JP4081227B2 - 土壌の浄化工法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、揮発性有機物質に汚染された土壌の浄化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の人体に有害な揮発性有機物質(VOCs)による土壌や地下水の汚染が顕在化し、問題となっている。
【0003】
このような有害なVOCsを地盤中から除去する方法としては、汚染土を掘削したり、汚染した地下水を汲み上げて曝気や加熱などにより除去する方法、汚染箇所に抽出井戸を設置し井戸内を減圧してガス化させて回収する真空吸引法(SVE法)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、透気性の良くないロームや粘性土地盤では1本の井戸での浄化範囲が非常に狭く適用できない。また、透気性の良い砂質土を主とする地盤でも環境基準値以下まで浄化するには通常1〜数年の長期問を要するなどの問題がある。
【0005】
汚染物質の除去効率を向上させるために土壌の温度を上昇させる工法が有効とされている。
土壌の温度を上昇させる方法として、吸引井戸に熱水や水蒸気を注入する方法、電熱線を地盤中に立て込みジュール熱により加熱する方法、電磁波を用いて地下水を加熱する方法が提案されている。
【0006】
しかし、土壌の温度上昇度合いや影響範囲が狭く限定されており、特にロームや粘性土中のVOCsを十分に除去することはできない。
ロームや粘性土中のVOCsを除去する方法として、汚染土壌を掘削攪拌し、酸化カルシウムを含む浄化剤を混合し、土壌中の水との水和反応により発熱させる方法がある。
【0007】
しかし、酸化カルシウムの発熱量が大きくないので、トリクロルエチレン(TCE)を除去する場合には、通常処理土1m3あたり100〜150Kgもの酸化カルシウムが必要となる。含水比が低い場合には添加量を増やしても未反応部分が多く発熱量が小さい。加熱範囲が掘削箇所に限定され加熱効率が低い。土壌が極端にアルカリ性となり地下水を汚染する危険性がある、などの問題点がある。
【0008】
また、ガス状態で土壌より除去された汚染物質は通常活性炭に接触させてガス中から除去した後、大気に放散される。
しかし、使用済み活性炭が産業廃棄物となり処分が必要となり、本質的な処理とは言い難く、低濃度汚染の対策において活用されるべきである。
ガス状のVOCsを分解・無害化する方式としては、高温焼却、酸化触媒、超臨界水、紫外線照射、還元脱塩素触媒などの方法がある。
【0009】
しかし、高温焼却(800℃以上)、酸化触媒(200〜300℃+触媒)、超臨界水(3MPa、600℃)は加熱コストが非常に高く低濃度のガス処理には不向きである。
紫外線照射では、ジクロロ酢酸・ホスゲンなどの有害な分解中間体が生成されやすいため、これらの発生を抑えるために過剰な設備が必要となる。
【0010】
還元脱塩素触媒では、有害な分解中間体は生成しないが、還元剤として別途水素ガスを供給し、分解生成した塩化水素を中和する必要がある。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、揮発性有機物質に汚染された土壌から、土壌の透気性に拘わらず、汚染物質を短期間・確実に除去する浄化工法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を吸引タンクに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、ガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を吸引タンクに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を砂利で構成する吸引床に吸引管を設置した吸引用パイルに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、ガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を砂利で構成する吸引床に吸引管を設置した吸引用パイルに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を吸引タンクに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化し、さらに構造の中に塩素が無い、または分解しない物質を活性炭で吸着除去することを特徴とする。
