JP2017148723A - 帯水層の浄化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】浄化用流体の注入が困難な場合においても、有害物質で汚染された帯水層を浄化することができる技術を提供する。【解決手段】有害物質で汚染された低透水性の帯水層に設置した井戸に真空ポンプを気密状態で接続し、前記帯水層に存在する地下水を揚水して前記地下水の水位を低下させ、前記帯水層に不飽和層を形成し、前記不飽和層に存在する土壌に空気を接触させる工程1と、前記工程1の後、前記不飽和層に酸素、栄養剤又は水を供給する工程2と、を備える、有害物質で汚染された低透水性の帯水層の浄化方法。【選択図】なし

Description

本発明は、帯水層の浄化方法に関する。より詳細には、有害物質で汚染された低透水性の帯水層の浄化方法に関する。
近年、有害物質で汚染された土壌を浄化する様々な技術が開発されている。なかでも、環境負荷が小さく低コストであることから、微生物を利用して土壌や地下水中の有害物質を分解除去する浄化技術(バイオレメディエーション)が着目されている。
例えば、特許文献1には、汚染された土壌を原位置で浄化する汚染土壌の浄化方法において、前記土壌を浄化する浄化用流体を前記土壌に注入する浄化用流体供給工程と、前記浄化用流体を注入した位置とは異なる位置で、前記土壌中から地下水を真空吸引する真空吸引工程と、を備えることを特徴とする汚染土壌の浄化方法が記載されている。
特開2007−260610号公報
しかしながら、従来の浄化方法では、微生物を利用した土壌の浄化が困難な場合がある。例えば、有害物質で汚染された帯水層を浄化する場合において、帯水層が低透水性である場合等には、浄化用流体(酸素水、酸素ガス、空気、栄養剤等)を効率よく注入することができず浄化が進まない場合がある。
そこで、本発明は、浄化用流体の注入が困難な場合においても、有害物質で汚染された帯水層を浄化することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の一態様に係る、帯水層の浄化方法は、有害物質で汚染された低透水性の帯水層に設置した井戸に真空ポンプを気密状態で接続し、前記帯水層に存在する地下水を揚水して前記地下水の水位を低下させ、前記帯水層に不飽和層を形成し、前記不飽和層に存在する土壌に空気を接触させる工程1と、前記工程1の後、前記不飽和層に酸素、栄養剤又は水を供給する工程2と、を備えることを特徴とする。
前記不飽和層に存在する土壌に空気を接触させることにより、帯水層を好気性状態にすることができる。その結果、浄化用流体の注入が困難な場合においても、土壌中の微生物を活性化させ、有害物質を分解させることができる。したがって、浄化用流体の注入が困難な場合においても、有害物質で汚染された低透水性の帯水層を浄化することができる。
真空ポンプを用いる揚水は、通常は、軟弱地盤の地下水位を低下させて地盤を改良するウェルポイント工法に用いられるものである。真空ポンプを用いて揚水することにより、効率よく地下水を揚水し、帯水層に不飽和層を形成することができる。
本発明の一態様において、前記水位は前記帯水層の半分以下に低下させてもよい。これにより、帯水層を効率よく好気性状態にすることができる。
本発明の一態様において、前記低透水性の帯水層は、透水係数が10−4cm/秒以下であってもよい。本発明の浄化方法は、このような低透水性の帯水層の浄化に適している。
本発明の一態様において、前記工程2の後の前記地下水の酸化還元電位は0mV以上であってもよい。地下水の酸化還元電位が0mV以上であると、土壌中の好気性微生物を活性化しやすい傾向にある。
請求項1に係る、帯水層の浄化方法によれば、浄化用流体の注入が困難な、有害物質で汚染された低透水性の帯水層であっても効率よく浄化することができる。
請求項2に係る浄化方法によれば、帯水層を効率よく好気性状態にすることができる。その結果、浄化用流体の注入が困難な場合においても、土壌中の微生物を活性化させ、有害物質を分解させることができる。
