JP2003088848A - 汚染物質を含んだ土壌の浄化構造と浄化方法 - Google Patents
汚染物質を含んだ土壌の浄化構造と浄化方法Info
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- JP2003088848A JP2003088848A JP2001286386A JP2001286386A JP2003088848A JP 2003088848 A JP2003088848 A JP 2003088848A JP 2001286386 A JP2001286386 A JP 2001286386A JP 2001286386 A JP2001286386 A JP 2001286386A JP 2003088848 A JP2003088848 A JP 2003088848A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複数種類の汚染物質を含む土壌や、透水係数
の低い粘性土であっても汎用性があり、迅速に且つ効率
よく浄化処理ができる汚染土壌を含む浄化構造及び浄化
方法を提供する。 【解決手段】 汚染物質を含む土壌を貯留する土壌貯留
構造体と、土壌中に流体を注入する流体注入手段と、汚
染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、土壌貯留構造体
から土壌を取り出す取り出し手段とを備えた汚染物質の
浄化構造に、汚染物質を含む土壌を土壌貯留構造体に入
れ、流体注入手段を介して土壌中に流体を注入し、汚染
物質捕捉手段近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕
捉手段に捕捉させる。土壌貯留構造体内部には発熱管が
設けられ、発熱管を発熱させて汚染物質捕をガス状にし
て汚染物質を捕捉させる。また、必要に応じて土壌に土
壌改良材を加えても良い。
の低い粘性土であっても汎用性があり、迅速に且つ効率
よく浄化処理ができる汚染土壌を含む浄化構造及び浄化
方法を提供する。 【解決手段】 汚染物質を含む土壌を貯留する土壌貯留
構造体と、土壌中に流体を注入する流体注入手段と、汚
染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、土壌貯留構造体
から土壌を取り出す取り出し手段とを備えた汚染物質の
浄化構造に、汚染物質を含む土壌を土壌貯留構造体に入
れ、流体注入手段を介して土壌中に流体を注入し、汚染
物質捕捉手段近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕
捉手段に捕捉させる。土壌貯留構造体内部には発熱管が
設けられ、発熱管を発熱させて汚染物質捕をガス状にし
て汚染物質を捕捉させる。また、必要に応じて土壌に土
壌改良材を加えても良い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚染物質を含む土
壌を浄化する浄化構造及びこの浄化構造を用いた汚染物
質の浄化方法に関する。
壌を浄化する浄化構造及びこの浄化構造を用いた汚染物
質の浄化方法に関する。
【従来の技術】汚染物質を含んだ土壌の浄化方法として
は、従来から多くの出願や提案がなされてきている。例
えば、土壌を機械的に洗浄して汚染物質を除去する方法
は広く使われているが、原位置に溶媒を注入して土壌を
洗浄する方法(ソイルフラッシングと呼ばれる)が提案
されている。ただし、我が国での実績はほとんどない。
は、従来から多くの出願や提案がなされてきている。例
えば、土壌を機械的に洗浄して汚染物質を除去する方法
は広く使われているが、原位置に溶媒を注入して土壌を
洗浄する方法(ソイルフラッシングと呼ばれる)が提案
されている。ただし、我が国での実績はほとんどない。
【0002】掘削した汚染物質を含んだ土壌に対して、
風力乾燥、加熱などの処理を施し、汚染物質の除去・回
収を行う方法も使われている。(この方法は、簡便なも
のから、複雑なものまで状況に応じて使われるが、浄化
処理そのものを周辺環境に配慮して行わなくてはならな
い点が特記される。)
風力乾燥、加熱などの処理を施し、汚染物質の除去・回
収を行う方法も使われている。(この方法は、簡便なも
のから、複雑なものまで状況に応じて使われるが、浄化
処理そのものを周辺環境に配慮して行わなくてはならな
い点が特記される。)
【0003】生物分解技術(バイオレメディエーショ
ン)で、汚染した土壌を掘削し、平坦地に薄く広げて鋤
き込むような簡便な手法(ランドファーミングなど)が
オンサイトで行われている。
ン)で、汚染した土壌を掘削し、平坦地に薄く広げて鋤
き込むような簡便な手法(ランドファーミングなど)が
オンサイトで行われている。
【0004】水平井戸について、特許公開平11−16
9836 号公報に、吸水渠を構成する複数の水平井戸
を所定の間隔に設け、かつ水平井戸の不飽和帯における
重力水の吸引力を高めて土壌汚染物による地下水の汚染
を防止する方法(原位置における処理技術)が開示され
ている。
9836 号公報に、吸水渠を構成する複数の水平井戸
を所定の間隔に設け、かつ水平井戸の不飽和帯における
重力水の吸引力を高めて土壌汚染物による地下水の汚染
を防止する方法(原位置における処理技術)が開示され
ている。
【0005】重金属などの浄化技術としては、原位置溶
融・ガラス固化、地下水の揚水による処理、分解(熱分
解、化学分解、生物分解)処理、分離処理(熱脱着法、
土壌洗浄法)、溶融処理、封じ込め処理などが使われ
る。重金属は環境中での移動性が比較的低いために、固
化、不溶化を行って、遮水構造に封じ込める方法が有効
とされてきた。 (しかし、この方法は、長期的な観点
では、汚染物質が存在し続ける。)
融・ガラス固化、地下水の揚水による処理、分解(熱分
解、化学分解、生物分解)処理、分離処理(熱脱着法、
土壌洗浄法)、溶融処理、封じ込め処理などが使われ
る。重金属は環境中での移動性が比較的低いために、固
化、不溶化を行って、遮水構造に封じ込める方法が有効
とされてきた。 (しかし、この方法は、長期的な観点
では、汚染物質が存在し続ける。)
【0006】特許公開2000−102776 号公報
に、セメントと特定種の無機還元剤の特定量との混合物
に熱処理を加えて調製した処理材が、重金属汚染物質を
含んだ土壌の安定処理に有効であるとした技術が開示さ
れている。 (この方法は 封じ込め処理であり、長期的
な観点では、汚染物質が存在し続ける。)
に、セメントと特定種の無機還元剤の特定量との混合物
に熱処理を加えて調製した処理材が、重金属汚染物質を
含んだ土壌の安定処理に有効であるとした技術が開示さ
れている。 (この方法は 封じ込め処理であり、長期的
な観点では、汚染物質が存在し続ける。)
【0007】特許公開2000−51835 号公報
に、重金属で汚染された土壌に水と鉄粉と重金属の移動
を促す薬品を加えて攪拌し、土壌中の重金属を鉄粉に吸
着させた後、この鉄粉を湿式磁選機を用いて土壌から分
離するので、汚染物質の除去が効率的であり、さらに排
水への汚染物質負荷も軽減できる、という技術が開示さ
れている。(この方法は、鉄粉の取扱いが容易でな
い。)
に、重金属で汚染された土壌に水と鉄粉と重金属の移動
を促す薬品を加えて攪拌し、土壌中の重金属を鉄粉に吸
着させた後、この鉄粉を湿式磁選機を用いて土壌から分
離するので、汚染物質の除去が効率的であり、さらに排
水への汚染物質負荷も軽減できる、という技術が開示さ
れている。(この方法は、鉄粉の取扱いが容易でな
い。)
【0008】特許公開平10−71386 号公報に、
汚染された土壌および地下水を浄化するための鉄粉注入
を伴うニューマチック・フラクチャリングによる可溶性
および不溶性重金属および有機ハロゲン化合物の原位置
還元法 が開示されている。(この方法は、鉄粉の取扱
いと大量・均一な浄化が容易でない。簡便でない。)
汚染された土壌および地下水を浄化するための鉄粉注入
を伴うニューマチック・フラクチャリングによる可溶性
および不溶性重金属および有機ハロゲン化合物の原位置
還元法 が開示されている。(この方法は、鉄粉の取扱
いと大量・均一な浄化が容易でない。簡便でない。)
【0009】有機塩素化合物の除去には、土壌ガス(土
壌の間隙にある空気)の真空吸引技術(土壌ガス吸引
法)が一般的に使われている。地下水位より上部の地層
に存在する汚染物質を強制的に吸引除去し汚染物質を含
んだ土壌の浄化を行うものである。具体的には、ボーリ
ングにより土壌中に吸引井戸を設置し、真空ポンプで、
その吸引井戸を減圧し気化した汚染物質を地上に導き、
地上に設けられたプラントで活性炭などで吸着除去す
る。 汚染が帯水層まで及んでいる場合には、吸引井戸
内部に水中ポンプを設置し、地下水の揚水も行う二重吸
引法を用いる。比較的浅い地下水位の地盤には、土壌ガ
