JP2009012671A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センター陸部14a、14bに形成された複数のサイプ15a〜15eのうちタイヤ周方向Sで隣り合う各サイプは、互いのタイヤ周方向Sにおける距離を変えながらタイヤ幅方向Hに延在し、ショルダー陸部14cに形成された複数のサイプ15fはそれぞれ、互いが平行となるようにタイヤ幅方向Hに延在している。
【選択図】図1
Description
すなわち、この空気入りタイヤが例えばトラック等の貨物車両に装着され、かつこの車両が荷物を積載していない空車時には、トレッド部に形成された複数の陸部のうち、タイヤ幅方向中央領域に位置するセンター陸部が接地し、このセンター陸部よりもタイヤ幅方向外側に位置するショルダー陸部は接地しない、若しくはセンター陸部に作用する接地圧よりも小さい接地圧で接地することになり、センター陸部がショルダー陸部と比べて摩耗し易い、つまりセンター摩耗が生じ易くなるおそれがあった。
この発明では、センター陸部に形成された複数のサイプのうちタイヤ周方向で隣り合う各サイプが、互いのタイヤ周方向における距離を変えながらタイヤ幅方向に延在する一方、ショルダー陸部に形成された複数のサイプはそれぞれ、互いが平行となるようにタイヤ幅方向に延在しているので、各陸部においてタイヤ周方向で互いに隣り合うサイプ同士の間に位置する部分が、トレッド部に作用する接地圧によって倒れ込む量を、複数の陸部のうちセンター陸部についてのみ小さくすることが可能になる。したがって、ショルダー陸部で奏されるエッジ効果は維持しつつ、センター陸部の剛性をショルダー陸部の剛性よりも高めることが可能になり、センター陸部の耐摩耗性を向上することができる。
しかも、このようにセンター陸部の剛性をショルダー陸部の剛性よりも高めるのに、例えばセンター陸部に形成するサイプの本数を減少させる等しなくてもよいので、このセンター陸部で奏されるエッジ効果が低下するのを抑制することもできる。
以上より、雪道や氷上での走行性能が低下するのを抑えつつ、耐センター摩耗性を向上させることができる。
この場合、センター陸部に形成された複数のサイプのうち、タイヤ周方向で隣り合う各サイプのいずれか一方が、横溝の延在する方向に沿って平行に延びているので、前述の作用効果を奏するセンター陸部を容易かつ確実に実現することができるとともに、センター陸部の剛性が高くなりすぎてこのセンター陸部で奏されるエッジ効果が大きく低下するのを防ぐことができる。
この場合、センター陸部のタイヤ周方向における端と、センター陸部のタイヤ周方向における端部(以下、センター陸部の周端部という)に形成された端サイプと、のタイヤ周方向における距離が、この端サイプの全長にわたって同等になるため、センター陸部の周端部における剛性をタイヤ幅方向の全長にわたって均等にすることが可能になり、センター陸部の周端部に応力集中箇所が生ずるのを防ぐことができる。
したがって、走行時において、センター陸部におけるタイヤ回転方向の後端部が、路面から離れる瞬間にこの路面上を滑ることにより当該後端部に生ずる摩耗量、つまり蹴り出し時の摩耗量が、前記応力集中箇所が起点となって大きくなるのを防ぐことが可能になり、当該センター陸部においてタイヤ回転方向の前端部と後端部とで摩耗量が異なる、つまりヒールアンドトウ摩耗の発生を抑制することができる。
この場合、センター陸部の前記後端部における剛性が高められ、前述した蹴り出し時の摩耗量が大きくなるのをより一層確実に防ぐことができる。
なお、縦溝12a〜12dおよび横溝13a〜13eの各深さは同等になっている。また、トレッド部11のタイヤ径方向内側には図示されないカーカスプライやスチールベルト等が埋設されている。
以上より、複数の陸部14a〜14cはそれぞれ、トレッド部11の平面視で概略平行四辺形となっている。
センター陸部14a、14bは、タイヤ赤道部CL上に位置する第1センター陸部14aと、この第1センター陸部14aのタイヤ幅方向Hの外方で、かつ内側縦溝12a、12bと外側縦溝12c、12dとの間に位置する第2センター陸部14bと、を備えている。
また、センター陸部14a、14bに形成された複数のサイプ15a〜15eのうち、タイヤ周方向Sで隣り合う各サイプのいずれか一方15a、15c、15eは、当該センター陸部14aを区画する横溝13a、13b、13cの延在する方向に沿って平行に延びている。さらに、センター陸部14a、14bに形成された複数のサイプ15a〜15eのうちタイヤ周方向Sで隣り合う各サイプのいずれか他方15b、15dは、当該センター陸部14a、14bを区画する横溝13a、13b、13cの延在する方向に対して傾斜する方向に沿って延びている。そして、各センター陸部14a、14bに形成された前記他方のサイプ15b、15dはそれぞれ、同じ方向に延在して互いに平行となっている。
また、この端サイプ15a、15bのタイヤ幅方向Hにおける両端は、当該センター陸部14a、14bのタイヤ幅方向Hにおける両端14f、14gよりも内側に位置している。
しかも、このようにセンター陸部14a、14bの剛性をショルダー陸部14cの剛性よりも高めるのに、例えばセンター陸部14a、14bに形成するサイプ15a〜15eの本数を減少させる等しなくてもよいので、このセンター陸部14a、14bで奏されるエッジ効果が低下するのを抑制することもできる。
以上より、雪道や氷上での走行性能が低下するのを抑えつつ、耐センター摩耗性を向上させることができる。