請求項3に係る浄化方法によれば、本発明の浄化方法の効果が得られやすい。
請求項4に係る浄化方法によれば、土壌中の好気性微生物を効率よく活性化させ、有害物質を分解させることができる。
本発明の実施形態に係る浄化方法を実行する浄化装置を説明する模式図である。 本発明の実施形態に係る浄化方法を説明する模式図である。 実施例2及び比較例2における、地下水中のベンゼン濃度の推移を示すグラフである。 実施例2及び比較例2における、地下水中のo−ジクロロベンゼン濃度の推移を示すグラフである。 実施例2における、地下水の水位の変化を示すグラフである。 実施例2において、経時的に地下水のORPを測定した結果を示すグラフである。
一実施形態において、本発明は、有害物質で汚染された低透水性の帯水層に設置した井戸に真空ポンプを気密状態で接続し、前記帯水層に存在する地下水を揚水して前記地下水の水位を低下させ、前記帯水層に不飽和層を形成し、前記不飽和層に存在する土壌に空気を接触させる工程1と、前記工程1の後、前記不飽和層に酸素、栄養剤又は水を供給する工程2と、を備える、有害物質で汚染された低透水性の帯水層の浄化方法を提供する。
(工程1)
本実施形態の浄化方法において、工程1では、有害物質で汚染された低透水性の帯水層に設置した井戸に真空ポンプを気密状態で接続し、前記帯水層に存在する地下水を揚水して前記地下水の水位を低下させ、前記帯水層に不飽和層を形成し、前記不飽和層に存在する土壌に空気を接触させる。
ここで、低透水性の帯水層とは、透水係数が概ね10−4cm/秒以下である帯水層を意味する。低透水性の帯水層には、酸素水、酸素ガス、空気、栄養剤等の浄化用流体を効率よく注入することができず浄化が困難な場合がある。
有害物質としては、それが土壌に含まれることに起因して人の健康に被害を生ずるおそれがある有機化合物が挙げられる。特に、好気性微生物により分解可能な化合物が挙げられ、例えば、ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベンゼン、シアン化合物、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、テトラメチルチウラムジスルフィド、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、ポリ塩化ビフェニル、有機リン化合物等が挙げられる。
帯水層とは、地下水によって飽和している地層を意味する。帯水層は嫌気性条件になっている場合があり、好気性微生物による有害物質の分解が抑制されている場合がある。嫌気性条件下では、地下水の酸化還元電位(Oxidation−Reduction Potential、以下「ORP」という場合がある。)が低い傾向にある。ここで、ORPが低いとは、例えばORPが0mV未満であることが挙げられる。なお、酸化還元電位の測定方法は特に制限されず、例えば、市販のポータブル型の酸化還元電位計等を用いて測定すればよい。
好気性微生物を活性化して有害物質の分解を促進するためには、土壌中の浄化対象の領域を好気性条件にすることが効果的である。実施例において後述するように、発明者らは、有害物質で汚染された帯水層に存在する地下水のORPを0mV以上に調整することにより、土壌中の好気性微生物を活性化して、有害物質の分解を促進できることを明らかにした。
また、好気性微生物による有害物質の分解を促進するためには、帯水層に存在する地下水のpHが6〜9であることが好ましい。また、地下水の温度は、10〜40℃であることが好ましく、15〜30℃であることがより好ましく、15〜25℃であることが更に好ましい。したがって、帯水層に存在する地下水のpH又は温度が上記範囲から外れている場合には、上記の範囲内となるように調整することが好ましい。
