JP2009011939A - 汚染土壌及び地下水の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚染領域全域を最適期間内に浄化することができる汚染土壌及び地下水の浄化方法を提供する。
【解決手段】栄養源が希釈されて注入井戸5に注入され、希釈されて微生物が摂取し易くなった栄養源と有機塩素系化合物が、微生物が共代謝することによって分解処理され、注入井戸5が複数設けられ、複数の注入井戸5からの栄養源の拡散域が汚染土壌及び地下水の汚染領域1を広く覆うとともに、栄養源の拡散域の臨界領域で、栄養源に含まれる炭素濃度が微生物の活性促進条件となる濃度内に抑えられるように、複数の注入井戸の配置および栄養源の希釈度を定めたものである。
【選択図】図8

Description

この発明はバイオレメディエーション法を用いて微生物を活性化し、有機塩素系化合物で汚染された土壌及び地下水の浄化を促進して、汚染領域を原位置で短期間に浄化する汚染土壌及び地下水の浄化方法に関するものである。
従来、土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法として、真空抽出法、揚水曝気法、石灰法、鉄粉法、土壌掘削置換法、土壌湿気式洗浄法、不溶化処理法、気・液混合井戸方法、エアースパージング方式、バイオレメディエーション法と、浄化に関して様々な方法が用いられるが、短期間で、土壌及び地下水の汚染の浄化ができる方法は、鉄粉法とバイオレメディエーション法である。
原位置での生物学的処理が可能で、炭素数が10以上の脂肪酸、炭素数が12以上のアルコール、炭素数が14以上の直鎖状飽和脂肪酸と1価アルコールのエステル、炭素数が14以上の直鎖状飽和脂肪酸と多価アルコールのエステル、炭素数が16以上の脂肪酸とグリセリンのエステルなどを土壌中に埋設して、土壌や地下水の硝酸態窒素及び有機塩素系化合物を低減させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
炭素数が6以上の直鎖状飽和モノカルボン酸を主成分とし、特に粒径100mm以内の粒子状に成形し、主に廃水処理に用いる脱窒素促進剤およびこの脱窒素促進剤を用いた水処理方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−370085号公報(第4〜14頁、第1〜3図) 特開2000−334492号公報(第3〜9頁、第1〜4図)
しかしながら、このような従来の土壌及び地下水の汚染の浄化設備とその浄化方法では、鉄粉法は土壌を掘削してゼロ化鉄粉を注入する方法で、化学反応により短期間に土壌浄化するが、現状では汚染領域を絞って掘削する方法が主流のため、汚染領域全てを最適期間内に浄化することができなく、しかも高額な施工費用がかかる。
またバイオレメディエーション法は、環境に左右され最適期間内に浄化することができない場合もあり不安定である。
さらに浄化処理剤についても、従来の栄養源類では、(例えばポリ乳酸エステル)水に対する溶解度が高く、この場合供給した栄養源(の消費量)の地下水への溶出が早く(多く)、したがって頻繁に栄養源の追加(継続)投与が必要であった。また、炭素数が10以上の脂肪酸は地下水への溶出が遅く、汚染部での最適量の溶出が管理できなく、地下水の流速が、例えば地下水が1日8センチも流れる場所では対応が難しく、地下水が年に数センチ程度の流れの場所での浄化に限られる。
したがって、地下水の流速が遅い場所での栄養源の過剰注入は、湖沼や内海などの閉鎖系水系等では、過剰栄養化によるプランクトン、藻、赤潮等の異常発生をまねく問題を生じることになり、管理システムの混乱・煩雑さをまねく等々の課題も派生することになる。ここに、浄化処理剤の溶解度が最適で、常時処理が安定し、メンテナンスが楽なものが切望されていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、土壌や地下水中に生息する微生物を長期(常時)に安定して増殖・活性化させて、汚染の原位置浄化処理・管理を最適化し、かつ各浄化処理の設備・施設を簡略化した汚染土壌及び地下水の浄化方法を提供することを目的とする。
つまり、施工費用が比較的安いバイオレメディエーション法に注目し、特定の栄養源を選定した微生物処理によって原位置での土壌及び地下水の汚染の浄化を促進せしめ、汚染領域全体に拡散させることにより、汚染領域全てを最適期間内に安定して浄化することができる汚染土壌及び地下水の浄化方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明はソルビトールを主成分とする液体状の栄養源を希釈し注入井戸に注入され、希釈されて微生物が摂取し易くなった前記栄養源(希釈により分解速度が速くなった栄養源の基質成分である炭素成分)と有機塩素系化合物の塩素とを、前記微生物が両方ともに摂取する、いわゆる共代謝することによって分解処理され、前記注入井戸が複数設けられ、複数の前記注入井戸からの前記栄養源の拡散域が汚染土壌及び地下水の領域を広く覆うとともに、前記栄養源の拡散域の臨界領域で前記栄養源に含まれる炭素濃度が前記微生物の活性促進条件となる濃度内に抑えられるように、複数の前記注入井戸の配置および前記栄養源の希釈度を定めたものである。
