繰り返した場合の時間と回転支持器の回転角度の関係を示す。
撮影シーケンス(I)において、回転支持器5は、回転角度0度から180度まで回転し、該180度で撮影を終了すると、0度の位置に戻り、撮影シーケンス(I)の後処理と撮影シーケンス(II)の準備を行った後に、前記撮影シーケンス(II)を開始し、この撮影シーケンスが終了すると、次の撮影シーケンス(III)以降を実行する。この図6では、0度から180度までの回転時間と、180度から0度に戻る回転時間を同一としているが、特に限定するものではなく、前記回転時間が異なっていても問題はない。
また、撮影シーケンスの回数は、制御操作卓6で任意に設定可能であり、さらに0度から180度までを1回目の撮影シーケンス(I)とし、180度から0度までを2回目の撮影シーケンス(II)として撮影を行なうこともできる。
このように、1回目の撮影シーケンスで求めた最適なX線撮影条件と同じX線撮影条件で2回目以降の撮影シーケンスを実行することにより、1回目と2回目のX線撮影条件の相違によって生じる画像濃度差が無くなり、1回目の撮影シーケンスで撮影した画像と2回目以降の撮影シーケンスで撮影した画像ととの比較が容易なものとなる。
特に、回転撮影にDSA機能を付加した回転DSA撮影においては、1回目の撮影シーケンスに相当するマスク像と、2回目の撮影シーケンスに相当するコントラスト像とのサブトラクション画像において、前記マスク像とコントラスト像とで造影剤注入による濃度差以外に、X線撮影条件の相違による濃度差を低減することができ、サブトラクション像においてアーチファクトの低減に効果があるものとなる。
次に、複数の撮影シーケンスで撮影し、これらの撮影で得られた画像を用いて診断を行うものとして、上記DSA撮影以外に、例えば手術前(治療前)と手術後(治療後)の画像を比較したり、手術後(治療後)の経過を観察することを目的として数週間毎に撮影を行なうことがある。この場合は、撮影角度に対応したX線撮影条件及び回転支持器の回転速度情報に加えて、これらの条件で撮影した画像データも一緒に記憶しておく必要がある。
図7は、上記を達成するための本発明によるX線回転撮影装置の第二の実施形態の構成図で、この第二の実施形態は、前記図2の第一の実施形態の画像処理装置12に、X線撮影条件、回転支持器の回転速度情報及び画像データとを撮影角度に対応付けて記憶する第3のメモリ12gを追加して画像処理装置12’を構成している。
図7に示す第二の実施形態の撮影動作は、第3のメモリ12gに関連する動作以外は図2の第一の実施形態と同一であるので、ここでは手術前と手術後の画像を比較するために、前記手術前の撮影シーケンス(1回目の撮影シーケンス(I))と手術後の撮影シーケンス(2回目の撮影シーケンス(II))で撮影する例について前記第3のメモリの役目を主体として説明する。
1回目の撮影シーケンスI(手術前)では、第一の実施形態と同様に回転撮影を行ない、各撮影角度毎に前記第3のメモリ12gにX線撮影条件、回転支持器の回転速度情報をX線制御装置9の第1のCPU9aから送ると共に画像処理装置12’の第2のメモリ12dに記憶した画像データを送り、前記X線撮影条件、回転支持器の回転速度情報及び画像データと前記各撮影角度とを画像処理装置12’の第2のCPU12aで対応付けして、これを前記第3のメモリに記憶する。
そして、2回目の撮影シーケンス(II)(手術後)では、制御操作卓6の操作により第1のCPU9aで前記第3のメモリに記憶してあるX線撮影条件を読み出して、1回目の撮影シーケンスで撮影した回転撮影角度に対応するX線撮影条件で撮影を行い、前記1回目の撮影シーケンスと同様に、各撮影角度毎に前記第3のメモリ12gにX線撮影条件、回転支持器の回転速度情報をX線制御手段16の第1のCPU9aから送ると共に画像処理装置12’の第2のメモリ12dに記憶した画像データを送り、前記X線撮影条件、回転支持器の回転速度情報及び画像データと前記各撮影角度とを画像処理装置12’の第2のCPU12aで対応付けして、これを前記第3のメモリに記憶する。