請求項6に係る発明は、揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を砂利で構成する吸引床に吸引管を設置した吸引用パイルに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化し、さらに構造の中に塩素が無い、または分解しない物質を活性炭で吸着除去することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6のいずれか1項記載の土壌の浄化工法において、汚染物質を除去した土壌を埋め戻すことを特徴とする。
【0015】
(作用)
本発明においては、掘削した難透気性汚染土壌に、粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末を攪拌混合し、ガス吸引により土壌間でガス化滞留しているVOCsを強制的に除去する。金属アルミニウム粉末の反応熱により土壌を効率的に加温するとともに、土壌内部での水素ガス発生により有効な間隙が増大して処理土壌の透気性が向上し、短時間のガス吸引で基準値以下まで土壌を浄化することが可能である。
【0016】
(反応の原理)
金属アルミニウム粉末の反応例
Al+OH-+H2O→A1O-+3/2H2↑+Q
発熱量は3,700kcal/kg−A1、水素ガス発生量は1.24Nm3/kg−Alとなる。
【0017】
ここで、金属アルミニウム粉末を含む土壌改良剤としては、土壌と混合し内部でのガス発生するものであれば、代用できる。
例えば、粉末粒径が200μm以下の金属粉(Mg,Zn,Ba,Al)+アルカリ剤がある。
【0018】
アルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、またはこれらを含むセメント、消石灰、生石灰が挙げられ、添加量は混合時のpHを11以上とするようなものがある。必要に応じて反応遅延剤が含まれていても良い。
また、本発明において処理される揮発性有機物質は、脱塩素反応により無害化する物質と活性炭により吸着除去する物質とがある。
【0019】
脱塩素触媒としては、例えば、白金、パラジウム、銅、コバルト、マンガン、バナジウム、鉄またはそれらの酸化物の内少なくとも1種を含む粉体またはそれを担体に担持させたものがある。
本発明において、揮発性有機物質は、回収したガスの処分方法として、脱塩素処理により無害化が可能な物質と活性炭により吸着除去する物質(構造の中に塩素が無い、または分解しないので脱塩素処理が不能な物質)に区分される。具体的な物質名称は以下の通り。
【0020】
脱塩素触媒により脱塩素可能な物質としては、例えば、四塩化炭素、1,2−ジクロロメタン、1,1−ジクロロエチレン、ジクロロメタン、cisジクロロエチレン、transジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1トリクロロエタン、1,1,2トリクロロエタン、クロロホルムなどがある。
【0021】
活性炭により吸着除去する物質としては、例えば、ベンゼン、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、1,3−ジクロロプロペン、トルエン、キシレン、p−ジクロロベンゼン、1,2−ジクロロプロパン、ガソリン、灯油、重油中の揮発性分などがある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明に係る土壌の浄化工法の一実施形態を示すフロー図である(請求項1ないし請求項に対応)。
フローに従って説明する。
(1) 高濃度汚染土壌を掘削し、掘削土を処理場に搬送する。
(2) 土をほぐし、分級する。ここで、ガラ・レキを除去する。
【0024】
(3) 分級された汚染土を攪拌混合機に投入する。攪拌混合機には、金属アルミニウム粉末とアルカリ剤を投入する。ここで、汚染土に水素ガスを発生させ土壌の通気性を向上させるとともに、金属アルミニウム粉末とアルカリ剤による反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進させる。同時に、通気性の上がった混合後の土壌に外気を効率的に接触させる。
【0025】
▲4▼ 混合後の土壌を吸引タンクに入れ、ガス化した汚染物質を土壌間隙中から速やかに除去する。
▲5▼ 吸引除去したガスを活性炭で吸着除去する。有機塩素系ガスは触媒分解される。なお、土壌からのガス吸引方法は、タンク方式に限らず、例えば、パイル方式、埋め戻し方式、風乾方式がある。