本発明は、注入井戸に注入する栄養源を希釈することにより、栄養源が汚染領域に拡散し易くなる。しかも、希釈により栄養源自体の分解が促進し、微生物が摂取し易くなる。そのことにより、微生物が、汚染物質である有機塩素系化合物と栄養源の両方を共代謝し、有機塩素系化合物は浄化される。
そして、複数設けた注入井戸に注入された栄養源の複数の拡散域によって汚染土壌及び地下水の領域を広く覆うことで、汚染領域全体での微生物の活動を促進し、汚染領域の広い範囲において有機塩素系化合物は浄化される。
しかも、栄養源の拡散域の臨海領域において栄養源に含まれる炭素濃度が活動条件濃度内に抑えられることにより、栄養源の拡散域の中央の狭い領域では炭素濃度が高く微生物が活動し難いものの、その周りの広い領域では微生物が活動するため炭素濃度になるため、汚染領域の広い範囲において有機塩素系化合物は浄化される。
上記目的を達成するために本発明は、栄養源が希釈されて注入井戸に注入され、希釈されて微生物が摂取し易くなった栄養源の基質成分である炭素成分と有機塩素系化合物を、微生物が共代謝することによって有機塩素系化合物が分解(低分子化)処理され、注入井戸が複数設けられ、複数の注入井戸からの栄養源の拡散域が汚染土壌及び地下水の領域を広く覆うとともに、栄養源の拡散域の臨界領域で、栄養源に含まれる炭素濃度が微生物の活性促進条件となる濃度内に抑えられるように、複数の注入井戸の配置および栄養源の希釈度を定めたものである。
本発明は、注入井戸に注入する栄養源を希釈することにより、栄養源が汚染領域に拡散し易くなる。しかも、希釈により栄養源自体の分解が促進し、微生物が摂取し易くなる。そのことにより、微生物が、汚染物質である有機塩素系化合物と栄養源の両方を共代謝し、有機塩素系化合物は浄化される。
そして、複数設けた注入井戸に注入された栄養源の複数の拡散域によって汚染土壌及び地下水の領域を広く覆うことで、汚染領域全体での微生物の活動を促進し、汚染領域の広い範囲において有機塩素系化合物は浄化される。
しかも、栄養源の拡散域の臨海領域において栄養源に含まれる炭素濃度が活動条件濃度内に抑えられることにより、栄養源の拡散域の中央の狭い領域では炭素濃度が高く微生物が活動が活発ではないが、その周りの広い領域で微生物が活動するため、汚染領域の広い範囲において有機塩素系化合物は浄化される。
また、本発明は、栄養源が100ppmから5000ppmに希釈されているものであり(好ましくは2000ppm)、この栄養源の希釈度により栄養源が汚染領域に拡散し易くなるとともに、微生物が摂取し易くなる。その結果、微生物が、汚染物質である有機塩素系化合物と栄養源の両方を共代謝し、有機塩素系化合物は浄化される。
また、本発明は、ソルビドールを主成分とする液体状の栄養源としたものであり、この栄養源の採用により微生物の必須栄養素である炭素成分を多く含み、地下水との親水性もよく、原位置微生物が活性化し、有機塩素系化合物の浄化が推進される。
また、本発明は栄養源の注入方法として、栄養源に加わる重力を利用するものや、物理的(機械的)に加圧注入するものであり、この構成により、本発明は栄養源の注入時にエネルギー、動力を使い続ける必要がないので、エネルギー効率よく汚染土壌及び地下水の浄化が行える。
また、本発明は希釈した栄養源を貯留する希釈栄養源貯留槽を、注入井戸の注入口より高所に設け、その希釈栄養源貯留槽から配管を通じて注入井戸の注入口に希釈した栄養源を注入する構成により、本発明は栄養源の注入時にエネルギー、動力を多く使い続ける必要がないので、エネルギー効率よく汚染土壌及び地下水の浄化が行える。
また、本発明は、希釈した栄養源を容器(例えば、20リットルの樹脂製タンク)に注入し、その容器を注入井戸の注入口に注入する構成により、汚染領域が狭く、希釈栄養源貯留槽を設けることができない場合も対応できる。
さらに、本発明は注入井戸が土壌を筒状に掘った穴と、穴と隙間を保ちながら穴内に挿入設置された注入管から構成され、注入管には回りの土壌の浸入を抑えながら、注入管内に注入された栄養源の拡散を促す拡散孔が形成されているものである。
穴と隙間を保ちながら穴内に挿入設置された注入管を用いるとともに、注入管内に注入された栄養源の拡散を促す拡散孔が網の目状に形成されていることにより、本発明は栄養源が回りの土砂に阻まれることなく注入管の最下端まで届き、水平方向だけでなく、上下方向についても栄養源の拡散が所望の範囲に行える。
また、本発明は穴および注入管が透水層に達し、注入管に形成する拡散孔を、少なくとも注入管の下部から、栄養源の注入により上昇する透水層の上部が達する高さまでの範囲で形成するものである。
