JPH11244272A - Ｘ線撮影装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮影位置の異なる一連の撮影を行う場合に、
前回の位置と順序にしたがって自動的に撮影する。 【解決手段】 Ｃ型アーム２４を駆動しＸ線管２１等を
位置決めして各位置からの一連の撮像を行い、画像処理
装置３４によりその画像データを記録メディア３６に格
納するとともに、その各撮影位置についてのデータをも
記録メディア３６に格納し、後に、この記録メディア３
６から位置のデータを画像処理装置３４に読み込み、そ
の位置データに基づいて保持装置２５を制御し、Ｘ線管
２１等を位置決めして撮像を行うことによって前回の各
撮影位置および順序と同様な一連の撮像を自動的に行
う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、Ｘ線撮影装置に
関し、とくに医療の診断に用いるのに好適なＸ線撮影装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】Ｘ線撮影装置によって被検者を撮影し、
医学的な診断を行う場合、同一部位について定期的に撮
影し、経過等を観察することが多い。とくに、最近のＩ
ＶＲ（インターベンショナルラジオロジー）によると、
大掛かりな開腹手術を行わなくても心血管の治療を行う
ことが可能になってきているが、治療後、血管造影によ
って定期的に診断を行い、経過を観察するのが一般的で
ある。その場合、心血管を造影したＸ線画像は２次元像
であるため、診断のためには患者身体の所定の部位に対
して複数の位置（ここでは角度も含めた広い概念で用い
る）で撮影する必要があり、定期的な検査の都度、過去
の検査時と同一のアングルで撮影しなければならない。

【０００３】この撮影位置および順序は、おおよそのも
のであれば、心血管等部位ごとに患者によらず定型的に
定めることができるので、通常はこれにしたがうことが
多いが、患者によってはこれからはずれるアングルでの
撮影が必要な場合も往々にして生じる。そのように特定
の患者について特定の撮影位置・順序を定めた場合は、
操作者の記憶や記録に基づいてその手順等を再現しつつ
一連の撮影を行っていく必要がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、過去に
定めた撮影位置・順序にしたがって一連の撮影を行うこ
とは、その記録に基づく場合はかなり困難であるし、操
作者の記憶に基づく場合でも困難を伴うことが多い。定
型的な手順にしたがう場合でも、操作者が不慣れであれ
ば、手間がかかったりするという問題がある。

【０００５】この発明は、上記に鑑み、特定の撮影位置
・順序にしたがって一連のＸ線撮影を、時間を隔てて定
期的に行うような場合に、自動的にその手順を再現する
ことができるようにし、それによって操作者の負担を軽
減し、不慣れな操作者であっても容易に撮影を行うこと
ができるようにする、Ｘ線撮影装置を提供することを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によるＸ線撮影装置においては、被写体の
Ｘ線透過像を撮像するＸ線撮像手段と、該Ｘ線撮像手段
を位置決めすることにより所定の位置からの被写体のＸ
線透過像が得られるようにする位置決め手段と、この各
位置についての情報を保持する情報保持手段と、該保持
手段により保持された位置情報に基づき上記の位置決め
手段を制御し各位置ごとにＸ線透過像の撮像が行われる
ようにする制御手段とが備えられることが特徴となって
いる。

【０００７】撮影位置に関する情報が保持されているの
で、次回に撮影を行おうとするとき、その位置情報に基
づいてＸ線撮像手段の位置決めを行うことができる。そ
のため、前回の撮影と同じ位置および順番でのＸ線撮像
を自動的にスムーズに行うことができて操作者の負担を
軽減できるとともに操作ミスも防ぐことができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。図１におい
て、被検者１０はベッドの天板に横たえられており、こ
の被検者１０を挟むようにＸ線管２１と、イメージイン
テンシファイア（Ｉ．Ｉ．）２２とが対向配置される。
これらＸ線管２１、イメージインテンシファイア２２
は、それぞれＣ型アーム２４の両端に取り付けられてい
る。イメージインテンシファイア２２にはテレビカメラ
２３が光学的に結合されている。

【０００９】Ｃ型アーム２４は保持装置２５によって保
持され、この保持装置２５はスタンド２６に取り付けら
れている。この保持装置２５によって、Ｃ型アーム２４
はスタンド２６に対して、矢印で示すように、Ｃ型アー
ム２４の円弧方向の回転や、その円弧の半径方向の水平
軸回りの回転や、前後方向・上下方向直線移動など、あ
らゆる方向での移動・回転が可能となっている。そして
スタンド２６内には、Ｘ線管２１に高電圧電力を供給す
る電源装置が納められている。

【００１０】テレビモニター装置３１は、キャビネット
３２上に置かれている。このキャビネット３２の側面に
は、Ｘ線条件を設定するためのスイッチなどが備えられ
た操作パネル３３が取り付けられている。キャビネット
３２内には画像処理装置３４や制御装置３５などが納め
られており、スタンド２６とはケーブルで接続されてい
て、保持装置２５に命令を与えてＣ型アーム２４を駆動
して所定の角度・位置への位置決めを行った上でスタン
ド２６内の電源装置を制御してＸ線管２１からＸ線を照
射させ、テレビカメラ２３から得られた映像信号を入力
してフィルタ処理などの各種画像処理を行ない、テレビ
モニター装置３１に表示させる。