【0026】
▲6▼ 浄化完了土壌は、埋め戻しされる。なお、場外へ搬出することもできる。
図2は、図1に示す実施形態における吸引タンクに代わって同様の処理をする吸引用パイル2の一例を示す説明図である。
吸引用パイル2は、6×10mの吸引床3、積み上げ高さ1〜1.5mとされる(50m3〜66m3)。
【0027】
吸引床3は、厚さ30cmの砂利層(4×8m)4内に有孔吸引管(φ50mm×3m)5を埋設し、重機に引っかからないように必要な位置まで引き出してから立ち上げ各管にバルブ・検査口を取り付ける。
図2において、6は吸引エリアである。
また、図2では、(6×10+4×7)×1.5/2=66m3の場合について示す。
【0028】
図3は、図2と同様に積み上げ高さ1.5mであるが、容量が50m3の場合を示す〔(6×10+5×8)×1.5/2=50m3〕。
図4、図5は、有孔吸引管5の配置と配管について示す。
図4は、吸引床3を砂利で構成する場合を示す。この場合は、図2,図3のように、4本タイプとする。
【0029】
図5は、吸引床3を改良土代用する場合を示す。この場合は、有孔吸引管5を8本タイプとする。
ただし、改良土の粒度が粗く、砂利と同様であれば、図4のように4本タイプとすることができる(目詰まりによる偏りを防ぐため)。
図6は、1日処理土量100m3/dayにした吸引装置を示す。
【0030】
ここでは、吸引タンク7と、吸引用パイル2とが併用されている。
吸引タンク7は、2m×5m×9台(22m×6m)、吸引用パイル2は、10m×6m×3箇所(30m×7m)である。
【0031】
【実施例】
(実施例1)
本実施例は、図1に基づいて、掘削した難透気性汚染土壌に金属アルミニウム粉末を含む土壌改良剤を攪拌混合し、ガス吸引により土壌間でガス化滞留している揮発性有機化合物(VOCs)を強制的に除去するものである。
【0032】
金属アルミニウム粉末の反応熱により土壌を効率的に加温するとともに、士壌内部での水素ガス発生により有効な間隙が増大して処理土壌の透気性が向上され、短時間のガス吸引で基準値以下まで土壌を浄化することが可能である。
実験に供した火山灰質粘性土の自然状態での物性は、湿潤密度1.412、間隙率0.746、体積含水率0.719、透水係数2.1×10-4cm/secである。
【0033】
実験前に5mm以上の異物を除去(分級)し、モルタルミキサーで練り返して均一な状態とした。
金属アルミニウム粉末は市販の微粉末、アルカリ剤は市販の穎粒状生石灰を用いた。
1)金属アルミニウム粉末の反応条件の把握実験
金属アルミニウム粉末の反応式は、次式の通りである。
【0034】
Al+OH-+H2O→A1O2-+1.5H2↑+Q(100kcal/mo1)
この反応進行には一定量以上のアルカリが必要である。初期含水比90%の火山灰質粘性土に金属アルミニウム粉末とアルカリ剤を混合攪拌した際の実発熱量と理論発熱量から金属アルミニウム粉末の反応率と土壌pHとの関係をテーブルテストにより求めた。
【0035】
2)地盤の透気性向上の効果把握実験
金属アルミニウム粉末の添加効果を把握するために、土壌温度を約40℃上昇させる条件で改良後土壌の透気性実験を行った。初期土壌重量に対して金属アルミニウム粉末を0〜1.6%、アルカリ剤を2.5〜10%の範囲で添加した。約1kgの土壌に所定量の金属アルミニウム粉末および土壌改良剤を加えモルタルミキサーで2分間撹拝混合し、図7に示すように、透気性試験カラム(内径10cm有効高15cmのステンレス製円筒)に2〜3cm厚毎に密に充填した。カラム下部から真空ポンプで吸引し、土壌上下間差圧を最大17.5kPa、通気量を最大2l/min(0℃、1atm)の範囲で充填土壌内で上から下へ向かって外気を通気させた。差圧計および電子式質量流量計にて連続計測を行い、各条件での固有透気係数K(cm2)を以下の式で求め透気性向上効果の把握を行った。
【0036】
固有透気係数:K=(μ/ρg)(Q・L/A・ΔP)
ここで、μは空気の粘性、ρは20℃での空気の密度、gは重力加速度、ΔPは差圧、Qは土壌サンプルの通気量、Lは土壌の充填厚、Aはカラム断面積を表す。
〈実験結果および考察〉
1)金属アルミニウム粉末の反応条件
実験結果を図8に示す。直接土壌に金属アルミニウム粉末とアルカリ剤を粉体で供給しても土壌pHが12以上(アルカリ剤添加量2.5w%以上)であれば、添加した金属アルミニウム粉末の90%以上が反応し、金属アルミニウム粉末が土壌加熱剤として有効であることが確認できた。