注入井戸から栄養源を注入すると注入井戸の近傍では、透水層の上面が上昇する。栄養源を注入する前の透水層の上面を上限として拡散孔を形成していると、栄養源を注入した際、透水層の上面が拡散孔の形成されていない高さまで上昇する。そのため、注入井戸の近傍に、栄養源をほとんど含まない地下水が存在することになり、汚染土壌及び地下水の浄化が均質に行えない。
拡散孔を栄養源の注入により上昇する透水層の上面が達する高さまで形成することにより、栄養源の注入により透水層の上面が上昇しても、注入井戸近傍の地下水全体に栄養源が拡散するので、汚染土壌及び地下水の浄化が均質に行える。
また、本発明は注入管に形成する拡散孔の形成密度を下方では疎とするものである。拡散孔を上下で均一に形成していると、重力により注入管の下方から拡散する栄養源の量が多くなり、注入管の上方と下方での栄養源の拡散量に差ができ、汚染土壌及び地下水の浄化が均質に行えない。
拡散孔の形成密度を下方で疎とすることにより、注入管の上方と下方での栄養源の拡散量を均一にすることが可能となり、汚染土壌及び地下水の浄化が均質に行える。
さらに、本発明は注入管に形成する拡散孔を横長形状としたものである。
拡散孔を小さくすると目詰まりし易く、円形状などで大きくすると注入管の外から土砂が注入管内に入って注入管内に堆積し栄養源の拡散に大きな障害となる。そして、拡散孔を縦長とすると、目詰まりを防止しながら拡散孔を通過する栄養源の量を確保できるが、栄養源の注入により注入管が水平方向に膨張すると縦長形状の拡散孔が横に広がり、土砂の流入が起こりえる。
これに対し、本発明は拡散孔を横長形状とすることにより、目詰まりを防止しながら拡散孔を通過する栄養源の量を確保できるとともに、栄養源の注入による注入管の水平方向の膨張によっても横長形状の拡散孔が縦に広がらないので、土砂の流入防止の機能も維持できる。
また、本発明は複数設けた注入井戸において、地下水の流れの下流側にある注入井戸から上流側にある注入井戸に向かう順で栄養源を注入するものである。
栄養源を注入井戸に注入すると、注入井戸の近傍で透水層の上面が上昇する。上面が上昇した箇所は、重力の関係で他の上面と同じ高さになろうとして、注入井戸の中心から周囲に向かって栄養源を含んだ地下水の拡散が生じる。
地下水の流れの上流側にある注入井戸から栄養源の注入を始めると、透水層の上面上昇に伴う地下水の拡散に加えて、地下水の流れがあるため、下流側に向かう地下水の拡散が早く、栄養源が留まる時間が短くなる可能性がある。
地下水の流れの下流側にある注入井戸から上流側にある注入井戸に向かう順で栄養源を注入することにより、上流側にある注入井戸から栄養源を注入する際には、その注入井戸の下流側にある注入井戸からの、地下水の上流側への拡散が近づいてくるので、上流側にある注入井戸からの、地下水の下流側への拡散速度が抑えられる。その結果、栄養源が留まる時間を長くすることができ、汚染領域全体に亘って汚染土壌及び地下水の浄化能力が向上する。
また、本発明は隣接する注入井戸からの栄養源の拡散域が、それぞれの周囲で重なるように注入井戸を配置するものである。
この構成により、汚染領域において栄養源の拡散が不十分な箇所を無くすとともに、拡散域内に長く栄養源留めることができるので、汚染領域全体に亘って汚染土壌及び地下水の浄化能力が向上する。
また、本発明は栄養源の拡散域の直径を7m〜15mとするとともに、隣接する注入井戸の間隔を5m〜10mとするものであり、この構成により、拡散域内に長く栄養源留めることができる(好ましくは、栄養源の拡散域の直径を8mとするとともに、隣接する注入井戸の間隔を10mとする)ので、汚染領域全体に亘って汚染土壌及び地下水の浄化能力が向上する。
さらに、本発明は、地下水の流れによって円形から変形する栄養源の拡散域の形状に合わせて注入井戸の配置を設定するものである。
この構成により、地下水の流れに合わせて、拡散域内に長く栄養源留めることができるので、汚染領域全体に亘って汚染土壌及び地下水の浄化能力が向上する。
また、本発明は注入井戸の近傍に形成されていた、栄養源に含まれる炭素濃度が微生物の活性促進条件濃度を超える残存汚染領域に対して、さらに希釈した栄養源を注入井戸から注入することによって、残存汚染領域の微生物の共代謝を促し、有機塩素系化合物を分解処理するものである。
この構成により、注入井戸近傍においても微生物の活性促進条件が整い、注入井戸近傍における汚染土壌及び地下水の浄化が可能となる。
また、本発明は新たな注入井戸を設けて希釈した栄養源を注入することにより、残存汚染領域の微生物の共代謝を促し、有機塩素系化合物を分解処理するものである。
この構成により、注入井戸近傍においても微生物の活性促進条件が整い、注入井戸近傍における汚染土壌及び地下水の浄化が可能となる。