【００１１】ここでは、保持装置２５と画像処理装置３
４（および制御装置３５）はそれぞれ異なるＣＰＵの下
で独立して動作するようにされており、両者の間で通信
を行ってデータや命令を送受、制御を行うようにしてい
る。そして、記録メディア３６は光磁気ディスクなど
で、撮影したＸ線画像のデータが記録される。キャビネ
ット３２にそのドライブ装置（図では省略）が備えられ
ていて、書き込み・読み出しが行われるようになってい
る。

【００１２】そこで、Ｘ線管２１がたとえば図１のイ、
ロ、ハのような位置（角度）をとるようにＣ型アーム２
４を駆動して、それらの各位置ごとにＸ線撮影を行う場
合、各位置からのＸ線による被検者１０の透過像がイメ
ージインテンシファイア２２およびテレビカメラ２３に
よって画像信号に変換され、キャビネット３２内の画像
処理装置３４を経てテレビモニター装置３１に表示され
るとともに、画像処理装置３４内の図示しない記録装置
（ハードディスクなど）に記録される。このときのファ
イル構造は図２のようになっており、データ部に各画像
のデータが記録されるとともに、それに付随するヘッダ
ー部に角度などの位置情報が記録される。この位置情報
は、角度等を変えるごとに保持装置２５より画像処理装
置３４に送られる。

【００１３】ここでは、位置ごとに一つのファイルを構
成するものとしており、そのファイルごとに、ヘッダー
部に位置情報が記録され、データ部に同じ位置（角度）
からの連続画像のそれぞれ（画像１、画像２、…、のデ
ータ）が記録される。つまり、ある位置（図１のイ）で
多数枚の画像を得たとき、ファイル１において、そのヘ
ッダー部にその位置の情報が書き込まれるとともに、デ
ータ部に多数の画像データが書き込まれる。つぎの位置
（図１のロ）でも、ファイル２に同様にして書き込みが
なされるというようにして多数のファイルへの書き込み
がなされていく。こうして一連の撮影が終了した後、フ
ァイル群がリムーヴァブルな記録メディア３６に記録さ
れる。

【００１４】その後、一定期間が経過して同一被検者に
ついて再検査を行う場合、まず、インサートされた記録
メディア３６から前回のファイル群を画像処理装置３４
に読み込み、図３のフローチャートに示すように前回の
ファイル数Ｎをｂにセットし、ファイル１からファイル
Ｎまでに対応して順番に撮影を行う。画像処理装置３４
が、読み込んだファイル群のうち最初のファイル１のヘ
ッダー部を参照し、位置に関するデータを制御装置３５
および保持装置２５に送って、その位置へ移動するよう
命令する。そして、その移動が終わって位置決めされた
ときにＸ線曝射され撮影が行われ、得られた画像の表示
・記録がなされる。その後、ファイル番号ａを繰り上
げ、ファイル２、３、…と順番に位置制御して、前回と
同様の各位置についての撮影を前回と同様の順序で自動
的に行う。

【００１５】したがって、前回の撮影と同じ位置および
順番での撮影をスムーズに行うことができて操作者の負
担を軽減できる。これにより検査時間の短縮も期待でき
る。撮影位置およびその順序が定型にあてはまらないよ
うな場合の操作ミスを防ぐことができるとともに、不慣
れな操作者を支援することができる。

【００１６】なお、ここでは記録メディア３６から再読
み込みを行うこととしているが、インサートされた記録
メディア３６に直接アクセスしてヘッダー部から位置に
ついてのデータを順次取り出すようにしてもよい。ま
た、同一被検者についての再検査までの期間が長くなく
て画像処理装置３４内に前回のデータがまだ残っている
ときは、記録メディア３６からの再読み込みは不要であ
る。さらに、保持装置２５、画像処理装置３４、制御装
置３５等の具体的構成やそれらの間の情報の送受や制御
については上記以外の構成もありえる。

【００１７】さらに、ファイル構造も図２のようなもの
に限定されるわけではない。すなわち、ファイルヘッダ
ー部に位置データを格納し、これを撮影ごとに参照する
ようにしたが、最初の撮影時に位置に関するデータのみ
を別途記憶するファイルを作成しておき、画像データの
ファイルとともに記録メディア３６等に記録するように
してもよい。こうすると、再検査時にその位置データの
格納されたファイルのみを読み込めばよいので、読み込
み時間を短縮することができる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明のＸ線撮
影装置によれば、定期的に同一部位のＸ線撮影を行うよ
うな場合に、前回の撮影と同じ位置および順番での撮影
を自動的にスムーズに行うことができる。これにより、
操作者の精神的・身体的な負担を軽減できるとともに、
検査時間の短縮も期待でき、さらに操作ミスをも防ぐこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態を示すブロック図。

【図２】ファイル構造の一例を示す模式図。

【図３】動作を示すフローチャート。

【符号の説明】

１０ 被検者 ２１ Ｘ線管 ２２ イメージインテンシファイア ２３ テレビカメラ ２４ Ｃ型アーム ２５ 保持装置 ２６ スタンド ３１ テレビモニター装置 ３２ キャビネット ３３ 操作パネル ３４ 画像処理装置 ３５ 制御装置 ３６ 記録メディア

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被写体のＸ線透過像を撮像するＸ線撮像
   手段と、該Ｘ線撮像手段を位置決めすることにより所定
   の位置からの被写体のＸ線透過像が得られるようにする
   位置決め手段と、この各位置についての情報を保持する
   情報保持手段と、該保持手段により保持された位置情報
   に基づき上記の位置決め手段を制御し各位置ごとにＸ線
   透過像の撮像が行われるようにする制御手段とを備える
   ことを特徴とするＸ線撮影装置。