このようにして、前記第3のメモリに記憶した手術前と手術後の画像データを演算部12eに読み込んで、必要な画像処理演算を演算部12eで行い、演算された画像データをデジタル/アナログ変換部12fで画像に変換し、撮影した手術前と手術後の画像を表示装置13に表示して、手術の結果を確認することができる。
なお、第3のメモリに記憶されたデータは、外部記憶装置にも記憶することができるように構成することにより、前記手術前と手術後の撮影に拘わらず、いつでも同一の撮影条件で回転撮影に対応できるようになる。
このように、本発明の第二の実施形態によれば、X線回転撮影において、2回目以降の撮影シーケンスを行う間隔が年単位で空いたとしても、過去の撮影シーケンスで撮影した画像データと共に記憶されている撮影角度とX線撮影条件及び回転支持器の速度情報を用いて、前記2回目以降の撮影シーケンスを実行することにより、同一の撮影条件での複数の画像比較が可能となり、診断能の向上に寄与するものとなる。
さらに、前記第1のメモリ及び第3のメモリには、X線撮影条件、撮影角度、回転支持器の回転速度情報、画像データに加えて、撮影した患者名と撮影日時等の情報も記憶しておくことにより、被検者及び撮影日時の識別が容易となる。
上記第一の実施形態及び第二の実施形態の回転支持器には、図1に示した360度回転可能な支持器を用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、図8に示すC字型アームによる回転支持器に採用することも可能である。
このC字型アームによる回転支持器の回転範囲は300度以上の回転が可能なものが一般的となっており、充分に立体撮影が可能である。
さらにまた、回転支持器の一端にX線管装置を設け、他端にX線検出器を設けて、これらを回転動作させる手段を有し、回転中心部分に空間を形成し、被検体の全周方向からの透過X線データを取得し、このデータより立体画像を得るコーンビームCT装置にも本発明を適用することができる。
すなわち、過去画像と新たに撮影する画像とのX線撮影条件を同一にすることにより、前記過去画像と新たに撮影した画像とのCT値(各要素のX線吸収係数に比例した画像のコントラストスケールの値)を比較する際に、X線撮影条件が異なることによって発生する再構成演算の誤差に基づくアーチファクトの低減にも有効である。
以上の実施形態のX線検出装置には、イメージインテンスファイアを用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、近年、各種の撮影装置に採用されているシンチレータとフォトダイオードとを組み合わせたフラットパネル平面検出器に置き換えることも可能である。
本発明によるX線回転撮影装置の第一の実施形態の全体構成を示すブロック図。 図1のX線回転装置の詳細を示す図。 図1の回転支持器の回転軌跡を示す図。 撮影開始角度からの時間と回転支持器の回転角度、X線照射信号及び第1のメモリに記憶する情報との関係を示す図。 2回目以降の撮影シーケンスを実行する場合の回転支持器の回転角度、第1のメモリに記憶してある情報及びX線照射信号との関係を示す図。 立体撮影に必要な最小の撮影角度範囲である180度の撮影シーケンスを複数繰り返した場合の時間と回転支持器の回転角度の関係を示す図。 本発明によるX線回転撮影装置の第二の実施形態の詳細を示す図。 本発明によるX線回転撮影装置の回転支持器として用いるC字型アームによる回転支持器を示す図。
符号の説明