さらに、本発明は隣接する注入井戸から注入圧力を上げて栄養源を注入して残存汚染領域まで拡散させることにより、残存汚染領域において栄養源に含まれる炭素濃度が微生物の活動条件濃度内に抑えられるようにして残存汚染領域の微生物の共代謝を促し、有機塩素系化合物を分解処理するものである。
この構成により、注入井戸近傍においても微生物の活性促進条件が整い、注入井戸近傍における汚染土壌及び地下水の浄化が可能となる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における汚染土壌及び地下水の浄化方法について図面とともに説明する。
図1は、汚染物質である有機塩素系化合物による土壌及び地下水の汚染状況を模式的に表した図である。
図1(a)は汚染状況を平面で表した図であり、図1(b)は断面で表した図である。図1において汚染物質による汚染領域1は、地表面2では領域3に限られるが、土壌に染み込んだ汚染物質は地下水が流れる透水層4に達して、地下水の流れる方向である矢印A方向に拡散し、結果として汚染領域1が広範囲に形成される。
なお、本実施の形態でも用いるバイオレメディエーション法は汚染物質である有機塩素系化合物の濃度が低濃度であることが前提である。また、微生物の活性を促進するためには栄養源内の炭素濃度が100ppm以下であることが好ましく、栄養源内の炭素濃度が高いと、微生物の活性を阻害することになる。
図2は、図1に示した汚染領域を成す有機塩素系化合物を分解する原位置での微生物を活性化させるための栄養源を、土壌及び地下水に供給する注入井戸を模式的に示した図である。
注入井戸5は、地表面2から土壌を筒状に掘った穴6と、穴6との隙間を保ちながら穴6の中に挿入設置された塩化ビニル製の注入管7の二重構造となっている。
穴6の直径は約100mmであり、注入管7の直径は約50mmであるので、大型の掘削機を必要とせず、小型の掘削機を汚染領域に運べば良いので、この点は汚染領域の場所を選ばずに浄化ができるという特長となる。
注入井戸5の下端は、透水層(図示せず)の下端にまで達し、透水層で広く拡散する汚染物質を分解するために、上下方向全てに渡って透水層への栄養源の供給を可能としている。なお、透水層の下端まで達する必要から、注入井戸の深さは、5m〜30mが必要となる。
注入井戸5に注入される栄養源は液状であり、注入管7上端の開口より注入管7内に供給される。注入管7の壁面には注入された液状の栄養源が注入井戸5の周りに拡散するように、液状の栄養源が通過する拡散孔(図示せず)が形成されている。
注入管7に形成される拡散孔は、液状の栄養源が通過するとともに、注入管7の周りからの土砂の流入を防止し、かつ注入管7の周りの土砂、あるいは注入管7内部の析出物による目詰まりを防止する必要がある。
そこで注入管7の壁面に直径10mm程度のメッシュを形成したり、図3(a)に示す円形の拡散孔7aを形成したりすることが考えられるが、図3(b)に示す横長の拡散孔7bを形成した場合、拡散孔7bの一部が土砂などで塞がれても栄養源が流出する箇所が開いている可能性が高く、栄養源の拡散機能が長期に亘って安定したものとなる。
しかも栄養源の注入によって注入管7内部圧力が増しても横長の拡散孔7bは横方向に広がることはあっても、縦方向にほとんど広がらないので、注入管7の周りからの土砂の流入も防ぐことができる。なお、横長の拡散孔7bは例えば縦2mm、横2.5mmで形成されている。
次に、注入管7の壁面に形成される拡散孔7bの形成方法について図4を用いて説明する。
汚染物質は透水層4で広く拡散しているため、透水層4への栄養源の供給は欠かせない。そのため、栄養源の供給は主に透水層4に行われる。そこで、拡散孔7bは注入管7の下部の透水層4に対向する箇所を中心に形成されることになる。
しかも、注入管7の下部に拡散孔7bを均一に形成すると、栄養源に掛かる重力のため栄養源が注入管7の下端に集中し、透水層4全体に栄養源を拡散することが難しくなるので、拡散孔7bの形成密度を注入管7の下方程疎にし、上方に従って拡散孔7bの形成密度を密とすることで、透水層4全体への栄養源の拡散を図っている。
また、拡散孔7bを透水層4の上面より上方にまで形成しているのは、栄養源の供給により透水層4を流れる地下水の水位が上昇することを考慮しているからである。
図5(a)に示すように栄養源を注入する前の透水層4の上面4aを上限として拡散孔7bを形成していると、栄養源を注入した際、透水層4の上面4aが注入井戸5の近傍で上昇面4bとなり、拡散孔7bの形成されていない高さまで上昇する。そのため、注入井戸5の近傍に、栄養源をほとんど含まない地下水4cが存在することになり、汚染土壌及び地下水の浄化が均質に行えない。
図5(b)に示すように拡散孔7bを栄養源の注入により上昇する透水層4の上面4aが達する高さである上昇面4bまで形成することにより、栄養源の注入により透水層4の上面4aが上昇しても、注入井戸5の近傍の地下水全体に栄養源が拡散するので、汚染土壌及び地下水の浄化が均質に行える。
