JP4398699B2 - 汚染地下水の原位置浄化システム - Google Patents

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Description

本発明は、汚染物質を含有する地下水を、非掘削(原位置)で浄化する、汚染地下水の原位置浄化システムに関する。
近年、工場、廃棄物処理場、不法投棄箇所等からの汚染物質の流出が原因による、土壌汚染とそれに伴う地下水汚染が社会的な問題となっている。
これらの汚染物質の浄化方法として、従来、汚染物質を含有した土壌を掘削し、洗浄、熱処理、ばっ気等により浄化処理した後、埋め戻す方法がとられていたが、そのためには大規模な設備やそのための広い用地を確保する必要があるとともに、コストも高くなるという問題を有していた。また、深度の深い位置において汚染されている場合、その掘削作業に多大な労力と時間が必要となるという問題も有していた。
そのため、原位置における汚染地下水の浄化方法として、さまざまな技術が開発され、実用化に至っている。例えば、揚水循環法は、汚染地下水を揚水し、水処理した後に土壌に注水・返送する浄化方法である(例えば特許文献1参照)。また、スパージング法は、土壌に空気を圧入することにより、地下水中の汚染物質の気化・拡散を促進させるとともに、土壌に酸素を供給することにより当該土壌に生息する微生物を活性化させて地下水中の汚染物質の分解を促進する浄化方法である(例えば特許文献2参照)。
特開平07−082730号公報(段落0010〜0018、図2) 特開2002−254062号公報(段落0019〜0049、図1)
しかしながら、前者の揚水循環法は、下記に示すような問題点を有していた。
(1)透水性の低い地盤では適用することが難しい。
(2)揚水量に対して注入可能な水量は1/3〜1/4であり、土壌に地下水を返送するための井戸を多く設置する必要がある。
また、後者のスパージング法も、下記に示すような問題点を有していた。
(1)土壌構造は不均一なため、空隙が大きいところを中心に空気が通過するため、空気が通りにくい部分では汚染物質の気化・拡散がおこりにくい。
(2)微生物による汚染物質の分解に必要な栄養源を効率的に供給する方法が確立されておらず、また、汚染物質の濃度が高い場合には微生物の分解活性が低下して、汚染物質が残存する。
(3)初期における汚染物質の浄化効果が大きいが、時間の経過とともに浄化効果が小さくなる。
本発明は、前記問題点を解決することを目的とするものであり、簡易な設備により揚水循環法とスパージング法とを併用した浄化設備により、地盤の状況にとらわれずに効率的な地下水の循環、汚染物質の気化・拡散及び微生物分解の活性化を促進して、均一かつ速やかな浄化を実現し、経済的でかつ効果的に汚染物質の浄化を原位置にて行うことを可能とする汚染地下水の原位置浄化システムを提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、土壌に空気と液体とを圧入するために地盤内に設置された単数又は複数のスパージング井戸と、汚染地下水を揚水するために地盤内に設置された単数又は複数の揚水井戸と、前記揚水井戸から揚水された汚染地下水を浄化するための水処理装置と、を備える汚染地下水の原位置浄化システムであって、前記スパージング井戸は、下端部に前記空気と前記液体を土壌に圧入するための開口部が形成されているとともに、下端が前記汚染地下水の水深より深い位置に配置されるように設置されていて、前記スパージング井戸には前記空気を供給する空気供給手段と、前記液体を供給する液体供給手段とが接続されており、前記スパージング井戸から前記土壌に前記空気を圧入すると同時に前記液体を圧入し、かつ前記揚水井戸から前記汚染地下水を揚水することを特徴としている。
また、請求項2に係る発明は、土壌に空気と液体とを圧入、かつ汚染地下水を揚水するために地盤内に設置された単数又は複数のスパージング井戸と、前記スパージング井戸から揚水された前記汚染地下水を浄化するための水処理装置と、を備える汚染地下水の原位置浄化システムであって、前記スパージング井戸は、下端部に前記空気と前記液体を土壌に圧入するための開口部が形成されているとともに、下端が前記汚染地下水の水深より深い位置に配置されるように設置されていて、前記スパージング井戸には前記空気を供給する空気供給手段と、前記液体を供給する液体供給手段とが接続されており、前記スパージング井戸において、前記土壌に前記空気を圧入すると同時に前記液体を圧入することと、前記汚染地下水を揚水することとを、切り替えて行うことを特徴としている。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の汚染地下水の原位置浄化システムであって、前記液体供給手段は、前記水処理装置に接続されており、前記スパージング井戸から圧入される前記液体が、揚水された前記汚染地下水が前記水処理装置により浄化された浄化水であることを特徴としている。