スと地下水汚染の両方を一緒に吸引する方法も利用され
る。多数の補助工法が開発されており、吸引井戸に水平
井戸を用いる方法や、飽和帯に空気を注入して地下水か
らの揮発を促進するエアスパージング法などがある。
(この方法は、地上設備が大規模になる。汚染物質が限
定される。)
壌の間隙にある空気)の真空吸引技術(土壌ガス吸引
法)が一般的に使われている。地下水位より上部の地層
に存在する汚染物質を強制的に吸引除去し汚染物質を含
んだ土壌の浄化を行うものである。具体的には、ボーリ
ングにより土壌中に吸引井戸を設置し、真空ポンプで、
その吸引井戸を減圧し気化した汚染物質を地上に導き、
地上に設けられたプラントで活性炭などで吸着除去す
る。 汚染が帯水層まで及んでいる場合には、吸引井戸
内部に水中ポンプを設置し、地下水の揚水も行う二重吸
引法を用いる。比較的浅い地下水位の地盤には、土壌ガ
スと地下水汚染の両方を一緒に吸引する方法も利用され
る。多数の補助工法が開発されており、吸引井戸に水平
井戸を用いる方法や、飽和帯に空気を注入して地下水か
らの揮発を促進するエアスパージング法などがある。
(この方法は、地上設備が大規模になる。汚染物質が限
定される。)
【0010】特開平11−156351 号公報に、帯
水層より大きい透水性を容易に得ることが可能である、
金属系還元剤又は吸着物質を含む円柱を地中に列状配置
してなる地下連続の地下水浄化壁、及び地下水の汚染領
域に金属系還元剤を注入する注入工程又は地下水の汚染
領域に位置する土壌と金属系還元剤又は吸着物質とを攪
拌混合する攪拌混合工程を含む浄化方法が開示されてい
る。(この方法は、施工そのものが大掛りになものにな
る。汚染物質が限定される。)
水層より大きい透水性を容易に得ることが可能である、
金属系還元剤又は吸着物質を含む円柱を地中に列状配置
してなる地下連続の地下水浄化壁、及び地下水の汚染領
域に金属系還元剤を注入する注入工程又は地下水の汚染
領域に位置する土壌と金属系還元剤又は吸着物質とを攪
拌混合する攪拌混合工程を含む浄化方法が開示されてい
る。(この方法は、施工そのものが大掛りになものにな
る。汚染物質が限定される。)
【0011】生物分解技術(バイオレメディエーショ
ン)もベンゼンなどの炭化水素系の汚染には用いられて
いる。特にベンゼンなどの軽質油は分解が容易なことか
ら、汚染した土壌を掘削し、平坦地に薄く広げて鋤き込
むような簡便な方法(ランドファーミングなど)が実用
されている。また、最近ではトリクロロエチレンなどの
揮発性有機塩素化合物を効率よく分解する微生物も見つ
かっており、実用化に向けて検討されている。(この方
法は、汚染物質が限定される。)
ン)もベンゼンなどの炭化水素系の汚染には用いられて
いる。特にベンゼンなどの軽質油は分解が容易なことか
ら、汚染した土壌を掘削し、平坦地に薄く広げて鋤き込
むような簡便な方法(ランドファーミングなど)が実用
されている。また、最近ではトリクロロエチレンなどの
揮発性有機塩素化合物を効率よく分解する微生物も見つ
かっており、実用化に向けて検討されている。(この方
法は、汚染物質が限定される。)
【0012】特開平11−77019 号公報に、有機
ハロゲン化合物で汚染された土壌に微生物を添加するこ
とで土壌浄化を図っているものにおいて、土壌のpHを
特定範囲に調整することにより、土壌の種類に影響され
ず常に効率的に土壌浄化を行えるようにする方法が開示
されている。(この方法は、汚染物質が限定される。)
ハロゲン化合物で汚染された土壌に微生物を添加するこ
とで土壌浄化を図っているものにおいて、土壌のpHを
特定範囲に調整することにより、土壌の種類に影響され
ず常に効率的に土壌浄化を行えるようにする方法が開示
されている。(この方法は、汚染物質が限定される。)
【0013】化学分解を利用した方法は、鉄粉を利用し
揮発性有機塩素化合物による汚染地下水を脱塩素する方
法があり、実用されてきている。(この方法は、汚染物
質が限定される。)
揮発性有機塩素化合物による汚染地下水を脱塩素する方
法があり、実用されてきている。(この方法は、汚染物
質が限定される。)
【0014】汚染地下水を揚水し、汚染物質を除去・回
収することにより、地下水および土壌汚染の処理を行う
方法(地下水揚水法)もある。揚水した汚染地下水の処
理方法は、ばっ気処理、活性炭吸着処理および化学分解
が行われるが、ばっ気処理が一般的である。(この方法
は、汚染物質が限定される。)
収することにより、地下水および土壌汚染の処理を行う
方法(地下水揚水法)もある。揚水した汚染地下水の処
理方法は、ばっ気処理、活性炭吸着処理および化学分解
が行われるが、ばっ気処理が一般的である。(この方法
は、汚染物質が限定される。)
【0015】有機塩素化合物を過マンガン酸カリウムで
原位置で酸化する技術もある。(この方法は、汚染物質
が限定される。)
原位置で酸化する技術もある。(この方法は、汚染物質
が限定される。)
【0016】湖沼や河川の底に溜まる有害物質を含むヘ
ドロなどに対しても化学的な無害化を中心に多くの技術
が開発され実用されている。
ドロなどに対しても化学的な無害化を中心に多くの技術
が開発され実用されている。
【0017】
【0018】しかし、従来の汚染物質を浄化する方法で
は、汚染物質の種類によって浄化手段や浄化方法を変え
る必要があるため、複数種の汚染物質を含んだ土壌を浄
化するのが困難である。そのため、複数種類の汚染物質
を含んだ土壌であっても適用することができる汎用的な
浄化手段及び浄化方法が望まれていた。
は、汚染物質の種類によって浄化手段や浄化方法を変え
る必要があるため、複数種の汚染物質を含んだ土壌を浄
化するのが困難である。そのため、複数種類の汚染物質
を含んだ土壌であっても適用することができる汎用的な
浄化手段及び浄化方法が望まれていた。
【0019】また、従来の汚染物質を浄化する方法に
は、浄化設備を必要とするものが多いが、汚染物質を含
む土壌の原位置やその近辺で浄化設備を設置するだけの
場所を確保することは非常に困難である。更に、汚染物
質を含む土壌の原位置やその近辺で浄化処理する場合
は、近隣に対して騒音や悪臭などの問題が生じやすいと
いう問題がある。
は、浄化設備を必要とするものが多いが、汚染物質を含
む土壌の原位置やその近辺で浄化設備を設置するだけの
場所を確保することは非常に困難である。更に、汚染物
質を含む土壌の原位置やその近辺で浄化処理する場合
は、近隣に対して騒音や悪臭などの問題が生じやすいと
いう問題がある。
【0020】また、従来の技術では汚染物質の浄化に時
間がかかっており、迅速で効率的な浄化処理が求められ
ていた。
間がかかっており、迅速で効率的な浄化処理が求められ
ていた。
【0021】また、粘性土といった透水性が悪い土壌な
ど、原位置での浄化が困難な土壌に汚染物質が含まれて
いても、浄化処理できる浄化手段及び浄化方法が望まれ
ていた。
ど、原位置での浄化が困難な土壌に汚染物質が含まれて
いても、浄化処理できる浄化手段及び浄化方法が望まれ
ていた。
【0022】また、上記した従来の方法の中には、土壌
中に汚染物質を封じ込めるものがあるが、この方法では
長期的に見ると汚染物質が土壌中に残ってしまうため、
土壌から汚染物質を浄化できる手段又は方法が望まれて
いる。
中に汚染物質を封じ込めるものがあるが、この方法では
長期的に見ると汚染物質が土壌中に残ってしまうため、
土壌から汚染物質を浄化できる手段又は方法が望まれて
いる。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明に係る汚染物質の浄化構造は、汚染物質を
含む土壌を貯留する土壌貯留構造体と、土壌中に流体を
注入する流体注入手段と、汚染物質を捕捉する汚染物質
捕捉手段と、土壌貯留構造体から土壌を取り出す取り出
し手段とを備えたことを特徴とする。
ため、本発明に係る汚染物質の浄化構造は、汚染物質を
含む土壌を貯留する土壌貯留構造体と、土壌中に流体を
注入する流体注入手段と、汚染物質を捕捉する汚染物質
捕捉手段と、土壌貯留構造体から土壌を取り出す取り出
し手段とを備えたことを特徴とする。
【0024】また、前記取り出し手段が、可動床及び/
又はオーガ(スクリュー)設備であることを特徴とす
る。
又はオーガ(スクリュー)設備であることを特徴とす
る。
【0025】また、前記流体注入手段は、汚染物質を含
んだ土壌中に挿入して土壌中に流体を注入する流体注入
管と、汚染物質を含んだ土壌の上方から流体を散布する
散布手段のいずれか一方又は両方であることを特徴とす
る。
んだ土壌中に挿入して土壌中に流体を注入する流体注入
管と、汚染物質を含んだ土壌の上方から流体を散布する
散布手段のいずれか一方又は両方であることを特徴とす
る。
【0026】また、前記流体注入管及び前記散布手段
は、周面に複数の孔が形成されていることを特徴とす
る。