【0037】
2)地盤の透気性向上の効果
実験結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004081227
実験ナンバー1〜3では、吸引開始直後から通気量が増大した。
実験ナンバー4では、吸引後100分以降徐々に通気量が増えた。
【0038】
実験ナンバー5では、吸引後500分間を経過しても全く空気が流れなかった。
金属アルミニウム粉末を添加した実験ナンバー1〜3は、透気試験カラムに混合土壌を充填する際に土壌内部で水素ガスが発生するため、同じ力で閉め固めても実験ナンバー4,5より充填後の間隙率が大きくなった。その結果、混合直後の含水比では実験ナンバー4が最も低いが、体積含気率では実験ナンバー1〜3が遥かに大きい。
【0039】
500分間吸引後に土壌試料を解体し内部を観察したが、カラムの境界部分や試料内部に熱収縮による大きな割れ目は見あたらず、ガス吸引後の土壌含水比に採取位置の違いによる差異もなかった。
固有透気係数の経時変化を図9に示す。
金属アルミニウム粉末を添加した実験ナンバー1〜3では、吸引開始直後は2〜7×10-10cm2、30〜60分後には1×10-9cm2、500分後には1×10-8cm2まで上昇し、著しい透気性向上の効果が確認できた。
【0040】
アルカリ剤のみ添加した実験ナンバー4では、吸引後100分程度でようやく1×10-10cm2に到達し、その後、透気性は徐々に向上したが、固有透気係数は金属アルミニウム粉末添加系に比べ一桁小さかった。
土壌間隙中にガス化滞留している揮発性有機化合物(VOCs)を吸引除去するためには、外気を土壌間に大量に通気させ、置換およびガス化を促進することが有効である。ガス置換の効率を累積通気倍量(累積通気量/土壌重量)で比較すると、金属アルミニウム粉末を添加しない場合では吸引後60分で0.3倍、180分後で15倍に対して、金属アルミニウム粉末添加系では60分で約20倍、180分後で約100倍であり、金属アルミニウム粉末を添加すると同じ吸引時間で10倍以上の通気量が確保できた。
【0041】
以上の結果から土壌加熱後ガス吸引を行う場合、金属アルミニウム粉末の添加は非常に効果的であると判断できる。
まとめ
金属アルミニウム粉末を用いた新しい揮発性有機化合物(VOCs)汚染土浄化工法に関する基礎実験を行い以下の知見を得た。
【0042】
(1)土壌pHを12以上とすれば、金属アルミニウム粉末が土壌加熱剤として有効に作用する。
(2)金属アルミニウム粉末添加でのガス発生により土壌間の問隙率が大きく確保でき、効果的なガス吸引が可能となる。
(3)火山灰質粘性土に対し金属アルミニウム粉末添加量0.2%で十分な透気性向上効果があった。
【0043】
参考のために、土質別の固有透気係数について説明する。
表2は、土木学会論文集No.594/VII-7、35-44、1998.5 (揮発性有機塩素化合物の土壌ガス吸引法における浄化影響要因に関する研究、大成建設 長藤・今村ほか)に記載されたデータである。なお、火山灰質粘性土(ローム)は、変動が大きく飽和度が下がると上昇する傾向がある。
【0044】
これに対し、本実施例では、通常地盤に比べより密に充填した。しかし、改良材との反応により初期に比べ2から3オーダも大幅に固有透気係数が増加し、土壌を通過する空気量を大幅に増やすことが可能となった。
【表2】
Figure 0004081227
(実施例2)
実際の汚染サイトに土壌加熱吸引を適用して土壌浄化の試験施工を行った。その結果、高濃度の揮発性有機化合物(VOCs)汚染土壌を処理量45m3/日で、検出下限値(環境基準値の1/10とする)以下まで浄化することができた。
【0045】
試験施工概要
1−1対象土壌
対象土壌はトリクロロエチレン(TCE)に汚染された地盤で、土質は玉石混じりの火山灰質粘性土である。処理土量は100m2×2.5mH=250m3である。処理土壌と土壊改良材とを均一に混合させるために、攪拌混合には図10に示すように、ミキシングバケットを取り付けたバックホー20を使用し、粘性の高い掘削土塊を50mm以下に破砕した。
【0046】
1−2使用改良材
使用改良材は金属アルミニウム粉末と生石灰を使用した。添加量と予想される発熱量は理論発熱量と室内試験より以下の通りとした。
添加量:金属アルミニウム粉末2kg/m2、生石灰50kg/m2
発熱量:約20,000kcal/m3、期待される温度上昇は約30℃
1−3土壌ガス吸引設備
土壌ガス吸引設備を図11に示す。
【0047】