さらに、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の汚染地下水の原位置浄化システムであって、前記スパージング井戸から注入される前記液体に、土壌に生息する微生物の栄養源が含まれていることを特徴としている。
本発明の汚染地下水の原位置浄化システムによれば、1つのスパージング井戸を供用して空気と液体との圧入を行うことにより、少ない井戸数にてスパージング法と揚水循環法とを同時に実施することが可能となる。さらに、1つのスパージング井戸を利用して空気と液体との圧入と、汚染地下水の揚水とを交互に行うことにより、さらに井戸数を減らすことが可能となり、よりコンパクトな施設による汚染地下水の原位置浄化が可能となる。
また、空気とともに栄養源を含有した液体を効率的に供給することにより、長期間に渡り微生物が活性化して分解能力の促進が図られるため、高濃度の汚染についても浄化が可能となるとともに、微生物が増殖することで空気及び液体の流路は塞がれて、その後注入された空気及び液体の流れは土壌内において他の空隙へ移動することを繰り返すため、空気及び液体を地盤内へ均一に供給することが可能となる。
また、液体を所定の圧力で注入することにより、揚水循環量が増加し、透水性の低い地盤に対して適用可能となり、かつ、空気の圧入にも影響を与えない。
また、従来の揚水循環法と比較して、スパージング法と揚水循環法とを併用して汚染地下水の浄化を行うことにより、従来の揚水循環法において必要な揚水地下水量は地盤内に存在する地下水の10倍程度であったのに対し、本手法によれば0.5〜1倍程度で浄化が可能となるなど、揚水量・返送量の大幅な低減が可能となり、施設のコンパクト化及び低コスト化が可能となる。
さらに、比較的簡易な設備により、高濃度に汚染された汚染地下水を浄化することが可能となるため、その設置・撤去が容易で施工性に優れ、設備投資の費用も削減でき、さらに、非掘削のため撤去後の用地の再利用時にも支障をきたすことがない、環境に配慮した原位置における地下水の浄化を実施することができる。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る汚染地下水の原位置浄化システム1の概略を示す側面図であって、当該原位置浄化システム1は、主にスパージング井戸10と揚水井戸40と遮水壁50と真空抽出ユニット60とから構成されている。
<原位置浄化システムの構成>
本実施の形態では、汚染地下水の存在する流域の地盤(以下「対象領域」という)に、所定間隔で3箇所のスパージング井戸10が配設されており、汚染された地下水の浄化に必要な空気Aと液体Wの供給が可能な、所定の内径を有する井戸である。その下端は、汚染地下水の水深より深い位置に配置されるように、不透水層上面RLまで達している。なお、スパージング井戸10の深度は、確実に汚染地下水への空気Aと液体Wの供給ができる位置であれば限定されるものではない。
本実施の形態に係るスパージング井戸10にはその下端付近に開口部を有した鋼管が使用されており、当該開口部には土砂により塞がれることがないように、通気・通水が可能なスクリーン11が配設されている。
また、スパージング井戸10の上端部には、空気供給手段20の送気管21と液体供給手段30の送水管31が接続されている。
空気供給手段20は、コンプレッサ22と、コンプレッサ22に接続されている送気管21とから構成されており、コンプレッサ22により圧縮された空気Aを、送気管21を介してスパージング井戸10に送気する手段である。また、送気管21の所定の位置には、供給する空気Aの量を調整するためのバルブ23、流量計24、圧力計25が配設されている。
液体供給手段30は、上流側から順に、液体Wを貯留する液体貯留槽33、液体Wに栄養源を添加する栄養源添加槽34、液体Wを送液するための送水ポンプ32、が設けられており、これらはスパージング井戸10に接続されている送水管31と連通している。また、送水管31には、供給する液体Wの量を調節するためのバルブ35と水量計36が配設されている。
液体貯留槽33には後述する水処理装置42に接続されており、スパージング井戸10のスクリーン11から土壌に圧入される液体Wは、液体貯留槽33に貯留された、水処理装置42において浄化された地下水(浄化水)に、栄養源添加槽34において土壌の微生物を活性化させる窒素及びリン等の栄養塩を加えるとともに、糖質等の微生物に分解しやすい有機物質を0.1〜5%加えてなる、微生物の栄養源を含んだ液体(以下「栄養塩水」という場合がある)Wであり、これにより、土壌の微生物分解活性を高めることが可能となる。なお、栄養塩水Wは、栄養源添加槽34から送水ポンプ32により所定の圧力でスパージング井戸10を介して土壌に圧入される。なお、土壌に圧入される液体Wは、地下水中の汚染物質の浄化を促進することが可能であれば、浄化水に栄養源を添加した液体に限定されるものではない。