は、周面に複数の孔が形成されていることを特徴とす
る。
【0027】また、前記汚染物質捕捉手段は、汚染物質
を捕捉する汚染物質捕捉体と、汚染物質捕捉体を移動可
能に収容する汚染物質捕捉管とからなり、汚染物質捕捉
管は周面に複数の孔が形成され、汚染物質捕捉管の端部
は減圧手段と連結されていることを特徴とする。
を捕捉する汚染物質捕捉体と、汚染物質捕捉体を移動可
能に収容する汚染物質捕捉管とからなり、汚染物質捕捉
管は周面に複数の孔が形成され、汚染物質捕捉管の端部
は減圧手段と連結されていることを特徴とする。
【0028】また、前記貯留構造体内部に、発熱管を設
けたことを特徴とする。
けたことを特徴とする。
【0029】また、上記課題を解決するため、本発明に
係る汚染物質の浄化方法は、汚染物質を含む土壌を貯留
する土壌貯留構造体と、土壌中に流体を注入する流体注
入手段と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、土
壌貯留構造体から土壌を取り出す取り出し手段とを備え
た汚染物質の浄化構造に、汚染物質を含む土壌を土壌貯
留構造体に入れ、流体注入手段を介して土壌中に流体を
注入し、汚染物質捕捉手段近傍に移動してきた汚染物質
を汚染物質捕捉手段に捕捉させることを特徴とする。
係る汚染物質の浄化方法は、汚染物質を含む土壌を貯留
する土壌貯留構造体と、土壌中に流体を注入する流体注
入手段と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、土
壌貯留構造体から土壌を取り出す取り出し手段とを備え
た汚染物質の浄化構造に、汚染物質を含む土壌を土壌貯
留構造体に入れ、流体注入手段を介して土壌中に流体を
注入し、汚染物質捕捉手段近傍に移動してきた汚染物質
を汚染物質捕捉手段に捕捉させることを特徴とする。
【0030】また、前記取り出し手段は、可動床やオー
ガ(スクリュー)設備であり、取り出し手段で土壌貯留
構造体から土壌を取り出すことを特徴とする。
ガ(スクリュー)設備であり、取り出し手段で土壌貯留
構造体から土壌を取り出すことを特徴とする。
【0031】また、前記流体注入手段は、周面に複数の
孔を形成した流体注入管であり、該流体注入管の一部又
は全部を前記汚染物質を含む土壌中に挿入し、流体注入
管を介して土壌中に流体を注入することを特徴とする。
孔を形成した流体注入管であり、該流体注入管の一部又
は全部を前記汚染物質を含む土壌中に挿入し、流体注入
管を介して土壌中に流体を注入することを特徴とする。
【0032】また、前記流体注入手段は、周面に複数の
孔を形成した散布手段であり、散布手段は、土壌の上方
から流体を散布して土壌中に流体を注入することを特徴
とする。
孔を形成した散布手段であり、散布手段は、土壌の上方
から流体を散布して土壌中に流体を注入することを特徴
とする。
【0033】また、前記汚染物質捕捉手段は、汚染物質
を捕捉する汚染物質捕捉体と、汚染物質捕捉体を移動可
能に収容する汚染物質捕捉管とからなり、汚染物質捕捉
管は周面に複数の孔が形成され、汚染物質捕捉管の端部
は減圧手段と連結されていることを特徴とする。
を捕捉する汚染物質捕捉体と、汚染物質捕捉体を移動可
能に収容する汚染物質捕捉管とからなり、汚染物質捕捉
管は周面に複数の孔が形成され、汚染物質捕捉管の端部
は減圧手段と連結されていることを特徴とする。
【0034】また、前記汚染物質捕捉管を減圧して汚染
物質を捕捉することを特徴とする。
物質を捕捉することを特徴とする。
【0035】また、前記土壌貯留構造体内部に発熱管を
設け、該発熱管を発熱させて汚染物質捕捉手段近傍に移
動してきた汚染物質を汚染物質捕捉手段に捕捉させるこ
とを特徴とする。
設け、該発熱管を発熱させて汚染物質捕捉手段近傍に移
動してきた汚染物質を汚染物質捕捉手段に捕捉させるこ
とを特徴とする。
【0036】また、前記汚染物質を含んだ土壌の一部又
は全部に土壌改良材を加えて土壌を透水係数の大きい団
粒構造にしたことを特徴とする。
は全部に土壌改良材を加えて土壌を透水係数の大きい団
粒構造にしたことを特徴とする。
【0037】また、土壌改良材が消石灰又は生石灰であ
ることを特徴とする。
ることを特徴とする。
【0038】また、土壌改良材がセメントであることを
特徴とする。
特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明に係る汚染物質の浄化構造
及び浄化方法について、図を参照にしながら説明する。
図1は、本発明に係る汚染物質を含む土壌の浄化構造の
一実施例を示した説明図である。本発明に係る汚染物質
の浄化構造は、汚染物質を含む土壌を貯留する土壌貯留
構造体2と、土壌中に流体を注入する流体注入手段4
と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段18と、土壌
貯留構造体2から土壌を取り出す取り出し手段32とを
備えたことを特徴とする。
及び浄化方法について、図を参照にしながら説明する。
図1は、本発明に係る汚染物質を含む土壌の浄化構造の
一実施例を示した説明図である。本発明に係る汚染物質
の浄化構造は、汚染物質を含む土壌を貯留する土壌貯留
構造体2と、土壌中に流体を注入する流体注入手段4
と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段18と、土壌
貯留構造体2から土壌を取り出す取り出し手段32とを
備えたことを特徴とする。
【0040】ここで、汚染物質を含むとは、土壌粒子や
廃棄物に汚染物質が付着している場合、土壌粒子や廃棄
物の隙間に存在する水分が汚染物質で汚染されている場
合、地下水が汚染物質で汚染されている場合、土壌粒子
や廃棄物の隙間に汚染物質がそのまま存在する場合等、
土壌中に汚染物質が何等かの形で存在している場合をい
う。
廃棄物に汚染物質が付着している場合、土壌粒子や廃棄
物の隙間に存在する水分が汚染物質で汚染されている場
合、地下水が汚染物質で汚染されている場合、土壌粒子
や廃棄物の隙間に汚染物質がそのまま存在する場合等、
土壌中に汚染物質が何等かの形で存在している場合をい
う。
【0041】本発明に係る土壌貯留構造体2は、土壌を
貯留することができる構造物であれば良く、例えば貯留
槽や地面掘削された穴であっても良い。この土壌貯留構
造体2の周面は、土留め壁やコンクリート壁などの遮断
壁が設けられている。また、この土壌貯留構造体2に
は、土壌を充填するための投入手段50が設けられてい
ても良い。図1中には投入手段50として、ベルトコン
ベヤーが示されているが、クレーンなどを設置しても良
いし、ダンプカーなどの運搬車から直接土壌を貯留槽に
投入することができる様になっていても良い。
貯留することができる構造物であれば良く、例えば貯留
槽や地面掘削された穴であっても良い。この土壌貯留構
造体2の周面は、土留め壁やコンクリート壁などの遮断
壁が設けられている。また、この土壌貯留構造体2に
は、土壌を充填するための投入手段50が設けられてい
ても良い。図1中には投入手段50として、ベルトコン
ベヤーが示されているが、クレーンなどを設置しても良
いし、ダンプカーなどの運搬車から直接土壌を貯留槽に
投入することができる様になっていても良い。
【0042】また、この土壌貯留構造体2には取り出し
手段32が設けられている。この取り出し手段32は、
土壌貯留構造体2から土壌を取り出すことができればど
のような手段や構造であっても良い。土壌貯留構造体2
の底部を可動床にすれば、床を移動させるだけで土壌貯
留構造体2に充填された土壌を移動させることができ
る。この他にもオーガ(スクリュー)設備なども使用で
きる。
手段32が設けられている。この取り出し手段32は、
土壌貯留構造体2から土壌を取り出すことができればど
のような手段や構造であっても良い。土壌貯留構造体2
の底部を可動床にすれば、床を移動させるだけで土壌貯
留構造体2に充填された土壌を移動させることができ
る。この他にもオーガ(スクリュー)設備なども使用で
きる。
【0043】次に、本発明に係る流体注入手段4につい
て、図を参照にしながら説明する。本発明に係る流体注
入手段4は、土壌中に挿入して土壌中に流体を注入する
流体注入管6と、土壌の上方から流体を散布する散布手
段14が好ましいが、この他にも土壌中に流体又は気体
を注入できるものであれば使用することができる。流体
注入手段4を設置する際は、土壌中に均一に流体が注入
されるよう、流体注入手段4の設置位置・角度を適宜設
定する必要がある。
て、図を参照にしながら説明する。本発明に係る流体注
入手段4は、土壌中に挿入して土壌中に流体を注入する
流体注入管6と、土壌の上方から流体を散布する散布手
段14が好ましいが、この他にも土壌中に流体又は気体
を注入できるものであれば使用することができる。流体
注入手段4を設置する際は、土壌中に均一に流体が注入