次に図6により、注入井戸5に供給する栄養源の注入工程を説明する。本実施の形態で用いる栄養源はソルビトールを主成分とする液体状の栄養源である。この栄養源の成分は、ソルビトール60%、グリセリン10%、陰イオン2%、水その他28%であり、微生物の作用によって多くの水素を高い徐放性をもって発生させることを特徴とする。この微生物の作用によって発生した水素は、有機塩素系化合物と水素・塩素置換反応を起こし、有機塩素系化合物を浄化する。
ソルビトールを主成分とする液体状の栄養源は、微生物(日本全域に生息する嫌気性微生物としては、クロストリジウム属が挙げられる。)により、酢酸を経て二酸化炭素、メタンなどに分解される(ソルビトールは乳酸を経てピルビン酸に分解される。)。
本実施の形態では、この栄養源を原液から2度の工程を経て、2000ppmまで希釈し、その希釈液を貯留タンクに貯えて注入井戸5に注入する。
図に示すように、100Lのポリタンク8に貯えられたソルビトールを主成分とする液体状の栄養源の原液は、開閉弁9を介してポンプ10によりポリタンク8から送り出され、ポンプ11で送り込まれた地下水と共に、モータ12によって攪拌される第1攪拌槽13にて、まず10%に希釈される。
この13に貯えられた10%希釈液は、開閉弁14を介してポンプ15により第1攪拌槽13から送り出され、ポンプ16で送り込まれた地下水と共に、モータ17によって攪拌される第2攪拌槽18にて、2000ppmに希釈される。
なお、開閉弁19は、ヘッダーで結ばれた他の攪拌槽(図示せず)からの通路にある開閉弁20と共に、第2攪拌槽18に送り込む希釈液を選択する機能を有する。
第2攪拌槽18にて2000ppmに希釈された栄養源は、開閉弁21を介してポンプ22により第2攪拌槽18から、高所に設置された1mの貯留タンク23に送られる。
貯留タンク23に貯えられた希釈された栄養源は、開閉弁24を介してポンプ25にて流出量を20L/minに制御されながら、注入井戸5に注入される。
ここで、希釈を2度の工程に分けているのは、希釈の精度を上げるためである。栄養源の原液を1度に2000ppmまで希釈しようとすると、希釈度合いにばらつきが生じ、微生物の活動が安定しないという恐れがある。
また、貯留タンク23を高所に設けたのは、注入井戸5からの栄養源の拡散を促進するためには、注入井戸5への栄養源の注入には圧を掛けた方が好ましく、貯留タンク23を高所に設けることにより、重力を利用して注入する栄養源に圧を掛けることができる。そのため、栄養源の注入時にエネルギー、動力を多く使い続ける必要がないので、エネルギー効率が良い。
栄養源を2000ppmに希釈したことにより、透水層4における栄養源の拡散速度が向上し、栄養源を汚染領域に十分に各線させることができる。しかも、この希釈により栄養源自体の分解が促進し、微生物が摂取し易い状態となる。その結果、微生物が汚染物質と栄養源の両方を共代謝することによって汚染物質の浄化が行われる。
先にも述べたように、微生物の活性を促進するためには、栄養源内の炭素濃度が100ppm以下であることが条件となる。図7に示すように2000ppmに希釈したソルビトールを主成分とする液体状の栄養源を注入井戸5に注入すると、注入井戸5の近傍Bでは栄養源内の炭素濃度は400〜600ppmであり、注入井戸5の近傍では微生物の活性促進は期待できず、汚染物質の浄化も進み難い。
しかし、透水層で栄養源が拡散すると栄養源内の炭素濃度は段階的に下がり、栄養源の拡散域の臨海領域Cでは炭素濃度は100ppm以下となっており、微生物の活性促進が広範囲で行われることになり、汚染物質の浄化も注入井戸5の近傍Bを除く広範囲で行える。
なお、上記の例では、ソルビトールを主成分とする液体状の栄養源の希釈を2000ppmとしたが、透水層の状態、浄化範囲の選択、注入井戸の設置密度等を考慮すれば、栄養源の希釈は2000ppmに限られるものではなく、栄養源の希釈が100ppm〜5000ppmの範囲であっても汚染物質の浄化効果は得られる。
また、上記の例では、希釈された栄養源を貯えた貯留タンク23を高所に設置し、重力によって栄養源の注入を行っているが、ポンプ、コンプレッサ等によって物理的に圧力を加えて、地中に直接注入することも可能である。
図7では一つの注入井戸5における栄養源の拡散状態を模式的に示した。栄養源を注入井戸5に注入する際、ポンプなどを用いて注入圧力を増すことにより栄養源の拡散領域は広がるが、その拡散領域にも限界がある。
本実施の形態では、複数の注入井戸を設け、各注入井戸から注入される栄養源の拡散領域がその周辺で部分的に重なるようにして、汚染領域全体をカバーし、汚染領域の広い範囲で微生物の活性促進を図り、汚染領域を原位置で短期間に浄化することを目指す。
そこで、次に栄養源の拡散領域の配置、すなわち注入井戸の配置について図8を用いて説明する。
図8は、図1に示した汚染領域1全体を、複数の注入井戸5による栄養源の拡散領域26でカバーしている状態を模式的に示した図である。注入井戸5はいずれも透水層4の下端まで形成され、透水層4に向って栄養源を拡散する。その栄養源の拡散領域26は、栄養源の注入圧力を調整することにより、直径10m程度に設定されている。