揚水井戸40は、汚染地下水を揚水するための井戸であり、本実施の形態では汚染地下水の流域の略中央付近に、1箇所配設されている。当該揚水井戸40は、鋼製の有孔管を地盤内に配管することにより形成されており、揚水井戸40に流入した汚染地下水を揚水するために地上に設置されているポンプ43と、揚水した汚染地下水を水処理装置42に送水するために水処理装置42と接続されている送水管41が、地表面に沿って接続されている。また、揚水井戸40の下端は、不透水層上面RL付近にまで達している。なお、揚水井戸40に、鋼製の有孔管を配管するものとしたが、これに限定されるものではなく、汚染地下水の揚水井戸への流入が可能で、土圧により変形することがなければ、如何なる構造としてもよい。ここで、水処理装置42は、その装置内において、汚染地下水が空気と接し、撹拌されるように構成されており、汚染地下水が循環されることにより、含有する汚染物質が気化・拡散される構造となっている。なお、水処理装置は、汚染地下水の汚染物質の除去が可能であれば、その構造は限定されるものではない。
また、本実施の形態では、遮水壁50としてシートパイルが、汚染地下水の浄化を行う領域全周囲を取り囲むように配設されており、当該領域への地下水の流入を防止するとともに、当該領域から汚染地下水の流出、土壌に圧入された空気Aや液体Wの領域外への流出を防止し、周辺地域への影響を防止することができるようになっている。なお、遮水壁50は、止水性に優れた部材であれば、シートパイルに限定されるものではない。
さらに、本実施の形態では、スパージング井戸10から土壌に圧入された空気Aを排気するために地下水位WLより上方位置に水平となるように配設された排気管61と排気管61に接続されておりその吸気を行う真空ポンプなどの真空装置62からなる真空抽出ユニット60が配設されている。真空抽出ユニット60は、スパージング井戸10により土壌に圧入された空気Aを、地下水位WL上方に配管された排気管61から真空装置62による吸引力により抽出する装置である。排気管61は、有孔管からなり、排気管61の各孔から真空装置62による吸引力により地盤内の空気を抽出することができるようになっている。なお、本実施の形態では、遮水壁50により取り囲まれた領域の地下水位WLより上方の地盤が、通気性に優れた砕石63に置き換えられてある。ここで、地下水位WLの上方の地盤を砕石63に置き換えるものとしたが、原地盤にそのまま真空抽出ユニット60を配設するなど、地盤内から吸気が可能であればその構成は限定されるものではない。
<作用>
以下、本発明の原位置浄化システムの作用について説明する。
まず、コンプレッサ22と送水ポンプ32と真空装置62を作動させて、スパージング井戸10から遮水壁50により取り囲まれた浄化領域内の汚染地下水に空気Aと栄養塩水Wを圧入する。
このとき、栄養塩水Wの土壌への圧入は、その量を、同一のスパージング井戸10から同時に圧入される空気Aの量(100〜300L/min)の約1/200〜1/10となるように、水量計36により確認しながらバルブ35を調節して行われる。これにより、土壌への空気Aの圧入に影響を与えずに栄養塩水Wの圧入が可能となる。
また、同じくスパージング井戸10のスクリーン11から土壌に圧入される空気Aは、コンプレッサにより圧縮された空気Aを送気管21を介して、その量を流量計24、圧力計25により確認をしながらバルブ23により調節して供給される。スパージング井戸10に供給された空気Aは、スパージング井戸10の下端部のスクリーン11から土壌に圧入される。
図2に示すように、土壌に空気Aと栄養塩水Wが供給されることにより、土壌に生息する微生物が活性化し、汚染物質73の分解を行う。このとき、微生物は、土粒子71の間隙72を通過する空気A及び栄養塩水Wの流れに沿って活性化し、汚染物質73の分解を行うとともに、微生物が活性化することで増殖し、土粒子71表面に微生物フロック74が形成されて当該間隙72が塞がれる。そのため、圧入された空気A及び栄養塩水Wの流れは新たな間隙72へと移行し、その流れに沿って、微生物による汚染物質73の分解が促進される。つまり、空気Aと栄養塩水Wの供給により、微生物が増殖されるため、空気A及び栄養塩水Wの通り道が変化し、これが繰り返されることにより、汚染物質73の物理的除去が均一に促進される。