帯水層を好気性条件にする方法としては、例えば、浄化対象の土壌に、酸素水、酸素ガス、空気等の浄化用流体を注入することが挙げられる。浄化用流体の注入は、加圧等により積極的に行うことが好ましい。しかしながら、帯水層が低透水性である場合、帯水層の上部に低透水性の地層が存在する場合、帯水層の層厚が薄い場合等には、浄化用流体を効率よく注入することが困難な場合がある。ここで、「帯水層の層厚が薄い」とは、帯水層の層厚が、例えば2m以下、例えば1.5m以下、例えば1m以下であることを意味する。このような場合には、土壌を好気性化することが困難であり、好気性微生物により有害物質を分解することが困難である。
これに対し、実施例において後述するように、発明者らは、有害物質で汚染された帯水層に設置した井戸に真空ポンプを気密状態で接続し、前記帯水層に存在する地下水を揚水して前記地下水の水位を低下させ、前記帯水層に不飽和層を形成し、前記不飽和層に存在する土壌に空気を接触させることにより、帯水層を効率よく好気性条件に変化させて、好気性微生物を活性化し、有害物質を分解することができることを明らかにした。
これは、帯水層の地下水の水位の低下により形成された不飽和層に空気が導入され、不飽和層に存在する土壌に空気が接触した結果、帯水層が効率よく好気性条件に変化したものと考えられる。また、真空ポンプを用いて揚水することにより、低透水性の帯水層から水を揚水することが可能となる。
前記地下水の水位は、前記帯水層の半分以下に低下させることが好ましく、前記帯水層の1/3以下に低下させることがより好ましい。
井戸の数は1個であっても複数であってもよいが、複数の井戸を設置することにより、効率よく地下水を揚水することができる。また、揚水は、井戸に真空ポンプを気密状態で接続して行う。より具体的には、ウェルポイント工法と呼ばれる方法により地下水を揚水することが挙げられる。ウェルポイント工法とは、井戸を帯水層に到達するように設置し、真空ポンプを用いて地下水を揚水する工法である。
ウェルポイント工法は、一般的には、軟弱地盤の地下水の水位を低下させて地盤を改良するための補助工法として利用されるものである。ウェルポイント工法では、真空ポンプを用いて揚水するため、通常の揚水よりも地下水を広範囲に低下させることができる。
揚水した地下水は、有害物質を含有しているため、適切に処理することが好ましい。例えば、一時的にタンクに貯水し、薬剤で有害物質を分解した後に下水に放流すること等が挙げられる。
(工程2)
本実施形態の浄化方法では、工程1の後、不飽和層に酸素、栄養剤又は水を供給する工程2を行う。工程2を備えることにより、土壌中の微生物を更に効率よく活性化させ、有害物質を分解させることができる。
酸素の供給は、酸素水、酸素ガス、空気等を注入すること等により行うことができる。酸素水、酸素ガス又は空気は、例えば、上述したウェルポイント工法用の井戸を用いて帯水層に注入してもよい。すなわち、上記の井戸は、揚水井戸と注入井戸を兼ねていてもよい。あるいは、揚水井戸とは別に注入井戸を設けてもよい。
また、工程2では、不飽和層に栄養剤を供給してもよい。これにより、土壌中の微生物を更に効率よく活性化させ、有害物質を分解させることができる。栄養剤としては、特に制限されないが、例えば市販の栄養剤(商品名「NSバイオアクティ」、新日鉄住金エンジニアリング株式会社製)等を用いることができる。栄養剤は、上述した揚水井戸を用いて帯水層に注入してもよいし、揚水井戸とは別に設けた注入井戸を用いて帯水層に注入してもよい。
また、工程2では、不飽和層に水を供給してもよい。水は、例えば、上述した揚水井戸を用いて帯水層に注入してもよいし、揚水井戸とは別に設けた注入井戸を用いて帯水層に注入してもよい。あるいは、揚水を停止することにより周囲から地下水が流入することによっても水を供給することができる。揚水により形成された不飽和層に水を供給する結果、好気性微生物が増殖しやすい環境が整う。
工程2においては、酸素、栄養剤又は水のいずれかを供給してもよいし、酸素、栄養剤及び水から選択される2種以上を任意の組み合わせで供給してもよい。
工程2の後には、帯水層は好気性条件に変化しているか、好気性条件に近づいている。帯水層が好気性条件になったか否かは、地下水の酸化還元電位を測定することによりモニターすることができる。好気性条件になると、地下水の酸化還元電位が0mV以上になる。