されるよう、流体注入手段4の設置位置・角度を適宜設
定する必要がある。
【0044】図2及び図3は本発明に係る流体注入管6
を示した説明図である。図2は土壌に対して鉛直方向に
挿入する場合に適している流体注入管6であり、図3は
土壌に対して水平方向に設置する場合に適している流体
注入管6を示している。この流体注入管6には、周面に
複数の孔12が形成されているが、土壌に対して水平方
向に挿入する流体注入管6の場合は、図3の様に一方の
側のみに孔12が形成されたものが良い。また、流体注
入管6の材料は、ステンレスが望ましいが、その他の材
料も使用可能である。
を示した説明図である。図2は土壌に対して鉛直方向に
挿入する場合に適している流体注入管6であり、図3は
土壌に対して水平方向に設置する場合に適している流体
注入管6を示している。この流体注入管6には、周面に
複数の孔12が形成されているが、土壌に対して水平方
向に挿入する流体注入管6の場合は、図3の様に一方の
側のみに孔12が形成されたものが良い。また、流体注
入管6の材料は、ステンレスが望ましいが、その他の材
料も使用可能である。
【0045】また、この流体注入管6の周縁部は、連結
手段を有しており、他の流体注入管6又は他の管と連結
させることができる。この連結手段としては、ネジ連結
が好ましいが、嵌合部材を設けても良いし、他の連結具
を用いても良い。
手段を有しており、他の流体注入管6又は他の管と連結
させることができる。この連結手段としては、ネジ連結
が好ましいが、嵌合部材を設けても良いし、他の連結具
を用いても良い。
【0046】土壌に対して鉛直方向に挿入する流体注入
管6は、土壌に挿入する挿入部の先端を尖形にし、挿入
しやすくしても良い。
管6は、土壌に挿入する挿入部の先端を尖形にし、挿入
しやすくしても良い。
【0047】また、流体注入手段4としては図4に示さ
れたように、適当な間隔を設けた流体注入管6を枝状管
10で連結してユニット8を形成し、このユニット8を
使用するのも良い。このユニット8で使用する流体注入
管6の数は、例えば1m2に9〜16本程度が使用しや
すいが、適宜設定すれば良い。このユニット8は、土壌
に対して鉛直方向・水平方向のどちらの方向に挿入する
場合であっても使用可能である。
れたように、適当な間隔を設けた流体注入管6を枝状管
10で連結してユニット8を形成し、このユニット8を
使用するのも良い。このユニット8で使用する流体注入
管6の数は、例えば1m2に9〜16本程度が使用しや
すいが、適宜設定すれば良い。このユニット8は、土壌
に対して鉛直方向・水平方向のどちらの方向に挿入する
場合であっても使用可能である。
【0048】また、土壌に対して鉛直方向に流体注入管
6を挿入する場合、この流体注入管6に液体又は気体の
逆流散逸防止機構54を設けるのが好ましい。この逆流
散逸防止機構54は、土壌に注入した液体又は気体の逆
流防止と、流体注入管6を土壌に安定して固定させるこ
とができる。
6を挿入する場合、この流体注入管6に液体又は気体の
逆流散逸防止機構54を設けるのが好ましい。この逆流
散逸防止機構54は、土壌に注入した液体又は気体の逆
流防止と、流体注入管6を土壌に安定して固定させるこ
とができる。
【0049】この逆流散逸防止機構54としては、図5
及び図6に示された略筒状鍔型や、図7及び図8に示さ
れたマット状のものが使用しやすい。逆流散逸防止機構
54は、流体注入管6と一体形成されていても良いし、
着脱可能であっても良い。略筒状鍔型の逆流散逸防止機
構54の材料は、ステンレス又は鋼などの金属が適して
いる。また、マット状の逆流散逸防止機構54の材料
は、ゴムや樹脂などのが材料として適している。
及び図6に示された略筒状鍔型や、図7及び図8に示さ
れたマット状のものが使用しやすい。逆流散逸防止機構
54は、流体注入管6と一体形成されていても良いし、
着脱可能であっても良い。略筒状鍔型の逆流散逸防止機
構54の材料は、ステンレス又は鋼などの金属が適して
いる。また、マット状の逆流散逸防止機構54の材料
は、ゴムや樹脂などのが材料として適している。
【0050】また、この流体注入管6の一部又は全部に
水膨潤性樹脂塗膜を形成しても良い。この水膨潤性樹脂
塗膜は、土壌中の水分、注入する流体、地下水などによ
って、膨潤してゲル化するため、流体注入管6の周辺に
潤滑な層を形成することができる。この潤滑な層は、流
体注入管6の抜き差しが容易になるだけでなく、流体注
入管6の周辺の隙間を塞ぐことができるため、土壌に注
入する流体又は気体の逆流を防止することができる。
水膨潤性樹脂塗膜を形成しても良い。この水膨潤性樹脂
塗膜は、土壌中の水分、注入する流体、地下水などによ
って、膨潤してゲル化するため、流体注入管6の周辺に
潤滑な層を形成することができる。この潤滑な層は、流
体注入管6の抜き差しが容易になるだけでなく、流体注
入管6の周辺の隙間を塞ぐことができるため、土壌に注
入する流体又は気体の逆流を防止することができる。
【0051】この水膨潤性樹脂塗膜としては、アクリル
系バインダー樹脂、ポリアクリル酸系吸水性樹脂、有機
溶媒の混合物のいずれかを使用することが好ましいが、
これ以外にも適宜設定して使用すれば良い。
系バインダー樹脂、ポリアクリル酸系吸水性樹脂、有機
溶媒の混合物のいずれかを使用することが好ましいが、
これ以外にも適宜設定して使用すれば良い。
【0052】また、流体注入手段4として、上方から流
体を散布する散布手段14を用いるのも可能である。こ
の散布手段14は、一般に使用されているスプリンクラ
ーなどを使用することができる。
体を散布する散布手段14を用いるのも可能である。こ
の散布手段14は、一般に使用されているスプリンクラ
ーなどを使用することができる。
【0053】この流体注入手段4又は前記ユニット8の
枝状管10の端部は、圧縮手段14に連結されている。
この圧縮手段14は、流体注入手段4に流体又は気体を
圧送するもので、コンプレッサや一般的なポンプなどを
使用することができる。
枝状管10の端部は、圧縮手段14に連結されている。
この圧縮手段14は、流体注入手段4に流体又は気体を
圧送するもので、コンプレッサや一般的なポンプなどを
使用することができる。
【0054】次に本発明に係る汚染物質捕捉手段18に
ついて、図を参照にしながら説明する。図9は汚染物質
捕捉手段18の一実施の形態を示した説明図である。本
発明に係る汚染物質捕捉手段18は、汚染物質を捕捉す
る汚染物質捕捉体24と、汚染物質捕捉体24を移動可
能に収容する汚染物質捕捉管20とからなる。また、汚
染物質捕捉体24は、透水性を有する包囲体26と、包
囲体26中に充填されている汚染物質捕捉材30とから
なる。
ついて、図を参照にしながら説明する。図9は汚染物質
捕捉手段18の一実施の形態を示した説明図である。本
発明に係る汚染物質捕捉手段18は、汚染物質を捕捉す
る汚染物質捕捉体24と、汚染物質捕捉体24を移動可
能に収容する汚染物質捕捉管20とからなる。また、汚
染物質捕捉体24は、透水性を有する包囲体26と、包
囲体26中に充填されている汚染物質捕捉材30とから
なる。
【0055】ここで、図10は汚染物質捕捉管20の一
実施の形態を示した説明図である。汚染物質捕捉管20
は筒状体であればよいが、断面略円形の筒状体が好まし
い。また、前記汚染物質捕捉管20には孔22が形成さ
れているが、この孔22は水などの流体を通すことがで
きればどのような形状でもよく、例えば、円形、楕円
形、スリット状、その他の形状にすることができる。ま
た、前記汚染物質捕捉管20は透水性の外層材により被
覆されていてもよく、外層材は不織布と中空チューブの
複合体により形成されていてもよい。
実施の形態を示した説明図である。汚染物質捕捉管20
は筒状体であればよいが、断面略円形の筒状体が好まし
い。また、前記汚染物質捕捉管20には孔22が形成さ
れているが、この孔22は水などの流体を通すことがで
きればどのような形状でもよく、例えば、円形、楕円
形、スリット状、その他の形状にすることができる。ま
た、前記汚染物質捕捉管20は透水性の外層材により被
覆されていてもよく、外層材は不織布と中空チューブの
複合体により形成されていてもよい。
【0056】また、汚染物質捕捉材30としては活性炭
(汚染物質を吸着する力を有する炭を含む)やゼオライ
トを主成分とするものを使用することができる。活性炭
は、狭義の活性炭だけでなく、燃料用の炭、建設用廃材
など木質系廃棄物を炭化して形成した炭、その他、汚染
物質を吸着する作用を有する炭であれば使用することが
できる。本発明では、液相からの吸着と気相からの吸着
の両方があるので、それぞれに応じた特性のものを選択
する。また、異なる性能の汚染物質捕捉材30を組み合
わせて、複数種の汚染物質を同時に浄化しても良い。
(汚染物質を吸着する力を有する炭を含む)やゼオライ