また、隣接する注入井戸5の間隔を8mに設定していることにより、隣接する注入井戸5の栄養源の拡散領域26は必ず重なり合うように設定されている。
これにより、汚染領域1全域において微生物を活性促進させる栄養源が行き渡り、かつ長く留まるので汚染領域1全域を原位置で短期間に浄化することができる。
なお、上記の例では栄養源の拡散領域26を直径10m程度に設定し、隣接する注入井戸5の間隔を8mとしたが、栄養源の拡散領域26および隣接する注入井戸5の間隔は、それだけに限定されるものではなく、栄養源の拡散領域26を直径7〜15mとするとともに、その拡散領域の直径に合わせて隣接する注入井戸5の間隔を5〜10mとしても、同様の効果を得ることができる。
なお、複数ある注入井戸5に栄養源を注入する際、全ての注入井戸5に同時に栄養源を注入し、汚染領域1全域に短期間に栄養源を拡散させることも考えられるが、広範囲の汚染領域1に設けた全ての注入井戸5に同時に栄養源を注入するには、注入井戸5の数だけ図6に示した貯留タンク23を始めとする注入用の機材が必要となり、その搬送、設置を考慮すると効率が悪い。
結果として、一つあるいは数個の注入井戸5毎に栄養源を注入することになる。その際、地下水の流れの下流側にある注入井戸から上流側にある注入井戸に向かう順で栄養源を注入するのが、汚染領域1の浄化として極めて有効である。このことについて図9、図10を用いて説明する。
図9(a)に示すように、矢印Aで示す地下水の流れの上流側にある注入井戸5Aに栄養源を注入すると、注入井戸5Aの近傍では透水層4の上面4aが上昇する。そして、栄養源は注入井戸5Aの周囲に拡散していくが(拡散領域V)、地下水の流れにより、どうしても栄養源は矢印A方向に流れ、注入井戸5Aの周りの汚染領域に栄養源が長く留まらない。
そして、図9(b)に示すように、その後注入井戸5Aより下流側の注入井戸5Bに栄養源を注入すると、注入井戸5Bの近傍においても透水層4の上面が上昇し、注入井戸5Bの周囲に向かって栄養源は拡散しようとするが(拡散領域W)、注入井戸5Aの近傍の透水層4の上面4aの上昇により、地下水の上流側、すなわち注入井戸5A側に向かう、注入井戸5Bに注入された栄養源の拡散が抑制される。
このような現象が、各注入井戸5A〜5Cにおいて発生するため、汚染領域1全域において栄養源の拡散が、地下水の流れる方向である矢印A側に偏る傾向となり、汚染領域1の全域を浄化するためには不都合な現象となる。
これに対して、図10(a)に示すように、矢印Aで示す地下水の流れの下流側にある注入井戸5Cに栄養源を注入すると、注入井戸5Cの近傍では透水層4の上面4aが上昇する。注入井戸5Cに注入された栄養源も、地下水の流れにより矢印A側に拡散する傾向にはあるものの、注入井戸5Cの上流側にある注入井戸5Bへの栄養源注入が行われていないことから、注入井戸5B近傍の透水層4の上面4aが上昇していないので、注入井戸5Cに注入された栄養源は地下水の流れの上流側にも十分拡散していく(拡散領域X)。
その後、図10(b)に示すように注入井戸5Bに栄養源を注入すると、注入井戸5Cの近傍の透水層4の上面4aの上昇により、地下水の下流側、すなわち注入井戸5C側に向かう、注入井戸5Bに注入された栄養源の拡散を抑制され、注入井戸5Bに注入された栄養源は地下水の流れに抗して注入井戸5Bの周囲に長く留まることになり(拡散領域Y)、注入井戸5Bの周りの汚染領域の浄化が効率よく行える。
このような現象が、各注入井戸5A〜5Cにおいて発生するため、汚染領域1全域において栄養源の拡散が、地下水の流れに抗して上流側にも十分行われるため、汚染領域1全域において汚染物質の浄化が効率よく行える。
(実施の形態2)
栄養源を2000ppmに希釈したことにより、透水層4における栄養源の拡散速度が向上するため、図8に示したようにその拡散領域26は、矢印Aで示した地下水の流れにほとんど影響されることがなく、上方から見れば円形になる。そして、図8に示す注入井戸5は、隣接する3つの注入井戸5が正三角形となるように配置されている。
しかし、地下水の流れが極端に早い場合、注入井戸5の配置において栄養源の拡散領域が変形することを考慮しなければならない。
図9は矢印A方向に流れる地下水の流れが早い場合の注入井戸5の配置を模式的に示したものである。注入井戸5に注入された栄養源の拡散領域27は地下水の流れに影響を受けて、地下水の下流側に伸びた楕円形、あるいは雫形になる。
そのため、矢印A方向については、注入井戸5の間隔を図8の場合より離すことが可能であるが、栄養源の拡散領域27によって汚染領域1を全てカバーする必要から、矢印A方向に垂直な方向については、注入井戸5の間隔は図8の場合より短くする必要がある。
このように、汚染領域1の状況に応じて最適な注入井戸5の配置を決める必要がある。