スパージング井戸10の下端から排出された空気Aは、空気供給手段20の圧力と真空抽出ユニット60の吸引力によりスパージング井戸10の外周方向に拡散されつつ上方に上昇するため、浄化領域全体に空気Aが供給される。
また、地下水位より上方に上昇した空気Aは排気管61により吸引される。ここで、排気管61の周囲は、通気性に優れた砕石63が敷設されているため、排気管61の周囲に存在する間隙を通して効率的に空気Aを吸引することができる。これにより、線的に配置された排気管により、面的な空気Aの抽出が可能となる。
汚染地下水は、ポンプ43を作動させることにより、揚水井戸40から揚水され、送水管41により水処理装置42へと送水される。そして、水処理装置42において浄化された浄化水は、液体貯留槽33へ送水されて、液体供給手段30により再度土壌へ圧入される。このポンプ43の揚水力と送水ポンプ32の圧力により、地下水が効率的に循環され、また、液体Wが早期に土壌に浸透するので浄化効率が増加する。
なお、スパージング井戸10の本数、間隔、配置等は、圧入される空気A及び栄養塩水Wの量、汚染地下水の汚染濃度などにより適宜決定される。また、当該浄化領域の地表面をシート等で覆うことにより、外気への空気Aの流出を抑えるとともに、シートの内部が真空状態となるため、空気Aの抽出に効果的である。
また、土壌から揚水する揚水量に対する土壌へ圧入する栄養塩水Wの水量は、現地の状況に応じて適宜調整するものとする。つまり、土壌内の汚染源が、地下水位WLよりも深い位置に存在する場合は、揚水量と栄養塩水Wの水量は同量とすればよいが、図3に示すように、汚染源Gに対して地下水位WLが深い場合は、揚水量に対する栄養塩水Wの水量を増やすものとする。これにより、止水壁50により囲まれた領域の地下水位WLが地下水位WL’まで上昇し、汚染源Gを地下水位WL’よりも低い位置に配置させることが可能となる。したがって、それまで地下水位WLよりも浅く、栄養塩の供給が困難であった不飽和層における汚染に関しても、栄養塩水Wが浸透することで栄養塩が供給されるため、微生物による汚染物質の分解が促進される。この場合において、圧入する栄養塩水Wの量の増量方法は限定されるものではなく、送水ポンプ32による送液力の増加、スパージング井戸10の本数の増加等、適宜決定するものとする。
以上、本発明について、好適な実施の形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、土壌に圧入する液体として、揚水した汚染地下水を浄化してなる浄化水を使用するものとしたが、これに限定されるものではなく、水道水や河川の水等を使用してもよく、また、これら浄化水、水道水、河川の水等のうち、2種以上の液体を混合してなる混合水を使用してもよい。
また、本実施の形態では、スパージング井戸の他に揚水井戸を設け、汚染地下水の揚水を行うものとしたが、これに限定されるものではなく、1本の井戸を利用して交互に揚水と液体及び空気の圧入を行うことにより、スパージング井戸と揚水井戸とを兼用する構成としてもよい。
また、本実施の形態では飽和層における汚染地下水の汚染物質の浄化を行うものとしたが、当該原位置浄化システムを、汚染源を有する不飽和層にも採用することにより、積極的に不飽和層に水を循環させるとともに、空気を供給することにより、汚染源の分解を促進させることも可能である。
また、土壌へ圧入する空気及び液体の量は限定されず、土壌に応じて適宜変更可能であることはいうまでもない。
また、本実施の形態では、真空抽出ユニットとして地盤内に有孔管により配管を行うものとしたが、浄化領域の地表面上をシート等により覆い、気化したガスの流出を防止し、真空ポンプで吸気する構成としてもよい。
また、原位置浄化システムの各装置の配置、数量等は、適宜変更可能であることはいうまでもない。
次に、本発明に関する実証実験を行った結果を示す。
(1)汚染物質の分解促進効果
まず、ベンゼンにより汚染された地下水について、従来のスパージング法による微生物分解と、本発明のスパージング法と揚水循環法とを併用した方法(以下「注水スパージング法」という)による微生物分解との比較を行った。
ベンゼンにより汚染された地下水に、50日間スパージング法により浄化を実施した後、注水スパージング法による浄化を50日間実施し、その結果を浄化期間をX軸、微生物分解されたベンゼン濃度をY軸にとり、図4に示す。実証実験の結果、スパージング法による微生物分解のベンゼン濃度の半減期は27日であり、その後実施した注水スパージングによるベンゼン濃度の半減期は12日であった。これにより、注水スパージングによる微生物分解の促進効果が飛躍的に向上したことが実証された。ここで、半減期とは、汚染物質の全質量の半分が他の物質に変化するまでの期間のことを示し、通常、半減期の1倍、2倍、3倍の時間が経過するとその質量は、それぞれ最初の量の1/2、1/4、1/8と変化する。つまり、ベンゼン濃度の半減期は27日であるのに対し、本発明による注水スパージング法によれば、12日に短縮することができ、その浄化能力が大幅に向上されたことが実証された。