トを主成分とするものを使用することができる。活性炭
は、狭義の活性炭だけでなく、燃料用の炭、建設用廃材
など木質系廃棄物を炭化して形成した炭、その他、汚染
物質を吸着する作用を有する炭であれば使用することが
できる。本発明では、液相からの吸着と気相からの吸着
の両方があるので、それぞれに応じた特性のものを選択
する。また、異なる性能の汚染物質捕捉材30を組み合
わせて、複数種の汚染物質を同時に浄化しても良い。
【0057】透水性を有する包囲体26としては、透水
性を有する布状の材料で必要に応じて芯材をいれた袋状
に形成したもの、弾性を有するひご状の材料でカゴ状に
編んで形成したもの、硬質のケースの側面等に多数の孔
を形成したものを挙げることができるが、一定量の汚染
物質捕捉材30を保持し、汚染物質捕捉管20中を移動
させることができるものであればこれら以外のものであ
ってもよい。
性を有する布状の材料で必要に応じて芯材をいれた袋状
に形成したもの、弾性を有するひご状の材料でカゴ状に
編んで形成したもの、硬質のケースの側面等に多数の孔
を形成したものを挙げることができるが、一定量の汚染
物質捕捉材30を保持し、汚染物質捕捉管20中を移動
させることができるものであればこれら以外のものであ
ってもよい。
【0058】個々の汚染物質捕捉体24は、連結手段2
8で連結されており、汚染物質捕捉管20内を移動可能
に収容されているため、回収することが可能である。ま
た、汚染物質捕捉体24を設置して汚染物質を捕捉し、
汚染物質捕捉体24を回収して、新たに汚染物質捕捉体
24を設置する作業を連続的に行えば、継続的に汚染物
質を捕捉することができ、浄化処理を短縮することがで
きる。
8で連結されており、汚染物質捕捉管20内を移動可能
に収容されているため、回収することが可能である。ま
た、汚染物質捕捉体24を設置して汚染物質を捕捉し、
汚染物質捕捉体24を回収して、新たに汚染物質捕捉体
24を設置する作業を連続的に行えば、継続的に汚染物
質を捕捉することができ、浄化処理を短縮することがで
きる。
【0059】連結手段28としては、ワイヤーや丈夫な
ロープを使用することができる。必要に応じてフックを
設け、汚染物質捕捉体24を引っ掛ける構造にすれば、
汚染物質捕捉体24の回収及び設置の作業が容易にな
り、浄化処理を効率的にできる。
ロープを使用することができる。必要に応じてフックを
設け、汚染物質捕捉体24を引っ掛ける構造にすれば、
汚染物質捕捉体24の回収及び設置の作業が容易にな
り、浄化処理を効率的にできる。
【0060】汚染物質捕捉管20は、汚染物質回収機構
46と連結されており、ここで汚染物質捕捉体24の回
収、新たな汚染物質捕捉体24の設置、汚染物質捕捉体
24が捕捉した汚染物質の回収が行われる。また、汚染
物質捕捉管20は減圧手段48とも連結されている。減
圧手段48は、ファンやブロワ、コンプレッサなど、汚
染物質捕捉手段18を真空吸引できるものが好ましい。
46と連結されており、ここで汚染物質捕捉体24の回
収、新たな汚染物質捕捉体24の設置、汚染物質捕捉体
24が捕捉した汚染物質の回収が行われる。また、汚染
物質捕捉管20は減圧手段48とも連結されている。減
圧手段48は、ファンやブロワ、コンプレッサなど、汚
染物質捕捉手段18を真空吸引できるものが好ましい。
【0061】次に、本発明に係る土壌貯留構造体2に
は、発熱管34が設けられていても良い。図11は本発
明に係る発熱管34を設置した場合の説明図であり、図
12は、発熱管34の一実施の形態を示した説明図であ
る。発熱管34は、ケーシング管36と発熱体38とか
らなる。発熱体38としては、例えば電熱線40や抵抗
発熱体に電流を流して発熱させるもの(必要に応じて配
管中に装入して使用)、耐熱配管に高沸点媒体44を流
して発熱させるもの等を使用することができるが、熱を
発生できるものであれば、これら以外のものでもよい。
高沸点媒体44としてはジエチレングリコールやグリセ
リンを使用することができる。
は、発熱管34が設けられていても良い。図11は本発
明に係る発熱管34を設置した場合の説明図であり、図
12は、発熱管34の一実施の形態を示した説明図であ
る。発熱管34は、ケーシング管36と発熱体38とか
らなる。発熱体38としては、例えば電熱線40や抵抗
発熱体に電流を流して発熱させるもの(必要に応じて配
管中に装入して使用)、耐熱配管に高沸点媒体44を流
して発熱させるもの等を使用することができるが、熱を
発生できるものであれば、これら以外のものでもよい。
高沸点媒体44としてはジエチレングリコールやグリセ
リンを使用することができる。
【0062】次に、本発明に係る汚染物質を含んだ土壌
の浄化方法について説明する。本発明に係る汚染物質を
含んだ土壌の浄化方法は、汚染物質を含む土壌を貯留す
る土壌貯留構造体2と、土壌中に流体を注入する流体注
入手段4と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段18
と、土壌貯留構造体2から土壌を取り出す取り出し手段
32とを備えた汚染物質の浄化構造に、汚染物質を含む
土壌を土壌貯留構造体2に入れ、流体注入手段4を介し
て土壌中に流体を注入し、汚染物質捕捉手段18近傍に
移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉手段18に捕捉さ
せることを特徴とする。
の浄化方法について説明する。本発明に係る汚染物質を
含んだ土壌の浄化方法は、汚染物質を含む土壌を貯留す
る土壌貯留構造体2と、土壌中に流体を注入する流体注
入手段4と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段18
と、土壌貯留構造体2から土壌を取り出す取り出し手段
32とを備えた汚染物質の浄化構造に、汚染物質を含む
土壌を土壌貯留構造体2に入れ、流体注入手段4を介し
て土壌中に流体を注入し、汚染物質捕捉手段18近傍に
移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉手段18に捕捉さ
せることを特徴とする。
【0063】流体注入手段4は、前記したとおり流体注
入管6、散布手段14のいずれか一方又は両方を使用し
て、土壌に流体を注入する。また、流体注入管6は、土
壌に対して鉛直方向又は水平方向に挿入して使用しても
良いが、鉛直方向及び水平方向にそれぞれ挿入しても良
い。また、前記したユニット8を使用しても良い。
入管6、散布手段14のいずれか一方又は両方を使用し
て、土壌に流体を注入する。また、流体注入管6は、土
壌に対して鉛直方向又は水平方向に挿入して使用しても
良いが、鉛直方向及び水平方向にそれぞれ挿入しても良
い。また、前記したユニット8を使用しても良い。
【0064】ここで、土壌に注入される流体として、通
常は水を使用するが、酸性の液体を使用しても良い。土
壌に含まれている汚染物質が、例えばヒ素、カドミウ
ム、銅といった重金属と比べて土壌中を移動しやすいも
のであった場合、水で土壌の浄化が可能である。しか
し、重金属は土粒子と吸着しているため、水での浄化は
困難である。そこで、重金属は一般的に、水酸化物、イ
オン、塩類分子の形で水溶液中に存在し、pHが低いほ
ど塩類分子の形で残りやすい性質を利用し、土壌に酸性
の液体を注入して、土粒子に付着していた重金属等を剥
離させて浄化しようとするものである。この酸性の液体
は、塩酸、硫酸、酢酸、硼酸、シュウ酸、炭酸水などを
1種又は複数種使用することができるが、種々の条件を
考慮して適宜設定すれば良い。なお、使用する酸によっ
ては浄化処理終了後、土壌中に酸成分が残留することを
防ぐため、水や弱アルカリ液で土壌を洗浄することも可
能である。
常は水を使用するが、酸性の液体を使用しても良い。土
壌に含まれている汚染物質が、例えばヒ素、カドミウ
ム、銅といった重金属と比べて土壌中を移動しやすいも
のであった場合、水で土壌の浄化が可能である。しか
し、重金属は土粒子と吸着しているため、水での浄化は
困難である。そこで、重金属は一般的に、水酸化物、イ
オン、塩類分子の形で水溶液中に存在し、pHが低いほ
ど塩類分子の形で残りやすい性質を利用し、土壌に酸性
の液体を注入して、土粒子に付着していた重金属等を剥
離させて浄化しようとするものである。この酸性の液体
は、塩酸、硫酸、酢酸、硼酸、シュウ酸、炭酸水などを
1種又は複数種使用することができるが、種々の条件を
考慮して適宜設定すれば良い。なお、使用する酸によっ
ては浄化処理終了後、土壌中に酸成分が残留することを
防ぐため、水や弱アルカリ液で土壌を洗浄することも可
能である。
【0065】また、酸性の液体を注入して汚染物質を含
む土壌のpHを3〜6程度にして浄化処理を行うのが好
ましい。これは、汚染物質がCdやZnといった重金属
が、土壌中の水素イオン濃度が高くなるにつれ、ゆるい
