JP2011167596A - 地中油汚染部の浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による油分汚染部の浄化方法は、地下水位を地中油汚染部よりも低い位置まで下げて地中油汚染部を不飽和状態にする第1の作業Aと、不飽和状態となった地中油汚染部に好気性菌を供給する第2の作業Bと、好気性菌に地中油汚染部の油分を分解させた後に地下水位を基準水位に戻す第3の作業Cと、からなる一連の作業を繰り返すことを特徴とする。上記第1の作業Aと、第2の作業Bと、第3の作業Cと、第3の作業C後に地下水位を地中油汚染部よりも低い位置まで下げて地中油汚染部を不飽和状態にすることにより好気性菌によって地中油汚染部の油分を分解させる第4の作業と、を行うだけでもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、地中油汚染部を効果的に浄化可能な浄化法を提供する。
本発明による地中油分汚染部の浄化方法は、地下水位を地中油汚染部よりも低い位置まで下げて地中油汚染部を不飽和状態にする第1の作業と、不飽和状態となった地中油汚染部に好気性菌を供給する第2の作業と、好気性菌に地中油汚染部の油分を分解させた後に地下水位を基準水位に戻す第3の作業と、第3の作業後に地下水位を地中油汚染部よりも低い位置まで下げて地中油汚染部を不飽和状態にすることにより好気性菌によって地中油汚染部の油分を分解させる第4の作業と、を行うので、第3の作業において、第1の作業で地中油汚染部よりも低い位置まで下がった地下水面に漂っていた油分が後に第4の作業により不飽和状態となる土壌に付着し、当該土壌に付着した油分が、当該第3の作業終了後の第4の作業中において、第2の作業で既に地中油汚染部に供給されていた好気性菌により分解されるため、地中油汚染部の油分を確実に減らすことができ、地中油汚染部に滞在していた油分の残存率を少なくできるので、地中油汚染部を効果的に浄化できる。
第4の作業後において、第3の作業と第4の作業とからなる一連の作業を1回以上行うので、第3の作業において、第1の作業で地中油汚染部よりも低い位置まで下がった地下水面に漂っていた油分が後に第4の作業により不飽和状態となる土壌に付着し、当該土壌に付着した油分が、当該第3の作業の終了後に第4の作業を行うことによって、第2の作業で既に地中油汚染部に供給されていた好気性菌により分解される機会が増えるため、地中油汚染部に滞在していた油分の残存率を少なくでき、地中油汚染部を効果的に浄化できる。
図4を参照し、地中油汚染部10を浄化するための浄化装置1を説明する。
浄化装置1は、揚水装置2と、水位計測装置3と、微生物供給装置4とを備える。
地中油汚染部10は、例えば、機械工場のような建屋11下の地中12や廃棄物処分場跡のような更地下の地中12において建屋11から流出したA重油分や機械油分などの油分で汚染された領域である。
揚水用井戸管6は、地表13から不飽和帯(通気帯)14、地中油汚染部10を越えて飽和帯(帯水帯)15まで届くように設置される。揚水用井戸管6の下部の飽和帯15に位置する部分の周面には管の内外に貫通する貫通孔8を有する。即ち、揚水用井戸管6は、上端部を除いて地中12に埋設され、貫通孔8を有した下部が飽和帯15に設置される。尚、揚水用井戸管6は、例えば、地中油汚染部10を貫通するように複数設けられるとともに、地中油汚染部10の周辺において複数設けられる。
揚水用井戸管6の上端開口と連通管7の一端開口とが連通可能に繋がれ、かつ、連通管7の他端開口と揚水ポンプ5の吸入口とが連通可能に繋がれる。尚、揚水ポンプ5の吐出口と図外の貯留水槽とが連通管9で連通可能に繋がれ、貯留水槽に送られた地下水は残渣処理により油分が除去された後に放水される。
以上の構成の揚水装置2において、揚水ポンプ5を駆動することにより、地中油汚染部10及び地中油汚染部10の周辺における地下水が、貫通孔8、揚水用井戸管6、連通管7を経由して揚水され、これにより、地中油汚染部10及び地中油汚染部10の周辺における地下水の水位が基準水位(=自然状態の地下水位)16よりも下がった地下水位位置17となる。
尚、第2の作業B中及び第2の作業Bの終了後は、地下水位が地中油汚染部10よりも低い位置に維持されるように地下水位を水位計測装置3で確認しながら揚水ポンプ5の駆動及び停止を制御する。