例えば、前記実施形態に代えて、センター陸部14a、14bに形成された各端サイプ15a、15eのタイヤ幅方向Hにおける両端を、当該センター陸部14a、14bのタイヤ幅方向Hにおける両端14f、14gに到達させて、これらの端サイプ15a、15eによりセンター陸部14a、14bをタイヤ周方向Sで分断させてもよい。
また、前記実施形態では、ショルダー陸部14cに形成された複数のサイプ15fをそれぞれ、このショルダー陸部14cを区画する横溝13d、13eの延在する方向に沿って平行に延在させたが、該延在する方向に対して傾斜する方向に延在させてもよい。
まず、この試験に供する空気入りタイヤについて説明する。
従来例として、図1から図4で示した空気入りタイヤ10において、各陸部14a〜14cに形成された複数のサイプ15a〜15fを全て、当該陸部14a〜14cを区画する横溝13a〜13eの延在する方向に沿って平行に延在させた空気入りタイヤを採用した。
また、比較例1として、図1から図4で示した空気入りタイヤ10において、各陸部14a〜14cに形成された複数のサイプ15a〜15fのうち、タイヤ周方向Sで隣り合う各サイプを、互いのタイヤ周方向Sにおける距離を変えながらタイヤ幅方向Hに延在させるとともに、センター陸部14a、14bに形成された端サイプ15a、15eを、当該センター陸部14a、14bを区画する横溝13a、13b、13cの延在する方向に対して傾斜する方向に延在させた空気入りタイヤを採用した。
さらに、比較例2として、前記比較例1の空気入りタイヤにおいて、センター陸部14a、14bに形成された端サイプ15a、15eを、当該センター陸部14a、14bを区画する横溝13a、13b、13cの延在する方向に沿って平行に延在させた空気入りタイヤを採用した。
また、実施例1として、図1から図4で示した空気入りタイヤ10を採用した。
さらに、実施例2として、図1から図4で示した空気入りタイヤ10において、センター陸部14a、14bに形成された端サイプ15a、15eを、当該センター陸部14a、14bを区画する横溝13a、13b、13cの延在する方向に対して傾斜する方向に延在させた空気入りタイヤを採用した。
そして、これらの実施例1、2、比較例1、2および従来例それぞれの空気入りタイヤを2t積みライトトラックに装着し、耐センター摩耗性および耐ヒールアンドトウ摩耗性と、雪上および氷上での各走行性能と、を評価した。
また、雪上および氷上での各走行性能は、乾燥路を3000km走行した後に、雪上および氷上をそれぞれ時速30kmで走行中にブレーキをかけたときから停止するまでの距離を測定し、従来例の空気入りタイヤでの測定値を100とした指数で評価した。
以上の各評価では、指数が大きいほど各性能が優れていることを表している。
結果を表1に示す。
そして、さらに実施例1の空気入りタイヤ10のように、センター陸部14a、14bに形成された端サイプ15a、15eを、当該センター陸部14a、14bを区画する横溝13a、13b、13cの延在する方向に沿って平行に延在させれば、雪道や氷上での走行性能を低下させることなく、耐センター摩耗性のみならず耐ヒールアンドトウ摩耗性をも向上させることができることが確認された。
11 トレッド部
12a、12b、12c、12d 縦溝
13a、13b、13c、13d、13e 横溝
14a、14b、14c 陸部
14a、14b センター陸部
14c ショルダー陸部
15a、15b、15c、15d、15e、15f サイプ
15a、15e 端サイプ
A タイヤ幅方向中央領域
H タイヤ幅方向
S タイヤ周方向
Claims (3)
- トレッド部に、タイヤ周方向に延びる縦溝およびタイヤ幅方向に延びる横溝がそれぞれ複数ずつ形成されこれらの縦溝および横溝により複数の陸部が区画されるとともに、各陸部にタイヤ幅方向に延在するサイプがタイヤ周方向に間隔をあけて複数形成された空気入りタイヤであって、
前記複数の陸部は、前記トレッド部のタイヤ幅方向中央領域に位置するセンター陸部と、このセンター陸部のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー陸部と、を備え、
前記センター陸部に形成された複数の前記サイプのうちタイヤ周方向で隣り合う各サイプは、互いのタイヤ周方向における距離を変えながらタイヤ幅方向に延在し、
前記ショルダー陸部に形成された複数の前記サイプはそれぞれ、互いが平行となるようにタイヤ幅方向に延在していることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1記載の空気入りタイヤであって、
前記センター陸部に形成された複数の前記サイプのうち、タイヤ周方向で隣り合う各サイプのいずれか一方は、当該センター陸部を区画する前記横溝の延在する方向に沿って平行に延びていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1または2に記載の空気入りタイヤであって、
前記センター陸部に形成された複数の前記サイプのうち、このセンター陸部のタイヤ周方向における両端部に形成された各端サイプは、当該センター陸部を区画する前記横溝の延在する方向に沿って平行に延びていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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