結合状態が土壌中の他の物質とともに離脱して活性化
し、液体側に移動する特性、土壌pHが4〜5.5の範
囲では、良好に液体側に移動する特性、HgやPbなど
も、酸性の土壌中では液体側に移動する特性を利用し
て、土壌に含まれる重金属を効率的に浄化しようとする
ものである。
む土壌のpHを3〜6程度にして浄化処理を行うのが好
ましい。これは、汚染物質がCdやZnといった重金属
が、土壌中の水素イオン濃度が高くなるにつれ、ゆるい
結合状態が土壌中の他の物質とともに離脱して活性化
し、液体側に移動する特性、土壌pHが4〜5.5の範
囲では、良好に液体側に移動する特性、HgやPbなど
も、酸性の土壌中では液体側に移動する特性を利用し
て、土壌に含まれる重金属を効率的に浄化しようとする
ものである。
【0066】また、流体以外にも土壌中に気体を注入し
ても良い。土壌中に注入される気体については、空気、
ガス、その他の気体などが使用できる。また、酸素を富
化した空気を使用しても良い。土壌中を好気的雰囲気に
することで浄化を促進することができる。また、汚染物
質の化学的状態を変化させることができれば、通常では
浄化しにくい汚染物質を容易に浄化できることが期待で
きる。更に、重金属以外で微生物による分解が可能な汚
染物質を除去するのであれば、土壌中に微生物を混入
し、酸素を富化させた空気を注入することで、微生物に
よる分解をより活性化させることができる。
ても良い。土壌中に注入される気体については、空気、
ガス、その他の気体などが使用できる。また、酸素を富
化した空気を使用しても良い。土壌中を好気的雰囲気に
することで浄化を促進することができる。また、汚染物
質の化学的状態を変化させることができれば、通常では
浄化しにくい汚染物質を容易に浄化できることが期待で
きる。更に、重金属以外で微生物による分解が可能な汚
染物質を除去するのであれば、土壌中に微生物を混入
し、酸素を富化させた空気を注入することで、微生物に
よる分解をより活性化させることができる。
【0067】また、本発明に係る浄化方法は、土壌貯留
構造体2内部に発熱管34を設け、発熱管34を発熱さ
せて揮発性の汚染物質をガス状にし、汚染物質捕捉手段
18近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉手段1
8に捕捉させることを特徴とする。
構造体2内部に発熱管34を設け、発熱管34を発熱さ
せて揮発性の汚染物質をガス状にし、汚染物質捕捉手段
18近傍に移動してきた汚染物質を汚染物質捕捉手段1
8に捕捉させることを特徴とする。
【0068】揮発性の汚染物質としては、例えば、ジク
ロロエタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジ
クロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-
トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロ
ロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3-ジクロロプロ
ペン、ベンゼンを挙げることができるが、揮発性を有
し、あるいは対流移動し、水を含まない土壌あるいは水
を含む土壌中にあって好ましくないと考えられる物質で
あればこれら以外のものも対象となり得る。
ロロエタン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン、1,1-ジ
クロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、1,1,1-
トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロ
ロエチレン、テトラクロロエチレン、1,3-ジクロロプロ
ペン、ベンゼンを挙げることができるが、揮発性を有
し、あるいは対流移動し、水を含まない土壌あるいは水
を含む土壌中にあって好ましくないと考えられる物質で
あればこれら以外のものも対象となり得る。
【0069】発熱体38の熱によって土壌粒子が加熱さ
れると、揮発性の汚染物質は土壌粒子から離脱し、これ
がガス状の汚染物質となって土壌中に拡散し、土壌粒子
の隙間を上昇し(吸引されている場合は、必ずしも上昇
ばかりではなく、吸引されている方向に移動する。)、
まず、汚染物質捕捉管20に到達する。そして、このガ
ス状の汚染物質は通常は吸引されている汚染物質捕捉管
20の側部の孔から内部に入り、内部の汚染物質捕捉体
24に捕捉される。
れると、揮発性の汚染物質は土壌粒子から離脱し、これ
がガス状の汚染物質となって土壌中に拡散し、土壌粒子
の隙間を上昇し(吸引されている場合は、必ずしも上昇
ばかりではなく、吸引されている方向に移動する。)、
まず、汚染物質捕捉管20に到達する。そして、このガ
ス状の汚染物質は通常は吸引されている汚染物質捕捉管
20の側部の孔から内部に入り、内部の汚染物質捕捉体
24に捕捉される。
【0070】また、必要に応じて、土壌の表面は遮断シ
ートで被覆し、土壌粒子から熱で離脱して生成したガス
状の汚染物質が大気中に逃げないようにしても良い。遮
断シートとしてはゴム製のものが好ましい。この時、地
表近傍に汚染物質捕捉手段18を設けておくと、更に効
率よく土壌の浄化処理ができる。
ートで被覆し、土壌粒子から熱で離脱して生成したガス
状の汚染物質が大気中に逃げないようにしても良い。遮
断シートとしてはゴム製のものが好ましい。この時、地
表近傍に汚染物質捕捉手段18を設けておくと、更に効
率よく土壌の浄化処理ができる。
【0071】また、本発明に係る浄化方法は、汚染物質
を含んだ土壌の一部又は全部に土壌改良材を加えて土壌
を透水係数の大きい団粒構造にしたことを特徴とする。
土壌が透水係数の大きい団粒構造になれば、水や空気の
透過が容易になる。
を含んだ土壌の一部又は全部に土壌改良材を加えて土壌
を透水係数の大きい団粒構造にしたことを特徴とする。
土壌が透水係数の大きい団粒構造になれば、水や空気の
透過が容易になる。
【0072】ここで、土壌改良材としては、石灰(消石
灰又は生石灰)又はセメント(普通ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、中庸熱ポルトランドセメント、高硫
酸塩系セメントなど)を使用することができる。
灰又は生石灰)又はセメント(普通ポルトランドセメン
ト、高炉セメント、中庸熱ポルトランドセメント、高硫
酸塩系セメントなど)を使用することができる。
【0073】土壌改良材の添加量は、物質移動が悪くな
るほど添加しない。できれば、物質が通りやすくなる程
度に粘性土を団粒構造にするのが最良である。物質の通
りやすさの目安として、例えば透水係数で10−5cm
/sec以上が好ましい。そのためには、事前に被改良
粘性土を事前にサンプリングして、最適な添加量を把握
しておくことが望ましい。
るほど添加しない。できれば、物質が通りやすくなる程
度に粘性土を団粒構造にするのが最良である。物質の通
りやすさの目安として、例えば透水係数で10−5cm
/sec以上が好ましい。そのためには、事前に被改良
粘性土を事前にサンプリングして、最適な添加量を把握
しておくことが望ましい。
【0074】土に石灰を添加すると、水の有る雰囲気下
において石灰中のカルシウムイオンが粘土粒子の表面の
イオンと交換して吸着し、土粒子表面の帯電状態が変わ
り(粘土粒子表面の電気二重層は伸展し、粒子間の反発
力が小さくなることにより)、粘土粒子は凝集して種々
の大きさに団粒化する。この作用はアルカリ性の雰囲気
のもとで促進される。団粒化は土壌が物理的に不均質に
なることであり、団粒化の状態によって透水係数などで
表わされる物質の通りやすさが変わるのは、空隙の出来
方が様々であるためである。
において石灰中のカルシウムイオンが粘土粒子の表面の
イオンと交換して吸着し、土粒子表面の帯電状態が変わ
り(粘土粒子表面の電気二重層は伸展し、粒子間の反発
力が小さくなることにより)、粘土粒子は凝集して種々
の大きさに団粒化する。この作用はアルカリ性の雰囲気
のもとで促進される。団粒化は土壌が物理的に不均質に
なることであり、団粒化の状態によって透水係数などで
表わされる物質の通りやすさが変わるのは、空隙の出来
方が様々であるためである。
【0075】上記のイオン交換の後、時間が経つとコロ
イド状シリカやコロイド状アルミナが石灰と反応(ポゾ
ラン反応と呼ばれる)していろいろな化合物を形成し、
次第に固化する。石灰が十分な量存在すれば固化強度は
大きいものになり、強度的な意味での地盤改良が達成さ
れる。
イド状シリカやコロイド状アルミナが石灰と反応(ポゾ
ラン反応と呼ばれる)していろいろな化合物を形成し、
次第に固化する。石灰が十分な量存在すれば固化強度は