改良した土壌を鋼製タンクに投入し、土壌内に滞留したTCEガスを吸引量3m2/分で吸引した。吸引ブロアにより吸引したTCEガスは気液分離槽で水分を除去した後、活性炭吸着槽でTCEを除去した。気液分離槽はVP300A×1000H、活性炭吸着塔はVP600A×1000Hを使用した。
1−4浄化工程
作業は以下の流れで45m3/日の土量をバッチ処理した。
【0048】
(1)土壌を掘削する。
(2)生石灰と金属アルミニウム粉末を添加し、攪拌混合する。
(3)鋼製タンクに土壌を搬入する。
(4)吸引パイプを設置し、1昼夜吸引する。
(5)浄化確認の試験を行った後、タンクより搬出し、埋め戻す。
【0049】
試験施工結果及び考察
2−1改良による土質の変状
土壌を浄化サイクルの各段階で採取し、溶出量と含水率を測定した。その結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0004081227
TCE溶出量は処理前にはそれぞれ環境基準の50倍、20倍あったが、浄化完了後には検出下限値以下となった。
【0050】
また、含水比は初期値80%が浄化後50%程度に改善され、処理土壌は初期の粘性が高く透気性の悪い状態から、浄化完了後には透気性の良い砂上に改良された。
2−2土壌温度の変化、吸引ガス濃度の変化
添加剤を攪拌混合した土壌をタンクに搬入し、土壌中のガスを強制吸引し、揮発したTCEを除去した。金属アルミニウム粉末添加の効果を把握するため、生石灰のみ添加したケースも行った。吸引開始後の土壌温度と吸引ガス濃度を測定した結果を図12,図13に示す。
【0051】
土壌温度の上昇は、金属アルミニウム粉末を添加した場合が約35℃、生石灰のみの場合は10℃であり、金属アルミニウム粉末添加による発熱効果が高いことが示された。
土壌温度は徐々に下がっていくが、金属アルミニウム粉末添加土壌は16時間後も47℃であり、実規模の吸引土層内では蓄熱性が高いことがわかった。
吸引ガス濃度は約l000分後(約16時間後)0.1ppm以下まで低下したので、吸引タンク内から土壌を6箇所採取し、溶出試験を行った。
【0052】
その結果、測定したすべての土壌が検出下限値以下であったので、ガス吸引による浄化が完了したと判断した。処理土壌すべてについて上記のような試験を行い浄化完了を確認した。
2−3考察
実規模での施工実験により、金属アルミニウム粉末を添加した土壌加熱吸引が有効な土壌改良方法となりうることが明らかとなった。この方法の利点として以下の点が上げられる。
【0053】
▲1▼高濃度の揮発性有機化合物汚染土壌を短時間で浄化できる。
原位置に吸引パイプを設置し土壌ガス吸引により浄化する場合は、土壌の透気性が悪ければ短時間ではほとんど効果は見込めず、浄化時間が長期にわたる場合が多い。この方法は土壌改良材により土壌の透気性を良くした上での汚染物質の揮発→ガス吸引であるため汚染土壌の浄化速度が非常に速く、
今回の試験施工では1昼夜の吸引で浄化が完了した。
【0054】
▲2▼施工方法、施設設置が容易であり、コストも安い。
汚染土壌を焼却し浄化する場合は大がかりなプラントが必要となるが、この方法は施工方法、設備とも簡易であり特殊な技術を要せず、コストも他の掘削浄化法と比較して安い。
【0055】
(実施例3)
金属アルミニウム粉末と生石灰を汚染土壌に混合し、加熱によるTCEの揮発促進と同時に水素を用いてガス化したTCE脱塩素条件の検討を行った。
実験の条件
浄化対象の汚染土:ローム(含水比0.9)にTCEを添加した。
【0056】
土1リットル(1600g)に対し、Al(金属製アルミニウム粉末)l5g+CaO(生石灰)50g、Al(金属製アルミニウム粉末)3g+CaO(生石灰)50g、Al(金属製アルミニウム粉末)1g+CaO(生石灰)50g、Al(金属製アルミニウム粉末)0.5g+CaO(生石灰)50g、Al(金属製アルミニウム粉末)5g+CaO(生石灰)100g、Al(金属製アルミニウム粉末)3g+CaO(生石灰)100g、Al(金属製アルミニウム粉末)1g+CaO(生石灰)100g、Al(金属製アルミニウム粉末)0.5g+CaO(生石灰)50gを添加した。
Pd触媒に対する接触時間10秒、ガス流量1リットル/minとした。また、ガスは空気と窒素ガスとした。
【0057】
実験装置は、図14に示すとおりである。
20lの密閉容器40内に汚染土1l(ミキサーで薬剤と混合した後、投入)を入れた。この密封容器40にガスを1l/minで供給できるように配管した。また、密封容器40に脱塩素触媒42が連絡できるように配管した。脱塩素触媒42にはヒータを取り付けた。