なお、本実施の形態2においても、矢印Aで示す地下水の流れの下流側にある注入井戸から上流側にある注入井戸に向かう順で栄養源を注入することが好ましい。
なぜなら、地下水の流れの上流から栄養源を注入すれば、栄養源が下流側に流れ、下流側に注入井戸に栄養源を注入する際に、栄養源の炭素濃度の影響を受け、栄養源を汚染領域に均一な炭素濃度になるように拡散しにくい。
なお、上記実施の形態ではソルビトールを主成分とする液体状の栄養源としたが、同様の機能を有する栄養源であれば同様の作用効果が得られる。
また、上記実施の形態では微生物として日本全土に生息するクロストリジウム属を挙げたが、土地によって異なる微生物が生息するため、他の微生物を利用しても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態1または2により、汚染領域全域に亘って浄化が行われるが、図7に示した注入井戸5の近傍Bの浄化が必要となる。近傍Bは、栄養源内の炭素濃度が100ppmより高かったことにより、微生物の活性促進が十分行えなかってことに起因する。
そこで、注入井戸5の近傍Bにおいて微生物の活性を促進するように以下に説明する(1)〜(3)のいずれかの方法を採用し、注入井戸5の近傍Bの汚染物質を浄化する。
(1)さらに希釈した栄養源を注入井戸5から注入することによって、残存汚染領域である近傍Bの微生物の共代謝を促し、汚染物質である有機塩素系化合物を分解処理する。
(2)新たな注入井戸を設けて希釈した栄養源を注入することにより、残存汚染領域である近傍Bの微生物の共代謝を促し、汚染物質である有機塩素系化合物を分解処理する。
(3)隣接する注入井戸から注入圧力を上げて栄養源を注入して残存汚染領域まで拡散させることにより、残存汚染領域である近傍Bの微生物の共代謝を促し、汚染物質である有機塩素系化合物を分解処理する。なお、栄養源の注入圧力を上げるにはポンプ、コンプレッサなどを用いれば良い。
本発明の汚染土壌及び地下水の浄化方法を用いることにより、有機塩素系化合物による汚染領域全てにおいて、微生物を十分活性促進させることができ、汚染領域を原位置で短期間に浄化することができる。
本発明の実施の形態1における汚染土壌及び地下水の浄化方法が対象とする汚染領域を示す模式図 同浄化方法に用いる注入井戸を示す模式図 同浄化方法に用いる注入井戸の注入管に形成する拡散孔を示す正面図 同浄化方法に用いる注入井戸の注入管に形成する拡散孔の形成密度を示した模式図 同浄化方法に用いる注入井戸の注入管に形成する拡散孔の形成位置を説明するための断面模式図 同浄化方法に用いる栄養源の希釈工程を示す模式図 同浄化方法に用いる注入井戸からの栄養源の拡散状況を示す平面模式図 同浄化方法に用いる注入井戸の配置を示す模式図 同浄化方法に用いる注入井戸への栄養源の注入順序を説明するための断面模式図 同浄化方法に用いる注入井戸への栄養源の注入順序を説明するための断面模式図 本発明の実施の形態2における汚染土壌及び地下水の浄化方法に用いる注入井戸の配置を示す模式図
符号の説明
1 汚染領域
2 地表面
3 領域
4 透水層
5、5A、5B、5C 注入井戸
6 穴
7 注入管
7a、7b 拡散孔
8 ポリタンク
9、14、19、20、21、24 開閉弁
10、11、15、16、22、25 ポンプ
12、17 モータ
13 第1攪拌槽
18 第2攪拌槽
23 貯留タンク
26、27 拡散領域

Claims (18)

  1. 鉛直の注入井戸に栄養源を注入し、注入された前記栄養源によって微生物を活性化させ、有機塩素系化合物による汚染部およびその拡散域の前記有機塩素系化合物を分解処理する工法を用いた汚染土壌及び地下水の浄化方法であって、前記栄養源は希釈されて前記注入井戸に注入され、希釈されて前記微生物が摂取し易くなった前記栄養源と前記有機塩素系化合物は前記微生物が共代謝することによって分解処理され、前記注入井戸は複数設けられ、複数の前記注入井戸からの前記栄養源の拡散域が汚染土壌及び地下水の領域を広く覆うとともに、前記栄養源の拡散域の臨界領域で、前記栄養源に含まれる炭素濃度が前記微生物の活性促進条件となる濃度内に抑えられるように、複数の前記注入井戸の配置および前記栄養源の希釈度を定めた汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  2. 前記栄養源は100ppmから5000ppmに希釈されている請求項1記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  3. 前記栄養源がソルビドールを主成分とする請求項1または2記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  4. 前記栄養源の注入方法として、前記栄養源に物理的に圧力を加え、地中に直接注入することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  5. 