大きいものになり、強度的な意味での地盤改良が達成さ
れる。
【0076】石灰としては、生石灰や消石灰(一部にM
gOやMg(OH)2を含有するものもある)が第一に
挙げられるが、ポルトランドセメントの水和反応により
生成する石灰もある。
gOやMg(OH)2を含有するものもある)が第一に
挙げられるが、ポルトランドセメントの水和反応により
生成する石灰もある。
【0077】粘性土の水分が低下し、凝集・団粒化する
ことにより、土粒子間の空隙が多くなり、物質移動が起
こりやすくなる。その結果、汚染物質の捕捉・浄化が容
易にできるようになる。熱の移動なども起こりやすくな
り、揮発性有機汚染物質(VOC)の除去に有効であ
る。
ことにより、土粒子間の空隙が多くなり、物質移動が起
こりやすくなる。その結果、汚染物質の捕捉・浄化が容
易にできるようになる。熱の移動なども起こりやすくな
り、揮発性有機汚染物質(VOC)の除去に有効であ
る。
【0078】含水比(含水率)が大きい粘性土の場合、
生石灰を改良材に使って、石灰の消化反応で土(粘性
土)中の水分を固定(固体に取り込む)して土の凝集・
団粒化に寄与させてもよい。
生石灰を改良材に使って、石灰の消化反応で土(粘性
土)中の水分を固定(固体に取り込む)して土の凝集・
団粒化に寄与させてもよい。
【0079】同じように、高硫酸塩系セメントを改良材
に使い、エトリンジャイト(3CaO・Al2O3・3
CaSO4・32H2O)の生成反応で土(粘性土)中
の水分を固定(固体に取り込む)させることにより凝集
・団粒化に寄与させてもよい。反応性の高いアルミナを
含む粘性土では、石灰と石こうを添加することで容易に
エトリンジャイトを生成する。
に使い、エトリンジャイト(3CaO・Al2O3・3
CaSO4・32H2O)の生成反応で土(粘性土)中
の水分を固定(固体に取り込む)させることにより凝集
・団粒化に寄与させてもよい。反応性の高いアルミナを
含む粘性土では、石灰と石こうを添加することで容易に
エトリンジャイトを生成する。
【0080】セメントによる土壌の団粒構造化は、主に
セメント水和物が土壌粒子のバインダーとしての役割を
果たすことで生起する。
セメント水和物が土壌粒子のバインダーとしての役割を
果たすことで生起する。
【0081】土壌改良材の粘性土壌中への「添加量」
と、その結果改良された土壌の「水の移動性能」は、添
加量が増えると粘性土の凝集・団粒化が進み、粗い空隙
(空気や隙間水がある部分)が増える結果、汚染物質
(存在状態は液相中、気相中の両方とも)などの移動性
が大きくなる。ただし、更に改良材の添加量を増やす
と、粘性土がソイルセメントとして硬化するようにな
り、水和生成物により空隙が塞がる傾向になり、汚染物
質などの移動性は低下する。
と、その結果改良された土壌の「水の移動性能」は、添
加量が増えると粘性土の凝集・団粒化が進み、粗い空隙
(空気や隙間水がある部分)が増える結果、汚染物質
(存在状態は液相中、気相中の両方とも)などの移動性
が大きくなる。ただし、更に改良材の添加量を増やす
と、粘性土がソイルセメントとして硬化するようにな
り、水和生成物により空隙が塞がる傾向になり、汚染物
質などの移動性は低下する。
【0082】添加量の例は、粘性土の重量に対して、消
石灰では2〜15%、生石灰では1〜10%、セメント
では数%が目安であるが、前述したように、土(粘性
土)の含水比や構成鉱物(粘土の種類)によって改良効
果は大きく変化するので、最適添加量は試験により事前
に決定しておくことが望ましい。
石灰では2〜15%、生石灰では1〜10%、セメント
では数%が目安であるが、前述したように、土(粘性
土)の含水比や構成鉱物(粘土の種類)によって改良効
果は大きく変化するので、最適添加量は試験により事前
に決定しておくことが望ましい。
【0083】本発明に係る浄化方法を行う際は、土壌貯
留構造体2に土壌を充填する前に、土壌に含まれる汚染
物質の種類及び量を調べ、流体又は気体の注入量や発熱
体38の温度や供給する熱量などの調節といった種々の
条件を、汚染物質が効率よく浄化できる最適の条件に設
定する必要がある。
留構造体2に土壌を充填する前に、土壌に含まれる汚染
物質の種類及び量を調べ、流体又は気体の注入量や発熱
体38の温度や供給する熱量などの調節といった種々の
条件を、汚染物質が効率よく浄化できる最適の条件に設
定する必要がある。
【0084】また、汚染物質を捕捉した汚染物質捕捉体
24は、捕捉した汚染物質を離脱させるか、賦活再生す
るか、そのまま適切な焼却処理するなど、実状に合わせ
て処理を行なう。
24は、捕捉した汚染物質を離脱させるか、賦活再生す
るか、そのまま適切な焼却処理するなど、実状に合わせ
て処理を行なう。
【0085】浄化処理された土壌は、土壌貯留構造体2
から取り出されて、一時的に保管され、元の場所に埋め
戻されるか、他の場所に搬送される。この時、再び汚染
物質を含まないように、薬品や微生物などを土壌に混
合、撹拌してから埋め戻しても良い。
から取り出されて、一時的に保管され、元の場所に埋め
戻されるか、他の場所に搬送される。この時、再び汚染
物質を含まないように、薬品や微生物などを土壌に混
合、撹拌してから埋め戻しても良い。
【0086】
【発明の効果】本発明は、汚染物質を含む土壌を貯留す
る土壌貯留構造体と、土壌中に流体を注入する流体注入
手段と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、土壌
貯留構造体から土壌を取り出す取り出し手段とを備えた
汚染物質の浄化構造に、汚染物質を含む土壌を土壌貯留
構造体に入れ、流体注入手段を介して土壌中に流体を注
入し、汚染物質捕捉手段近傍に移動してきた汚染物質を
汚染物質捕捉手段に捕捉させるため、効率よく汚染物質
を捕捉することができる。
る土壌貯留構造体と、土壌中に流体を注入する流体注入
手段と、汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、土壌
貯留構造体から土壌を取り出す取り出し手段とを備えた
汚染物質の浄化構造に、汚染物質を含む土壌を土壌貯留
構造体に入れ、流体注入手段を介して土壌中に流体を注
入し、汚染物質捕捉手段近傍に移動してきた汚染物質を
汚染物質捕捉手段に捕捉させるため、効率よく汚染物質
を捕捉することができる。
【0087】また、流体注入手段を介して土壌に酸性の
流体を注入するため、土壌中の土粒子に吸着している重
金属を剥離させることができ、重金属を含む土壌でも浄
化処理を行うことができる。また、酸性の流体を注入し
て土壌のpHを3〜6程度にするため、重金属が移動し
やすい状態にすることができ、効率よく浄化処理でき
る。
流体を注入するため、土壌中の土粒子に吸着している重
金属を剥離させることができ、重金属を含む土壌でも浄
化処理を行うことができる。また、酸性の流体を注入し
て土壌のpHを3〜6程度にするため、重金属が移動し
やすい状態にすることができ、効率よく浄化処理でき
る。
【0088】また、土壌貯留構造体に発熱管が設けられ
ているので、揮発性汚染物質を含む土壌であっても、発
熱管を発熱させて揮発性汚染物質をガス状にして捕捉又
は分離・分解することができる。
ているので、揮発性汚染物質を含む土壌であっても、発
熱管を発熱させて揮発性汚染物質をガス状にして捕捉又
は分離・分解することができる。
【0089】また、土壌に土壌改良材を加えて土壌を透
水係数の大きい団粒構造にするため、透水係数の低い粘
性土に汚染物質が含まれていても、本発明に係る浄化構
造及び浄化方法によって浄化処理することができる。
水係数の大きい団粒構造にするため、透水係数の低い粘
性土に汚染物質が含まれていても、本発明に係る浄化構
造及び浄化方法によって浄化処理することができる。
【0090】よって、本発明に係る浄化構造及び浄化方
法によれば、土壌に含まれる汚染物質の種類や土質に関
係なく浄化処理を行うことができる。
法によれば、土壌に含まれる汚染物質の種類や土質に関
係なく浄化処理を行うことができる。
【図1】本発明に係る汚染物質を含む土壌の浄化構造を
示した説明図である。
示した説明図である。
【図2】本発明に係る流体注入管を示した説明図であ
る。
る。
【図3】本発明に係る流体注入管を示した説明図であ
る。
る。
【図4】本発明に係るユニットの一実施の形態を示した
説明図である。
説明図である。
【図5】本発明に係る逆流散逸防止機構の一実施の形態
を示した説明図である。
を示した説明図である。
【図6】本発明に係る逆流散逸防止機構の一実施の形態
を示した説明図である。
を示した説明図である。
【図7】本発明に係る逆流散逸防止機構の一実施の形態
を示した説明図である。
を示した説明図である。
【図8】本発明に係る逆流散逸防止機構の一実施の形態
を示した説明図である。
を示した説明図である。
【図9】本発明に係る汚染物質捕捉手段の一実施例を示