【0058】
実験の結果
高濃度TCE汚染土に対する十分な除去、分解性能を確認した。
溶出濃度は初期1.0mg/lであったものが、加熱、通気後0.001mg/lとなった。
また、通気5分後の濃度が140ppmであったものが、Pd触媒に10秒間接触するだけで1.3ppmに低減した。さらに、通気60分後の濃度が21ppmあったものが、Pd触媒に10秒間接触するだけで0.5ppmに低減した。
【0059】
さらに、添加金属アルミニウム粉末1kg/m3以上で十分な脱塩素性能を継続することが確認できた。ここで、脱塩素性能とは、脱塩素に必要な水素を別に水素ガスを添加することなしに、脱塩素反応を維持するのに必要な濃度を供給できることを意味する。
図15は、Al添加量と除去率継続時間を示す。
【0060】
図16は、Al添加量と処理ガス濃度を示す。
(実施例4)
本実施例は、VOC汚染土壌浄化に関する室内実験である。
採取個所は、表4に示すとおりである。
表4において、VOC▲1▼は事前調査によりPCE溶出濃度が高かった地点近傍で表層から50cm程度の土壌、VOC▲2▼は約10cmほど離れた地点の土壌である。
【表4】
Figure 0004081227
実験の概要は、表5に示すとおりである。
【表5】
Figure 0004081227
実施結果
▲1▼土壌の基本物性について
測定した結果を表6にまとめて示す。
【0061】
今回採取した土壌サンプルは、含水比が低く黒ぼく土で50〜60%、レキ混じり部分で20%であり、透気性が比較的高かった。VOCの主たる対象物質はPCEであり、黒ぼく土(土壌サンプルVOC▲1▼)に多く含まれ、溶出濃度の最大値はPCE0.94mg/l、TCE0.046mg/l、cis−DCE0.063mg/lであった。
【表6】
Figure 0004081227
表6において、VOC▲1▼-1、VOC▲1▼-2のcis−DCE溶出濃度、TCE溶出濃度、PCE溶出濃度に関するデータ、VOC▲2▼-1、VOC▲2▼-2のPCE溶出濃度に関するデータは、土壌環境基準を超過する項目である。また、分析はJIS K0102に準じて行った。
【0062】
測定方法は次の通りである。
含水比: 105℃4時間乾燥による減少重量/乾燥重量を電子天秤で計測した。
pH: 溶出操作後の検液を静置し上澄み液をpH計により計測した。
VOC: 溶出操作を行った検液をヘッドスペースオートサンプラー+GC/MSにより分析した。
【0063】
(2)VOC除去について
1)土壌改良剤との反応性確認
処理対象土壌に対する土壌改良剤混合効果を確認するために、以下の方法で実験を行った。
VOC(1)(黒ぼく土)、VOC(2)(砂・レキ)を各1kg採取し、表7に示す配合条件で処理土壌と土壌改良剤(金属アルミニウム粉末+生石灰)をミキサーで混合した。混合後すぐに、混合処理された土壌サンプルを発砲スチロール製の断熱箱に隙間なく詰め、内部に熱電対を埋め込んで土壌温度の変化を測定した。
【表7】
Figure 0004081227
その結果を図17に示す。
図17における土壌改良剤混合後の発熱の状況について説明する。
(1),(2),(3),(4),(6)の条件では、室温25℃から土壌温度は混合後上昇し、50分後に50℃に到達した。(5),(7),(8)の条件では、混合後20分程度で土壌温度が60〜70℃となった。
【0064】
いずれの条件においても土壌改良剤の添加により効果的なVOC除去に必要な温度以上に土壌を加温できることが確認できた。
しかし、▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼,▲6▼では土壌の含水比が少ないので、実際の混合時には水を供給し、反応を促進させることが望ましい。発熱効果の面からは、土壌改良剤の添加量は、Al0.3%、CaO5%で適当であると判断した。
【0065】
2)VOCの土壌中からの分離について
吸引による土壌からのVOC除去は、図18の概念図に示すとおりである。土壌中のVOCは土壌間隙に一部ガス化して存在しており、清澄な外気を土壌間に通気させ、ガス化したVOCと置換することで土壌中からVOCを追い出すことができる。土壌に含有される量とガス化する量との分配率はヘンリーの法則に従い、温度が上昇するとガス化の比率が高まり、除去効率が向上する。よって土壌加熱吸引での吸引除去運転条件は、土壌の温度と累積透気量(吸引風量×吸引時間)で設定される。
【0066】
土壌から効果的にVOCを除去するための運転条件を把握するために、以下の手順で実験を行った。