前記栄養源の注入方法として、前記栄養源に加わる重力を利用する請求項1〜3いずれか一項に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  6. 希釈した前記栄養源を貯留する希釈栄養源貯留槽を、前記注入井戸の注入口より高所に設け、その前記希釈栄養源貯留槽から配管を通じて前記注入井戸の注入口に希釈した前記栄養源を注入する請求項5記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  7. 所望の濃度に希釈した前記栄養源を容器に注入し、前記容器の前記栄養源を前記注入井戸の注入口より高所から注入する請求項4または5記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  8. 前記注入井戸が土壌を筒状に掘った穴と、前記穴と隙間を保ちながら前記穴内に挿入設置された注入管から構成され、前記注入管には回りの土壌の浸入を抑えながら、前記注入管内に注入された前記栄養源の拡散を促す拡散孔が形成されている請求項1〜7いずれか一項に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  9. 前記穴および前記注入管は透水層に達し、前記注入管に形成する前記拡散孔を、少なくとも前記注入管の下部から、前記栄養源の注入により上昇する前記透水層の上面が達する高さまでの範囲で形成する請求項8記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  10. 前記注入管に形成する前記拡散孔の形成密度を下方では疎とする請求項9記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  11. 前記注入管に形成する前記拡散孔を横長形状とした請求項9または10記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  12. 複数設けた前記注入井戸において、前記地下水の流れの下流側にある前記注入井戸から上流側にある前記注入井戸に向かう順で前記栄養源を注入する請求項1〜11のいずれか一項に記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  13. 隣接する前記注入井戸からの前記栄養源の拡散域が、それぞれの周囲で重なるように前記注入井戸を配置する請求項1または12記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  14. 前記栄養源の拡散域の直径を7mから15mとするとともに、隣接する前記注入井戸の間隔を5mから10mとする請求項13記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  15. 地下水の流れによって円形から変形する前記栄養源の拡散域の形状に合わせて前記注入井戸の配置を設定する請求項13記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  16. 請求項1記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法において前記注入井戸の近傍に形成されていた、前記栄養源に含まれる炭素濃度が前記微生物の活性促進条件濃度を超える残存汚染領域に対して、さらに希釈した前記栄養源を前記注入井戸から注入することによって、前記残存汚染領域の前記微生物の共代謝を促し、前記有機塩素系化合物を分解処理する汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  17. 請求項1記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法において前記注入井戸の近傍に形成されていた、前記栄養源に含まれる炭素濃度が前記微生物の活性促進条件濃度を超える残存汚染領域に対して、新たな注入井戸を設けて希釈した前記栄養源を注入することにより、前記残存汚染領域の前記微生物の共代謝を促し、前記有機塩素系化合物を分解処理する汚染土壌及び地下水の浄化方法。
  18. 請求項1記載の汚染土壌及び地下水の浄化方法において前記注入井戸の近傍に形成されていた、前記栄養源に含まれる炭素濃度が前記微生物の活性促進条件濃度を超える残存汚染領域に対して、隣接する注入井戸から注入圧力を上げて栄養源を注入して前記残存汚染領域まで拡散させることにより、前記残存汚染領域において前記栄養源に含まれる炭素濃度が前記微生物の活動条件濃度内に抑えられるようにして前記残存汚染領域の前記微生物の共代謝を促し、前記有機塩素系化合物を分解処理する汚染土壌及び地下水の浄化方法。
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