3 X線管装置、4 X線検出装置、4a イメージインテンシファイア、4b テレビカメラ、4c 光電子倍増管、4d 映像分配器、5 回転支持器、6 制御操作卓、7 システム制御装置、8 回転制御装置、9 X線制御装置、9a 第1の中央処理装置(CPU)、9b X線撮影条件決定部、9c 濃度基準部、9d 積分器、9e 比較部、9f 第1のメモリ、10 ロータリエンコーダ、11 X線高電圧装置、12 画像処理装置、12a 第2の中央処理装置(CPU)、12b A/D変換部、12c 対数変換部、12d 第2のメモリ、12e 演算部、12f D/A変換部、12g 第3のメモリ、13 表示装置、14 C字型アーム支持器

Claims (8)

  1. 被検者にX線を照射するX線照射手段と、前記被検者を挟んで前記X線照射手段と対向して配置され前記被検者を透過したX線を検出するX線検出手段と、前記被検者の周りに前記X線照射手段及びX線検出手段を支持して回転させる回転支持手段と、回転撮影制御パラメータの設定と操作を指示する操作手段と、前記回転支持手段を回転制御する回転制御手段と、前記回転支持手段の回転角度を検出する回転角度検出手段と、前記被検者に照射するX線を制御するX線制御手段と、このX線制御手段からのX線撮影条件に対応した高電圧を発生しこれを前記X線照射手段に印加するX線高電圧発生手段と、前記X線検出手段で検出した画像データから所望の画像を生成する画像処理手段と、前記画像を表示する表示手段とを備え、前記被検者の同一撮影部位を複数回の撮影シーケンスで撮影するX線回転撮影装置であって、前記X線制御手段は、前記操作手段で設定した撮影角度を前記回転角度検出手段からの信号により前記回転制御手段で検出し、この検出信号に同期して前記画像の濃度を目標の濃度に制御するためのX線撮影条件を決定するX線撮影条件決定手段と、該決定したX線撮影条件を次の撮影角度におけるX線撮影条件として1回目の撮影シーケンスの撮影を行い、少なくとも前記X線撮影条件と前記撮影角度とを対応付けする手段と、前記対応付けしたX線撮影条件と撮影角度とを記憶する手段と、2回目以降の撮影シーケンスにおける撮影時に前記記憶手段に記憶したX線撮影条件を前記撮影角度に対応して読み出し、これを前記X線高電圧発生手段に設定する手段とを備えたことを特徴とするX線回転撮影装置。
  2. 請求項1において、前記複数回の撮影シーケンスのうち、1回目の撮影シーケンスはマスク像撮影シーケンスで、2回目以降の撮影シーケンスはコントラスト像撮影シーケンスであって、前記マスク像とコントラスト像とのサブトラクション画像を得ることを特徴とするX線回転撮影装置。
  3. 請求項1において、さらに前記対応付け手段に前記回転支持手段の回転速度情報を付加することを特徴とするX線回転撮影装置。
  4. 請求項1,2,又は3において、さらに前記撮影シーケンスにおける画像データと被検者情報とを前記対応付け手段に付加し、これを前記記憶手段若しくは別の記憶手段に記憶することを特徴とするX線回転撮影装置。
  5. 請求項4において、前記1回目の撮影シーケスは手術前若しくは治療前の撮影シーケンスで、2回目以降の撮影シーケンスは手術後若しくは治療後の撮影シーケンスであることを特徴とするX線回転撮影装置。
  6. 請求項1,2,3,4又は5において、前記記憶手段又は前記別の記憶手段に記憶したデータを外部記憶手段に転送して記憶する手段を備えたことを特徴とするX線回転撮影装置。
  7. 請求項1,2,3,4,5又は6において、前記回転支持手段はC字型アームの回転支持手段であることを特徴とするX線回転撮影装置。
  8. 請求項1,2,3,4,5,6又は7において、前記回転支持手段で支持するX線照射手段は該回転支持手段の一端で支持し、前記X線検出手段は前記回転支持手段の他端で支持して、前記回転支持手段の回転中心部分に空間を形成し、前記被検者の周りからの透過X線データを取得し、このデータより立体画像を得ることを特徴とするX線回転撮影装置。
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