i)VOC▲1▼、▲2▼各々約1.2kg計量し、所定の土壌改良剤を添加、全体になじむように2分攪拌した。
ii)透気性試験カラム(直径10cmφ×15cm:有効容量約1l)に充填し、2l/minで通気させ透気性・温度・吸引ガス濃度を測定する。
【0067】
iii)通気終了後、カラムから処理土壌を取り出してVOC溶出濃度及びpH、 含水比を測定。
実験結果を表8および図19のグラフに示す。
VOC▲1▼の黒ぼく土は、比較的透気性は高く所定の風量を確保することができたが、PCEに対する吸着性が高く、常温での吸引では短期間で環境基準値以下まで低減させることが困難であった。土壌改良剤を添加混合し、50℃に維持して累積吸引空気量で土壌体積の600倍量を通気させれば、PCEを処理後の溶出濃度を環境基準値以下とすることができた。
【0068】
VOC▲2▼の砂レキ質土では、透気性が高く、PCEの吸着性も低かったので、土壌体積の100倍量程度を通気させれば土壌中のPCEは基準値以下となった。
【表8】
Figure 0004081227
結論
今回採取した土壌サンプルを用いた実験により以下の結論を得た。
【0069】
1.土壌改良剤の添加量は、Al0.3%、CaO5.0%とする。
2.薬剤混合後の土壌は、50℃以上に維持し、必要な空気量を吸引すればPCEを土壌環境基準値以下まで低減させることができる。PCEの吸着性の低い砂レキ質土は吸引空気量が比較的少なくても除去可能であるが、PCEの初期溶出濃度が高く吸着性の高い黒ぼく土では吸引に十分な時間をかける必要がある。
【0070】
3.浄化の完了(=吸引処理終了)は、現地で簡易溶出試験を実施し迅速に判断する必 要がある。
実験に用いた土壌サンプルはVOC、総水銀が多く含まれると想定されるゾーンから採取しており、汚染土の代表的な性状であると想定される。本性質の土壌であれば、金属アルミニウム粉末を含む土壌改良剤を用いた土壌加熱吸引による工法で、PCEを環境基準値以下まで低減することが可能であることを確認した。また、重金属の溶出に関しても、現土壌には総水銀や砒素はそれほど多量には含まれていないため、基準値を越える危険性は少ないと考えられる。
【0071】
(実施例5)
処理土埋め戻し後の周辺環境への影響に関して室内実験により影響度を検討した。
実験の目的
実施工した周辺の地下水を約半年間モニタリングしているが、pHの変化は見られない。そこで、混合処理後土壌から浸出液(pH12)を中和しうる土壌量からその影響を推定した。
【0072】
実験方法
(1)現地のロームに対し、生石灰5%、金属アルミニウム粉末0.2%を添加し、加熱吸引による浄化処理した土壌を10倍量の水で抽出し、浸出水を得た。
(2)ローム、黒ぼく土、砂各2〜200gをろ過した浸出水100mlと混合した。
【0073】
(3)4時間振とう攪拌を行った。
(4)静置後、上澄み液のpH・アルミニウム溶出濃度を測定した。
実験結果および結論
処理土を直接水で振とう抽出すると、セメント系土壌改良剤による表層改良土と同じように、その抽出水はアルカリ性(pH12)となり20〜50pmの金属アルミニウム粉末が溶出する。しかし、ロームや黒ぼく土のように細粒分や有機分を多く含む土壌を通過させると、pHは中性域にもどりかつ金属アルミニウム粉末も沈着するため、処理土埋め戻し後の周辺環境への影響はほとんどないと考えられる。
【0074】
pH中和能力は高い順に、黒ぼく土(20倍)、ローム(5倍)、砂(1倍)であり、(倍)量の浸出液を中性に維持する能力がある。
金属アルミニウム粉末についても同様に黒ぼく土、ローム、砂の順に吸着能力が高く、浸出液のpHが10を超えていなければ金属アルミニウム粉末が多量には溶出していないと判断することができる。
【0075】
その結果を、図20,図21,図22に示す。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、揮発性有機物質に汚染された土壌から、土壌の透気性に関わらず汚染物質を短期間・確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る土壌の浄化工法の一実施形態を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る土壌の浄化工法の一実施形態において使用される吸引用パイルを示す平面図および側面図である。
【図3】本発明に係る土壌の浄化工法の一実施形態において使用される吸引用パイルを示す平面図および側面図である。