(2)地盤への返送水量の増加
次に、透水性の低い地盤に対して注水スパージング法を採用した場合の地盤への液体の圧入量(返送水量)について実証実験を行った結果を示す。
井戸1本あたりの自然返送水量が0.8L/minの透水性の低い地盤に対して、注水スパージング(空気圧入量を150L/minに設定)を行った結果を表1に示す。その結果、液体の圧入量は、10L/minまで増加させることが可能であることが実証され、さらに、液体の圧入量を増加したときの空気圧入量の減少や、地盤内部圧力の増加は小さく、スパージング法に液体の圧入を組み合わせることによる空気圧入量への影響や、井戸への負担が小さいことが実証された。
Figure 0004398699
(3)地下水量に対する揚水循環量
さらに、ベンゼンの溶出量が0.55mg/Lの汚染土壌に対して、注水スパージング法による浄化を実施したところ、従来の揚水循環法による浄化では、経験上、地盤内に存在する地下水量の10倍程度の揚水循環が必要となるところ、注水スパージング法では地下水量の0.5倍の量の揚水循環を実施することで、ベンゼンの溶出量が0.03mg/Lにまで低減された。これにより揚水循環に要する水量の大幅な低減が可能であり、施設のコンパクト化及び低コスト化が可能であることが実証された。
汚染地下水の原位置浄化システムの概略を示す側面図である。 微生物の活性化に伴う空気及び液体の流れの変化を示す概略図である。 地下水が低い地域における汚染地下水の原位置浄化システムの作用を示す側面図である。 浄化期間と微生物分解されたベンゼン濃度の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 原位置浄化システム
10 スパージング井戸
20 空気供給手段
21 送気管
22 コンプレッサ
30 液体供給手段
31 送水管
32 送水ポンプ
33 液体貯留槽
34 栄養源添加槽
40 揚水井戸
41 送水管
42 水処理装置
A 空気
W 液体(栄養塩水)

Claims (4)

  1. 土壌に空気と液体とを圧入するために地盤内に設置された単数又は複数のスパージング井戸と、
    汚染地下水を揚水するために地盤内に設置された単数又は複数の揚水井戸と、
    前記揚水井戸から揚水された前記汚染地下水を浄化するための水処理装置と、
    を備える汚染地下水の原位置浄化システムであって、
    前記スパージング井戸は、下端部に前記空気と前記液体を土壌に圧入するための開口部が形成されているとともに、下端が前記汚染地下水の水深より深い位置に配置されるように設置されていて、
    前記スパージング井戸には前記空気を供給する空気供給手段と、前記液体を供給する液体供給手段とが接続されており、
    前記スパージング井戸から前記土壌に前記空気を圧入すると同時に前記液体を圧入し、かつ前記揚水井戸から前記汚染地下水を揚水することを特徴とする汚染地下水の原位置浄化システム。
  2. 土壌に空気と液体とを圧入、かつ汚染地下水を揚水するために地盤内に設置された単数又は複数のスパージング井戸と、
    前記スパージング井戸から揚水された前記汚染地下水を浄化するための水処理装置と、
    を備える汚染地下水の原位置浄化システムであって、
    前記スパージング井戸は、下端部に前記空気と前記液体を土壌に圧入するための開口部が形成されているとともに、下端が前記汚染地下水の水深より深い位置に配置されるように設置されていて、
    前記スパージング井戸には前記空気を供給する空気供給手段と、前記液体を供給する液体供給手段とが接続されており、
    前記スパージング井戸において、前記土壌に前記空気を圧入すると同時に前記液体を圧入することと、前記汚染地下水を揚水することとを、切り替えて行うことを特徴とする汚染地下水の原位置浄化システム。
  3. 前記液体供給手段は、前記水処理装置に接続されており、
    前記スパージング井戸から圧入される前記液体が、揚水された前記汚染地下水が前記水処理装置により浄化された浄化水であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の汚染地下水の原位置浄化システム。
  4. 前記スパージング井戸から注入される前記液体に、前記土壌に生息する微生物の栄養源が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の汚染地下水の原位置浄化システム。
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