工程1及び工程2は、1回のみ実施してもよいし、複数回繰り返して実施してもよい。例えば、工程1及び工程2を1回のみ実施した後に、地下水の酸化還元電位が0mV以上に到達していなかった場合等には、工程1及び工程2を複数回繰り返して実施することが有効である。
以下、図面を用いて、有害物質で汚染された帯水層の浄化方法の一実施形態をより具体的に説明する。
図1は、本実施形態の浄化方法を実行するために用いる浄化装置100を説明する模式図である。図1では、本実施形態の浄化方法は未だ実行されていない。図1に示すように、浄化装置100は、井戸10と、井戸内に設置された吸水部20と、真空ポンプ30と、吸水部20及び真空ポンプ30を接続する排水管40とを備えている。
浄化装置100においては、1台の真空ポンプ30を地上に設置している。しかしながら、真空ポンプ30の配置はこれに限定されず、例えば、1台の真空ポンプ30をいずれかの井戸10内に内蔵させてもよい。あるいは、各井戸10それぞれの内部に真空ポンプ30を1台ずつ内蔵させてもよい。
井戸10は、井戸内部を密閉状態にする蓋体11を備えている。井戸10の先端は、有害物質で汚染された帯水層200に到達している。なお、図1では、井戸10の数は3本であるが、井戸10の数はこれに限定されず、浄化対象の敷地の大きさに応じて適宜増減させることができる。
帯水層200は、地下水210で満たされており、地下水210の水面は211である。地下水210のORPは0mV未満であり、帯水層200は嫌気性条件となっている。このため、有害物質を分解する微生物の活性が低く、有害物質の分解はほとんど進まない状態となっている。
図2は、本実施形態の浄化方法を説明する模式図である。図2に示すように、本実施形態の浄化方法では、まず、真空ポンプ30を用いたウェルポイント工法により、吸水部20から地下水210を揚水する。この時、蓋体11で井戸10の入り口を密閉し、井戸10内部の気密を保つようにする。すなわち、井戸10に真空ポンプ30を気密状態で接続する。これにより、強力に地下水210を揚水することができる。
その結果、地下水210の水面211が下がり、帯水層200に不飽和層が形成され、不飽和層に存在する土壌に空気が接触する。その結果、帯水層200が好気性条件に変化し、地下水210のORPが0mV以上に上昇する。
地下水210のORPが0mV以上に上昇した後は、揚水を停止してもよい。揚水を停止すると地下水210の水面211が再び上昇するが、地下水210のORPが0mV以上に維持される場合には揚水は行わなくてもよい。しかしながら、地下水210のORPが再び0mV未満に低下した場合には、再び揚水を行って帯水層200に空気を導入し、地下水210のORPを0mV以上に調整する。その結果、土壌中の好気性微生物が活性化して有害物質を分解し、帯水層が浄化される。
本実施形態の浄化方法において、帯水層200に形成された不飽和層に井戸10を通して酸素水、酸素ガス又は空気ガスを注入してもよい。これにより、帯水層200をより効率よく好気性条件に変化させることができる。
また、本実施形態の浄化方法において、帯水層200に形成された不飽和層に井戸10を通して栄養剤を注入してもよい。これにより、土壌中の好気性微生物をより効率よく活性化させて有害物質を分解させることができる。
また、本実施形態の浄化方法において、帯水層200に形成された不飽和層に水を供給してもよい。水の供給は、井戸10を通して行ってもよいし、揚水を停止することにより、周囲の地下水が流入することにより行ってもよい。これにより、土壌中の好気性微生物の生育環境が良好なものとなり、好気性微生物をより効率よく活性化させて有害物質を分解させることができる。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[比較例1]
有害物質で汚染された帯水層が存在する敷地内の2ヶ所の区画において、経時的に地下水を採取し、ORP、ベンゼン濃度、o−ジクロロベンゼン(o−DB)濃度を測定した。結果を表1に示す。表1に示すように、いずれの区画においてもORPは0mV未満であった。