した説明図である。
した説明図である。
【図10】本発明に係る汚染物質捕捉管の一実施例を示
した説明図である。
した説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る土壌の浄化方法
に使用する各設備の土壌中における配置を示す説明図で
ある。
に使用する各設備の土壌中における配置を示す説明図で
ある。
【図12】本発明に係る発熱管の一実施例を示した説明
図である。
図である。
2 土壌貯留構造体
4 流体注入手段
6 流体注入管
8 ユニット
10 枝状管
12 孔
14 散布手段
16 圧縮手段(コンプレッサ)
18 汚染物質捕捉手段
20 汚染物質捕捉管
22 孔
24 汚染物質捕捉体
26 包囲体
28 連結手段
30 汚染物質捕捉材
32 取り出し手段
34 発熱管
36 ケーシング管
38 発熱体
40 電熱線
42 絶縁充填剤
44 高沸点媒体
46 汚染物質回収機構
48 減圧手段
50 投入手段
52 土壌
54 逆流散逸防止機構
Claims (15)
- 【請求項1】 汚染物質を含む土壌を貯留する土壌貯留
構造体と、該土壌中に流体を注入する流体注入手段と、
前記汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、前記土壌
貯留構造体から土壌を取り出す取り出し手段とを備えた
ことを特徴とする汚染物質の浄化構造。 - 【請求項2】 前記取り出し手段が、可動床及び/又は
オーガ(スクリュー)設備であることを特徴とする請求
項1に記載の汚染物質の浄化構造。 - 【請求項3】 前記流体注入手段は、前記土壌に挿入し
て土壌中に流体を注入する流体注入管と、前記土壌の上
方から流体を散布する散布手段のいずれか一方又は両方
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染物
質の浄化構造。 - 【請求項4】 前記流体注入管及び前記散布手段は、周
面に複数の孔が形成されていることを特徴とする請求項
1〜3のいずれかに記載の汚染物質の浄化構造。 - 【請求項5】 前記汚染物質捕捉手段は、汚染物質を捕
捉する汚染物質捕捉体と、該汚染物質捕捉体を移動可能
に収容する汚染物質捕捉管とからなり、前記汚染物質捕
捉管は周面に複数の孔が形成され、前記汚染物質捕捉管
の端部は減圧手段と連結されていることを特徴とする請
求項1〜4のいずれかに記載の汚染物質の浄化構造。 - 【請求項6】 前記貯留構造体内部に、発熱管を設けた
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の汚染
物質の浄化構造。 - 【請求項7】 汚染物質を含む土壌を貯留する土壌貯留
構造体と、該土壌中に流体を注入する流体注入手段と、
前記汚染物質を捕捉する汚染物質捕捉手段と、前記土壌
貯留構造体から土壌を取り出す取り出し手段とを備えた
汚染物質の浄化構造に、前記汚染物質を含む土壌を前記
土壌貯留構造体に入れ、前記流体注入手段を介して前記
土壌中に流体を注入し、前記汚染物質捕捉手段近傍に移
動してきた前記汚染物質を前記汚染物質捕捉手段に捕捉
させることを特徴とする汚染物質の浄化方法。 - 【請求項8】 前記取り出し手段は、可動床やオーガ
(スクリュー)設備であり、該取り出し手段で前記土壌
貯留構造体から土壌を取り出すことを特徴とする請求項
7に記載の汚染物質の浄化方法。 - 【請求項9】 前記流体注入手段は、周面に複数の孔を
形成した流体注入管であり、該流体注入管の一部又は全
部を前記汚染物質を含む土壌中に挿入し、該流体注入管
を介して土壌中に流体を注入することを特徴とする請求
項7又は8に記載の汚染物質の浄化方法。 - 【請求項10】 前記流体注入手段は、複数の孔を有し
た散布手段であり、該散布手段は、前記土壌の上方から
流体を散布して該土壌に流体を注入することを特徴とす
る請求項7〜9のいずれかに記載の汚染物質の浄化方
法。 - 【請求項11】 前記汚染物質捕捉手段は、汚染物質を
捕捉する汚染物質捕捉体と、該汚染物質捕捉体を移動可
能に収容する汚染物質捕捉管とからなり、前記汚染物質
捕捉管は周面に複数の孔が形成され、前記汚染物質捕捉
管の端部は、減圧手段と連結され、前記汚染物質捕捉管
を減圧して前記汚染物質を捕捉することを特徴とする請
求項7〜10のいずれかに記載の汚染物質の浄化方法。 - 【請求項12】 前記土壌貯留構造体内部に発熱管を設
け、該発熱管を発熱させ、前記汚染物質捕捉手段近傍に
移動してきた前記汚染物質を前記汚染物質捕捉手段に捕
捉させることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに
記載の汚染物質の浄化方法。 - 【請求項13】 前記汚染物質を含んだ土壌の一部又は
全部に土壌改良材を加えて該土壌を透水係数の大きい団
粒構造にしたことを特徴とする請求項7〜12のいずれ
かに記載の汚染物質の浄化方法。 - 【請求項14】 前記土壌改良材が消石灰又は生石灰で
あることを特徴とする請求項13に記載の汚染物質の浄
化方法。 - 【請求項15】 前記土壌改良材がセメントであること
を特徴とする請求項13に記載の汚染物質の浄化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001286386A JP2003088848A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 汚染物質を含んだ土壌の浄化構造と浄化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001286386A JP2003088848A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 汚染物質を含んだ土壌の浄化構造と浄化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003088848A true JP2003088848A (ja) | 2003-03-25 |
Family
ID=19109379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001286386A Pending JP2003088848A (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 汚染物質を含んだ土壌の浄化構造と浄化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003088848A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009011939A (ja) * | 2007-07-05 | 2009-01-22 | Panasonic Corp | 汚染土壌及び地下水の浄化方法 |
JP2011200825A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Fudo Tetra Corp | 土壌浄化方法 |
JP2012110803A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Shimizu Corp | 土壌の浄化方法および装置 |
CN103639083A (zh) * | 2013-12-26 | 2014-03-19 | 江苏盖亚环境工程有限公司 | 一种污染土壤喷淋修复系统 |
CN108465698A (zh) * | 2018-04-11 | 2018-08-31 | 江苏天晟环境科技有限公司 | 多功能污染土壤处理装置及其处理方法 |
-
2001
- 2001-09-20 JP JP2001286386A patent/JP2003088848A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009011939A (ja) * | 2007-07-05 | 2009-01-22 | Panasonic Corp | 汚染土壌及び地下水の浄化方法 |
JP2011200825A (ja) * | 2010-03-26 | 2011-10-13 | Fudo Tetra Corp | 土壌浄化方法 |
JP2012110803A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Shimizu Corp | 土壌の浄化方法および装置 |
CN103639083A (zh) * | 2013-12-26 | 2014-03-19 | 江苏盖亚环境工程有限公司 | 一种污染土壤喷淋修复系统 |
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