図2に示すように、地下水位を地中油汚染部10よりも低い位置まで下げて地中油汚染部10を不飽和状態にする第1の作業Aと、不飽和状態となった地中油汚染部10に好気性菌30を供給する第2の作業Bと、第2の作業B後の上述した一定条件成立後に、地下水位を基準水位16に戻す第3の作業Cと、第3の作業Cの終了後に地下水位を地中油汚染部10よりも低い位置まで下げて地中油汚染部10を不飽和状態にすることにより地中油汚染部10の油分を分解させる第4の作業Dとを行うようにした。第1の作業A、第2の作業B、第3の作業Cの各内容は実施形態1と同じである。
実施形態2における第4の作業Dの終了後において、第3の作業Cと第4の作業Dとからなる一連の作業Yを1回以上行うようにした。
揚水用井戸管6と連通管7とにより構成された揚水管の代わりに、図5に示すように、建屋11下に水平に設置された揚水管60を用いてもよい。この場合、揚水用井戸管6のように建屋11内から建屋11下に延長するように設置しなくても良くなるので、建屋11内から作業を行えない場合に好適である。
建屋11下に水平に揚水管60を設置する方法を説明する。まず、自由曲線掘削機を用いて、建屋11より離れた地上位置から建屋11下で水平に延長する孔を掘削する。そして、この掘削した孔内に揚水管60を挿入して揚水管60を建屋11下に水平に設置し、地上に引き出された揚水管60の一端を揚水ポンプ5に繋げる。
揚水管60は、地中油汚染部10の下に位置する飽和帯15を水平に横切るように設置され、水平に設置された部分には複数の有孔部80が設けられる。有孔部80は、管の内外に貫通する貫通孔8を複数備えた構成である。尚、図5では、1本の管より成る揚水管60の水平に設置された部分に所定間隔を隔てて複数の有孔部80を備えた構成を示しているが、この構成では、揚水ポンプ5から離れた位置にある有孔部80では揚水力が弱くなる恐れがある。そこで、揚水管60として、各管で個別に揚水可能な多重管構成、あるいは、多数管構成のものを用い、各管に個別に有孔部80を設け、これら各有孔部80が揚水管60の水平に設置された部分に所定間隔を隔てて配置された構成とすることが好ましい。
図示しないが、自由曲線掘削機とは、ロッド部と、ロッド部の先端に設けられた掘削ビットと、ロッド部を前後動させたり回転させたりするための駆動装置とを備え、掘削ビットは、先端に、中実の円柱の一端開口部が斜めに切り落とされたような楕円傾斜面を備え、楕円傾斜面に図外の削岩チップを有した構成である。地盤を斜めに掘削する場合には、ロッド部を回転させて掘削ビットを回転させながら掘削ビットを推進させる。掘削ビットの推進方向を変える場合は、ロッド部を回転させないで、ロッド部を推進させ、掘削ビットの楕円傾斜面に土圧が作用するようにすることで、掘削ビットの推進方向を変える。これにより、掘削ビットを水平方向に移動させることができるので、建屋11下で水平に延長する掘削孔を形成できる。
尚、供給管24も同様に建屋11下に水平に設置するようにしてもよい。
A 第1の作業、B 第2の作業、C 第3の作業、D 第4の作業、
X 一連の作業、Y 一連の作業。
Claims (3)
- 地下水位を地中油汚染部よりも低い位置まで下げて地中油汚染部を不飽和状態にする第1の作業と、
不飽和状態となった地中油汚染部に好気性菌を供給する第2の作業と、
好気性菌に地中油汚染部の油分を分解させた後に地下水位を基準水位に戻す第3の作業と、からなる一連の作業を繰り返すことを特徴とする地中油汚染部の浄化方法。 - 地下水位を地中油汚染部よりも低い位置まで下げて地中油汚染部を不飽和状態にする第1の作業と、
不飽和状態となった地中油汚染部に好気性菌を供給する第2の作業と、
好気性菌に地中油汚染部の油分を分解させた後に地下水位を基準水位に戻す第3の作業と、
第3の作業後に地下水位を地中油汚染部よりも低い位置まで下げて地中油汚染部を不飽和状態にすることにより好気性菌によって地中油汚染部の油分を分解させる第4の作業と、を行うことを特徴とする地中油汚染部の浄化方法。 - 第4の作業後において、第3の作業と第4の作業とからなる一連の作業を1回以上行うことを特徴とする請求項2に記載の地中油汚染部の浄化方法。
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