[実施例1]
比較例1の区画1及び区画2において、帯水層に酸素ガス及び栄養剤を投入した。その後、経時的に地下水を採取し、ORP、ベンゼン濃度、o−ジクロロベンゼン(o−DB)濃度を測定した。結果を表1に示す。その結果、実験開始から1日後にはORPが0mV以上になり、実験開始から8日目までにベンゼン濃度及びo−ジクロロベンゼン濃度が顕著に低下したことが明らかとなった。
Figure 2017148723
[比較例2]
有害物質で汚染された帯水層が存在する敷地において、酸素水の注入を行った。しかしながら、本敷地の帯水層は、上部に難透水性の地層が存在しており、帯水層への酸素水の注入が困難であった。その結果、本比較例の実施期間中、地下水のORPは0mV未満で推移した。
敷地を全57区画に分け、各区画において経時的に地下水を採取し、ベンゼン濃度及びo−ジクロロベンゼン濃度を測定した。図3は、地下水中のベンゼン濃度の推移を示すグラフであり、図4は、地下水中のo−ジクロロベンゼン濃度の推移を示すグラフである。図3及び4に示す値は、いずれも全57区画でそれぞれ測定された値の平均値である。また、図3及び4のいずれにおいても、実験開始から9ヶ月までは本比較例の条件であり、9ヶ月目以降は後述する実施例2の条件であった。
その結果、図3及び4に示すように、ベンゼン濃度及びo−ジクロロベンゼン濃度のいずれについても顕著な変化は認められなかった。
[実施例2]
比較例2と同一の敷地において、真空ポンプを用いたウェルポイント工法により、帯水層に存在する地下水の揚水を行った。
図5は、No.1〜3として示す、代表的な3区画における地下水の水位の変化を示すグラフである。本実施例では、日中に地下水の揚水を行い、夜間は揚水を停止した。このため、図5に示すように、日中は地下水の水位が次第に低下し、夜間には水位の回復が見られた。また、揚水により、地下水位が帯水層の中位程度以下まで低下していることが確認された。
図6は、No.1〜4として示す、代表的な4区画において、経時的に地下水のORPを測定した結果を示すグラフである。その結果、ウェルポイント工法を開始した後に、ORPが0mV以上に上昇したことが明らかとなった。
上述したように、図3及び4の9ヶ月目以降は、本実施例2の条件下における、地下水中のベンゼン濃度及びo−ジクロロベンゼン濃度の推移を示すグラフである。その結果、ウェルポイント工法開始後に、地下水中のベンゼン濃度及びo−ジクロロベンゼン濃度が急激に低下したことが明らかとなった。
以上の結果から、浄化用流体の注入が困難な帯水層においても、揚水して帯水層に存在する土壌に空気を接触させることにより、地下水のORPを0mV以上に調整することができることが明らかとなった。また、地下水のORPを0mV以上に調整した結果、土壌中の微生物が活性化し、有害物質を浄化できることが明らかとなった。
10…井戸、11…蓋体、20…吸水部、30…真空ポンプ、100…浄化装置、200…帯水層、210…地下水、211…水面。

Claims (4)

  1. 有害物質で汚染された低透水性の帯水層に設置した井戸に真空ポンプを気密状態で接続し、前記帯水層に存在する地下水を揚水して前記地下水の水位を低下させ、前記帯水層に不飽和層を形成し、前記不飽和層に存在する土壌に空気を接触させる工程1と、
    前記工程1の後、前記不飽和層に酸素、栄養剤又は水を供給する工程2と、
    を備える、有害物質で汚染された低透水性の帯水層の浄化方法。
  2. 前記水位を前記帯水層の半分以下に低下させる、請求項1に記載の浄化方法。
  3. 前記低透水性の地層は、透水係数が10−4cm/秒以下である、請求項1又は2に記載の浄化方法。
  4. 前記工程2の後の前記地下水の酸化還元電位が0mV以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の浄化方法。
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