【図4】本発明に係る土壌の浄化工法の一実施形態において使用される吸引用パイルの吸引管の配置・配管を示す平面図である。
【図5】本発明に係る土壌の浄化工法の一実施形態において使用される吸引用パイルの吸引管の配置・配管を示す平面図である。
【図6】本発明に係る土壌の浄化工法の一実施形態において使用される吸引施設装置のレイアウト図である。
【図7】実施例1に用いた透気性試験カラムを示す図である。
【図8】 実施例1における金属アルミニウム粉末の反応条件を示す図である。
【図9】実施例1における固有透気係数の経時変化を示す図である。
【図10】実施例2に使用した撹拌装置を示す説明図である。
【図11】実施例2に使用した土壌ガス吸引設備を示す図である。
【図12】実施例2における吸引ガス濃度の経時変化を示すグラフである。
【図13】実施例2における改良土壌温度の経時変化を示すグラフである。
【図14】実施例3における実験装置を示す図である。
【図15】Al添加量と除去率継続時間を示すグラフである。
【図16】Al添加量と処理ガス濃度を示すグラフである。
【図17】土壌改良剤混合後の発熱状況を示すグラフである。
【図18】加熱吸引除去による土壌中からのVOC除去の概念図である。
【図19】PCE吸引ガス濃度経時変化を示す図である。
【図20】アルカリ吸着能力を示す図である。
【図21】アルミニウム吸着能力を示す図である。
【図22】溶出pHとアルミニウムの溶出量を示す図である。

Claims (7)

  1. 揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を吸引タンクに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、ガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去することを特徴とする土壌の浄化工法。
  2. 揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を吸引タンクに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化することを特徴とする土壌の浄化工法。
  3. 揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を砂利で構成する吸引床に吸引管を設置した吸引用パイルに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、ガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去することを特徴とする土壌の浄化工法。
  4. 揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を砂利で構成する吸引床に吸引管を設置した吸引用パイルに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化することを特徴とする土壌の浄化工法。
  5. 揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を吸引タンクに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化し、さらに構造の中に塩素が無い、または分解しない物質を活性炭で吸着除去することを特徴とする土壌の浄化工法。
  6. 揮発性有機物質に汚染された地盤を掘削し、その掘削土壌に粉末粒径200μm以下の金属アルミニウム粉末とアルカリ剤とを添加して混合し、混合後の土壌を砂利で構成する吸引床に吸引管を設置した吸引用パイルに入れ、土壌中に水素ガスを発生させ、土壌の透気性を向上させ、反応熱により土壌からの汚染物質のガス化を促進し、透気性の上がった混合後の土壌に外気を接触させ、水素を含むガス化した汚染物質を汚染土壌中から除去し、脱塩素触媒と接触させ、揮発性有機物質の内塩素を含む物質について脱塩素反応により無害化し、さらに構造の中に塩素が無い、または分解しない物質を活性炭で吸着除去することを特徴とする土壌の浄化工法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項記載の土壌の浄化工法において、汚染物質を除去した土壌を埋め戻すことを特徴とする土壌の浄化工法。
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